JPH0579739B2 - - Google Patents

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JPH0579739B2
JPH0579739B2 JP60169767A JP16976785A JPH0579739B2 JP H0579739 B2 JPH0579739 B2 JP H0579739B2 JP 60169767 A JP60169767 A JP 60169767A JP 16976785 A JP16976785 A JP 16976785A JP H0579739 B2 JPH0579739 B2 JP H0579739B2
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alloy
amorphous alloy
electrode
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amorphous
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Koji Hashimoto
Naokazu Kumagai
Katsuhiko Asami
Asahi Kawashima
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は例えば種々の濃度、温度、PHの塩化ナ
トリウム水溶液の電解のため電極材料として好適
である表面を活性化した非晶質合金からなる溶液
電解用電極に関するものである。 従来の技術 従来、チタンなどの耐食性金属上に貴金属ある
いは貴金属酸化物を被覆した電極が塩化ナトリウ
ム水溶液電解のために工業的に用いられている。
また、本発明者らは、同様な目的のための材料と
して、白金族非晶質合金を用いる特許第1153531
号および同第1213069号を登録し、また特願昭58
−171162号として出願した。 更に本発明者らの2人は特願昭60−123111号に
よりNi−Ta−白金族金属を必須成分とする非晶
質合金電極材料を酸素ガス発生用電極材料として
出願した。 発明が解決しようとする問題点 現在工業的に用いられている耐食性金属に貴金
属を被覆した電極は、例えば海水中で陽極として
用いると剥離しやすく、また耐食性が低く寿命が
短いなどの欠点がある。一方、耐食性金属上に貴
金属酸化物を被覆した電極も、使用中に酸化物が
剥離したり、塩素イオンの酸化と併せて酸素が比
較的多量に発生して、エネルギー効率が低いこと
などの欠点がある。更に貴金属被覆電極、貴金属
酸化物被覆電極、および非晶質白金族合金電極の
共通の問題点は高価な貴金属を主原料とすること
である。 問題点を解決するための手段 本発明は、例えば各種塩化ナトリウム水溶液の
電解に陽極として用いた場合、低い電圧で多量の
塩素ガスを発生し、混入する酸素量が低く、かつ
長寿命電極として使用し得るなど、省エネルギー
高耐食性電極として優れた性能を備え、しかも高
価な白金族元素濃度が低い非晶質合金からなる溶
液電解用電極を提供することを目的とするもので
ある。 本発明はTa,Niおよび白金族金属を必須成分
とする特定組成の溶液電解用電極である。 通常、合金は固体状態では結晶化しているが合
金組成を限定して溶融状態から超急冷凝固させる
など、固体形成の過程で原子配列に長周期的規則
性を形成させない方法を適用すると、結晶構造を
持たず、液体に類似した非晶質構造が得られ、こ
のような合金を非晶質合金という。非晶質合金
は、従来の実用金属に比べて著しく高い強度を保
有し、かつ組成に応じて異常に高い耐食性をはじ
め種々の特性を示す。 一方、本発明者らの2人は先に特許第1153531
号および第1213069号により白金族金属と半金属
を主成分とする電解用非晶質合金電極材料を発明
して出願し、これらの材料は、高温濃厚水溶液の
電解用陽極として使用した場合、塩素ガスの製造
には、きわめて高い電極触媒活性を示すが、競合
する妨害反応である酸素の発生には不活性であつ
て、効率の高い省エネルギー材料であると共に高
耐食性を備えていることをこれらの特許により開
示した。 更に、本発明者らは、特願昭58−171162号によ
り、白金族金属と半金属を主成分とする溶液電解
の電極用表面活性化非晶質合金を発明して出願し
た。これは、優れた電極触媒活性を示す上述の合
金に本発明者らの2人が先に特願昭56−84413号
により出願した非晶質金属表面の活性化方法を適
用して作製するものである。これは海水程度の濃
度で、かつ加熱していない希薄NaCl溶液のよう
に塩素発生が困難な溶液の電解によつて塩素を発
生し、次亜塩素酸ナトリウムを製造するための陽
極として優れた電極触媒活性を備えた材料を提供
したものである。これらの発明は、それぞれ優れ
た特性を備えた電極材料を提供するものである
が、いずれも主成分が、白金族金属であるために
高価であつた。 更に、本発明者らの2人が他と共同して特願昭
60−123111号により開示した非晶質合金電極材料
