JPH0583747B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はデイーゼルエンジンのシリンダ内に燃
料を噴射するために用いられる型式のユニツト燃
料噴射装置に関し、特にソレノイド制御され圧力
平衡される弁を有する電磁ユニツト燃料噴射装置
に関する。

従来技術の説明 いわゆる「ジヤーク型」のユニツト燃料噴射装
置はデイーゼルエンジンの関連シリンダ内に液体
燃料を圧力噴射するのに普通用いられる。周知の
ごとく、かかるユニツト噴射装置は、例えばエン
ジン駆動されるカムにより作動されることにより
ユニツト噴射装置内に組込まれた燃料噴射ノズル
内の圧力作動される噴射弁の脱座を行なわせるよ
うに燃料を適当な高圧力に加圧するプランジヤお
よびブツシユの形態をなすポンプを含む。

このようなユニツト噴射装置の一形態において
は、ブツシユに設けた適切な開口と協動する螺旋
をプランジヤに設けることによつてプランジヤの
ポンプ行程時に燃料の加圧を制御することで燃料
の噴射の制御を行つている。

また、このようなユニツト噴射装置の他の形態
では、ソレノイド弁がユニツト噴射装置に組み込
まれ、例えばユニツト噴射装置のポンプ室からの
燃料のドレンを制御している。

この後者の型式の噴射装置においては、燃料噴
射はプランジヤのポンプ行程時に所望に応じてソ
レノイド弁の付勢により制御されることによりド
レン流を終了させ、次いでプランジヤに燃料の圧
力を強めさせて関連した燃料噴射ノズルの噴射弁
の脱座を行なわせる。かかる電磁ユニツト燃料噴
射装置は公知である（例えば、1978年12月12日に
発行された米国特許第4129253号）。

発明の概要 本発明は、ブツシユ内を往復可能であつて、例
えばエンジン駆動されるカムにより作動されるプ
ランジヤを備えるポンプ組立体を有し、プランジ
ヤのポンプ行程時におけるポンプからの流れは噴
射ノズルの吹付け先端出口を介する流れを制御す
るためにばね付勢され圧力により作動する噴射弁
を内蔵するユニツトの燃料噴射ノズル組立体に導
かれるようにした電磁ユニツト燃料噴射装置を提
供するものである。ポンプからの燃料流を、圧力
平衡され通常は開放状態にある制御弁手段及び圧
力平衡されソレノイド作動されると共に通常は開
放状態にある弁手段を直列の関係で含む通路手段
を介して、燃料ドレン通路手段に流すこともでき
る。ソレノイドによつて作動され圧力平衡される
弁手段の付勢を制御することで燃料噴射が調整さ
れる。このように制御することで、プランジヤの
ポンプ行程時にポンプから燃料ドレン通路手段へ
の装置の流れを阻止できる。その結果、プランジ
ヤにより燃料の圧力を噴射弁の脱座を行える値に
まで高めることができる。圧力平衡される弁手段
は燃料噴射サイクル中に通路手段内の高い圧力に
抗してソレノイドが必要とする力を低減すること
ができる。

従つて、本発明の主目的は、ソレノイドによつ
て作動されると共に圧力平衡される噴射制御用の
弁手段を含み、該ソレノイドが噴射の開始と終わ
りを制御するプランジヤにより発生する流体圧の
一部のみに抗して作動すれば良い改良された電磁
ユニツト燃料噴射装置を提供することである。

本発明の他の目的はソレノイドの制御された付
勢と同時に作動されて、ポンプ行程時における燃
料のドレン流を制御し、従つて燃料噴射の開始と
終りを制御するように作動するソレノイド作動さ
れ圧力平衡される弁手段を組込んだ改良された電
磁ユニツト燃料噴射装置を提供することにある。

作 用 以上のように、本発明の電磁ユニツト燃料噴射
装置は、供給室とこぼれ室とを相互連結する圧力
平衡化通路を設けると共に、実施例のように環状
空洞部分内の流体が、弁の縮径部分の実質的に等
しい面積を有する対向領域に作用するので、ポペ
ツト弁が圧力平衡される。

