JPH0580763U - インパクトプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１組の記録媒体における記録紙の枚数が増えて
も印字のカスレを防止することのできるインパクトプリ
ンタを提供することを目的とする。 【構成】記録媒体Ｓが搬送される経路に記録媒体Ｓを裏
面側から加熱するヒータ９を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、記録紙と記録紙との間にカーボン等の感圧転写剤を介在させた記録 媒体に対してドットマトリクスにより印字を行なうインパクトプリンタに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のインパクトプリンタは、記録媒体にドットピンを衝突させてイ ンパクト印字を行なう印字ヘッドと、この印字ヘッドに対向して配設されたプラ テンと、このプラテンと上記印字ヘッドとの間に記録媒体を搬送する搬送路とを 有し、プラテンと印字ヘッドとの間に搬送された記録媒体にインパクト力を与え て印字を行なうようになっている。

【０００３】 ところで、このようなインパクトプリンタは、一度に複写する記録紙の枚数が 増えると、１組の記録媒体の裏面に近い記録紙へのインパクト力が弱まり、印字 のカスレ等が発生する。そこで、このような不具合を防止するために、１組の記 録紙の枚数が増えた場合には印字ヘッドのインパクト力を強めるようにしたもの が提案されている。

【０００４】 また、複写能力を向上させる手段として、文字フォントにより大文字、強調文 字などを採用することが考えられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来技術では印字ヘッドのインパクト力が強すぎると 印字ヘッドのインパクト力によって記録媒体の表面に孔が開いてしまうという問 題があり、記録媒体の材質あるいは強度の相違に対応して良好な印字を得るよう にすることが困難であった。

【０００６】 また、文字フォントにより良好な印字を得ようとすると、印字速度が低下する などの問題があった。

【０００７】 本考案は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は１組の記録 媒体における印字のカスレ等を防止することのできるインパクトプリンタを提供 することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案に係るインパクトプリンタは、記録紙と記録 紙との間に感圧転写剤を介在させた記録媒体にインパクト印字を行なう印字ヘッ ドと、この印字ヘッドに対向して配設されたプラテンと、このプラテンと前記印 字ヘッドとの間に前記記録媒体を搬送する搬送手段と、この搬送手段により前記 記録媒体が搬送される経路に配設され前記記録媒体を裏面側から加熱する加熱手 段とを具備したものである。

【０００９】

【作用】

上記の構成によると、記録媒体の記録紙と記録紙との間に介在する感圧転写剤 の転写力が加熱手段の熱によって高まるので、記録媒体が熱保持された状態で印 字出力され、記録媒体の裏面に近い記録紙における印字のカスレ等を防止するこ とができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図１乃至図３を参照して説明する。

【００１１】 図１及び図２において、１はプリンタ本体であり、この本体１内には印字ヘッ ド２が設けられている。この印字ヘッド２はワイヤドットヘッドと称されるもの であり、記録媒体Ｓに直接インパクト力を与えて印字を行なうようになっている 。

【００１２】 また、本体１内にはプラテン３が前記印字ヘッド２と対向して配設されており 、このプラテン３で印字ヘッド２のインパクト力を受けるようになっている。な お、前記印字ヘッド２は図示しないキャリアに搭載されており、プラテン３の長 手方向（紙面に垂直な方向）に往復移動可能となっている。

【００１３】 また、本体１内にはフィードローラ４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ，４ｅ，４ｆが記 録媒体Ｓの搬送路Ｆを形成する上側ガイド板５と下側ガイド板６の途中に対向し て配設されており、これらのフィードローラ４ａ〜４ｆにより記録媒体挿入口７ から挿入された記録媒体Ｓを前記印字ヘッド２とプラテン３との間に搬送するよ うになっている。

【００１４】 前記記録媒体挿入口７は本体１のフロント部に形成されており、この記録媒体 挿入口７には記録媒体Ｓを載置するフロントテーブル８が取り付けられている。 このフロントテーブル８の記録媒体載置面８ａにはニクロム線等のヒータ９が内 部に配設されており、このヒータ９で記録媒体Ｓを裏面側から加熱するようにな っている。

【００１５】 なお、記録媒体Ｓは図３に示す如く複数枚の記録紙Ｐを重ね合わせて１組の記 録媒体Ｓを形成しており、記録紙Ｐの裏面にはカーボン等を主体とした感圧転写 剤Ｃが塗布され、１組の記録媒体Ｓが形成されている。また、前記ヒータ９はプ リンタ本体１に設けられた図示しないスイッチを投入すると発熱するようになっ ており、フロントテーブル８における記録媒体載置面８ａの表面温度が約３０℃ 〜４０℃に保持されるように温度制御されるようになっている。

【００１６】 上記のように構成されるインパクトプリンタでは、フロントテーブル８の記録 媒体載置面８ａに配設されたヒータ９で記録媒体Ｓを裏面側から加熱した後、こ の１組の記録媒体Ｓを挿入口７から搬送路Ｆにフィードローラ４ａ〜４ｆを介し てプラテン３と印字ヘッド２との間に位置決めし、印字ヘッド２により印字出力 される。このとき、記録媒体Ｓの裏面が印字記録媒体載置面８ａに接して特に加 熱された後、記録媒体Ｓは熱保持された状態で印字ヘッド２を有する印字部に搬 送され、印字出力される。従って、感圧転写剤Ｃの主体をなすカーボンの粘性が 上り、複写能力が高いので、１組の記録媒体Ｓの裏面に近い記録紙に対する印字 のカスレを防止することができる。

【００１７】 なお、上述した実施例ではフロントテーブル８の記録媒体載置面８ａにヒータ ９を配設して記録媒体Ｓを裏面側から加熱するようにしたが、ヒータ９等の加熱 手段を配設する箇所は本体１内であっても良く、また例えば図４に示す如く記録 媒体Ｓを搬送する搬送ドラム１０内にハロゲンランプ１１等を配設し、このハロ ゲンランプ１１等から発生する熱で記録媒体Ｓを裏面側から加熱するようにして もよい。なお、前記加熱手段は記録媒体載置面８ａと搬送ドラム１０内との両方 に配設しても良く、いずれか一方でもよい。また、加熱装置は外気温によって温 度調節を可能にすることが望ましい。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、記録媒体が搬送される経路に記録媒体を裏面側 から加熱する加熱手段を設けたことにより、記録媒体が熱保持された状態で印字 出力され、記録媒体の裏面に近い記録紙の印字のカスレを防止することのできる インパクトプリンタを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るインパクトプリンタの
概略構成図。

【図２】同実施例に係るインパクトプリンタの外観図。

【図３】インパクトプリンタによって印字される記録媒
体の構成を示す図。

【図４】本考案の他の実施例を示す図。

【符号の説明】

１…本体、２…印字ヘッド、３…プラテン、４ａ〜４ｆ
…フィードローラ、５…上側ガイド板、６…下側ガイド
板、７…記録媒体挿入口、８…フロントテーブル、９…
ヒータ、Ｓ…記録媒体、Ｐ…記録紙、Ｃ…感圧転写剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録紙と記録紙との間に感圧転写剤を介
   在させた記録媒体にインパクト印字を行なう印字ヘッド
   と、この印字ヘッドに対向して配設されたプラテンと、
   このプラテンと前記印字ヘッドとの間に前記記録媒体を
   搬送する搬送手段と、この搬送手段により前記記録媒体
   が搬送される経路に配設され前記記録媒体を裏面側から
   加熱する加熱手段とを具備したことを特徴とするインパ
   クトプリンタ。