JPH058068Y2 - - Google Patents

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JPH058068Y2
JPH058068Y2 JP1988020686U JP2068688U JPH058068Y2 JP H058068 Y2 JPH058068 Y2 JP H058068Y2 JP 1988020686 U JP1988020686 U JP 1988020686U JP 2068688 U JP2068688 U JP 2068688U JP H058068 Y2 JPH058068 Y2 JP H058068Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は工業用ロボツトに係り、詳しくは駆
動系のバランスを調節するバランス調節部が設け
られた工業用ロボツトに関する。
[従来の技術] 溶接や塗装あるいはワーク搬入搬出等の作業を
行う工業用ロボツトには、いわゆるテイーチング
プレイバツク操作時における作業者の負担を軽減
するため、あるいは、停電等によつて突発的に動
力源が断たれた場合の姿勢保持のためにバランス
機構が設けられたものが従来より提供されてい
る。このような工業用ロボツト(以下、ロボツト
と略称する)としては実公昭62−25349号に示す
ものが知られており、以下第9図を参照して説明
する。
第9図において、符号1は上記バランス機構が
設けられたロボツトであり、このロボツト1は、
駆動部2とバランス調節部3とから構成されてい
る。前記駆動部2は、回転自在に設けられたター
ンテーブル4と、このターンテーブル4の上面に
設けられた基台5に軸6を中心として回動自在に
設けられた支柱7と、この支柱7の上部に軸8を
中心として回動自在に設けられたアーム9と、こ
のアーム9の先端に設けられた作業装置10とか
らなるものである。前記バランス調節部3は、前
記基台5に固定された固定スプロケツト11と、
前記支柱7上部に回転自在に取り付けられた可動
スプロケツト12とを備えてなり、これら各スプ
ロケツト11,12の間にチエイン13を巻回す
ると共に、前記駆動スプロケツト13と一体に設
けられた腕木14と前記基台5との間にバネ15
をその長手方向が前記支柱7の長手方向と一致す
るように、かつ適度の初張力が与えられた状態で
取り付けてなるものである。
以上のように構成されたロボツト1にあつて
は、支柱7とアーム9の動作による作業装置10
の前後、上下方向移動によつて塗装、溶接あるい
はワーク搬入搬出等の作業が行われるが、駆動部
2の操作力はバランス調節部3により軽減され
る。すなわち、第9図に示すように、作業装置1
0が作業者によつて移動させられて、前記支柱7
が図中矢印Y1方向に回動させられると、前記バ
ランス調節部3の固定スプロケツト11が基台5
に固定されて回転不可能であるために、チエイン
13が矢印Y2方向に送られ、このため、前記可
動スプロケツト12は矢印Y3方向に回転駆動さ
せられる。そして、チエイン13の送り量は、可
動スプロケツト12を支柱7の回転角と同じ角度
だけ回転させる量であるから、腕木14は常に鉛
直状態に保たれる。このため、図中2点鎖線で示
すように、腕木14とバネ15との連結位置P1
は、支柱7の回動に伴つて前記支柱7の長手方向
より矢印Y1方向にずれることになる。従つて、
バネ15の引張力F1の向きが支柱7の長手方向
とずれて腕木14に前記引張力F1の水平分力F
2が加わり、この力が可動スプロケツト12を介
してチエイン13に伝えられて支柱7を復元させ
る復元力が発生し、アーム9の操作力が軽減され
るのである。
[考案が解決しようとする課題] ところで、上述した従来のロボツト1のバラン
ス調節部3は、ロボツト1の操作力軽減を目的と
して設けられたものではあるが、主としてテイー
チングプレイバツク作業を行う場合等の操作力軽
減のみを目的としているために、ロボツト1に設
