JPH0584794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、温室や天窓等の水平開口部を開閉す
るための建物用シヤツターの収納レール構造に関
するものである。

［従来技術及び発明が解決しようとする問題点］ 一般に、この種建築用シヤツターにおいては、
例えば昼間においてはシヤツターカーテンを開放
して室内を明るくし、夜間においてはシヤツター
カーテンを閉ざして保温性を確保するようにした
ものがある。しかるにこのものにおいて、建築用
シヤツターをパネルシヤツターとした場合には、
このパネル体を横方向に倒した状態で収納する構
成とすることが提唱される。そしてこの場合、パ
ネル体の両側端部にそれぞれ前後一対のローラを
設けて略水平方向を向くガイドレール方向と平行
な姿勢で開閉作動するように構成する必要があ
る。そしてこの様にした場合、ガイドレールから
続く縦方向の収納レールを、例えば特公昭61−
35352号公報に示す如きものをそのまま倒伏させ
て構成した場合に、スラツトは、水平姿勢の状態
で収納レールの上下動を行うこととなる。しかる
にスラツトは、一端部は先行するスラツトに他端
部は後続のスラツトに連結される構造であるた
め、どうしても傾斜する方向に負荷が加わり、こ
の結果、スラツトの収納レールでの円滑な走行性
が著しく損われてしまうという欠点があり問題と
なる。

［問題を解決するための手段］ 本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができる建物用シヤツターの収納
レール構造を提供することを目的として創案され
たものであつて、パネル状のスラツトを、該スラ
ツトの左右両縁部にそれぞれ設けた前後一対のロ
ーラのうちの何れか一方のローラ同志を互いに作
動チエンで連結して一連状のシヤツターカーテン
を構成してなる建物用シヤツターにおいて、前記
ローラが走行して開閉案内をするガイドレール
を、略水平状にガイドする水平ガイド部と、シヤ
ツターカーテンを収納する上下方向のカーテン収
納部とで構成すると共に、前記カーテン収納部
を、該収納部上端部側からスラツトが送り込ま
れ、かつ上記前後ローラが各別に走行すべく並設
した一対の縦方向を向くレール体によつて構成す
ると共に、該レール体は、スラツトが送り込まれ
る上部側は狭く、下部側は広い末広がり状に敷設
されていることを特徴とするものである。

そして本発明は、この構成によつて、縦方向の
収納レールに収納するようにしたものでありなが
ら、スラツトの円滑な走行性を確保することがで
きるようにしたものである。

［実施例］ 次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１は温室であつて、該温室
１は妻側が略東西を向くようにして東西の方向に
長く建付けられるものであり、そして南西側の垂
直状の支柱２、上端側ほど南面側に変位するよう
傾斜した北面側の支柱３、並びに両支柱２，３の
上端部間に南面側ほど低くなるよう傾斜状に支架
された屋根支柱４を用いて枠組形成されている。
そしてこれら支柱２，３，４、並びに図示しない
補助枠材に透光性の樹脂製フイルム５が外壁とし
て全面に張設されていることによつて室温１が形
成されている。

一方、６は断熱材を兼ねる反射板であつて、該
反射板６は、その表裏両面にアルミ箔等の部材に
よつて形成される反射面を有するものであるが、
この反射板６は、北側支柱４と略平行となるよう
にして温室内の北側部に、北面側支柱４とは所定
間隔を存するようにして、反射面が南面を向くよ
うにして傾斜状に立設されていて、太陽光線を反
射し、その反射光を温室内の床土面に向けて反射
するようになつている。ここで反射板６の傾斜角
度は、実施例では略70度に設定されている。これ
は北海道において組付ける場合の例であるが、そ
の傾斜角度の算出は、太陽仰角が、最も小さい冬
至のときが略22度であり、また最も大きい夏至の
ときが略70度であり、これらの数値を考慮し、冬
季において特に北面側の植物に反射光線を集中し
て照射でき、また夏季において反射板６によつて
温室内の床土に影が出来ない角度として算出され
ている。

また７は温室内に組付けられる開閉シヤツター
であつて、該開閉シヤツター７を構成するガイド
レール８は、温室１の両妻側面の支柱に直接かあ
るいは支持枠を介して一体的に取付けられてい
る。そして実施例において、ガイドレール８は、
内外に並設する二連のレール体８ａ，８ｂによつ
て構成されており、かつ南面側においては南面側
支柱２と略平行な垂直方向を向き、天井側におい
ては屋根支柱４よりは緩傾斜であるが、南面側が
低くなるように敷設されており、シヤツターカー
テンを略水平状にガイドする水平ガイド部となつ
ている。さらに北面側においては、反射板６と北
面側支柱３との間隙に形成されるカーテン収納部
Ａとなつていて、外周側レール体８ａは支柱３と
平行状に、また内周側レール体８ｂはそれよりも
急傾斜となるようにして敷設されていることによ
つて、下端側ほど拡開した末広がり状になると共
に、その仰角は内周側レール体８ｂの方が大きく
なるように構成されている。