本発明およびその他の目的ならびに更なる特徴
の更に良き理解のために、本発明を添付図面に関
連して以下に詳述する。

好適実施例の説明 さて図面、特に第１図、第２図および第３図に
おいて、本発明に従つて構成された電磁ユニツト
燃料噴射装置、すなわち、事実上、後述のように
して組立体の噴射装置部分からの燃料排出を制御
するために電磁的に作動され圧力平衡される弁を
組入れたユニツト燃料噴射ポンプ組立体が示され
ている。

図示の構成において、電磁ユニツト燃料噴射装
置は垂直本体部分１ａと側部本体部分１ｂとを含
むハウジング手段、すなわち噴射装置本体１を含
む。本体部分１ａはポンプ・プランジヤ３を摺動
自在に受容するための内径を有する円筒形下壁ま
たはポンプ・シリンダ手段、すなわちブツシユ２
とプランジヤ作動器従動子５を摺動自在に受容す
るためのより大きな内径を有する上壁４とを画成
する段部付き孔をそなえている。従動子５は本体
１の一端から突出することにより、それと、それ
に連結されたプランジヤは第４図に概略的に示し
たようにしてエンジン駆動されるカムまたはロツ
カーにより、且つ従来通りにプランジヤ戻しばね
６により往復せしめられるようになされている。
従動子の上向き移動を制限するために止めピン７
が本体１の上部を貫通して従動子５内の軸方向溝
５ａ内へと延びている。

ポンプ・プランジヤ３は第１図に示すごとくブ
ツシユ２と共にブツシユ２の開口下端においてポ
ンプ室８を形成する。

弁本体、すなわちナツト１０が本体１の下端の
延長部を形成しそれに螺合されている。ナツト１
０はその下端に開口１０ａを有し、それを貫通し
て従来の燃料噴射装置ノズル組立体の組合わされ
た噴射器弁本体または吹付け出口、すなわち噴射
口１１の下端が延びている。図示のごとく、噴射
口１１はその上端において拡大された肩部１１ａ
を与え、これはナツト１０の貫通端ぐりにより与
えられる内部肩部１０ｂ上に着座している。吹付
け先端１１と噴射装置本体１の下端との間には、
噴射口から始まつて順次、レートばねケージ１
２、ばね保持器１４および指導子ケージ１５が位
置せしめられており、これらの素子は図示の構成
においては製造および組立てを容易にするために
別々の素子として形成されている。ナツト１０は
本体１の下端における雄ねじ山１７と螺合するた
めの雌ねじ山１６をそなえている。ナツト１０と
本体１との螺着は噴射口１１、レートばねケージ
１２、ばね保持器１４および指導子ケージ１５の
噴射口の上面と本体１の底面との間でクランプさ
れ端対端で積重ねられた状態に保持する。上記素
子のすべては、重なり合う係合表面を有してお
り、互いに圧力密封された関係に保持されてい
る。

燃料は例えば燃料タンクから不図示の供給ポン
プおよび導管を経て燃料供給通路手段によりブツ
シユ２の開口下端へ所定の比較的低い供給圧力で
供給されるが、該燃料供給通路手段は図示の構成
においては、噴射器本体１の側部本体部分１ｂの
外端に連接して設けられた雌ねじ山付きの垂直盲
孔入口通路２０内に螺入されている公知の穴付き
入口または供給金具１８を含む。第１図において
最も良くわかるように、前記入口通路２０内には
従来の燃料フイルタ２１が適当に位置せしめられ
て供給金具１８によつて保持されている。第２図
および第３図において最もよくわかるように、入
口通路２０から離隔した側部本体部分１ｂ内の第
２の雌ねじ山付き垂直盲孔は例えば不図示の燃料
タンクへ燃料を戻すために金具１８ａを螺合させ
たドレン燃料通路手段、すなわちドレン通路２２
を画成している。尚、供給金具１８と入口通路２
０とで燃料通路手段を構成している。

