JPH0583A - 一微生物及びその微生物から得られるプロテアーゼ類 - Google Patents

一微生物及びその微生物から得られるプロテアーゼ類

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JPH0583A
JPH0583A JP3223763A JP22376391A JPH0583A JP H0583 A JPH0583 A JP H0583A JP 3223763 A JP3223763 A JP 3223763A JP 22376391 A JP22376391 A JP 22376391A JP H0583 A JPH0583 A JP H0583A
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callus
micrococcus
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JP3223763A
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Keith T Holland
テイー.ホーランド ケイス
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Scholl PLC
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒトのカルス(皮膚硬結)を可溶ならしめ、
他の蛋白質性物質を減成しうる細胞外のプロテアーゼ類
を提供する。 【構成】 ヒトのカルスを含む蛋白質の減成活性を有す
プロテアーゼの1種以上を含有する、ミクロコッカス
セデンタリウスMicrococcuseden
tarius)培養液から分離された酵素物質とその製
造法である。プロテアーゼ活性を示すミクロコッカス
セデンタリウスの細胞を含まない培養液であり、蛋白質
に加えることよりなる蛋白質の減成法と減成生成物製造
法である。ミクロコッカス セデンタリウスNCIMB
40287である。上記酵素物質あるいは培養液の製
薬上問題のない担体または賦形剤を併用する薬用組成物
であり、それらをヒトのカルスまたは鶏眼物質削除のた
めの薬剤製造用のために使用することである。さらに、
酵素物質あるいは培養液を局所用基剤中に含有する、皮
膚または人体の局所的治療用組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物ミクロコッカス
セダンタリウスMicrococcusedent
arius)、この微生物ミクロコッカス セダンタリ
ウスから得られるプロテアーゼ類及びそれらの用途に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】蛋白質類を消化する酵素類は広く自然界
に分布している。広く各種の微生物中に細胞間並びに細
胞外のプロテアーゼ類が存在している。細胞外のプロテ
アーゼ類は微生物類がその生長のために必要な炭素及び
エネルギーの要求及び/または窒素の要求を満たすべく
蛋白質をその細胞内に送りこむための低分子量ペプチド
類に転換しうるように微生物類によって生産される。細
菌類、菌類及び酵母類は種々のプロテアーゼ類を生産す
ることが知られており、細胞間のもの及び細胞外のもの
いずれもその生化学的特徴並びに性状は例えば「酵素」
ポール・ディー・ボイヤー(Paul D.Boye
r)編、第3巻「加水分解:ペプチド結合」第3版19
71年に記述されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】我々はヒトのカルス
(皮膚硬結)を可溶ならしめ、他の蛋白質性物質を減成
しうる細胞外のプロテアーゼ類をミクロコッカス セダ
ンタリウスから生産し得ることを今や発見するに至っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様によれ
ば、ヒトのカルスを含む蛋白質を減成しうる能力のある
1種類以上のプロテアーゼよりなる酵素物質がミクロコ
ッカス セダンタリウスの培養液から分離され提供され
る。本発明のもう一つの態様によれば下記の特徴を有す
る一酵素物質が提供される。 水溶性、 非透析性(10KDaの遮断分子量を有する膜を通し
て)、 等電点 4.6、 分子量 30.3KDa、 プロテアーゼ活性の最適pH約8.2、及び 最適温度約40℃。 ミクロコッカス セダンタリウスから得られる酵素物質
はヒトのカルスを減成する活性に対する最適pHは約
7.1であり、また最適温度は約40℃であることが判
明した。35℃でこの酵素物質は約5.1〜約10.9
のpH範囲内でプロテアーゼ活性を有し、40℃でヒト
のカルスを減成する活性は約5.9〜約8.0の範囲内
にあることが分かっている。
【0005】本発明の更に他の態様によれば下記の特徴
を有する酵素物質が提供される。 水溶性、 非透析性(10KDaの遮断分子量を有する膜を通し
て)、 等電点 2.7、 分子量 50KDa、 プロテアーゼ活性の最適pH約10.2、及び 最適温度約46℃。 ミクロコッカス セダンタリウスから得られるこの酵素
物質もヒトのカルスを減成するための最適のpHは約
7.5、また最適温度は約50℃であることが判明し
た。35℃でのこの酵素物質は約5.1〜約11.3の
pH範囲内でプロテアーゼ活性を有し、50℃でヒトの
カルスを減成する活性は約4.3乃至約10.0の範囲
内にあることが分かっている。
【0006】本発明の更に他の態様によれば、ミクロコ
ッカス セダンタリウスの培養液から酵素物質を分離す
ることよりなる本発明の酵素物質類の製法が提供され
る。本発明の更に他の態様により、プロテアーゼ活性を
示すミクロコッカスセダンタリウスの細胞を含有しない
培養液が提供される。上記のどの態様においても、下記
のミクロコッカス セダンタリウス(NCIMB N
O.40287)の新規な菌株を採用することが好まし
い。本発明の他の態様によれば、本発明の酵素物質また
は細胞を含有しない培養液をヒトのカルスあるいは鶏眼
に適用することよりなるヒトのカルスあるいは鶏眼を減
成する方法が提供される。
【0007】本発明のまた他の態様によれば、本発明の
酵素物質または細胞を含まない培養液を蛋白質に適用す
ることよりなる蛋白質の減成法が提供される。本発明の
更にまた他の態様によれば、本発明の酵素物質を蛋白質
性物質に適用することよりなる蛋白質性物質からの減成
物製造法が提供される。
【0008】本発明の更に別の態様によれば、ブダペス
ト条約の下に1990年5月24日に受入れ番号NCI
MB40287で国立工業用細菌、海洋細菌収集所に寄
託されたミクロコッカス セダンタリウス株が提供され
る。本発明の蛋白質減成法或いは消化法においては、そ
の処理されるべき物質に純粋な酵素物質、その調合物、
またはミクロコッカス セダンタリウスの細胞を含有し
ない培養液を用いることが好ましい。 好ましい一つの
態様においては、本発明の酵素物質はミクロコッカス
