JPH0581049B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0581049B2
JPH0581049B2 JP61194047A JP19404786A JPH0581049B2 JP H0581049 B2 JPH0581049 B2 JP H0581049B2 JP 61194047 A JP61194047 A JP 61194047A JP 19404786 A JP19404786 A JP 19404786A JP H0581049 B2 JPH0581049 B2 JP H0581049B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon substrate
base metal
nickel
electrode
evaporation source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61194047A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6351629A (ja
Inventor
Kinji Sugyama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanken Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanken Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanken Electric Co Ltd filed Critical Sanken Electric Co Ltd
Priority to JP19404786A priority Critical patent/JPS6351629A/ja
Publication of JPS6351629A publication Critical patent/JPS6351629A/ja
Publication of JPH0581049B2 publication Critical patent/JPH0581049B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、シリコン基板への電極形成法、特に
アルゴンプラズマを利用してイオンプレーテイン
グを行うシリコン基板への電極形成法に関連す
る。
従来の技術 汎用形パワートランジスタ及び整流ダイオード
等の個別半導体装置におけるシリコン基板電極の
形成法としては、無電解ニツケルメツキ法が多用
されている。無電解ニツケルメツキ法を使用する
理由は、ニツケルに対する半田の濡れ性が良好
で、また、前記半導体装置の製造の際、金属製リ
ード材やステム材等の外部電極とシリコン基板と
を半田で接続すると、良好な電気的特性、熱的特
性及び大きな機械的強度の接続を得ることができ
るからである。
次に、無電解ニツケルメツキ法によつてシリコ
ン基板に電極を形成する工程を示す第4図a〜d
に従つて説明する。図中aにおいて、41は、既
に熱拡散法による不純物導入でP−N接合が形成
されたシリコン基板である。42は、シリコン基
板41の表面に無電解ニツケルメツキ法で形成さ
れたニツケルを主成分とするニツケルメツキの第
1層である。
第4図bは、aのシリコン基板を窒素ガス中、
550〜700℃で30分〜1時間熱処理を施した状態を
示す。42aは、第1層42の一部が熱処理によ
りシリコン基板41に拡散した残部である。43
は、第1層42がシリコン基板41に拡散して形
成されたニツケルシリサイド層である。
熱処理前の状態aの第1層42は、シリコン基
板41への密着力が弱い上に、半導体装置の電気
的特性として必要な抵抗性接触(オーミツク接
触)は得られない。しかし、熱処理後の状態bで
は、密着力が強化され、抵抗性接触も得られる。
ただし、外部電極と接続するため残部42aに溶
融半田を接触させても、濡れ性を得ることはでき
ない。即ち、無電解ニツケルメツキ法に使用され
るメツキ浴は、主成分である塩化ニツケルと添加
剤のフオスフイン酸ソーダとを含み、フオスフイ
ン酸の還元作用を利用してニツケルをシリコン基
板上に析出させる。従つて、析出したニツケル層
中には多量(3〜10重量%)の燐が含有されてい
る。この析出したニツケル層は、熱処理によつて
相変化を起こし、非晶質から結晶質に転じ燐化ニ
ツケル(Ni3P)を生じる。この際、反応に関与
しない余剰の燐成分は気中に蒸発する。燐化ニツ
ケルは化学的にも安定な成分であり、燐化ニツケ
