JPH0584622A - インクジエツト用ヘツドの組み立て方法 - Google Patents

インクジエツト用ヘツドの組み立て方法

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JPH0584622A
JPH0584622A JP15301391A JP15301391A JPH0584622A JP H0584622 A JPH0584622 A JP H0584622A JP 15301391 A JP15301391 A JP 15301391A JP 15301391 A JP15301391 A JP 15301391A JP H0584622 A JPH0584622 A JP H0584622A
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JP
Japan
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heater board
top plate
heater
axis
positioning
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JP15301391A
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English (en)
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Masaki Inaba
正樹 稲葉
Takeshi Baba
剛 馬場
Toshio Tsuda
俊男 津田
Takeshi Origasa
剛 折笠
Takashi Oba
孝 大庭
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、インクジエツト用ヘツドの組み立
て方法において、接着剤の定位置、定量塗布を可能にし
たことを最も主要な特徴とする。 【構成】この発明に係わるインクジエツト用ヘツドの組
み立て方法は、インク加熱用複数のヒータ112が形成
されているヒータボード102及び各ヒータ112に対
応するノズル穴106が形成された天板部材104の互
いの接合面の何れか一方に、接着剤80a,80bを塗
布し、ヒータボード102上に、天板部材104を互い
の接合面が接合する様に供給し、接合面間に介在する接
着剤80a,80bを介してヒータボード102上に天
板部材104を仮着し、互いに仮着されたヒータボード
102と天板部材104とを、バネ部材122を介し
て、基板208上に固定すると共に、接着剤80a,8
0bの塗布に際して、ヒータボード102上のバネ部材
122で固定される位置から少なくとも所定距離だけ離
れた複数位置に塗布されることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インクを吐出する印
字ヘツドのヘツドノズルを、インク加熱用複数のヒータ
が形成されているヒータボード上に、各ヒータに対応す
るノズル穴が形成された天板部材を接着剤を介して仮着
し、この後、このヘッドノズルをバネ部材を介して、基
板上に固定するインクジエツト用ヘツドの組み立て方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクを吐出して、用紙上に印字
させるに際して、インクを加熱して泡状になし、所謂バ
ブルジエツト方式で印字させる印字ヘツドが、印字精度
の向上を図る上で有利であるため、開発され、実用に供
されている。このようなバブルジエツト方式の印字ヘツ
ドを組み立てる組立装置においては、インクを加熱する
ためのヒータと、このヒータで加熱・沸騰され、泡状と
なったインクを用紙に向けて吐出する吐出口とを、ミク
ロンオーダで正確に位置決めしなければならないもので
ある。例えば、印字精度として約360dpi(dotts per
inch) の高精度を達成するためには、約4.5mmの範囲
に、64個の吐出穴を等間隔に配列しなければならず、
この際の配設ピッチは、約70ミクロンと微細な値にな
るものである。
【0003】ここで、このような極小間隔での吐出穴の
形成は、例えば、レーザ加工機等の超精密加工装置を用
いる事により、天板部材の前面に取り付けられるオリフ
イスプレートに、許容される所定の高精度で吐出穴を形
成させることが出来るものであるし、また、ヒータの形
成に際しては、超精密エッチング技術を用いる事によ
り、同様に、許容される所定の高精度でヒータボード上
に、ヒータを形成させることが出来るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来の組立装
置においては、ヒータボード上のヒータと、オリフイス
プレートに形成された吐出穴とを、その軸を正確に一致
させた状態で、ヒータボード上に天板を載置させるべ
く、その位置合わせを行うために、専用の治具を用いて
ヒータボードと天板とを夫々セツトし、金属顕微鏡によ
り、ヒータと吐出穴とを交互に観察しながら、手動によ
り位置合わせを行う様にしている。
【0005】然る後、ヒータボードと天板との接合部
に、手操作により接着剤供給用デイスペンサの吐出針を
当てがい、この吐出針を介して接合部に紫外線硬化型接
着剤を供給し、紫外線を照射する事により接着剤を硬化
させ、両者を仮着させている。そして、このように仮着
されたアツセンブリを、専用工具を用い、バネを介し
て、基板に固定する様にしている。
【0006】この様に従来において、天板とヒータボー
ドとを接合した後に、デイスペンサの吐出針を両者の接
合部に直接に接触させ、この吐出針の先から接着剤を注
入しているため、この注入工程において、天板とヒータ
ボードとの相対位置関係がずれる虞がある。
【0007】また、目視でデイスペンサの吐出針を接合
部に接触させるため、接着剤の塗布箇所及び塗布量を一
定に管理する事が困難となる。この結果、接着剤塗布位
置または塗布量がアンバランスになると、接着剤が乾燥
する際の収縮の差により、接合状態が変化する虞があ
る。また、天板のインク流路の付近に塗布した場合、接
着剤が流路内に浸透して、ノズル穴がふさがれてしまう
虞もある。
【0008】更に、バネで固定されるべき天板のインク
流路部に接着剤が浸透すると、インク流路が接着剤で塞
がれてインクの不吐出の原因となると共に、天板とヒー
タボードとの接合部に隙間に接着剤が浸透して、天板と
ヒータボードとの間に空隙を生じさせ、ノズル間でイン
クの漏れが発生する虞がある。
【0009】この発明は上述した課題に鑑みなされたも
ので、この発明の目的は、接着剤の定位置、定量塗布を
可能にしたインクジエツト用ヘツドの組み立て方法を提
供することである。また、この発明の他の目的は、天板
とヒータボードとの接合に際して、両者の相対位置を狂
わせないで、接着剤を介して両者を仮着する事の出来る
インクジエツト用ヘツドの組み立て方法を提供する事で
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、この発明に係わるインクジエツト用ヘツドの組み
立て方法は、インク加熱用複数のヒータが形成されてい
るヒータボード上に、接着剤を塗布する接着剤塗布工程
と、接着剤が塗布された前記ヒータボード上に、各ヒー
タに対応するノズル穴が形成された天板部材を供給する
供給工程と、前記接着剤を介して前記ヒータボード上に
前記天板を仮着する仮着工程と、互いに仮着されたヒー
タボードと天板とを、バネ部材を介して、基板上に固定
する固定工程とを具備し、前記接着剤塗布工程におい
て、前記接着剤は、前記ヒータボード上の前記バネ部材
で固定される位置から少なくとも所定距離だけ離れた複
数位置に塗布されることを特徴としている。
【0011】また、この発明に係わるインクジェット用
ヘッドの組み立て方法において、前記バネ部材は、その
中央部を前記天板におけるインク吐出用通路の上に当接
され、その両端部を前記基板に形成された穴に挿通して
係止される事を特徴としている。
【0012】
【実施例】以下に、この発明に係るインクジエツト用ヘ
ツドの組み立て方法の一実施例が実施される組立装置1
0の構成を説明する。(インクジエツトカートリツジ2
00及びヘツドノズル100の説明)先ず、この発明に
係る組立装置10により組み立てられるヘツドノズル1
00を搭載したインクジエツトカートリツジ200の概
略構成を、図1乃至図4を参照して説明する。
【0013】このインクジエツトカートリツジ200
は、図1に示す様に、インクタンク202とヘツドノズ
ル100とから概略構成されている。また、このヘツド
ノズル100は、図2及び図3に示す様に、インク加熱
用のヒータ112が形成されたヒータボード102と、
このヒータボード102上に位置決めされ、複数のイン
ク流路を夫々区分するための隔壁や各インク流路へイン
クを分配するための共通液室及びこの共通液室にインク
を供給するための円筒状のインク受け口118等を備え
た天板104と、この天板104の前面に一体的に取り
付けられ、各インク流路に各々対応した吐出口106を
複数有するオリフイスプレート108と、天板104が
仮着されるヒータボード102が固定された基板として
のベース部材208と、このヒータボード102に仮着
された天板104を強固に固定するための固定用バネ部
材122とから構成されている。
【0014】尚、この一実施例においては、これらの吐
出口106は、長さ約4.5mmに渡り等間隔に配設され
ており、この間隔の配設により、このヘツドノズル10
0の印字密度は、約360dpi(dotts per inch) という
高精度になつている。また、図4に示す様に、ヒータボ
ード102の上面には、その一側に位置し、上述した複
数のヒータ112が配設され、インク流路が形成される
第1の領域Aと、中央部に位置し、インク溜り部として
規定される第2の領域Bと、その他側(即ち、上述した
一側とは反対側)に位置し、後述する制御ユニツト38
へ電気的に接続される接点としてのボンデイングパツト
124が配設される第3の領域Cと、上述した第2の領
域Bの他側寄り(即ち、上述したインク流路から離れた
部位)の左右両側に位置し、第2及び第3の領域B,C
を避けた状態で、後述する接着剤80a,80bが夫々
塗布される第4の領域Dとが設けられている。即ち、こ
れら接着剤80a,80bの塗布位置としての第4の領
域Dは、ボンデイング溶着剤及びインクが接着剤80
a,80bにより侵食される事を防止することが出来る
位置に規定されている。
【0015】(組立装置10の説明)以下に、インクジ
エツト用ヘツドの組立装置10の構成、及び、組み付け
方法を、添付図面の図5以降を参照して、詳細に説明す
る。
【0016】<組立装置10の全体構成の説明>この組
立装置10は、図5に示す様に、図示しない土台上に水
平状態にその載置姿勢を正確に位置決めされた定盤12
を備えている。この定盤12上には、この組立装置10
で組み立てられるヘツドノズル100の一方の構成部品
である所の、予めオリフイスプレート108が取り付け
られた溝付天板104(以下、単に天板と呼ぶ)を、そ
の取り付け位置を調整可能に規定する第1の位置調整機
構14と、他方の構成部品である所の、予めベース部材
208の先端部上面に正確に位置決めされた状態で固着
されたヒータボード102を、その取り付け位置を調整
可能に規定する第2の位置調整機構16とが設けられて
いる。
【0017】この第1の位置調整機構14は、定盤12
上に直接載置され、定盤12に対してx軸方向(紙面に
直行する方向)に沿つて移動可能な第1のx軸ステージ
18と、この第1のx軸ステージ18上に載置され、第
1のx軸ステージ18に対してz軸方向(図中、上下方
向)に沿つて移動可能な第1のz軸ステージ20と、こ
の第1のz軸ステージ20上に載置され、第1のz軸ス
テージ20に対して、y軸方向(図中、左右方向)に沿
つて移動可能な第1のy軸ステージ22と、この第1の
y軸ステージ22上にスペーサ24を介して基端部を載
置され、先端部に、上述した天板104が着脱可能に取
