JPH0582161U - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JPH0582161U
JPH0582161U JP2996792U JP2996792U JPH0582161U JP H0582161 U JPH0582161 U JP H0582161U JP 2996792 U JP2996792 U JP 2996792U JP 2996792 U JP2996792 U JP 2996792U JP H0582161 U JPH0582161 U JP H0582161U
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達也 吉田
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雅実 白井
栄一 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 内部の配線回しを簡略化した状態で行う事の
出来る電子写真装置を提供する。 【構成】 上面が部分的に開放されたアッパーハウジン
グ34と、このアッパーハウジングに回動自在に取り付
けられ、これの開口を開放可能に閉塞するコントロール
パネル20と、メインプレート12上に配設され、電子
写真法を利用して用紙上に画像を形成する画像形成手段
と、揺動フレーム16に取り付けられ、原稿の画像を読
み取る画像読み取り手段18と、ロアーハウジング30
に囲まれた空間内に配設され、全体制御を司る全体制御
回路と、メインプレート12の上方に配設され、画像形
成手段が第1の接続ライン147a群を介して接続さ
れ、また、画像読み取り手段18が第2の接続ライン1
47b群を介して接続される中継回路とを具備し、この
中継回路と全体制御回路とは第3の接続ライン147c
群を介して互いに接続される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、電子写真法を利用した画像形成手段を有する電子写真装置に関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真装置は、用紙上に画像を形成させる画像形成機構と原稿の 画像を読み取る画像読み取り機構とを備えており、これら画像形成機構と画像読 み取り機構とは、全体制御回路により夫々制御される様になされている。この全 体制御回路による制御の為、画像形成機構は第1の接続ライン群を介して、また 、画像読み取り機構は第2の接続ライン群を介して、全体制御回路に接続されて いる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ここで、このような従来の電子写真装置において、エンクロジャー内をメイン プレートにより上下2分割とし、このメインプレートよりも上方部分に機構部と しての画像形成機構及び画像読み取り機構を配設し、下方部分に制御系を配設す る事が考えられる。
【0004】 しかしながら、この様に機構部と制御系とをメインプレートを介して上下に分 離した状態で配設すると、確かに、レイアウト効率は向上するものの、機構部と 制御系とを接続する接続ライン群は多岐にわたるものであり、これら多数の接続 ライン群の配線回しが、メインプレートが邪魔となり、うまく配線することが出 来ずに、改善が要望されていた。
【0005】 特に、画像形成機構や画像読み取り機構との接続ライン群の接続線の数は多数 に渡るものであり、これらがメインプレートを貫通した状態で制御系に接続され る様にすると、これら多数の接続線をメインプレートに形成された透孔を挿通さ せなければならず、作業性の観点からも改善が要望されていた。
【0006】 この考案は、上述した事情に鑑みてなされたもので、この考案の目的は、内部 の配線回しを簡略化した状態で行う事の出来る電子写真装置を提供する事である 。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
上述した課題を解決し、目的を達成する為、この考案に係わる電子写真装置は 、メインプレートと、このメインプレートの下面に取り付けられたロアーハウジ ングと、前記メインプレートの上面に取り付けられ、上面が略全面に渡り開放さ れたミドルハウジングと、前記メインプレートの上面に回動自在に取り付けられ た揺動フレームと、この揺動フレームに取り付けられ、前記ミドルハウジングの 上面開口を開放可能に閉塞すると共に、上面が部分的に開放されたアッパーハウ ジングと、このアッパーハウジングに回動自在に取り付けられ、これの開口を開 放可能に閉塞するコントロールパネルと、前記メインプレート上に配設され、電 子写真法を利用して用紙上に画像を形成する画像形成手段と、前記揺動フレーム に取り付けられ、原稿の画像を読み取る画像読み取り手段と、前記ロアーハウジ ングに囲まれた空間内に配設され、全体制御を司る全体制御回路と、前記メイン プレートの上方に配設され、前記画像形成手段が第1の接続ライン群を介して接 続され、また、前記画像読み取り手段が第2の接続ライン群を介して接続される 中継回路とを具備し、この中継回路と前記全体制御回路とは第3の接続ライン群 を介して互いに接続される事を特徴としている。
【0008】 また、この考案に係わる電子写真装置において、前記第3の接続ライン群は、 前記メインプレートを迂回した状態で配設される事を特徴としている。
【0009】 また、この考案に係わる電子写真装置において、前記ロアーハウジングの外面 には、外部と通信ラインにより接続されるコネクタが取り付けられ、前記ロアー ハウジングに囲まれた空間内には、通信制御回路が配設される事を特徴としてい る。
【0010】 また、この考案に係わる電子写真装置において、前記通信制御回路を介して入 力された画像信号は、前記ロアーハウジング内に配設された第4の接続ライン群 を介して、前記全体制御回路に接続され、前記画像形成手段は、この通信制御回 路を介して入力された画像信号を用紙上に画像形成する事を特徴としている。
【0011】
【実施例】
以下に、この考案に係わる電子写真装置の一実施例の構成を、ファクシミリ装 置に適用した場合につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】 [全体構成の説明] この一実施例のファクシミリ装置10は、図1に示す様に、複数枚を一度にセ ットされた送信原稿の画像情報を一枚づつ自動的に読み取り、読み取った画像情 報を電話回線を用いて相手受信側のファクシミリ装置に送信し、また、相手送信 側のファクシミリ装置から送信されてきた画像情報を、レーザスキャニング方式 を用いた電子写真法を介して、内蔵する用紙(この一実施例では、カットされた 普通紙)に転写(画像形成)することができる様に構成されている。一方、この ファクシミリ装置10は、原稿から読み取った画像情報を、内蔵する用紙に複写 (画像形成)する事のできる所謂電子複写機能を有する様に構成されている。更 に、このファクシミリ装置10は、電話回線以外の接続ラインを介して例えば情 報処理装置から送信されてきた画像情報を内蔵する用紙に転写(画像形成)する 事の出来る所謂プリンタ機能を有する様にも構成されている。
【0013】 このファクシミリ装置10は、これの載置面に対して実質的に平行に配設され たメインプレート12と、このメインプレート12の上面上に装着され、上述し た画像形成機能を担うプリント機構14と、このメインプレート12の後端に回 動自在に軸支され、メインプレート12に対して揺動可能な揺動フレーム16と 、この揺動フレーム16の上面上に配設され、上述した画像読み取り機能を担う 画像読み取り機構18と、この揺動フレーム16の中間部に後端を回動自在に軸 支され、メイン揺動フレーム16に対して揺動可能なコントロールパネル20と 、上述したメインプレート12の下面の左右両側に固定され、夫々前後方向に沿 って延出するロアーフレーム22a,22bと、両ロアーフレーム22a,22 bに挟まれる空間内に配置されると共にメインプレート12の下面に取り付けら れ、プリント機構14における感光ドラム(後述する)の外周面上への潜像形成 機能を担うレーザスキャニングユニット24と、上述した各ロアーフレーム22 a,22bの下面の前後両端に夫々固定され、図示しない載置面上に載置される 4つの脚部26とを概略備えている。
【0014】 [エンクロジャー28の説明] また、このファクシミリ装置10は、図2及び図3に示す様に、その外面を全 面的に規定するエンクロジャー28を備えている。この一実施例においては、こ のエンクロジャー28は、ロアーフレーム22a,22bにより挟まれる空間の 周囲(即ち、メインプレート12よりも下方部分)を取り囲む様に配設され、メ インプレート12の下方に配設されたロアーハウジング30と、このロアーハウ ジング30の直上方に連続的に配設されると共に、プリント機構14回りを取り 囲む様に配設され、メインプレート12の上方に配設されたミドルハウジング( プリンタハウジング)32と、このプリンタハウジング32の直上方に連続的に 配設され、これの上部開口を開放可能に閉塞する様に、揺動フレーム16部に固 着されたアッパ−ハウジング34とから3分割された状態で構成されている。尚 、上述したコントロールパネル20は、アッパーハウジング34の前部に形成さ れた前部開口を開放可能に閉塞する様に、この前部開口の後端縁において揺動自 在に軸支されている。
【0015】 このように、ファクシミリ装置10の外面を規定するエンクロジャー28をロ アーハウジング30、プリンタハウジング32、及びアッパハウジング34とか らなる3分割構造とした為、内部構造を全て組み上げた後において、この内部構 造とは無関係な状態でエンクロジャー28を組み立てることができ、このファク シミリ装置10の組立の作業性を向上させることができることになる。 尚、上述した脚部26は、図4に示す様に、ファクシミリ装置10の略矩形状 を呈する底面の4隅に位置して配設されており、図5及び図6に示す様に、夫々 ロアーフレーム22a,22bの下面に固着されている。即ち、このファクシミ リ装置10においては、これの組み立て途中において、エンクロジャー28(特 に、ロアーハウジング30)が組み付けられていない状態においても、メインプ レート12はこれの下部に取り付けられたロアーフレーム22a,22bの下面 に固着された脚部26を介して、図示しない組立台上に安定した状態で載置され ることとなる。
【0016】 また、これらロアーフレーム22a,22bにロアーハウジング30が取り付 けられた状態で、図4及び図6に示す様に、各脚部26は各々に対応した状態で ロアーハウジング30に形成されたバカ穴からなる透孔30aを挿通して下方に 取り出される様に構成されている。この結果、このファクシミリ装置10を組立 台上に載置した状態で、その重量は基本的にロアーフレーム22a,22bを介 してメインプレート12で受け止められて、ロアーハウジング30を始めとする エンクロジャー28には何ら作用しないこととなる。従って、このエンクロジャ ー28には無用な荷重(自重)が作用しなくなり、この荷重を受けることによる 変形の虞がなくなると共に、薄肉化が達成され、全体重量の軽減化を図ることが 出来ることになる。
【0017】 特に、詳細は後述するが、レーザスキャニングユニット24は、図5に示す様 にメインプレート12の下面配設状態を示す様に、メインプレート12の下面に 取り付けられる様に設定されている。尚、図6に示す様に、このレーザスキャニ ングユニット24はその一部(具体的には、後述する感光ドラムへの画像露光用 のレーザ光の取り出し口)をメインプレート12の上面側に突出する様に設定さ れている。ここで、仮に、ロアーハウジング30の下面に脚部26を取り付け、 この脚部26を介してロアーハウジング30で荷重を受ける様に構成すると、こ のロアーハウジング30を予め組み付けない限りレザースキャニングユニット2 4を組み付けることが困難となり、作業順序に多大な制約が加えられ、作業性が 極めて悪化することとなる。しかしながら、この一実施例においては、ロアーハ ウジング30とは無関係な状態で、荷重を受ける為の脚部26をロアーフレーム 22a,22bに固着しているので、レザースキャニングユニット24は、メイ ンプレート12にロアーフレーム22a,22bを組み付けた後であれば、いつ でもメインプレート12の下面に組み付けることが可能となり、作業性における 自由度が増し、作業性の向上を図ることが出来ることとなる。
【0018】 一方、上述したアッパーハウジング34の後部中央には、図2及び図3に示す 様に、給紙カセット36が挿通されると共に、転写紙の取り込み口を兼ねる給紙 カセット取り付け口34aが、また、この取り付け口34aの直前方には、送信 原稿が取り込まれる原稿取り込み口34bが夫々形成されている。この給紙カセ ット36は、その説明を省略するが、内部に所定サイズの多数枚の用紙が一括し て収納されるように構成されている。更に、プリンタハウジング32の前面には 、下方に位置した状態で、下面に画像情報を転写された用紙が排出される用紙排 出口32aが形成され、この用紙排出口32aの上方には、読み取り動作終了後 の送信原稿が排出される原稿排出口32bが形成されている。また、図1及び図 2に示す様に、ロアーハウジング30の前面には、用紙排出口32aから排出さ れてきた用紙を受けると共に、原稿排出口32bから排出されてきた送信原稿を 受ける為の排紙トレイ38が着脱自在に取り付けられている。一方、上述した原 稿取り込み口34bには、図2に示す様に、送信される原稿のサイズに応じて一 対のガイド部40a,40bが送信原稿の幅方向に沿って移動自在に設けられた 原稿トレイ40が着脱自在に取り付けられている。
【0019】 上述したコントロールパネル20の上面には、種々の操作ボタン20aが配設 されると共に、所定の情報を操作者に表示する為の液晶表示装置を備えた表示ウ インドウ20bが配設されている。ここで、このコントロールパネル20の前面 の右側にはアッパーハウジング開放ボタン42が配設されている。このアッパー ハウジング開放ボタン42は、揺動フレーム16に回動自在に取り付けられてお り、これを押し上げる様に回動させる事により、揺動フレーム16のメインプレ ート12への閉塞状態のロックを解除され、図7に示す様に、揺動フレーム16 とこれに取り付けられたアッパーハウジング34とは共に上方に回動することが できる事になる。これにより、プリンタハウジング32の上部開口、即ち、プリ ント機構14の上面は、略全面に渡り開放され、搬送途中にジャムした用紙の除 去動作や、プリント機構14を構成する各機構部のメンテナンス等を容易に行う ことができることになる。
【0020】 一方、このアッパーハウジング開放ボタン42の直左方には、これに隣接して 、コントロールパネル開放ボタン44が配設されている。このコントロールパネ ル開放ボタン44は、コントロールパネル20に回動自在に取り付けられており 、これを押し下げる様に回動させる事により、コントロールパネル20の揺動フ レーム16への閉塞状態のロックを解除され、図8に示す様に、コントロールパ ネル20は上方に回動することができる事になる。これにより、アッパーハウジ ング34の前部開口、即ち、画像読み取り機構18の上面は、略全面に渡り開放 され、搬送途中でジャムした原稿の除去動作や、画像読み取り機構18を構成す る各機構部のメンテナンス等を容易に行うことができることになる。 また、上述したロアーハウジング30の前面には、図9に示す様に、ロアーハ ウジング30により囲まれる下部空間の中で前方内部空間に連通する前部開口3 0bが形成されている。この前部開口30bは、前部目隠し蓋30c(図7に示 す)により開放可能に閉塞されている。尚、この前方内部空間内には、後に詳細 に説明するが、世界各国毎の規格に合わせて、例えば、直流抵抗値や静電容量等 を変更調整する為の調整回路と共に外部との通信を制御する為の通信制御回路と が実装された調整基板46が収納されている。そして、前部目隠し蓋30cを取 り外すことにより、この調整基板46において調整回路での直流抵抗値や静電容 量等をこれから出荷しようとする国の規格に合わせて調整設定することが出来る 様になされている。尚、この調整基板46における通信制御回路は、図3及び図 8に示す様に、ロアーハウジング30の左側面に配設されたコネクタ31と図示 しない接続ラインを介して電気的に接続されており、このコネクタ31には、図 示しない電話回線が着脱自在に接続される様になされている。