セダンタリウスNCIMB40287株から分離され
る。
【0009】本発明の第2番目及び第3番目の態様の酵
素物質はミクロコッカスセダンタリウスNCIMB40
287株を培養して得られるものとして以下これらをプ
ロテアーゼ1及びプロテアーゼ2と称することにする。
ミクロコッカス セダンタリウスの他の菌株のものも、
生物学的活性に関する限り、プロテアーゼ1及び2と類
似したプロテアーゼを生産するであろう。このようなプ
ロテアーゼ類も本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0010】
【実施例】本発明の種々の好ましい特色並びに態様につ
いて、限定を意図しない次の実施例を挙げ且つ添付の図
面により記述することにする。微生物ミクロコッカス セダンタリウスNCIMB40
287 プロテアーゼ1及び2の製出のために用いられる微生物
は成人の足の皮膚から分離された。特にミクロコッカス
セダンタリウスNCIMB40287株は成人の足の
皮膚から分離され、クルースら(1)及びシュライフェ
ルら(4)に従って同定された。この生物の培養菌は上
述の如く寄託されている。ここに記述され特徴づけられ
ている特定の微性物以外の、他の菌株の微生物が培養さ
れ生成物を生産し得ることは明らかであり、この種のす
べての菌株も本発明の範囲内にあるものとする。下記の
培養基をこの微生物の生育に使用することができる.加
熱した馬の血液寒天、及び液体培養には、1%(w/
v)の細菌学用ペプトン、1%(w/v)の酵母抽出物
及び0.5%(w/v)のNaCl(BPYE)。貯蔵
は40%(v/v)のグリセリン−PBS(燐酸塩緩衝
食塩溶液)中−20℃で行うかまたは凍結乾燥により行
う。ミクロコッカス セダンタリウスNCIMB402
87のコロニイは、加熱した血液寒天上では皺がよって
いて、淡黄色であり、また蛋白質加水分解性である。下
記の特性が見られる。顕微鏡検査 四分子においてグラム陽性球菌不動性 嫌気性状態での生育 − カタラーゼ + オキシダーゼ − 体外色素の生成 +褐色 シモンスのクエン酸塩寒天上の生育 − 無機窒素寒天上の生育 − 7.5%NaCl寒天上の生育 + 硝酸塩の還元 − アセトインの生成 − −ガラクトシダーゼの生成 − ブドー糖からの酸 − グリセリン − マンノース − エスクリンの加水分解 − 37℃での生育 + アギニンの加水分解 + カゼインの加水分解 + メチオニンからメタンチオールの生成 +
【0011】円板法による抗生物質に対する感受性 抗生物質 円板量 ペニシリン 1単位 R エリスロマイシン 10μg S クロラムフェニコール 10μg S カナマシイン 30μg S ストレプトマイシン 10μg S ノヴォビオシン 5μg S テトラサイクリン 10μg S ネオマイシン 30μg S ヴァノマイシン 30μg S メチシリン 10μg R (R:抵抗性、S:感受性)
【0012】ミクロコッカス セダンタリウスの生育及
びプロテアーゼ類の生産 プロテアーゼ1及び2はミクロコッカス セダンタリウ
スを培養することにより生産される。既述の如くミクロ
コッカス セダンタリウスはグリセリン−PBS中に貯
蔵あるいは凍結乾燥して貯蔵することができ、またBP
YEを用いて培養することができる。その際培養液を遠
心分離することにより粗製上澄液を作ることができる。
その上澄液はついで脱塩し濃縮される。下記の限定を意
図しない実施例は更によくプロテアーゼ1及び2の製法
を説明する。
【0013】実施例1 培養 細い紙片上の凍結乾燥細胞が下記の組成をもつ100m
lのBPYE中に接種された。 細菌学用ペプトン(オキソイドL37) 1%(w/v) 酵母抽出物(オキソイドL21) 1%(w/v) NaCl(シグマ) 0.5%(w/v) 培養液は37℃で48時間軌道運動的振盪(160rp
m)を行いつつ培養された。この培養液10mlをBP
YE+0.05%(v/v)ポリプロピレングリコール
1025(BDH)を接種するのに用いた。この培養基
は窒素圧下に0.2μm多孔性の濾器を通し、LHエン
ジニヤリング500系統の連続式培養装置の栄養素貯蔵
器中に入れ18l回分ずつ滅菌された、この装置にはp
H,酵素張力及び温度の監視並びに制御ができるように
なっており、一回の培養液量は670mlであった。培
養液は900rpmで直接駆動により撹拌され、pHは
8.5±0.1,温度は35±0.2℃,空気に関して
酵素張力は74±4%に保たれた。接種の2日後に、装
置は連続式に切り換えられ希釈率は0.25h−1に設
定された。6回の培養液量が用いられた後に、新しい収
穫貯蔵器が連結され、室温下に、7.3lの培養液が収
穫され、NaNが0.05%(w/v)にまで添加さ
れた。
【0014】実施例2粗製上澄液の製造 4℃で10分間、5000gで250mlずつ遠心分離
により培養液から細胞が除去された上澄液は集めて貯留
され、プラスチック製の血液貯蔵袋中にポンプで送り込
み、−30℃で貯蔵された。
【0015】実施例3 プロテアーゼ類の脱塩及び濃縮 上澄液は、ポンプによりその中の液体が流動しているア
ミコンTCF10Aのセル内に4℃で保持されている9
0mmPM10限外濾過膜(遮断分子量10,000,
アミコン)を使用し、脱塩及び濃縮が行われた。限外濾
過は30psi(206,820Pa)の酵素を含まな
い窒素を用い企画された。濾過膜上の液容が220ml
になった時に、220mlの0.05%(w/v)Na
を加えてから再び液容を220mmに減らした。更
に4lの0.05%(w/v)NaNの連続流を用い
て脱塩が行われた。残留分の容積は183mlに減り、
20mlずつその小分け分を作り、それらを−30℃で
貯蔵した。プロテアーゼ1及び2の精製 15mlの残留分からプロテアーゼ類の分離及び精製は
最初はイオン交換により、次には疏水性相互作用によ
り、そして最後には親和力によるカラムクロマトグラフ
ィを用いる。これら各クラマトグラフィの操作から得ら
れるプロテアーゼ含有のフラクションは必要の時まで−
30℃で貯蔵された。下記の限定を意図しない実施例が
更に精製について説明する。
【0016】実施例4 イオン交換クロマトグラフィ 15mlの残留液を3.75mlの50mMトリス−H
Cl,0.25%(w/v)NaN(pH8.0)緩
衝液と混ぜ、DEAE−セファローズ高速流陰イオン交
換カラム(カラム寸法2.2×50cm、ベッド容積3
6ml)を予め開始時使用の緩衝液(10mMトリス−
HCl,0.5%(w/v)NaN,pH8.0)で
平衡させておいたものに4℃で60mlh−1の流速
(線流速15.8cmh−1)で通す。負荷が終了後、
ベッド容積の20倍の前記緩衝液でカラムを洗浄して結
合していない物質を溶離し、12mlずつフラクション
に分けて集めた。これらのフラクションには蛋白質分解
活性が認められなかった。結合した物質は、次に前記緩
衝液中に0〜0.5MNaClを含有し、イオン強度の
増加する線勾配液1.6lを用いて溶離した。フラクシ