加えて、以下に詳述する目的のために、側部本
体部分１ｂは円形内部上壁２５、案内孔２６、下
方中間壁２７および下壁２８を画成する段付き垂
直孔を備えている。壁２５および２７は、いずれ
も案内孔２６の内径よりも大きな内径を有し、壁
２８は壁２７の内径よりも大きな内径を有してい
る。壁２５と案内孔２６は平坦肩部３０により相
互連結されている。壁２７は平坦肩部３１により
且つ環状円錐形の弁座３２により案内孔２６に連
結され、弁座３２は案内孔２６を取り囲んでい
る。壁２７と２８は平坦肩部３３により相互連結
されている。案内孔２６から平行離隔し肩部３０
から肩部３１を貫通して延びる第２の貫通孔は後
述する目的のために圧力平衡化通路、すなわち圧
力均等化通路３４を画成する。

第１図に示すごとく、中心穴３６を有するばね
保持器３５はその穴３６の軸線を案内孔２６を画
成する孔の軸線と整列させた状態で側部本体部分
１ｂの上面に例えばねじ３７により適当に固着さ
れている。このばね保持器の下面は、上方孔壁２
５および肩部３０とともに供給室、すなわち供
給／弁ばね空洞３８を画成している。

第１図および第３図に示すごとく、側部本体部
分１ｂの下壁２８内に緩く受容されるように適当
な直径を有する閉鎖キヤツプ４０がその上面を平
坦肩部３３に対して衝合させた状態で、例えばね
じ４１により適当に固着されている。この目的の
ために閉鎖キヤツプ４０に設けられた環状溝４３
内に位置せしめられたＯリングシール４２は、こ
の閉鎖キヤツプと平坦肩部３３との間の密閉を行
なう。図示のごとく、閉鎖キヤツプ４０は所定高
さの中央直立ボス４４をそなえており、好ましく
は第１図および第３図に示すごとく、後述の目的
のために、環状溝４５がこのボスを包囲してい
る。閉鎖キヤツプ４０の上面は壁２７および肩部
３１と共にこぼれ室、すなわちこぼれ空洞４６を
画成する。

第１図および第２図において最も良くわかるよ
うに、入口通路２０は水平入口導管４７と壁２５
を貫通する上向き傾斜した連結用入口導管４８と
を経て供給／弁ばね空洞３８と連通し、また第３
図において最も良くわかるように、ドレン通路２
２は下向き傾斜したドレン導管５０を経てこぼれ
空洞４６と連通し、この導管は壁２７および肩部
３１の一部を介してこぼれ空洞内へと開口してい
る。

ポンプ室８への燃料の出入りのための通路５１
は下向き傾斜した第１の部分５１ａを含み、該部
分５１ａは第１図に示すごとく一端において案内
孔２６を介して弁座３２の所定距離上方に開口し
他端において下向き傾斜した第２の部分５１ｂの
一端に連結されている。通路５１の第２の部分５
１ｂの反対端は噴射装置本体の下端においてポン
プ室８へと開口する弧状室５２内へと開口してい
る。

こぼれ空洞４６と通路５０との間での燃料流は
中空ポペツト弁の形態をなし、ソレノイド作動さ
れ、圧力平衡されるポペツト弁、すなわち弁５５
により制御される。弁５５は円錐形弁座表面５７
をそなえたヘツド５６と、そこから上方に延びる
軸部５８とを含む。この軸部５８は案内孔２６と
共にポペツト弁の開閉運動時に通路５１と常に燃
料連通している環状空洞部分、すなわち環状空洞
６０を形成するような軸方向大きさを有し、且つ
ヘツド５６に隣接する縮小直径の縮径部分５８ａ
と、案内孔２６内を摺動自在に案内されるような
直径を有する案内心棒部分５８ｂと、縮小直径の
上方部分５８ｃと、ばね保持器３５の穴３６を軸
方向に貫通して延びる、更に直径縮小された雄ね
じ山付き自由端部５８ｄとを含む。部分５８ｂと
５８ｃは平坦肩部５８ｅにより相互連結されてい
る。部分５８ｃと５８ｄは平坦肩部５８ｆにより
相互連結されている。弁５５は弁心棒５８の部分
５８ｃを緩く取囲むコイルばね６１により通常第
１図で下方に弁開放方向に付勢されている。図示
のごとく、このばねの一端は肩部５８ｅに対して
衝合するように心棒部分５８ｃを取囲む座金状ば
ね保持器６２に対して衝合している。ばね６１の
他端はばね保持器３５の下面に対して衝合してい
る。

