JPH0585803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガス通路を有する熱交換器にして該ガ
ス通路が実質的にその縦軸線と平行に延びかつ相
互に気密となるように溶接された媒体搬送壁管よ
りなり、前記ガス通路が少なくともその一端にお
いて媒体搬送壁管によつて終結し、該媒体搬送壁
管が同様に相互に気密となるように溶接されかつ
ガス通路の縦軸線の横方向に延びるようになつて
いる熱交換器に関する。

（従来の技術） この型の熱交換器は蒸気発生器の形として周知
であり、そのガス通路は矩形断面を有している。
このガスの頭端を終結させるために該ガス通路の
二つの相対する側壁の管はその頭端において90度
の角度で内方に曲げられ、かつガス通路の中心ま
で延びるようにされており、したがつてこのよう
になすことは簡単である。前記二つの曲成された
側壁が出合う個所において壁管は上向きに曲げら
れ、かつ直線状管寄せにして、カバーと平行とな
るようにかつ管に対して垂直に配設された管寄せ
に延びている。この構造は簡単であるがいくつか
の基本的な欠点を有している。

この構造においては前記側壁の曲管は他の二つ
の側壁の管より長くなる。したがつてこの曲管を
通つて流れる媒体は他の非湾曲壁管を通る媒体よ
りも長時間にわたつてガス通路内の高温煙道ガス
にさらされる。したがつてガス通路の４個の壁か
ら発出する媒体は二つの異なる熱力学的状態にあ
る。

この周知の構造は矩形断面を有するガス通路だ
けに使用し得るものであり、すなわちガス通路が
４個以上の側部よりなる断面を有する場合、また
は円形断面を有する場合には使用できない。

さらにガス通路の側壁をガス通路端部の配管か
ら、これら２組の配管が、それぞれ相互に連結さ
れていない管寄せに連結されるようになすことに
よつて完全に分離することも周知である。このよ
うな構造を実際的に使用することは非常に困難で
ある。その理由は時に問題とするガス通路の大き
さにより該ガス通路の配管とガス通路の端部配管
との間に異なる熱膨張を発生せしめ、これを解決
するために非常に複雑なかつ高価な装置を必要と
するようになるからである。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明の目的は前記の型の熱交換器に対し、ガ
ス通路および少なくともその端部の一つの構造に
して、四つより多い側部を有するガス通路の断面
に対して使用し得ると共に、周知の配管の長さの
著しい不同を避け得るようになつた構造を供する
ことである。

（問題点を解決するための手段） 前記目的のために本発明においては、熱交換器
は、その長手方向軸線に平行に延びる複数の媒体
搬送壁管を有して、同じ長さの六以上の偶数個の
側部を備える多角形断面のガス通路を形成し、一
つおきの側部の各々の媒体搬送壁管は、ガス通路
の一方の端部において、ガス通路の内方へ向けて
第一水平面内に曲げられ、且つ、グループを形成
して平行に延びて、一つおきの側部の媒体搬送壁
管により形成されるグループの間に三角形開口を
形成し、グループの各々において、媒体搬送壁管
は、第一水平面内で共通の線まで延び、共通の線
の各々は、一つおきの側部の媒体搬送壁管により
形成されるグループの、三角形開口を介して面す
る最外方の媒体搬送壁管の交点の間を延び、共通
の線により画定される領域は、第一水平面内を延
びる媒体搬送壁管の少なくともいくつかの延長部
分により満たされ、且つ、一つおきの側部以外の
残りの側部の媒体搬送壁管は、ガス通路の一方の
端部において、ガス通路の内方へ向けて第二水平
面内に曲げられ、且つ、グループを形成して平行
に延びて、第一水平面内の該三角形開口の各々を
覆う。この解決法によれば、特に任意の断面を有
するガス通路の構造を著しく簡単にすることがで
きる。この新規な解決方法によれば、周知の熱交
換器に比して管の長さの差をより少なくすること
ができる。

（発明の効果） 本解決法によれば熱交換器の構造を簡単となし
得るばかりでなく、在来の技術を製造および組立
てにそのまま使用することができ、かつ特に保守
作業を行う時に必要なガス通路配管に対する近接
性が得られる。

（実施例） 次に添付図面によつて本発明の実施例を説明す
る。

第１図および第２図に示された実施例において
は、たとえば蒸気発生器燃焼室として働らく垂直
ガス通路１は６個の同じ側部を有する直立六角形
プリズムの形を有している。前記側部も壁管１５
によつて形成され、該壁管はガス通路１の縦方向
に延び、かつウエブ６により気密になるように相
互に溶接されている。第１垂直面Ｃにおいては３
個の非隣接側部の管が内向きに90度の角度で曲げ
られ、管５′の形で相互にガス通路のカバー２の
第１層３を形成している。プリズムの他の３個の
側部も第１垂直面Ｃの上方に位置する第２垂直面
Ｄにおいて内向きに90度の角度で曲げられ、かつ
管５″の形でカバー２の第２層４を形成している。
前記二つの層３，４において壁管１５の間に溶接
されたウエブ６は管５′，５″の間を延びている。