【0021】 一方、このロアーハウジング30の後面には、図3に示す様に、上述した下部 空間の中で後方内部空間に連通する後部開口30dが形成されている。この後部 開口30dは、後部目隠し蓋30eにより開放可能に閉塞されている。また、こ の後方内部空間内には、図6に示す様に、左右一対の基板ガイドレール48,5 0がロアーフレーム22a,22bの下面に夫々前後方向に沿って延出した状態 で互いに平行に取り付けられた状態で配設されている。この一対の基板ガイドレ ール48,50の互いに対向する内面には、ガイド溝48a,50aが形成され ている。
【0022】 これらガイド溝48a,50aに両端縁を摺動自在にガイドされた状態で、こ のファクシミリ装置10の全体制御を司る全体制御回路と、上述したプリント機 構14の制御を司るプリント制御部と、上述した画像読み取り機構18の制御を 司る読み取り制御部とが実装されたメイン制御基板52が支持されている。そし て、この後部目隠し蓋30eを取り外すことにより、後部開口30dを介してメ イン制御基板52をエンクロジャー28外に取り出すことが出来、このようにし て、メイン制御基板52を必要に応じて極めて容易に取り替えることが出来るこ とになる。
【0023】 尚、このロアーハウジング30の底部には、図4にその底面形状を示す様に、 丁度レーザスキャニングユニット24よりも一回り大きく形成された底部開口3 0fが形成されており、この底部開口30fは、図示しない底部目隠し蓋により 開放可能に閉塞されている。そして、この底部目隠し蓋を取り外すことにより、 レーザスキャニングユニット24は、この底部開口30fを介して、上述した下 部空間内に容易に出し入れすることが出来ることになる。換言すれば、このファ クシミリ装置10の組み立て途中において、例えば、この中途組体を横倒し状態 とすることにより、このレーザスキャニングユニット24をロアーハウジング3 0の組み付け後であっても、容易にメインプレート12の下面に組み付けること が出来ることになるし、更には、このレーザスキャニングユニット24の万一の 故障の際における交換時においても、ロアーハウジング30を取り外すことなく 、単に、底部目隠し蓋30gを取り外すのみで、この交換動作を実施することが 出来、レーザスキャニングユニット24の組み付け作業性の向上と共に、これの 交換作業性をも向上させることが出来るものである。
【0024】 [原稿トレイの説明] 次に、図10乃至図18を参照して、上述した原稿トレイ40の構成、及び、 プリンタハウジング32における原稿トレイ40の受け構造を詳細に説明する。 先ず、この原稿トレイ40は、図10に部分的に拡大した状態でに示す様に、 原稿が載置される平板状の原稿載置台54を備え、この原稿載置台54上に、上 述した左右一対のガイド部40a,40bが幅方向に沿って移動可能に取り付け られている。この原稿載置台54の前部の左右両端には、この原稿トレイ40を 所定角度傾斜した状態でアッパーハウジング34上に支持させる為の傾斜ボス部 56,58が一体的に形成されている。ここで、各傾斜ボス部56,58は、図 11及び図12に示す様に、原稿載置台54の延出面(即ち、原稿載置面)に対 して所定角度だけ傾斜した支持面56a,58aを下面の後半部分に有し、各支 持面56a,58aがアッパーハウジング34の上面に密着して当接することに より、原稿載置台54はアッパーハウジング34の上面に対して所定角度だけ傾 斜した状態で支持されることになる。
【0025】 また、各傾斜ボス部56,58の下面の前半部分には、下方に向けて突出する 突出ボス部60,62が夫々一体的に形成されている。各突出ボス部60,62 の下面には、原稿載置台54の延出面(原稿載置面)と略平行に延出すると共に 、上述した支持面56a,58aよりも下方に向けて突出した突出面60a,6 2aが各々形成されている。そして、各突出ボス部60,62の下端には、幅方 向に沿って、即ち、対応する突出ボス部60,62の左右の両側面から夫々外方 に向けて突出する係止ピン60b,62bが一体的に取り付けられている。
【0026】 一方、図12に示す様に、この原稿トレイ40が取り付けられるアッパーハウ ジング34の上面には、原稿トレイ40を受ける為のトレイ受け台35が一体的 に取り付けられている。このトレイ受け台35の上面には、左右一対の係止ピン 60b,62bが上方から挿通される挿通穴35a,35bが形成されている。 また、各挿通穴35a,35bの直前方に位置するトレイ受け台35の部分には 、対応する挿通穴35a,35bに各々連続した状態で、対応する突出ボス部6 0,62が嵌入される嵌入穴35c,35dが形成されている。ここで、各嵌入 穴35c,35dは、ここに嵌入された突出ボス部60,62の前面60c,6 2cの前方に所定の空間が形成されるに充分な大きさに設定されている。また、 各嵌入穴35c,35dの両側縁を規定する部位の下面には、下方から対応する 係止ピン60b,62bを回動自在に受ける為の断面半円状の凹部35e,35 fが形成されている。
【0027】 このように原稿トレイ40及びこれが取り付けられるトレイ受け台35は構成 されているので、この原稿トレイ40をトレイ受け台35に取り付けるに際して は、先ず、図13に示す様に、原稿トレイ40を略起立状態になし、この状態か ら図14に示す様に、各係止ピン60b,62bを対応する挿通穴35a,35 bを下方に向けて挿通させると共に、各突出ボス部60,62を対応する嵌入穴 35c,35dに嵌入させる。このようにして、各係止ピン60b,62bがア ッパーハウジング34の下面より下方に取り出される様にする。
【0028】 この後、各傾斜ボス部56,58の支持面56a,58aと各突出ボス部60 ,62の各突出面60a,62aとの交差する部位を、対応する挿通穴35a, 35bの後端上縁に当て付けた状態で、図15に示す様に、原稿トレイ40を全 体的に図中反時計方向回りに回動させることにより、図12に示す様に、各係止 ピン60b,62bは対応する凹部35e,35fに下方から入り込み、各々に 回動自在な状態で受けられることになると共に、各支持面56a,58aがアッ パーハウジング34の上面に密着して当接する。このようにして、原稿トレイ4 0はトレイ受け台35の上面に取り付けられることになる。
【0029】 尚、この原稿トレイ40をトレイ受け台35から取り外す際には、上述した取 り付け動作とは全く逆の手順を行えば良く、このようにして、極めて簡単に原稿 トレイ40はアッパーハウジング34に対して着脱することが出来ると共に、取 り付け状態においては、その姿勢を安定した状態で、確実に維持することが出来 ることになる。即ち、この原稿トレイ40は、アッパーハウジング34への取り 付け状態において、各支持面56a,58aがトレイ受け台35の上面に密着し て当接しているので、後方への(即ち、図中反時計方向に沿う)回動を禁止され 、その取り付け姿勢を保持される事になる。一方、突出ボス部60,62の前面 60c,62cの前方に所定の空間が形成される様に、各嵌入穴35c,35d の大きさは設定されているので、原稿トレイ40は、前方への(即ち、図中時計 方向に沿う)回動は許容されることとなる。
【0030】 一方、図16に示す様に、アッパーハウジング34が下げられて、プリンタハ ウジング32の上面がこのアッパーハウジング34により完全に閉塞された状態 において、このアッパーハウジング34に取り付けられた原稿トレイ40と、メ インプレート12に固定されたプリント機構14に取り付けられた給紙カセット 36とは、互いに略平行に配設されている。そして、上述した記載から明らかな 様に、原稿トレイ40はアッパーハウジング34に取り付けられ、給紙カセット 36はプリント機構14に取り付けられているので、例えば、プリント機構14 のメンテナンス時においてアッパーハウジング34を揺動フレーム16の回動動 作に伴い上方に向けて開放しようとする際に、この開放動作に伴い原稿トレイ4 0も一体的に回動することになるが、給紙カセット36はその位置に留まる事に なる。この結果、図17に示す半開時において、原稿トレイ40の後端は給紙カ セット36の上面に干渉して、これに当接することになる。
【0031】 しかしながら、この一実施例においては、上述した様に、原稿トレイ40は、 アッパーハウジング34に対して、取り付け状態から図中時計方向に沿う回動を 許容されているので、図18に示す状態からのアッパーハウジング34の更なる 開放動作に伴い、原稿トレイ40の後端は給紙カセット36の上面に滑る様にな ぞりつつ、アッパーハウジング34に対して図中時計方向に沿って回動すること となる。このようにして、原稿トレイ40はアッパーハウジング34の開放動作 に従動する状態で時計方向に沿って回動させられることになるので、例え、原稿 トレイ40の後端がアッパーハウジング34の開放動作の途中において給紙カセ ット36の上面に当接したとしても、この原稿トレイ40が損なわれる虞も無い し、また、アッパーハウジング34の開放動作が邪魔される虞も無いものである 。
【0032】 一方、上述した様に、ロアーハウジング30の下方空間の中の前部空間内には 、図19に示す調整基板46が収容されている。この調整基板46の上述した前 部開口30bに対向する前方端縁には、多数のジャンパ端子64a,64b…が 立設されている。各ジャンパ端子64a,64b…は、図20に示す様に、互い に近接された状態で、離間配置された一対の接続端子65a,65bから構成さ れている。そして、連結部材66を介して任意のジャンパ端子64a,64b… の互いの接続端子65a,65bを電気的に接続される事により、即ち、ショー トする事により、対応する回路においてそのジャンパ端子64a,64b…の電 気的状態が「0」状態に規定される。一方、任意のジャンパ端子64a,64b …の互いの接続端子65a,65bが電気的に接続されていない状態で、対応す る回路においてそのジャンパ端子64a,64b…の電気的状態が「1」状態に 規定される。
【0033】 一方、この調整基板46においては、図20に示す様に、所定のジャンパ端子 64a,64b…を、連結部材66を介して所定の組み合わせでショートさせる 事により、このファクシミリ装置10をこれから出荷しようとする世界各国の仕 様に合わせた直流抵抗値や静電容量等の規格に調整変更させる事が可能となる。 即ち、この一実施例においては、上述した説明から明らかな様に、世界各国の仕 様に電気的規格を夫々調整変更させる為には、単に、前部目隠し蓋30cを取り 外し、前部開口30bを開放させる事により、調整基板46の前端縁をアクセス 可能な状態となし、この前部開口30bを介して、夫々の国の仕様に合わせて連 結部材66を対応するジャンパ端子64a,64b…に取り付ける事により、こ のファクシミリ装置10をその国の仕様に合わせた電気的規格になる様に、調整 変更する事が可能となる。
【0034】 この結果、このファクシミリ装置10を製造するメーカにおいては、世界各国 に規格を考慮した製造ラインを設定する必要がなく、一律の製造ラインを組むこ とが出来、製造効率が極めて向上する事となる。従って、世界各国毎の電気的規 格を管理する必要がなくなると共に、国別の出荷台数に応じた各国毎の電気部品 の在庫管理も不必要となり、生産性の向上をも図ることが出来る事になる。
【0035】 一方、このファクシミリ装置10の供給を受けた国において、その国に特有の 規格に合わせた状態で、所定のジャンパ端子64a,64b…が連結部材66に よりショートさせられる事になるが、この連結部材66の取り付け動作は、単に 、前部目隠し蓋30cを取り外す事で可能となり、例えば、ロアーハウジング3 0を取り外す必要も、また、この調整基板46自身をエンクロジャー28から取 り外す事も必要で無いものである。このようにして、この変更調整動作は、単に 前部目隠し蓋30cを取り外し、所定のジャンパ端子64a,64b…に連結部 材66を取り付けるという極めて簡単な作業で済み、この作業生の向上を図るこ とが出来る効果を奏することが出来るものである。
【0036】 [揺動フレーム16の構造の説明] 次に、図21を参照して、揺動フレーム16の構造について詳細に説明する。 この揺動フレーム16は、図示する様に、互いに起立した状態で平行に配設さ れた側板68a,68bと、横方向に沿って延出し、両側板68a,68bの前 端を互いに連結する中実の前方連結シャフト70と、この前方連結シャフト70 と略平行に配設され、両側板68a,68bの後端を互いに連結し、揺動支軸と して機能する中実の後方連結シャフト72と、両側板68a,68bの前方部分 を互いに連結する様に配設された前後一対の平板状の取り付け台74a,74b とから概略構成されている。ここで、揺動支軸72は、詳細は後述するが、メイ ンプレート12の後部における左右両端に起立した状態で固定された揺動支持ブ ラケット76a,76bにより回動自在に軸支されている。
【0037】 一方、上述した前方連結シャフト70の左右両端には、係止フック78a,7 8bがこれの長手軸線回りに互いに一体回転する様に連結された状態で回動自在 に取り付けられている。各係止フック78a,78bは、下端面が後方に向かう につれてメインプレート12の上面から離れる方向に傾斜させられた傾斜面から 構成され、且つ、その後端が、後述する係止ピン80a,80bに夫々係止可能 な様に、後方に向けて所定量だけ突出する様に形成されている。また、各係止フ ック78a,78bは、図示しないトーションコイルスプリングにより、各々図 中時計方向に沿って回動偏位する様に弾性的に付勢されており、図示しないスト ッパに各々当接することにより、その停止位置に弾性的に保持されている。
【0038】 尚、各係止フック78a,78bは、上述した停止位置に弾性的に保持された 状態で、開放状態から揺動フレーム16が下方に向けて回動される事により、各 々の傾斜面がメインプレート12に取り付けられた対応する係止ピン80a,8 0bに上方から係合し、その傾斜に従って、トーションコイルスプリングの付勢 力に抗して図中反時計方向に沿って強制的に回動する様になされている。一方、 この揺動フレーム16を更に下方に向けて回動させて、各係止フック78a,7 8bを更に反時計方向に回動偏位させると、各傾斜面と対応する係止ピン80a ,80bとの係合が各々の傾斜面の後端で解除されることとなり、この解除され た時点で、対応するトーションコイルスプリングの付勢力により今までとは反対 に図中時計方向に回動偏倚され、この結果、各係止フック78a,78bの上面 が対応する係止ピン80a,80bの下方に入り込み、このようにして、揺動フ レーム16は閉塞位置にロックされる事になる。
【0039】 一方、各係止フック78a,78bは、上述したアッパーハウジング開放ボタ ン42に連結されており、これを押し上げる事により、各係止フック78a,7 8bはトーションコイルスプリングの付勢力に抗して図中反時計方向に強制的に 回動され、このようにして、対応する係止ピン80a,80bとのロック状態を 強制的に解除される様になされている。尚、各係止ピン80a,80bは、メイ ンプレート12の上面の前方部位の左右両端に固定された取り付けブラケット8 2a,82bに、互いに横方向に沿って整合された状態で、且つ、メインプレー ト12の上面に対して略平行になる様に強固に取り付け支持されている。