ョン(8ml)として集められ、このNaCl勾配溶離
の開始後70乃至440mlの間でプロテアーゼ1が溶
離された。0.03〜0.05NaClに相当する8つ
のフラクション(勾配溶離の開始後112〜176m
l)中にプロテアーゼ1がもっともよく溶離された。こ
れら8つのフラクションの各々の4μlをSDS−PA
GE及び銀染色により分析して、30.3kDaの一重
プロテインバンドが観察された。プロテアーゼ2はNa
Cl勾配溶離の開始後720〜912mlの間で溶離さ
れ、その内0.23〜0.25MNaClに相当する1
3のフラクション(勾配溶離の開始後736〜840m
l)中にプロテアーゼ2の活性がもっともよく溶離され
た。これら13のフラクションの各々の4mlをSDS
−PAGE及び銀染色により分析すると多重ポリペプチ
ドバンドが見られ、50kDaにに主バンドがあった。
残留液中のものに比較してポリペプチドの種別の数が著
しく減少していた。先の13のフラクションの等容ずつ
を集めて(全容92ml)、PM10限外濾過膜(遮断
分子量10,000;アミコン)を用い、4℃で30p
siの酵素を含まない窒素を用いて10.3倍濃縮し、
85%脱塩した。その結果8.8mlの半純プロテアー
ゼ2が得られた。
【0017】実施例5 疏水性相互作用クロマトグラフィ 半純プロテアーゼ2の2mlが、フェニル セファロー
ズCL−4B疏水性相互作用カラム(カラム寸法2×1
5cm,ベッド容積13.7ml)を開始時使用の緩衝
液(10mMトリス−HCl,0.05%(w/v),
NaNpH8.0)中の1.5M(NHSO
と予め平衡させておいたものに4℃で流速12mlh
−1(線流速6cmh−1)で通された。負荷が終了
後、ベッド容積の5倍の前記緩衝液でカラムを洗浄して
結合していない物質を溶離し、4mlずつフラクション
に分けて集めた。これらのフラクションには蛋白質分解
活性が認められなかった。結合した物質は、次に前記緩
衝液中に1.5〜0M(NHSOを含有し、そ
の(NHSO濃度の減少する線勾配液274m
lを用いて溶離され、4mlずつフラクションに分けて
集められた。プロテアーゼ2は、7つのフラクション
(勾配溶離の開始後232〜260ml)中に溶離し、
その内約0.1M(NHSOに相当する勾配溶
離の開始後246〜256mlの間でプロテアーゼ2が
もっともよく溶離した。これら7つのフラクションの各
々の4μlをSDS−PAGE及び銀染色により分析し
て50kDaの主ポリペプチドバンドが観察された。わ
ずかに高分子量である一つの弱いポリペプチドバンドも
また観察された。これら7つのフラクションの各容積
(0.3ml)を集めて、遮断分子量10,000のセ
ントリコン10ミクロ濃縮器(アミコン)を用い82μ
lにまで濃縮した。
【0018】実施例6 親和力クロマトグラフィ 疏水性相互作用クロマトグラフィからの濃縮フラクショ
ン50μlを250μlの5mMトリス−HCl,0.
5%NaN(pH8.0)緩衝液と混ぜ、予め5mM
トリス−HCl、0.05%NaN(pH8.0)の
開始時の緩衝液と平衡させておいたベンザミジン−セフ
ァローズ6B親和力カラム(カラム寸法1×15cm,
ベッド容積5.8ml)に、4℃で流速6mlh
−1(線流速7.5cmh−1)で負荷した。負荷の終
了後、試料を30分間、緩衝液を流すことなしに吸収す
るままに放置し、次いでベッド容積の6.7倍の開始時
緩衝液を用いてカラムを洗浄し、結合していない物質を
溶離した。フラクション(1.5ml)として集められ
た。これらのフラクションには蛋白分解活性が認められ
なかった。結合した物質は次に75mlMトリス−HC
l,0.05%(w/v)NaN(pH8.0)緩衝
液中に0〜0.2MNaClを含有し、イオン強度の増
加する線勾配液の29mlを用いて溶離しフラクション
(1.5ml)として集められた。プロテアーゼ2は約
0.18MNaClに相当する4つのフラクション(勾
配溶離の開始後22.5〜28.5ml)中に溶離し
た。これら4つのフラクションの各々の4μlをSDS
−PAGE及び銀染色で分析した50kDaの分子量を
持った一重ポリペプチドバンドが観察される。プロテア
ーゼ2を含有するこの4つのフラクションは、−30℃
で貯蔵された。
【0019】プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の性質 本発明のプロテアーゼ類の活性を測定するために下記の
方法が用いられた。蛋白質分解活性の検出 蛋白質分解活性は、クロマトグラフィのカラムから溶離
されるフラクション中においてか、あるいはカゼインを
基質として用いる等電集束(IEF)分析用ゲルに加え
られる試料中において測定される。カラムフラクション
中の蛋白質分解活性の検出には下記の操作が用いられ
た。ハムマーステンカゼイン(Hammarsten
casein)を、0.6%(w/v)の濃度で0.1
5M炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH
10.0)中に2分間煮沸して溶かした。このカゼイン
溶液の10mlを同緩衝液中の溶融した(60℃)2%
(w/v)アガロースの等容積に加え、8.4×12.
7cmの微量滴定板面上に注いで固まらせる。このアガ
ロースにくぼみ(直径2.5mm)を作り、その中へ各
試験液の5μlをピペットで計り入れる。板は湿気のあ
る室内に入れ37℃で培養される。一晩培養した後で、
その板に10%(w/v)トリクロロ酢酸(TCA)を
十分に注ぎかけると、ゲル内にカゼインが沈殿すること
により蛋白質分解活性が目視可能となる。蛋白質分解活
性は沈殿したカゼインを白い背景にしてくぼみの回りに
透明域ができていることで分かる。IEFゲル中のプロ
テアーゼ類の検出にはpH10.0の緩衝液を含有する
アガロースカゼインが用いられた。アガロースカゼイン
ゲルはカラムフラクション中の蛋白質分解活性検出のた
めに上述したと同じようにして作られた。IEFゲル中
でのプロテアーゼの位置は負荷された、そして電気集束
されたIEFゲルを注意深くカゼインアガロースゲルの
表面上に置くことにより測定された。37℃で一晩培養
した後、そのIEFゲルの位置を印してからIEFゲル
は取り除かれた。カゼインアガロース板には10%(w
/v)TCAが十分に注がれ、プロテアーゼの位置は一
つの透明帯として観察された。
【0020】定量法 プロテアーゼ活性の定量的測定のために更に付加的な方
法が用いられた。これらの方法は以下定量法と呼ぶこと
にする。定量法−プロテアーゼ1 1mlの酵素溶液と1ml4%(w/v)アゾカゼイン
を150mMトリス−HCl緩衝液(室温下pH8.5
或いは40℃でpH8.1)中に含有する反応混合物が
30分間40℃で培養され、この反応混合物には時間が
0の時に、また別にこれと同様な反応混合物には培養後
に、2mlのトリクロロ酢酸(TCA)(10%,w/
v)が添加された。TCAで沈殿した物質はワットマン
No.1濾紙で濾過して除去し、1.5ml濾液を0.