加えて、弁５５のヘツド５６および軸部５８は
この弁の重量を実質的に低下させるように且つ適
当な軸方向大きさの圧力逃がし通路６３を画成す
るように段部付き盲孔をそなえており、これによ
りその上端においてそれは半径方向口６４を経て
供給／弁ばね空洞３８と流体連通状態に置かれう
る。

第１図で上方への弁閉鎖方向での弁５５の運動
は、図示の構成においては矩形形状を有する頭部
６５ａから中央に懸下する心棒６５ｂを備える電
機子６５を有するソレノイド組立体７０によつて
行なわれる。電機子６５は弁５５のねじ山付き心
棒部分５８ｄと螺合する雌ねじ山付き孔６５ｃを
有することにより弁５５に適当に固着されてい
る。電機子６５はまた関連した極片７６の対向作
動面へ向けての電機子の運動時に燃料を通過させ
るため頭部６５ａを貫通する複数の通路６６をも
そなえている。第１図において最も良くわかるよ
うに、電機子はソレノイド・スペーサ６８に設け
られた対応形状の電機子空洞６７内に緩く受容さ
れている。

図示のごとく、ソレノイド組立体７０は更に、
例えばガラス繊維入りナイロン等の適当な合成プ
ラスチツク材で作られ側部本体部分１ｂの上面に
ソレノイド・スペーサ６８を介して、ばね保持器
３５および孔壁２５を取囲む位置に、ねじ７３
（第２図）により固着されたフランジ付き逆カツ
プ形ソレノイド・ケース７２を備えるソレノイド
組立体、すなわち固定子組立体７１を含む。ソレ
ノイド・ケース７２内には巻回されたソレノイ
ド・コイル７５を支持するコイル・ボビン７４と
分節多片極片７６とが支持されている。図示の構
成においては、極片７６の下面は第１図に示すご
とくソレノイド・ケース７２の下面と整列してい
る。この配置では、ソレノイド・スペーサ６８の
厚さは、電機子の上方作動面とソレノイド・スペ
ーサの上面の平面との間に空隙が存在することに
より電機子と極片との対向作動面間に最小の固定
した空気間隙が存在するように、弁５５がその閉
位置すなわち第１図示位置にあるときに側部本体
部分１ｂの上面より上方での電機子６５の高さに
対して予め選択されている。特定の実施例におい
ては、この最小空気間隙は0.103mmないし0.113mm
であつた。

また第１図、第３図および第４図において最も
よくわかるように、弁５５のヘツド５６は、該弁
がこれらの図に示されているごとく閉位置にある
ときに閉鎖キヤツプ４０上のボス４４の自由端に
ごく近接するが、その上方に所定の空隙距離だけ
離隔して位置せしめられている。この距離は所望
に応じて選択されこれによりボス４４の自由端は
作動的に位置ぎめされて、これらの図で下方への
弁開放方向での弁５５の移動を制限する。従つ
て、上記特定の実施例では、この空隙距離は
0.103mmないし0.113mmであつた。

ソレノイド・コイル７５は、１対の穴付き直立
ボス７８内の１対の雌ねじ山付き端子リード７７
（第１図には１個のリードおよびボスのみ図示）
に取付けるようになされた不図示の電気的コネク
タによつて、不図示の燃料噴射電子的制御回路を
経て適当な電源に連結可能であり、これによりソ
レノイド・コイルは当業界周知の方法でエンジン
の作動条件の関数として付勢されることができ
る。

第１図に示すごとく、例えばソレノイド・スペ
ーサ６８およびソレノイド・ケース７２にそれぞ
れ設けられた適当な環状溝６８ａおよび７２ａ内
に位置せしめられた適当なＯリングシール６９は
側部本体部分１ｂとソレノイド・スペーサ６８と
の間およびこのスペーサとソレノイド・ケース７
２との間の密閉を行なうのに用いられる。