【0040】 このように、この揺動フレーム16は、平面略矩形状を呈した状態で、その剛 性を高められた構成を採用されていると共に、これを幅方向に沿って貫通した状 態で取り付けられた後方連結シャフト72を揺動支軸として用いている。この結 果、前後一対の取り付け台74a,74bに、送信原稿の画像を読み取る為の画 像読み取り機構16が取り付けられる事になるが、例え、この揺動フレーム16 が揺動支軸72の軸線回りに繰り返し揺動駆動されたとしても、これは捻じれる ことなく、メインプレート12に対する閉塞状態における姿勢を常に一定に保持 することが出来ることになる。特に、詳細は後述するが、画像読み取り機構16 が取り付けられる前後一対の取り付け台74a,74bの下面が、プリント機構 14における用紙搬送経路の上面を規定する様に設定されており、上述した様に 揺動フレーム16の歪みが確実に抑制される事から、この用紙搬送経路も所定の 精度で良好に、且つ、正確に規定される事になる。
【0041】 一方、この揺動フレーム16の開放動作に伴い、アッパーハウジング34が開 放駆動される事になるが、上述した説明から明らかな様に、このアッパーハウジ ング34の開放動作に際して、これ自身に何ら回動駆動力が作用する事がない様 になされている。この結果、アッパーハウジング34の開放動作に伴いこれが歪 む事が効果的に抑制され、この為、このアッパーハウジング34を薄肉に形成す る事が可能となり、従って、全体重量の軽量化を図ることが出来る事になる。 尚、図示する様に、この揺動フレーム16により囲まれる空間であって、前後 一対の取り付け台74a,74bよりも後方に位置する空間部分には、前述した 給紙カセット36の前端が取り入れられる空間が規定される様に設定されている 。
【0042】 [揺動フレーム16の揺動支持構造の説明] 次に、図22乃至図25を参照して、揺動フレーム16の揺動支持構造につい て詳細に説明する。 先ず、揺動支軸としての後方連結シャフト72の両端が、対応する揺動支持ブ ラケット76a,76bにより夫々回動自在に軸支されている態様を説明する。 図22に示す様に、揺動支軸72の右端は、対応する右側揺動支持ブラケット7 6bを貫通し、対応する右側板68bにおいて終端する様に設定されている。一 方、揺動支軸72の左端は、対応する左側揺動支持ブラケット76aを貫通し、 更に、対応する左側板68aを外方に向けて突出し、この左側板68aの外面か ら所定突出量だけ突出した状態で終端している。そして、この揺動支軸72の突 出した左端72aには、後に詳細に説明するが、アッパーハウジング34を任意 の開放位置で停止させることが出来る様にする為にダンパー84がメインプレー ト12との間に介設されている。
【0043】 一方、揺動支軸72の左右の各端部には(尚、左端においては、突出端部72 aを除く端部)、図22及び図23に示す様に、連結ブッシュ86a,86bが 各々嵌入されている。各連結ブッシュ86a,86bは、揺動支軸72の外周に 直接嵌入される中空円筒状のスリーブ86a1,86b1と、各スリーブ86a 1,86b1の外方端に一体的に形成された外方フランジ86a2,86b2と から構成されている。各スリーブ86a1,86b1と揺動支軸72との間は、 両者を半径方向に沿って貫通して取り付けられたスプリングピン88a,88b により、各々、互いに一体回転する様に連結されている。そして、図25に示す 様に、各スリーブ86a1,86b1の外周面は、各揺動支持台76a,76b の対応する起立片に厚さ方向に貫通した状態で形成された支持穴90a,90b の内周面に摺動自在に支持されている。
【0044】 また、各スリーブ86a1,86b1の対応する支持穴90a,90bよりも 各々直外方に位置する部分には、図24に示す様に、互いに平行な一対の平坦部 86a3,86b3が形成されている。一方、左右の各側板68a,68bには 、この様な一対の平坦部86a3,86b3を有するスリーブ86a1,86b 1の部分が各々相補的に嵌入される様に設定され、厚さ方向に沿って貫通した状 態で取り付け穴92a,92bが各々形成されている。この様に一対の平坦部8 6a3,86b3を有するスリーブ86a1,86b1の部分が相補的に取り付 け穴92a,92bに嵌入される事により、連結ブッシュ86a,86bは、夫 々、対応する左右の側板68a,68bと一体的に回転する事になる。
【0045】 更に、この一実施例においては、この様な両者の一体回転を確実に担保する為 に、図23に示す様に、連結ブッシュ86a,86bの夫々の外方フランジ86 a2,86b2は、対応する左右の側板68a,68bに夫々スポット溶接によ り固着されている。この様にして、これら連結ブッシュ86a,86bを夫々介 した状態で、左右の側板68a,68bは揺動支軸72の左右両端に夫々固着さ れ、これの回動に応じて一体的に回動、即ち、揺動することが出来る様になる。 この様に左右の側板68a,68bは揺動支軸に固定されているので、これら側 板68a,68bを備えた揺動フレーム16は歪むことなく、安定した姿勢を保 って揺動支軸72の軸線回りに揺動駆動される事になる。 また、この様に揺動フレーム16の歪み変形が防止させる為、これを回動自在 に支持している軸支部における所謂拗れの発生が効果的に抑制され、この結果、 極めて軽い操作力で揺動フレーム16を揺動駆動、従って、これに取り付けられ たアッパーハウジング34を開閉駆動することが出来る事になる。この様にして 、アッパーハウジング34の操作性の向上を図ることが出来る事になる。
【0046】 [ダンパー84の取り付け構造の説明] 次に、図26及び図27を参照して、上述した構成の揺動フレーム16を任意 の回動位置で停止させる為のダンパー84の取り付け構造について説明する。 このダンパー84は、揺動支軸(後方連結シャフト)72の左方への突出端7 2a、即ち、左側の揺動支持台76aを左方に突出し、更に、対応する左側板6 8aから左方に突出した端部72aと、メインプレート12との間に介設される 様に設定されている。この為、揺動支軸72の突出端部72aには、これと一体 回転する様に取り付けステム94が揺動支軸72の半径方向に沿って延出した状 態で固着されている。この取り付けステム94の先端には、上述した揺動支軸7 2の延出軸線と平行な延出軸線を有する一方の支持ピン94aが固定され、この 一方の支持ピン94aには、上述したダンパー84の一端が回動自在に取り付け られている。一方、メインプレート12の上面には、取り付けブラケット96が 固定され、この取り付けブラケット96には、上述した一方の支持ピン94aの 延出軸線と平行な延出軸線を有する他方の支持ピン96aが固定されている。こ の他方の支持ピン96aには、上述したダンパー84の他端が回動自在に取り付 けられている。
【0047】 ここで、このダンパー84は、ガス封入のシリンダタイプに構成されており、 上述した一端側にシリンダ本体84aを、他端側にこのシリンダ本体84aから 突出/引き込み可能に延出するピストンロッド84bを夫々備えている。即ち、 上述した一方の支持ピン94aには、シリンダ本体84aの先端部分が回動自在 に軸支され、また、他方の支持ピン96aには、ピストンロッド84aの先端部 分が回動自在に軸支されている。尚、周知な様に、このピストンロッド84aの シリンダ本体84aからの突出/引き込み力は、内部に封入したガスにより減衰 され、弾性的にその回動停止位置を保持することが出来る様になされている。
【0048】 この様にダンパー84は取り付けられているので、揺動フレーム16の回動力 の減衰に際しては、直接的には、この揺動フレーム16を構成する揺動支軸72 の回動力を減衰する様に構成されている。従って、この揺動フレーム16の回動 力を減衰する際に発生する反力は、揺動フレーム16全体に作用するのではなく 、揺動支軸72に直接的、且つ、部分的に作用する事になる。換言すれば、仮に このダンパー84の一端が揺動フレーム16に取り付けられたアッパーハウジン グ34に連結されているとすると、揺動フレーム16の回動力を減衰する際に発 生する反力は、このアッパーハウジング34に作用する事となり、これによりア ッパーハウジング34には捻じれ変形が発生する虞があると共に、この捻じれ変 形を防止する為には、アッパーハウジング34の剛性を高める為に、例えば肉厚 を厚くする等の配慮をしなければなない。この為、装置全体の重量が増大すると 共に、製造コストの上昇を招く事となり、好ましくない。
【0049】 しかしながら、この一実施例においては、上述した説明から明白な様に、揺動 フレーム16の回動力の減衰に際してダンパー84に発生する反力は、揺動支軸 72に作用する事、換言すれば、揺動支軸72で受けられる事となる。ここで、 この揺動支軸72は、その捩じり剛性は極めて高く設定されている。この様にし て、ダンパー84に発生する反力は、この揺動支軸72で確実に受けられて、揺 動支軸72における捩じれ変形を引き起こさない事になる。この様にして、例え 、揺動フレーム16の回動位置を弾性的に保持する為にダンパー84を設けたと しても、これにより揺動フレーム16に捩じれ変形を引き起こす様な事態は確実 に防止され、良好な回動停止状態が達成される事になる。
【0050】 [コントロールパネル20の開閉構造の説明] 次に、図28及び図29を参照して、コントロールパネル20を揺動フレーム 16に対して開閉駆動する為の開閉構造について詳細に説明する。 先ず、図28に示す様に、このコントロールパネル20の後端部には、コント ロールパネル20用の揺動支軸100が幅方向に沿って延出した状態で取り付け られており、この揺動支軸100を介して、揺動フレーム16の前部開口を閉塞 する閉塞位置と、これを開放する開放位置との間で揺動自在に軸支されている。 一方、コントロールパネル20の前端部には、ロックシャフト102が幅方向に 沿って延出した状態で、自身の中心軸線回りに回動自在に取り付けられている。 このロックシャフト102の左右両端には、コントロールパネル20用の係止フ ック104a,104b(図示の都合上、右側の係止用フック104bは示され ていない。)が一体的に取り付けられている。
【0051】 各係止フック104a,104bは、上述した揺動フレーム16用の係止フッ ク78a,78bと同様に、下端面が後方に向かうにつれてメインプレート12 の上面から離れる方向に傾斜させられた傾斜面から構成され、且つ、その後端が 、上述した前方連結シャフト70に同時に係止可能な様に、後方に向けて所定量 だけ突出する様に形成されている。また、各係止フック104a,104bは、 図示しないトーションコイルスプリングにより、各々図中時計方向に沿って回動 偏位する様に弾性的に付勢されており、図示しないストッパに各々当接すること により、その停止位置に弾性的に保持されている。
【0052】 尚、各係止フック104a(104b)は、上述した開放位置に弾性的に保持 された状態で、開放状態からコントロールパネル20が下方に向けて回動される 事により、各々の傾斜面が前方連結シャフト70に上方から係合し、その傾斜に 従って、トーションコイルスプリングの付勢力に抗して図中反時計方向に沿って 強制的に回動する様になされている。一方、このコントロールパネル20を更に 下方に向けて回動させて、各係止フック104a(104b)を更に反時計方向 に回動偏位させると、各傾斜面と前方連結シャフト70との係合が各々の傾斜面 の後端で解除されることとなり、この解除された時点で、対応するトーションコ イルスプリングの付勢力により今までとは反対に図中時計方向に回動偏倚され、 この結果、各係止フック104a(104b)の上面が前方連結シャフト70の 下方に入り込み、このようにして、コントロールパネル20は閉塞位置にロック される事になる。
【0053】 一方、各係止フック104a(104b)は、上述したコントロールパネル開 放ボタン44に連結されており、これを押し上げる事により、各係止フック10 4a(104b)はトーションコイルスプリングの付勢力に抗して図中反時計方 向に強制的に回動され、このようにして、前方連結シャフト70へのロック状態 を強制的に解除される様になされている。尚、この様にロック状態が解除される と、揺動支軸100に巻回された図示しないスプリングの付勢力により、コント ロールパネル20は閉塞位置から開放位置に回動偏位され、この開放位置に弾性 的に保持される事になる。
【0054】 この様にして、この一実施例においては、コントロールパネル20を揺動フレ ーム16に対して閉塞位置にロックさせる為に係止フック104a(104b) が係止させる対象として、揺動フレーム16を構成すると共に、この揺動フレー ム16をメインプレート12に対して閉塞位置にロックさせる為の係止フック7 8a,78bが取り付けられる前方連結シャフト70を用いる様に構成されてい る。この様にして、この一実施例では、特別に、係止フック104a(104b )が係止される部材を用いる必要がない為、部品点数の減少を図ることが出来る と共に、コストダウンを図ることが出来る事になる。
【0055】 [インターロック機構106の説明] 次に、図28乃至図30を参照して、揺動フレーム16がメインプレート12 に対して閉塞位置にあると同時に、コントロールパネル20が揺動フレーム16 に対して閉塞位置にある事を検出する為のインターロック機構106の構成及び 動作を詳細に説明する。
【0056】 先ず、図28に示す様に、右側のロアーフレーム22bには、上述した検出動 作の為のプッシュオンタイプの検出スイッチ108が取り付けステイ110を介 して取り付けられている。即ち、この検出スイッチ108は、押し込まれる事に よりオン動作する作動片を備え、この作動片に外力が作用しない限り、内蔵する スプリングの付勢力により外方に突出する、換言すれば、オフ動作する様に付勢 されている。一方、この取り付けステイ110には、検出スイッチ108の作動 片を押し込み可能な状態で、最終段アクチュエータ112が支軸114回りに回 動自在に軸支されている。また、この最終段アクチュエータ112は、この支軸 114に巻回されたトーションスプリング116により図中時計方向に沿って回 動偏位する様に付勢されている。
【0057】 尚、図示する状態で、即ち、コントロールパネル20は閉塞位置にあり、揺動 フレーム16に取り付けられたアッパーハウジング34の上面前部開口を閉塞し ていると共に、揺動フレーム16も閉塞位置にあり、プリンタハウジング32の 上面開口を閉塞している状態で、この検出スイッチ108は、上述したトーショ ンスプリング116の付勢力に抗して図中反時計方向に沿って回動偏位された最 終段アクチュエータ112に押されて、オン動作している。
【0058】 また、この最終段アクチュエータ112の直上方に位置するメインプレート1 2上には、中間段アクチュエータアッセンブリ118が配設されている。この中 間段アクチュエータアッセンブリ118は、メインプレート12上に固定された 取り付け板120と、この取り付け板120に上下方向に沿ってスライド可能に 支持されたスライド部材122と、このスライド部材122の一側に上下方向に 沿って貫通した状態で、且つ、上下方向に沿ってスライド自在に取り付けられた 押し込みシャフト124と、この押し込みシャフト124を常時下方に突出した 状態に付勢するスプリング126とを備えている。
【0059】 ここで、この押し込みシャフト124の下端は、メインプレート12に厚さ方 向に貫通した状態で形成された透孔(図示せず)を介してメインプレート12の 下方に取り出され、上述した最終段アクチュエータ112を上方から押し込み可 能な位置に配設されている。更に、上述したスプリング124は、トーションス プリング116の付勢力及び検出スイッチ108に内蔵されるスプリングの付勢 力を合計した付勢力よりも大きな付勢力を有する様に構成されている。この結果 、この押し込みシャフト124がスライド部材122の下降に伴い押し下げられ ると、最終段アクチュエータ112は自身のトーションスプリング114の付勢 力及び検出スイッチ108に内蔵されるスプリングの付勢力に抗して図中反時計 方向に沿って回動偏位され、これにより、検出スイッチ108の作動片は内方に 押し込められ、オン動作する様になされている。