り付けられる取り付け機構26と、この取り付け機構2
6から取り外され、ヒータボード102上に載置された
溝付天板104の、ヒータボード102に対する位置決
めを実行するための第1の位置決め機構27とから構成
されている。この取り付け機構26と第1の位置決め機
構27との構成は、夫々後に詳細に説明する。
【0018】一方、第2の位置調整機構16は、定盤1
2上に上述した第1の位置調整機構14に隣接した状態
で直接載置され、定盤12に対して上述したx軸方向に
沿つて移動可能な第2のx軸ステージ28と、この第2
のx軸ステージ28上に載置され、第2のx軸ステージ
28に対して上述したz軸方向に沿つて移動可能な第2
のz軸ステージ30と、この第2のz軸ステージ30上
に載置され、第2のz軸ステージ30に対して、上述し
たy軸方向に沿つて移動可能な第2のy軸ステージ32
と、この第2のy軸ステージ32上に配設され、ヒータ
ボード102が取り付け固定されるベース部材208
を、この第2のy軸ステージ32に対して正確に位置決
めさせた状態で固定させる第2の位置決め機構33と、
天板104をヒータボード102上に所定の接合力で接
合させるための接合力発生機構34とから構成されてい
る。この第2の位置決め機構33と接合力発生機構34
との構成は、後に夫々詳細に説明する。
【0019】ここで、各軸ステージ18,20,22;
28,30,32は、図示していないが、各々、駆動モ
ータを備えており、これら駆動モータは、対応するドラ
イバ36a,36b,36c,36d,36e,36f
を夫々介して、全体制御を司る制御ユニツト38に接続
されている。そして、これら駆動モータは、この制御ユ
ニツト38による制御の下で、第1の位置調整機構14
においては、天板104がヒータボード102の上方の
所定位置に来るように、また、第2の位置調整機構16
においては、ヒータボード102が定盤12に対して所
定の位置に来るように、夫々位置決めされるべく、夫々
駆動制御されるようになされている。
【0020】一方、この制御ユニツト38は、天板10
4を正確に位置決めするために、その位置を正確に検出
する必要があるが、天板104を撮像した画像に基づ
き、その位置を正確に検出する第1の位置検出機構40
が、また、ヒータボード102を正確に位置決めするた
めに、その位置を正確に検出する必要があるが、ヒータ
ボード102を撮像した画像に基づき、その位置を正確
に検出する第2の位置検出機構42が、共に、画像処理
装置44を介して、制御ユニツト38に接続されてい
る。
【0021】ここで、この第1の位置検出機構40は、
後に詳細に説明する取り付け機構26により、これの先
端に正確に把持された溝付天板104のオリフイスプレ
ート108の前方に配設されており、第1の対物レンズ
40aと、この第1の対物レンズ40aを保持する第1
の対物レンズホルダ40bと、第1の落射照明器具40
cと、この第1の落射照明器具40c用の第1の光源4
0dと、合焦状態を判別する第1の光学系40eと、こ
れらの光学機器を収納する第1の鏡筒40fと、第1の
対物レンズ40aを介して観察されるオリフイスプレー
ト108の画像を写し出す第1のITVカメラ40gと
から構成されている。
【0022】尚、この第1のITVカメラ40gの画像
情報は、第1の信号変換器46を介して、上述した画像
処理装置44に送られる。また、この第1の合焦判別用
の光学系40eは、第1の合焦状態検出器48を介し
て、制御ユニツト38に接続されている。ここで、この
第1の位置検出機構40は、図示しない第1の支柱を介
して、前述した定盤12上に取り付け・固定されてい
る。
【0023】また、上述した第2の位置検出機構42
は、後に詳細に説明する第2の位置決め機構33によ
り、第2のy軸ステージ32上に正確に載置されたヒー
タボード102の上方に配設されており、第2の対物レ
ンズ42aと、この第2の対物レンズ42aを保持する
第2の対物レンズホルダ42bと、第2の落射照明器具
42cと、この第2の落射照明器具42c用の第2の光
源42dと、合焦状態を判別する第2の光学系42e
と、これらの光学機器を収納する第2の鏡筒42fと、
第2の対物レンズ42aを介して観察されるヒータボー
ド102の画像を写し出す第2のITVカメラ42gと
から構成されている。
【0024】尚、この第2のITVカメラ42gの画像
情報は、第2の信号変換器50を介して、上述した画像
処理装置44に送られる。また、この第2の合焦判別用
の光学系42eは、第2の合焦状態検出器52を介し
て、制御ユニツト38に接続されている。ここで、この
第2の位置検出機構42は、図示しない第2の支柱を介
して、前述した定盤12上に取り付け・固定されてい
る。
【0025】ここで、この一実施例においては、第1の
位置検出機構40における第1の対物レンズ40aの光
軸と、第2の位置検出機構42における第2の対物レン
ズ42aの光軸との交わる位置において、組立作業位置
αが規定されている。この組立作業位置αにおいては、
上述した2本の光軸は正しく交差している事が好ましい
が、別段、実際に交差していなくても、後述する校正動
作を実行する事により、実質的に問題ないものである。
実際には、2本の光軸を正しく交差する様に、両光軸の
位置合わせをしようと動作は、極めて困難であり、この
一実施例の様に、交差していない事を前提として、その
ずれ量Δxを校正動作により算出し、この算出したずれ
量Δxを、第1及び第2の位置調整機構14,16にお
ける位置調整動作において数値上考慮する事により、こ
のずれ量Δxは、実質的に無視することが出来る事にな
る。尚、このずれ量Δxを算出する校正動作は、後に詳
細に説明する。
【0026】一方、この組立装置10は、吐出口106
と対応する吐出ヒータ112とを互いに合致せしめた後
のヒータボード102と天板104とを、紫外線硬化性
の接着剤を介して互いに接着する事により、両者の相対
位置関係が変化しない様にするために、換言すれば、両
者を仮止めするために、仮着機構54を備えている。こ
の仮着機構54は、取り付け機構26の先端部の両側に
位置し、夫々の先端が、接着剤配設部位に向けられた一
対のライトガイド56と、両ライトガイド56の基端部
に接続され、紫外線を発光する紫外線光源58とから構
成されている。
【0027】そして、上述した画像処理装置44は、第
1及び第2の信号変換器46,50を介して第1及び第
2のITVカメラ40g,42gから得られた画像情報
に基づき、オリフイスプレート108に形成された吐出
口106の形成位置、及び、ヒータボード102上に配
設された吐出ヒータ112の配設位置を夫々算出し、そ
の算出結果を制御ユニツト38に送る様に構成されてい
る。また、この画像処理装置44には、測定画像確認用
のITVモニタ64、装置調整プログラム及びデータ入
力用のキーボード62、データ表示用のCRTモニタ6
6が接続されており、マン・マシン・インターフエイス
が確立している。
【0028】また、上述した制御ユニツト38は、第1
及び第2の合焦状態検出器48,52、及び、画像処理
装置44から入力されてきたデータを所定のアルゴリズ
ムで演算し、この演算結果に基づき、各ステージドライ
バ36a〜36fを各々介して、対応する各軸ステージ
18,20,22,28,30,32を適宜駆動制御
し、天板104とヒータボード102との相対位置を調
整して、吐出口106と対応する吐出ヒータ112とを
互いに合致せしめる様に、また、この合致後において、
仮着機構54を起動させて、紫外線光源58を作動させ
て、ヒータボード102と天板104との間に介在する
接着剤を硬化させる制御動作を実行する様に構成されて
いる。
【0029】ここで、この制御ユニツト38には、組立
装置10の操作用の操作盤66と、動作プログラム設定
・変更用のキーボード68と、データ表示用のCRTモ
ニタ70と、データ記録用のプリンタ72と、データ保
存用のデータデイスク74と、動作プログラムが記憶さ
れたプログラムデイスク76とが接続され、マン・マシ
ン・インターフエイスが確立されている。
【0030】<取り付け機構26の説明>次に、図6を
参照して、天板104が取り付けられる取り付け機構2
6の構成を、詳細に説明する。この取り付け機構26
は、上述した第1のy軸ステージ22上にスペーサ24
を介して取り付け固定される本体26aを備えている。
この本体26aの先端部には、一対の吸引部材26b,
26cが互いに平行に、所定間隔を開けて、夫々前方に
向けて(y軸方向に沿つて)突出した状態で取り付けら
れており、これら吸引部材26b,26cは、紫外線透
過性材料、具体的には透明板ガラスから夫々形成されて
いる。
【0031】これら吸引部材26b,26cの下面に
は、吸引孔26d,26eが夫々開口しており、これら
吸引孔26d,26eは、対応する吸引部材26b,2
6c内を貫通する連通管26f,26gの端部開口から
夫々規定されており、これら連通管26f,26gは、
図示しない切換弁を夫々介して図示しない負圧発生機構
及び正圧発生機構に選択的に接続されている。
【0032】そして、切換弁が負圧発生機構に接続され
た状態において、これら吸引孔26d,26eに発生す
る吸引力を介して、天板104を吸引部材26b,26
cの下面に吸引保持する様になされている。一方、切換
弁が正圧発生機構に接続された状態において、これら吸
引孔26d,26eから噴出される(逆噴出される)空
気により、今まで吸引部材26b,26cに吸引・保持
されていた天板104は、強制的に吸引部材26b,2
6cから下方に引き離される事になる。
【0033】尚、この様に、一対の吸引部材26b,2
6cの下面に吸引保持された状態で、天板104は、そ
の円筒状のインク受け口118が、丁度、吸引部材26
b,26cの間に入り込んだ姿勢に、また、オリフイス
プレート108が前方に臨んだ姿勢に設定されている。
【0034】<第1の位置決め機構27の説明>また、
この取り付け機構26には、ここから解放され、ヒータ
ボード102上に落下した天板104のヒータボード1
02に対する位置を正確に位置決めするための第1の位
置決め機構27が設けられている。
【0035】この第1の位置決め機構27は、天板10
4のヒータボード102上におけるx軸方向に沿う、即
ち、互いに対応する吐出口106と吐出ヒータ112と
が合致する様に、これらの配列方向に沿う位置決めを行
うx軸位置決め部27Aと、y軸方向に沿う、即ち、オ
リフイスプレート108の後面が、ヒータボード102
の前端面に密着する様に、位置決めを行うy軸位置決め
部27Bとを備えている。
【0036】《x軸位置決め部27Aの説明》先ず、x
軸位置決め部27Aにおいては、一方の、この一実施例
においては図中向こう側の第1の吸引部材26bを基準
側として規定しており、この基準側の吸引部材26b
は、本体26aに対して固定されている。これに対し
て、図中手前側の第2の吸引部材26cは、本体26a
に対して、x軸方向に沿つて移動可能に支持されてい
る。尚、このx軸位置決め部27Aにおいては、一対の
吸引部材26b,26cの互いに対向する端面、即ち、
間に円筒状のインク受け口118が入り込んだ空間を規
定する所の互いに対向する端面が、位置規制面として夫
々規定されている。
【0037】また、この可動側の吸引部材26cは、そ
の後部に、本体26aの中途部まで延出する連設部材2
6hが一体的に接続されいる。一方、この本体26aに
は、x軸方向に沿つて延出するガイドシヤフト26iが
取り付けられている。そして、この連設部材26hはス
ライドガイド26jを介してガイドシヤフト26iに、
x軸方向に沿つて移動自在に支持されている。
【0038】一方、この連設部材26hの中間部分に対
向した状態で、本体26a上には、第1の駆動シリンダ
(図示せず)が取り付けられている。この第1の駆動シ
リンダのピストンロツド、x軸方向に沿つて進退駆動さ
れる様に突出し、これの先端は上述した連設部材26h
に接続されている。
【0039】この様にして、この第1の駆動シリンダが
対応するピストンロツドを高速で往復駆動する事によ
り、連設部材26hを介して連設された吸引部材26c
