JPH058219A - 重合体溶液の調製方法 - Google Patents

重合体溶液の調製方法

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JPH058219A
JPH058219A JP16159291A JP16159291A JPH058219A JP H058219 A JPH058219 A JP H058219A JP 16159291 A JP16159291 A JP 16159291A JP 16159291 A JP16159291 A JP 16159291A JP H058219 A JPH058219 A JP H058219A
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JP
Japan
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polymer
acrylonitrile
solvent
polymer solution
solution
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JP16159291A
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English (en)
Inventor
Masahiko Morimoto
雅彦 守本
Tomio Miyazaki
十三夫 宮崎
Hiroshi Higuchi
洋 日口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で重合体を溶解して、重合体溶液の着
色を防止すると共に、平均総括伝熱係数を大きくするこ
とにより重合体の処理効率を高める。 【構成】 アクルロニトリル系重合体をその溶剤に溶解
させる場合に、内部にメジアを充填した撹拌装置を有す
る容器に重合体および溶剤を加えてメジアと共にこれら
を撹拌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式法または乾式法に
より合成繊維やフィルムを製造するに際して、重合体を
その溶剤に溶解して重合体溶液を調製する方法に関す
る。より詳しくは、メジアミルを使用してアクリロニト
リル系重合体、特にハロゲン含有アクリロニトリル系重
合体と溶剤を混合、混練することにより重合体溶液を調
製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルから合成される種々の
重合体は、繊維やフィルムの製造に大量に用いられる有
用な重合体である。このような重合体から繊維やフィル
ムを製造するには、溶融法ではなく、湿式法や乾式法が
用いられるのが通常である。これらの方法においては重
合体を溶剤に溶解した重合体原液をまず調製し、この原
液を紡糸ノズルやダイスなどから押出すことによって繊
維やフィルムが形成される。
【0003】従来、このような原液の調製方法として工
業的に用いられている方法は、パウダーまたはフレーク
状の重合体を溶剤と共に掻取羽根は撹拌槽のような一般
的に用いられている撹拌機等の混合手段を備えたタンク
に投入して溶解するという基本的な方法であった。ま
た、従来から大量に製造されているハロゲン含有アクリ
ル系重合体の溶剤への溶解方法としては、このような基
本的な方法に加えて、特開昭61−143439号公報
に記載されているような二軸混練押出機を用いて重合体
溶液を調整する方法ならびに特開平1−234424号
公報および特開平1−234425号公報に記載されて
いるような噛合型多軸押出機を用いて重合体溶液を調製
する方法がある。
【0004】しかしながら、タンクに重合体を投入して
撹拌機により混練・溶解して重合体溶液を調製する方法
は、重合体の溶解に時間がかかるのでタンクの容量が大
きくなり、処理量によっては大規模な装置となり、更
に、エネルギー消費の面からも経済的でない。また、未
溶解ゲルや濃度ムラ等が発生し、均質な原液になりにく
いなどの欠点がある。その上、このような調製方法では
バッチ方式またはタンクを組合せた半連続式にならざる
を得ず、連続化が困難であるという問題点もある。ま
た、溶解に時間を要することおよび半連続式では一部に
ついては滞留時間の長いものが生ずることなどから、溶
液の着色、重合度の低下、劣化反応物の生成など品質的
