JPH0579983U - 電気機器における配線用クランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線を区分した状態に固定することができる
薄型のクランプ装置を提供すること、および固定する電
線の量の変化に即応してクランプ容量を変化させ得る許
容範囲の広いクランプ装置を提供すること。 【構成】 両端に段付の取付耳部がある押え部材をその
中央の主体部において、基台部のガイド兼用の区分ピン
に案内されてスライドさせるようにし、この押え部材を
その取付耳部において基台部における取付座にねじによ
り締め付けるようにし、かつ押え部材はこれを特に固定
する電線の量に応じて選択的な上下反転によりクランプ
容量を広範囲に変化させるようにしたことを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、通信機，情報処理用機器等の電気機器における多数本の配線用の電 線を結束状態のもとに、クランプ機構により電気機器の筐体等の基台部に固定す る装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

多数本の配線用の電線を結束状態のもとに電気機器の基台部に固定する装置と しては、例えば図４および図５のようなバンド式クランプを使用する構造、ある いは図６および図７のように押え金具を使用してこれをねじにより締め付けるよ うにする構造、あるいは図８および図９のように押え金具を案内部にスライドさ せつつねじにより締め付けるようにした構造等がある。 また、図10のように押え板をねじにより固定して、多数の電線を幅広く扁平に 纏めた状態に規制するようにした構造のものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術によれば、その図４ないし図９に示す各構造は、いずれも個々の 電線の径および電線の数量が異なる場合においても対応する構造であるが、基台 面からの突出の高さが高く、電気機器の薄型化に当り大きな制約となる欠点があ り、また図10に示す構造は、装置の薄型化には即応するが、電線を固定すること ができないと言う不利がある。

【０００４】 そこで本考案の目的は、電気機器の電線を配線工事する場合に、装置の薄型化 に適応し、かつ電線を系列別あるいは種類別に区分した状態のもとに固定するこ とができる配線用の電線のクランプ装置を提供することにあり、また他の目的は 、固定する電線の量の変化に即応してクランプ容量を変化させ得る許容範囲の広 いクランプ装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、横方向に長い平板の中央寄り部分に長手 方向に間隔を保って複数の通孔を設けると共に、両端を段付状態に屈曲した取付 耳部を形成し、かつ取付耳部にはばか孔を穿設した押え部材を設け、この押え部 材をその通孔において基台部に植設した複数本のガイド兼用の区分ピンに案内さ れてスライドさせることができるように嵌合し、更に取付耳部のばか孔を貫通し た状態のもとに基台部に螺挿したねじにより押え部材を締め付けることができる ようにし、なお押え部材はこれを配線固定する電線の量に応じて選択的に上下反 転可能に構成したものである。

【０００６】

【作用】

電気機器の基台部に植設した複数本のガイド兼用の区分ピンにより、多数本の 配線用の電線が系列別あるいは線径別等に整理区分した状態のもとに固定され、 かつ押え部材は区分ピンの案内のもとにスライドしつつ、ねじによる締め付けに より電線は固定される。 また、押え部材を上下反転させると、その電線に対接する主体部が凸状あるい は凹状に変化してクランプ容量が広範囲に変化し、固定する電線の多少に拘らず 確実に固定し得る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図１ないし図３に示す実施例について詳細に説明する。 電気機器の筐体壁を基台部１としてこの基台部１の表面に、ねじ孔がある短円 柱状の取付座２，２を比較的離隔した位置に設けると共に、両取付座２，２の中 間には複数本のガイド兼用の区分ピン３，３を垂直なまま並列状態のもとに植設 し、かつ別に、横方向に長い平板の中央寄りを主体部に充当すると共に両端を段 状に屈曲して取付耳部４，４を形成した押え部材５を設けるほか、この押え部材 ５にはその主体部に前記区分ピン３，３に対応する複数の通孔６，６を穿設する と共に、取付耳部４，４に前記取付座２，２のねじ孔に各別に対応するばか孔を 穿設し、このような押え部材５はこれをその主体部を例えば図１の実線のように 下に凸となるように、通孔６，６において区分ピン３，３に嵌合すると共に、取 付耳部４，４におけるばか孔にねじ７，７を貫通させた状態のもとに取付座２， ２のねじ孔に螺挿することにより、少量の電線Ｗの固定に適応させるようにし、 これに反し多量の電線Ｗの固定に当っては、図３のように取付座２，２間におい て電線Ｗを区分ピン３，３により区分した状態のもとに配置した後、押え部材５ をその主体部が上に凸となる姿勢に上下反転させた後、ねじ７，７により締め付 け固定するようにする。

【０００８】 なお、固定する対象物を電線と表現しているが、本考案においてはコ−ド，ケ −ブル，リ−ド線等を含むこと当然である。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、横方向に長い平板の両端を段付状態に 屈曲した取付耳部を形成した押え部材をその中央寄りの主体部において、基台部 に植設した複数本のガイド兼用の区分ピンに案内されてスライドさせることがで きるように設けたまま、この押え部材をその取付耳部において基台部における取 付座にねじにより締め付けることができるようにし、かつ押え部材はこれを特に 固定する電線の量に応じて選択的に上下反転可能に構成したから、簡単な構成の もとにクランプ装置を薄型化するばかりでなく、多数本の配線用の電線を系列別 あるいは種類別等に区分した状態のもとに整然と固定することができ、しかも段 付押え部材の選択的上下反転取り付けにより、単一の装備にも拘らず、固定する 電線の許容量を拡大して僅かな量から著しく多い量の電線のクランプに適応させ ることができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のクランプ装置の一実施例を示す少量の
電線を固定した状態の部分的縦断側面図である。

【図２】本考案のクランプ装置の一実施例を示す平面図
である。

【図３】多量の電線を固定した状態の本考案のクランプ
装置の部分的破断側面図である。

【図４】従来技術のクランプ装置の一例を示す斜面図で
ある。

【図５】従来技術のクランプ装置の一例を示す部分的縦
断側面図である。

【図６】従来技術のクランプ装置の他の例を示す斜面図
である。

【図７】従来技術のクランプ装置の他の例を示す部分的
縦断側面図である。

【図８】従来技術のクランプ装置の更に他の例を示す斜
面図である。

【図９】従来技術のクランプ装置の更に他の例を示す縦
断側面図である。

【図10】従来技術の更に別の例を示す部分的破断側面図
である。

【符号の説明】

１ 基台部 ２ 取付座 ３ 区分ピン ４ 取付耳部 ５ 押え部材 ６ 通孔 ７ ねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台部(１)の表面に、ねじ孔がある取付
   座(２)，(２)を比較的離隔した位置に設けると共に、両
   取付座(２)，(２)の中間には複数本のガイド兼用の区分
   ピン(３)，(３)を垂直なまま並列状態のもとに植設し、
   かつ別に、横方向に長い平板の中央寄りを主体部に充当
   して前記区分ピン(３)，(３)に対応する通孔(６)，(６)
   を穿設すると共に、両端を段状に屈曲して取付耳部
   (４)，(４)を形成した押え部材(５)を設け、この押え部
   材(５)を選択的に上下反転させることができる状態のも
   とに、通孔(６)，(６)において区分ピン(３)，(３)に嵌
   合したまま、取付耳部(４)，(４)において前記取付座
   (２)，(２)にねじ(７)，(７)により締め付けることがで
   きるようにしたことを特徴とする電気機器における配線
   用クランプ装置。