は、x軸方向に沿つて高速で往復駆動、即ち、振動させ
られる事になる。
【0040】《y軸位置決め部27Bの説明》次に、y
軸位置決め部27Bは、図6に示す様に、ヒータボード
102上に載置された天板104のオリフイスプレート
108の前面に係合可能な一対の係合片26m,26n
を、互いに立ち下がった状態で、間隔を開けて平行に備
えている。これら係合片26m,26nは、一対の吸引
部材26b,26cに夫々対応して設けられ、夫々対応
する位置規制用の端面よりも外側に位置する様に配設さ
れている。また、これら係合片26m,26nは、夫々
対応する吸引部材26b,26cの前端面の上縁に沿つ
てこれらの外方端よりも更に外方位置まで延出する接続
片26p,26qの内方端部に、夫々の上端を接続され
ている。これら接続片26p,26qの外方端部は、y
軸方向に沿つて延出する連結部材26r,26sの前端
取り付けられている。
【0041】一方、本体26aの両端縁には、y軸方向
に沿つて延出する第2の駆動シリンダ26tが配設され
ている。これら第2の駆動シリンダ26tの夫々のピス
トンロツド26uは、y軸方向に沿つて進退駆動される
様に突出し、これらの先端は上述した連結部材26r,
26sの後方端部に夫々接続されている。
【0042】この様にして、この第2の駆動シリンダ2
6tが、対応するピストンロツド26uを高速で往復駆
動する事により、接続片26p,26qを夫々介して接
続された係合片26m,26nは、y軸方向に沿つて高
速で往復駆動、即ち、振動させられて、オリフイスプレ
ート108がヒータボード102の前端面に密着する様
に、天板104のy軸方向に沿う位置決めがなされる事
になる。
【0043】この様に取り付け機構26は構成されてい
るので、一対の吸引部材26b,26cに吸引保持され
た天板104は、ヒータボード102の上方の所定位置
まで、第1の位置調整機構14の駆動制御に基づき移動
され、吸引が解除される事により、天板104はヒータ
ボード102上に落下し、この落下した位置において、
天板104は、x軸位置決め部26Aの作動により、ヒ
ータボード102に対するx軸に沿う位置を規定され、
また、y軸位置決め部26Bの作動により、ヒータボー
ド102に対するy軸に沿う位置を規定される事にな
る。尚、この取り付け機構26における位置調整動作
は、後に詳細に説明する。
【0044】<第2の位置決め機構33の説明>次に、
ヒータボード102が予め取り付けられたベース部材2
08を第2のy軸ステージ32上に正確に位置決めした
状態で取り付けるための第2の位置決め機構33の構成
を、図7乃至図9を参照して説明する。この第2の位置
決め機構33は、上述した第1の位置決め機構27と同
様に、ベース部材208の第2のy軸ステージ32上に
おけるx軸方向に沿う位置決めを行うx軸位置決め部3
3Aと、y軸方向に沿う位置決めを行うy軸位置決め部
33Bとを備えると共に、更に、z軸方向に沿うz軸位
置決め部33Cを備えている。
【0045】ここで、この第2の位置決め機構33によ
り位置決めされる対象となるベース部材208は、図7
から明らかな様に、長方形状の本体部分208aと、こ
の本体部分208aの前端中央部から前方に突出し、そ
の上面に、ヒータボード102が取り付け固定されたヒ
ータボード取り付け部208bとから一体に形成されて
いる。
【0046】尚、このヒータボード102は、所定の精
度で、ヒータボード取り付け部208bに予め取り付け
られ、固定されているものである。従つて、このヒータ
ボード102が取り付けられたベース部材208を第2
のy軸ステージ32に対して位置決めする事により、ヒ
ータボード102が第2のy軸ステージ32に対して位
置決めされる事になる。
【0047】この第2の位置決め機構33は、詳細に
は、図7及び図8に示す様に、第2のy軸ステージ32
上に取り付けられ、側面略L字状に形成された取り付け
本体33aと、この本体33aの起立した内側面に、ス
ライドガイド33bを介して上下動自在に支持された位
置決め台33cとを備えている。
【0048】《x軸位置決め部33Aの説明》また、こ
の位置決め台33c上には、図7に示す様に、x軸位置
決め部33Aとして、上方に向けて突出した一対のx軸
位置決め用突起33d,33eがy軸方向に沿つて並ん
だ状態で一体的に形成されている。これらx軸位置決め
用突起33d,33eにベース部材208の本体部分2
08aのy軸に沿う一側縁が当接する事により、ベース
部材208のx軸に沿う位置が一義的に規定される事、
即ち、x軸方向が位置決めされる事になる。
【0049】一方、この様に、これらx軸位置決め用突
起33d,33eにベース部材208の本体部分208
aのy軸に沿う一側縁が当接した状態を強制するため
に、これらx軸位置決め用突起33d,33eに当接す
るベース部材208の一側縁とは反対側の他側縁に当接
可能に、x軸規制レバー33fが配設されている。この
x軸規制レバー33fは、基端部を第1の支軸33g回
りに回動可能に軸支されると共に、第1のトーシヨンば
ね33hにより、図中、反時計方向回りの回動付勢力を
受けている。尚、このx軸規制レバー33fの当接端で
ある先端は、ベース部材208の他側縁の略中央部分に
当接する様に設定されている。
【0050】《y軸位置決め部33Bの説明》また、こ
の位置決め台33c上には、y軸位置決め部33Bとし
て、上方に向けて突出した一本のy軸位置決め用突起3
3iが一方のx軸位置決め用突起33eに近接した状態
で一体的に形成されている。このy軸位置決め用突起3
3iにx軸方向位置を予め規定されたベース部材208
の本体部分208aのx軸に沿う先端縁が当接する事に
より、ベース部材208のy軸に沿う位置が一義的に規
定される事、即ち、y軸方向が位置決めされる事にな
る。
【0051】一方、この様に、このy軸位置決め用突起
33iにベース部材208の本体部分208aのx軸に
沿う先端縁が当接した状態を強制するために、このy軸
位置決め用突起33iに当接するベース部材208の先
端縁とは反対側の後端縁に当接可能に、略L字状のy軸
規制レバー33jが配設されている。このy軸規制レバ
ー33jは、中間部(即ち、L字を構成する折曲部)を
第2の支軸33k回りに回動可能に軸支されると共に、
第2のトーシヨンばね33lにより、図中、反時計方向
回りの回動付勢力を受けている。尚、このy軸規制レバ
ー33jの当接端である後端は、ベース部材208の後
端縁の略中央部分に当接する様に設定されている。
【0052】ここで、ベース部材208の位置決め台3
3cへの着脱時には、x軸およびy軸規制レバー33
f,33jによる付勢力が解除されなければならない。
このため、この一実施例においては、解除機構33Dが
設けられている。この解除機構33Dは、図9に示す様
に、位置決め台33cの一側縁に取り付けられた解除シ
リンダ33mと、この解除シリンダ33mからx軸方向
に沿つて進退自在に突出し、位置決め台33c内を貫通
するピストンロツド33nと、このピストンロツド33
nに起立した状態で一対設けられ、位置決め台33cに
x軸方向に沿つて延出する様に形成された透孔33p,
33qを夫々介して、位置決め台33cの上面から僅か
に突出した状態で取り出され、x軸規制レバー33f及
びy軸規制レバー33jに夫々時計方向側から当接可能
な解除ピン33r,33sとから構成されている。
【0053】ここで、この解除機構33Dにおいて、解
除シリンダ33mは、非解除状態で、ピストンロツド3
3nを引き込んだ状態に付勢している。この結果、一対
の解除ピン33r,33sは、夫々、対応するx軸規制
レバー33f及びy軸規制レバー33jから離間する。
この様にして、非解除状態においては、x軸規制レバー
33f及びy軸規制レバー33jは、夫々、対応するト
ーシヨンばね33h,33lの付勢力により、反時計方
向に沿つて回動され、ベース部材208を位置決め及び
保持動作する。
【0054】一方、解除シリンダ33mは、解除状態に
おいて、ピストンロツド33nを突出した状態に付勢す
る。この結果、一対の解除ピン33r,33sは、夫
々、対応するx軸規制レバー33f及びy軸規制レバー
33jに当接し、これらを対応するトーシヨンばね33
h,33lの付勢力に抗して、時計方向に沿つて回動さ
せる。従つて、x軸規制レバー33f及びy軸規制レバ
ー33jの夫々の当接端は、ベース部材208の他側縁
及び後端縁から夫々離間し、この様にして、ベース部材
208の位置決め及び保持は解除される事になる。
【0055】《z軸位置決め部33Cの説明》一方、上
述したz軸位置決め部33Cは、図8に示す様に、ベー
ス部材208の先端部の下面に下方に向けて突出した状
態で、x軸方向に沿つて並設された第1及び第2の一対
の突起33t,33u(図8には、第1の突起33tし
か示されていないが、図7において、第1及び第2の突
起33t,33uの配設位置が破線で示されている。)
と、位置決め台33cの後端部の上面の中央部において
上方に向けて突出した状態で形成された第3の突起33
vが形成されている。
【0056】ここで、これら第1乃至第3の突起33t
〜33vの突出長さは、予め、互いに同一となる様に正
確に規定されている。この結果、第1及び第2の突起3
3t,33uが位置決め台33cの上面に当接し、且
つ、第3の突起33vがベース部材208の下面に当接
する事により、ベース部材208の位置決め台33c上
におけるz軸方向に沿う位置が正確に規定される事にな
る。
【0057】尚、この一実施例においては、上述した当
接状態を確実に達成させるために、ベース部材208を
位置決め台33cに向けて吸引する吸引機構33Eが設
けられている。この吸引機構33Eは、図8に示す様
に、位置決め台33c上に配設され、上面が開口された
リング状の吸引パッド33wと、この吸引パッド33w
と図示しない吸引源とを接続すべく、位置決め台33c
内を貫通した状態で形成された接続管33xとから構成
されている。
【0058】ここで、吸引パッド33wの高さは、上述
した3つの突起33t,33u,33vの夫々の高さよ
り僅かに高く設定されている。この結果、ベース部材2
08が位置決め台33c上に載置された状態で、吸引パ
ッド33wの開放端縁は、ベース部材208の下面に全
周に渡り密着する事となる。そして、図示しない吸引源
が起動する事により、このベース部材208は位置決め
台33cに向けて強制的に引きつけられ、この結果、第
1及び第2の突起33t,33uが位置決め台33cの
上面に確実に当接し、且つ、第3の突起33vがベース
部材208の下面に確実に当接する状態が、強制的に設
定される事になる。
【0059】この様に、この第2の位置決め機構33を
構成する事により、位置決め台33c上において、ベー
ス部材208は、そのx軸方向、y軸方向、及びz軸方
向に沿う位置を夫々正確に位置決めされる事になる。こ
の結果、この一実施例においては、天板104をヒータ
ボード102に取り付ける際には、第1の位置決め機構
27を介して、天板104のヒータボード102に対す
る相対位置のみを規定する様にすれば良い事になる。
【0060】<接合力発生機構34の説明>次に、天板
104をヒータボード102上に位置決め・載置した際
に、両者の間に接合力を発生させる接合力発生機構34
について、図8を参照して説明する。この接合力発生機
構34は、上述した本体33aの先端に、上下動自在に
貫通した状態で取り付けられたガイドシヤフト34aを
備え、このガイドシヤフト34aの上端は、位置決め台
33cの下面に固定されている。また、このガイドシヤ
フト34aの上端部には、接合力調整用のワツシヤ34
bが螺合しており、このワツシヤ34bを回転させる事
により、これのガイドシヤフト34aに対する軸方向位
置が変化する事になる。
【0061】一方、このガイドシヤフト34aの外周に
は、接合力発生用のコイルスプリング34cが巻回され
ており、このコイルスプリング34cの上端は、ワツシ
ヤ34bの下面に係止されると共に、下端は本体33a
の上面に係止されている。ここで、このコイルスプリン
グ34cは、位置決め台33c及びこれに乗っている部