に好ましくない現象も発生し易かった。
【0005】また、特開昭61−143439号公報に
記載された二軸混練押出機を用いる重合体の調整方法や
特開平1−234424号公報および特開平1−234
425号公報に記載されているような噛合型多軸押出機
を用いて重合体溶液を調製する方法では加熱処理を必要
とするが、その場合の平均総括伝熱係数が60〜150
kcal/m2・hr・deg程度に過ぎない。従って、処理量を増
やすためには、大規模な設備とならざるを得ず、経済的
に問題がある場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
技術により重合体溶液を調製する場合には種々の問題点
があり、このような問題点を解決して短時間で重合体を
溶解することにより、重合体溶液の着色などを防止して
重合体の品質を向上させ、総括伝熱係数を向上させるこ
とにより処理量を増やし効率的な重合体溶液の調製がで
きる新たな重合体溶液の調製方法を提供することが本発
明の課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、アクリロニ
トリル系重合体やハロゲン含有アクリロニトリル系重合
体の重合体溶液を調製するに際し、メジアミルを用いる
ことにより上記課題を解決できることを見出した。本発
明の方法により、溶剤を入れたタンクに重合体を投入し
て重合体溶液を溶解する方法や先に引用した特許公報に
記載の重合体調整方法の問題点が解決され、更に、著し
く良好な重合体濃度が10〜50重量%の重合体溶液を
調製できる。以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明の方法を適用できる重合体は、アク
リロニトリルから誘導される重合体(アクリロニトリル
系重合体)であり、例えば、アクリロニトリルおよびこ
れと共重合可能な他の不飽和単量体からの重合体やアク
リロニトリル、ハロゲン含有不飽和単量体およびこれら
と共重合可能な不飽和単量体からの重合体などに適用で
きる。また、これらの重合体の組み合わせにも適用でき
る。
【0009】本明細書において、アクリロニトリルおよ
びこれと共重合可能な他の不飽和単量体からの重合体
(以下、簡単のためポリマーAと呼ぶこともある。)と
は、アクリロニトリル単独の重合体であっても、あるい
はアクリロニトリルおよびこれと共重合可能な不飽和単
量体成分からの重合体であってもよい。他の不飽和単量
体成分としては、例えば重合体の染色性を改善するため
に用いるスチレンスルホン酸ナトリウムやメタクリルス
ルホン酸ナトリウムのような酸性基を有する不飽和化合
物、重合体の物性を改善するために用いるメチルメタク
リレートや酢酸ビニルのような不飽和単量体を挙げるこ
とができる。
【0010】本明細書において、アクリロニトリル、ハ
ロゲン含有不飽和単量体およびこれらと共重合可能な不
飽和単量体からの重合体(以下、簡単のためポリマーB
と呼ぶこともある。)とは、アクリロニトリルやハロゲ
ン含有不飽和単量体以外に、場合により存在するこれら
と共重合可能な他の不飽和単量体成分からの重合体を意
味する。ハロゲン含有不飽和単量体には、例えば塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンな
どが含まれ、また、他の単量体成分としては、例えば重
合体の染色性を改善するために用いるスチレンスルホン
酸ナトリウムやメタクリルスルホン酸ナトリウムのよう
な酸性基を有する不飽和化合物、重合体の物性を改善す
るために用いるメチルメタクリレートや酢酸ビニルのよ
うな不飽和単量体を挙げることができる。
【0011】ポリマーAおよびポリマーBにおける単量
体の組成は、特に限定されるものではない。しかしなが
ら、工業的実用性を考慮した場合の好ましい単量体組成
は、ポリマーAについては、アクリロニトリルが少なく
とも60重量%、好ましくは少なくとも80重量%で、
不飽和単量体が多くとも40重量%、好ましくは0〜2
0%重量%である。また、ポリマーBについては、アク
リロニトリルが20〜85重量%、好ましくは25〜8
0重量%、ハロゲン含有不飽和単量体が80〜15重量
%、好ましくは75〜30重量%、共重合可能な不飽和
単量体が0〜15重量%、好ましくは0〜10重量%で
ある。
【0012】また、ポリマーAとポリマーBとの混合物
の重合体溶液を調製する場合、ポリマーAとポリマーB
