JPH0584082A - 抗体遺伝子の可変部をコードするdnaフラグメントの単離法、キメラ抗体遺伝子の製法、キメラ抗体の取得法及び医薬の製法 - Google Patents

抗体遺伝子の可変部をコードするdnaフラグメントの単離法、キメラ抗体遺伝子の製法、キメラ抗体の取得法及び医薬の製法

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JPH0584082A
JPH0584082A JP3270665A JP27066591A JPH0584082A JP H0584082 A JPH0584082 A JP H0584082A JP 3270665 A JP3270665 A JP 3270665A JP 27066591 A JP27066591 A JP 27066591A JP H0584082 A JPH0584082 A JP H0584082A
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ハインツ ヴアイトレ ウルリツヒ
Brigitte Kaluza
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 抗体遺伝子の可変部をコードするDNAフラ
グメントの単離法、キメラ抗体遺伝子の製法、キメラ抗
体の取得法及び医薬の製法 【構成】 (a)ハイブリドーマ細胞系から、所望の抗
体を分泌する染色体DNAを単離し、(b)この染色体
DNAを一本鎖に変換し、抗体遺伝子の鋳型鎖の5′−
非翻訳領域からのヌクレオチド少なくとも10個の配列
に相補性である範囲を含有するプライマー(1)及び抗
体遺伝子の非鋳型鎖のJ−領域の3′−非翻訳領域から
のヌクレオチド少なくとも10個の配列に相補性である
範囲を含有するプライマー(2)と一緒に恒温保持し、
(c)プライマーを延長させ、(d)形成された二本鎖
DNAを一本鎖に変性し、この一本鎖DNAを再度プラ
イマー(1)及び(2)と一緒にし、プライマーを延長
させる。(e)工程(d)の方法を場合により数回繰り
返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗体遺伝子の可変部を
コードするDNAフラグメントの単離法、キメラ抗体遺
伝子の製法、キメラ抗体の取得法及び医薬の製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】キメラ抗体、即ちマウス又は他の動物種
に由来する不変部がヒト不変部により代えられている抗
体はヒトの治療に使用する際に、ヒト以外の抗体よりも
著しく低い免疫原性であり、それ故治療作用において劇
的な改良を呈する[A.F.Lo Buglio及びそ
の他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86巻,4220〜4224頁(1989年)]。付加
的に、治療で使用可能な抗体は規定されたエフェクター
機能[例えば補体の固定、スタフィロコックス−タンパ
ク質Aの結合、ADCC(抗体依存性細胞障害)及びC
DC(細胞依存性細胞障害)に関する受容能]を有すべ
きである。再現可能なエフェクター機能は規定された
(ヒトの)不変部の使用により得られる。
【0003】キメラ抗体の製造は遺伝子工学的方法[例
えばM.Verhoeyen及びL.Riechman
n,Bio Essays,8巻,74〜78頁(19
88年)参照]により行なうことができる。一連のハプ
テンに対するキメラ抗体は[N.Boulliane及
びその他,Nature,312巻,643頁(198
4年);M.Neuberger及びその他,Natu
re,312巻,604頁(1984年);S.L.M
orrison及びその他,Proc.Nat.Aca
d.Sci.USA,81巻,6851頁(1984
年)]及び腫瘍特異的抗原に対するキメラ抗体[A.
Y.Liu及びその他,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,84巻,3439〜3443頁
(1987年);Y.ニシムラ及びその他,Cance
r Research,47巻,999〜1005頁
(1987年)]は記載されている。
【0004】抗体のキメラ化に当り、初めに相応する抗
体の軽鎖及び重鎖の遺伝子を相当するハイブリドーマ系
から単離することが公知である[S.L.Shin及び
S.L.Morrison,Methods in E
nzymology,178巻,459〜476頁(1
989年)]。そのためにファージ中のゲノムライブラ
リーを使って、相応するDNAフラグメントとのハイブ
リッド化により所望の遺伝子を確定する。この方法は著
しく膨大な作業である。それというのも、1個のマウス
染色体当り1個のコピー中にしか存在しない遺伝子を単
離するのに約106のプラークを調査しなければならな
い[T.Maniatis,E.F.Fritsch及
びJ.Sambrook,Molecular Clo
ning.A Laboratory Manua
l.,ColdSpring Harbor,ニューヨ
ーク在(1982年)]からである。
【0005】更に、正と同定されたファージの一部にだ
け免疫グロブリン遺伝子が生産的な転位の形で存在する
ので、引続いて更に経費のかかる特性の確定を行なわな
ければならない。
【0006】他の方法がヨーロッパ特許公開第0378
175号明細書に記載されている。それによるとそれぞ
れのハイブリドーマ系のmRNAから軽鎖及び重鎖のc
DNAを単離しかつコード領域を突然変異誘発後に相応
するベクター中に挿入する。この方法の欠点は、初めに
cDNAクローンを単離しなければならないことであ
る。そのためにcDNAライブラリーを使って、これを
所望のクローンを単離するために相応するハイブリッド
化プローブで調査しなければならない。この方法は、ハ
イブリドーマ系中の軽鎖及び重鎖のメッセンジャーRN
AがmRNAの5%までの過剰量で存在するのでゲノム
ライブラリーのスクリーニングよりも簡単であるが、相
応するクローンの単離は時間的ロスである。引続いて行