一方、シヤツターカーテンは、例えば硬質発泡
ポリウレタンフオームを入方式、ラミネート方式
等の適宜手段によつて製造される断熱材を用いて
形成された板状のスラツト９によつて構成される
ものであるが、スラツト９の内外表面には前記反
射板６と同様の反射面が形成されており、かつス
ラツト９の左右両側縁には走行ローラ１０，１１
が内外両面に齬齬状にそれぞれ取付けられてい
る。そして内面側走行ローラ１０は内周側レール
体８ｂを、外周側走行ローラ１１は外周側レール
体８ａをそれぞれ専属的に走行するように組付け
られている。

また、１２は内面側走行ローラ１０のローラ軸
１０ａに取付けられる作動チエンであつて、該作
動チエン１２は、互いに隣接するスラツト９の縁
部同志が所定の間隙Ｌを存して対向する関係でス
ラツト９を連続的に連結している。さらに１３は
ガイドレール８の北面側コーナー部に設けた開閉
機であつて、該開閉機１３にチエン伝動された駆
動スプロケツト１４が前記作動チエン１２に噛合
するようになつており、開閉機１３の正逆駆動に
伴う駆動スプロケツト１４のチエン強制移送作動
によつて、シヤツターカーテンの開閉作動を行う
ことができるようになつている。即ち、シヤツタ
ーカーテンは、全開状態では、北面側に形成され
た前記ガイドレール８の収納部Ａに積層状にしか
も作動チエン１２が連結される前端側（閉塞時に
おいて下端側となる縁部）が上方を向く傾斜姿勢
で、かつこの傾斜姿勢は、両レール体８ａ，８ｂ
が上側ほど狭くなる構成であることによつて収納
上部側ほど急となる姿勢となつており、開閉機１
３の駆動によつて作動チエン１２を南面側に強制
移送することに連繁して上側のスラツト９から順
に収納部Ａから略水平状に水平ガイド部へ送り出
されて順次閉塞することになる。そして先頭スラ
ツト９がガイドレール８の先端部（南面側ガイド
レールの下端部）に達し、さらに各スラツト９間
の間隙Ｌが無くなる状態でシヤツターカーテンは
全閉となり、この状態を図示しない下限リミツト
スイツチで検知して開閉機１３の駆動を停止する
ようになつている。逆に、開閉機１３を上記とは
逆駆動させることによつてスラツト９は北面側の
収納部Ａに順次送り込まれて全開状態となり、こ
れを前記とは別の上限リミツトスイツチによつて
検知し、開閉機１３の駆動を停止するようになつ
ており、この様にして開閉シヤツター７の開閉制
御を行うことができるようになつている。尚、図
中、１５は最終スラツト９に設けた気密シートで
あつて、全閉時に反射板６に接当して気密性を確
保するものであり、また１６は北面側外壁に開閉
自在に設けた天窓であつて、その内側面は反射面
となつている。

叙述の如く構成された本発明の実施例におい
て、太陽光線が照射する昼間においては、開閉シ
ヤツター７は全開状態としておき、この様にする
ことによつて太陽光線が一重の樹脂製フイルム５
から極めて効率良く温室内に入射することになる
と共に、さらに実施例では、太陽光線を反射板６
と天窓１６とによつて反射して、その反射光線
を、南面側の植物によつて遮られ充分な日照を得
ることが難しい北面側の植物に対して特に集中し
て照射できることとなり、従つて、仮令冬季の様
に太陽の仰角が低い場合であつたとしても温室内
の植物に対して満遍無く目照を確保することがで
きることになる。一方夜間においては、開閉機の
駆動によつてシヤツターカーテンを全閉して、温
室１を、外壁である樹脂性フイルム層とシヤツタ
ーカーテンとによる二重層の保温構造として、優
れた保温性の確保を果たすことができることにな
る。

この様に、本発明においては、シヤツターカー
テンの開閉を必要において行うことによつて、日
照の確保と保温象の確保とを果たすことができる
ものであるが、この場合に、収納部Ａがスラツト
９を倒伏して積層状態で収納するように構成され
たものであつても、スラツト９の収納部Ａでの移
送作動が滞ることなく円滑に行われることとな
る。即ち、ガイドレール８は、収納部Ａにおいて
レール体８ｂ，８ａが下端部を拡開した末広がり
状になつていて、前後両端部に設けたローラ１
０，１１がそれぞれ対応するレール体８ａ，８ｂ
を転動する状態で収納されることとなる。従つ
て、スラツト９は、収納作動時においては、開閉
機のチエン巻取り作動によつて先行して収納部Ａ
側に送られる後端側が下側を向く略起立した姿勢
で下動しながら収納部Ａに送られることとなり、
そしてこの収納部Ａでは、下方に移動するほどそ
の傾斜角度が緩い倒伏姿勢となつて先行して収納
されたスラツト９の上側に重合状に収納されるこ
ととなる。また逆にスラツト９が収納部Ａから水
平ガイド部へ繰り出される場合には、作動チエン
１２に連結される前端側（上端側）が上方に引張
られる様ににして上動することになるが、スラツ
ト９は、上方に変位するほぼ起立姿勢となつてり
繰り出されていく。このため、スラツト９の、レ
ール収納部での移送姿勢が自然の状態となつて、
無理のない確実な移送が成され、もつてスラツト
９を、倒伏姿勢で収納するようにしたものであり
ながら、スラツト９のレール収納部Ａでのローラ
走行が円滑で、確実なものとなる。