けるバランス調節手段としては未だ完全なものと
は言いがたかつた。
すなわち、ロボツト1の駆動部2を設計するに
あたつては、支柱7やアーム9の重心位置と質量
で定められる慣性モーメント等の物理的特性を考
慮した上で、支柱7やアーム9を駆動する駆動源
の負荷が極力軽減されるように総合的なバランス
を保つて設計する必要がある。この総合的なバラ
ンスとはアーム9の静的な重量バランスのみでは
なく、アーム9運動時に駆動部に作用するトルク
をも考慮したものである。例えば、駆動部2に減
速機構を設けずに、直接モータでアーム9を高速
運動させるダイレクトドライブ(DD)方式のロ
ボツトでは、アーム9や支柱7の重心位置と質量
を適当に設定しないと、一つの軸の運動が他の軸
の保持トルクに影響を及ぼす、いわゆる干渉が無
視できないものとなり、これがアーム9の振動や
精度悪化の原因となる。この干渉をなくす、すな
わち非干渉化をするための条件は、既に広く知ら
れており、アーム9や先端負荷、すなわち作業装
置10及びワークの質量や重心位置により決定さ
れる。ところが、ロボツト1の行う作業が変更さ
れて作業装置10が変更させられた場合、あるい
は作業装置10が、質量が他種類に渡るワークを
無作為に把持するような装置である場合等のよう
にアーム9先端に与えられる負荷が変化して稼働
中にロボツト1自体の物理的特性が変化する場合
には総合的なバランスが崩れてしまい、このため
アーム9等のアンバランスによつて駆動源に加わ
る負荷に著しい増加が生じ、また、特にDD方式
のロボツトでは干渉が顕著になり、ロボツト1の
制御性、作業性が劣化することもあつた。
従来のバランス調節部3は、上述のようなアー
ム9に与えられる負荷変化による物理的特性の変
化に対応して総合的なバランスを保つ機能を有し
てはおらず、従つて、従来よりこの種のバランス
は、物理的特性の変化に対応してロボツト1自体
に固定錘を取り付けたり、新たにバランス機構を
設けるなどして保つ以外に術が無かつたのであ
る。
この考案は、このような背景の下になされたも
ので、ロボツト稼働時のアーム先端に与えられる
負荷の変化に逐次対応して総合的なバランスを保
つバランス調節部を備えた工業用ロボツトを提供
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するためのこの考案は、その先
端部に作業装置が取り付けられたアームと、前記
アームの中間部と回動自在に連結された第1の駆
動アームと、この第1の駆動アームを回動させて
前記作業装置を前後方向に移動させる前後駆動部
と、前記アームの基端部と回動自在に連結された
第2の駆動アームと、この第2の駆動アームをそ
の軸方向に移動させて前記作業装置を上下方向に
移動させる上下駆動部とを有する工業用ロボツト
であつて、前記第2の駆動アームに、前記アーム
の先端部に与えられる負荷に基づいてその内部に
蓄える液体の貯留量を変化させることにより、第
2の駆動アームの重量を調節するバランス調節部
が設けられていることを特徴とする。
[作用] 上記構成によれば、アームの先端部に与えられ
る負荷が変化した場合、この変化に基づいて、バ
ランス調節部がその内部に蓄える液体の貯留量を
調整して第2の駆動アームの重量を変化させる。
このため、アーム先端部の負荷変化によるロボツ
トの物理的特性の変化と、第2の駆動アームの負
荷変化によるロボツトの物理的特性の変化とが相
殺され、結果としてロボツト全体の総合的なバラ
ンスが保たれるのである。
[第1実施例] 以下、第1図ないし第3図を参照して、本考案
の第1実施例を説明する。
第1図に示すように、本実施例のロボツト16
は、その先端部18aに作業装置17が設けられ
たアーム18と、このアーム18の中間部18b
と軸19によつて回動自在に連結された第1の駆
動アーム20と、この第1の駆動アーム20と平
行に配置され、前記アーム18の基端部18cと
軸21によつて回動自在に連結された第2の駆動