品類の重量を支えて、ある程度縮んでいるが、このある
程度縮んだ初期設定状態から更に所定量だけ縮む事によ
り、所定の弾性反発力を発生する事となり、この弾性反
発力が接合力として規定されるものである。
【0062】この様に接合力発生機構34は構成されて
いるので、天板104をヒータボード102上に載置す
るに当たり、このヒータボード102が位置決め・載置
された位置決め台33cが上述した所定量だけ下降する
様に、天板104をヒータボード102に対して押しつ
ける事により、天板104とヒータボード102との間
には、上述した所定の接合力が両者の間に発生する事に
なる。尚、この接合力の変更は、上述したワツシヤ34
bを回転させ、ガイドシヤフト34aの軸方向に沿つて
偏倚させる事により、コイルスプリング34cの初期設
定長さが変化する事により達成されるものである。
【0063】<校正チヤート78の説明>ここで、上述
した第2の位置決め機構33の位置決め台33c上に
は、図10に示すように、後に詳細に説明する校正動作
において用いられる校正チヤート78が固定されてい
る。この校正チヤート78は、第2の位置決め機構33
により所定の位置に正確に位置決めされたベース部材2
08上のヒータボード102に対して、x軸に沿つて所
定距離だけ離間した位置に正確に配設されており、直方
体形状に形成されている。
【0064】特に、その形成状態は、この直方体形状の
校正チヤート78の前端面から第1の校正面78aが規
定され、この第1の校正面78aは、正確にx軸方向に
沿つて垂直に延出すると共に、ヒータボード102の前
端面と同一垂直面内で延出するように設定されている。
また、この直方体形状の校正チヤート78の上面から第
2の校正面78bが規定され、この第2の校正面78b
は、正確にz軸方向に沿つて水平に延出すると共に、ヒ
ータボード102の上面と同一水平面内で延出するよう
に設定されている。更に、この直方体形状の校正チヤー
ト78のヒータボード102が配設された側の側面から
第3の校正面78cが規定され、この第3の校正面78
cは、正確にy軸方向に沿つて垂直に延出するように設
定されている。
【0065】ここで、第1乃至第3の校正面78a〜7
8cの交差点により、校正基準点78dが規定されてい
る。この結果、第1の位置検出機構40でこの校正チヤ
ート78を撮影した場合には、図11に示すように、第
1の校正面78aのみが撮影され、この校正基準点78
dは、画面40Aの右上部に位置する角部の交点として
撮影され、また、第2の位置検出機構42で撮影した場
合には、図12に示すように、第2の校正面78bのみ
が撮影され、この校正基準点78dは、画面42Aの右
下部に位置する角部の交点として撮影される事になる。
【0066】尚、校正チヤート78を説明した図10に
おいて、符号80a,80bは、天板104とヒータボ
ード102とを互いに仮着するための接着剤を示してい
る。これらの接着剤80a,80bは、紫外線を照射さ
れる事により硬化する紫外線硬化性を有するように形成
されており、図示するように、ヒータボード102の後
端縁の両端に夫々予め添着されるように設定されてい
る。
【0067】(組立装置10におけるヘツドノズル10
0の組立方法の説明)以下に、図13以降を参照して、
上述した構成の組立装置10における、制御ユニツト3
8の制御の下でのヘツドノズル100の組立方法を詳細
に説明する。
【0068】<組立方法の概略手順>先ず、図13に示
すフローチヤートを参照して、この組立方法の概略的な
手順を説明する。先ず、組立動作が指示されると、ステ
ツプS10において、組立回数を示す変数Nを「1」に
設定する。そして、ステツプS12において、各軸ステ
ージ18,20,22,28,30,32の駆動モータ
の初期設定を実行し、引き続き、ステツプS14におい
て、各軸ステージ18,20,22,28,30,32
の駆動モータの原点出しを実行する。これらステツプS
12及びステツプS14を実行する事により、各軸ステ
ージ18,20,22,28,30,32は、定盤12
に対して規定された任意の位置に正確に移動することが
出来る事になる。
【0069】この後、ステツプS16において、第1及
び第2の位置検出機構40,42の検出位置のずれ量を
校正量Δxとして予め算出しておくための、上述した校
正チヤート78を利用しての校正動作を実行し、第1及
び第2の位置検出機構40,42の検出位置のずれを校
正する。尚、この校正動作は、この発明の特徴の一つを
構成するものであり、後にサブルーチンとして詳細に説
明する。このステツプS16における校正動作が終了す
ると、ステツプS18において、変数Nを「1」に設定
し直し、ステツプS20に進む。
【0070】このステツプS20においては、ヒータボ
ード102が予め取り付けられたベース部材208を図
示しない供給ロボツトを介して、供給位置から第2の位
置調整機構16の第2の位置決め機構33上に供給す
る。そして、引き続くステツプS22において、この供
給されたベース部材208を正確に位置決めする。ここ
で、この位置決め動作においては、上述した第2の位置
決め機構33の動作に基づき、本体33aに対する3軸
方向の位置決めを実行する動作と共に、ヒータボード1
02上の吐出ヒータ112a〜112eの中で、基準と
なる真ん中に位置する吐出ヒータ112cの、これら吐
出ヒータ112a〜112eの配設方向であるx軸方向
に関しての組立作業位置αからのずれ量(xh )を正確
に測定する動作と、且つ、このずれ量測定を第2のIT
Vカメラ42gで撮影した画像に基づき行うために、そ
の画像のピントを正確に合わせるために、ヒータボード
102の上面の組立作業位置αに対するz軸方向の正確
な位置合わせ動作とを含むものである。
【0071】尚、このベース部材208、即ち、ヒータ
ボード102の供給動作、及び、位置決め動作は、後に
サブルーチンとして詳細に説明する。このヒータボード
102の供給、及び位置決め動作に引き続き、ステツプ
S24において、図示しない供給ロボツトを介して、天
板104を収納位置から第1の位置調整機構14の第1
の位置決め機構27に供給する。そして、引き続くステ
ツプS26において、この供給された天板104を、ス
テツプS22において予め第2の位置決め機構33を介
して位置決めされたベース部材208上のヒータボード
102に対して仮置きする。尚、この天板104の供給
動作及び仮置き動作は、後にサブルーチンとして説明す
る。
【0072】このように組立対象となるヒータボード1
02及び天板104が共に供給され、位置決めされたヒ
ータボード102上に天板104が仮置きされると、ス
テツプS28において、両者のx軸方向に沿う相対位置
関係を正確に規定した状態で、ステツプS30におい
て、両者の接着動作(仮着動作)が実行される。そし
て、この接着動作が終了すると、ステツプS31におい
て、前述した固定用バネ部材122を介して天板104
をヒータボード102に強固に固定するための固定動作
が実行される。この後、ステツプS32において、完成
品としての組体を、図示しないロボツトを介して、完成
品排出位置まで排出する排出動作が実行される。このx
軸位置合わせ動作、接着動作、固定動作、及び、排出動
作は、夫々の詳細を、後にサブルーチンとして説明す
る。
【0073】そして、ステツプS34において、全ての
組み付け動作が終了し、全ての完成品の排出動作が終了
したか否かが判断され、このステツプS34においてN
Oと判断された場合、即ち、未だ組み付け動作が終了せ
ず、組立動作中であると判断される場合には、ステツプ
S36に進み、ここで変数Nを「1」だけインクリメン
トし、ステツプS38において、変数Nが所定数に至っ
たか否かを判断する。このステツプS38において、N
Oと判断される場合、即ち、組立実行回数Nが所定数回
未満であると判断される場合、詳細には、最先の校正動
作を実行してから所定数回未満であると判断される場合
には、先に算出した校正量Δxへの信頼度が依然として
維持されていると判断されるので、新たに校正動作を実
行することなく組立動作を実行すべく、上述したステツ
プS20に戻り、以下の組立制御手順を繰り返し実行す
る。
【0074】一方、ステツプS38においてYESと判
断される場合、即ち、組立実行回数Nが、最先の校正動
作を実行してから所定数回目であると判断される場合に
は、温度変化当の環境変化に基づき、上述した校正量Δ
xが変化している可能性があり、再び、校正動作を実行
して、この校正量Δxを新たに算出すべく、上述したス
テツプS16に戻り、これ以下の組立制御手順を繰り返
し実行する。
【0075】即ち、組立精度がミリメートルオーダであ
る場合には、最初に上述した校正動作を実行し、得た校
正量Δxを、1日の全ての作業期間を通じて用いても何
ら問題を発生しないが、この一実施例の様に、その組立
精度としてミクロンオーダの精度が要求される場合に
は、上述した温度変化に伴う校正量Δxの変化が、大き
く組立精度に影響する事になる。一方、この校正動作
は、上述した事情に鑑みれば、1回の組立動作毎に実行
する事が好ましい。しかしながら、このように1回の組
立動作毎に校正動作を実行すると、組立時間が長くな
り、組立効率が低下し、ひいては、製品のコストに悪影
響を与える事になる。このようにして、組立制度の維持
と、組立効率との両立を図るべく、この一実施例におい
ては、所定数回の組立動作毎に、校正動作を再実行する
様に設定している。
【0076】ここで、このステツプS16において校正
動作を実行した後、ステツプS18において変数Nは
「1」に設定し直されるので、この組立動作における組
立回数は、再び、一回目としてカウントされ、引き続く
組立動作においては、「1」つずつ組立回数がインクリ
メントされる事になる。また、上述したステツプS34
においてYESと判断される場合、即ち、全ての組み付
け動作が終了し、全ての完成品の排出動作が終了したと
判断される場合には、この時点で、この組立制御手順を
終了する。
【0077】尚、以下に、上述した組立制御手順で概略
説明した個々の制御手順をサブルーチンとして、詳細に
説明するが、実際には、既に上述したように、360dp
i の高密度の印字精度を達成するため、約4.5mmの長
さの間に多数個の吐出口106が等間隔に形成されたオ
リフイスプレート108を一体的に備えた天板104
を、同様な配設ピッチで68本の吐出ヒータ112が形
成されたヒータボード102上に、少なくとも64個の
吐出口106及び吐出ヒータ112が互いに対応した状
態で組み付けられる様にするものであり、極めて正確な
位置決め動作、及び、微妙な接合力の付加動作が要求さ
れるものである。
【0078】しかしながら、以下の組立制御手順の説明
において、実際通りに、68個の吐出口106及び、多
数本の吐出ヒータ112を図示して説明しようとする
と、却って不明確となると共に、説明が煩雑になるの
で、以下の説明においては、オリフイスプレート108
には図14に示すように、5個との吐出口106、具体
的には、第1乃至第5の吐出口106a〜106eが形
成されており、ヒータボード102上には、5本の吐出
ヒータ112、具体的には、第1乃至第5の吐出ヒータ
112a〜112eが形成されているものと、簡略化し
た状態で説明するものとする。
【0079】<各サブルーチンの詳細な説明>以下に、
図13を参照して概略的に説明した組立制御手順の中
の、種々のサブルーチンを詳細に説明する。
【0080】《ステツプS16における校正動作の説
明》先ず、図15及び図16、並びに先に示した図11
及び図12を参照して、上述したステツプS16におけ
る校正動作の制御手順を説明する。即ち、図15にフロ
ーチヤートとして示す様に、この校正動作が起動される
と、ステツプS16Aにおいて、第2の位置調整機構1
6の第2のx軸ステージ28を駆動して、図16に示す
様に、校正チヤート78をこれの校正基準点78dが、
第1及び第2の位置検出機構40,42における夫々の
対物レンズ40a,42aの光軸の交点で規定される組
立作業位置αと一致するまで移動させる。