ルを含むニツケル層では溶融半田に対する濡れ性
を得ることができないのである。従つて、溶融半
田に対する濡れ性を得るためには、更に下記の処
理が必要である。
第4図cは、bの表面層である残部42aを王
水又は熱硝酸を主成分とするエツチング剤で溶解
除去した状態を示す。dは、ニツケルシリサイド
層43の上に、更に、無電解ニツケルメツキ法に
より、ニツケル層44を形成した状態を示す。ニ
ツケル層44は、多量の燐を含有するが、熱処理
を行つていないから、溶融半田に対する濡れ性を
得ることができる。
上述のように無電解ニツケルメツキ法によつて
形成されるニツケル電極は、下記問題を発生す
る。
シリコン基板上に付着する析出物が、燐とニ
ツケルとの混合物及び化合物を含むため、後の
熱処理で相変化及び組成変化を起こす。また、
溶融半田を接触させたとき燐ガスが蒸発し、凝
固した半田内に微少気泡を残す。これらのた
め、半田の接着強度が不十分となる。
ニツケルの析出速度がシリコン基板の表面状
態及び履歴に影響され易いこともあつて、ニツ
ケルの厚さを正確に制御することが困難であ
る。
シリコン基板のP形不純物が拡散された面と
N形不純物が拡散された面とで析出速度が異な
る。これは、両不純物の表面濃度に差がある場
合顕著となる。
シリコン基板の表面に微かな汚れがあるとメ
ツキの不析出部ができ易い。
メツキ工程の前処理及び後処理で多量の水を
使用する。
メツキ廃液処理が必要である。
半導体装置の電気的特性として必要な電極の
抵抗性接触を得るためには、熱処理が必要であ
る。
溶融半田に対する濡れ性を確保するため、上
記熱処理後、再度メツキ処理を行う必要があ
る。
上記無電解ニツケルメツキ法の欠点を改善する
ため、真空蒸着法を利用することも行われてい
る。真空蒸着法で半田接続可能なニツケルの電極
を形成する場合、シリコン基板に直接にニツケル
を蒸着したのでは、充分な密着性及び抵抗性接触
は得られない。このため、チタン、クロム、モリ
ブデン等のベース金属をシリコン基板に蒸着し、
その上にニツケルを蒸着するという二層構造とす
る。
発明が解決しようとする問題点 しかし、上記蒸着法でも下記の欠点がある。
ベース金属及びニツケルを単に蒸着した状態
では、電極として密着力が不十分である。充分
な密着力を得るためには、無電解ニツケルメツ
キ法の場合と同様に、蒸着後、更に熱処理を必
要とする。
蒸着前に行われるシリコン基板への洗浄処理
の良否が電極の密着力に大きな影響を与えるの
で、電極密着力の低下やバラツキ幅の拡大が生
じ易い。また、電極密着力の低下及びバラツキ
幅の拡大を最小限の抑えるために、蒸着前のシ
リコン基板の洗浄処理及び取扱いを極めて厳密
に行う必要がある。
本発明は、熱処理を行わない場合でも、高い電
極密着力及び低抵抗性接触が安定して得られるシ
リコン基板への電極形成法を提供することを目的
とする。
問題点を解決するための手段 本発明のシリコン基板への電極形成法は、蒸発
源供給部と蒸発源供給部に対向して配置されたシ
リコン基板との間の領域に高周波プラズマ励起用
コイルを直線状に配置して、シリコン基板の雰囲
気をチタン、クロム又はモリブデンから選択され
たベース金属及びニツケルの蒸発が可能な真空度
まで減圧する排気工程と、蒸発源供給部に対して
負の直流電圧をシリコン基板部分に印加し、雰囲
気中にアルゴンを2×10-2〜6×10-2Pa(パスカ
ル)の圧力として導入すると共に、高周波プラズ
マ励起用コイルに高周波電力を供給して高周波プ
ラズマ励起用コイルの周囲にアルゴンのプラズマ
を発生させ、シリコン基板にアルゴンのイオンで
衝撃を与えてシリコン基板の表面をクリーニング
するクリーニング工程を含む。クリーニング工程
の後に、シリコン基板に金属層が形成される。こ
のシリコン基板への電極形成法は、更に蒸発源供
給部に対してシリコン基板部分が負となり且つ蒸
発源供給部とシリコン基板との間の空間で10〜
30V/cmの電界強度を与えて直流電圧の印加状態
でかつ1.5×10-2〜4×10-2Paの圧力としたアル
ゴンのプラズマの発生状態で、ベース金属を蒸発
源供給部から蒸発させ、クリーニングしたシリコ
ン基板の表面に高周波プラズマ励起用コイルの内
側を通つてベース金属を付着させてベース金属層
を形成するベース金属層形成工程と、直流電圧の
印加状態でかつ1.5×10-2〜4×10-2Paの圧力と
したアルゴンのプラズマの発生状態で蒸発源供給
部からニツケルを蒸発させ、ベース金属層の上に
ニツケル層を形成するニツケル層形成工程とを含
む。
作 用 シリコン基板の表面を予めクリーニングした
後、蒸発源供給部から蒸発したベース金属粒子
は、アルゴンのプラズマ領域において、高周波プ