【0060】 尚、後に詳細に説明するが、この中間段アクチュエータアッセンブリ118に おけるスライド部材122は、揺動フレーム16に取り付けられた初段アクチュ エータアッセンブリ128により下方に向けて押し込み移動可能な位置に配設さ れている。そして、この初段アクチュエータアッセンブリ128は、コントロー ルパネル20が閉塞位置にある状態で、揺動フレーム16に取り付けられたアッ パーハウジング34が開放位置から閉塞位置まで回動された場合、または、アッ パーハウジング34が閉塞位置にある状態で、コントロールパネル20が開放位 置から閉塞位置まで回動された場合に、上述したスライド部材122に上方から 係合して、これを下方に押し下げることが出来る様に設定されている。
【0061】 この結果、仮に、スライド部材122と初段アクチュエータアッセンブリ12 8との間に異物が入り込むとすると、アッパーハウジング34の閉塞位置への回 動に伴い、スライド部材122は異物が介在する分だけ通常よりも長いストロー クで押し下げられる事になる。しかしながら、この一実施例においては、上述し た様に、押し込みシャフト124はスプリング126により下方に付勢されてい る状態でスライド部材122に上下動自在に取り付けられているので、押し込み シャフト124はこのスライド部材122の下方への押し込みに応じて最終段ア クチュエータ112を所定量だけ押し込み駆動した後、更に、スライド部材12 2が下方に押し込まれた場合でも、スプリング126が縮んで押し込みシャフト 124のスライド部材122に対する上方への相対移動を許容し、このスライド 部材122の異常な押し込み量を吸収する様になされている。この様にして、こ の一実施例においては、スライド部材122と初段アクチュエータアッセンブリ 128との間に異物が入り込んだとしても、最終段アクチュエータ112を所定 量よりも大きな量だけ回動偏位させて、検出スイッチ108を破損させる事が確 実に防止され、信頼性の向上を図る事が可能となる。
【0062】 一方、上述した初段アクチュエータアッセンブリ128は、揺動フレーム16 を構成する右方の側板68bであって、揺動フレーム16が閉塞位置にある状態 において上述したスライド部材122の直上方に位置したスライド支持部材13 0と、このスライド支持部材130に上下方向に沿ってスライド自在に取り付け られた押し込み部材132とを備えて構成されている。この押し込み部材132 は、側板68bの下縁から下方に突出し、スライド部材122の上端に上方から 係合可能になされた下端と、これの上縁から上方に突出し、コントロールパネル 20を構成するパネル本体の右方の立ち下がり片が上方から係合可能になされた 上端とを備えて形成されている。
【0063】 この様に初段アクチュエータアッセンブリ128は構成されているので、図2 8に示す様に、コントロールパネル20がアッパーハウジング34に対して閉塞 位置にあり、且つ、このアッパーハウジング34がプリンタハウジング32に対 して閉塞位置にある状態(完全閉塞状態)では、初段アクチュエータアッセンブ リ128のスライド支持部材132は、コントロールパネル20に上方から押し 込まれて下方に押し下げられる事になる。そして、このスライド支持部材132 の下方への押し込みに応じて、これが上方から係合する中間段アクチュエータア ッセンブリ118のスライド部材122が下方に押し下げられ、このスライド部 材122の押し下げに応じて、これが上方から係合する最終段アクチュエータ1 12がトーションスプリング116の付勢力、及び、検出スイッチ108に内蔵 されるスプリングの付勢力の合力に抗して、図中反時計方向に沿って回動偏位す る事となる。
【0064】 この結果、この最終段アクチュエータ112に押されて、検出スイッチ108 の作動片は押し込み駆動されることとなる。この様にして、検出スイッチ108 はオン動作して、図示しない制御系に対して、コントロールパネル20がアッパ ーハウジング34に対して閉塞位置にあり、且つ、このアッパーハウジング34 がプリンタハウジング32に対して閉塞位置にあることを報知する事が出来るこ ととなる。
【0065】 一方、図28に示す完全閉塞状態から、コントロールパネル開放ボタン44が 押し上げられると、これに伴い、コントロールパネル20用の係止フック104 a(104b)における前方連結シャフト70への係止状態を解除される事とな り、この結果、図29に示す様に、コントロールパネル20は閉塞位置から開放 位置に回動される事となる。この様なコントロールパネル20の開放動作に伴い 、図示する様に、初段アクチュエータアッセンブリ128における押し込み部材 132を上方から押さえ付けておくコントロールパネル20が最早存在しなくな ったので、この押し込み部材132は、最終段アクチュエータ112を図中時計 方向に沿って回動偏位させるトーションスプリング116の付勢力を、中間段ア クチュエータアッセンブリ118を介して受ける事により、上方にスライド偏位 される事となる。
【0066】 この結果、検出スイッチ108においては、これの作動片が内蔵するスプリン グの付勢力により外方に向けて突出する事を許容され、この様にして、検出スイ ッチ108はオフ動作して、図示しない制御系に対して、少なくとも、コントロ ールパネル20がアッパーハウジング34に対して開放位置にあることを報知す る事が出来ることとなる。
【0067】 また、図28に示す完全閉塞状態から、アッパーハウジング開放ボタン42が 押し上げられると、これに伴い、アッパーハウジング34用の係止フック78a ,78bにおける対応する係止ピン80a,80bへの係止状態を解除される事 となり、この結果、図30に示す様に、アッパーハウジング34は閉塞位置から 開放位置に回動される事となる。この様なアッパーハウジング34の開放動作に 伴い、図示する様に初段アクチュエータアッセンブリ128における押し込み部 材132は中間段アクチュエータアッセンブリ118におけるスライド部材12 2から上方に離間する事となる。換言すれば、このスライド部材122を上方か ら押さえ付けておく押し込み部材132は最早存在しなくなったので、このスラ イド部材122は最終段アクチュエータ112を図中時計方向に沿って回動偏位 させるトーションスプリング116の付勢力を直接的に受ける事により、上方に スライド偏位される事となる。
【0068】 この結果、検出スイッチ108においては、これの作動片が内蔵するスプリン グの付勢力により外方に向けて突出する事を許容され、この様にして、検出スイ ッチ108はオフ動作して、図示しない制御系に対して、少なくとも、アッパー ハウジング34がプリンタハウジング32に対して開放位置にあることを報知す る事が出来ることとなる。
【0069】 この様に、この一実施例におけるインターロック機構106は構成されている ので、図28に示す完全閉塞状態が達成される事により、検出スイッチ108が オン動作している状態において、初めて、このファクシミリ装置10は稼働状態 を規定される事となり、内部に備えるプリントユニット14や画像読み取り機構 18が駆動状態におかれる事になる。一方、この様な完全閉塞状態からコントロ ールパネル20が開放されると、画像読み取り機構18が露出する事となり、ま た、アッパーハウジング34が開放されると、プリントユニット14が露出する 事になるが、この一実施例においては、これら露出状態においては、何れの場合 においてもインターロック機構106の検出スイッチ108が即座にオフするこ ととなるので、夫々の駆動系及びレーザスキャニングユニット24を即座にオフ して、操作者の安全を確保すると共に、内部機構の保全を確実に図ることが出来 る事になる。
【0070】 [駆動モータのレイアウトの説明] 次に、図31及び図32を参照して、この一実施例のファクシミリ装置10を 駆動する為の駆動モータのレイアウトについて説明する。 先ず、図31はこのファクシミリ装置10の上面構造をアッパーハウジング3 4及びコントロールパネル20を取り除いた状態で示しており、この図31及び 図32に一部切り欠いた状態で示す様に、揺動フレーム16上に配設された画像 読み取り機構18において原稿を送る為に、第1の駆動モータとしての原稿送り モータ140が左方の側板68aの外側面に取り付けられており、また、メイン プレート12上に配設されたプリント機構14において給紙カセット36から用 紙を一枚づつピックアップする為に、第2の駆動モータとしてのピックアップモ ータ142がメインプレート12の左側後部に取り付けられており、更に、プリ ント機構14における画像形成動作を実行させる為に、第3の駆動モータとして のプリンタモータ144がメインプレート12の右側略中央部に取り付けられて いる。即ち、この一実施例のファクシミリ装置10においては、合計で3台の駆 動モータ140,142,144が配設され、夫々、画像読み取り機構18、プ リント機構14における用紙ピックアップ系、及び、プリント機構14における 画像形成系を互いに独立した状態で駆動する様に配設されている。
【0071】 この様に、この一実施例においては、画像読み取り機構18においては、プリ ント機構14とは無関係な状態で、これから独立した状態で、原稿を送り動作さ せることが出来、また、プリント機構18においては、用紙のピックアップと画 像形成動作を互いに独立した状態で実行することが出来、互いの動作タイミング を自由に設定することが出来る事となる。換言すれば、この一実施例においては 、3台の駆動モータ140,142,144を備える事により、夫々の起動タイ ミングを自由に設定することが出来、設計上の自由度が向上する効果を奏するこ とが出来る事になる。 尚、各駆動モータ140,142,144における駆動力の伝達系の説明につ いては、夫々のユニットの構成に関する後の説明において、詳細に行うものとす る。
【0072】 [回路基板の配設構成及び電気配線の引き回し構造の説明] 次に、上述した図1及び図32を参照して、この一実施例の回路基板の配設構 造及び電気配線の引き回し構造について説明する。 図32に示す様に、メインプレート12の後部の上方であって、上述したプリ ンタハウジング32により囲まれる空間内には、中継基板146が水平に延出し た状態で取り付けられている。この中継基板146は、図1に示す様に、第1の 接続ライン147Aを介してプリント機構14において用紙上に画像形成する為 の画像情報や各種の検出情報、及び、第2の接続ライン147Bを介して画像読 み取り機構18において原稿から読み取られた画像情報や各種の検出情報を一旦 ここに集め、このファクシミリ装置10において全体制御を司るメイン制御基板 52に第3の接続ラインとしての1本のフラットケーブル147Cのみを介して 伝達することが出来る様にする為に配設されている。尚、図1から明らかな様に 、この第3の接続ラインとしてのフラットケーブル147Cは、メインプレート 12を迂回した状態で、換言すれば、メインプレート12の後端とプリンタハウ ジング32の後部内側面との間に形成された間隙を通って引き回され、両者を電 気的に接続する様に配設されている。ここで、 ここで、上述した調整基板46とメイン制御基板52とは、ロアーハウジング 30内を引き回された第4の接続ライン147Dを介して、互いに電気的に接続 されている。また、上述したレーザスキャニングユニット24とメイン制御基板 52のプリンタ制御部とは、ロアーハウジング30内を引き回された第5の接続 ライン147Eを介して、互いに電気的に接続されている。
【0073】 この様に、メイン制御基板52には多種多様の信号が入力/出力され、それら が対応する信号線を介してメイン制御基板52に直接接続されるとすると、極め て多数の信号線がメインプレート12を貫通した状態で、このメインプレート1 2の下方に配設されたメイン制御基板52まで引き回される事となる。しかしな がら、この一実施例においては、メインプレート12の上方に配設された部位か ら発生した情報、及び、これら部位に出力しなければならない情報に対応する信 号線は、メインプレート12の上方に配設された中継基板146に一旦全て集め られ、ここで電気的に整理された状態で、例えば、シリアル信号に変換される。 このようにして、信号線の配設数を極力減少させた上で、フラットケーブルを介 してメインプレート12を迂回させた状態で、メイン制御基板52に接続される 事となる。この様にして、多種多様の信号の入力/出力が必要となるファクシミ リ装置10にあっても、極めてすっきりとした状態で、電気配線を引き回す事が 可能となり、これに伴い、電気的な故障に対するメンテナンスも容易に実行し得 る事となる。
【0074】 一方、図1にも示す様に、メインプレート12と中継基板146との間には、 低圧電源用の基板148が水平に延出した状態で配設され、メインプレート12 上に取り付けられている。ここで、この低圧電源用基板148が配設させる空間 は、後に詳細に説明するが、プリント機構14において帯電/転写時に発生する オゾンをエンクロジャー28外に、その後部から強制排気する為の排気装置15 0(後述する)の排気通路の一部を構成する様に設定されている。このように作 動時の発熱の程度が高い低圧電源用基板148をメインプレート12と中継基板 146とに挟まれたオゾン排気通路内に配設する事により、低圧電源用基板14 8用の排熱装置を専用に設ける必要がなくなることになる。即ち、この一実施例 においては、排気装置150をオゾン排気用と低圧電源用基板148の冷却用と の2つの機能を兼ねさせる事により、エンクロジャー28内の配設空間の有効利 用を図ることが出来、従って、全体構成のコンパクト化を促進する事が可能とな る。尚、高圧電源用の基板152は、図32に示すように、メインプレート12 上であって、プリント機構14の左方において、起立した状態で取り付けられて いる。
【0075】 [画像読み取り機構18の説明] 以下に、上述した図1、図31及び図32と、図33乃至図53を参照して、 画像読み取り機構18の構成及びその動作を詳細に説明する。
【0076】 (画像読み取り機構18の全体構成の説明) 先ず、この画像読み取り機構18は、図1及び図31に示すように、原稿トレ イ40上に載置された原稿(少なくとも1枚の原稿)を上述した原稿排出口32 bまで搬送する原稿搬送路154を備えている。また、この画像読み取り機構1 8は、原稿トレイ40上に載置された原稿を原稿分離ユニット156と原稿取り 出しローラ158とで一枚づつに分離し、この分離された1枚の原稿をこの原稿 取り出しローラ158の回転に伴い前方に向けて取り出し、イメージリーダ16 0とホワイトローラ162との間に搬送して、このイメージリーダ160により 送信(または、複写)しようとする原稿の画像を読み取り、原稿搬送路154を 通り、ここに配設された一対の原稿排出ローラ164a,164bにより更に前 方に搬送されて、上述した原稿排出口32bを介して、エンクロジャー28外に 排出するように概略構成されている。
【0077】 尚、この画像読み取り機構18は、原稿トレイ40から原稿排出口32bに渡 る原稿搬送路154に原稿搬送方向に沿って順次介在させた状態で、合計3個の 原稿検出スイッチ166,168,170を備えている。以下に、各原稿検出ス イッチ166,168,170を順次説明する。 先ず、第1の原稿検出スイッチ166は、図31に示す様に、原稿搬送路15 4における原稿取り出しローラ158の原稿搬送方向に関する直上流側に配設さ れ、原稿トレイ40上に原稿が存在するか(または、残っているか)否かを検出 する為に設けられている。詳細には、この第1の原稿検出スイッチ166は、そ の作動片を原稿搬送路154中に介在した状態で、これに外力が作用しない状態 で、即ち、原稿が係合しない状態でオフされている。一方、この第1の原稿検出 スイッチ166は、原稿トレイ40上に載置された原稿が、その傾斜に従って原 稿搬送路154を原稿取り出しローラ158に向けて自重により搬送されて来て 、これの作動片に係合してこれが押し込み駆動される事によりオンされる様に構 成されている。この第1の原稿検出スイッチ166は、上述したメイン制御基板 52に接続されており、このメイン制御基板52は、第1の原稿検出スイッチ1 66がオフする状態で原稿トレイ40上に何ら原稿が存在せず、これがオンする 状態で少なくとも1枚の原稿が原稿トレイ40上に存在すると判断する様に構成 されている。