プランジヤ３のポンプ行程時に、燃料はポンプ
室８から後述の排出通路手段８０の入口端内へと
排出されるようになされている。

第１図において、この排出通路手段８０の上部
は指導子ケージ１５の下面に設けられた環状凹部
８３と流れ連通するように上方凹部８２から指導
子ケージ１５を介して延びる垂直通路８１を含
む。

第１図に示すごとく、ばね保持器１４は凹部８
３と対面するように形成された拡大室８４をそな
えており、この室８４の底から上方へ突起８５が
突出して平坦な円盤型の逆止弁８６のための停止
部を形成している。室８４は凹部８３を画成する
開口の両端を越えて横方向に延び、これにより指
導子ケージ１５の下端面は凹部８３により画成さ
れる開口を閉鎖する位置に有るときの逆止弁８６
のための座を形成する。

ばね保持器１４には室８４をばねケージ１２の
上端の環状溝９０と連結するために少なくとも１
つの傾斜した通路８７が設けられている。この溝
９０はばねケージを貫通する縦方向通路９１によ
りばねケージ１２の底面上の同様な環状溝９２と
連結されている。下側の溝９２は噴射口１１内に
可動に位置せしめられた噴射弁手段、すなわち針
弁９５を包囲する中央通路９４に少なくとも１つ
の傾斜した通路９３により連結されている。通路
９４の下端には針弁９５のためのテーパした包囲
環状座９６をそなえた燃料送り出し用出口があ
り、該弁座の下方には噴射口１１の下端に連結用
吹付けオリフイス９７がある。

噴射口１１の上端は針弁９５の開閉運動を案内
するための孔１００をそなえている。針弁のピス
トン部分９５ａはこの孔１００に摺動自在に嵌合
しその下端は通路９４内の燃料圧力にさらされ、
その上端は開口１０２を経てばね室１０１内の燃
料圧力にさらされ、両者は共にばねケージ１２に
形成されている。針弁９５の縮小直径上端部はば
ねケージの中央開口１０２を貫通してばね座１０
３と衝合している。ばね座１０３とばね保持器１
４との間にはコイルばね１０４が圧縮されていて
針弁９５を図示の閉位置へと付勢している。

ばね室１０１内に燃料圧力が累積する傾向を防
止するために、この室は第１図に示すごとくばね
ケージ１２の外周面上に設けられた環状溝１０６
に半径方向口通路１０５を介して通気されてい
る。ナツト１０とばね保持器１２の間、ばね保持
器１４と指導子ケージ１５の間には密嵌が存在す
るが、これらの部品間には例えば供給／弁ばね空
洞３８におけるごとき比較的低圧力領域に燃料を
通気させるに充分な直径方向空隙がある。

図示の構成において、この燃料は、下端におい
てナツトの内壁と指導子ケージ１５の上端とによ
り画成される空洞１１１内への開口し、上端にお
いてプランジヤ３を取囲む環状溝１１２内へ傾斜
通路１１４を経て開口して供給／弁ばね空洞３８
と流れ連通する噴射装置本体１０の傾斜通路１１
０を経て供給／弁ばね空洞３８へと流出せしめら
れる。

作動の説明 さて特に第１図および第４図を参照するに、エ
ンジン作動時には、不図示の燃料タンクからの燃
料は、不図示のポンプによつて、供給金具１８に
連結された不図示の導管を介して本電磁ユニツト
燃料噴射装置へ所定の供給圧力で供給される。供
給金具１８を介して送り出される燃料は入口通路
２０内に流入し、次いで入口導管４７および４８
を介して供給／弁ばね空洞３８内に流入する。こ
の供給／弁ばね空洞３８から燃料は次いで圧力均
等化通路３４かまたは圧力逃がし通路６３および
口６４によつてこぼれ空洞４６内へと自由に流入
する。