ラズマ励起用コイルに供給される高周波電力のエ
ネルギを受けて、励起粒子、イオン粒子又は中性
粒子となつて加速されてシリコン基板に到達す
る。この結果、シリコン基板の表面に強固に付着
したベース金属層が形成される。更に蒸発源供給
部からニツケルを蒸発させると、ベース金属の上
に強固に付着したニツケル層が形成される。
この発明によるシリコン基板への電極形成方法
では、放電状態が安定しており、低圧で操作可能
である。また、シリコン基板上に形成される皮膜
は粒子が緻密で密着性がよい。また、コイルに対
する電力量と通電時間によりシリコン基板の付着
物質の量及び密着性を制御することができる。
実施例 以下、本発明の実施例を図面について説明す
る。第1図は、本発明によるシリコン基板への電
極形成法に使用するイオンプレーテイング装置の
概略図である。図中、1はベースプレート、2は
ステンレス製ベルジヤー、3は真空チエンバ、4
はベース金属としてのチタン及びニツケルを入れ
た回転切換式のルツボ(図示せず)を備えた蒸発
源供給部、5は蒸発源供給部4に対向して基板ホ
ルダ6に取付けたシリコン基板、7は蒸発源供給
部4とシリコン基板5との間に配置された高周波
プラズマ励起用コイル、8は高周波電源、9は高
周波電源8と高周波プラズマ励起用コイル7の間
にあるマツチングボツクス、10は蒸発源を加熱
する電子銃(図示せず)に電力を供給する蒸発用
電源、11はシリコン基板に向かつて移動する正
イオンを加速する直流電圧を印加する加速用直流
電源、12は真空チエンバ3内に供給する希ガス
の流量を制御する制御バルブである。
上記構成において、予め表面を清浄に処理した
複数のシリコン基板5を基板ホルダ6に取り付
け、ベルジヤ2を閉鎖して、真空チエンバ3内を
排気する。真空チエンバ3内が、5×10-3Pa(パ
スカル)以下の真空度に達したとき、制御バルブ
12を開弁して、真空チエンバ3内にアルゴンガ
スを導入し、その分圧を4×10-2Paに保持する。
その後、高周波プラズマ励起用コイル7に500W
の高周波電力を供給すると、高周波プラズマ励起
用コイル7を中心として蒸発源供給部4とシリコ
ン基板5を含む広い範囲にアルゴンのプラズマが
発生する。このとき、シリコン基板5の表面は、
電子とイオンの易動度の差によるセルフ・バイア
ス効果により直流電界が印加された状態と等価と
なる。更に、アルゴンイオンの移動速度を加速す
るため、蒸発源供給部4を接地し、これと基板ホ
ルダ6との間に基板ホルダ6側を負とする500V
の直流電圧を印加する。従つて、アルゴンイオン
は、基板ホルダ6とほぼ同電位となるシリコン基
板5に向かつて高速度で移動し、シリコン基板5
の表面に衝突(ボンバードメント)する。従つ
て、シリコン基板5の表面はイオンエツチングに
よりクリーニングされる。このクリーニング工程
の時間は、約20分である。
その後、500Vの直流電圧の印加はそのままに、
アルゴン圧力をやや低めて2×10-2Paに保持し、
蒸発源供給部4に置かれたベース金属としてのチ
タンに電子銃から発せられた電子ビームを当てて
チタンを蒸発させる。蒸発したチタン粒子は、ア
ルゴンプラズマの中心領域である高周波プラズマ
励起用コイル7の付近で高周波電力のエネルギを
受けて励起粒子、イオン粒子又は中性粒子とな
り、高速度でシリコン基板5に向かつて移動して
これに付着し、チタンのベース金属層を形成す
る。この場合、ベース金属層は、5Å/秒の形成
速度で、約4000Åの膜厚に形成される。
ベース金属層の形成後、蒸発源をニツケルに切
換え、上記チタンの蒸発工程と同条件で蒸発源供
給部4からニツケルを蒸発させる。従つて、ニツ
ケル粒子は、高周波プラズマ励起用コイル7の付
近で高周波電力のエネルギを受けて励記粒子、イ
オン粒子又は中性粒子となり、高速度でシリコン
基板5に向かつて移動してこれに付着し、前記ベ
ース金属層の上にニツケル層を形成する。この場
合、ニツケル層は、10Å/秒の形成速度で、約
4000Åの膜厚に形成される。従つて、第2図に示
すように、シリコン基板5には、このシリコン基
板5上に付着したベース金属層13及びベース金
属層13上に付着したニツケル層14からなる電
極が形成される。
本発明のシリコン基板への電極形成法では、充
分に低抵抗の抵抗性接触特性(オーミツク接触)
が得られる。この抵抗性接触特性は、比抵抗
0.018Ω・cm、厚さ280μmのN形シリコンウエハ
に表面不純物濃度1×1021cm-3、深さ1.7μmのN+
形拡散層を形成したものに本発明の方法により電
極を形成したときのデータで、接触抵抗値は9m
Ωである。一方、シリコン母材比抵抗と2.2mm角
(4.84mm2)に切り出したチツプ寸法から計算で求