アーム22を備えてなるもので、前記第1の駆動
アーム20は、その下端において前後駆動部23
と連結され、前記駆動部23を構成する前後駆動
モータ24によつて軸25の回りに回動させられ
るようになつている。前記前後駆動モータ24は
床Fに設けられた基台26に揺動的に支持された
旋回ベース66に支持されている。旋回ベース6
6は基台26内の旋回モータ67により、床Fと
平行な面内を回動させられる。一方、前記第2の
駆動アーム22は、その下端部22aが、第2図
に示すように軸27を介して上下駆動部28のレ
バー29と回動自在に連結されている。また、レ
バー29は、第1図に示すように前記前後駆動モ
ータ24と同軸上に配置された上下駆動モータ3
0によつて軸25の回りに回動させられるように
なつている。
第2図に示すように、前記第2の駆動アーム2
2は中空円筒状に形成され、その内部に設けられ
た隔壁22bの下方にはバランス調節部31が設
けられている。このバランス調整部31は、当該
ロボツト16のバランスをアーム18の先端部1
8a(第1図参照)に与えられる負荷に応じて調
節するために設けられたもので、前記第2の駆動
アーム22の内部に挿入された第1、第2のシリ
ンダキヤツプ32,33を備えてなるものであ
る。前記各シリンダキヤツプ32,33は、前記
第2の駆動アーム22と一体に設けられた軸22
cに摺動自在に取り付けられている。そして、各
シリンダキヤツプ32,33は、それぞれの中心
及び外周において前記第2の駆動アーム22内壁
及び軸22cと液密にシールされており、各シリ
ンダキヤツプ32,33の間に第1の作業室34
を、そして、第2のシリンダキヤツプ33の下方
に第2の作業室35を生じさせしめている。そし
て第2のシリンダキヤツプ33には貫通孔33a
が形成され、ロボツト16外部に設けられた油圧
ポンプ36(第1図参照)から、一次側オイルチ
ユーブ37と、レバー29及び軸27に形成され
た作動油供給路38と、二次側オイルチユーブ3
9を介して前記第1の作業室34に粘度の高い作
動油が導入されるようになつている。また、前記
第2の駆動アーム22には貫通孔22dが形成さ
れており、ロボツト16の外部に設けられたエア
ーコンプレツサ40(第1図参照)から、一次側
エアーチユーブ41と、レバー29及び軸27に
形成された空気供給路42、二次側エアーチユー
ブ43を介して前記第2の作業室35に圧縮空気
が導入されるようになつている。
しかして以上の構成からなるロボツト16にお
いては、旋回ベース66の旋回動作に加えて、前
記駆動モータ24による第1の駆動アーム20の
回動動作と、上下駆動モータ30により回動させ
れたレバー29の動作による第2の駆動アーム2
2の軸方向の動作によつて作業装置17が前後、
上下方向(矢印Y4及びY5方向)に移動させら
れて作業が行われるのであるが、例えば作業装置
17がワークWを把持するなどしてアーム18の
先端部18aに与えられる負荷が変化した場合に
は、バランス調節部31によつてロボツト16全
体の総合的なバランスが保たれると共に、各駆動
部23,28の各モータ24,30にかかる負荷
も最小限に押さえられる。
すなわち、本実施例のロボツト16のように駆
動系に平行四辺形状のリンク機構を用いた場合、
ロボツト16動作中の総合的なバランスを保つ条
件としては、各駆動部23,28のいずれか一方
の動作が他方の駆動部に影響を及ぼさない、換言
すると、前後方向及び上下方向の自由度が相互に
干渉を起こさない非干渉化なる条件を満たすこと
が必要であることは既に述べた通りである。この
非干渉化条件は本実施例のロボツト16の場合、
アーム18及び第2の駆動アーム22の質量をそ
れぞれm1,m2、アーム18及び第2の駆動アー
ム22の重心位置G1,G2から軸19,27まで
の距離(以下、重心までの距離と略言する)をそ
れぞれg1,g2、第1の駆動アーム20の長さを