の割合については、任意の割合の混合物に本発明の方法
を適用できる。ポリマーAのポリマーBに対する特に好
ましい割合は、10〜50重量%である。
【0013】本発明の重合体溶液の調製方法において使
用する溶剤は、ポリマーAおよび/またはポリマーBを
通常溶解し得る有機溶剤であって、重合体溶液の使用目
的に合致するものであればよい。例えばジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリル、アセトン、2−メチルビニルピリ
ジン、エチレンカーボネート、サクシノニトリル、γ−
ブチロラクトン、ニトロメタン、シクロヘキサノンなど
をポリマーAにもポリマーBにも使用できる。
【0014】溶剤と重合体の割合は、所望の重合体濃度
に応じて変えることができるが、極端に高濃度の重合体
溶液は粘度が高くなり過ぎて調製することはできない。
本発明の方法により調製できる重合体溶液の重合体濃度
は、通常50重量%以下、好ましくは20〜40重量%
である。
【0015】本発明の方法においては、ポリマーAやポ
リマーBに加えて、安定剤、顔料、染料などの種々の添
加剤を溶剤に加えてよい。このような添加剤は、重合体
と共にメジアミルに投入してもよいし、溶剤に予め溶解
又は分散させた状態で円筒型内部メジアミルに注入して
もよい。
【0016】本発明の方法に用いるメジアミルとは、い
わゆる円筒型容器、撹拌機、メジアを有して成り、円筒
型容器に充填されたメジアを撹拌機により撹拌できる構
造のものであれば十分である。また、いわゆる円筒型容
器とは、厳密な意味での円筒形状を有するものである必
要は全くなく、一般的に撹拌槽として使用される筒状ま
たは柱状の容器であれば十分である。メジアミル内での
滞留時間を減らし、処理量を増やし、しかも良好な重合
体溶液を得るために、円筒型容器および撹拌機軸等に温
水もしくは熱水または蒸気を供給して間接的に内容物を
加熱できる構造とすることが好ましい。
【0017】本発明の方法に使用するメジアミルは、重
合体溶液からメジアを分離できる適当な手段を有するの
が好ましい。例えば、重合体溶液の出口部分において例
えば円筒型容器の上蓋部分と円筒型容器の間にて充填さ
れたメジアの寸法(例えば直径)より小さなギャップを
設けて、溶液は通過できるが、メジアは通過できないよ
うにしたり、あるいは重合体溶液とメジアを分離できる
孔寸法のスクリーンを設けたりすることによりこの手段
を供給できる。
【0018】本発明の方法に使用するメジアミルとは、
円筒型容器に加えた重合体および溶剤を撹拌すると共
に、充填されたメジアも一緒に撹拌できる構造を有する
ものである。メジアを撹拌する構造としては、充填され
たメジアが円筒容器内で内周方向に所定の速度で重合体
や溶剤と共に回転すれば十分であり、いわゆるピンタイ
プ(撹拌軸にピンを設けたもの)、ディスクタイプ(撹
拌軸にディスクを設けたもの)の撹拌機を一例として挙
げることができる。
【0019】いわゆるピンタイプの撹拌機とは、「図
1」および「図2」にその断面図を模式的に示すよう
に、「図1」は撹拌軸(12)の外周に複数のピン(1
1)が放射状且つ多段に設けられ、軸内部は好ましくは
熱媒循環仕様となっている。円筒型容器の内周には複数
のピン(11)が放射状且つ多段に、外周には加熱仕様
のジャッケット(15)が設けられている。容器内部空
隙(16)にはメジアを充填する重合体溶液供給口と反
対位置にメジア分離機構(ギャップ)(14)があり、
重合体溶液はメジアと分離後排出される。「図2」は
「図1」を横置きとしたタイプでメジア分離部としてス
クリーン(24)を設けたものである。
【0020】いわゆるディスクタイプの撹拌機とは、
「図3」および「図4」にその断面図を模式的に示すよ
うに、「図3」は撹拌軸(32)として円盤上の板(3
1)が多段に組み合わされて成り、円筒型容器(33)
の外周にジャケット(35)を、内部(36)にメジア
を充填したもので、重合体溶液とメジアを分離するため
のギャップ(34)を設けたものである。「図4」は
「図3」を横置きしたタイプでメジア分離部としてスク
リーン(44)を設けたものである。
【0021】円筒型容器内に充填するメジアの形状は特
に限定されるものではなく、重合体や溶液と共に回転し
ながらこれらを混練・混合する機能を有するものであれ
ば十分である。一般的には球状形状のメジアが使用され
るが、それ以外にも、不規則形状のものであっても重合