【0078】 一方、第2の原稿検出スイッチ168は、原稿搬送路154における原稿取り 出しローラ158とイメージリーダ160との間に位置する部分に配設され、原 稿取り出しローラ158の回転に伴い原稿がイメージリーダ160に向けて取り 出された事を検出すると共に、この取り出された原稿の先端がイメージリーダ1 60に到達するタイミングを規定する為に設けられている。詳細には、この第2 の原稿検出スイッチ168は、その作動片を原稿搬送路154中に介在した状態 で、これに外力が作用しない状態で、即ち、原稿が係合しない状態でオフされて いる。一方、この第2の原稿検出スイッチ168は、原稿取り出しローラ158 の回転に伴い搬送されて来た原稿が、これの作動片に係合してこれが押し込み駆 動される事によりオンされる様に構成されている。この第2の原稿検出スイッチ 168は、上述したメイン制御基板52に接続されており、このメイン制御基板 52は、第2の原稿検出スイッチ168がオンしてから所定時間、具体的には、 これの配設位置とイメージリーダ160との間の距離及び原稿取り出しローラ1 58の回転による原稿搬送速度から規定される原稿先端のイメージリーダ160 への到達時間の経過後、イメージリーダ160を起動して、これによる画像読み 取り動作を開始させる様に構成されている。
【0079】 更に、第3の原稿検出スイッチ170は、原稿搬送路154における上下一対 の原稿排出ローラ164a,164bの原稿搬送方向に関する直上流側に配設さ れ、イメージリーダ160による画像読み取り動作の終了した原稿が、原稿搬送 路154中でジャムせずに排出される事を検出する為に設けられている。詳細に は、この第3の原稿検出スイッチ170は、その作動片を原稿搬送路154中に 介在した状態で、これに外力が作用しない状態で、即ち、原稿が係合しない状態 でオフされている。一方、この第3の原稿検出スイッチ170は、画像読み取り 動作後、更に原稿搬送路154を搬送されて来た原稿の先端によりオンされ、こ の原稿の後端がこれを通過する事によりオフされる様に構成されている。この第 3の原稿検出スイッチ170は、上述したメイン制御基板52に接続されており 、このメイン制御基板52は、第2の原稿検出スイッチ168がオンしてからこ の第3の原稿検出スイッチ170がオフするまでの時間を計測し、両者の間の距 離及び原稿取り出しローラ158の回転による原稿搬送速度から規定される所要 基準時間とこの計測時間とを比較し、計測時間が所要基準時間よりも長いと判断 した場合に、原稿が原稿搬送路154内でジャムしたと判断する様に構成されて いる。
【0080】 (画像読み取り機構18の駆動系の説明) 一方、この画像読み取り機構18の駆動系は、図32及び図33に示すように 、上述した原稿送りモータ140のモータ軸に同軸に固定された駆動ギヤ172 aと、ホワイトローラ162に同軸に固定された第1の従動ギヤ172bと、原 稿取り出しローラ158に同軸に固定された第2の従動ギヤ172cと、駆動ギ ヤ172aと第1の従動ギヤ172bとの間に両者に噛合するように介設された 第1の中間ギヤ172dと、第1の従動ギヤ172bの回動力を第2の従動ギヤ 172cに順次伝達する第2及び第3の中間ギヤ172e,172fとを備えて いる。一方、第1の従動ギヤ172bには、これと同軸に駆動プーリ172gが 固定され、上下一対の原稿排出ローラ164a,164bの中の下方に位置する 原稿排出ローラ164bと同軸に従動プーリ172hが固定され、両プーリ17 2g,172hには、エンドレスベルト172iが巻回されている。
【0081】 この様にして、原稿送りモータ140の回転駆動に伴い、第1及び第2の従動 ギヤ172b,172cが従動回転され、これに伴い、ホワイトローラ162及 び原稿取り出しローラ158が所定の減速比で回転駆動される事となる。一方、 第1の従動ギヤ172bの回転に伴い、エンドレスベルト172iを介して、従 動プーリ172hが従動回転される。この従動プーリ172hの回転に伴い下方 の原稿排出ローラ164bが所定の減速比で回転駆動される事となる。即ち、こ の一実施例においては、1台の原稿送りモータ140により、原稿を搬送する為 のローラ160,164bが互いに同期した状態で回転駆動される事になる。
【0082】 ここで、図31及び図34を参照して、画像読み取り機構18の各構成要件に おけるコントロールパネル20への取り付け状態を説明する。即ち、上述した各 構成要件の中で、イメージリーダ160と原稿搬送路154の上側面を規定する 上側ガイド部材154aと一対の原稿排出ローラ164a,164bの中の上側 の原稿排出ローラ164aとは、コントロールパネル20に取り付けられている 。この結果、図8に示すように、コントロールパネル20がプリンタハウジング 32から開放駆動される事により、図34に示すように、これらイメージリーダ 160と上側ガイド部材154aと上側の原稿排出ローラ164aとは、対応す るホワイトローラ162と下側ガイド部材154bと下側原稿排出ローラ164 bとから夫々上方に離間し、原稿の搬送路154が大きく開かれる事となる。換 言すれば、原稿の搬送途中において、原稿のジャムが発生した場合においても、 このコントロールパネル20を閉塞位置から開放位置まで開放駆動する事により 、原稿搬送路154は大きく開かれて、ジャムした原稿を確実に、且つ、容易に 取り除く事が可能となる。
【0083】 次に、画像読み取り機構18の各構成要件を順次詳細に説明する。 (原稿分離部の説明) 先ず、上述した様に、原稿トレイ40上の原稿(以下、符号Gで表す。)は、 図35に示す様に、アッパーハウジング34の上面とコントロールパネル20の 後端縁との間の間隙により規定された原稿取り込み口34bを介して、これに対 向する様に設定された原稿搬送路154の入口部から、原稿搬送路154内に傾 斜を利用して自重により取り込まれる様になされている。このように原稿搬送路 154内に取り込まれた原稿は、原稿分離ユニット156と原稿取り出しローラ 158との共同作業により1枚づつに分離され、原稿分離取り出しローラ158 の回転に伴いイメージリーダ160に向けて搬送される様になされているが、こ の原稿分離部近傍における原稿搬送路154は、図示する様に、下側原稿ガイド 174とこの下側原稿ガイド174の上面に、これと所定間隙を有して取り付け られた上側原稿ガイド176との間の間隙により規定されている。 ここで、上述した原稿取り出しローラ158は、シャフト部158aと、この シャフト部158aの外周に同軸に固定され、高い摩擦係数を有する外周面を備 えた摩擦ローラ部158bとから一体的に構成されている。また、ホワイトロー ラ162も同様に、図50に示す様に、シャフト部162aと、このシャフト部 162aの外周に同軸に固定され、白色の外周面を備えたローラ部162bとか ら一体的に構成されている。
【0084】 〈上側原稿ガイド176の説明〉 上述したこの上側原稿ガイド176は、図36に拡大した状態で示す様に、そ の略中央部に、原稿取り出しローラ158のローラ部158bの下部が挿通され る挿通孔176aが形成されている。尚、この上側原稿ガイド176は、図32 に示す様に、下側原稿ガイド174に対して複数のスナップ止めピン175を介 して上方から着脱自在に取り付けられている。換言すれば、この上側原稿ガイド 176は、原稿取り出しローラ158及び原稿分離ユニット156の着脱動作の 説明において詳細に説明するが、コントロールパネル20を開放位置まで回動さ せて、原稿搬送路154を広く開放させて上下に大きく分割させた状態で、作業 者がこれらスナップ止めピン175を下側原稿ガイド174から上方に取り外す 事により、容易な作業で、原稿取り出しローラ158及び原稿分離ユニット15 6を画像読み取り機構18から分解する事が可能となる。
【0085】 詳細には、この上側原稿ガイド176は、上述した挿通孔176aが形成され たガイド本体部176bと、このガイド本体部176bの後方(図中左方)に折 曲された状態で一体的に連接された折曲部176cとから構成されている。そし て、この折曲部176cのガイド本体部176bに対する折曲角度は、図36に 示す様に、図中時計方向回りに25度に設定されている。尚、この25度との数 値は、原稿取り出しローラ158の回転中心軸線を通る基準軸線(即ち、このフ ァクシミリ装置10が載置される載置面と平行な軸線)Xを基準とした場合に、 ガイド本体部176bがこの基準軸線Xに対して、図中時計方向回りに15度だ け傾斜し、折曲部176cが同様に40度だけ傾斜している結果、(40−15 )=25度として規定される値である。
【0086】 尚、この数値は一例であって、要は、この上側原稿ガイド176のガイド本体 部176bが原稿取り出しローラ158の周囲を取り囲みつつ、下側原稿ガイド 174から所定間隙を隔てて上方に位置し、且つ、この上側原稿ガイド176の 後端、即ち、折曲部176cの後端が、原稿取り込み口34bを実質的に邪魔せ ずに、この原稿取り込み口34bを通って来た原稿Gが、下側原稿ガイド174 と上側原稿ガイド176のガイド本体部176bとの間にもたらされる様にガイ ドするに適切な数値であれば、上述した数値に限定されることなく、適宜選択す ることが出来る事は言うまでもない。
【0087】 〈下側原稿ガイド174の説明〉 一方、上述した下側原稿ガイド174は、図37及び図38に取り出して示す 様に、アッパーハウジング34のトレイ受け台35の直前方に形成された凹部3 4c内に収納されている。詳細には、この下側原稿ガイド174は、その上面が 原稿搬送路154の下面を規定するガイド本体174aと、このガイド本体17 4aの上面の略中央部に形成され、上述した分離ユニット156が着脱自在に収 納される第1の凹所174bと、このガイド本体174aの左右両側から夫々一 体的に立ち上がり、原稿搬送路154の左右両端を夫々規定すると共に、上述し た原稿取り出しローラ158とホワイトローラ162との夫々の両端を回転自在 に、且つ、着脱自在に軸支する為の支持板174c,174dとから構成されて いる。
【0088】 尚、上述したガイド本体174aの前方部分には、図37に示す様に、このホ ワイトローラ162のローラ部162bが遊嵌される第2の凹所174eが形成 されている。また、ガイド本体174aに形成された第1の凹所174bの前端 面を規定する前壁部174b1と、後端面を規定する後壁部174b2とには、 夫々に、上述した原稿分離ユニット156の前後に夫々形成された後述する係止 ボス部が嵌入される係止溝174f,174gが夫々形成されている。 ここで、図36に示す様に、この下側原稿ガイド174は、これがアッパーハ ウジング34に形成された凹部34c内に収容/固定された状態で、これの原稿 受入側部分(即ち、原稿取り出しローラ158の配設位置よりも図中左方部分) の上面は、トレイ受け台35上に取り付けられた原稿トレイ40の上面(原稿載 置面)と実質的に面一に整合された状態に設定されると共に、上述した基準軸線 Xに対して図中時計方向回りに28度傾斜する様に設定され、一方、原稿送り出 し側部分(即ち、原稿取り出しローラ158の配設位置よりも図中右方部分)の 上面は、上述した基準軸線Xと略平行に設定されている。
【0089】 下側原稿ガイド174の原稿受入側部分の上面を、この様な傾斜角度に設定す る事により、上述した上側原稿ガイド176の折曲部176cの基準軸線Xに対 する傾斜角度(この一実施例においては40度)との相対関係から、原稿搬送路 154における原稿受入側部分が仮想先端角度が12度の所謂楔状に、詳細には 、原稿搬送方向に沿ってその高さが徐々に減じられる様に規制されることになる 。この結果、原稿トレイ40上に載置された原稿Gは、その載置枚数に係わらず 、原稿分離ユニット156と原稿取り出しローラ158との転接部(即ち、分離 部)に向けて確実に搬送される事となる。
【0090】 これら支持板174c,174dは、図38にも取り出した状態で示す様に、 夫々の上端面に開口した状態で、原稿搬送方向に関して上流側に位置して、原稿 取り出しローラ158のシャフト部158aを、第1のベアリングブッシュ17 8(後述する)を介して回動自在に、且つ、着脱自在に受ける為の第1の凹部1 80が、また、原稿搬送方向に関して下流側に位置して、ホワイトローラ162 のシャフト部162aを、第2のベアリングブッシュ182(後述する)を介し て回動自在に、且つ、着脱自在に受ける為の第2の凹部184が、夫々形成され ている。
【0091】 詳細には、各凹部180,184は、対応するベアリングブッシュ178,1 82を受け入れる為のテーパ穴部180a,184aと、これらテーパ穴部18 0a,184aの下方に連続した状態で夫々形成され、対応するベアリングブッ シュ180,184の直径よりも狭く設定された開口幅を有する狭窄穴部180 b,184bと、これら狭窄穴部180b,184bの下方に連続した状態で夫 々形成され、対応するベアリングブッシュ178,182を実質的に受ける為の 、対応するベアリングブッシュ180,184の直径と略同一の直径を有する受 け穴部180c,184cとから夫々構成されている。
【0092】 このように凹部180,184を形成する事により、対応する原稿取り出しロ ーラ158及びホワイトローラ162をベアリングブッシュ178,182を介 して受けるに際して、これらベアリングブッシュ178,182は一旦、狭窄穴 部180b,184bを通った後に受け穴部180c,184cで受けられる事 になり、この結果、これら原稿取り出しローラ158及びホワイトローラ162 は、対応する受け穴部180c,184cから抜け出る事を禁止された状態で、 安定した状態で保持される事になる。 更に、これら支持板174c,174dには、各凹部180,184に夫々近 接した状態で、第1及び第2のベアリングブッシュ178,182に夫々形成さ れた突起部178d,182d(後述する)が夫々嵌入する第1及び第2の係止 穴186,188が形成されている。
【0093】 一方、上述した第1及び第2のベアリングブッシュ178,182は共に同様 に形成されているが、図39に示す様に、対応するシャフト部158a,162 aを夫々回動自在に軸支する軸受本体部178a,182aと、これら軸受本体 部178a,182aの外周に形成され、対応する受け穴部180c,184c に夫々嵌入される嵌入溝部178b,182bと、対応する軸受本体部178a ,182aの外側に一体的に連接され、軸方向とは直交する一側に向けて夫々延 出する延出片178c,182cと、これら延出片178,182cの内側面に 夫々内方に向けて僅かに突出する様に形成された突起部178d,182dとを 備えて構成されている。ここで、後述する図51に示す様に、各嵌入溝部178 b,182bの外周には、互いに平行に設定された平坦部178e1;178e 2,182e1;182d2が形成されている。尚、これら平坦部178e1; 178e2,182e1,182e2間の距離は、対応する狭窄穴部180b, 184bの開口幅よりも僅かに小さく設定されている。 この様にベアリングブッシュ178,182を構成する事により、一旦、対応 する受け穴部180c,184c内に受けられた後、これらベアリングブッシュ 178,182を対応する受け穴部180c,184c内で略90度だけ回転さ せる事により、狭窄穴部180b,184bの直下方に位置する嵌入溝部178 b,182bの幅は、狭窄穴部180b,184bの開口幅よりも広くなると共 に、略90度回転された延出片178c,182cの先端に形成された突起部1 78d,182dは、上述した様に、対応する係止穴186,188に夫々嵌入 する事になる。この結果、ベアリングブッシュ178,182は対応する凹部1 80,184から、係止穴186,188と対応する突起部178d,182d との嵌入状態を解除しない限り、上方への抜け出しを禁止される事になる。
