JPH0582446B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高炉操業において、燃料費低減、炉
況制御を目的として、その送風羽口から微粉炭を
吹込む技術の改良に関する。

（従来の技術） 近時高炉ではオールコークス操業に代り燃料費
低減、炉況制御を目的としてその送風羽口から微
粉炭を吹込むことが行なわれている。

類似の技術としては下記文献に記載がある。

(i) 鉄と鋼、第58年（1972）No.５、第559〜565頁
及び第600〜607頁。

(ii) 鉄鋼協会69回講演会論文集、第625〜627頁。

(iii) 鉄と鋼、54（1969）10、第355、356頁。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の高炉の微粉炭吹込みにおいては、微粉炭
着火温度と燃焼率との関係については考慮されて
いるが、着火温度の制御方法は送風温度の変更に
よつている。その一方で高炉状況変動に対して風
温アクシヨンがとられるため、従来技術の方法で
は微粉炭燃焼に適した1100℃以上の温度に常時維
持できるわけではない。

その他、ランス先端形状については、粉炭流が
ブローパイプ内に拡散しないようにされている
が、燃焼媒体である酸素と微粉体との混合性は考
慮されておらず、現状では微粉炭流中心域では酸
素濃度はかなり低くて燃焼しにくい状況にあると
考えられる。

（問題点を解決するための手段、作用、実施例） 本発明は、従来技術の上記問題点に解決を与
え、微粉炭の吹込量を大幅に増加させることを可
能として、さらなる燃料費の低減を実現するた
め、温度上昇により微粉炭の着火を促進し、また
微粉炭のレースウエイ内滞留時間が長くなるよう
にすることによりレースウエイ内で燃焼率を上昇
させる方法をとる。そのために、２以上の微粉炭
吹込み用ランスをブローパイプに挿入し、羽口よ
り遠方の前段ランスからは小量の微粉炭と酸素と
を吹込むことにより羽口に近い後段ランスで多量
に吹込まれる微粉炭の着火温度を制御する。

また微粉炭吹込み用ランスの先端には風車等を
設けて、それにより旋回流を起させることによつ
て、レースウエイ内微粉炭滞留時間を長くすると
ともに酸素との混合の促進を図る。さらに、レー
スウエイ内での微粉炭の未燃焼残分のチヤー
（char）の燃焼促進を図るべく、羽口近傍に酸素
を吹込み燃焼率をさらに上昇させる。

すなわち、本発明の高炉の微粉炭吹込み方法
は、基本的には、高炉の送風羽口につづくブロー
パイプに２つ以上の微粉炭吹込み用ランスを挿入
し、羽口より遠方のランスから少量の微粉炭と酸
素とを吹込み、羽口に近い後段ランスから多量の
微粉炭を吹込むことを特徴とするものである。

以下、本発明方法を添付図を参照し、実施例に
より具体的に説明する。

第１図は、送風羽口１につづくブローパイプ２
におけるこの例では２つの微粉炭吹込み用ランス
３および４の取付位置を示す。これらパイプ３，
４は、第２図に示すように、２重管構造で微粉炭
は中心通路５を通り、また酸素または空気は外側
環状通路６を通り先端から吹込まれる。これらラ
ンスの酸素または空気の通気路６の先端には風車
７等の風向偏向手段が取付けられ、ランスを出た
瞬間に微粉炭と燃焼空気または酸素は混合され風
車により旋回流化される。

本発明方法では羽口１より遠方のランス３から
は少量の微粉炭と酸素とが吹込まれ、羽口１に近
い後段ランス４から多量の微粉炭が吹込まれ、こ
の多量の微粉炭のための着火温度を制御する。こ
のためランス３からの微粉炭吹込み量はランス４
位置での雰囲気温度が微粉炭の着火に適した1100
℃以上となり、従つて多量の微粉炭の着火が促進
されるように調整される。

また後段ランス４より羽口１寄りに酸素または
空気のみの吹込用のランス８を設け、レースウエ
イ内でのチヤーの燃焼を促進する。

第３図は上方にランス３，４，８の位置を示
し、下方に対応する距離を横軸にとり使用ランス
をパラメータとして縦軸に軸方向温度分布を示
す。温度分布においてランス３から少量の微粉炭
が吹込まれることにより、ランス４位置での雰囲
気温度が1100℃に上昇し、ランス４からの多量の
微粉炭が燃焼し易い条件となつていることが知ら
れる。またさらにランス８から酸素を吹込むこと
によりランス４後の温度が上昇することが知られ
る。これは酸素吹込みにより微粉炭の燃焼がさら
に促進されることを示す。

また第４図は横軸にバーナからの距離をとり使
用ランスをパラメータとして縦軸に燃焼率をとつ
て示す。ランス３，４，８を併用した場合にレー
スウエイ境界での燃焼率が最も大きく、従来技術
のランス４のみ使用の場合に較べて燃焼率が約10
％上昇する。

（発明の効果） 本発明方法によると高炉レースウエイ内での微
粉炭燃焼率は従来技術に較べて約10％上昇し、そ
の限界微粉炭吹込み量が80Kg／ｔ−ｐである高炉
においてその量は120Kg／ｔ−ｐまで増加でき、
燃料費低減の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法によるランスの取付位置を
示す図、第２図イは微粉炭吹込み用ランスの先端
の縦断側面図、第２図ロはその端面図、第３図は
軸方向温度分布とランス位置、使用ランスとの関
係を示す図表、第４図は燃焼率とランス位置、使
用ランスとの関係を示す図表である。 １……送風羽口、２……ブローパイプ、３，４
……微粉炭吹込み用ランス、５……中心通路、６
……外側環状通路、７……風車、８……ランス。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高炉の送風羽口につづくブローパイプに２つ
   以上の微粉炭吹込みランスを挿入し、羽口より遠
   方のランスから少量の微粉炭と酸素とを吹込み、
   羽口に近い後段ランスから多量の微粉炭を吹込む
   ことを特徴とする高炉の微粉炭吹込み方法。 ２ 微粉体吹込用ランスの気路の先端に風車等の
   風向偏向手段を設け吹込微粉炭および酸素の旋回
   流を与えるようにした特許請求の範囲第１項記載
   の高炉の微粉炭吹込み方法。 ３ 後段ランスより羽口寄りにおいて酸素吹込み
   を行う特許請求の範囲第１項記載の高炉の微粉炭
   吹込み方法。