第１図に示された第１層３において、ガス通路
１の外方左側壁から発出した管５′は関連ウエブ
６と共に、この壁の二つの最外方管がこの層の他
の二つの壁の隣接最外方管５′と出会う位置に延
び、これら二つの位置の一つは第１図において参
照文字Ｅによつて表わされている。これら二つの
位置を連結する線において、外方左から発出しか
つウエブ６を有しない管５′は上向きに曲げられ、
90度に曲げられた別の湾曲部分となつた後、水平
に端部管寄せ８に導かれる。他の二つの側部から
発出した第１層３の管５′は先ず前記外方左から
発出した管と同様に第１図の位置Ｆまで延びる
が、この時これらの管は位置Ｆから二つの位置Ｅ
に延びる連結線によつて（垂直面Ｃ内にある間
に）、この二つの位置Ｅの連結線の方に向つて相
互に平行に延びる。前記３本の連結線によつて画
定された三角形面内においては管５′のピツチは
この三角形の外部におけるよりは小さく、したが
つてウエブもこれに対応してせまくなる。第１層
３のすべての管５′が出会う位置Ｅを連結する線
において、ウエブ６を有しないかつピツチの小さ
い管５′は上向きに曲げられ、端部管寄せ８に導
かれる。

カバー２の第１層３の３個の三角形開口１３を
有し、該開口の一つはその一部分が第１図に示さ
れている。前記開口は第２層４を形成する管５″
によつて被覆されている。何れの場合においても
ガス通路の一つの側部から発出する管５″のほぼ
半分は中央帯状部分を形成し、該中央帯状部分は
ガス通路の中心に向つて、第１層３の三角形面内
において位置Ｅまたはこれに最も近いＦを乗り越
えるようになるまで延びる。各中央帯状部分のこ
の端部において、管５″は垂直上向きに曲げられ、
別の湾曲部となつた後、水平に管寄せ７に延びて
いる。各中央帯状部分の各側において関連ガス通
路壁から発出した他の管５″は前記中央帯状部分
の管の距離の半分にわたつて延び、次に垂直上向
きに曲げられ、最後に別の湾曲部として水平に曲
げられ、かつ中央帯状部分の他の管が連結された
中間管寄せ７に連結される。第２層４のウエブ６
は垂直面Ｄにおいてのみ管５″の間を延びている。
中間管寄せ７は連結管１２（第２図）によつて端
部管寄せ８に連結されている。

端部管寄せ８と同様に、中間管寄せ７は実質的
に水平に配置され、かつ該中間管寄せ７および端
部管寄せ８はこれら管寄せに連結される管５′，
５″に対して直角をなすように位置決めされてい
る。連結管１２と、第１層３の外部および第４層
４の外部を延びる管５′，５″の部分とは、カバー
２内の異なる熱膨張および地震等に起因する変形
に容易に順応するために必要な可撓性を表わす長
さおよび形状を有するようにされている。

４個の水平部材９が対をなし、かつガス通路１
の縦軸線に対して対称となるように配分され、か
つ第２層４と中間管寄せ７との間においてある高
さを有するように配設されている。前記部材９は
その中心の剛直な連結部分、およびその長さにわ
たつて配分されかつ長さの方向に摺動し得るよう
に配分された複数の連結部分により、周知の態様
で（図示せず）カバー２に連結され、さらに該部
材９はその端部において継手によりガス通路１の
垂直壁に連結されている。したがつてカバー２の
曲げ応力は部材９によつて引受けられかつ純粋の
引張または圧縮応力としてガス通路１の壁に伝達
され、この時前記摺動部分および継手が部材９の
縦方向熱膨張を引受ける。

部材９のまわりを延びる管５″はこの部材から、
該管がその機能を自由に果し得るように隔置され
ている。

第１層３内の三角形開口１３の縁に沿つてシー
ト金属の帯片１１が該第１層３を第４層４に連結
し、ガス通路１の内部がその周囲から密封される
ようになつている。第３図および第４図に示され
る如く、カバー板１０は前記三角形開口１３の各
縁と平行に、第２層４の下側に連結され、かつ前
記各板は二つの隣接管５″を連結し、隣接するカ
バー板１０が相互に接触し、かつすべての板１０
が共に平らな面を形成するようにされている。開
口１３を画定する管５′の縦軸線とほぼ同じレベ
ルにおいて前記シート金属帯片１１が前記平らな
面と、前記管５′とに密封関係を有するように溶
接されている。前記溶接は製造時に下方から容易
に行うことができかつ続いて行われる検査も可能
となるようにされている。ガス通路１の内部とそ
の周囲とを確実に密封するために、カバー板１０
の二つの端部は管５″間のウエブ６まで延び、か
つ密封関係を有するようにこのウエブに溶接され
ている。