体溶液との分離などが可能である限り使用することがで
きる。
【0022】メジアの材質としては限定されるものでは
なく、使用する溶剤や重合体に応じてガラス、セラミッ
クス、金属を例示できる。また、撹拌や剪断効果の点か
ら密度が大きい材質をメジアに使用するのが好ましい。
本発明に使用される撹拌機および円筒型容器の材質も、
同様に重合体および溶剤に応じてそれぞれ選定される
が、円筒型容器の内部に充填されたメジアを損なわない
ように材質を選定する必要がある。
【0023】撹拌機の撹拌速度は、特に限定されるもの
ではないが、円筒型容器、撹拌機およびメジアが相互に
損なわれない速度である必要がある。撹拌翼の先端周速
度を3〜20m/sec、特に5〜15m/secとするのが一
般に好ましい。3m/sec以下では、撹拌機によるポリマ
ーの撹拌状態が悪く、また、平均総括伝熱係数が150
〜200kal/m2・hr・degと小さくなり、しかも円筒型容
器の内壁部に重合体が残って重合体の品質およびメジア
ミルを損なう場合が発生することがある。逆に、20m
/sec以上では、メジアの損傷に加え、円筒型容器の内
壁部、撹拌機の摩耗が大きいばかりでなく、損傷したメ
ジアの一部、円筒型容器や撹拌機の摩耗した物質の重合
体溶液への混入が著しく増加し、重合体溶液の品質が低
下する場合がある。
【0024】メジアの寸法は、重合体溶液とメジアの分
離手段に応じて選択されるが、一般的には0.5〜5mm
の直径(または球形以外では代表径)であり、好ましく
は1.5〜3mmの直径である。0.5mm以下ではメジアミ
ル内でポリマーを十分撹拌できず、大きい剪断力が得ら
れないので、高処理量において良好な重合体が得られな
い場合がある。逆に、5mm以上では、円筒型容器や撹拌
機の損傷の増加に加え、円筒型容器内壁部、撹拌機軸外
周部に付着残存するの重合体の量が増加して、重合体品
質の劣化および平均総括伝熱係数が低下する場合があ
る。
【0025】メジアの充填割合は、円筒型容器の空隙容
量に対し、一般的に10〜70容量%、好ましくは30
〜50容量%である。10%以下であれば、重合体溶液
に充分な高剪断が与えられず良好な重合体溶液が得られ
ない場合が多い。逆に、70%以上であれば処理量を多
くできず、経済的に不利である。
【0026】内部メジアミルの具体的な例としては、パ
ールミルSTS(アシザワ、日本)、アジテーターミル
LMJ(NETZSCh、ドイツ)などがある。
【0027】本発明の方法において、重合体と溶剤とを
メジアミルに供給する場合、両者を別々にメジアミルに
直接加えてもよいが、より効率的な重合体溶液の調整の
ためには、両者を予め混合した状態、即ち、少なくとも
重合体が溶剤にある程度分散している状態(予備混合状
態)のものをメジアミルに供給するのが好ましい。
【0028】重合体と溶剤とを予備混合した状態は、メ
ジアミルに供給することができれば特に限定されるもの
ではないが、重合物が溶剤中に分散していれば(より好
ましくは重合物が少なくとも部分的に溶解していれば)
十分である。この予備混合した後の液体部分の粘度は、
好ましくは500poise以下であるのが望ましい。50
0poise以上になると円筒内圧が上昇し、円筒容器の板
厚みのアップ、撹拌所要動力の上昇に加え、円筒型容器
内壁および撹拌軸に重合体の付着残存が観察され、良好
な重合体溶液を調製できなくなり、処理量の低下を余儀
なくされ、経済的に不利となる。
【0029】この予備混合には、一般的に使用される撹
拌機を用いることができ、例えば、遠心撹拌機、ディゾ
ルバー(高速撹拌機)などを使用できる。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法により以下の効果が得られ
る: (1)従来のタンク方式に比べ高温、高剪断で撹拌可能な
ため短時間溶解が可能となり、重合体溶液の熱着色、未
溶解重合体の残存がなくなり、重合体品質が大巾に向上
する。
【0031】(2)特開昭61−143439号公報、特
開平1−234424号公報および特開平1−2344
25号公報に記載の重合体の調製方法に比べ、加熱する
場合にあっては約3倍の総括伝熱係数が得られ、3kg/
cm2G以下の圧力で操作可能である。
【0032】(3)特開昭61−143439号公報、特
開平1−234424号公報および特開平1−2344
25号公報に記載の重合体の調製方法に比べ、メジアミ
ルに供給する予備混合物の液部分の粘度が約500pois