【0081】そして、ステツプS16Bにおいて、第1
の位置検出機構40の第1のITVカメラ40gを用い
て、この校正チヤート78を正面から撮影する。また、
ステツプS16Cにおいて、第2の位置検出機構42の
第2のITVカメラ42gを用いて、この校正チヤート
78を上方から撮影する。この結果、第1のITVカメ
ラ40gを用いて撮影した画像は、上述した図11に示
す様に、また、第2のITVカメラ42gを用いて撮影
した画像は、上述した図12に示す様に写し出される。
そこで、ステツプS16Dにおいて、ステツプS16B
で撮影された画像を、第1の信号変換器46を介して画
像処理装置44に伝送し、ステツプS16Eにおいて、
ステツプS16Cで撮影された画像を、第2の信号変換
器50を介して画像処理装置44に伝送する。
【0082】そして、ステツプS16Fにおいて、第1
のITVカメラ40gを介して撮影した画像に基づき、
画面左端から校正基準点78dまでの距離x1 を電気的
に測定し、ステツプS16Gにおいて、第2のITVカ
メラ42gを介して撮影した画像に基づき、画面左端か
ら校正基準点78dまでの距離x2 を電気的に測定す
る。この後、ステツプS16Hにおいて、x1 −x2
演算し、この結果を、上述したずれ量(校正量)Δxと
規定する。
【0083】そして、ステツプS16Iにおいて、この
演算結果としてのずれ量Δxを、制御ユニツト38内の
メモリ及びデータデイスク78に記憶し、ステツプS1
6Jにおいて、この校正チヤート78が載置された位置
決め台33cを、これの上にヒータボード102が予め
固定されたベース部材208が供給される供給位置まで
復帰する様に、第2のx軸ステージ28を駆動制御す
る。このようにして、一連の校正動作を終了し、元のメ
インルーチンに戻る。
【0084】ここで、この校正動作においては、第1及
び第2のITVカメラ40g,42gは、校正チヤート
78の同一の校正基準点78dを撮影し、この同一の校
正基準点78dまでの画面左端からの距離x1 ,x2
夫々測定しているので、これら距離x1 ,x2 の差とし
て規定されるΔxにより、第1及び第2の対物レンズ4
0a,42aの夫々の光軸のずれ量が求められる事にな
る。
【0085】《ステツプS20におけるヒータボードの
供給動作の説明》次に、図17に示すフローチヤート及
び図18を参照して、上述したステツプS20における
ヒータボード供給動作の制御手順を説明する。このヒー
タボード102は、既に何度も説明している様に、予
め、所定の精度で、ベース部材208のヒータボード取
り付け部208b上に位置決め固定されているものであ
る。従つて、ヒータボード102を供給するという事
は、即ち、ベース部材208を第2の位置決め機構33
上に供給する事を意味するものである。
【0086】先ず、ヒータボード供給動作が起動される
と、ステツプS20Aにおいて、図示しない供給ロボツ
トをして、予めヒータボード102が取り付けられたベ
ース部材208を収納位置から把持して取り出し、図示
しない接着剤塗布治具上に搬送する。そして、ステツプ
S20Bにおいて、この接着剤塗布治具上に載置された
ベース部材208上のヒータボード102の所定位置、
詳細には、図10に示す様に、ヒータボード102の後
端縁両側に、図示しない接着剤塗布機構を介して接着剤
80a,80bを夫々塗布する。
【0087】尚、この接着剤80a,80bは、上述し
た様に、紫外線を照射される事により硬化、即ち、接着
力を発揮する紫外線硬化性接着剤から構成されている。
換言すれば、この塗布時点において、これら接着剤80
a,80bは、何ら接着性を発揮しておらず、単なる液
体としてしか機能していないものである。
【0088】この後、ステツプS20Cにおいて、この
接着剤80a,80bが塗布されたヒータボード102
が取り付けられたベース部材208を、待機位置に位置
する第2の位置決め機構33上に搬送し、ステツプS2
0Dにおいて、搬送ロボツトによるベース部材208の
把持を解除して、このベース部材208を第2の位置決
め機構33上に載置する。尚、この第2の位置決め機構
33の待機位置は、図18に示す様に、上述した組立作
業位置αからx軸方向に沿つて所定距離だけ離間した所
の図示する位置により規定されている。このようにし
て、一連のヒータボード供給動作を終了して、制御手順
は、元のメインルーチンに戻る。
【0089】《ステツプS22におけるヒータボードの
位置決め動作の説明》次に、図19に示すフローチヤー
トと、図20と、上述した図7乃至図9とを参照して、
ステツプS22におけるヒータボード102の位置決め
動作について説明する。
【0090】先ず、このヒータボード102を位置決め
するための第2の位置決め機構33は、ここに、ヒータ
ボード102が搬送されてくる前の待機状態において、
図9に示す解除機構33Dが起動しており、解除シリン
ダ33mが対応するピストンロツド33nを押し出す様
に駆動しているので、このピストンロツド33n上の解
除ピン33r,33sが夫々x軸規制レバー33f及び
y軸規制レバー33jに係合して、これらを共にベース
部材208から大きく離間する位置、即ち、離間位置に
移動している。
【0091】このように第2の位置決め機構33が待機
状態に設定された状態で、位置決め動作が起動される
と、ステツプS22Aにおいて、解除シリンダ33mの
駆動が解除される。この結果、対応するピストンロツド
33nは、内蔵する図示しないリターンスプリングの付
勢力により内方に引き込まれる様に移動する。従つて、
このピストンロツド33n上の解除ピン33r,33s
は夫々x軸規制レバー33f及びy軸規制レバー33j
から離間する事になる。
【0092】このようにして、ベース部材208は、x
軸規制レバー33fが第1のトーシヨンばね33hの付
勢力により反時計方向に沿つて回動偏倚する事により、
離間位置からx軸方向に沿つて押されて、x軸位置決め
部33Aを構成する一対のx軸位置決め用突起33d,
33eに当接し、そのx軸方向の位置を規定される事に
なる。一方、このベース部材208は、y軸規制レバー
33jが第2のトーシヨンばね33lの付勢力により反
時計方向に沿つて回動偏倚する事により、離間位置から
y軸方向に沿つて押し出され、y軸位置決め部33Bを
構成するy軸位置決め用突起33iに当接し、そのy軸
方向の位置を規定される事になる。即ち、解除シリンダ
33mがその駆動力を解除される事により、ベース部材
208はx軸及びy軸方向に沿う位置を正確に位置決め
される事になる。
【0093】このようにステツプS22Aが実行された
後、ステツプS22Bにおいて、吸引機構33Eの駆動
が開始される。この開始にともない、図示しない吸引源
が起動して、この吸引源からの吸引力が接続管33xを
介して吸引パッド33w内に作用し、この結果、ベース
部材208が下方に引きつけられ、z軸位置決め部33
Cを構成する第1及び第2の突起33t,33uが位置
決め第33cの上面に確実に当接し、また、第3の突起
33vがベース部材208の下面に確実に当接する事に
なる。即ち、吸引機構33Eが駆動される事により、ベ
ース部材208はz軸方向に沿う位置を正確に位置決め
される事になる。
【0094】このようにして、ベース部材208は、第
2の位置決め機構33の位置決め動作により、これの本
体33aに対する3軸方向に関する位置決めが正確にな
される事になる。また、このような吸引機構33Eの作
動により、ベース部材208は、第2の位置決め機構3
3により正確に位置決めされた位置に、例え本体33a
が移動したとしても、確実に保持される事になる。
【0095】このステツプS22Bが終了すると、次
に、ステツプS22Cにおいて、第2の位置調整機構1
6を起動して、第2の位置検出機構33に位置決め保持
されたベース部材208をその待機位置から組立作業位
置αまで移動する。そして、ステツプS22Dにおい
て、この組立作業位置αにもたらされたベース部材20
8上のヒータボード102の上面の画像を、合焦判別用
の第2の光学系42eを介して、第2の合焦状態検出器
52に伝送する。
【0096】そして、ステツプS22Eにおいて、この
第2の合焦状態検出器52において、合焦位置からのz
軸方向のピントずれ量Δz、即ち、この合焦位置が設計
上のz軸方向の設定位置であるので、ヒータボード10
2の組立作業位置αにおけるz軸方向のピントずれ量Δ
zを測定し、ステツプS22Fにおいて、この測定した
ピントずれ量Δzを制御ユニツト38に伝達する。この
後、ステツプS22Gにおいて、制御ユニツト38は、
内部で、このピントずれ量Δzに基づき、第2のz軸ス
テージ30の移動量Z2 を算出し、ステツプS22Hに
おいて、この算出した移動量Z2 に基づき、第2のz軸
ステージ30を移動駆動して、ヒータボード102の上
面の組立作業位置αにおけるz軸方向の位置を正確に規
定する。
【0097】次に、ステツプS22Iにおいて、第2の
位置検出機構42の第2のITVカメラ42gで、ヒー
タボード102の上面を撮影し、ステツプS22Jにお
いて、その撮影した画像情報を、第2の信号変換器50
を介して画像処理装置44に伝送する。ここで、この第
2のITVカメラ42gで撮影したヒータボードの画像
を図20に示す。この第2のITVカメラ42gで写し
出される画像は、先に、ステツプS22D乃至ステツプ
S22Hにおいて、ヒータボード102の上面の組立作
業位置αにおけるz軸方向の位置を正確に規定されてい
るので、ピントの正確にあった鮮明な画像となってい
る。
【0098】ここで、この図20に示す様に、吐出ヒー
タ112a〜112eが所定の形成精度で予めヒータボ
ード102上に形成され、且つ、上述した第2の位置決
め機構33が所定の位置決め動作を実行していれば、真
ん中に位置する吐出ヒータ112cが画像内に写し出さ
れる事になる。そして、この真ん中に位置する吐出ヒー
タ112cが写し出されている限りにおいて、以下の組
み付け動作は可能になる様に設定されている。
【0099】このため、ステツプS22Kにおいて、真
ん中に位置する吐出ヒータ112cが写し出されている
か否かを判断し、このステツプS22Kにおいて写し出
されていないと判断される場合には、以下の組み付け動
作が不可能になるので、ステツプS22Lにおいて、警
報を発し、その後の制御手順を終了する。一方、ステツ
プS22Kにおいて真ん中に位置する吐出ヒータ112
cが写し出されていると判断される場合には、ステツプ
S22Mに進み、吐出ヒータ112cの組立作業位置α
からのx軸方向に沿うずれ量xh を測定する。
【0100】尚、このx軸方向に沿うずれ量xh の測定
に際して、中央に位置する吐出ヒータ112cが中心線
より画面右側にずれている場合に、(+)の符号を付
し、左側にずれている場合に、(ー)の符号を付す様に
設定されている。ここで、この一実施例においては、5
つの吐出ヒータ112a〜112eの中で、真ん中に位
置する吐出ヒータ112cを他から識別する手段とし
て、図18及び図20に示す様に、この吐出ヒータ11
2cに隣接する位置に識別マーク82が描かれている。
即ち、上述したステツプS22Kにおいては、この識別
マーク82を画像内に認識した場合には、真ん中に位置
する吐出ヒータ112cが写し出されていると判断し、
識別マーク82を認識することが出来なかった場合に
は、この吐出ヒータ112cが写し出されていないもの
と判断する様に設定されている。
【0101】尚、上述したx軸方向に沿うずれ量xh
は、画像の中心位置から真ん中の吐出ヒータ112cの
中心位置までの距離として規定されるものであり、この
画像の中心位置と組立作業位置αとは、予め一致する様
に設定されている。このようにx軸方向のずれ量xh
測定した後、ステツプS22Nにおいて、このずれ量x
h を制御ユニツト38に伝達し、ステツプS22Oにお
いて、このずれ量xh を制御ユニツト38内のメモリに
記憶する。
【0102】この後、ステツプS22Pにおいて、第1
の位置検出機構40の合焦判別用の第1の光学系40e
を介して、この組立作業位置αにもたらされたベース部
材208上のヒータボード102の前端面の画像を、第