【0094】 このように両支持板174c,174dを形成する事により、原稿取り出しロ ーラ158とホワイトローラ162とは、ともに安定した状態で、回動自在に軸 支されると共に、係止穴186,188と対応する突起部178d,182dと の嵌入状態を解除する事により、下側原稿ガイド174から容易に取り外す事が 可能となる。
【0095】 〈原稿分離ユニット156の説明〉 次に、図36、図40及び図41を参照して、上述した原稿分離ユニット15 6の構成を詳細に説明する。 この原稿分離ユニット156は、図36に示すように、下側原稿ガイド174 に形成された第1の凹所174b内に収容されるユニット本体190と、このユ ニット本体の190の上面にねじ192を介して共締め状態で固定された板ばね 194と摩擦部材196とから概略構成されている。ここで、このユニット本体 190の前面には、起立した状態で弾性止め片190aが一体的に接合されてお り、この弾性止め片190aの前端面には、上述した下側原稿ガイド174に形 成された前方係止溝174fに嵌入して係止される前方係止ボス部190bが前 方に突出した状態で一体的に形成されている。一方、このユニット本体190の 後面には、上述した下側原稿ガイド174に形成された後方係止溝174gに嵌 入して係止される後方係止ボス部190cが後方に突出した状態で一体的に形成 されている。
【0096】 このように、前方係止ボス部190b及び後方係止ボス部190cが、前方係 止溝174f及び後方係止溝174gに夫々嵌入して係止される事により、ユニ ット本体190(即ち、原稿分離ユニット156)は、下側原稿ガイド174の 第1の凹所174b内にその収容状態を係止された状態で、確実に嵌入される事 となる。特に、この一実施例においては、前方係止ボス部190bはこれが形成 されている弾性止め片190aの固有に有する弾性力で、前方に向けて押しつけ られ、その嵌合状態を弾性的に保持されており、この結果、ユニット本体190 の第1の凹所174b内における嵌合状態は、確実に維持される事になる。尚、 メンテナンス等でこの原稿分離ユニット156を取り外す必要が生じた場合には 、後にその取り外し動作を詳細に説明するが、弾性止め片190aをその弾性力 に抗して後方に押し戻して、前方係止ボス部190bと前方係止溝174fとの 嵌合状態を強制的に解除する事により、容易に下側原稿ガイド174から取り外 す事が出来るものである。
【0097】 また、上述した板ばね194は、金属ばね材から一体的に形成されており、図 40及び図41に取り出して示すように、上述したねじ192を介して共締めさ れると共に、側面視で略L字状に形成された板ばね本体部194aと、この板ば ね本体部194aの起立部分の左右両側から夫々一体的に起立した起立ばね片1 94b,194cと、これら起立ばね片194b,194cの上端から前方に向 けて所定角度で折曲させられた左右一対の支持ばね片194d,194eとから 構成されている。ここで、各支持ばね片194d,194eの対応する起立ばね 片194b,194cに対する折曲角度は、各支持ばね片194d,194eが 、図36に示すように、これが固定されたユニット本体190が下側原稿ガイド 174の第1の凹所174b内に収容されて係止された状態において、上述した 基準軸線Xに対して図中時計方向回りに15度の傾斜で延出することが出来るよ うに設定されている。
【0098】 即ち、このように各支持ばね片194d,194eの傾斜角度を規定する事に より、図36から明らかなように、原稿搬送路154は、上側原稿ガイド176 の折曲部176cと各支持ばね片194d,194eとにより挟まれた状態で規 定される部分においては、これよりも原稿搬送方向に関して上流側に隣接する部 分における上側原稿ガイド176の折曲部176cと下側原稿ガイド174のガ イド本体174aとにより挟まれた状態で規定される部分における楔形状よりも 、下側に位置する原稿受け面がより水平に寝た状態で、両者の交差角度がより大 きくなる楔形状に変化する事になる。この結果、ここを通り抜けようとする原稿 は、その枚数が多数枚である場合には、急激に絞られる事となる。
【0099】 ここで、各支持ばね片194d,194eは、ここに原稿Gが所定枚数だけ当 接して停止した場合には、これら原稿Gのここにかかる負荷(即ち、原稿の腰の 強さ)に基づき、垂れ下がるように偏位する、即ち、原稿取り出しローラ158 との傾向を解除されて下方に偏位するに適切な弾性係数を有するように設定され ている。換言すれば、各支持ばね片194d,194eは、ここに所定枚数以下 の原稿Gが当接して停止した場合には、例えこれら原稿Gの負荷が作用したとし ても、垂れ下がるように偏位せずに、その姿勢、即ち、原稿取り出しローラ15 8に弾性的に当接する姿勢を維持する事が出来る事となる。尚、この一実施例に おいては、上述した所定枚数の原稿Gとは、3〜4枚の原稿を指すものとする。 即ち、原稿トレイ40上に載置する原稿が5〜6枚以上になった場合には、上述 した所定枚数以上の原稿として各支持ばね片194d,194eに作用する事と なる。
【0100】 一方、上側原稿ガイド176の折曲部176cと各支持ばね片194d,19 4eとにより挟まれた状態で規定される部分よりも、原稿搬送方向に関して下流 側に隣接する部分における、上側原稿ガイド176のガイド本体部176bと各 支持ばね片194d,194eとにより挟まれる部分は、両者が実質的に平行に 設定される事になる。この結果、折曲部176cと各支持ばね片194d,19 4eとにより挟まれた状態で規定される部分で急激に絞られた原稿は、順次上側 から、上述した分離部(即ち、原稿分離ユニット156と原稿取り出しローラ1 58との転接部)に向けて平行に設定された原稿搬送路154を通って安定した 状態で供給される事になる。
【0101】 一方、上述した摩擦部材196は、図40及び図41に示すように、上述した 板ばね194の板ばね本体部194aの下面とユニット本体190の上面との間 に基端部(図中、左端部)を挟持された状態で、上述したねじ192により共締 め固定されており、所謂片持ち状態で前方に向けて延出している。ここで、この 摩擦部材196は、所定の摩擦係数を有する合成ゴムから形成された板状のゴム 板ばね198と、このゴム板ばね198の下面を裏打ちした状態で取り付けられ た金属製の金属板ばね200とから構成されている。即ち、ゴム板ばね198は 、その上面に所望の摩擦係数を有する事は出来るものの、それ自身では、片持ち 姿勢を維持する事は出来ず、一方、金属板ばね200は片持ち姿勢を維持する事 は出来るものの、その上面の摩擦係数は小さく、原稿を分離するに充分な摩擦係 数を有する事が困難である。
【0102】 このような両者の特性に鑑み、この一実施例においては、上側にゴム板ばね1 98を、下側に金属板ばね200を夫々配設し、摩擦係数を発揮する部材と姿勢 維持機能を発揮する部材とを機能別に分離した状態で、両者を一体的に組み合わ せている。この結果、摩擦部材196はその上面に所定の摩擦係数を有した状態 で、片持ち状態で前方に向けて延出する構成を達成する事が出来る事になる。尚 、摩擦部材196のゴム板ばね198における原稿Gとの間の摩擦係数は、原稿 Gと左右一対の支持ばね片194d,194eとの間の摩擦係数よりも大きく、 原稿Gと原稿取り出しローラ158との間の摩擦係数よりも小さく設定されてい る。
【0103】 また、上述した原稿取り出しローラ158は、その下端部において、原稿分離 ユニット156、詳細には、この原稿分離ユニット156を構成する摩擦部材1 96のゴム板ばね198と、板ばね194の左右一対の支持ばね片194d,1 94eとの夫々の上面に、上方から所定の下方押し込み量を有して当接している 。一方、この摩擦部材196は、図36に示すように、その先端部が原稿取り出 しローラ158により下方に押し込まれた状態で、上述した基準軸線Xに対して 、反時計方向回りに5度の傾斜角度で傾斜する状態で、前方に向けて延出するよ うに、ユニット本体190の上面への取付位置及び原稿取り出しローラ158に よる下方への押し込み量を夫々規定されている。尚、上述した左右一対の支持ば ね片194d,194eの基準軸線Xに対する傾斜角度(15度)は、このよう に、両者が原稿取り出しローラ158により下方に押し込まれた状態での値であ る事は、言うまでもない。
【0104】 〈原稿分離ユニット156と原稿取り出しローラ158とによる原稿分離動作 の説明〉 次に、図42乃至図44を参照して、原稿トレイ40上に載置された原稿の分 離・取り込み動作について説明する。
【0105】 《1枚の原稿の取り込み動作》 先ず、図42を参照して、原稿トレイ40上に原稿が上述した所定枚数よりも 少ない枚数、例えば、1枚だけ載置された場合の、この1枚の原稿Gの分離・取 り込み動作(但し、1枚の場合には、原稿の取り込み動作のみとなる)について 説明する。
【0106】 先ず、1枚の原稿が画像読み取り面を上向きにセットされた状態で原稿トレイ 40上に載置されると、この原稿は自重により原稿トレイ40の原稿載置面の傾 斜に従って前方に向けて搬送され、コントロールパネル20とアッパーハウジン グ34との間の空間で規定される原稿取り込み口34bを介して、画像読み取り 機構18に備えられた原稿搬送路154内に取り込まれる。このように原稿取り 込み口34bから原稿搬送路154内に自重により取り込まれた原稿Gが、第1 の原稿検出スイッチ166をオン動作させる事により、画像読み取り機構18は 画像読み取り待機状態となる。即ち、この画像読み取り待機状態が設定されると 、原稿取り出しローラ158やホワイトローラ162等を駆動する為の原稿送り モータ140が通電されて励磁状態(駆動可能状態)となされ、イメージリーダ 160にも通電されて、画像読み取り可能状態となされる。
【0107】 この自重による原稿取り込み動作は、詳細には、原稿取り込み口34bから原 稿搬送路154内に取り込まれた原稿Gは、先ず、この原稿搬送路154の原稿 搬送方向に関して最も上流側部分を規定する所の上側原稿ガイド176の折曲部 176cの下面と下側原稿ガイド174の上面との間で規定される第1の部分に 導入される。この原稿搬送路154の第1の部分の下面、即ち、下側原稿ガイド 174の上面は、既に上述したように、基準軸線Xに対して28度の傾斜角度を 有するように設定されている。従って、この傾斜に従って前方に向けて搬送され る原稿Gは、この第1の部分の原稿搬送方向に関して下流側に隣接する原稿搬送 路154の第2の部分、即ち、上側原稿ガイド176の折曲部176cの下面と 原稿分離ユニット156を構成する板ばね194の左右一対の支持ばね片194 d,194eの上面との間の部分に円滑に、且つ、確実にもたらされる。
【0108】 ここで、この第2の部分の下面、即ち、左右一対の支持ばね片194d,19 4eの上面は、既に上述したように、基準軸線Xに対して15度の傾斜角度を有 するように設定されている。従って、上述した下側原稿ガイド174の上面の傾 斜に沿って搬送されて来た原稿Gは、今度は、ここの傾斜に沿って自重により、 この第2の部分の原稿搬送方向に関して下流側に隣接する原稿搬送路154の第 3の部分、即ち、上側原稿ガイド176のガイド本体部176bの下面と板ばね 194の左右一対の支持ばね片194d,194eの上面との間の部分に円滑に 、且つ、確実にもたらされ、更に、この第3の部分を通って、両支持ばね片19 4d,194eの傾斜に従って、これら両支持ばね片194d,194eの上面 を滑る様にして、上述した分離部に向けて搬送される事になる。このようにして 、自重により原稿搬送路154の第1乃至第3の部分を搬送されて来た1枚の原 稿Gは、図42に示すように、その先端を分離部にもたらされた状態、即ち、原 稿取り出しローラ158と原稿分離ユニット156の左右一対の支持ばね片19 4d,194eとの互いに当接する部分に入り込んだ状態で、その搬送動作を停 止させられる事になる。
【0109】 この状態から、原稿取り出しローラ158が図中反時計方向に沿って回転する と、この回転に伴い、原稿Gは図中右方に取り込まれ、一旦、この原稿取り出し ローラ158と摩擦部材196との間にもたらされる。ここで、この原稿取り出 しローラ158と原稿Gとの間の摩擦係数は、原稿Gと摩擦部材196のゴム板 ばね198との間の摩擦係数よりも大きくなされているので、原稿取り出しロー ラ158による原稿Gの搬送力が、摩擦部材196による原稿Gの停止力(分離 力)よりも勝る事となり、この結果、原稿Gは両者の間を通り抜けて、今度は、 この原稿搬送路154の第3の部分の原稿搬送方向に関して下流側に隣接する原 稿搬送路154の第4の部分、即ち、上側原稿ガイド176のガイド本体部17 6bの下面と下側原稿ガイド174の上面との間の部分に円滑に、且つ、確実に もたらされ、更に、この第4の部分を通って、イメージリーダ160とホワイト ローラ162との間の部分に向けて搬送される事になる。
【0110】 このようにして、1枚の原稿の取り出し動作が終了する。 尚、原稿取り出しローラ158の回転に伴い前方に取り出された原稿Gが、原 稿搬送路154における第4の部分を通過中において、上述した第2の原稿検出 スイッチ168をオン動作させる事になる。この第2の原稿検出スイッチ168 のオン動作に伴い、このオン動作時から所定時間経過後、詳細には、原稿Gの先 端がイメージリーダ160に丁度到達するに必要な時間が経過後、イメージリー ダ160による画像読み取り動作が開始される様に設定されている。
【0111】 また、この原稿Gが原稿搬送路154の第4の部分を通過し終えると、第2の 原稿検出スイッチ168はオフ動作する事になるが、上述した第1の原稿検出ス イッチ166がオンしている限り、原稿送りモータ140の回転駆動は継続され る。一方、第1及び第2の原稿検出スイッチ166,168が共にオフされてか ら、原稿Gが原稿排出口32bを介してエンクロジャー28の外部に完全に排出 されるに充分な所定時間が経過すると、原稿送りモータ140の駆動は停止させ られる事になるが、この所定時間が経過した時点で、上述した第3の原稿検出ス イッチ170がオンしていると、上述した原稿Gの搬送中のジャム検知の外に、 最後の原稿Gがが原稿搬送路154ないでジャムしたと判断して、所定の警報動 作を実行する。
【0112】 《所定枚数より少ない複数の原稿の分離・取り込み動作》 次に、上述した所定枚数よりも少ない複数枚の原稿の分離・取り出し動作につ いて図43を参照して説明する。 先ず、上述した所定枚数よりも少ない複数枚、例えばこの一実施例においては 第1乃至第3の3枚の原稿G1,G2,G3が画像読み取り面を上向きにセット され、且つ、頁数の若い方が上になるような状態で重ねられて原稿トレイ40上 に載置されると、これら第1乃至第3の原稿G1,G2,G3は自重により原稿 トレイ40の原稿載置面の傾斜に従って前方に向けて一括した状態で搬送され、 上述した1枚の原稿Gの場合と全く同様にして、分離部に向けて自重により搬送 される事となる。そして、最も上側に位置する第1の原稿G1が、原稿搬送路1 54の傾斜に基づき、その先端を分離部にもたらされた状態、具体的には、原稿 取り出しローラ158と原稿分離ユニット156の左右一対の支持ばね片194 d,194eとの互いに当接する部分に入り込んだ状態となる。
【0113】 一方、この最上側の第1の原稿G1の下方に引き続く第2の原稿G2は、最上 側の第1の原稿G1と左右一対の支持ばね片194d,194eとにより形成さ れる楔状の空間に規制され、図43に示すように、その先端が原稿取り出しロー ラ158と左右一対の支持ばね片194d,194eとの互いに当接する部分に まで至らない状態で、その搬送動作を停止させられる事になる。更に、この第2 の原稿G2に引き続き下方に位置する第3の原稿G3は、第2の原稿G2と左右 一対の支持ばね片194d,194eとにより形成される楔状の空間に規制され 、図43に示すように、その先端が原稿取り出しローラ158と左右一対の支持 ばね片194d,194eとの互いに当接する部分にまで至らない状態で、その 搬送動作を停止させられる事になる。