なう配列決定及びとりわけ正しい解読枠で所定の発現ベ
クター中に適合させるための単離体の突然変異も同様に
著しい作業的ロスでありかつ時間的ロスである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】それ故、本発明の課題
は、所望のキメラ抗体を著しく簡単に製造できるよう
に、技術水準の欠点が少なくとも一部除去されている方
法を開示することである。特に、ゲノム−又はcDNA
ライブラリーのスクリーニングがもはや不要であるよう
にすべきである。
【0008】
【課題を解決するための手段】抗体をキメラ化するため
の第一工程、即ち非ヒト不変部(重鎖及び軽鎖)を他の
ヒト不変部により代える工程は、所望の可変部をコード
するDNAフラグメントを単離することである。従っ
て、本発明の目的は、抗体遺伝子の可変部をコードする
DNAフラグメントを単離する方法であり、これは
(a)ハイブリドーマ細胞系から、所望の抗体を分泌す
る染色体DNAを単離し、(b)この染色体DNAを一
本鎖に変換し、かつこの一本鎖DNAを2つのオリゴヌ
クレオチドプライマー(1)及び(2)と恒温保持し、
その際にプライマー(1)は、抗体遺伝子の鋳型鎖の
5′−非翻訳領域からのヌクレオチド少なくとも10個
の配列に相補性である範囲を含有しかつプライマー
(2)は、抗体遺伝子の非鋳型鎖のその都度のJ−領域
の3′−非翻訳領域からのヌクレオチド少なくとも10
個の配列に相補性である範囲を含有し、(c)DNAポ
リメラーゼ及びデオキシリボヌクレオシドトリホスフェ
ートを添加してプライマーを延長させ、その際にプライ
マーの間に存在する抗体遺伝子の部分範囲で二本鎖DN
Aフラグメントが形成され、(d)このように形成され
た二本鎖DNAを一本鎖に変性し、この一本鎖DNAを
再度2つのオリゴヌクレオチドプライマー(1)及び
(2)と一緒にし、プライマーを延長させて、二本鎖D
NAを生成し、かつ(e)工程(d)の方法を場合によ
り数回繰り返すことを特徴とする。
【0009】抗体は少なくとも2種のポリペプチド鎖、
重い(H)鎖と軽い(L)鎖より構成されている。それ
ぞれのこれらの鎖は不変部と可変部より成り、その際に
抗体の可変部が抗体の抗原特異性を決定する。抗体のキ
メラ化とは、非ヒト不変部を他の、殊にヒト不変部によ
り代えることを表わす。本発明により、抗体の特定の鎖
の可変部をコードするDNAフラグメントを簡単に単離
することができる。このDNAフラグメントはキメラ抗
体のその鎖の発現に使用することができる。このため
に、H鎖並びにL鎖の可変部を単離する必要がある。
【0010】L鎖の可変部をコードしかつ本発明方法に
より単離されるDNAフラグメントは図1のaより明ら
かな、プライマー(1)及び(2)の間の範囲を含有す
る。このDNAフラグメントは抗体遺伝子の次の範囲を
含有する:プライマー(1)に相補性である5′−非翻
訳領域の一部、イントロンにより分断されているシグナ
ル配列、可変(V)部及びその都度の遺伝子に使われる
結合(J)領域。フラグメントの3′末端にはJ領域の
非翻訳領域がプライマー(2)に相補性の配列と接続し
ている。図1のaからは本発明方法によりプライマー
(1)及び(2)で増幅後に得られたDNAフラグメン
トが明らかである。
【0011】H鎖の可変部をコードするDNAフラグメ
ントも基本的には同一の機能要素を含有するが、H鎖の
可変部はV領域とJ領域との間で更に多様(D)領域
(Diversity−Region)を含有する点で
異なっている。この場合にも図1のbから、プライマー
(1)と(2)との間に存在するDNAフラグメントが
本発明方法によりプライマー(1)及び(2)で増幅後
に得られることが明らかである。
【0012】本発明方法を実施するための前提は好適な
プライマー(1)及び(2)の合成である。そのため
に、キメラ化すべき抗体の軽鎖及び重鎖のDNA配列に
ついて特定の認識が必要であり、即ちプライマー(1)
及び(2)に対して相補性である配列を抗体遺伝子上で
5′−非翻訳領域もしくは使用するJ領域の非翻訳領域
で認識しなければならない。この情報は直接的又は間接
的に抗体遺伝子のmRNA又はmRNAから製造したc
DNAの配列決定により得られ、その詳細は後に記載さ
れている。
【0013】プライマー(1)及び(2)は抗体の染色
体DNAに相補性のヌクレオチド少なくとも10個の範
囲を含有する。この範囲が、一本鎖DNAに対する良好
なハイブリッド化を惹起するためにヌクレオチド10〜
50個であると有利である。プライマー(1)は抗体遺
伝子の5′非翻訳範囲からの配列を含有し、その際にこ
の範囲での正確な局在化は任意である。プライマー
(1)は、3′−方向で5′−非翻訳領域に接続してい
るシグナル配列からのヌクレオチドを一部含有していて
もよい。しかしながらプライマー(1)が抗体遺伝子の
転写開始部位の5′−側に存在しないと有利である。
【0014】プライマー(2)は抗体遺伝子のJ領域
3′−非翻訳領域からの配列、即ちその都度の抗体遺伝
子中で翻訳されたJ領域の3′−側の配列を含有する。
例えば抗体遺伝子中でJ2領域を使用する場合、プライ
マー(2)はJ2,J3,J4又はJ5の範囲からの配列を
含有していてよく、その際にこの範囲でのプライマー
(2)の正確な局在化は任意である。優れた実施形では
プライマー(2)はその都度のJ領域のイントロンに接
続している配列の配列部分を含有する。
【0015】両方のプライマーの配向により、本発明方
法の工程(c)でプライマーの延長が相互の方向で行な
われ、それ故2本鎖範囲が抗体遺伝子の可変部を包含す
るDNAフラグメントが生成する。本発明によりこのフ
ラグメントはPCR反応により数多くのサイクルで、殊
に10〜30サイクルで増幅する。本発明方法の最終生
成物として、末端にプライマー(1)及び(2)が存在
するDNAフラグメントが得られる。
【0016】プライマー(1)及び(2)が抗体遺伝子
に対して相補性である範囲の5′−側に、勿論抗体遺伝
子に対して相補性であってはならない制限エンドヌクレ
アーゼ切断部位を含有すると有利である。プライマー
(1)及び(2)がヌクレオチド6〜8個の認識配列を