1の合焦状態検出器48に伝送する。そして、ステツプ
S22Qにおいて、この第1の合焦状態検出器48にお
いて、合焦状態が達成される様に、即ちピントが合う様
に、y軸方向に沿つてヒータボード102を移動すべ
く、第2のy軸ステージ32を移動駆動する。そして、
このステツプS22Qにおいて合焦動作が終了すると、
ステツプS22Rにおいて、上述したオリフイスプレー
ト108の厚さt1 分だけ、更に、第2のy軸ステージ
32を移動駆動して、合焦位置から更に遠のく様にす
る。
【0103】このようにオリフイスプレート108の厚
さt1 分だけ予めy軸方向に関するヒータボード102
の前端面の位置をオフセツトする事により、このヒータ
ボード102上に天板104が組み付けられ、この天板
104の前端面に予め固着されているオリフイスプレー
ト108が、ヒータボード102の前端面に密着する様
になされた状態で、このオリフイスプレート108の表
面に対する第1の位置検出機構40におけるピントは、
何ら合焦検出動作を実行することなく、正確に合致する
事になる。このようにして、一連のヒータボード102
の位置決め動作を終了して、制御手順は元のメインルー
チンに復帰する。
【0104】《ステツプS24における天板104の供
給動作の説明》次に、図21に示すフローチヤートと、
上述した図18とを参照して、ステツプS24における
天板104の供給動作について説明する。
【0105】先ず、天板104の供給動作が起動される
と、ステツプS24Aにおいて、図示しない供給ロボツ
トを介して、天板104が収納位置から、待機位置にあ
る取り付け機構26まで搬送する。詳細には、取り付け
機構26を構成する一対の吸引部材26b,26cの間
で規定される間隙内に、下方から、天板104の円筒状
のインク受け口118が入り込む様に、搬送する。そし
て、ステツプS24Bにおいて、第1の位置決め機構2
7の第1の駆動シリンダ26iを駆動して、可動側の第
2の吸引部材26cを固定側の第1の吸引部材26bに
向けて近接する様に駆動し、図18に示す様に、第1及
び第2の吸引部材26b,26cの間にインク受け口1
18が弱い力で挟持される様にする。このようにして、
インク受け口118は固定側の第1の吸引部材26bの
基準面として規定される内側面に軽く当接する事とな
り、この結果、インク受け口118の、従つて、天板1
04の取り付け機構26に対するx軸方向の位置が正確
に規定される事になる。
【0106】ここで、このようにインク受け口118を
挟持する力は弱く設定されているので、この挟持力によ
るインク受け口118の変形は殆ど無視することが出来
るものであると共に、この挟持状態ではインク受け口1
18を把持して、天板104を保持することが出来ない
ものである。この後、ステツプS24Bでx軸方向の位
置を位置決めされた天板104の天板本体116は、第
1及び第2の吸引部材26b,26cの下面に夫々形成
された吸引孔26d,26eを介して、これら第1及び
第2の吸引部材26b,26cの下面に吸着・保持され
る事になる。このようにして、一連の天板104の供給
動作を終了して、制御手順は元のメインルーチンに復帰
する。
【0107】《ステツプS26における天板104の仮
置き動作の説明》次に、図22に示すフローチヤートを
参照して、ステツプS26における天板104のヒータ
ボード102上への仮置き動作について説明する。ここ
で、既に説明してある通り、天板104及びヒータボー
ド102は、実際には、共に、微細加工部品であるた
め、過大な力が作用すると破損する虞がある。このた
め、ステツプS28のx軸方向位置合わせ動作に先立っ
て、ヒータボード102上への天板104の仮置き動作
が実行される。
【0108】先ず、仮置き動作が起動されると、ステツ
プS26Aに示す様に、第1の位置調整機構14を駆動
して、天板104とヒータボード102との間に充分な
隙間を保って、天板104をヒータボード102の直上
方に移動する。この後、ステツプS26Bにおいて、天
板104をz軸方向に沿つて下方に移動して、天板10
4とヒータボード102との隙間を縮める。そして、ス
テツプS26Cにおいて、天板104をヒータボード1
02上に落下させる。
【0109】この状態において、天板104はヒータボ
ード102上に、その載置位置を正確に規定されない状
態で載置される。このため、ステツプS26Dにおい
て、第1の位置決め機構27の係合片26m,26nを
動かして、オリフイスプレート108をヒータボード1
02の前端面につき当てさせる。更に、ステツプS26
Eにおいて、x軸方向位置合わせ動作の準備として、天
板104の厚さ校正動作を行い、天板104と第1の位
置決め機構27における吸引部材26b,26cとの位
置関係を最適な状態に設定する。このようにして、一連
の天板104のヒータボード102上への仮置き動作を
終了し、制御手順は元のメインルーチンに復帰する。
【0110】《ステツプS28における天板104のヒ
ータボード102に対するx軸方向の位置合わせ動作の
説明》次に、図23に示すフローチヤートと、図24乃
至図29を参照して、ステツプS28における天板10
4のヒータボード102上に対するx軸方向の位置合わ
せ動作について説明する。
【0111】上述した天板104の仮置き動作において
は、取り付け機構26を設計上の取り付け位置に第1の
位置調整機構14を駆動して移動させ、その上で、この
取り付け機構26から天板104をヒータボード102
上に落下させ、上述した設計上の取り付け位置に位置決
めさせる事により、この仮置き動作を実行している。こ
こで、既に上述している様に、天板104のオリフイス
プレート108に形成された吐出口106及びヒータボ
ード102上に形成された吐出ヒータ112の配設ピッ
チは、ミクロンオーダであるので、設計上の絶対的な位
置合わせのみでなく、吐出ヒータ112に対する吐出口
106の相対的な位置合わせを実行して、実際に、互い
に対応する吐出ヒータ112と吐出口106とが、所定
の位置精度内で、互いに組み合わされる様に、位置決め
動作を実行しなければならない。尚、これら吐出口10
6及び吐出ヒータ112の配設方向は、x軸方向に設定
されているので、この天板104のヒータボード102
に対する最終的な位置合わせは、x軸方向に沿つての
み、画像処理を介して行われる様に規定されている。
【0112】先ず、このx軸合わせ動作が起動される
と、ステツプS28Aにおいて、天板104の片寄動作
を行う。即ち、この片寄動作においては、図24に示す
様に、天板104の円筒状のインク受け口118が両吸
引部材26b,26cの間に位置した状態から、図25
に示す様に、可動側の吸引部材26cを固定側の吸引部
材26bに向けて移動させ、このインク受け口118を
固定側の吸引部材26bに突き当てる。そして、図26
に示す様に、可動側の吸引部材26cを元の位置に戻
し、図27に示す様に、両吸引部材26b,26cを一
体的に、即ち、取り付け機構26を全体的にx軸方向に
移動して、天板104を所定の位置まで移動する事によ
り、この天板104の片寄動作が完了する。
【0113】この天板104の片寄動作が終了すると、
次に、ステツプS28Bにおいて、図28に示す様に、
第1の位置検出機構40の合焦判別用の第1の光学系4
0eを介して、ヒータボード102上に仮置きされた天
板104の前方に取り付けられたオリフイスプレート1
08の前面の画像を、第1の合焦状態検出器48に伝送
する。そして、ステツプS28Cにおいて、この第1の
合焦状態検出器48において、合焦状態が達成される様
に、即ちピントが合う様に、y軸方向に沿つてヒータボ
ード102及び天板104を一体的に移動すべく、第2
のy軸ステージ32を移動駆動する。
【0114】ここで、この合焦動作においては、先に説
明したヒータボード102の位置決め動作のステツプS
22P〜ステツプS22Rにおいて、既に、第1のIT
Vカメラ40gのピントが、実質的に、オリフイスプレ
ート108の前面に合わされているので、この合焦動作
は極めて短時間の内に済むと共に、オリフイスプレート
108の前面が合焦範囲外にあって、合焦動作が不可能
となる事が、確実に防止される事になる。
【0115】そして、このステツプS28Cにおいて合
焦動作が終了すると、ステツプS28Dにおいて、第1
の位置検出機構40における第1のITVカメラ40g
で、ヒータボード102上に仮置きされた天板104の
前面側に固定されているオリフイスプレート108の前
面を撮影する。この第1のITVカメラ40gで撮影さ
れたオリフイスプレート108の画像は、上述した様に
合焦動作を済ませてあるので、図29に示す様に、ピン
トの正確に合つた鮮明な画像となっている。
【0116】この後、ステツプS28Eにおいて、ステ
ツプS28Cで撮影された画像を、第1の信号変換器4
6を介して画像処理装置44に伝送し、ステツプS28
Fにおいて、第1のITVカメラ40gを介して撮影し
た画像に基づき、画面中央から上述した中央の吐出ヒー
タ112cに一番近接していると判断される吐出穴10
6の中心位置までの距離xH を電気的に測定する。ここ
で、ステツプS22におけるヒータボード102の位置
決め動作において説明したと同様に、画面の中心線は、
組立作業位置αに対応しており、この距離xH は、組立
作業位置αから中央の吐出ヒータ112cに組み合わさ
れることとなる吐出穴106までのx軸方向に沿うずれ
量を表す事になる。
【0117】上述した中央の吐出ヒータ112cに対応
する吐出口106の中心線からのずれ量xH を測定し終
えると、ステツプS28Gにおいて、中央に位置する吐
出ヒータ112cと、これに対応する吐出口106とを
正確に上下で一致させるために、この吐出口106が形
成されたオリフイスプレート108を備える天板104
を、x軸方向に沿つて移動させるに必要となる移動量x
T を、以下に示す演算式から算出する。 xT =xh −xH +Δx
【0118】次に、ステツプS28Hにおいて、この移
動量xT が予めデータデイスクに記憶されているx方向
位置合わせの調整規格範囲Cより小さいか否かが判定さ
れる。このステツプS28Hにおいて、YESと判断さ
れる場合、即ち、移動量xTが調整規格範囲Cよりも小
さいと判断される場合には、制御ユニツト38はヒータ
ボード102の各吐出ヒータ112と天板104のオリ
フイスプレート108に形成された吐出穴106との、
互いにx軸方向の位置が合致していると判断し、このx
軸方向位置合わせ動作の制御手順を終了し、メインルー
チンにリターンする。
【0119】一方、上述したステツプS28Hにおい
て、NOと判断される場合、即ち、移動量xT が調整規
格範囲Cよりも大きいと判断される場合には、ステツプ
S28Iにおいて、第1のx軸駆動ステージ18を駆動
して、この移動量xT に相当する量だけ天板104を移
動させる。この結果、固定側の第1の吸引部材26bの
端面に片寄せされたインク受け口118は、この第1の
吸引部材26bに押されて、上述した移動量xT だけ移
動する事になる。この後、上述したステツプS28Dに
復帰する。
【0120】そして、このように天板104のヒータボ
ード102に対する位置決めがなされる事により、ヒー
タボード102の中央に位置する吐出ヒータ112c
と、天板104のオリフイスプレート108における、
吐出ヒータ112cに最も近接する吐出口106との互
いの中心線が、x軸方向に関して一致する事になる。こ
の様にして、一連のx軸方向に沿う天板104とヒータ
ボード102との位置合わせ動作を終了し、制御手順
は、元のメインルーチンに復帰する。
【0121】特に、この一実施例においては、この天板
104のヒータボード102に対するx軸方向の位置合
わせ動作に際して、天板104のインク受け口118は
第1の吸引部材26bの端面により押され、この結果、
天板104はx軸方向に移動する事になる。ここで、天
板104に一体的に取り付けられたオリフイスプレート
108は、上述したステツプS26Dにおいてヒータボ
ード102の前端面に押しつけられている。従つて、天