L1、レバー29の長さをL2とした場合に、 m1・g1/m2・g2=L2/L1 ……(a) で与えられるものである。
本実施例のロボツト16のバランス調節部31
は、第3図に示す手順に従つて、作業装置17が
把持するワークWの質量Mに応じて上式(a)を満た
すm2・g2を求めるのであるが、上式(a)を満たす
質量m2、重心までの距離g2の組み合わせのうち、
上下駆動モータ30及び前後駆動モータ24にか
かる負荷を最も少なくするために、第2の駆動ア
ーム22の、上下駆動モータ30の中心回りの慣
性モーメントと、前後駆動モータ24の回りの慣
性モーメントの和I2が最も小さくなるという第2
の条件を満たす、第2の駆動アーム22の質量
m2及び重心までの距離g2を選ぶようになつてい
る。
以下、第3図を参照しながらその作用について
説明する。なお、文中に示す各記号については、
前述の記号と同一である。
まず、ロボツト16の諸元であるm1,g1,L1
L2が定義される(ステツプSP1)。なお、アーム
18の質量m1及び重心までの距離g1は、ロボツ
ト16が動作を開始して作業装置17がワークW
を把持するとワークWの質量Mとその重心位置が
与えられて一意的に求められる(ステツプSP2)。
次に、上式(a)を満たすm2,g2の組み合わせの
うち任意のものが初期値m20,g20として選ばれ、
これらm20,g20に基づいて前述の慣性モーメント
の和I2の初期値I20が求められる(ステツプSP3)。
次に、慣性モーメントの和I2を評価関数とし
て、ΔI2、すなわち演算k回目とk−1回目のI2
の差が10-2以下となるまで、以下に述べる最適化
演算が繰り返される(ステツプSP4)。
最適化演算は、第2の駆動アーム22の重心ま
で距離g2を変数、質量m2を従属変数とし、また、
g2の変化量dg2を前述のステツプSP3で設定した
初期値g20の0.5%として行う。
k−1回目に得られた重心までの距離がg2とする
と、k回目においてg22=g2(ケース2)を基準と
して、g22より短い場合g21=g2−dg2(ケース1)、
g22より長い場合g23=g2+ddg2(ケース3)が設
定され(ステツプSP5)、これらg21〜g23について
上式(a)を満たす質量m21が求められ、さらにg21
m21に対応する慣性モーメントの和I21が求められ
る(i=1〜3、ステツプSP6〜8)。
次に、I21のうち最も小さいものを見つけるた
めに、まずI22とI21とが比較され(ステツプ
SP9)。I22がI21より小さいときは、I22とI21とが比
較され(ステツプSP10)、I22がI21より大きいと
きはI21とI23とが比較されて(ステツプSP11)、
最も小さいI21を与えるg21がg2に、また、そのと
きのI21がI2に入力される(ステツプSP12〜15)。
以上のようにして演算k回目における最も小さ
いI2が得られたら、1回前の演算で得られた慣性
モーメントの和lI2とI2とを比較するために、これ
らの差ΔI2(ΔI2=lI2−I2)が取られる(ステツプ
SP16)。なお、この時演算終了後lI2としてk回目
におけるI2が入力される。そして、ΔI2が10-2
り小さい値を取る時に、g2,m2が最適値である
と判断され、出力される(ステツプSP17)。
一方、ΔI2が10-2より大きい場合には、演算k
回目に得られたg2,m2が慣性モーメントの和I2
最も小さくする値ではないと判断されてlI2に一
時的にI2が入力され、この時のg2及びm2が新たに
初期値g2,m2として取り込まれてk+1回目の
演算が開始され、ステツプSP5からステツプ
SP16までの手順が繰り返される。そしてこの繰
り返しは、ΔI2が10-2より小さくなるまで行われ
る。
以上のようにして慣性モーメントの和I2を最も
小さくする最適質量m2と、重心までの距離g2
求められると、ついで最適質量m2に見合う作動
油が、第2図に示すように第1の作業室34に導
入され、従つて、第2の駆動アーム22の下部に