有する、制限エンドヌクレアーゼ用の切断部位を含有す
ると有利であり、特に認識部位がまれに真核生物DNA
上に存在する(例えばSalI,NotI)ような酵素
が優れている。その制限エンドヌクレアーゼ切断部位が
プライマー(1)及び(2)と異なっていると特に優れ
ている。相補性配列と制限エンドヌクレアーゼの認識配
列との間でプライマーは任意の配列(ヌクレオチド1〜
30個)を含有してよい。
【0017】更に、プライマー(1)及び(2)が制限
エンドヌクレアーゼ切断部位の5′−側で、DNAフラ
グメントの単離後にプライマー(1)及び(2)の切断
部位で制限エンドヌクレアーゼにより2つの切断ができ
るように少なくとも2個のヌクレオチドの突出部を含有
すると有利である。このようにして本発明により単離し
たDNAフラグメントを簡単にベクター中にクローン化
することができる。
【0018】本発明方法を実施する際にプライマーの延
長は当業者に公知のPCR反応(ヨーロッパ特許公開第
0201184号明細書)により行なう。その際にDN
Aポリメラーゼとして殊にTaq−ポリメラーゼを使用
しかつ各サイクル後に二本鎖DNAを加熱により変性す
る。
【0019】本発明方法の前提は始めにキメラ化すべき
抗体遺伝子の配列情報の確定である。この情報がなけれ
ばプライマー(1)及び(2)の構成は可能ではない。
【0020】本発明方法にとってはその配列が明らかで
なければならない抗体遺伝子の部分範囲の配列決定は次
の方法により行なう:メッセンジャーRNAの5′−非
翻訳配列が軽鎖及び重鎖を特定しかついずれのJ領域が
軽鎖もしくは重鎖に使うかを確定するキメラ化すべき抗
体のハイブリドーマ細胞系からmRNAを単離しかつ不
変部の5′−末端に相補性であるプライマーを逆転写酵
素で延長する。不変部の配列は文献公知であり(下記参
照)かつそれぞれの抗体遺伝子中に存在する不変部は免
疫学的に簡単に測定することができる。
【0021】生成したcDNA一次鎖の3′−末端には
末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼにより
10〜30個の規定されたオリゴヌクレオチド(例えば
オリゴG)が重合する。2つのプライマー(3)及び
(4)[第1のプライマー(3)は殊に最初の制限エン
ドヌクレアーゼ切断部位を有するオリゴC;第2のプラ
イマー(4)はキメラ化すべき抗体の文献公知の不変部
の配列から、E.A. kabat、T.T.Wu、M.Reid-Miller、H.
M.Perry 及び K.S.Gr Hesman、Sequeuces of Proteins
of Immunological Interests、第4版、US Department
of Heaelth and Human Services (1987)、National Ins
titut of Health 参照]の添加により増幅反応を行な
い、増幅したcDNAをサブクローン化しかつ必要な範
囲で(5′−非翻訳領域,J領域)配列決定する。この
ようにしてプライマー(1)の配列情報が得られる。プ
ライマー(2)の配列情報は、その都度の抗体遺伝子中
の翻訳されたJ領域を確定することにより間接的に得ら
れる。これは、関連するイントロン配列によるマウスの
軽鎖(K)のJ領域のゲノム構成が記載されている
[E.E.Max及びその他,J.Biol.Che
m.,256巻,5116〜5120頁(1981
年)]ので可能である。マウスの重鎖のJ領域に関する
コード化及びイントロン配列の相当する情報は文献に記
載されている[H.サカノ及びその他,Nature,
286巻,676〜683頁(1980年)]。増幅反
応の実施は文献記載のように行なう[R.K.Saik
i及びその他,Science,230巻,1350頁
(1985年)又はヨーロッパ特許公開第020118
4号明細書参照]。 これに対する別法として、軽鎖及
び重鎖のmRNAの直接的な配列決定により配列が得ら
れる[P.H.Hamlyn.及びその他,Cell,
15巻,1067〜1075頁(1978年)]。この
際にポリA+RNAを単離し、かつ軽鎖及び重鎖の公知
の不変部の5′−領域に対してハイブリッド化する合成
オリゴヌクレオチドを逆転写酵素で延長する。cDNA
の配列はサンガー及びクルソンの方法[Sanger及
びCoulson,J.Mol.Biol.,94巻,
441〜448頁(1975年)]により決定する。こ
の際に2′,3′−ジデオキシリボヌクレオチドを鎖の
切断に使用する。
【0022】本発明方法により単離した、可変性の抗体
領域の遺伝子断片は直接抗体フラグメント(Fab,F
(ab)2)の発現に使用するか又は他の遺伝子(例え
ば酵素、トキシン及び不変性の抗体領域用)に結合させ
ることができる。キメラ抗体を生成すると有利である。
IgG1(実施例のように)以外に、その都度の不変部
の選択によりキメラ化された、アイソタイプIgG2,
IgG3,IgG4,IgM,IgA,IgD及びIg
Eの抗体が構成される。
【0023】抗体遺伝子の可変部をコードするDNAフ
ラグメントの単離が抗体のキメラ化の第一工程である。
次の工程はキメラ抗体遺伝子の製法であり、その際に本
発明方法により単離したDNAフラグメントを、抗体遺
伝子の所望の不変部をコードするDNAフラグメントを
含有するベクター中に導入すると、可変部と不変部とか
ら作動的結合において成るキメラ抗体遺伝子が生成す
る。その際に、ヒト不変部の遺伝子断片を含有するベク
ターを使用すると有利である。キメラ抗体のL鎖の遺伝
子断片を発現させようとする場合、L鎖の不変部の遺伝
子断片を含有するベクターを使用する。キメラ抗体のH
鎖の遺伝子断片を発現させようとする場合、H鎖の不変
部の遺伝子断片を含有するベクターを使用する。抗体遺
伝子を後で発現させるのに必要な要素、特にプロモータ
及びポリアデニル化部位を正しい局所に含有するベクタ
ーを使用すると有利である。
【0024】優れた基本ベクターはpSV2−neo
[P.Southern及びP.J.Berg,Mo
l.Appl.Genet.,1巻,327〜341頁
(1982年)]又はpSV2−Eco gpt[R.