ソレノイド組立体７０のソレノイド・コイル７
５が脱勢されると、ばね６１は弁５５を開放し、
これを弁座３２に対して開放状態に保持するよう
に作動する。同時に、弁５５に連結された電機子
６５も第１図および第４図で極片７６に対して下
方に移動して、これらの素子の対向作動表面間に
所定の作動空気間隙を確立する。

弁５５が開位置にある状態では、燃料はこぼれ
空洞４６から環状空洞６０内へ流入し、次いで通
路５１および弧状室５２を経てポンプ室８内に流
入することができる。従つてプランジヤ３の吸引
行程時には、ポンプ室は燃料を再供給される。同
時に、燃料は噴射ノズル組立体に燃料を供給する
のに用いられる排出通路手段８０内を存在するこ
とになる。

その後、従動子５が第４図に概略的に示したよ
うにしてカム作動されるロツカー腕により下方へ
駆動されてプランジヤ３の下降運動を行なわせる
につれて、このプランジヤの下降運動は燃料をポ
ンプ室８から変位せしめるとともに、この室およ
びそれに連結された隣接通路の中の燃料の圧力を
増大せしめる。しかし、ソレノイド・コイル７５
はまだ脱勢状態にあるので、この圧力は針弁９５
をその関連戻しばね１０４の力に抗して上昇せし
めるに必要な「ポツプ」圧力よりも小さな所定の
量であるレベルまで上昇することしかできない。

この期間中、ポンプ室８から変位せしめられた
燃料は、通路５１および環状空洞６０を経て、こ
ぼれ空洞４６内へ逆流し、この空洞から燃料はド
レン導管５０、ドレン通路２２およびドレン金具
１８ａを経て排出され、例えば不図示の導管を経
て、燃料を実質的に大気圧で収容する燃料タンク
へ戻ることができる。デイーゼル燃料噴射技術に
おいては通例であるように、多数の電磁ユニツト
燃料噴射装置を不図示の共通のドレン導管に並列
に連結してよく、この共通のドレン導管はそれを
通る燃料流量を制御することにより所定の供給圧
力での燃料圧力を各噴射装置内で維持せしめるた
めに用いられるオリフイス通路を通常含むもので
ある。

その後、プランジヤ３の継続下降行程時に適当
な導電体を介してソレノイド・コイル７５に印加
される有限の特性および持続期間（例えばカム軸
およびロツカー腕リンク仕掛けに関しての関連エ
ンジン・ピストン位置の上死点に対する時間）の
電気的（電流）パルスが電磁場を発生して電機子
６５を引きつけて極片７６へ向けてその運動を行
なわせる。弁５５と結合した電機子６５の、第１
図および第４図で見てこの上昇運動は弁５５のそ
の関連弁座３２への着座を行なわせるが、これら
の素子の位置は、これらの図に示すとおりであ
る。これが生じると、通路５１および環状空洞６
０を経ての燃料のドレンは、もはや生ぜず、この
ためプランジヤ３は燃料の圧力を「ポツプ」圧力
レベルまで増大せしめて、針弁９５の脱座を行な
わせる。このため、燃料は、吹付けオリフイス９
７を介して噴射されることが可能となる。通常、
噴射圧力は、プランジヤのさらに継続された下降
運動時に増大する。

電流パルスが終ると電磁場は崩れ、ばね６１が
弁５５を再び開放させるとともに、電機子６５を
その下降位置へ移動せしめる。弁５５の開放によ
り、燃料は再び通路５１および環状空洞６０を経
て、こぼれ空洞４６内へ流れる。従つて、この燃
料ドレン流は排出通路手段８０内のシステム圧力
を解除し、これによりばね１０４は再び針弁９５
の閉鎖を行なわせることができる。

再び弁５５について言及すると、図示のごと
く、この弁は下記の４つの機能を与えるべく中空
中心を有して構成されている。

(1) 弁の応答および作動速度を増大させるための
弁の質量低下、 (2) 弁座剛性を低下せしめて最小の力で弁着座を
許す、 (3) 弁剛性を減少せしめて弁座衝撃荷重を低下せ
しめる、 (4) 弁開放応答（速度）を最大ならしめるために
１つまたはそれ以上の口６４により弁のヘツド
５６端を低圧空洞、即ち、供給／弁ばね空洞３
８に直接連結する通路６３の形成。

