JPH0581028U - 紙製パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷物を積載するパレットが、破損したり、不
用になったりした時容易に再生紙に再生できる紙製パレ
ットを得る。 【構成】 パレットを構成する厚紙や段ボール紙にあっ
ては、ライナーや中芯は水溶性接着剤で接着され、また
パレットとなる上部シート、下部シート、外筒、や内筒
はすべて水溶性接着剤で接着一体化される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は厚紙や段ボール紙によって作成された荷物積載のためのパレットに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

厚紙または段ボール紙、あるいはそれらの両者からなる荷物積載のためのパレ ットは例えば実公昭５２−１８５２５号公報等に示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これに示されたパレットはもちろん、これ以外の厚紙や段ボール紙で作られた パレットが破損したり、不用になった時には、焼却されたり、そのまま捨てられ ていたが、これでは大切な森林資源が消費されるだけであることから、この考案 では、破損したり、耐用命数を経過して使えなくなったパレットを再生紙に容易 に再生できる紙製パレットを提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記した課題を達するため、この考案は上部シート（１）と下部シート（２） との間に、複数個の外筒（３）を適当な間隔で配し、この外筒（３）の内側に沿 って折曲げる折込片（４），（４′）を上部シート（１）と下部シート（２）と に設け、外筒（３）の内側に、上下方向から内筒（５），（５′）を挿入嵌合し て、内筒（５），（５′）と外筒（３）との間に折込片（４），（４′）を挟持 した状態で、これら内筒（５），（５′）と折込片（４），（４′）と外筒（３ ）とを接着一体化したパレットであって、上部シート（１）と下部シート（２） と外筒（３）と、内筒（５），（５′）とは、いずれも厚紙かあるいはライナー （６）と中芯（７）とが水溶性接着剤（８）で接着された段ボール紙（９）から なり、また上部シート（１）と下部シート（２）との一体化に際しての内筒（５ ），（５′）と折込片（４），（４′）と外筒（３）との接着も水溶性接着剤（ ８）で接着された紙製パレットとしたものである。

【０００５】 この考案で用いられる水溶性接着剤とは、液状系のうちの水溶液系であって澱 粉、ニカワ、ゼラチン等を原料とする接着剤である。

【０００６】 この考案で用いられる厚紙とはボール紙と称されるもの等であり、また段ボー ル紙は、上下のライナーの間に中芯が接着されたものをはじめ、ライナーが３枚 でその間に中芯が２枚で構成されるもの、それよりも多層で構成されるものであ ってもよい。

【０００７】 この考案で用いられる上部シートや下部シートの表面や裏面、あるいは外筒や 内筒の外側面や内側面には合成樹脂のコート層等、水に不溶性の物質が施されな いのがよいが、水溶性のインキによる印刷はよい。

【０００８】

【実施例】

図１はこの考案の実施の一例である紙製パレットの要部であり、図２のＡ−Ａ 線に沿う縦断側面図、図２は、この考案の実施の一例を示す紙製パレットの平面 図、図３はこの考案で用いられる上部シートの平面図、図４はこの考案で用いら れる下部シートの底面図、図５はこの考案で用いられる段ボール紙の要部の縦断 側面図であって、１は上部シートであり得られたパレットの上面となり、２は下 部シートであって得られたパレットの下面となり、いずれも段ボール紙９からな っている。この段ボール紙９は図５に示すように中芯７がライナー６の間に水溶 性接着剤８、例えば澱粉糊で接着されている。上部シート１と下部シート２とに は、それぞれ複数箇所であって上部シート１と下部シート２との同一の箇所に折 込片４，４′が設けられている。 図にあっては上部シート１と下部シート２には折込片４，４′は６ケ所に設け られ、１ケ所の折込片４，４′は８片からなっている。この折込片４，４′は上 部シート１，下部シート２の上の必要箇所に、外筒３の内径を直径とする円を画 き、この円を８等分する切り込み１０で切断して折込片４，４′とする。図にあ っては折込片４，４′は８片であるが、このほか、６片であっても、１６片であ ってもよい。このような上部シート１を用意して上部シート１の下側で折込片４ の位置に外筒３を置き、次いで上部シート１の上面で折込片４の位置に内筒５を 置き、この内筒５を強く押し下げることによって折込片４は外筒３の内側と、内 筒５の外側との間に挟持される。この操作の前に折込片４の表面と裏面とには、 水溶性接着剤８、例えば澱粉糊が塗布されるから、外筒３と折込片４と内筒５と は、水溶性接着剤８で接着一体化される。次いで、上部シート１を下にして上部 シート１から突出している外筒３の上に下部シート２を置くが、この外筒３は下 部シート２の折込み片４′の位置であり、この下部シート２上面の折込片４′の 位置には、内筒５′が置かれるが、この時の折込片４′の両面に水溶性接着剤８ が塗布される。 このようにされた内筒５′の上から内筒５′を押し下げて内筒５の場合と同様 に外筒３と折込片４′と内筒５′とは水溶性接着剤８で接着一体化されてパレッ トが得られる。

【０００９】

【考案の効果】

この考案になる紙製パレットはこの紙製パレットを構成する上部シート、下部 シート、外筒、内筒の全部が厚紙や段ボール紙でなり、これら段ボール紙のライ ナーと中芯との接着も澱粉、ゼラチン、ニカワ等の如き水溶性接着剤からなり、 さらに、上部シートと下部シートと外筒や内筒との接着もすべき水溶性接着剤を 用いていることから、パレットが使用による破損や、相当回数の使用によって廃 棄せざるを得なくなった際に、再生紙として再生する時、容易にパレット全部が 水に溶解でき、水に不溶解の部分がないので再生作業が容易であって省資源に役 立つパレットとすることができ、また荷物積載のための強度も充分に保有するも のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の一例である紙製パレットの要
部を示し、図２のＡ−Ａに沿う縦断側面図。

【図２】この考案の実施の一例を示す紙製のパレットの
平面図。

【図３】この考案で用いられる上部シートの平面図。

【図４】この考案で用いられる下部シートの底面図。

【図５】この考案で用いられる段ボール紙の要部の縦断
側面図。

【符号の説明】

１ 上部シート ２ 下部シート ３ 外筒 ４，４′ 折込片 ５，５′ 内筒 ６ ライナー ７ 中芯 ８ 水溶性接着剤 ９ 段ボール紙 １０ 切り込み

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部シート（１）と下部シート（２）との
   間に、複数個の外筒（３）を適当な間隔で配し、この外
   筒（３）の内側に沿って折曲げる折込片（４），
   （４′）を上部シート（１）と下部シート（２）とに設
   け、外筒（３）の内側に、上下方向から内筒（５），
   （５′）を挿入嵌合して、内筒（５），（５′）と外筒
   （３）との間に折込片（４），（４′）を挟持した状態
   で、これら内筒（５），（５′）と折込片（４），
   （４′）と外筒（３）とを接着一体化したパレットであ
   って、上部シート（１）と下部シート（２）と外筒
   （３）と；内筒（５），（５′）とは、いずれも厚紙
   か、あるいはライナー（６）と中芯（７）とが水溶性接
   着剤（８）で接着された段ボール紙（９）からなり、ま
   た上部シート（１）と下部シート（２）との一体化に際
   しての内筒（５），（５′）と折込片（４），（４′）
   と外筒（３）との接着も水溶性接着剤（８）で接着され
   たことを特徴とする紙製パレット。