225mlのNaOH(10M)に加え、その吸光度を
440nmで分光光度法により測定した。酵素を含まな
い場合も含め、また分析は2回繰り返して行った。
【0021】定量法−プロテアーゼ2 プロテアーゼ2は250mM燐酸ナトリウム緩衝液(室
温下pH10.75或いは45℃でpH10.1)を使
用し、また反応混合物が9分間45℃で培養されたこと
以外はプロテアーゼ1について述べたと同じようにして
定量された。これらの定量のための緩衝液のpHはいず
れも室温下で調整された。次に述べる定量法を用いたプ
ロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の最適pH並びに活性
範囲の測定は別にして、上に述べた定量法は次いでプロ
テアーゼ1及びプロテアーゼ2の活性測定に用いられ
た。表1中「フラクション」として示されている酵素含
有溶液のそれぞれの容量のものが定量法によりプロテア
ーゼ活性が測定され、プロテインに対してはその製造業
者の指定に従い、BCAプロテイン試薬(ピヤース・ケ
ミカル・カンパニー,チェスター,英国)が用いられ
た。プロテアーゼ2の定量体(プロテアーゼ活性)は、
プロテアーゼ1について述べた定量法を用いた「イオン
交換P1」を除き、すべてのフラクションを測定するた
るめに用いられた。結果は、表1に示されている。プロ
テアーゼ1は粗製培養液上澄液の7.3lから精製さ
れ、精製係数は2.2−倍、収率は0.3%であった。
プロテアーゼ2は粗製上澄液から精製係数28.9−
倍、収率38.5%で精製された。表1中、精製係数は
粗製上澄液からの全プロテアーゼ活性に関して示されて
いる。
【0022】カルス減成活性 足のカルスの懸濁液を次の如くして作り、これを微細に
磨砕したカルスと呼ぶことにする。足のカルスをガラス
ペトリ皿中でメスにより細断し、液体窒素中で乳鉢と乳
棒を用い磨砕し、金網(1mm網目)を通して篩い、グ
リッフイン ホモジナイザー(TKW−300−050
N,ガレンカンプ)を用いて水中に均一に分散させ、1
5分間5000gで遠心分離する。これから得られる小
粒塊を凍結乾燥し、乳鉢と乳棒を用いて磨砕し、得られ
る微細に磨砕したカルスを−30℃で貯蔵する。カルス
減成活性はこの足のカルスを基質として用い、液状試料
中において、またはIEF分析用ゲルに加えた試料中に
おいて測定された。カルス−アガロースは次の如くして
作られた。700nmにおける光学密度が0.6〜0.
7である微細に磨砕されたカルスの懸濁液が0.2M燐
酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中に作られ、この懸
濁液10mlを60℃に加熱、同じ緩衝液中の溶融した
(60℃)2%(w/v)アガロースの等容積に加え、
8.4×12.7cmの微量滴定板面上に注いで固まら
せる。このアガロースにくぼみ(直径2.5mm)をつ
くり、その中へ各試験液の5μlをピペットで計り入れ
る。これらの板は蛋白質分解活性の場合と同じように培
養される。培養が終了後、カルス減成活性は透明域によ
り示されるが、背景を暗くした明るい箱を用いると最も
よく観察できる。IEFゲル上にカルス減成を生ぜしめ
た蛋白質の位置はカゼインアガロースがカルスアガロー
スに置き換えられたことと、板にTCAが注ぎかけられ
なかったこと以外は、蛋白質分解活性の場合と同じよう
にして測定された。
【0023】定量法 カルス減成活性の定量のためにも、付加的な方法がやは
り用いられた。これは次の如くにして行われた(その細
部の詳細については後記本文中適所に述べられてい
る)。700nmにおける光学密度が0.6〜0.7の
微細に磨砕されたカルス(上記)の懸濁液が0.02%
(w/v)アジ化ナトリウムを含有する緩衝液中に作ら
れた。1mlの酵素溶液が分光光度計キュベット内で2
mlの予熱されたカルス懸濁液(必要とされる温度下)
に加えられた。攪拌しつつ必要とされる温度下このOD
700を直ちに記録し、また1時間培養後にも記録す
る。カルス減成活性の1単位(U)をOD700が1時
間につき0.001減少を起こすものと定義する。その
方法は、K.T.ホランドら(6)の論文中にも開示さ
れている。
【0024】プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の等電
点(pI) プロテアーゼ1及び2の等電点(pI)は次の如くにし
て測定される。ポリアクリルアミドIEFゲルがウイン
ターら(5)の方法に従って作られたが、ただしここで
は脱気されたゲル溶液にそれが型に注入される前に10
μlのN−N−N−Nテトラメチルエチレンジアミンが
添加されたこととキャリヤー両性電解質混合物が2.7
6mlのファーマライト2.5〜5.0と0.24ml
のアンフォリン5.0〜8.0を含有していたことが異
なっている。ファーマライト及びアンフォリンはファー
マシャ社から市販されている。電極溶液は0.1M燐酸
(陽極)及び0.1M水酸化ナトリウム(陰極)であっ
た。試料(20μl)は紙製の用具を用いて添加し、ゲ
ルは3時間9W一定で操作された。ゲルには3組の試料
が負荷された。電気泳動の終了後、ゲルを3つの等しい
区分に切断し、その各区分が試料の一組分をすっかり含
有できるようにした。その一区分は蛋白質分解活性検出
のためのカゼインアガロースゲル上に載せ、もう一つの
区分はカルス減成活性検出のためのカルスアガロースゲ
ル上に載せ、後の残りの区分はウインターら(5)に記
載されているように、プロテイン検出のために固定し染
色した。各プロテアーゼの位置はカゼインアガロース上
の透明域の中心と陽極の位置との間の距離を測ることに
より測定された。各プロテアーゼのpIはその際ゲルp
H(表面pH電極を用いて測った)対陽極からの距離の
校正曲線を用いて求められた。プロテアーゼ1のpIは
4.6であり、プロテアーゼ2のpIは2.7であっ
た。プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2はともに蛋白質
分解性であり、またカルスを減成した。
【0025】プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の分子
プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の分子量は次の如く
にして決定される。プロテアーゼ1及び2の変性し低減
したポリペプチド分子量がレンムリ(2)の方法に従っ
てSDS−PAGEにより測定された。試料(10μ
l)を2分間6%(w/v)SDS及び10%(v/
v)メルカプトエタノールを含有する10μl試料緩衝
液とともに煮沸した。その煮沸した試料8μlをLKB
ミジェット電気泳動装置内で12%(w/v)ポリアク
リルアミドゲル(0.075×5.5×8cm)上に負
荷した。そのゲルは製造業者の指定に従い、ゲルコード
(ピヤース社)で固定し銀染色された。各プロテアーゼ
の分子量はポリペプチドの位置対既知の標準ポリペプチ
ド分子量の校正曲線を用いて決定された。プロテアーゼ
1及び2のこのようにして得られた分子量はそれぞれ3
0.3と50.0kDaであった。
【0026】プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の最適