板104のx軸方向の移動に際して、このオリフイスプ
レート108とヒータボード102との当接状態が、摩
擦抵抗として作用する事になる。ここで、仮に、この摩
擦抵抗しか一方的に作用していないとすると、天板10
4のx軸方向の移動に際して、インク受け口118を第
1の吸引部材26bが押した際に、天板104はx軸方
向に沿つて真直ぐに移動することなく、オリフイスプレ
ート108を支点として回転運動的な不規則な運動を
し、位置合わせが正確に達成されない事となる。しかし
ながら、この一実施例においては、オリフイスプレート
108が設けられた側とは反対側に、適度な粘度を有す
る接着剤80a,80bが塗布されているため、これが
同様に摩擦抵抗として作用する事となる。この結果、天
板104のx軸方向の移動に際して、両摩擦力がバラン
スして、安定した状態でx軸方向の位置合わせ動作が達
成される事となる。
【0122】《ステツプS30における天板104のヒ
ータボード102に対する接着動作(仮着動作)の説
明》次に、図30に示すフローチヤートと、図31とを
参照して、ステツプS30における天板104のヒータ
ボード102上に対する接着動作(仮着動作)について
説明する。
【0123】上述したステツプS28における天板10
4のヒータボード102に対するx軸方向の位置合わせ
動作が終了すると、先ず、ステツプS30Aにおいて、
第1の位置調整機構14における第1のz軸ステージ2
0を起動して、第1の位置決め機構27全体を、従つ
て、第1及び第2の吸引部材26b,26cを所定量D
F だけz軸方向に沿つて下降させる。この第1及び第2
の吸引部材26b,26cは下降の途中で天板104
に、図31に示す様に、当接する事になるが、この当接
された天板104は、これの下方にヒータボード102
を一体的に伴った状態で、接合力発生機構34における
コイルスプリング34cの付勢力に抗して、下方に押し
下げられる事になる。
【0124】ここで、上述した第1のz軸ステージ20
における所定の下降量DF は、この下降に伴う天板10
4及びヒータボード102の押し下げにより、コイルス
プリング34cに発生した付勢力が、天板104とヒー
タボード102との間に、所定の接合力として作用する
に十分な値に設定されている。
【0125】このように、ヒータボード102と天板1
04との間に所定の接合力が発生した状態において、ス
テツプS30Bにおいて、紫外線光源58が紫外線を発
光する。この紫外線は、一対のライトガイド56を介し
て、紫外線透過性の一対の吸引部材26b,26cにも
たらされ、これらを透過した状態で、接着剤80a,8
0bに照射される。この結果、これら接着剤80a,8
0bは紫外線硬化性を有しているので、これら接着剤8
0a,80bは硬化を開始、即ち、接着性を発揮する事
になる。即ち、ヒータボード102と天板104とは、
互いに所定の接合力で密着された状態で、接着剤80
a,80bを介して、互いに接着される事になる。
【0126】尚、上述した様に、この接合力発生機構3
4における接合力を変更する場合には、ワツシヤ34b
を回転させ、ガイドシヤフト34aの軸方向に沿つて移
動させる事により、コイルスプリング34cの変形量を
変化させる事により、達成されるものである。
【0127】この後、ステツプS30Cにおいて、所定
時間の経過を待ち、接着剤80a,80bが完全に硬化
されるのを待って、ステツプS30Dにおいて、再び第
1の位置調整機構14における第1のz軸ステージ20
を起動して、第1の位置決め機構27全体を、従つて、
第1及び第2の吸引部材26b,26cを上述した下降
量DF と同じ上昇量UF だけz軸方向に沿つて上昇させ
る。この結果、第1及び第2の吸引部材26b,26c
は、天板104から上方に離れた位置するまで上昇し
て、待機する事になる。このようにして、一連の接着動
作の制御手順を終了し、元のメインルーチンに復帰す
る。
【0128】《ステツプS31における天板104の固
定動作の説明》次ぎに、図32乃至図34を参照して、
ステツプS31における天板104の固定動作について
説明する。図32に示す様に、天板104をヒータボー
ド102に強固に固定するために用いられる固定用バネ
部材122は、天板本体116の上面に圧接して、これ
を下方に付勢するためのバネ本体112aと、このバネ
本体112aの両側から夫々立ち下がる脚部112b,
112cと、各脚部112b,112cの下端から、互
いに内方に折曲された係止爪112d,112eと、バ
ネ本体112aの前端縁(即ち、オリフイスプレート1
08に近接する側の端縁)から下方に折曲された圧接片
112fとから一体的に形成されている。ここで、バネ
本体112aの略中央部には、天板本体116の上面に
突設されたインク受け口118が挿通される開口112
gが形成されている。
【0129】一方、ベース部材208には、丁度、これ
に固定されたヒータボード102の左右両側縁に夫々隣
接した状態で、上述した固定用バネ部材122の左右の
脚部112b,112cが挿入される取り付け穴208
c,208dが、厚さ方向に貫通した状態で形成されて
いる。ここで、各取り付け穴208c,208dは、対
応する脚部112b,112cの係止爪112d,11
2eが丁度挿通されるに十分な大きさに設定されてい
る。また、両取り付け穴208c,208dのさし渡し
距離(即ち、互いに近接する端縁間の距離)が、自然状
態のバネ部材112における両脚部112b,112c
間の距離よりも、僅かに短く設定されている。この結
果、両脚部112b,112cを押し広げる事により、
対応する取り付け穴208c,208d内に挿通された
係止爪112d,112eは、取り付け穴208c,2
08dを下方に通り抜けた状態で、両脚部112b,1
12cの押し広げ状態を解除される事により、互いに内
方に変位され、係止爪112d,112eは、図33に
示す様に、ベース部材208の下面に係止される事とな
る。
【0130】ここで、両脚部112b,112cの長さ
は、係止爪112d,112eがベース部材208の下
面に係止された状態で、バネ本体112aが天板本体1
16の上面に圧接し、これを下方に押圧するに十分な長
さとなる様に設定されている。また、バネ本体112a
が天板本体116の上面を圧接した状態で、バネ本体1
12aの前端縁に形成された圧接片112fは、天板本
体116の前端部を特に強く押圧する事となる。この結
果、図4を参照して既に説明した様に、ヒータボード1
02上の前端部に配設されたヒータ112の配設領域
と、天板104の前端部に規定されたインク流路部とは
互いに強く密着され、インク漏れが効果的に防止される
事となる。
【0131】特に、この一実施例においては、接着剤8
0a,80bの配設領域である第4の領域Dは、ヒータ
配設領域である第1の領域から遠く離れて設定されてい
るので、塗布された接着剤80a,80bがヒータ配設
領域に侵入して、上述した密着性が損なわれる事が確実
に抑制される事となる。
【0132】そして、固定動作が起動されると、上述し
た様に、天板104が接着剤80a,80bを介してヒ
ータボード102上に仮着された状態で、固定用バネ部
材112が図示しないロボツトハンドに把持され、その
両脚部112b,112cが対応する取り付け穴208
c,208dに上方から挿通可能な様に押し広げられ
る。この後、バネ部材112の両脚部112b,112
cが対応する取り付け穴208c,208dに上方から
挿通されると共に、図34に示す様に、インク受け口1
18が開口112gを貫通する様に、下降される。そし
て、両脚部112b,112cの下端に形成された係止
爪112d,112eがベース部材208の下面から更
に下方に突出した時点で、バネ部材112の下降動作を
停止し、両脚部112b,112cの押し広げ状態を解
除する事により、バネ部材112は、天板104をヒー
タボード102に強固に押し付けて固定した状態で、ベ
ース部材208に係止される。このようにして、天板1
04の固定動作を終了し、図示しないロボツトハンドは
バネ部材112の把持を解除して、初期位置に復帰す
る。
【0133】《ステツプS32における組体の排出動作
の説明》次に、図35に示すフローチヤートを参照し
て、ステツプS32における完成品の排出動作について
説明する。上述したステツプS30において、互いに位
置合わせされたヒータボード102と天板104とが接
着剤80a,80bを介して互いに接着(仮着)され、
ステツプS31において、バネ部材112を介して天板
104がヒータボード102に強固に固定された状態
で、完成品としての組体が形成される事になる。このよ
うに組体が最終的に形成されると、この組体の排出動作
が開始される。
【0134】この排出動作が起動されると、先ず、ステ
ツプS32Aにおいて、第1の位置決め機構27におけ
る図示しない切換弁が正圧発生機構に接続する様に切換
制御される。この結果、一対の吸引孔26d,26eか
らは、圧縮空気が噴出(逆噴)され、完成品としての天
板104とヒータボード102との組体は、下方に向け
て押しつけられることになる。この後、ステツプS32
Bにおいて、第1のz軸ステージ20が再び起動して、
取り付け機構26、従つて、第1の位置決め機構27全
体を上昇させ、天板104の上面に取り付けられたイン
ク受け口118が、両吸引部材26b,26cの間から
下方に抜け出る様にする。このようにして、第1の位置
決め機構27は、水平面内において自由に移動可能な状
態となる。
【0135】この後、ステツプS32Cにおいて、切換
弁を大気開放位置に切換制御し、逆噴動作を停止する。
また、ステツプS32Dにおいて、第2の位置調整機構
16の第2のz軸ステージ30を起動して、第2の位置
決め機構33全体を下降させる。そして、ステツプS3
2Eにおいて、第1の位置調整機構14を起動して、取
り付け機構26全体を組立作業位置αから待機位置へ復
帰移動させる。
【0136】一方、ステツプS32Fにおいて、第2の
位置決め機構33の解除機構33Dを起動して、ベース
部材208のx軸及びy軸方向のクランプ状態を解除
し、ステツプS32Gにおいて、吸引機構33Eの駆動
を停止して、ベース部材208のz軸方向の保持状態を
解除する。このようにして、第2の位置決め機構33か
らベース部材208、従つて、このベース部材208上
に取り付けられたヒータボード104及び天板102
が、取り外し可能な状態となる。この後、ステツプS3
2Hにおいて、第2の位置調整機構16を起動して、第
2の位置決め機構33全体を組立作業位置から待機位置
へ復帰移動させる。そして、最後に、ステツプS32I
において、図示しない供給ロボツトを介して、組体にお
けるベース部材208を把持して、完成品を第2の位置
決め機構33から取り出して、図示しない、完成品収納
ステーションに搬送する。このようにして、一連の完成
品の排出動作を終了し、制御手順は、元のメインルーチ
ンに復帰する。
【0137】以上詳述した様に、この一実施例の組立装
置10及びこの組立装置10における組立方法を実行す
る事により、微細加工部品であるヒータボード102及
び天板104を、これらに過度な組み付け力を作用させ
て破損することなく、ヒータボード102の吐出ヒータ
112と天板104の吐出口106とを、所定の精度で
正確に、互いに組み合わせた上で、お互いを接着させる
ことが出来る事になる。
【0138】この発明は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能である事は言うまでもない。
【0139】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係わる
インクジエツト用ヘツドの組み立て方法は、インク加熱
用複数のヒータが形成されているヒータボード及び各ヒ
ータに対応するノズル穴が形成された天板部材の互いの
接合面の何れか一方に、接着剤を塗布する接着剤塗布工
程と、前記ヒータボード上に、前記天板部材を互いの接
合面が接合する様に供給する供給工程と、前記接合面間
に介在する接着剤を介して前記ヒータボード上に前記天
板を仮着する仮着工程と、互いに仮着されたヒータボー