められた抵抗値は10.4mΩである。従つて、完全
に近い抵抗性接触特性を得ている。
第3図は、2.1mm2の面積を有するシリコン基板
に本発明の方法、真空蒸着法及び無電解ニツケル
メツキ法により電極を形成した上で、これらに半
田を介してリード線を接続し、引張試験にて電極
の密着力を測定した結果を示す。この引張試験で
は、各電極に対し20個のサンプルを準備した(図
中の丸印がそれぞれ測定値を示す)。図中、Aは、
本発明で得られたチタンとニツケルの二層電極の
密着力を示す。Bは、真空蒸着法で得られた同じ
くチタンとニツケルの二層電極の密着力を示す。
Cは、無電解ニツケルメツキ法で得られたニツケ
ルシリサイドとニツケルの二層電極の密着力を示
す。この図から明らかな通り、Aは、三角形印で
示される平均値で11.5Kgの密着力を示し、かつ破
断個所は電極部でなくシリコン基板結晶内であ
る。これに対し、B及びCの平均密着力は、それ
ぞれ7.5Kg及び10.4Kgで、Aよりかなり低く、か
つ上下限のバラツキが非常に大きい。なお、真空
蒸着法によるBのデータは、蒸着後の熱処理を施
していないものである。しかし、蒸着後に熱処理
を施したとしても、Cと同程度の電極密着力が得
られるだけで、平均値及びバラツキのいずれにお
いてもAより劣つている。
本発明のシリコン基板への電極形成法では、真
空チエンバ3内に供給する希ガスは、実用的には
アルゴンが最適である。また、アルゴン圧力は、
クリーニング工程では2×10-2〜6×10-2Pa(パ
スカル)、ベース金属層形成工程及びニツケル層
形成工程では1.5×10-2〜4×10-2Paの範囲で好
結果が得られる。即ち、クリーニング工程でのア
ルゴン圧力が2×10-2Pa未満では、アルゴンイ
オンの量が不足し、シリコン基板表面のクリーニ
ング効果が不十分となり、電極の密着力が低下す
る。逆に、アルゴン圧力が6×10-2Paを越える
と、アルゴンイオンの量が過剰になり、シリコン
基板以外のものをエツチングして、それ等の残渣
がシリコン基板に付着し、やはり電極の密着力が
低下する。クリーニング工程でのアルゴン圧力
は、高い電極の密着力を得るため、3×10-2〜5
×10-2Paの範囲が更に望ましい。
ベース金属層形成工程及びニツケル層形成工程
でのアルゴン圧力は、クリーニング工程と同様に
6×10-2Paが電極の密着力からすると上限値で
ある。しかし実際には、アルゴン圧力が4×
10-2Paを越えると、付着したベース金属層やニ
ツケル層がアルゴンイオンの衝突によつてエツチ
ングされ、このためベース金属層又はニツケル層
の形成速度がかなり低下する現象が現れる。ベー
ス金属層形成工程及びニツケル層形成工程ではク
リーニング作用を強力に行う必要はないから、ア
ルゴン圧力を4×10-2Pa以下とするのが効率的
である。なお、アルゴン圧力が1.5×10-2Pa未満
では、アルゴンの安定したプラズマ状態が得られ
ない。
本発明のシリコン基板への電極形成法では、各
粒子を加速するため、蒸発源供給部とシリコン基
板部分との間に直流電圧を印加する。この直流電
圧を大きくすると、シリコン基板に到達するイオ
ン(アルゴンイオン、ベース金属イオン、ニツケ
ルイオン)の運動エネルギが大きくなり、アルゴ
ンイオンによるクリーニング効果が大きくなり、
またベース金属イオン及びニツケルイオンのシリ
コン基板へのくい込み力が高まる。しかし、電極
の密着力がシリコン基板の剥離強度で制限される
ことから、蒸発源供給部とシリコン基板の間の空
間の電界強度が10V/cm程度で電極の密着力は飽
和の傾向を示す。また、この電界強度が30V/cm
程度を越えると、付着したベース金属層あるいは
ニツケル層がイオンのスパツタリング作用によつ
て荒れてしまうので好ましくない。従つて、この
電界強度が10〜30V/cmの範囲となるように直流
電圧を印加するのがよい。
本発明の方法では、電極の密着力は、電極の形
成速度と厚みに大きく左右される。これは、電極
の形成速度と厚みが電極内の残留応力及び電極系
の応力バランスに関係するためと思われる。種々
実験の結果、3〜10Å/秒の形成速度で2000〜
5000Åの厚さにチタンから成るベース金属層を形
成し、5〜13Å/秒の形成速度で4000〜8000Åの
厚さにニツケル層を形成すると良好な結果が得ら
れた。即ち、ベース金属層及びニツケル層とも形
成速度は遅い方が良好な結果が得られるが、形成
時間を考慮すると、実用面からベース金属層で3
Å/秒、ニツケル層で5Å/秒という下限値が生
じる。一方、形成速度がベース金属層で10Å/
秒、ニツケル層で13Å/秒を越えると、いずれも
電極の密着力が低下する。