pH及び活性範囲 プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2の最適pH及び活性
範囲は次の如く、また添付図面を参照して得られる。但
し、添付図面中図1はプロテアーゼ1の活性に対するp
Hの影響を示し、また図2はプロテアーゼ2の活性に対
するpHの影響を示す。プロテアーゼ1及びプロテアー
ゼ2の未知の割合の混合物であるミクロコッカス セダ
ンタリウス培養液からの上澄液を用いる予備実験が行わ
れ、それによって0.15M炭酸ナトリウム/炭酸水素
ナトリウム緩衝液中ではpH10.0で最大の蛋白質分
解活性が得られることが分かった。精製されたプロテア
ーゼ1及び2はミレット(3)に記載されたプロテアー
ゼ定量法を用い、pH値が5.1〜11.4での0.1
5M緩衝液範囲内で試験された。緩衝液中に1mlの酵
素溶液と4mlの2%(w/v)アゾカゼインを含有す
る反応混合物が2時間,35℃で培養された。各反応混
合物のpHは35℃で2時間培養後に測定された。時間
0と2時間培養後とに、2mlの反応混合物が2mlの
TCA(10%,w/v)に加えられた。ワットマンN
o.1濾紙を通して濾過後、蛋白質分解活性により放出
されたTCAに可溶性のアゾ−ペプチド類の濃度を44
0nmで分光光度法により測定した。酵素の含まれない
場合についても行われた。酵素活性の1単位は440n
mでの吸光度を35℃で1時間に0.001増加せしめ
るような量であると定義した。もっと一般的には、酵素
活性の一単位は440nmでの吸光度を一時間(その測
定時の温度の下)に0.001増加せしめるような量で
あると定義される。これらの結果は図1及び2に示され
ている。プロテアーゼ1及び2はそれぞれ5.1〜1
0.9及び5.1〜11.3の範囲で検出された。最大
活性は、プロテアーゼ1は0.15Mトリス−HCl緩
衝液中pH8.2、またプロテアーゼ2は0.25M燐
酸塩緩衝液中pH10.2で検出された。
【0027】プロテアーゼ活性−最適温度 プロテアーゼ1及び2を定量するための最適温度が測定
された。定量分析方法がプロテアーゼ活性を測定するた
めに、下記の如く改変して用いられた。プロテアーゼ1
はpHを次のようにとって250mM燐酸ナトリウム緩
衝液中で行われた。pH 温度 8.5 室温 8.2 35℃ 8.1 40℃ 1.36プロテアーゼ単位が27分間種々の温度下に測
定系内で培養された。プロテアーゼ1の活性は20〜6
0℃に検出され、40℃が最適温度であった。プロテア
ーゼ2は次の如くpHをとり、150mMトリス−HC
l中で行われた。pH 温度 10.75 室温 10.2 35℃ 9.9 46℃ 4.1プロテアーゼ単位が9分間種々の温度下に測定系
内で培養された。プロテアーゼ2の活性は20〜50℃
に検出され、46℃が最適温度であった。これらの結果
は図3に示されている。
【0028】カルス減成活性−最適温度 予備実験によりプロアーゼ1および2は約7.6のpH
で最高のカルス減成活性をもっていることが分かった。
それゆえ、プロテアーゼ1およびプロテアーゼ2のカル
ス減成活性を測定するための最適温度は定量分析法を用
いpH7.6で測定された。プロテアーゼ1 (3プロテアーゼ単位)が種々の温度下
に150mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中で
培養された。カルス減成活性は20〜65℃に検出さ
れ、40℃が最適であった。図4にその結果を示す。プロテアーゼ2 (3プロテアーゼ単位)が種々の温度下
に150mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.6)中で
培養された。カルス減成活性は20〜80℃に検出され
50℃が最適であった。図5にその結果を示す。
【0029】カルス減成活性−最適pH プロテアーゼ1および2の活性に対する最適pHはそれ
らの最適温度の下で測定された。図6および7に示した
如く150mM緩衝液を用い定量分析法が用いられた。プロテアーゼ1 (4.5プロテアーゼ単位)が40℃で
測定された。カルス減成活性はトリス−HCl緩衝液中
でpH5.9〜8.0に検出され、pH7.1が最適で
あった。図6にその結果を示す。プロテアーゼ2 (59プロテアーゼ単位)が50℃で測
定された。カルス減成活性はpH4.3〜10.0に検
出され、pH4.9と7.5の2ケ所に活性のピークが
あった。最適活性は100mMNaClを含有するトリ
ス−HCl緩衝液中pH7.5で認められた。図7にそ
の結果を示す。 カルス減成活性のためのpH測定はすべてその活性測定
の温度の下で行われた。
【0030】プロテアーゼ 1および2のその他の特性 プロテアーゼ活性に対するシステインの影響 プロテアーゼ1 が150mMトリス−HCl緩衝液(p
H8.5)中に100mMシステインの存在及び不存在
の場合1.2プロテアーゼUml1−1の濃度において
1時間、4℃で培養された。100mMシステインとと
もに培養後のプロテアーゼ1の活性はシステイン不在の
場合の106%であった。プロテアーゼ2 が250mM燐酸ナトリウム緩衝液(p
H10.75)中に100mMシステインの存在および
不存在の場合3.0プロテアーゼUml−1の濃度にお
いて一時間、4℃で培養された。100mMシステイン
とともに培養後のプロテアーゼ2の活性はシステイン不
在の場合の105%であった。
【0031】プロテアーゼ活性に対するEDTAの影響 プロテアーゼ1 が150mMトリス−HCl緩衝液(p
H8.5)中に10mMEDTAの存在および不存在場
合0.75プロテアーゼUml−1の濃度において1時
間、4℃で培養された。10mMEDTAとともに培養
後のプロテアーゼ1の活性はEDTA不存在の場合の3
4%であった。プロテアーゼ2 が250mM燐酸ナトリウム緩衝液(p
H10.75)中に10mMEDTAの存在および不存
在の場合3.0プロテアーゼUml−1の濃度において
1時間、4℃で培養された。10mMEDTAとともに
培養後のプロテアーゼ2の活性はEDTA不存在の場合
の17%であった。
【0032】プロテアーゼ活性に対するPMSFの影響 プロテアーゼ1が150mMトリス−HCl緩衝液(p
H8.5)中に5mMPMSF(弗化フェニルメチルス
ルフォニル)の存在および不存在の場合1.2プロテア
ーゼUml−1の濃度において1時間、4℃で培養され
た。5mMPMSFの存在の下に培養後のプロテアーゼ
1の活性はPMSF不存在の場合の0%であった。プロ
テアーゼ2が250mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH1
0.75)中に5mMPMSFの存在および不存在の場
合に3.1プロテアーゼUml−1の濃度において1時
間、4℃で培養された。5mMPMSFの存在の下に培
養後のプロテアーゼ2の活性はPMSF不存在の場合の
58%であった。
【0033】CaCl不存在の下でのプロテアーゼ1
および2の活性と安定性活性 0および10mMのCaClを含有する150mMト
リス−HCl緩衝液(pH8.5)の中に1.2プロテ
アーゼUml−1の濃度においてプロテアーゼ1が培養
された。プロテアーゼ1の活性に対するCaClの影
響がCaClの添加直後(t=0)にプロテアーゼ活
性を測定することにより測定された。CaCl存在の
場合のプロテアーゼ1の活性はCaCl不存在の場合
