JPH0584410A - 補強スリーブアセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 濾過能を低下させやすいピンホールのない中
空ろ過材を提供する。 【構成】気体濾過に使用される気体スリーブアセンブリ
は、多孔性延伸PTFE膜が貼合わされたガラス繊維織布の
中空スリーブ２、そのスリーブ内の硬質内部支持リング
４、およびリングを固定するためにスリーブの外側でそ
のリングを締め付ける溝型外部クランプ部材６からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、限定するわけではな
いが特に気体濾過に使用される補強スリーブアセンブリ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】環境に関する近年の法律では、大気中に
排気された気体に含まれて放出されることのある微粒子
物質（煤、煙霧、埃など）の許容レベルの規制がますま
す厳しくなっている。一般に、固体含有量の最高許容レ
ベルは、空気１m²あたり 250mgであるが、１m²あたり 1
00mg程度の低レベルの規制を課している国もある。しか
し、厳しさを増している放出基準を満たすことが要求さ
れている。

【０００３】発電所、製造プラント、焼却炉などの施設
では、気体から粒子を除くために、固体の物質を濾過し
て回収する袋状濾過装置が設置されている。筒状の垂直
なスリーブ中に形成された濾布を用いた特殊な建造物も
ある。続いて、濾過を必要とする気体は、スリーブを内
外どちらかかの方向から通過する。濾過袋に集まった固
体物質は、機械的に震盪するか、スリーブに背圧をかけ
ることによって定期的に取り出される。そして、スリー
ブからふるい落とされた物質は回収される。ある特定の
型の濾過装置では、濾過を必要とする気体が、スリーブ
の内側を通される。固体の物質がその濾過装置に堆積す
るとき、通過する空気に対してスリーブの外側から圧力
をかけるか、スリーブの内側を減圧することによって、
スリーブを部分的に収縮させて、濾過装置を清浄する。
そういった加圧や減圧によって、スリーブが部分的に収
縮し、固体物質がふるい落とされる。しかし、スリーブ
を完全に収縮させると、空気流および固体の除去が妨げ
られるので、その点に注意することが重要である。スリ
ーブの収縮を防ぐために、リングを一定の間隔で濾過装
置のスリーブの外側から縫い付ける。一般に、そのよう
な濾過装置は、長さが５ないし１２ｍであって、約１ｍ
の間隔でリングが縫い付けられている。

【０００４】濾過を必要とする気体は、比較的高温（例
えば、150 ないし 300℃）の場合が多く、酸化硫黄およ
び酸化窒素のような腐食性の気体を含むこともある。し
たがって、濾過装置のスリーブとして用いられる物質
は、そのときの条件に見合うように選ばれねばならな
い。特に適した物質は、登録商標GORE−TEX で市販され
ている延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
この物質を延伸すると、ミクロン以下の粒子を濾別でき
るほど小さな孔径が得られる。また、 PTFE は、高温お
よび腐食性の気体に耐えられるものである。通常、PTFE
濾過装置は、織布または不織布の支持体で支持されるこ
とになろう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、PTFE濾過装置
にかけられる物質自体は、ほとんどの粒子を排除し得る
が、支持リングが一定の場所に縫いつけられているため
に、濾過装置全体の効率には限界がある。縫製工程によ
って生じた孔は、濾布への張力およびミシン糸が引き切
られるときの作用によって徐々に拡張する。この結果、
比較的大きな孔が開いて、そこから小さな粒子が漏れだ
したり、それが濾過装置の欠点となって装置の故障につ
ながる。