C.Mulligan及びP.Berg,Proc.N
atl.Acad.Sci USA,78巻,2072
〜2076頁(1981年)]である。優れたプロモー
タは、イムノグロブリンプロモータ、シミアン・ウイル
ス(Simian Virus)40の初期又は後期プ
ロモータ、マウス又はヒトのサイトメガロウイルス(C
yto−megalie−Virus)プロモータもし
くはマウス又はヒトのメタロチオネイン(Metall
othionein)プロモータである。発現ベクター
が付加的にリンパ系細胞で活性であるエンハンサー、例
えばイムノグロブリン遺伝子、シミアンウイルス40、
ポリオーマウイルス、マウス又はヒトのサイトメガロウ
イルスのそれを含有すると有利である。
【0025】特に優れた基本ベクターは図2及び3に示
されているベクターpUHWK(ヒトのL鎖不変K領域
を含有する)もしくはpUHWγ1(ヒト不変部を含有
する)である。
【0026】細胞系15−1/P3/14(ECACC
90090705)から分泌される、CD4−抗原に
対する抗体のL鎖の可変部をクローン化する際にベクタ
ーpUHW−CD4K(DSM6156)が得られる。
細胞系15−1/P3/14(ECACC 90090
705)から分泌される、CD4−抗原に対する抗体の
H鎖の可変部をクローン化する際にベクターpUHW−
CD4γ1(DSM6155)が得られる。
【0027】本発明方法により抗体の可変部をコードす
るDNAフラグメントを取得することのできる抗体産生
細胞系の他の例は細胞系3.10−1/5B10(EC
ACC 90090702)である。この細胞系から分
泌される抗体はCD4−抗原上の他の抗原決定基を認識
する。
【0028】しかしながら、本発明方法により単離され
かつ任意の抗体に由来する可変部を同様にして好適な基
本ベクター中にクローン化することができる。
【0029】本発明方法により、シグナル配列のイント
ロン及びJ−配列のイントロンの部分範囲を共に含有す
る、抗体の軽鎖及び重鎖のゲノムフラグメントを簡単に
単離することができる。このゲノムフラグメントを含有
するベクターを用いると、キメラ抗体のcDNAだけが
発現に使われてもキメラ抗体の著しく高い収率が達成さ
れる。
【0030】同様に、本発明方法はヒトハイブリドーマ
細胞系でアイソタイプスウィッチングの実施に適用する
ことができる。その際にほとんどすべての生成クローン
の抗体はアイソタイプIgMのものである。しかしこの
アイソタイプは決定的なエフェクター機能、例えばAD
CC(抗体依存性細胞障害)を欠損しかつペンタマーの
IgM分子は多量体化及び凝集の傾向を有するので、本
発明によるアイソタイプスウィッチ(抗体の不変鎖の一
定の変化)の実施は、それぞれのアイソタイプの結合特
性及びエフェクター機能を評価するのに有利である。細
胞生物学的方法[P.Rothman及びその他,Mo
l,Cell,Biol.,10巻,1672〜167
9頁(1990年)]でインタロイキン4、リポ多糖
(LPS)又はLPSとインタロイキン4との組合せに
よりアイソタイプスウィッチを実施するための公知方法
は著しく低い所望結果の繁度のためにあまり効果的では
ない。ヒトイムノグロブリン遺伝子の軽鎖及び重鎖のJ
領域の配列は公知であるので[P.A.Hieter,
J.v.Maizel Jr.,P.Leder,J.
Biol.Chim.,Vol.257,No.3,1
516〜1522頁(1982年);J.V.Rave
tch,U.Siebenlist,S.Korsme
yer,T.Waedmann,P.Leder,Ce
ll,27巻,583〜591頁(1981年)]、本
発明方法にとって重要なプライマー(1)及び(2)の
構成は既に記載したように行なうことができる。
【0031】更に、本発明の目的はキメラ抗体の取得法
であり、その際に好適な細胞を本発明方法により製造し
た2種のベクターで形質転換し、その際にベクターの一
方はキメラ抗体のH鎖の遺伝子を含有しかつ他方はこの
キメラ抗体のL鎖の遺伝子を含有し、形質転換した細胞
を安定なトランスフェクション形成体に関して選択し、
かつ活性抗体を細胞培地から常法で取得する。
【0032】本発明に好適な細胞が所謂非イムノグロブ
リン産生ハイブリドーマ細胞系であると有利であり、こ
れは抗体を分泌しないハイブリドーマ系である。この細
胞でのトランスフェクションは当業者に公知の方法で行
なうことができる。このようなハイブリドーマ系の例は
Sp2/O−Ag14[A.Ochi及びその他,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA,80巻,
6351〜6355頁(1983年)]又はP3X63
−Ag8.653[J.F.Kearney及びその
他,J.Immunol.,123巻,1548〜15
50頁(1979年)]である。安定なトランスフェク
ション形成体の選択は文献公知の方法により行なう
[H.Lenz及びU.H.Weidle,Gene,
87巻,213〜218頁(1990年)]。
【0033】
【実施例】次に本発明を添付図面に関連して実施例によ
り詳説する。
【0034】抗体産生細胞系15−1/P3/14(E
CACC 90090705)及び3.10−1/5B
10(ECACC 90090702)はヨーロッパ動
物細胞培養保存機関(European Collec
tion of Animal Cell Cultu
res,英国,Salisbury,Wiltshir
e SP4 OJG)に寄託されている。ベクターpU
HW−CD4K(DSM6156)及びpUHW−CD
4γ1(DSM6155)はドイツ微生物保存機関(D