上述の形成速度の範囲において、ベース金属層
の厚みが5000Åを越えると電極の密着力が低下す
る。ベース金属層の厚みが2000Å未満では、ニツ
ケル層又はその上に被着される半田やアルミニウ
ム材等の金属とシリコン基板とが反応を起こして
電極の密着力が低下する現象が起き易くなる。ま
た、ベース金属層とニツケル層を合わせた電極の
厚みは、上記半田やアルミニウム材等の金属とシ
リコン基板との反応を防止するために数千Åは必
要である。また、ニツケル層が薄すぎても電極系
の応力バランスが崩れて電極の密着力が低下す
る。これらのため、ニツケル層の厚みは4000Å以
上必要である。ニツケル層は、10000Å(1μm)
を越えると電極の密着力もかなり低下するし、こ
れ以上厚くしても経済性を損なうだけで意味がな
い。
シリコン基板とニツケル層との間に介在させる
ベース金属としては、チタン、クロム又はモリブ
デンのいずれでも使用できる。ただし、本発明の
方法によつて形成したクロムは、ケミカルエツチ
ングによつて加工するのが困難である。また、リ
ード線を半田接続する際に塩素系のフラツクスを
使うと、クロム層が塩素で腐食して電極の密着力
が低下する。モリブデンは、モリブデン粒子が弾
けるように飛んでシリコン基板に付着する現象に
よつてベース金属層の膜質が低下し易い。このた
め、量産する上では品質の安定性に乏しい。ベー
ス金属として使用されるチタンは、電極の加工
性、半田接続、量産する上での安定性のいずれに
おいても問題ない上に、電極の密着力も最も大き
い値が得られる。例えば、チタン、モリブデン及
びクロムを比較した実験では、下記の結果が得ら
れた。
ベース金属 密着力(Kg) チタン 11.5 モリブデン 11.3 クロム 10.0 従つて、チタンをベース金属として介在させる
のが最も好適である。
なお、フラツクスを使わないで半田接続を行う
場合、ニツケル面では半田に対する濡れ性が不足
することがある。このような場合は、ニツケル層
14の形成後に蒸発源を銀に切換え、ニツケル層
14の上に1000〜4000Åの銀層を形成すればよ
い。
発明の効果 上記のように、本発明のシリコン基板への電極
形成法では、シリコン基板上に順次ベース金属層
及びニツケル層が強固に付着する。従つて、電極
の熱処理工程を必要とすることなく、シリコン基
板上に従来以上に高い密着力で低抵抗接触性の電
極が形成される。即ち、本発明のシリコン基板へ
の電極形成法は、従来の無電解ニツケルメツキ法
あるいは真空蒸着法に比べ、下記の利点がある。
無電解ニツケルメツキ法と真空蒸着法のいず
れに対しても、電極の密着力が向上し、密着力
のバラツキも少ない。
無電解ニツケルメツキ法では、第1層目のメ
ツキ、熱処理及び第2層目のメツキ等の処理、
及びこれらの処理の前後処理を含む複雑かつ煩
瑣な処理工程を含み、必然的に全処理工程時間
が長くなる。これに対して本発明の方法では、
全処理工程時間を大幅に短縮することができ
る。
真空蒸着法に対しても、電極の熱処理を必要
としない分、全処理工程時間を短縮することが
できる。
無電解ニツケルメツキ法で必要な多量の化学
薬品及び水を使用することなく、これに伴つて
廃液処理という問題もない。
無電解ニツケルメツキ法の場合の燐のような
後工程で不具合を招く成分を含ませないように
電極を形成できる。従つて、半田によるリード
線接続のための熱処理工程で不具合成分が電極
から蒸発して接続不良を起こすようなことはな
い。
真空蒸着法と比べて、電極の結晶方位がそろ
つており、密度も高い。従つて、外部電極との
接続状態が良好かつ安定している。
真空蒸着法と比べて、電極形成前のシリコン
基板の処理によつて電極の密着力が左右されな
い。従つて、シリコン基板の取扱が簡単である
し、上記の利点を生む一因ともなつている。
コイルに対する電力量と通電時間によりシリ
コン基板の付着物質の量及び密着性を制御する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるシリコン基板への電極
形成法に使用するイオンプレーテイング装置の概
略図、第2図は、本発明のシリコン基板への電極
形成法で電極が形成されたシリコン基板の断面
図、第3図は、本発明による電極と従来の電極の
密着力を示すグラフ、第4図は、従来の無電解ニ
ツケルメツキ法によるシリコン基板への電極の形
成状態を示す断面図である。 1……ベースプレート、2……ベルジヤー、3
……真空チエンバ、4……蒸発源供給部、5……
シリコン基板、6……基板ホルダ、7……高周波
プラズマ励起用コイル、8……高周波電源、9…
…マツチングボツクス、10……蒸発用電源、1
1……加速用直流電源、12……制御バルブ、1