したがつてこの実施例においてはガス通路１の
すべての壁管１５はカバー２内に延長され、すべ
てのカバー管が媒体側のガス通路の壁管の全部と
直列に連結されるようになつている。カバー面の
関連する部分を有する六角形の各側部における管
の長さの差は大きくはなししたがつて管の中を流
れる冷却剤の熱吸収がガス通路の全体を考えた時
にさらに均一となり、したがつてまた管寄せ７，
８に流入する時の状態も均一となる。冷却剤の状
態を流動冷却剤の流れの混合によつて平衡せしめ
る管寄せ７，８から流出した後、作業媒体は合併
され（その態様は図示されていないが）、かつ蒸
気発生器の他の加熱表面に送給され、または直接
に消費部門に送給される。

カバー２内の管は水平に対してある程度の傾斜
を有するように配設し、該管の中に含まれる液状
流体および残留物がこの管から流出し、腐食およ
び（または）始動時に問題が生じるのを阻止する
ようにする方が有利である。

もちろん前記カバーには周知の態様でマンホー
ル等の如き出入用のマンホールを設けることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるガス通路の上方の端部の
略平面図、第２図は第１図の線−に沿つて取
られた略断面図、第３図は第２図の（Ａ）の方向
に見た拡大詳細図、第４図は第２図の（Ｂ）の方
向に見た拡大詳細図。 １……ガス通路、３……第１層、４……第２
層、５，５′，５″……水平管、７……中間管寄
せ、８……端部管寄せ、９……水平部材、１２…
…連結管、１５……壁管、２０……カバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱交換器であり、その長手方向軸線に並行に
   延びる複数の媒体搬送壁管を有して、同じ長さの
   六以上の偶数個の側部を備える多角形断面のガス
   通路を形成する、熱交換器において、 一つおきの側部の各々の媒体搬送壁管は、該ガ
   ス通路の一方の端部において、該ガス通路の内方
   へ向けて第一水平面内に曲げられ、且つ、グルー
   プを形成して平行に延びて、一つおきの側部の媒
   体搬送壁管により形成されるグループの間に三角
   形開口を形成し、該グループの各々において、媒
   体搬送壁管は、該第一水平面内で共通の線まで延
   び、該共通の線の各々は、一つおきの側部の媒体
   搬送壁管により形成されるグループの、該三角形
   開口を介して面する最外方の媒体搬送壁管の交点
   の間を延び、該共通の線により画定される領域
   は、該第一水平面内を延びる媒体搬送壁管の少な
   くともいくつかの延長部分により満たされ、 且つ、該一つおきの側部以外の残りの側部の媒
   体搬送壁管は、該ガス通路の該一方の端部におい
   て、該ガス通路の内方へ向けて第二水平面内に曲
   げられ、且つ、グループを形成して平行に延び
   て、該第一水平面内の該三角形開口の各々を覆う
   ことを特徴とする、熱交換器。 ２ 該側部において、且つ該第一水平面内の該グ
   ループにおいて、媒体搬送壁管は、均一なピツチ
   で配置されている、特許請求の範囲第１項に記載
   の熱交換器。 ３ 該延長部分は、該側部における且つ該第一水
   平面内の該グループにおける媒体搬送壁管のピツ
   チより小さいピツチで配置されている、特許請求
   の範囲第１項又は第２項の何れか一項に記載の熱
   交換器。 ４ 該側部において、且つ該第二水平面内の該グ
   ループにおいて、媒体搬送壁管は、均一なピツチ
   で配置されている、特許請求の範囲第１項に記載
   の熱交換器。 ５ 更に、該第一水平面内の媒体搬送壁管に共通
   して接続される第一管寄せと、該第二水平面内の
   媒体搬送壁管のグループにそれぞれ接続される複
   数の管寄せとを有する、特許請求の範囲第１項に
   記載の熱交換器。 ６ 該複数の管寄せは、該第一管寄せに接続され
   る、特許請求の範囲第５項に記載の熱交換器。 ７ 該長手方向軸線は、垂直に延び、更に、該媒
   体搬送壁管のグループと該管寄せとの間に複数の
   平行部材が設けられ、該部材の端部の各々は該ガ
   ス通路の側部に継手連結され、該媒体搬送壁管の
   グループから該側部へ応力を伝達する、特許請求
   の範囲第５項に記載の熱交換器。 ８ 少なくとも該第一管寄せは、それ内を流れる
   媒体を混合する、特許請求の範囲第５項に記載の
   熱交換器。