ドと天板とを、バネ部材を介して、基板上に固定する固
定工程とを具備し、前記接着剤塗布工程において、前記
接着剤は、前記ヒータボード上の前記バネ部材で固定さ
れる位置から少なくとも所定距離だけ離れた複数位置に
塗布されることを特徴としている。
【0140】また、この発明に係わるインクジェット用
ヘッドの組み立て方法において、前記バネ部材は、その
中央部を前記天板におけるインク吐出用通路の上に当接
され、その両端部を前記基板に形成された穴に挿通して
係止される事を特徴としている。従つて、この発明によ
れば、接着剤の定位置、定量塗布を可能にしたインクジ
エツト用ヘツドの組み立て組立方法が提供される事にな
る。
【0141】また、この発明によれば、天板とヒータボ
ードとの接合に際して、両者の相対位置を狂わせない
で、接着剤を介して両者を仮着する事の出来るインクジ
エツト用ヘツドの組み立て組立方法が提供される事にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるインクジエツト用ヘツドの組
み立て方法で組み立てられたヘツドノズルが組み込まれ
たインクジエツト記録装置に着脱自在に装着されるイン
クジエツトカートリツジの構成を取り出して示す斜視図
である。
【図2】この発明の組立方法での組立対象としてのヘツ
ドノズルの構成を示す斜視図である。
【図3】ヘツドノズルの一方の構成要件を規定するヒー
タボードの要部の構成を示す上面図である。
【図4】ヒータボードの上面構成を全面に渡り示す上面
図である。
【図5】この発明に係るヘツドノズルの組立方法の一実
施例の構成が適用される組み立て装置を概略的に示す図
である。
【図6】第1の位置調整機構における取り付け機構及び
第1の位置決め機構の構成を概略的に示す斜視図であ
る。
【図7】第2の位置調整機構における第2の位置決め機
構の構成を示す上面図である。
【図8】第2の位置決め機構と共に接合力発生機構の構
成を示す側断面図である。
【図9】第2の位置決め機構における解除機構の構成を
示す上面図である。
【図10】校正チヤートの取り付け状態を示す斜視図で
ある。
【図11】第1の位置検出機構における第1のITVカ
メラで撮影した校正チヤートの画像を示す図である。
【図12】第2の位置検出機構における第2のITVカ
メラで撮影した校正チヤートの画像を示す図である。
【図13】この発明に係る組立方法の一実施例の制御手
順を示すフローチヤートである。
【図14】組立方法を説明するについて、説明を明確化
するために、ヘツドノズルを構成するヒータボード及び
天板を簡略化した状態で示す斜視図である。
【図15】校正動作の制御手順をサブルーチンとして示
すフローチヤートである。
【図16】校正動作中の状態を示す斜視図である。
【図17】ヒータボード供給動作の制御手順をサブルー
チンとして示すフローチヤートである。
【図18】第1及び第2の位置決め機構の待機位置と、
組立作業位置を示す斜視図である。
【図19】ヒータボードの位置決め動作のの制御手順を
サブルーチンとして示すフローチヤートである。
【図20】第2のITVカメラでヒータボードを撮影し
た画像を示す図である。
【図21】天板供給動作の制御手順をサブルーチンとし
て示すフローチヤートである。
【図22】天板仮置き動作の制御手順をサブルーチンと
して示すフローチヤートである。
【図23】天板のヒータボードに対するx軸方向の位置
合わせ動作の制御手順を示すフローチヤートである。
【図24】、
【図25】、
【図26】、
【図27】天板の片寄動作の手順を順次示す図である。
【図28】天板のヒータボードに対するx軸の位置合わ
せ動作におけるオリフイスプレートの撮影状態を示す斜
視図である。
【図29】第1のITVカメラで撮影したオリフイスプ
レートの吐出口の画像を示す図である。
【図30】天板とヒータボードとの接着動作を示すフロ
ーチヤートである。
【図31】接合力発生状態を説明するための図である。
【図32】天板をヒータボードに固定する状態を示す斜
視図である。
【図33】、
【図34】バネ部材を介して天板がヒータボードに固定
された状態を夫々示す側断面図、及び、正面断面図であ
る。
【図35】完成品としての組体の排出動作を示すフロー
チヤートである。
【符号の説明】
10 組立装置、 12 定盤、 14 第1の位置調整機構、 16 第2の位置調整機構、 18 第1のx軸ステージ、 20 第1のz軸ステージ、 22 第1のy軸ステージ、 26 取り付け機構、 27 第1の位置決め機構、 28 第2のx軸ステージ、 30 第2のz軸ステージ、 32 第2のy軸ステージ、 33 第2の位置決め機構、 34 接合力発生機構、 38 制御ユニツト、 40 第1の位置検出機構、 42 第2の位置検出機構、 44 画像処理装置、 82 バネ部材、 100 ヘツドノズル、 102 ヒータボード、 104 溝付天板、 106 吐出口、 108 オリフイスプレート、 110 基板、 112 吐出ヒータ、 200 インクジエツトカートリツジ、 202 インクタンク、 208 ベース部材である。
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるインクジエツト用ヘツドの組
み立て方法で組み立てられたヘツドノズルが組み込まれ
たインクジエツト記録装置に着脱自在に装着されるイン
クジエツトカートリツジの構成を取り出して示す斜視図
である。
【図2】この発明の組立方法での組立対象としてのヘツ
ドノズルの構成を示す斜視図である。
【図3】ヘツドノズルの一方の構成要件を規定するヒー
タボードの要部の構成を示す上面図である。
【図4】ヒータボードの上面構成を全面に渡り示す上面
図である。
【図5】この発明に係るヘツドノズルの組立方法の一実
施例の構成が適用される組み立て装置を概略的に示す図
である。
【図6】第1の位置調整機構における取り付け機構及び
第1の位置決め機構の構成を概略的に示す斜視図であ
る。
【図7】第2の位置調整機構における第2の位置決め機
構の構成を示す上面図である。
【図8】第2の位置決め機構と共に接合力発生機構の構
成を示す側断面図である。
【図9】第2の位置決め機構における解除機構の構成を
示す上面図である。
【図10】校正チヤートの取り付け状態を示す斜視図で
ある。
【図11】第1の位置検出機構における第1のITVカ
メラで撮影した校正チヤートの画像を示す図である。
【図12】第2の位置検出機構における第2のITVカ
メラで撮影した校正チヤートの画像を示す図である。
【図13】この発明に係る組立方法の一実施例の制御手
順を示すフローチヤートである。
【図14】組立方法を説明するについて、説明を明確化
するために、ヘツドノズルを構成するヒータボード及び
天板を簡略化した状態で示す斜視図である。
【図15】校正動作の制御手順をサブルーチンとして示
すフローチヤートである。
【図16】校正動作中の状態を示す斜視図である。
【図17】ヒータボード供給動作の制御手順をサブルー
チンとして示すフローチヤートである。
【図18】第1及び第2の位置決め機構の待機位置と、
組立作業位置を示す斜視図である。
【図19A】ヒータボードの位置決め動作のの制御手順
をサブルーチンとして示すフローチヤートである。
【図19B】ヒータボードの位置決め動作のの制御手順
をサブルーチンとして示すフローチヤートである。
【図20】第2のITVカメラでヒータボードを撮影し
た画像を示す図である。
【図21】天板供給動作の制御手順をサブルーチンとし
て示すフローチヤートである。
【図22】天板仮置き動作の制御手順をサブルーチンと
して示すフローチヤートである。
【図23】天板のヒータボードに対するx軸方向の位置
合わせ動作の制御手順を示すフローチヤートである。
【図24】天板の片寄動作の手順を順次示す図である。
【図25】天板の片寄動作の手順を順次示す図である。
【図26】天板の片寄動作の手順を順次示す図である。
【図27】天板の片寄動作の手順を順次示す図である。
【図28】天板のヒータボードに対するx軸の位置合わ
せ動作におけるオリフイスプレートの撮影状態を示す斜
視図である。
【図29】第1のITVカメラで撮影したオリフイスプ
レートの吐出口の画像を示す図である。
【図30】天板とヒータボードとの接着動作を示すフロ
ーチヤートである。
【図31】接合力発生状態を説明するための図である。
【図32】天板をヒータボードに固定する状態を示す斜
視図である。
【図33】バネ部材を介して天板がヒータボードに固定
された状態を夫々示す側断面図、及び、正面断面図であ
る。
【図34】バネ部材を介して天板がヒータボードに固定
された状態を夫々示す側断面図、及び、正面断面図であ
る。
【図35】完成品としての組体の排出動作を示すフロー
チヤートである。
【符号の説明】 10 組立装置、 12 定盤、 14 第1の位置調整機構、 16 第2の位置調整機構、 18 第1のx軸ステージ、 20 第1のz軸ステージ、 22 第1のy軸ステージ、 26 取り付け機構、 27 第1の位置決め機構、 28 第2のx軸ステージ、 30 第2のz軸ステージ、 32 第2のy軸ステージ、 33 第2の位置決め機構、 34 接合力発生機構、 38 制御ユニツト、 40 第1の位置検出機構、 42 第2の位置検出機構、 44 画像処理装置、 82 バネ部材、 100 ヘツドノズル、 102 ヒータボード、 104 溝付天板、 106 吐出口、 108 オリ表記フイスプレート、 110 基板、 112 吐出ヒータ、 200 インクジエツトカートリツジ、 202 インクタンク、 208 ベース部材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 29/00 8804−2C B41J 29/00 C (72)発明者 折笠 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大庭 孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク加熱用複数のヒータが形成されて
    いるヒータボード上に、接着剤を塗布する接着剤塗布工
    程と、 接着剤が塗布された前記ヒータボード上に、各ヒータに
    対応するノズル穴が形成された天板部材を供給する供給
    工程と、 前記接着剤を介して前記ヒータボード上に前記天板を仮
    着する仮着工程と、 互いに仮着されたヒータボードと天板とを、バネ部材を
    介して、基板上に固定する固定工程とを具備し、 前記接着剤塗布工程において、前記接着剤は、前記ヒー
    タボード上の前記バネ部材で固定される位置から少なく
    とも所定距離だけ離れた複数位置に塗布されることを特
    徴とするインクジェット用ヘッドの組み立て方法。
  2. 【請求項2】 前記バネ部材は、その中央部を前記天板
    におけるインク吐出用通路の上に当接され、その両端部
    を前記基板に形成された穴に挿通して係止される事を特
    徴とする請求項1に記載のインクジエツト用ヘツドの組
    み立て方法。
JP15301391A 1991-06-25 1991-06-25 インクジエツト用ヘツドの組み立て方法 Withdrawn JPH0584622A (ja)

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DE69218301T DE69218301T2 (de) 1991-06-25 1992-06-24 Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung eines Tintenstrahlkopfes

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JP15301391A Withdrawn JPH0584622A (ja) 1991-06-25 1991-06-25 インクジエツト用ヘツドの組み立て方法

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