3……ベース金属層、14……ニツケル層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 蒸発源供給部と該蒸発源供給部に対向して配
    置されたシリコン基板との間の領域に高周波プラ
    ズマ励起用コイルを直線状に配置して、前記シリ
    コン基板の雰囲気をチタン、クロム又はモリブデ
    ンから選択されたベース金属及びニツケルの蒸発
    が可能な真空度まで減圧する排気工程と、 前記蒸発源供給部に対して負の直流電圧を前記
    シリコン基板部分に印加し、前記雰囲気中にアル
    ゴンを2×10-2〜6×10-2Pa(パスカル)の圧力
    として導入すると共に、前記高周波プラズマ励起
    用コイルに高周波電力を供給して前記高周波プラ
    ズマ励起用コイルの周囲にアルゴンのプラズマを
    発生させ、前記シリコン基板にアルゴンのイオン
    で衝撃を与えてシリコン基板の表面をクリーニン
    グするクリーニング工程と、 前記クリーニング工程の後に、前記シリコン基
    板に金属層を形成するシリコン基板への電極形成
    法において、 前記蒸発源供給部に対して前記シリコン基板部
    分が負となり且つ前記蒸発源供給部と前記シリコ
    ン基板との間の空間で10〜30V/cmの電界強度を
    与えて前記直流電圧の印加状態でかつ1.5×10-2
    〜4×10-2Paの圧力としたアルゴンのプラズマ
    の発生状態で、前記ベース金属を前記蒸発源供給
    部から蒸発させ、クリーニングした前記シリコン
    基板の表面に前記高周波プラズマ励起用コイルの
    内側を通つて前記ベース金属を付着させてベース
    金属層を形成するベース金属層形成工程と、 前記直流電圧の印加状態でかつ1.5×10-2〜4
    ×10-2Paの圧力としたアルゴンのプラズマの発
    生状態で前記蒸発源供給部からニツケルを蒸発さ
    せ、前記ベース金属層の上にニツケル層を形成す
    るニツケル層形成工程と、 を含むことを特徴とするシリコン基板への電極形
    成法。 2 前記ベース金属層は3〜10Å/秒の形成速度
    で2.000〜5.000Åの厚さに形成され、前記ニツケ
    ル層は、5〜13Å/秒の形成速度で4000〜10000
    Åの厚さに形成される特許請求の範囲第1項記載
    のシリコン基板への電極形成法。 3 前記ベース金属は、チタンである特許請求の
    範囲第1項記載のシリコン基板への電極形成法。
JP19404786A 1986-08-21 1986-08-21 シリコン基板への電極形成法 Granted JPS6351629A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19404786A JPS6351629A (ja) 1986-08-21 1986-08-21 シリコン基板への電極形成法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19404786A JPS6351629A (ja) 1986-08-21 1986-08-21 シリコン基板への電極形成法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6351629A JPS6351629A (ja) 1988-03-04
JPH0581049B2 true JPH0581049B2 (ja) 1993-11-11

Family

ID=16318059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19404786A Granted JPS6351629A (ja) 1986-08-21 1986-08-21 シリコン基板への電極形成法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6351629A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56142633A (en) * 1980-04-08 1981-11-07 Mitsubishi Electric Corp Forming method for back electrode of semiconductor wafer
JPS58102521A (ja) * 1981-12-14 1983-06-18 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