位置していた第1のシリンダキヤツプ32が上方
に移動して第1の作業室34内部の作動油量が増
加し、第2の駆動アーム22の質量が最適質量
m2に変化させられる。ついで、前記第2の作業
室35に圧縮空気が導入されて、第2のシリンダ
キヤツプ33が上方に移動させられ、結果として
第1の作業室34全体が上方に移動させられる。
そして、第2の作業室35への圧縮空気の供給
は、第2の駆動アーム22の重心位置G2が前述
の重心までの距離g2に一致するまで行われ、以上
のようにして第2の駆動アーム22の質量m2
び重心位置G2が前記上式(a)を満足するように調
節され、ロボツト16全体の総合的なバランスが
保たれるのである。
負荷条件に対して第2の駆動アーム22の質量
が大きすぎる場合には、第2の作業室35に圧縮
空気が導入されて第1のシリンダキヤツプ32が
隔壁22bに当接される。そして、さらに圧縮空
気の導入が続けられて第2のシリンダキヤツプ3
3が上方に変位し、従つて、第1の作業室34内
部の作動油が押し出されて第2の駆動アーム22
の質量が軽減されるのである。
以上説明したように本実施例のロボツト16に
あつては、アーム18の先端部18aに与えられ
る負荷が変化しても、この変化に基づいてバラン
ス調節部31の第1作業室34及び第2作業室3
5にそれぞれ作動油及び圧縮空気が導入されるた
めに、ロボツト16全体は常に総合的なバランス
のとれた状態に保たれる。
従つて、本実施例によれば、ロボツト16の制
御性、作業性が向上し、各駆動部23,27に加
わる負荷の顕著な増大も防止される。加えて本実
施例では特にバランス調節部31の第1の作業室
34を、第2の駆動アーム22の軸方向に移動可
能に設けたため、バランス条件(a)式を満足する質
量及び重心までの距離のうち、最も各駆動部2
3,28の慣性モーメントの和を小さくする値を
採用することができ、このため前後駆動モータ2
4及び上下駆動モータ30に加わる負荷を最小限
の増加に止どめることが可能で、各モータ24,
30の容量を小さく設定することも可能である。
なお、以上の説明では、作業装置17が把持す
るワークWの質量が変化した場合のバランス調節
部31の作用について説明したが、作業装置17
自体の交換等により作業装置17自体の質量が変
化した場合にも当然バランス調節部31の作用に
よつてロボツト16の総合的なバランスは保たれ
る。また、バランス調節部31の作用について非
干渉化条件を満たすよう作用する場合についての
み述べたが、バランス調節部31を第2の駆動ア
ーム22の最下端に位置させたうえで、作動油量
を加減することにより、アーム18の上下方向の
重量バランスを調節させることも当然可能であ
る。
また、上本実施例では第2の駆動アーム22の
持つべき質量m2及び重心までの距離g2を求める
ための処理手順においてg2の変化量dg2を一定の
値、すなわち初期値g20の0.5%に設定したが、こ
れはあくまで一例であつて、例えば演算k回目に
おいて、演算k−1回目のg2に基づいて変化量を
定めるようにするなどして変化量を漸次小さくし
ていくことも当然に考えられる。また、g2,m2
を求めるにあたつて、慣性モーメントの和I2を最
も小さくする値を探しだす必要は必ずしも無く、
例えば、各モータ24,30の許容負荷に見合う
慣性モーメントの和I2の値を前以て定めておき、
上式(a)と、慣性モーメントの和I2から導きだされ
るm2,g2の関係式との連立方程式を解くように
することも考えられる。
[第2実施例] 次に、第4図ないし第5図を用いて本考案の第
2実施例を説明する。なお、上記第1実施例と同
一の構成要素については同一符号を付しその説明
を省略する。
第4図に示すように、本実施例は第2の駆動ア
ーム22の中心部にモータ50によつて回転させ
られるねじ軸51を設け、このねじ軸51の軸部
51a及びねじ部51bに、それぞれ第1、第2
のシリンダキヤツプ52,53を取り付けてなる
ものである。前記第1のシリンダキヤツプ52は