の129%であった。安定性 プロテアーゼ1の安定性に対するCaClの影響を調
べるためにプロテアーゼ活性が10mMCaClとと
もに37℃で1時間培養後測定された。CaClの存
在下培養後のプロテアーゼ1の活性はt=0の場合の1
14%であった。しかしCaCl不存在の場合の培養
の後ではその活性はt=0の場合の19%であった。そ
れゆえ10mMのCaClは37℃においてプロテア
ーゼ1の活性および安定性を増加した。
【0034】プロテアーゼ2 プロテアーゼ2の安定性は増大しているので10mMC
aClにより安定化されるのか否かを明らかにするた
めには酵素を60℃で培養することが必要であった。プ
ロテアーゼ2が種々のpH値の下で、CaClは0お
よび10mMを含有し、時間は4時間までとして緩衝液
中63プロテアーゼUml−1の濃度で培養された。緩
衝液は下記の如くであり、またpHは室温で測定され
た。pH 緩衝液(30mM) 5 酢酸ナトリウム 6 MES 7〜9 トリス−HCl プロテアーゼ活性は10mMCaClの添加直後およ
びその後の種々の時間に測定された。これらの結果は図
8に示されている。1mMのCaClの存在はt=0
でpH6または7の場合プロテアーゼ2の活性を昂進し
なかった。しかしt=0でpH5および8で活性は1m
MCaClにより昂進され、pH9では僅かながら抑
制された。CaCl不存在の場合にはpH8でプロテ
アーゼ2の安定性は最大(t=0の場合の28%)であ
った。CaCl存在の場合にはすべてのテストされた
pH値(5〜9)で安定であり、pH6〜9の間で活性
が明らかに増大した。
【0035】種々の温度におけるプロテアーゼ1および
2の安定性 プロテアーゼ1および2を種々のpHで30mM緩衝液
中で培養し、時間に間隔をおいてプロテアーゼ活性が測
定された。緩衝液は下記の如くであり温度は室温であ
る。pH 緩衝液 5.0 酢酸ナトリウム 5.9 MES 6.9〜8.7 トリス−HCl 9.8 炭酸塩−重炭酸塩 10.7 燐酸ナトリウム 緩衝液はすべて0.05%(w/v)のアジ化ナトリウ
ムを含有した。貯蔵緩衝液中プロテアーゼ1は1.0プ
ロテアーゼUml−1、またプロテアーゼ2は15.8
プロテアーゼUml−1の濃度で培養された。プロテアーゼ1 図9にその結果を示す。プロテアーゼ
1の活性はpHにより著しく左右された。pH5および
6では14日後に原活性のほぼ80%が残留した。pH
が高くなると安定性が減少し、pH10.7で14日後
には原活性の5%が残留した。プロテアーゼ2 図10にその結果を示す。プロテアー
ゼ2はプロテアーゼ1よりも安定である。この酵素は1
5週間後に、pH7以下および9以下で不安定であっ
た。pH7では15週間後にも活性が全然失われなかっ
た。常温 プロテアーゼ1 図11にその結果を示す。プロテアー
ゼ1はpH6の場合以外あまり安定ではなく、pH6の
場合には8日後原活性の4%が残留した。プロテアーゼ2 図12にその結果を示す。プロテアー
ゼ2はプロテアーゼ1よりも安定であり、pH6ないし
10の間で最大の安定性が認められ、7日後原活性の5
0%が残留した。
【0036】プロテアーゼ1およびプロテアーゼ2のカ
ルス減成活性に対するNaClの影響 カルス減成定量法を用いてプロテアーゼ1および2が定
量された。プロテアーゼ1 (4.5プロテアーゼ単位)が種々の濃
度のNaCl(0〜1.6M)を含有する150mMト
リス−HCl(pH7.1)中で40℃培養された。図
13にその結果を示す。最高のカルス減成活性が100
mM濃度のNaClの場合に認められ、それはNaCl
不存在の場合の活性の1.7倍であった。プロテアーゼ2 (88.2プロテアーゼ単位)が種々の
濃度のNaCl(0〜1.6M)含有する150mMト
リス−HCl(pH7.5)中で50℃で培養された。
図13にその結果を示す。最高のカルス減成活性が1.
6M濃度のNaClの場合に認められ、それはNaCl
不在の場合の活性の4.5倍であった。それゆえプロテ
アーゼ2のカルス減成活性はプロテアーゼ1のそれより
もNaClあるいはイオン強度によりずっと著しく左右
されることになる。
【0037】プロテアーゼ1および2のカルス減成活性
に対するイオン強度の影響 イオン強度そしてまたはイオン種がカルス減成活性を昂
進させうるものかどうかを明らかにするために種々の化
合物の影響を調べた。LiCl、NaCl、KCl、C
sCl(イオン強度0.1M),NaSO,MgC
,CaCl(イオン強度0.3M)を含有する緩
衝液および全然添加塩のない緩衝液を用いてカルス減成
の定量分析が行われた。10mMEDTAの存在の下で
も、EDTAはカルス気質中にある2価のイオンとキレ
ート化合物をつくるので調べてみた。プロテアーゼ1 (3プロテアーゼ単位)が必要とする化
合物を含有する150mMトリス−HCl(pH7.
1)中で40℃で培養された。図14にその結果を示
す。一価イオン類(イオン強度0.1mM)の添加はカ
ルス減成活性に対してほとんど無影響であった。0.3
Mのイオン強度では活性が増大し、しかもこれは特定の
イオン種に依存するものではなかった。カルス減成活性
は10mMEDTAが存在すると減少したからこのこと
は基質中にある少量の2価イオンがプロテアーゼ1の活
性を増大していたことを示す。プロテアーゼ2 (88.2プロテアーゼ単位)が必要と
する化合物を含有する150mMトリス−HCl(pH
7.5)中で50℃で培養された。図15にその結果を
示す。一価イオン類(イオン強度0.1M)の添加はカ
ルス減成活性を著しくし増大し、NaSO(イオン強
度0.3M)では活性がさらに増大した。MgCl
よびCaCl(イオン強度0.3M)の存在ではさら
に強力な活性が認められた。10mMEDTAの存在で
は活性が全然認められなかった。それゆえプロテアーゼ
2はその環境のイオン強度により、また二価のイオン類
により、プロテアーゼ1よりもずっと著しく影響をうけ
ることになる。
【0038】プロテアーゼ1および2のカルス減成活性
に対するMgClの影響 プロテアーゼ1および2のカルス減成活性が定量法を用
いて測定された。プロテアーゼ1 (4.5プロテアーゼ単位)が種々の濃
度のMgCl(0〜35mM)を含有する150mM
トリス−HCl(pH7.1)中で40℃で培養され
た。プロテアーゼ1は又45mMNaClを含有する緩
衝液中でも定量された。図16にこれらの結果を示す。
MgClを含有しない対照に比べて5mMのMgCl
の存在でカルス減成活性が僅かに増大した。45mM
NaClが存在する場合の活性は15mMMgCl
存在の場合(図示されていない)の活性と同量であっ
た。プロテアーゼ2 (31.5プロテアーゼ単位)が種々の
濃度のMgCl(0〜100mM)を含有する150
mMトリス−HCl(pH7.5)中で50℃で培養さ
れた。プロテアーゼ2は又60mMNaClを含有する
緩衝液中でも定量された。図17にこれらの結果を示
す。プロテアーゼ2のカルス減成活性はMgClの濃
度増加ととも増大した。MgCl存在下の活性はこれ
と量価のイオン強度のNaCl存在下の活性の4.7倍
であった。プロテアーゼ2のカルス減成活性はプロテア
ーゼ1のそれと対比して高イオン強度およびMgCl
により著しく増強される。
【0039】ケラチナーゼ活性の立証 微細に磨砕されたカルスからケラチンの抽出 微細に磨砕されたカルス(0.4g)を50mMトリス
−HCl(pH7.2)、6M尿素および2%(v/