JPS59208727A (ja) * 1983-05-12 1984-11-27 Mitsubishi Electric Corp プラズマエツチング装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56142633A (en) * 1980-04-08 1981-11-07 Mitsubishi Electric Corp Forming method for back electrode of semiconductor wafer
JPS58102521A (ja) * 1981-12-14 1983-06-18 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
JPS59208727A (ja) * 1983-05-12 1984-11-27 Mitsubishi Electric Corp プラズマエツチング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6351629A (ja) 1988-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4759948A (en) Film formation through co-deposition with high and low energy beams
KR20010032498A (ko) 손상없는 스컵쳐 코팅 증착
US3479269A (en) Method for sputter etching using a high frequency negative pulse train
US3661747A (en) Method for etching thin film materials by direct cathodic back sputtering
WO1993007306A1 (en) Adherent metal coating for aluminum nitride surfaces
JP2003293126A (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
US3325393A (en) Electrical discharge cleaning and coating process
JPH0581050B2 (ja)
US3968019A (en) Method of manufacturing low power loss semiconductor device
US6056831A (en) Process for chemically and mechanically enhancing solder surface properties
US10675841B2 (en) Thin diamond film bonding providing low vapor pressure at high temperature
JPH0581049B2 (ja)
Ishida et al. Contact and interconnect formation on compound semiconductor devices by ionized-cluster beam deposition
JP3273827B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
US5496772A (en) Method of manufacturing film carrier type substrate
CN115058692B (zh) 一种中子管靶的靶膜的制备方法
JPS6350854B2 (ja)
WO2000046830A1 (fr) Plaque diaphragme et son procede de traitement
KR960014958B1 (ko) 반도체 스펏터링 장비용 차단막(Shield)의 제조방법
JP2600336B2 (ja) 高熱伝導性ic用基材の作製方法
KR100510917B1 (ko) 장벽층형성방법
JP3855051B2 (ja) n型伝導性酸化亜鉛上への低接触抵抗電極の形成法
JPH06293581A (ja) AlNセラミックス材の表面へのメタライズ方法
JPH09249413A (ja) 六硼化ランタン膜の形成方法
JP2560451B2 (ja) OイオンミキシングによるA▲l▼Nセラミック材のCuメタライズ方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term