ねじ軸51及び第2の駆動アーム22内壁と液密
にシールされると共に、ねじ軸51の軸方向に摺
動可能である。また、第2のシリンダキヤツプ5
3は、弾性体からなるネジシール54(第5図参
照)を介して前記ねじ部51bと液密に噛み合わ
され、またその外周は第2の駆動アーム22内壁
と液密にシールされている。そして、前記各シリ
ンダキヤツプ52,53は、第2の駆動アーム2
2内壁に形成された溝22eと係合されて回転不
可能に保たれている。また、前記第2のシリンダ
キヤツプ53に形成された貫通孔53aには、二
次側オイルチユーブ43が接続され、各シリンダ
キヤツプ52,53の間に形成された第1の作業
室34に作動油を導入可能である。
本実施例においては、上述の第1実施例と同様
にして第2の駆動アーム22の最適質量m2及び
重心位置g2が求められると、第1の作業室34内
部に作動油が導入されて第2の駆動アーム22の
質量が調節される。そして、この後ねじ軸51が
回転させられて第2のシリンダキヤツプ53が移
動させられ、これによつて第1の作業室34全体
の位置が変化して第2の駆動アーム22の重心位
置が調節され、総合的なバランスが保たれるので
ある。また、第1の作業室34内部の作動油量が
多すぎる場合には、ねじ軸51の回転によつて第
2のシリンダキヤツプ53が移動され、これによ
つて第1のシリンダキヤツプ52が第2の駆動ア
ーム22の隔壁22b(第2図参照)に当接され
て第1の作業室34から作動油が押し出され、バ
ランスが調節される。
このように本実施例では、第1の作業室34の
位置がねじ軸51によつて調節されるので、圧縮
性のある空気を使用した第1実施例に比してその
位置決め精度の向上が望めるという効果がある。
[第3実施例] 次に、第6図を参照して本考案の第3実施例に
ついて説明する。なお、上記第1、第2実施例と
同一の構成要素については同一符号を付しその説
明を省略する。
第6図に示すように、本実施例は第2の駆動ア
ーム22とレバー29を連結する軸27の一端側
に、収縮自在のベローズ55を第2の駆動アーム
22と一体に設けてなるものであり、バランス調
節時には、ベローズ55内部に(a)式に従つて算出
された第2の駆動アーム22の最適質量m2に従
つて、前記レバー29及び軸27に形成された作
動油供給路38を介して作動油が導入され、バラ
ンスが調節される。また作動油量が多すぎる場合
には、ベローズ55が折り畳まれて作動油が押し
出されバランスが調節される。
本実施例においては、ベローズ55の取り付け
位置が常に一定のため、バランス条件は上下駆動
部28の慣性モーメントとは無関係に一意的に定
められる。従つて、ロボツト16を駆動する各モ
ータ24,30(第1図参照)の出力に余裕のあ
る時、すなわち、慣性モーメントの和I2を最小に
する必要のない場合に特に適しており、バランス
調整のための制御が非常に容易で、かつ構造も極
めて簡素化されるという効果がある。
[第4実施例] 次に第7図及び第8図を参照して本考案の第4
実施例を説明する。なお、上記第1ないし第3実
施例と同一の構成要素には同一符号を付し、その
説明を省略する。また、本実施例は、第1図に示
す軸19,21,25,27の近傍に同一構成の
バランス調節部を設けたもので、これらを代表し
て第7図及び第8図に第2の駆動アーム22とレ
バー29の連結部分を示し説明するものである。
第7図及び第8図に示すように、本実施例のバ
ランス調節部56は、第2の駆動アーム22内部
に挿入された第1,第2のシリンダキヤツプ5
7,58を備え、これら各シリンダキヤツプ5
7,58の間の第1の作業室59に、前記第2の
シリンダキヤツプ58に接続されたチユーブ60
から粘性の高い作動油を導入してロボツトのバラ
ンスを調節するようになつている。そして、前記
第1の作業室59内部には第2のシリンダキヤツ
プ58と環状シール61によつて液密にシールさ
れた軸62が挿入され、この軸62上端には羽根