v)β−メルカプトエタノールよりなる25mlの抽出
用緩衝液に加えた。その懸濁液をウルトラ−トウラック
スホモジナイザー(TP18/10、ヤンケ・アンド・
クンケル社)を使用し、20時間、4℃で攪拌するその
前後に、2分間フルスピードで均一分散させた。この懸
濁液を4℃で30分間、50,000gで遠心分離し、
えられた上澄液を24時間にわたって4lのCASC緩
衝液(0.1Mクエン酸でpHを2.65に調節した
0.1Mクエン酸ナトリウム)に対して三回透析した。
透析された液体を前と同じく遠心分離し、ケラチンを含
有するその上澄液を別のの遠心分離管に移し、1MNa
OHでpHを4.0に調節した。このようにして得た懸
濁液を2分間、4,000gで遠心分離した。このケラ
チン含有水粒塊を1mlのCASL緩衝液中にもう一度
懸濁し、pHを1MNaOHで4.0に調節した。この
懸濁液を遠心分離した(4,000g、2分間)。その
少粒塊を1mlのCASC緩衝液中に懸濁した。(pH
を4.0に調節して懸濁液を遠心分離した(4,000
g、2分間)。その小粒塊を1mlのCASC緩衝液中
に再び懸濁し、それをいくつかの部分に分けたケラチン
溶液として−20℃で貯蔵した。ケラチンの濃度は乾燥
重量の測定によりほぼ7mgml−1であった。
【0040】プロテアーゼ1と2および粗製アミコン残
留液によるケラチン減成 NaOH(25μl、0.5M)と50μlトリス−H
Cl(0.3M、pH8.0)を50μlのケラチン溶
液に加え、そのpHを8に調節した。この調節したケラ
チン溶液とともに1.5時間、40℃で25μlの濃縮
粗製アミコン残留液(前記方法で得られたような)また
はプロテアーゼ1(2.4プロテアーゼ単位)が培養さ
れた。プロテアーゼ2(3.0プロテアーゼ単位)が1
00mMトリス−HCl(pH8.0)中でNからN/
1024(倍増し希釈)に希釈された。各希釈液の25
μlが10分間、48℃で調節されたケラチン溶液とと
もに培養された。培養の末期において2倍強度のSDS
−PAGE負荷の緩衝液(150μl)が各反応混合液
に加えられた。これらの試料は2分間煮沸され、各試料
の2μlがSDS−PAGEゲルに加えられた。これら
の結果は図18aおよび18bに示されている。高分子
質量のケラチンポリペプチド(45〜66kDa)がプ
ロテアーゼ1およびプロテアーゼ2により、また粗製ア
ミコン残留液中の酵素により減成されたことは、これら
の酵素と共に培養された後に分子質量の小さな減成生成
物(>36kDa)が存在していることより示されてい
る。このことはプロテアーゼ1もプロテアーゼ2も共に
ケラチナーゼ活性をもつということである。
【0041】他の基質に対する活性の立証 幼鶏の羽毛 幼鶏の綿羽を蒸留水で3回洗浄した。粗製アミコン残留
液を凍結乾燥し、これを100,000プロテア−ゼU
ml−1の濃度で0.05%(w/v)のアジ化ナトリ
ウムを含有する150mM燐酸ナトリウム緩衝液中に入
れ、元の液状に戻した。200μlのこの液を50℃で
そのままの綿羽とともに培養した。18時間後にはこの
綿羽の羽枝が全部羽軸から離脱した。コラゲナーゼ活性 アガロース(0.3g)を50mlのトリス−HCl緩
衝液(pH7.5、150mM)中に溶解し、50℃に
冷却した。3.5%(w/v)のコラーゲンを含有する
アガロースの1mlずつを1.5 × 1.5cmの型
の中へ注入して固まらせた。粗製アミコン残留液(上に
得られたような)を凍結乾燥し、これを150mlトス
−HCl(pH7.5)中に入れて元の液状に戻し、そ
の10μl(514プロテアーゼ単位)をコラーゲンゲ
ルの表面に加えた。150mMトリス−Hc1(pH
7.5)を含有する対照試料をもう一つ別のゲルに加え
た。これらのゲルは37℃で培養された。本発明のプロ
テアーゼ含有およびそれらの製薬上問題のない調合物
は、天然蛋白質性物質を減成するための薬剤として、特
に医療の目的に使用することができる。本発明のプロテ
アーゼ含有組成物およびそれらの製薬上問題のない調合
物は、既述の如く皮膚から得られたヒトのカルスを試験
管内で減成しうる能力を持っており、生体でのたとえば
足にできる鶏眼やカルスを治療する減成剤として使用す
ることができる。本発明の組成物は好ましくは溶液、ク
リーム、軟膏、軟膏棒、ゲル、粉末または粘着性膏薬の
ような局所塗布用の製剤の形になっている。このような
局所用組成物は坑生物質または殺菌剤、ならびにこのよ
うな組成物に対する従来慣用の添加物のような他の活性
成分を含有していてもよい。本発明のプロテアーゼ類お
よびそれらの調合物はまた、蛋白質性物質を減成または
消化すること、蛋白質性原料物質を変性すること、ある
いは有益な蛋白質減成生成物を製造することが望まれる
ような他の応用の場合にも使用することができる。この
ような応用例としてはコンタクトレンズをも含め蛋白質
性材質の表面の清浄化;織物類などの清浄化;食品加
工;および獣皮類の脱毛がある。
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性検出のための定性および定量的試験法”レターズイン
アプライド ミクロバイオロジィ11,224〜22
7。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロテアーゼ1のプロテアーゼ活性に対すHの
影響を示す。
【図2】プロテアーゼ2のプロテアーゼ活性に対すHの
影響を示す。
【図3】プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2に対する温
度最適条件曲線を示す。
【図4】プロテアーゼ1のカルス減成に対する温度の影
示す。
【図5】プロテアーゼ2のカルス減成に対する温度の影
示す。
【図6】プロテアーゼ1のカルス減成に対するpHの影
示す。
【図7】プロテアーゼ2のカルス減成に対するpHの影
示す。
【図8】プロテアーゼ2の安定性に対する塩化カルシウ
ムの影響を示す。
【図9】プロテアーゼ1の4℃におけるpH安定性を示
【図10】プロテアーゼ2の4℃におけるpH安定性を
【図11】プロテアーゼ1の常温におけるpH安定性を
【図12】プロテアーゼ2の常温におけるpH安定性を
【図13】プロテアーゼ1及びプロテアーゼ2のカルス
減成活性に対するNaClの影示す。
【図14】プロテアーゼ1のカルス減成活性に対するイ
オ度及びイオン種の影響を示す。
【図15】プロテアーゼ2のカルス減成活性に対するイ
オ度及びイオン種の影響を示す。
【図16】プロテアーゼ1のカルス減成活性に対するM
の影響を示す。
【図17】プロテアーゼ2のカルス減成活性に対するM
の影響を示す。
【図18a】プロテアーゼ1及び粗製アミコン残留液に
よるケラチンの減成を示す。
【図18b】プロテアーゼ2の倍増し希釈によるケラチ
ンの減成を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【実施例】本発明の種々の好ましい特色並びに態様につ
いて、限定を意図しない次の実施例を挙げ且つ添付の図
面により記述することにする。微生物ミクロコッカス セダンタリウスNCIMB40
287 プロテアーゼ1及び2の製出のために用いられる微生
物は成人の足の皮膚から分離された。特にミクロコッカ
ス セダンタリウスNCIMB40287株は成人の足
の皮膚から分離され、クルースら(1)及びシュライフ