【0114】 このようにして、これら第1乃至第3の3枚の原稿G1,G2,G3は、最上 に位置する第1の原稿G1が原稿取り出しローラ158の回転により取り出し可 能な状態にもたらされ、引き続く第2及び第3の原稿G2,G3は、順次後方に 待機した状態にもたらされる事になる。
【0115】 このような図43に示す状態から、原稿取り出しローラ158が図中反時計方 向に沿って回転駆動されると、図42を参照して説明した1枚のみの原稿Gの場 合と同様にして、先端が原稿取り出しローラ158と左右一対の支持ばね片19 4d,194eとの互いに当接する部分にもたらされている第1の原稿G1のみ が前方に搬送される事になる。一方、引き続く第2の原稿G2には、この原稿取 り出しローラ158の回転力が直接作用しないで、第1の原稿G1の搬送に伴う 摩擦力のみが作用する事になる。この結果、取り出された第1の原稿G1の下方 に引き続く第2の原稿G2は、この第1の原稿G1との摩擦により前方に向けて 引きずられる様にして搬送される事になる。しかしながら、第2の原稿G2の先 端が摩擦部材196の表面に係合した時点で、これとの摩擦力が第1の原稿G1 との摩擦力よりも勝っているので、その係合位置で搬送動作を停止させられる事 になる。即ち、取り出された第1の原稿G1に対して分離されることになる。そ して、この第2の原稿G2は、第1の原稿G1の後端が原稿取り出しローラ15 8から抜け出た後における原稿取り出しローラ158の回転に伴い、前方に取り 出し搬送され得る待機状態にもたらされる事になる。
【0116】 尚、少なくとも1枚の原稿が待機状態にもたらされた状態で、第1の原稿検出 スイッチ166がオン動作され、この第1の原稿検出スイッチ166がオン動作 されている限りにおいて、原稿送りモータ140が回転駆動を継続される事にな る。この結果、上述した様に、第1の原稿G1の後端が原稿取り出しローラ15 8から抜け出る事により、この第2の原稿G2は原稿取り出しローラ158に初 めて接触して摩擦係合する事になる。このようにして、第1の原稿G1に引き続 く第2の原稿G2は、第1の原稿G1から僅かに遅れた状態で、原稿取り出しロ ーラ158の回転に伴い、前方に搬送される事となる。このように先に搬送され た第1の原稿G1と次に搬送される第2の原稿G2との間には、搬送方向に沿っ て僅かな間隙が存在する事になり、この間隙に基づき、第2の原稿検出スイッチ 168は第1の原稿G1の後端が通過し終える事により、一旦オフ動作し、また 、このオフ動作の直後に、第2の原稿G2の先端によりオン動作されることにな る。このような第2の原稿検出スイッチ168のオフ/オン動作により、画像読 み取り動作における先の原稿と次の原稿との識別が図られる様になされている。
【0117】 一方、この第2の原稿G2の下方に引き続く第3の原稿G3は、この第2の原 稿G2との摩擦により前方に向けて引きずられる様にして搬送される事になる。 しかしながら、第3の原稿G3の先端が摩擦部材196の表面に係合した時点で 、これとの摩擦力が第2の原稿G2との摩擦力よりも勝っているので、その係合 位置で搬送動作を停止させられる事になる。尚、この第3の原稿G3の第2の原 稿G2に対する分離動作、及び、第2の原稿G2の取り出し動作後における第3 の原稿G3の取り出し動作の開始状況は、上述した第1及び第2の原稿G1,G 2と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0118】 《所定枚数より多い原稿の分離・取り込み動作》 次に、上述した所定枚数よりも多い多数枚の原稿G1,G2,…の分離・取り 出し動作について説明する。 先ず、上述した所定枚数よりも多い多数枚の原稿G1,G2,…が画像読み取 り面を上向きにセットされ、且つ、頁数の若い方が上になるようにな状態で重ね られて原稿トレイ40上に載置されると、これら多数枚の原稿G1,G2,…は 自重により原稿トレイ40の原稿載置面の傾斜に従って前方に向けて一括した状 態で搬送され、分離部に向けて自重により搬送される事となる。そして、最も上 側に位置する第1の原稿G1が、原稿搬送路154の傾斜に基づき、その先端を 分離部にもたらされた状態、具体的には、原稿取り出しローラ158と原稿分離 ユニット156の左右一対の支持ばね片194d,194eとの互いに当接する 部分に入り込んだ状態となる。
【0119】 一方、この最上側の第1の原稿G1の下方に引き続く第2の原稿G2以下の原 稿G2…は、最上側の第1の原稿G1と共に、左右一対の支持ばね片194d, 194eに当接し、これら原稿G1,G2,…のバルクとしての腰の強さに基づ き、両支持ばね片194d,194eは共に下方に押し曲げられ、これら多数枚 の原稿G1,G2,…は、図44に示す様に、各々の先端が摩擦部材196のゴ ム板ばね198の上面に当接する状態でその搬送動作を停止させられる事になる 。即ち、最上に位置する第1の原稿G1は、原稿取り出しローラ158と原稿分 離ユニット156の摩擦部材196との互いに当接する部分に入り込んだ状態と なる。
【0120】 一方、この最上側の第1の原稿G1の下方に引き続く第2の原稿G2は、最上 側の第1の原稿G1と摩擦部材196とにより形成される楔状の空間に規制され 、その先端が原稿取り出しローラ158と摩擦部材196との互いに当接する部 分にまで至らない状態で、その搬送動作を停止させられる事になる。更に、この 第2の原稿G2に引き続き下方に位置する第3の原稿G3は、第2の原稿G2と 摩擦部材196とにより形成される楔状の空間に規制され、その先端が原稿取り 出しローラ158と摩擦部材196との互いに当接する部分にまで至らない状態 で、その搬送動作を停止させられる事になる。
【0121】 このようにして、これら多数枚の原稿G1,G2,…は、最上に位置する第1 の原稿G1が原稿取り出しローラ158の回転により取り出し可能な状態にもた らされ、引き続く第2及び第3の原稿G2,G3,…は、順次後方に待機した状 態にもたらされる事になる。
【0122】 このような図44に示す状態から、原稿取り出しローラ158が図中反時計方 向に沿って回転駆動されると、先端が原稿取り出しローラ158と摩擦部材19 6との互いに当接する部分にもたらされている第1の原稿G1のみが、これと原 稿取り出しローラ158との間の摩擦係合力が摩擦部材196との間の摩擦係合 力よりも強く設定されているので、前方に向けて搬送される事になる。一方、引 き続く第2の原稿G2には、この原稿取り出しローラ158の回転力が直接作用 しないで、第1の原稿G1の搬送に伴う摩擦力のみが作用する事になる。この結 果、取り出された第1の原稿G1の下方に引き続く第2の原稿G2は、その位置 に留まる事になる。即ち、取り出された第1の原稿G1に対して分離されること になる。そして、この第2の原稿G2は、第1の原稿G1の後端が原稿取り出し ローラ158から抜け出た後における原稿取り出しローラ158の回転に伴い、 前方に取り出し搬送され得る待機状態にもたらされる事になる。
【0123】 即ち、このように第1の原稿G1が前方に取り出された状態において、上述し た残りの原稿のバルクとしての腰の強さが原稿1枚分だけ弱められ、この結果、 左右一対の支持ばね片194d,194eは自身の弾性力により上方に持ち上が り、この結果、最上位置にもたらされた第2の原稿G2は、原稿取り出しローラ 158と摩擦部材196とにより挟持される状態にもたらされる事になる。この ようにして、第1の原稿G1に引き続く第2の原稿G2は、第1の原稿G1から 僅かに遅れた状態で、原稿取り出しローラ158の回転に伴い、前方に搬送され る事となる。
【0124】 一方、この第2の原稿G2の下方に引き続く第3の原稿G3は、この第2の原 稿G2と全く同様にして、前方に取り込み搬送される事になる。ここで、この原 稿取り出しローラ158により取り込まれる前の原稿の残り枚数が、上述した所 定枚数よりも少なくなると、前項における《所定枚数より少ない複数の原稿の分 離・取り込み動作》で説明したと同様な状況となり、ここでの原稿の取り出し動 作と実質的に同様な状態で、残りの原稿は順次前方に搬送、即ち、取り込まれる 事になるので、ここでの説明を省略する。
【0125】 〈原稿分離部の組み付け動作の説明〉 次に、図45乃至図53を参照して、原稿分離ユニット156と原稿取り出し ローラ158とホワイトローラ162とを下側原稿ガイド174へ組み付ける為 の動作を、詳細に説明する。
【0126】 《原稿分離ユニット156の取り付け動作の説明》 先ず、原稿分離ユニット156を下側原稿ガイド174へ取り付ける取り付け 動作について、図45乃至図49を参照して詳細に説明する。 この原稿分離ユニット156は、図45に示す様に、裸の状態の下側原稿ガイ ド174、即ち、原稿取り出しローラ158、ホワイトローラ162、及び、上 側原稿ガイド176が取り付けられる前の状態の下側原稿ガイド174に取り付 けられるものである。詳細には、この原稿分離ユニット156は、下側原稿ガイ ド174の第1の凹所174b内に収納された状態で取り付けられる様に設定さ れているが、その取り付け動作においては、先ず、図46に示す様に、原稿分離 ユニット156を構成するユニット本体190の後部から第1の凹所174b内 に上方から挿入し、ユニット本体190の後方係止ボス部190cを、図47に 示す様に、第1の凹所174bにおける対応する後方係止溝174g内に嵌入さ せる。
【0127】 この図47に示す状態から、ユニット本体190の前部を作業者の指等で押し 下げると、ユニット本体190の前面に形成された弾性止め片190aは、図4 8に示す様に、一旦、自身の有する弾性力に抗して後方に押し込められた状態で 、ユニット本体190の前部が第1の凹所174b内に挿入される事を許容する 。そして、ユニット本体190の前部を更に押し下げる事により、この前部は第 1の凹所174b内に完全に挿入される事になる。この完全挿入状態において、 図49に示す様に、弾性止め片190aの前端面に形成された前方係止ボス部1 90bは、第1の凹所174bの対応する前方係止溝174fに夫々嵌入する。 このようにして、ユニット本体190の後部は、後方係止ボス部190cが対応 する後方係止溝174gに嵌入し、その前部は、前方係止ボス部190bが対応 する前方係止溝174fに嵌入する事により、この原稿分離ユニット156は、 第1の凹所174b内に係止された状態で収納され、その収納状態を安定した状 態で維持される事になる。
【0128】 尚、この原稿分離ユニット156の取り外し動作は、上述した取り付け動作と 全く逆に実行すれば良く、その詳細な説明は省略するが、例えば、図49に示す 収納状態において、作業者の爪やマイナスタイプのドライバ等を用いてユニット 本体190の弾性止め片190aの上端を後方に押し込める事により、図48に 示す様に、前方係止ボス部190bが対応する前方係止溝174fから抜け出て 、その係止状態が解除され、上方への持ち上げ可能状態とし、引き続き、この弾 性止め片190aの上端を持ち上げる事により、図47に示す様に、ユニット本 体190の前部が第1の凹所174bから抜け出る事になる。そして、この第1 の凹所174bから抜け出たユニット本体190の前部を、今度は前方に引きつ けつつ全体を持ち上げる事により、図46に示す様に、原稿分離ユニット156 を下側原稿ガイド174から完全に取り外すことが出来る事になる。
【0129】 《原稿取り出しローラ158及びホワイトローラ162の取り付け動作の説 明》 次に、図50乃至図53を参照して、原稿取り出しローラ及びホワイトローラ 162の下側原稿ガイド174への取り付け動作を詳細に説明する。
【0130】 先ず、図50に示す様に、原稿分離ユニット156が下側原稿ガイド174の 第1の凹所174b内に挿入されて係止された状態において、図示していないが 、上側原稿ガイド176がスナップ係止ピン175を介して下側原稿ガイド17 4の上面に取り付けられる。尚、この上側原稿ガイド176は、このスナップ係 止ピン175を抜き取る事により、下側原稿ガイド176から簡単に取り外すこ とが出来るものである。
【0131】 一方、上述した原稿取り出しローラ158は、これのシャフト部158aの両 端に夫々取り付けられた第1のベアリングブッシュ178の嵌入溝部178bを 、図51に示す状態から、対応する延出片178cが起立した姿勢を取った状態 を維持しつつ、下側原稿ガイド174の左右両側の支持板174c,174dに 夫々形成された第1の凹部180に上方から押し入れられる様に嵌入させられる 。この結果、嵌入溝部178bは、対応する第1の凹部180のテーパ穴部18 0aに先ず遊嵌され、ここのテーパ面に従って狭窄穴部180bの上端まで強制 的に案内され、この狭窄穴部180bを押し広げながら押し下げられ、図52に 示す様に、受け穴部180c内に挿入される事になる。このようにして、第1の ベアリングブッシュ178は、その嵌入溝部178bを対応する受け穴部180 c内に押し入れられた状態で、所謂スナップ係合状態で、支持板174c,17 4dに夫々回動自在に支持される事になる。
【0132】 尚、このように、原稿取り出しローラ158がその両端において第1のベアリ ングブッシュ178を夫々介して両支持板174c,174dに回動自在に軸支 された状態で、図36に示す様に、この原稿取り出しローラ158の摩擦ローラ 部158bは上側原稿ガイド176に形成された挿通孔176aを介して、これ の下方に取り出され、原稿分離ユニット156を構成する板ばね194の左右一 対の支持ばね片194c,194dに上方から接触する同時に、摩擦部材196 のゴム板ばね198にも上方から接触する事となる。
【0133】 また、上述したホワイトローラ162は、これのシャフト部162aの両端に 夫々取り付けられた第2のベアリングブッシュ182の嵌入溝部182bを、図 51に示す状態から、対応する延出片182cが起立した姿勢を取った状態を維 持しつつ、下側原稿ガイド174の左右両側の支持板174c,174dに夫々 形成された第2の凹部184に上方から押し入れられる様に嵌入させられる。こ の結果、嵌入溝部182bは、対応する第2の凹部184のテーパ穴部184a に先ず遊嵌され、ここのテーパ面に従って狭窄穴部184bの上端まで強制的に 案内され、この狭窄穴部184bを押し広げながら押し下げられ、図52に示す 様に、受け穴部184c内に挿入される事になる。このようにして、第2のベア リングブッシュ182は、その嵌入溝部182bを対応する受け穴部184c内 に押し入れられた状態で、所謂スナップ係合状態で、支持板174c,174d に夫々回動自在に支持される事になる。
【0134】 ここで、このように原稿取り出しローラ158及びホワイトローラ162が下 側原稿ガイド174に取り付けられた状態で、図50に示す様に、この原稿取り 出しローラ158の一端(図中、左端)に同軸に固定された第2の従動ギヤ17 2cが、第3の中間ギヤ172fに上方から噛合し、また、ホワイトローラ16 2の一端(図中、左端)に同軸に固定された第1の従動ギヤ172bが第1及び 第2の中間ギヤ172d,172eに同時に噛合し、これらの噛合により、原稿 送りモータ140の駆動力を第1及び第2の従動ギヤ172b,172cに順次 伝達する為のギヤトレインが、図33に示す様に構成される事になる。
【0135】 尚、このように、ホワイトローラ162がその両端において第2のベアリング ブッシュ182を夫々介して両支持板174c,174dに回動自在に軸支され た状態で、このホワイトローラ162のローラ部162bは、下側原稿ガイド1 74の第2の凹所174e内に収納され、コントロールパネル20が閉じられた 状態で、このコントロールパネル20の下面に取り付けられたイメージリーダ1 60に対して所定の位置関係を有する状態に正確に位置決めされる事になる。
【0136】 この後、図52に示す状態から、各第1のスライドブッシュ178の延出片1 78cを図中時計方向に沿って約90度だけ回動させ、図53に示す様に、この 延出片178cの内面に突出形成された突起部178dを、対応する第1の係止 穴186内に嵌入させる。このようにして、各第1のスライドブッシュ178の 対応する支持板174c,174dへの取り付け状態は固定され、従って、原稿 取り出しローラ158は安定した取り付け状態で、下側原稿ガイド174に回動 自在に取り付けられる事になる。