車63が設けられている。そして、軸62下端に
はかさ歯車64が設けられ、レバー29先端に形
成されたかさ歯車65と噛み合わされている。
本実施例においては、第2の駆動アーム22と
レバー29に相対的な角変位が生じると、この変
位がかさ歯車64,65を介して軸62に伝えら
れて、羽根車63が第2の駆動アーム22とレバ
ー29との相対角速度に比例して回転させられ
る。このため、第1の作業室59内部に蓄えられ
た作動油が攪拌されて粘性抵抗が増大し、ロボツ
ト動作に伴う振動を吸振するダンパとして作用す
るのである。
このように本実施例では、動作中の振動を第1
の作業室59内部に設けた羽根車63の働きによ
り有効に吸収しうるので、ロボツトの制御特性、
作業能率が大幅に向上し、また、各部品の疲労や
締結ボルトのゆるみ等が排除されてロボツトの信
頼性が大幅に向上するという効果が得られ、特に
振動が発生し易いダイレクトドライブ(DD)方
式のロボツトに用いた場合には非常に優れた効果
を期待できる。
なお、本実施例では羽根車63を第1の作業室
59内部に配置したが、例えば上述の第3実施例
のベローズ55(第6図参照)内部に設けるよう
にしても良い。また、第2の駆動アーム22とレ
バー29等、相対的に回転させられる一対のアー
ムの相対角速度が小さくて十分な粘性抵抗が得ら
れない時には適当な増速機構を設けても良い。
[考案の効果] 以上説明したように、この考案は、アームの先
端部に与えられる負荷が変化してもこの変化に基
づいてバランス調節部に液体が導入されて第2の
駆動アームの質量が変化させられるために、ロボ
ツトは常にバランスがとれた状態に保たれる。
従つて、アームに与えられる負荷が変化しても
ロボツトの制御性は劣化せず、また、駆動源の負
荷も軽減されるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本考案の第1実施例を示
すもので、第1図はロボツトの全体図、第2図は
第1図のA−A線における断面図、第3図はバラ
ンス調節の手順を示す手順図、第4図及び第5図
は本考案の第2実施例を示すもので、第4図は第
2の駆動アームの断面図、第5図は第2のシリン
ダキヤツプの拡大図、第6図は本考案の第3実施
例における第2の駆動アームの断面図、第7図及
び第8図は本考案の第4実施例を示すもので、第
7図は第2の駆動アームの断面図、第8図は第2
の駆動アーム内部を示す斜視図、そして、第9図
は従来のロボツトを示す図である。 17……作業装置、18……アーム、20……
第1の駆動アーム、22……第2の駆動アーム、
23……前後駆動部、28……上下駆動部、31
……バランス調節部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. その先端部に作業装置が取り付けられたアーム
    と、前記アームの中間部と回動自在に連結された
    第1の駆動アームと、この第1の駆動アームを回
    動させて前記作業装置を前後方向に移動させる前
    後駆動部と、前記アームの基端部と回動自在に連
    結された第2の駆動アームと、この第2の駆動ア
    ームをその軸方向に移動させて前記作業装置を上
    下方向に移動させる上下駆動部とを有する工業用
    ロボツトであつて、前記第2の駆動アームに、前
    記アームの先端部に与えられる負荷に基づいてそ
    の内部に蓄える液体の貯留量を変化させることに
    より、第2の駆動アームの重量を調節するバラン
    ス調節部が設けられていることを特徴とする工業
    用ロボツト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59214592A (ja) * 1983-05-18 1984-12-04 新明和工業株式会社 多関節ロボツト

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