ェルら(4)に従って同定された。この生物の培養菌は
上述の如く寄託されている。ここに記述され特徴づけら
れている特定の微性物以外の、他の菌株の微生物が培養
され生成物を生産し得ることは明らかであり、この種の
すべての菌株も本発明の範囲内にあるものとする。下記
の培養基をこの微生物の生育に使用することができる。
加熱した馬の血液寒天、及び液体培養には、1%(w/
v)の細菌学用ペプトン、1%(w/v)の酵母抽出物
及び0.5%(w/v)のNaCl(BPYE)。貯蔵
は40%(v/v)のグリセリン−PBS(燐酸塩緩衝
食塩溶液)中−20℃で行うかまたは凍結乾燥により行
う。ミクロコッカス セダンタリウスNCIMB402
87のコロニイは、加熱した血液寒天上では皺がよって
いて、淡黄色であり、また蛋白質加水分解性である。下
記の特性が見られる。顕微鏡検査 四分子においてグラム陽性球菌不動性 嫌気性状態での生育 − カタラーゼ + オキシダーゼ − 体外色素の生成 +褐色 シモンスのクエン酸塩寒天上の生育 − 無機窒素寒天上の生育 − 7.5%NaCl寒天上の生育 + 硝酸塩の還元 − アセトインの生成 −β −ガラクトシダーゼの生成 − ブドー糖からの酸 −ブドー糖からの グリセリン −ブドー糖からの マンノース − エスクリンの加水分解 − 37℃での生育 +アルギニン の加水分解 + カゼインの加水分解 + メチオニンからメタンチオールの生成 +
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】プロテアーゼ1と2および粗製アミコン残
留液によるケラチン減成 NaOH(25μl、0.5M)と50μlトリスー
HCl(0.3M、pH8.0)を50μlのケラチン
溶液に加え、そのpHを8に調節した。この調節したケ
ラチン溶液とともに1.5時間、40℃で25μlの濃
縮粗製アミコン残留液(前記方法で得られたような)ま
たはプロテアーゼ1(2.4プロテアーゼ単位)が培養
された。プロテアーゼ2(3.0プロテアーゼ単位)が
100mMトリスーHCl(pH8.0)中でNからN
/1024(倍増し希釈)に希釈された。各希釈液の2
5μlが10分間、48℃で調節されたケラチン溶液と
ともに培養された。培養の末期において2倍強度のSD
S−PAGE負荷の緩衝液(150μl)が各反応混合
液に加えられた。これらの試料は2分間煮沸され、各試
料の2μlがSDS−PAGEゲルに加えられた。これ
らの結果は図18aおよび18bに示されている。高分
子質量のケラチンポリペプチド(45〜66kDa)が
プロテアーゼ1およびプロテアーゼ2により、また粗製
アミコン残留液中の酵素により減成されたことは、これ
らの酵素と共に培養された後に分子質量の小さな減成生
成物(36kDa)が存在していることより示されて
いる。このことはプロテアーゼ1もプロテアーゼ2も共
にケラチナーゼ活性をもつということである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 9/52 C12R 1:265) (C12N 1/20 C12R 1:265) (C12N 5/08 C12R 1:91)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトのカルスを含む蛋白質の減成活性を
    有すプロテアーゼの1種以上を含有する、ミクロコッカ
    ス セデンタリウスMicrococcused
    entarius)培養液から分離された酵素物質。
  2. 【請求項2】 下記の特性を有する酵素物質: 水溶性、 非透析性(遮断分子量10kDaの膜を通して) 等電点 4.6、 分子量 30.3kDa、 プロテアーゼ活性の最適pH約8.2、及び 最適温度約40℃。
  3. 【請求項3】 ミクロコッカス セデンタリウスからえ
    られる請求項2の酵素物質。
  4. 【請求項4】 ヒトのカルス減成活性を有し、その活性
    の最適pHが約7.1また最適温度が約40℃である請
    求項2の酵素物質。
  5. 【請求項5】 下記の特性を有する酵素物質: 水溶性、 非透析性(遮断分子量10kDaの膜を通して) 等電点 2〜7、 分子量 50kDa、 プロテアーゼ活性の最適pH約10.2、及び 最適温度約46℃。
  6. 【請求項6】 ミクロコッカス セデンタリウスからえ
    られる請求項5の酵素物質。
  7. 【請求項7】 ヒトのカルス減成活性を有し、その活性
    の最適pHが約7.5また最適温度が50℃である請求
    項5の酵素物質。
  8. 【請求項8】 (酵素物質)がほぼ純粋な形状にある
    か、あるいはミクロコッカス セデンタリウスの細胞を
    含まない培養液の形状にある請求項2ないし7の内の何
    れかの酵素物質。
  9. 【請求項9】 その原料源がミクロコッカス セデンタ
    リウスNCIBM40287である前記の請求項の何れ
    もの酵素物質。
  10. 【請求項10】 ミクロコッカス セデンタリウスの培
    養液から分離することよりなる前記の請求項の何れかの
    酵素物質の製造法。
  11. 【請求項11】 ミクロコッカス セデンタリウスの培
    養液がミクロコッカス セデンタリウスNCIMB 4
    0287の培養液である請求項5の製造法。
  12. 【請求項12】 プロテアーゼ活性を示すミクロコッカ
    ス セデンタリウスの細胞を含まない培養液。
  13. 【請求項13】 ミクロコッカス セデンタリウスNC
    IMB 40287から得られる請求項12の細胞を含
    まない培養液。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    を蛋白質に加えることよりなる蛋白質の減成法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    をヒトのカルスに用いることよりなるヒトのカルスの減
    成法。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    をヒトの鶏眼に用いることよりなるヒトの鶏眼の減成
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    を蛋白質性物質に加えることよりなる蛋白質性物質から
    の減成生成物製造法。
  18. 【請求項18】 ミクロコッカス セデンタリウスNC
    IMB 40287°
  19. 【請求項19】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    の製薬上問題のない担体または賦形剤を併用することよ
    りなる薬用組成物。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    をヒトのカルスまたは鶏眼物質削除のための薬剤製造用
    のための使用。
  21. 【請求項21】 請求項1ないし9の何れかの酵素物質
    あるいは請求項12または13の細胞を含まない培養液
    を局所用基剤中に含有する、皮膚または人体の局所的治
    療用組成物。
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