第４の機能、すなわち弁開放速度の最大化がい
かにして達成されるかは弁座３２に対するその開
放運動時における弁作動を考えることにより最も
良く理解することができる。電機子６５が電磁固
定子組立体７１により解除され弁ばね６１の力に
より加速された後に弁５５がまず開放し始める
と、それは環状空洞６０内の高い圧力とこぼれ空
洞４６との間に流路を与えるが、このこぼれ空洞
は通常は比較的低い供給圧力の燃料を収容してい
る。

弁５５のこの開放運動の結果燃料は環状空洞６
０からこぼれ空洞４６内へ急速に流れこぼれ空洞
４６内の燃料の圧力はこの空洞の制限された容量
と該こぼれ空洞４６を他の低供給圧力域に連結す
る関連通路内の有限の慣性および流体摩擦とによ
り増大する。しかし、前述の圧力逃がし通路６３
および半径方向口６４によつて弁ヘツド５６を低
圧力域、すなわち供給／弁ばね空洞３８内の供給
圧力域に直接連結することにより、こぼれ空洞４
６内の増大した圧力により弁５５のヘツド５６に
作用する流体圧力は最小にされ、そして弁５５の
開放時間も弁５５を弁開放方向に加速するために
利用しうる力のより高い正味の量により最小にさ
れる。また、第１図および第３図に示すごとく、
案内孔２６と弁座３２の有効作動接触表面とは同
じ直径であることにより弁５５に作用する等しい
反対の流体圧力を与える。すなわち、環状空洞６
０内の燃料の圧力にさらされる弁５５の対向した
作動領域はこれらの図に示すごとく等しい。

加えて、弁組立体の電機子端においてこぼれ空
洞４６と供給／弁ばね空洞３８との間に圧力均等
化通路３４を設けることによつて、上述したよう
にして弁の両端間での圧力均等化により弁開放速
度の付加的な増大が実現される。

上記に加えて、図示したごとく、ボス４４の位
置づけによりこぼれ空洞４６と弁５５の弁ヘツド
５６端との間の圧力連通のための領域を制限する
ことによつて、弁開放速度の更に向上した増大が
得られる。

以上本発明をここに開示した特定の実施例につ
いて説明したが、本発明の範囲を逸脱することな
く種々の変形を当業者によりなしうることは明ら
かであるから、本発明はここに述べた詳細に限定
されるものではない。従つて本願は特許請求の範
囲により限定されるごとき本発明の目的内にある
変形または変更を網羅するものである。