【０００６】この発明の目的は、縫合をせずに、中空濾
過装置のスリーブに対する支持リングの固定を可能にす
ることである。この発明は、特には気体濾過のために使
用され、 ・非硬質シート材料で成形された中空スリーブ ・このスリーブの内側に配置された硬質の内部支持リン
グ部材、および ・内部支持リングとかみ合いスリーブの外側に締めつけ
られた外部クランプ部材、内部支持リング部材と外部ク
ランプ部材はスリーブをつかみスリーブ上に固定され
る、 からなる補強スリーブアセンブリを提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】中空スリーブは、当面の
応用に適するいかなる織布または不織布材料で形成され
てもよい。この発明は主に濾過の分野での使用を目的と
するが、軟質材料のスリーブがシュート中など中空の場
所での一般的な応用も可能である。濾過へ応用する際、
材料は、延伸フルオロカーボンポリマー、特にはPTFEな
どの気体透過性濾過部材が好ましい。構造を補強するた
めに、材料が、ガラス繊維、ステンレス鋼もしくはポリ
マー（フルオロカーボンポリマー、ポリエステル、ポリ
アミドもしくはポリプロピレンなど）、または炭素繊維
から成形された織布または不織布支持体上に貼合せまた
は直接付着によって支持されることもある。一般に、特
定の支持体は、濾過される気体の温度および腐食性に応
じて選択されよう。ポリマーの支持体としては、帯電防
止性を付与する炭素などの充填剤を挙げることもでき
る。

【０００８】硬質の内部支持リング部材は、一般に環状
または卵形であって、一般には、ステンレス鋼などの不
活性金属から成形される。外部のクランプ部材は、通
常、リング部材と同じ形であって、示差熱延伸によって
かかる応力をさけるため同一の部材で成形される。支持
リングとクランプ部材は、クランプ部材を支持リングの
外側にクランプすると相互に固定されるように係合し合
う横断面形状である。ある実施態様では、リングの横断
面は環状であって、クランプ部材は溝形であるが、それ
ぞれ逆の場合もある。別の実施態様では、両者の横断面
が互いにかみ合う溝形をとっている。

【０００９】かみ合う領域を増すために、環状横断面の
一対のリングを同じ向きで使用することもできるが、組
み立てにくくなる。しかし、好ましい態様では、内部リ
ングの横断面は卵形（卵の長軸が中空スリーブの流れと
同じ方向）であって、クランプ部材はそれに対応した卵
形の溝となる。卵形の横断面によって、接触領域が広が
り、スリーブ部材が屈折する際の角度が小さくなる。両
方の観点から、スリーブ材料への損傷を避けやすくな
る。

【００１０】外側のクランプ部材は、一般に周囲の長さ
が変えられるので、それを支持リングの回りに締め付け
ることができる。したがって、クランプ部材には、これ
を締め付けるためのねじクリップまたはハンドクリップ
が付いている場合がある。しかし、クランプ部材を締め
付ける適当な方法の多くは、この分野で既知のものであ
る。

【００１１】濾過スリーブに皺ができて早期損傷につな
がることを防ぐには、クランプ部材を適当な位置に、特
には中空スリーブの縦方向に対して直角にして固定しな
ければならない。濾過材料の摩損を防ぐために、部材と
濾過スリーブとの間にポリマー材料のシートを挟むこと
が望ましいことがある。補強スリーブアセンブリは、特
に延伸PTFE濾過膜とともに使用される場合、特に高性能
濾過装置を提供するのに有用であって、支持リングの回
りに縫目がつかなくなる。そのような濾過装置は、石炭
ボイラーの煙道の気体からミクロンオーダーの粒子を除
去するのに用いることもできる。その除去は、酸化硫黄
および酸化窒素を除くための触媒転化器に気体を通過さ
せる前に行われる。そうでないと、これらの粒子が、触
媒を不活化してしまうことになる。

【００１２】図１に示すように、このアセンブリは、気
体透過性濾布で成形される中空スリーブ(2) を含む。環
状断面を有する環状補強支持リング部材(4) は、溝型断
面を有する外部クランプ部材(6) によってスリーブの内
側を締め付けて、スリーブをつかみ、リング部材をその
位置で固定している。この発明の実施例でスリーブを成
形する濾布は、延伸PTFE（登録商標GOREA −TEX の市販
品）を内部に貼り合わせたガラス繊維の支持体の織布を
含む。その延伸PTFEには、ミクロン以下の粒径の固体粒
子を除去し得る程度の小さい孔がある。その他の濾布と
は異なり、延伸PTFE膜は、表面で固体粒子を保持する傾
向があり、これによって、回収された固体を後から除去
する操作が容易になる。