e以下の場合では、撹拌器の単位容量当りで約2〜3倍
の量を処理することができ、良好な重合体溶液が得られ
る。
【0033】(4)従来のタンク方式では高粘度域におい
て、総括伝熱係数の低下により加熱時間に長時間要する
こと、加熱面に於ける重合体付着量の増加により重合体
溶液が着色、劣化する等の問題点があり、特開昭61−
143439公報、特開平1−234424号公報およ
び特開平1−234425号公報に記載の方法では、低
粘度域において重合体溶液中の溶剤がベーパライズする
ことにより、いわゆる素通り現象が起こり、入口側への
重合体溶液の逆流のような問題点があるのに対し、本発
明ではこれらの粘度域においても良好な重合体溶液の調
製が可能である。
【0034】
【実施例および比較例】実施例1 メジアミルを使用して、アクリロニトリル90重量
%、酢酸ビニル10重量%から成る重合体の重合体溶液
を調整した。溶剤としてジメチルホルムアミド(DMF)
を用いた。
【0035】予め10℃に冷却したDMF70重量%お
よび重合体30重量%を遠心型撹拌機に投入して重合体
混合液を調製した。この重合体混合液(液部分の粘度4
5poise)をポンプにて下記に示す条件でメジアミルに連
続的に供給して重合体溶液を調整した。
【0036】メジアミルの円筒型容器(内径27cm)の
容量は23リットルであり、ガラス製メジア(直径2m
m)を円筒型容量の30容量%で充填し、撹拌機として
ピンタイプ型撹拌機(ピンの長さ5cm、一段当たりのピ
ンの数4、ピンの段数6、間隔3cm)を使用した。加熱
媒体として円筒型容器ジャケットに110℃の熱水を1
5m3/hr、撹拌軸に15m3/hrで通して撹拌ピン先端の
周速度を6.4m/secとした。重合体混合液を20℃、
12リットル/minでメジアミルに供給して重合体溶液
を調製した。
【0037】比較例1 実施例1に記載の重合体混合液を調製し、「図5」に
模式的に示すようなジャケット54および撹拌機52を
有する15リットルの円筒型容器に加え、重合体溶液を
調整した。撹拌機は撹拌翼の外周に円筒型容器の壁面の
重合体が掻き取れるようスクレーパー51を取り付けた
もので、スクレーパーの外周速度を6.4m/secとして
運転した。
【0038】加熱媒体として110℃の熱水を15m3
hrで通して重合体溶液を調製した。重合体混合液を20
℃で円筒型容器に12リットルを加え、スクレーパーの
先端の周速度を6.4m/secとして撹拌しながら、容器
のジャケットに110℃の熱水を通した。上記実施例1
および比較例1の結果を以下の「表1」に示す。
【0039】表中、着色度指数とは、波長420nmの光
の透過度で比較したものであり、得られた各重合体溶液
を実施例の透過度(吸光度)を100として比較例/実
施例の比で求めた。
【0040】表中、ゲルの有無は、100ccの重合体溶
液を0.5cm×20cm×20cmの容器に入れ、白色ラン
プを一方より透過させ、目視により、不溶物の数をカウ
ントし、評価した。
【0041】表中、濾過指数とは、焼結金網フィルター
メディア(日本精線株式会社、呼称NF−06)濾過制
度10μm(JIS−B8356の方法)の5cm2を使用
し、重合体溶液を50cc/min.通液し、1kg/cm2G昇
圧する時間を比較例/実施例の比で求めた。
【表1】 滞留時間 平均総括 重合体溶液の評価 (sec) 伝熱係数 溶液の 着色度 ゲルの 濾過指数 (kcal/m2 状態 指数 有無・hr・deg) 実施例1 63 390 透明 100 無し 100 比較例1 63 90 塊有 − − 1500 120 110 塊少し有 − − 500 240 115 透明 180 無し 250
【0042】実施例2 アクリロニトリル50重量%、塩化ビニル48重量
%、スチレンスルホン酸ナトリウム2重量%からなる重
合体の重合体溶液を実施例1のメジアミルを使用して調
製した。溶剤としてはアセトンを用い、予め15℃に冷
却したアセトン65重量%および重合体35重量%を遠
心型撹拌機に投入して重合体混合液を調製した。
【0043】実施例1と同様の条件でこの重合体混合液
(液部分の粘度0.5poise)をポンプにてメジアミルに2
5℃、12リットル/minで供給して重合体溶液を調整
した。
【0044】比較例2 実施例2に記載の重合体混合液を調製し、「図6」に
模式的に示す噛合型2軸押出機を使って重合体溶液を調
製した。この噛合型2軸押出機は、東芝機械株式会社製