eutsche Sammlung von Mikr
oorganismen,und Zell Kult
uren GmbH,Maschoder Weg 1
b D−33 Braunschweig)に寄託され
ている。
【0035】例 1 キメラ化すべき抗体のmRNAの配列決定 注)本例では抗体(IgG1型)を分泌するマウスのハ
イブリドーマ系を使用し、かつTリンパ球レセプター
(ヒト)CD4の細胞外領域の抗原決定基を認識する。
軽鎖はκ(カッパ)型でありかつ重鎖はγ1型である。
このハイブリドーマ系は15−1/P3/14である。
この抗体は例えば慢性関節リウマチのような自己免疫疾
患を治療する際の可能性を有する。
【0036】a)PCRのmRNA及びプライマーの配
列決定 ハイブリドーマ系15−1/P3/14の細胞106
からオリゴ−dT−セルロースを用いるクロマトグラフ
ィーにより全RNAからメッセンジャーRNAを単離し
た[Maniatis及びその他,Molecular
Cloning.A Laboratory Man
ual.,283頁,ColdSpring Harb
or Laboratory,Cold Spring
Harbor,NY在(1982年)]。
【0037】引続いて、軽鎖及び重鎖のmRNAの配列
決定は逆転写酵素でプライマー延長により行なう[Fr
ed Sablitzky及びKlaus Rajew
ski,EMBO Journal,3巻,3005〜
3017頁(1984年)及びP.H.Hamlyn及
びその他,Cell,15巻,1067〜1075頁
(1978年)]。
【0038】cDNA合成は反応容量10μlで行なっ
た。
【0039】条件:mRNA 0.1μg、プライマー
0.05μg、逆転写酵素(9000U/μl)0.5
μl、デオキシヌクレオシドトリホスフェート50μm
ol/l、32P標識ヌクレオチドトリホスフェート4μ
mol/l各反応バッチは付加的に他のジデオキシヌク
レオチドトリホスフェート(ddATP、ddTTP、
ddGTP又はddCTP、濃度10μmol/l)を
含有していた。緩衝液としては、50mmol/lトリ
ス−HCl、pH8.3、60mmol/l NaC
l、20mmol/lジチオトレイトール、6mmol
/l MgCl2を使用した。反応混合物を37℃で3
0分間恒温保持しかつ10mmol/l EDTA中の
10μlホルムアミド、ブロムフェノールブルー及びキ
シレンシアノールFFで停止した。アリコートを配列決
定ゲル上に施しかつcDNAの配列[F.Sange
r,S.Nicklen及びA.R.Coulson,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74
巻,5463〜5467頁(1977年)]をオートラ
ジオグラフィにより測定した。
【0040】使用したプライマー:不変部の1つの範囲
に対して相補性(前記のRajewski,EMBO−
J.に記載されている) a) κ鎖:5′TGCAGCATCAGCCC3′ b)γ1鎖:5′GGCCAGTGGATAGAC3′ 配列は次の情報を与えた: a)軽鎖及び重鎖のmRNAの5′−非翻訳領域、これ
によりプライマー(1)が構成される。
【0041】b)軽鎖もしくは重鎖中でそれぞれ使われ
るJ領域、これによりプライマー(2)を構成するため
の情報が得られる。使用した抗体に関しては軽鎖はJ2
領域を有し、重鎖はJ4領域を有することが明らかにな
った。
【0042】次に重鎖及び軽鎖の5′−非翻訳配列を記
載する。これらの配列から好適なプライマー(1)(例
2.1a)及びc)参照)を選択することができる: 5′−非翻訳領域(軽鎖): 5′−AAGACTCAGCCTGGACATGATG−3′ 開始コドン 5′−非翻訳領域(重鎖): 5′−TGACCAGTTAGTCTTAAGGCACCACTGAGC−3 ′CCAAGTCTTAGACATCATG 開始コドン 例 2 キメラ化すべき抗体の軽鎖及び重鎖の可変部のゲノムD
NAの増幅 キメラ化すべき抗体の配列に関する例1からの情報によ
り、軽鎖及び重鎖のそれぞれのJ−領域のイントロン配
列に相補性であり、更に制限エンドヌクレアーゼの認識
部位を含有するプライマーを構成することができた。
【0043】2.1 使用するプライマー: a)軽鎖5′プライマー(プライマー1):非翻訳領域
+SalI部位=35マー
【0044】
【化1】
【0045】b)軽鎖3′プライマー(プライマー
2):J2イントロン+NotI部位=35マー
【0046】
【化2】
【0047】c)重鎖5′プライマー(プライマー
1):非翻訳領域+SalI部位=35マー
【0048】
【化3】
【0049】d)重鎖3′プライマー(プライマー
2):イントロンJ4+NotI部位=38マー
【0050】
【化4】
【0051】2.2 重要なVJ(軽鎖)領域及びVD
J(重鎖)領域をPCRにより増幅軽鎖及び重鎖の増幅
すべき範囲は図1に記載されている。L鎖の増幅にはプ
ライマーa及びbを使い、H鎖の増幅にはプライマーc
及びdを使用した。
【0052】染色体DNAはハイブリドーマ系15−1
/P3/14から標準法により単離した[T.Mani
atis及びその他,Molecular Cloni
ng.A Laboratory Manual,Co
ld Spring Harbor Laborato
ry,Cold Spring Harbor,NY,
283頁(1982年)]。PCR反応はパーキン・エ
ルマー・セツス・テルモ−サイクラー(Perkin
Elmer Cetus Thermo−Cycle
r)で実施した(サイクル数:26) 反応条件:10mmol/lトリス・HCl、pH8.