【0137】 また、同様に、図52に示す状態から、各第2のスライドブッシュ182の延 出片182cを図中反時計方向に沿って約90度だけ回動させ、図53に示す様 に、この延出片182cの内面に突出形成された突起部182dを、対応する第 2の係止穴188内に嵌入させる。このようにして、各第2のスライドブッシュ 182の対応する支持板174c,174dへの取り付け状態は固定され、従っ て、ホワイトローラ162は安定した取り付け状態で、下側原稿ガイド174に 回動自在に取り付けられる事になる。
【0138】 尚、これら原稿取り出しローラ158とホワイトローラ162との夫々の取り 外し動作は、上述した取り付け動作と全く逆に実行すれば良く、その詳細な説明 は省略するが、例えば、図53に示す係止状態において、例えば作業者の爪やマ イナスタイプのドライバ等を用いて対応するスライドブッシュ178,182の 延出片178c,182cの先端を対応する支持板174c,174dから引き 剥す様に変形させる事により、図52に示す様に、原稿取り出しローラ158, ホワイトローラ162は、夫々自身の中心軸線回りに回動可能となされ、夫々を 取り付け時とは反対方向に90度だけ回動させる事により、上方への持ち上げ可 能状態とし、引き続き、これら対応するスライドブッシュ178,182を持ち 上げる事により、図51に示す様に、夫々対応する凹部180,184から上方 に抜き取られて、下側原稿ガイド174から完全に取り外すことが出来る事にな る。
【0139】 以上詳述した様に、この一実施例によれば、画像読み取り機構18において最 も機械的な性能を要求されるところの、換言すれば、原稿を確実に一枚づつ分離 搬送する事の出来る機能を発揮するところの原稿分離部は、極めて簡単な操作で 組み付けられることが出来ると共に、同様に、極めて簡単な操作で分解すること が出来る事になる。このようにして、この一実施例においては、例えば、定期整 備時において、原稿分離機能を良好に維持する為に、原稿取り出しローラ158 を新規なものに取り替えたり、原稿分離ユニット156において、摩擦部材19 6のゴム板ばね198を張り替えたり、また、板ばね194において左右一対の 支持ばね片194c,194dの傾斜角度を調整する作業等が、極めて容易に行 い得る事となり、整備時の作業性の向上を図ることが出来る事になる。
【0140】 この考案は、上述した一実施例の構成に限定されることなく、この考案の要旨 を逸脱しない範囲で種々変形可能である事は言うまでもない。 例えば、上述した一実施例においては、ファクシミリ装置に適用される場合に つき説明したが、この考案は、この様な構成に限定されることなく、通信機能の ない所謂プリンタ装置にも適用することが出来る事は言うまでもない。
【0141】
【考案の効果】
以上詳述した様に、この考案に係わる電子写真装置は、メインプレートと、こ のメインプレートの下方に取り付けられたロアーハウジングと、前記メインプレ ートの上方に取り付けられ、上面が略全面に渡り開放されたミドルハウジングと 、前記メインプレートの上面に回動自在に取り付けられた揺動フレームと、この 揺動フレームに取り付けられ、前記ミドルハウジングの上面開口を開放可能に閉 塞すると共に、上面が部分的に開放されたアッパーハウジングと、このアッパー ハウジングに回動自在に取り付けられ、これの開口を開放可能に閉塞するコント ロールパネルと、前記メインプレート上に配設され、電子写真法を利用して用紙 上に画像を形成する画像形成手段と、前記揺動フレームに取り付けられ、原稿の 画像を読み取る画像読み取り手段と、前記ロアーハウジングに囲まれた空間内に 配設され、全体制御を司る全体制御回路と、前記メインプレートの上方に配設さ れ、前記画像形成手段が第1の接続ライン群を介して接続され、また、前記画像 読み取り手段が第2の接続ライン群を介して接続される中継回路とを具備し、こ の中継回路と前記全体制御回路とは第3の接続ライン群を介して互いに接続され る事を特徴としている。
【0142】 また、この考案に係わる電子写真装置において、前記第3の接続ライン群は、 前記メインプレートを迂回した状態で配設される事を特徴としている。
【0143】 また、この考案に係わる電子写真装置において、前記ロアーハウジングの外面 には、外部と通信ラインにより接続されるコネクタが取り付けられ、前記ロアー ハウジングに囲まれた空間内には、通信制御回路が配設される事を特徴としてい る。
【0144】 また、この考案に係わる電子写真装置において、前記通信制御回路を介して入 力された画像信号は、前記ロアーハウジング内に配設された第4の接続ライン群 を介して、前記全体制御回路に接続され、前記画像形成装置は、この通信制御回 路を介して入力された画像信号を用紙上に画像形成する事を特徴としている。
【0145】 従って、この考案によれば、内部の配線回しを簡略化した状態で行う事の出来 る電子写真装置が提供される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係わる電子写真装置の一実施例が適
用されるファクシミリ装置の内部構成を概略的に示す側
面図である。
【図2】図1に示すファクシミリ装置の構成の外観を斜
め前方から見た状態で示す斜視図である。
【図3】図1に示すファクシミリ装置の構成の外観を斜
め後方から見た状態で示す斜視図である。
【図4】図1に示すファクシミリ装置の底面形状を、底
部目隠し蓋を取り外した状態で示す底面図である。
【図5】図1に示すファクシミリ装置を構成するメイン
プレートの底面形状を取り出して示す底面図である。
【図6】図5に示すメインプレートよりも下方の構成を
取り出した状態で、その後面形状を示す後面図である。
【図7】図2に示すファクシミリ装置を、アッパーハウ
ジングを開放した状態で示す斜視図である。
【図8】図7に示すファクシミリ装置の側面形状を示す
側面図である。
【図9】図1に示すファクシミリ装置の正面形状を示す
正面図である。
【図10】図1に示すファクシミリ装置に備えられた原
稿トレイを取り出した状態で示す斜視図である。
【図11】図10に示す原稿トレイとアッパーハウジン
グに取り付けられたトレイ受け台との取り付け状態を説
明する為に、両者を離間させた状態で示す斜視図であ
る。
【図12】図11に示す原稿トレイをトレイ受け台に取
り付けた状態で示す側断面図である。
【図13】図11に示す原稿トレイをトレイ受け台に取
り付ける直前において起立させた状態で示す側断面図で
ある。
【図14】図13に示す状態から、起立させた原稿トレ
イをトレイ受け台の挿通穴内に上方から挿通させた状態
で示す側断面図である。
【図15】図14に示す状態から、原稿トレイをトレイ
受け台に対して傾斜させる動作を開始した直後の状態で
示す側断面図である。
【図16】図2に示すファクシミリ装置を完全閉塞状態
で示す側面図である。
【図17】図16に示す状態から、ファクシミリ装置を
アッパーフレームが半開放状態で示す側面図である。
【図18】図17に示す状態から、ファクシミリ装置を
アッパーフレームが全開状態で示す側面図である。
【図19】図1に示すファクシミリ装置に備えられる調
整基板の上面形状を取り出して示す平面図である。
【図20】図19に示す調整基板上のジャンパ端子に連
結部材を装着させる直前の状態で示す正面図である。
【図21】図1に示すファクシミリ装置を構成するフレ
ーム構造を取り出して示す斜視図である。
【図22】図21に示す揺動フレームのメインプレート
への軸支状態を取り出して示す平面図である。
【図23】図22に示す揺動フレームのメインプレート
への軸支状態を取り出して示す側面図である。
【図24】揺動フレームのメインプレートへの軸支状態
を、図22におけるA−A線に沿って切断した状態で示
す断面図である。
【図25】揺動フレームのメインプレートへの軸支状態
を、図22におけるB−B線に沿って切断した状態で示
す断面図である。
【図26】揺動フレームへのダンパーの取り付け状態を
示す平面図である。
【図27】図21に示す揺動フレームへのダンパーの取
り付け状態を示す側面図である。
【図28】図1に示すファクシミリ装置の内部構造にお
いて、特に、インターロック機構回りの構成を、完全閉
塞状態で示す側断面図である。
【図29】図28に示すファクシミリ装置の内部構造に
おいて、インターロック機構回りの構成を取り出して、
コントロールパネルのみが開放された状態で示す側断面
図である。
【図30】図28に示すファクシミリ装置の内部構造に
おいて、インターロック機構回りの構成を取り出して、
アッパーハウジングが開放された状態で示す側断面図で
ある。
【図31】図1に示すファクシミリ装置に備えられた画
像読み取り機構の構成を取り出した状態で示す側面図で
ある。
【図32】図1に示すファクシミリ装置をアッパーハウ
ジングを取り外した状態でその上面形状を示す平面図で
ある。
【図33】図32に示すファクシミリ装置の構成の側面
形状を示す側面図である。
【図34】図33に示すファクシミリ装置の構成を、コ
ントロールパネルを開放した状態で示す側面図である。
【図35】図31に示す画像読み取り機構における原稿
分離部付近の構成を取り出して示す側断面図である。
【図36】図35に示す原稿分離部付近を拡大した状態
で示す拡大側断面図である。
【図37】図31に示す画像読み取り機構における下側
原稿ガイドの形状を取り出して示す側断面図である。
【図38】図37に示す下側原稿ガイドの支持板の形状
を取り出して示す側面図である。
【図39】図38に示す下側原稿ガイドに夫々取り付け
られる原稿分離送りローラ及びホワイトローラを回動自
在に支持するためのベアリングブッシュの構成を取り出
して示す斜視図である。
【図40】図31に示す画像読み取り機構における原稿
分離ユニットの構成を取り出して示す斜視図である。
【図41】図40に示す原稿分離ユニットの側面形状を
示す側断面図である。
【図42】1枚の原稿の取り出し動作を説明する為の側
断面図である。
【図43】所定枚数よりも少ない複数の原稿の分離・取
り出し動作を説明する為の側断面図である。
【図44】所定枚数よりも多い原稿の分離・取り出し動
作を説明する為の側断面図である。
【図45】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける直前の状態を示す斜視図である。
【図46】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける直前の状態を示す側断面図である。
【図47】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける動作中における、後方係止ボス部が対応する後方係
止溝に嵌入した状態で示す側断面図である。
【図48】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける動作中における、弾性止め片が後方に偏位させられ
た上たで示す側断面図である。
【図49】原稿分離ユニットが下側原稿ガイドに取り付
けられ終えた状態で示す側断面図である。
【図50】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに取り付けられる直前の状態を、上側原稿
ガイドを取り外した状態で示す斜視図である。
【図51】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに取り付けられる直前の状態を示す側面図
である。
【図52】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに上方から嵌入させた状態で示す側面図で
ある。
【図53】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに取り付けら、係止された状態で示す側面
図である。
【符号の説明】
10 ファクシミリ装置 12 メインプレート 14 プリント機構 16 揺動フレーム 18 画像読み取り機構 20 コントロールパネル 30 ロアーハウジング 32 ミドルハウジング(プリンタハウジング) 34 アッパーハウジング 52 メイン制御基板 147A 第1の接続ライン 147B 第2の接続ライン 147C 第3の接続ライン 147D 第4の接続ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 外村 哲 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 平野 正和 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 柵木 基宏 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 吉田 達也 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 堀江 幹生 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 白井 雅実 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 伊藤 栄一 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 大塚 健一郎 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインプレートと、 このメインプレートの下方に取り付けられたロアーハウ
    ジングと、 前記メインプレートの上方に取り付けられ、上面が略全
    面に渡り開放されたミドルハウジングと、 前記メインプレートの上面に回動自在に取り付けられた
    揺動フレームと、 この揺動フレームに取り付けられ、前記ミドルハウジン
    グの上面開口を開放可能に閉塞すると共に、上面が部分
    的に開放されたアッパーハウジングと、 このアッパーハウジングに回動自在に取り付けられ、こ
    れの開口を開放可能に閉塞するコントロールパネルと、 前記メインプレート上に配設され、電子写真法を利用し
    て用紙上に画像を形成する画像形成手段と、 前記揺動フレームに取り付けられ、原稿の画像を読み取
    る画像読み取り手段と、 前記ロアーハウジングに囲まれた空間内に配設され、全
    体制御を司る全体制御回路と、 前記メインプレートの上方に配設され、前記画像形成手
    段が第1の接続ライン群を介して接続され、また、前記
    画像読み取り手段が第2の接続ライン群を介して接続さ
    れる中継回路とを具備し、 この中継回路と前記全体制御回路とは第3の接続ライン
    群を介して互いに接続される事を特徴とする電子写真装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第3の接続ライン群は、前記メイン
    プレートを迂回した状態で配設される事を特徴とする請
    求項1に記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記ロアーハウジングの外面には、外部
    と通信ラインにより接続されるコネクタが取り付けら
    れ、 前記ロアーハウジングに囲まれた空間内には、通信制御
    回路が配設される事を特徴とする請求項1に記載の電子
    写真装置。
  4. 【請求項4】 前記通信制御回路を介して入力された画
    像信号は、前記ロアーハウジング内に配設された第4の
    接続ライン群を介して、前記全体制御回路に接続され、 前記画像形成手段は、この通信制御回路を介して入力さ
    れた画像信号を用紙上に画像形成する事を特徴とする請
    求項3に記載の電子写真装置。
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