【００１３】内部の支持リング部材(4) は、ステンレス
鋼で成形されていて、特に空気の逆流による清浄操作の
間でスリーブを広げた状態にする。また、溝型のクラン
プ部材(6) も、ステンレス鋼で成形されており、あらゆ
る示唆延伸効果を最小にする。なお、クランプ部材は、
延伸係数が極めて小さな金属で成形することも可能なの
で、温度上昇によってクランプ部材がリングの回りに容
易に締付けられる。一般に、濾過スリーブは、長さが約
１０ｍとなり、縦方向に約１ｍの間隔で締付けられた内
部支持リング部材が設けられることになる。

【００１４】図２は、内部支持リング部材(4) を囲む外
部クランプ部材(6) を締めるための一般的なバンドクリ
ップ(8) を示す。しかし、技術者にとって、このクラン
プ部材を締める手段を締める手段として、そのバンドク
リップに代わる様々な方法は自明であろう。このクラン
プ部材(6)には、末端同士がオーバーラップしたスライ
ド式端末(10)および(12)がある。間のあいた一対のフッ
ク(14)および(15)が端末(12)に付いており、そこに、例
えばリベットで留められている。中心をまたぐクリップ
装置(16)が、もう一方の端末(10)に付いている。このク
リップの本体(18)は、基材を介して転心(20)でピボット
式に端末(10)に取り付けられている。スプリングコイル
の形態で中心部(23)を有するループ(22)は、一方の端末
が本体(18)に、もう一方の端末がフック(14)または(15)
にかけられている。それによって、クランプ部材の両端
が確実につながる。そのクリップは、タッピンねじ(24)
によって定位置に固定される。このタッピンねじは、本
体の延長部(26)の穴を貫通し、底板の延長部を形成する
傾斜したストラップ(28)のねじ穴にねじ込まれる。

【００１５】図３は、第２の実施例を示しているが、こ
こでは、支持リング部材(34)は横断面が卵形となってい
るので、一定重量のリングに対するクランプ面積が最小
になる。クランプ部材(36)は相補的な溝部を有してい
る。このように断面が卵形であるために、スリーブが背
圧による清浄操作の際に収縮するとき、スリーブ部材と
の接触角度が小さくなり、濾過スリーブへの損傷の可能
性が最も少なくなる。

【００１６】卵形支持リング部材(34)とクランプ部材(3
6)との間には、PTFEで出来たフェルト層(49)が挟みこま
れている。このPTFEは、クランプ部材による摩耗または
切断から濾過スリーブを保護するのに役立つものであ
る。そのフェルトはクランプ部材およびバンドクリップ
を囲むようにしてそれら覆い隠し、両端はシーム(42)に
沿って縫い合わされる。このようにして、クランプ部材
およびバンドクリップを囲むことによって、取り付けの
際に隣接する濾過スリーブへ与える損傷を防ぐことがで
きる。

【００１７】補強スリーブアセンブリは、以下のように
して組み立てることができる。濾過材料の中空スリーブ
をひろげ、支持リング部材の位置をスリーブの外側に配
す。続いて、リングをすぐに挿入し、クッションのフェ
ルト層をスリーブ外側のリングに囲ませる。さらに、ク
ランプ部材をその外部にかませるが、その際、リング
は、中空スリーブの縦方向に対して直角に固定されるよ
うな注意が必要である。クランプ部材を固定するには、
バンドクリップをはずし、クランプ部材の両端をクラン
プ部材が支持リングの回りをすべる程度に離してひきつ
ける。それから、両端をあわせて、フック(14)にループ
(22)をかける。本体は、図２に示す位置までピボット回
転で下がる。中空濾過スリーブにおける縦方向の張力
は、すべてのリングが適当な位置に留められ、そのスリ
ーブが図１に示すような力の加わらないところに置かれ
ると、低下する。リングとクランプ部材との間でつかま
れた材料が弛緩するので、スリーブ材料によってクラン
プ部材にかけられる放射方向の圧力も減少し、その結
果、遊びの度合がかたまることもある。また、バンドク
リップをはずし、ループを引っ張って後ろのフック(15)
にかけることによって、遊びの度合を小さくすることが
できる。さらに、ねじ(24)をストラップ(28)にねじ込ん
で（または、リベット留めして）、クリップを固定位置
に保つ。