3、50mmol/l KCl、1.5mmol/l
MgCl2、0.1%(w/v)ゼラチン、1μg染色
体DNA、5′及び3′プライマー各1μmol/l、
dATP、dGTP、dCTP、dTTPそれぞれ20
0μmol/l、Taqポリメラーゼ(パーキンエルマ
ー社)2.5単位。
【0053】反応容量:100μl、これに“鉱油ライ
ト(Mineral oil light)”(Sig
ma社)を装入した。
【0054】反応時間/サイクル:2分間 反応温度/サイクル:72℃ 第1サイクルの前に反応混合物を92℃で5分間、引続
いて55℃で2分間、次に72℃で2分間保持した。そ
の後のそれぞれのサイクルの前に反応混合物を前記の温
度でその都度2分間保持した。対照として、他のバッチ
中でマウス・ウロキナーゼ遺伝子からの2.5kbのフ
ラグメントを増幅させた。反応後にアリコート(反応バ
ッチの10%)を採取しかつ1%アガロースゲル(0.
5μg/mlエチジウムブロミド含有)上で試験した。
【0055】軽鎖では560bpのフラグメントの増幅
及び重鎖では650bpのフラグメントの増幅が認めら
れた。
【0056】増幅したフラグメントを単離するに当り、
残りの反応混合物をフェノール化し、水相をエタノール
で沈殿させ、DNAを相応する緩衝液中に溶かし、引続
いて制限エンドヌクレアーゼでSalI及びNotIを
後切断した。増幅したフラグメントを0.8%の低温溶
融アガロースゲル上で精製しかつ収率を測定した。
【0057】配列決定するためにアリコートを、唯一の
HindIII部位がポリリンカー中でNotI部位に
転移されている(HindIII切断部位をヌクレアー
ゼS1でブラント化し、引続いてNotIリンカーを連
結させた後)市販のベクターpUC19[Yanisc
h−Perron及びその他,Gene,33巻,10
3〜109頁(1985年)]中に挿入連結した。増幅
したSalI−NotIフラグメントを、SalI及び
NotIで切断された修飾pUCベクター中に連結した
後で、アンピシリン耐性コロニー(50μg/ml)を
単離しかつ組換えプラスミドを制限分析によりその特性
を明らかにした。
【0058】軽鎖及び重鎖の増幅SalI−NotIフ
ラグメントを含有するそれぞれ5個のプラスミド(それ
ぞれ制限酵素分析で同一のバンドパターンを示した)を
F.サンガー及びその他(前記文献参照)により配列決
定した。軽鎖及び重鎖でシグナル配列中に生じるイント
ロンを除いて、前以って確定したcDNA配列との一致
が認められた。
【0059】例 3 キメラ抗体の軽鎖及び重鎖を発現させるための発現ベク
ターの製造 例2により製造しかつ増幅した抗体15−1/P3/1
4のVJ−もしくはVDJ領域をSalI−NotIフ
ラグメントとして、SalI及びNotIで切断したキ
メラ抗体用のカセット発現ベクター中に挿入連絡した。
【0060】3.1 カセットベクターpUHWKの構
成 予備構成においてプラスミドpUC18[Yanisc
h−Perron及びその他,Gene,33巻,10
3〜109頁(1985年)]中の唯一のHindII
I部位がNotI部位に転移した。このためにpUC1
8をHindIIIで直線化し、突出末端をヌクレアー
ゼS1でブラント化し、NotIリンカーを連結し、N
otIを後切断し、直線状プラスミドを低温溶融アガロ
ースゲル上で精製し、再結合させかつE.コリHB10
1中のトランスフェクション後に寒天平板上でアンピシ
リン耐性コロニーを選択した。所望の組換え体の特性を
制限エンドヌクレアーゼで分析することにより明らかに
した。相応するプラスミドをpUC18(NotI)と
表わす。pEPμの構成のためにpUC18(Not
I)を多数のクローン化部位で酵素EcoRI及びKp
nIで切断しかつプラスミドpIgγEcogpt[W
eidle及びその他,Gene,60巻,205〜2
16頁(1987年)]記載のフラグメントはμ遺伝子
のエンハンサーを0.6kbフラグメントとして[Ba
nerji及びその他,Cell,33巻,729〜7
40頁(1983年)]及びマウスμ遺伝子の1.4k
bプロモータフラグメント[M.Neuberger,
EMBO J.,2巻,1373〜1378頁(198
3年)]を前後に配列含有する。
【0061】更に構成するためにプラスミドp1019
5(ヨーロッパ特許公開第0378175号明細書によ
り製造)が必要である。このプラスミドはマウス及びヒ
トの軽鎖のイントロン配列からのキメライントロン、ヒ
トのκ鎖の不変部並びにホスホトランスフェラーゼne
oの発現カセットを含有する。pEPμからの2kbの
EcoRI−NotIフラグメント(重鎖エンハンサー
プロモータ組合せ体を含有)をEcoRI及びNotI
で開いたプラスミドp10195中に挿入連結した後で
pUHWKが得られた(図2)。
【0062】例2に記載の単離した、突出しているSa
lI及びNotIの切断部位を有する増幅ゲノムVJフ
ラグメントをSalI及びNotIで開いたプラスミド
pUHWK中に挿入連結して、その都度の抗体のキメラ
化された軽鎖の発現ベクターを確定する。
【0063】本例で得られた、抗体15−1/P3/1
4のキメラ化軽鎖用の発現プラスミドをpUHW−CD
4Kと表わす。
【0064】3.2 カセットベクターpUHWγ1の
構成 使用するプラスミドp11201はヨーロッパ特許公開
第0378175号明細書に記載されている。このプラ
スミドはマウス及びヒトのイムノグロブリン重鎖のイン
トロン配列からのキメライントロン並びにヒトγ1遺伝
子の不変部のゲノム構造を含有する。p11201をN
otI及びBamHIで切断し、末端をヌクレアーゼS
1でブラント化した。引続いて、NotIリンカー(G
CGGCCGC)を連結し(T4リガーゼ)図示されて
いるフラグメントを低温溶融アガロースゲル上で単離し
た。前記のプラスミドをプラスミドpEPμの唯一のN