しかも実施例の様に、作動ワイヤ１２に連結さ
れる側の走行ローラ１０が転動するレール体８ａ
が外周側のレール体８ａよりも急傾斜状態となつ
ているので、スラツトは、収納時において、その
前端側が、先行して収納されている下側スラツト
の前端側よりも前方に変位した位置ずれ状態とな
つて重合しており、この結果、実施例のようにロ
ーラ軸をスラツトの面板に対して膨出させて設け
た場合に、そのローラ軸部が隣接するスラツト９
からずれた状態で収納することができて、スラツ
ト９がローラ軸に接当して傷付いたりすることを
効果的に防止できることとなる許りでなく、弛ん
だ作動チエン１２をローラ軸に干渉することなく
整然とした姿勢で垂下できることとなつて、作動
チエン１２が絡み合つたりする不具合を確実に防
止できて、より一層円滑な開閉を行うことができ
ることとなる。

尚、本発明は前記実施例に限定されるものでな
いことは勿論であつて、要は、パネル状のスラツ
トを、該スラツトの左右両縁部にそれぞれ設けた
前後一対のローラのうちの何れか一方のローラ同
志を互いに作動チエンで連結して一連状のシヤツ
ターカーテンを構成してなる建物用シヤツターに
おいて、前記ローラが走行して開閉案内をするガ
イドレールを、略水平状にガイドする水平ガイド
部と、シヤツターカーテンを収納する上下方向の
カーテン収納部とで構成すると共に、前記カーテ
ン収納部をスラツトは上端部側から送り込まれ、
かつ上記前後ローラが各別に走行すべく並設した
一対の縦方向を向くレール体によつて構成すると
共に、該レール体は、スラツトが送り込まれる上
部側は狭く、下部側は広い末広がり状に敷設され
ているものであれば良く、従つて、収納部は前後
のローラが各別に走行する一対のレール体から形
成されているが、開口部側は一体のレール体と
し、両レール部間にローラ振り分け部を設けて、
一本のレール体を走行する前後ローラを、振り分
け部によつて収納部における各レール体に振り分
けて収納するようにしても良いものである。

［作用効果］ 以上要するに、本発明は叙述の如く構成された
ものであるから、シヤツターカーテンは、スラツ
トが上端部側から送り込まれて倒伏した姿勢で重
合状に収納するようにしたものでありながら、そ
の場合に、スラツトをガイドするガイドレール
が、水平ガイド部とカーテン収納部とで構成され
ており、この収納部が、下端側ほど拡開した末広
がり状になつていることから、スラツトは、上端
部側に位置するほど起立した状態となり、下端側
に位置するほど倒伏した姿勢で重合状に収納され
ることとなる。このため、スラツトの移送作動
は、倒伏した重合状態で収納するようにしたもの
でありながら、極めて自然な状態となり、もつて
収納部でのスラツト移送に無理なく、円滑かつ確
実で移送トラブルを無くすることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係る建物用シヤツターの収納
レール構造の実施例を示したものであつて、第１
図は開閉シヤツターを全開した状態を示す温室の
縦断面図、第２図は開閉シヤツターを全閉した状
態を示す温室の縦断面図作用説明図、第３図はシ
ヤツターカーテンの要部斜視図、第４図はシヤツ
ターカーテンの収納状態を示す側面図である。 図中、７は開閉シヤツター、８はガイドレー
ル、９はスラツト、１０，１１はローラである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パネル状のスラツトを、該スラツトの左右両
   縁部にそれぞれ設けた前後一対のローラのうちの
   何れか一方のローラ同志を互いに作動チエンで連
   結して一連状のシヤツターカーテンを構成してな
   る建物用シヤツターにおいて、前記ローラが走行
   して開閉案内をするガイドレールを、略水平状に
   ガイドする水平ガイド部と、シヤツターカーテン
   を収納する上下方向のカーテン収納部とで構成す
   ると共に、前記カーテン収納部を、該収納部上端
   部側からスラツトが送り込まれ、かつ上下前後ロ
   ーラが各別に走行すべく並設した一対の縦方向を
   向くレール体によつて構成すると共に、該レール
   体は、スラツトが送り込まれる上部側は狭く、下
   部側は広い末広がり状に敷設されていることを特
   徴とする建物用シヤツターの収納レール構造。 ２ 前記スラツトは、開口部の閉鎖方向である前
   側のローラ側を作動チエンで連結したものとし、
   かつ収納レールは、前側ローラが走行するレール
   体の方が、後側ローラが走行するレール体よりも
   大きい仰角となる状態で傾斜せしめて構成したこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の建物
   用シヤツターの収納レール構造。