【００１８】濾過装置は、次のように操作する。粒子を
含む気体をスリーブの内側にその底から流入させる。そ
の際、スリーブの上端は閉じておく。空気はスリーブを
通って清浄化されるが、固体粒子は、スリーブの内側に
留まる。空気がフィルターを通過するときの圧力低下が
所定のレベルにまで上昇したら、スリーブの内部に部分
的吸引力をかけてスリーブ内に空気を引き込むことによ
ってフィルターが掃除される。この操作によって、スリ
ーブが部分的につぶれて、固体粒子がスリーブの中心部
に振り落とされる。内部支持リング部材(4) は、スリー
ブの完全な圧潰を防ぎ、濾過スリーブの全長にわたって
中心部に通気空間を絶えず残すものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】気体濾過用の補強スリーブアセンブリの一部の
横断面図である。

【図２】外部クランプ部材を締め付けるためのバンドク
リップの側面図である。

【図３】支持リングの横断面が卵形である別の実施態様
の部分断面図である。

【符号の説明】

２…中空スリーブ ４…環状の補強支持リング部材 ６…外部クランプ部材 １４…フック ２２…ループ ２４…タッピンねじ

フロントページの続き (72)発明者 アレクサンダー ストラング イギリス国，ウエスト ロシアン，ウイツ トバーン，ブライドサイド アベニユー ４

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 特に気体の濾過に使用される補強スリー
   ブアセンブリであって、 ・非硬質シート材料で成形された中空スリーブ、 ・該スリーブの内側に配置された硬質の内部支持リング
   部材、および ・内部支持リング部材とかみ合いスリーブの外側にクラ
   ンプされる外部クランプ部材、内部支持リング部材と外
   部クランプ部材はスリーブをつかみ、スリーブ上に固定
   される、からなる補強スリーブアセンブリ。
2. 【請求項２】 上記のスリーブアセンブリ材料が多孔性
   延伸ポリテトラフルオロエチレンフィルムからなる、請
   求項１記載のアセンブリ。
3. 【請求項３】 上記の多孔性延伸ポリテトラフルオロエ
   チレンフィルムが支持物質に貼合わされる、請求項１記
   載のアセンブリ。
4. 【請求項４】 支持リング部材の横断面が卵形である、
   請求項１記載のアセンブリ。
5. 【請求項５】 環状横断面を有する支持リング部材同士
   が同方向にかみ合う、請求項１記載のアセンブリ。
6. 【請求項６】 外部クランプ部材が、内部リング部材と
   かみ合う溝形部分を含む断面を有する、請求項１記載の
   アセンブリ。
7. 【請求項７】 上記の外部クランプ部材には、周囲に切
   断箇所があって、内部リング部材の回りに該クランプ部
   材を締め付けるためのクリップ手段が付けられている、
   請求項１記載のアセンブリ。
8. 【請求項８】 特に気体の濾過に使用される濾過アセン
   ブリであって、 ・非硬質シート材料で成形された中空スリーブ、 ・該スリーブの内側に配置された硬質の内部支持リング
   部材、 ・内部支持リングとかみ合いスリーブの外側にクランプ
   される外部クランプ部材、内部支持リング部材と外部支
   持部材はスリーブをつかんでスリーブ上に固定される、 ・清浄対象の気体流をスリーブアセンブリに導入するた
   めの手段、および ・該スリーブアセンブリに対して背圧をかけて、該気体
   流から濾過された物質を落とす手段からなる補強スリー
   ブアセンブリを含む濾過アセンブリ。