otI部位中に挿入連結し、E.コリHB101中にト
ランスフェクションしかつアンピシリン耐性(50μg
/ml)コロニーを寒天平板上で単離した。初めにプラ
スミドpUHW*γ1が得られた。このプラスミドはゲ
ノムヒトγ1不変部をイムノグロブリン−プロモータ−
エンハンサー組合せに対して所望の方向で含有するが、
2つのNotI部位を有し、これはPCRにより得られ
たVDJ SalI−NotIフラグメントの目的のク
ローン化を困難にする(図3)。
【0065】不所望なNotI部位を除去するためにp
UHW*γ1をNotIで部分切断し、突出している末
端をヌクレアーゼS1でブラント化し、フラグメントを
低温溶融アガロースゲル上で精製し、再連結し、E.コ
リHB101中にトランスフェクションし、かつアンピ
シリン耐性コロニー(50μg/ml)を寒天板上で選
択した。制限エンドヌクレアーゼで分析することによ
り、不変部の3′−非翻訳領域の後の不所望なNotI
部位が欠失していることが確認された。生成したプラス
ミドをpUHWγ1と表わす(図3)。
【0066】PCRで増幅したVDJ領域を含有する、
イムノグロブリン遺伝子の重鎖のSalI−NotIフ
ラグメントをSalI及びNotIで切断したプラスミ
ドpUHWγ1中にクローン化して、抗体のキメラ重鎖
用の発現ベクターを確認する。抗体15−1/P3/1
4の場合に得られる、キメラ重鎖の発現ベクターはpU
HW−CDγ1と表わす。
【0067】例 4 構成性キメラCD4抗体を分泌する永久細胞系の製造 プラスミドpUHW−CD4K及びpUHW−CD4γ
1をエレクトロポレーション(Elektropora
tion:BioradのGene Pulser)に
よりイムノグロブリン非生産(Non−Produce
r)ハイブリドーマ細胞系Sp2/O−Ag14(AT
CC CRL1581)[A.Ochi及びその他,P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,80
巻,6351〜6355頁(1983年)]中にトラン
スフェクションした[NucleicAcids Re
s.,15巻,1311〜1326頁(1987年)及
びBio Techniques,6巻,742〜75
1頁(1988年)]。1パルス当りプラスミド10μ
g及び細胞106個を使用した。
【0068】遠心分離後、細胞を冷いHeBs緩衝液
(20mmol/l HEPES、pH7.05、13
7mmol/l NaCl、5mmol/l KCl、
0.7mmol/l Na2HPO4、6mmol/lデ
キストロース)で洗い、HeBs緩衝液で再懸濁し、濃
度を細胞106個/mlに調節しかつ氷上に置く。プラ
スミドの添加後パルス処理した(条件:160μF及び2
00〜260V)。細胞を約10分間後に氷上に置き、
引続いて培地(RPMI1640、10%ウシ胎児血
清、2mmol/lグルタミン、1mmol/lピルビ
ン酸ナトリウム、0.1mol/l非必須アミノ酸)中
37℃で恒温保持する。安定なトランスフェクション形
成体の選択は培地1ml当りG418 800μgの濃
度のG418含有培地上で成長させることにより行なっ
た。
【0069】安定なトランスフェクション形成体は“制
限稀釈(limiteddilution)”により単
離しかつ約14日後に同定することができた。これはキ
メラCD4抗体(IgG1)を高収率で分泌した。
【0070】例 5 トランスフェクトーマ系の上澄み中の再構成性抗CD4
の検出 すべての作業工程は室温で実施した。
【0071】微量滴定板の凹部に0.2mol/l重炭
酸塩/炭酸塩緩衝液、pH9.5中の2.5μg/ml
羊−抗−ヒト−Fcγ−IgGの溶液各0.2mlを供
給しかつ1時間恒温保持する。
【0072】吸引濾過後、50mmol/l HEPE
S緩衝液、0.1mol/l NaCl、pH7.0
(恒温保持緩衝液)中の1%ゼラチン水解物の溶液各
0.3mlを凹部中に装入して残りのタンパク質結合部
位を飽和しかつ30分間恒温保持する。
【0073】吸引濾過後、培養上澄みの検量試料もしく
は稀釈液(恒温保持緩衝液中)各0.2mlを凹部中に
ピペット滴加しかつ1時間恒温保持する。
【0074】吸引濾過後、モノクロナール抗体(MA
K)とペルオキシダーゼ(米国特許第4657853号
明細書、例3により製造)と25mg/ml組換えCD
4抗原(American Bio−Technolo
gies Inc.社)とからの複合体の溶液(恒温保
持緩衝液中)各0.2mlを凹部中に装入し、再度1時
間恒温保持する。
【0075】各0.3mlの50mmol/l HEP
ES緩衝液、0.15mol/lNaCl、0.1%シ
ンペロニック(Synperonic:登録商標)F6
8で3回洗浄後、ABTS−基質−溶液[9,1mmo
l/l ABTS(登録商標:2,2′−アジノ−ジ−
[3−エチル−ベンゾチアゾリン−スルホン酸(6)]
−ジアンモニウム塩)、100mmol/lリン酸塩/
クエン酸塩−緩衝液、pH5.0、1.47mmol/
l過硼素酸ナトリウム]各0.2mlをピペット装入し
かつ30〜45分間の恒温保持後、明光度を405nm
でELISAリーダーで測定する。
【0076】例 6 例1〜3に記載した方法を、細胞系3.10−1/5B
10(ECACC 90090702)から分泌される
CD4抗原に対する第2の抗体のキメラ化に同じように
適用した。この抗体はヒトCD4の細胞外部分上で抗体
15−1/P3/14とは異なる抗原決定基を認識す
る。
【0077】軽鎖(κ)のVJ領域を単離するのに使用
するプライマーは次の配列を有していた: a)軽鎖5′プライマー(プライマー1):非翻訳領域
+SalI部位=34マー
【0078】
【化5】
【0079】b)軽鎖3′プライマー(プライマー
2):J1−イントロン+NotI部位=35マー