のTEM35型で、6ユニットの混練部63、1ユニッ
トの押出部64を接続したものを使用した。加熱媒体と
しては、混練部ユニット本体にジャケットを設け、11
0℃の熱水を混練部の第1ユニットから第2ユニット
へ、第2ユニットから第3ユニットへと順に第6ユニッ
トまで熱水15m3/hrで流した。上記実施例2および比
較例2の結果を「表2」に示す。
【0045】
【表2】 滞留時間 平均総括 重合体溶液の評価 (sec) 伝熱係数 溶液の 着色度 ゲルの 濾過指数 (kcal/m2 状態 指数 有無・hr・deg) 実施例2 63 400 透明 100 無し 100 比較例2 63 110 白色塊有 − − − 120 90 透明 130 無し 110
【0046】実施例3 アクリロニトリル50重量%、塩化ビニル29重量
%、塩化ビニリデン20重量%およびスチレンスルホン
酸ナトリウム1重量%から成る重合体の溶液を調製し
た。溶剤としてはアセトンを用い、予め15℃に冷却し
たアセトン50重量%および重合体50重量%を遠心型
撹拌機に投入して重合体混合液を調製した。
【0047】実施例1と同じ条件で、この重合体混合液
(液部分の粘度4poise)をポンプにてメジアミルに20
℃、10リットル/minで供給して重合体溶液を調製し
た。
【0048】比較例3および比較例4 実施例3の重合体混合液を比較例1と同様の方法(比
較例3)で、また、比較例2と同様の方法(比較例4)で
重合体溶液を調整した。上記実施例3、比較例3および
比較例4の結果を「表3」に示す。
【0049】
【表3】 滞留時間 平均総括 重合体溶液の評価 (sec) 伝熱係数 溶液の 着色度 ゲルの 濾過指数 (kcal/m2 状態 指数 有無・hr・deg) 実施例3 75 385 透明 100 無し 100 比較例3 75 75 白色塊有 − − −比較例4 75 115 透明 140 無し 130
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法に使用できるピンタイプのメジ
アミルの模式図である。
【図2】 本発明の方法に使用できるピンタイプのメジ
アミルの別の態様の模式図である。
【図3】 本発明の方法に使用であるディスクタイプの
メジアミルの模式図である。
【図4】 本発明の方法に使用であるディスクタイプの
メジアミルの模式図である。
【図5】 従来の方法に使用する撹拌器の模式図であ
る。
【図6】 従来の方法に使用する噛合押出器の模式図で
ある。
【符号の説明】
11…ピン、12…撹拌軸、13…円筒型容器、14…
ギャップ部、15…ジャケット、16…ビーズ充填部、
21…ピン、22…撹拌軸、23…円筒型容器、24…
スクリーン、25…ジャケット、26…ビーズ充填部、
31…ディスク、32…撹拌軸、33…円筒型容器、3
4…ギャップ部、35…ジャケット、36…ビーズ充填
部、41…ディスク、42…撹拌軸、43…円筒型容
器、44…スクリーン、45…ジャケット、46…ビー
ズ充填部、51…スクレーパー、52…撹拌軸、53…
タンク、54…ジャケット、61,62…重合体供給
部、63…混練部、64…押出部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル系重合体をその溶剤に
    溶解して重合体溶液を調製するに際し、メジアミル(媒
    体分散機)を使用して重合体を溶剤に溶解することを特
    徴とする重合体溶液の調製方法。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリル系重合体の単量体組成
    は、アクリロニトリル80重量%以上およびこれと共重
    合可能な不飽和単量体0〜20重量%である請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 アクリロニトリル系重合体の単量体組成
    は、アクリロニトリル25〜80重量%、ハロゲン含有
    不飽和単量体75〜30重量%およびこれらと共重合可
    能な不飽和単量体0〜10重量%から成る請求項1記載
    の方法。
JP16159291A 1991-07-02 1991-07-02 重合体溶液の調製方法 Pending JPH058219A (ja)

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