効 果 以上説明した本発明の電磁ユニツト燃料噴射装
置によれば、次のような効果が得られる。

また、供給室とこぼれ室とを相互連結する圧力
平衡化通路が設けられているので、上述の弁開放
速度が更に増大する。

上述のことから、燃料の噴射の開始と終りを良
好に制御できる。

また、実施例によれば、環状空洞部分内の流体
が、弁の縮径部分の実質的に等しい面積を有する
対向領域に作用するので、ポペツト弁が圧力平衡
される。この結果、ポペツト弁の応答速度、特に
開放速度が増大する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る電磁ユニツト燃料噴射装
置の縦断面図であり、噴射装置の各素子は例えば
ポンプ行程時に且つ電磁弁手段が付勢された状態
でそのポンプのプランジヤが位置ぎめされるよう
に示され、ユニツトの一部を立面図で示す図、第
２図は第１図の２−２線に沿つて見た第１図の電
磁ユニツト燃料噴射装置の断面図、第３図は第２
図の３−３線に沿つて見た第１図の燃料噴射装置
の一部の断面図、第４図は本発明に従つて構成さ
れた電磁ユニツト燃料噴射装置の主要作動素子の
概略図であつて、ポンプ行程時に且つ電磁弁手段
を付勢した状態でプランジヤを示す図である。 〔主要部分の符号の説明〕、１……噴射器本体、
２……ブツシユ、３……ポンプ・プランジヤ、８
……ポンプ室、１０……ナツト、１１……噴射
口、１８……供給金具、２０……入口通路、２２
……ドレン通路、２６……案内孔、２８……下
壁、３２……弁座、３４……圧力均等化通路、３
８……供給／弁ばね空洞、４６……こぼれ空洞、
５１……通路、５５……弁、５６……弁のヘツ
ド、５７……円錐形弁座表面、５８……弁の軸
部、５８ａ……縮径部分、６０……環状空洞、６
１……コイルばね、６３……圧力逃がし通路、６
４……半径方向口、６５……電機子、７１……固
定子組立体、８１……垂直通路、９３……傾斜通
路、９５……針弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定の供給圧力での燃料の流入のために一端
   において燃料源に連結可能な燃料通路手段１８，
   ２０と、所定の圧力での燃料の流出のためのドレ
   ン燃料通路手段２２とを有するハウジング手段１
   と、 該ハウジング手段１内に設けられると共に、そ
   れぞれ該燃料通路手段１８，２０及び該ドレン燃
   料通路手段２２と流体連通すると共に、互いに離
   隔して配置され、互いにほぼ等しい圧力になる燃
   料を供給する供給室３８及びこぼれ室４６と、 該ハウジング手段１内に設けられたポンプ・シ
   リンダ手段２内を往復動自在であると共に、ポン
   プ行程時には燃料の排出のために、吸引行程時に
   は燃料取り入れのために該ポンプ・シリンダ手段
   ２と共に一端において開口するポンプ室８を画成
   する外部から作動されるプランジヤ３と、 から成り、該ハウジング手段１は、燃料の排出の
   ために一端に噴射口１１を有する弁本体１０と、
   該弁本体１０内を可動であり該噴射口１１からの
   流れを制御する噴射弁手段９５と、該ポンプ室８
   を該噴射口１１に連結する排出通路手段８１，９
   ３とを含む形式の電磁ユニツト燃料噴射装置にお
   いて、 該供給室３８と該こぼれ室４６とを相互連通す
   る圧力平衡化通路３４と、 該供給室３８と該こぼれ室４６との間に延在し
   それらを相互連通する案内孔２６と、 該こぼれ室４６端において該案内孔２６を取り
   囲む弁座３２と、 該弁座３２に対して開位置と閉位置との間を可
   動のヘツド５６と、そこから延在し往復動自在に
   該案内孔２６に軸承された軸部５８とを備えたポ
   ペツト弁５５と、 該軸部５８の外周面に設けられた縮小直径を有
   する縮径部分５８ａと、 該ヘツド５６に隣接して該案内孔２６の壁と該
   縮径部分５８ａとの間に画成されると共に、該ポ
   ペツト弁５５が該開位置にある時、該ポンプ室８
   及び該こぼれ室４６に連通し、該ポペツト弁５５
   が該閉位置にある時、該ポンプ室８に連通する環
   状空洞部分６０と、 該環状空洞部分６０と該ポンプ室８とを連通す
   る通路５１と、 該ハウジング手段１に設けられ、該ポペツト弁
   を作動するソレノイド手段７１と、 該ポペツト弁５５に作動連結されると共に該ポ
   ペツト弁５５を該開位置へと常時付勢するバネ６
   １と、 から成り、該環状空洞部分６０内の流体は、該こ
   ぼれ室４６、更に該ドレン燃料通路手段２２に流
   入自在であることを特徴とする電磁ユニツト燃料
   噴射装置。 ２ 前記縮径部分５８ａは実質的に等しい面積を
   有する軸方向の対向領域を有し、前記環状空洞部
   分６０内の流体が該縮径部分５８ａの該対向領域
   に作用することにより該ポペツト弁５５が圧力平
   衡されることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載の電磁ユニツト燃料噴射装置。 ３ 前記ポペツト弁５５は、前記供給室３８と前
   記こぼれ室４６との間に流体流の相互連通を生じ
   させるため、前記ヘツド５６及び前記軸部５８を
   貫通して延在する圧力逃がし通路６３，６４を有
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の電磁ユニツト燃料噴射装置。