【0080】
【化6】
【0081】c)重鎖5′プライマー(プライマー
1):非翻訳領域+SalI部位=38マー
【0082】
【化7】
【0083】d)重鎖3′プライマー(プライマー
2):J3イントロン+NotI部位=35マー
【0084】
【化8】
【0085】前記のプライマーを用いて重要な可変部
(軽鎖ではVD領域もしくは重鎖ではVDJ領域)を例
2によりPCRで増幅させかつ例3に記載したように相
応する発現基本ベクターpUHWKもしくはpUHWγ
1中にクローン化した。
【0086】次に、抗体3.10−1/5B10をコー
ドする遺伝子の軽鎖及び重鎖の非翻訳領域の部分範囲を
記載する。これらの配列から好適な5′プライマー(プ
ライマー1)を選択することができる(例えば前記の
a)及びc)参照)。
【0087】 軽鎖(カッパ鎖)の非翻訳領域: 5′−GCAGCTGCCAGGAGCCTAGAAGCATCC TCTCATCTATTCTCAGAGATG−3′ 開始コドン 重鎖(γ1鎖)の非翻訳領域: 5′−ACAGTCCCTGAACACACTGACTCTAACCATG− 3′ 開始コドン
【図面の簡単な説明】
【図1】a)はL鎖の可変部をコードするDNAフラグ
メントの構成を示す図であり、 b)はH鎖の可変部をコードするDNAフラグメントの
構成を示す図である。
【図2】L鎖のキメラ抗体遺伝子用の発現基本ベクター
の構成を示す図である。
【図3】H鎖のキメラ抗体遺伝子用の発現基本ベクター
の構成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブリギツテ カルーツア ドイツ連邦共和国 バート ハイルブルン ホツホフエルトアンガー 3

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ハイブリドーマ細胞系から、所望
    の抗体を分泌する染色体DNAを単離し、 (b)この染色体DNAを一本鎖に変換し、かつこの一
    本鎖DNAを、抗体遺伝子の鋳型鎖の5′−非翻訳領域
    からのヌクレオチド少なくとも10個の配列に相補性で
    ある範囲を含有するプライマー(1)及び抗体遺伝子の
    非鋳型鎖のその都度のJ−領域の3′−非翻訳領域から
    のヌクレオチド少なくとも10個の配列に相補性である
    範囲を含有するプライマー(2)の2つのオリゴヌクレ
    オチドプライマーと一緒に恒温保持し、 (c)DNAポリメラーゼ及びデオキシリボヌクレオシ
    ドトリホスフェートを添加してプライマーを延長させ、
    その際にプライマーの間に存在する抗体遺伝子の部分範
    囲で二本鎖DNAフラグメントが形成され、 (d)このように形成された二本鎖DNAを一本鎖に変
    性し、この一本鎖DNAを再度2つのオリゴヌクレオチ
    ドプライマー(1)及び(2)と一緒にし、プライマー
    を延長させて、二本鎖DNAを生成し、かつ (e)工程(d)の方法を場合により数回繰り返すこと
    を特徴とする、抗体遺伝子の可変部をコードするDNA
    フラグメントの単離法。
  2. 【請求項2】 相補性範囲の5′側に更に制限エンドヌ
    クレアーゼ切断部位を含有するプライマー(1)及び
    (2)を使用する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法により単離したD
    NAフラグメントを、抗体遺伝子の軽鎖又は重鎖の不変
    部をコードするDNAフラグメントを含有する基本ベク
    ター中に導入し、その際に作動結合した可変部及び不変
    部より成るキメラ抗体遺伝子が生成することを特徴とす
    るキメラ抗体遺伝子の製法。
  4. 【請求項4】 好適な細胞を請求項3により製造した2
    つのベクターで形質転換し、その際に一方のベクターは
    キメラ抗体の重鎖の遺伝子を含有しかつ他方はこのキメ
    ラ抗体の軽鎖の遺伝子を含有しており、安定なトランス
    フェクション形成体を選択し、かつ活性抗体を常法で取
    得することを特徴とする、キメラ抗体の取得法。
  5. 【請求項5】 ハイブリドーマ系15−1/P3/14
    (ECACC 90090705)により分泌されるキ
    メラ抗体を取得することを特徴とする請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 キメラ抗体の重鎖のベクターとしてpU
    HW CD4−γ1(DSM6155)及びキメラ抗体
    の軽鎖のベクターとしてpUHW CD4−k(DSM
    6156)を使用することを特徴とする請求項5記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 ハイブリドーマ系3.10−1/5B1
    0(ECACC 90090702)により分泌される
    キメラ抗体を取得することを特徴とする請求項4記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項4から7までのいずれか1項によ
    り得られたキメラ抗体並びに場合により公知の助剤、添
    加剤、担持物質及び填料を調製することを特徴とする医
    薬の製法。
JP3270665A 1990-10-18 1991-10-18 抗体遺伝子の可変部をコードするdnaフラグメントの単離法、キメラ抗体遺伝子の製法、キメラ抗体の取得法及び医薬の製法 Pending JPH0584082A (ja)

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DE (2) DE4033120A1 (ja)
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