は以下のとおりである。 (1) TaとRu,Rh,Pd,IrおよびPtよりなる群
から選ばれる1種または2種以上の元素とを含
み、残部は実質的にNiよりなり、含有率はTa
が25−65原子%、前記群から選ばれる1種また
は2種以上の元素が0.3−45原子%、Niが30原
子%以上である非晶質合金電極材料。 (2) TaとTi,ZrおよびNbの群から選ばれる1
種または2種以上の元素およびRu,Rh,Pd,
IrおよびPtよりなる群から選ばれる1種または
2種以上の元素を含み残部は実質的にNiより
なり、含有率は、20原子%以上のTaとTi,Zr
およびNbの群から選ばれる1種または2種以
上との合計が25−65原子%であり、Ru,Rh,
Pd,IrおよびPtよりなる群から選ばれる1種
または2種以上0.3−45原子%、Niが30原子%
以上である非晶質合金電極材料。 この出願は、この発明の非晶質合金がもつ酸素
ガス発生電極の優れた特性を活用するものであつ
た。 本発明者らは非晶質合金電極材料の優れた特性
について、更に研究を行つた結果、特願昭60−
123111号の特許請求の範囲に記載した材料より
Ta含量が少ない非晶質合金に小量の白金族元素
を添加して表面活性化処理を施すと塩化ナトリウ
ム水溶液を電解して塩素を発生する電極触媒活性
が著しく高く、塩素発生と競合する酸素発生の電
極触媒能がむしろ低いことを見出し、塩化ナトリ
ウム水溶液電解用として省エネルギー、高耐食
性、低廉な電極材料を提供する本発明を達成し
た。 本発明は、特許請求の範囲第1項および第2項
に示す第1および第2の発明からなるものであ
り、いずれも、所定元素からなる非晶質合金に表
面活性化処理を施すものである。次の第1表にこ
れら第1および第2の発明の構成元素および含有
率を示す。
【表】 作 用 本発明において前記組成の合金を溶融超急冷凝
固させたり、前記平均組成の混合物をターゲツト
としてスパツターデポジシヨンを行うなど、非晶
質合金を作製する種々の方法によつて得られる非
晶質合金は、前記元素が均一に固溶した単相合金
である。元来、特定の電気化学反応に対する選択
的電極触媒活性とその反応条件に耐える高耐食性
を金属電極に付与するためには、有効元素を必要
量含む合金を作る必要がある。しかし、結晶質金
属の場合、多種多量の合金元素を添加すると、し
ばしば、化学的性質の異なる多相構造となり、ま
たこのために機械的強度を得がたいことが多い。
これに対し、本発明の非晶質合金は、構成元素が
局在することを許さない非晶質構造の固相である
ため常に均一な単相固溶体となり、優れた機械的
性質ならびに耐食性を有する。 次に本発明における各成分組成を限定する理由
を述べる。 Niは本発明の基礎となる元素であつて、Ti,
Zr,Taと共存して非晶質構造を形成する元素で
あり、本発明の第2の発明において非晶質構造の
形成を容易にするためにNiを20原子%以上添加
する必要がある。Taは、塩素を発生させる激し
い酸化力と発生期の塩素に曝される激しい腐食性
環境でも安定な不働態皮膜を形成する元素であ
り、かつ、上述のようにニツケルと共存して非晶
質構造を形成する元素であつて、本発明におい
て、十分な耐食性を保証するため、5原子%以上
添加する必要がある。 Ti,ZrはいずれもTaに代つて、Niと共存して
非晶質構造を形成する元素であり、酸化力が高く
発生期の塩素に曝される条件で、不動態皮膜を形
成する能力を有する元素である。しかし、Ti,
Zrは耐食性におよぼす効果はTaに比べて劣るた
め、耐食性を保証するためにはこれらの元素で
Taを全量置換することはできない。但し、Taを
5原子%以上含む場合は、Ti,Zrのいずれか1
種または2種とTaとの合計で25原子%以上であ
れば良い。また非晶質化を容易にするため、Ni
を十分に添加する必要からTaのみあるいは、Ta
とTi,Zrのいずれか1種または2種の合計を65
原子%以下とする。 Ru,Rh,Pd,Ir,Ptはいずれも、電極触媒活
性を直接担う元素であつて、これらの1種あるい
は2種以上を0.01原子%以上含む必要がある。但
し、多量の添加は耐食性に必ずしも有効ではな
く、後に述べる表面活性化処理を施すため、多量
添加する必要がなく、10原子%以下添加すれば、
十分である。 Pは酸化力が強く発生期の塩素が生成する環境
でTa,Ti,Zrなどの安定な不働態皮膜の形成を
促す効果をもち、更に非晶質構造の形成を容易に
する元素である。しかし、多量添加は非晶質構造
の形成を困難にするので7原子%以下とする必要
がある。 なお、本発明の過飽和固溶体合金が3原子%以
下のVおよびMo、20原子%以下のHf,Cr、10原
子%以下のFe,Coを不純物として含んでも本発
明の目的には支障がない。B,Si,Cなどの半金
属は、元来非晶質構造の形成に有効な元素として
知られている。しかし、酸化力の高い環境におい
てはこれら半金属を多量に添加すると不働態皮膜
の安定性が低下する。そのため、これらの元素は
特に有効元素ではないが、7原子%程度までのこ
れら元素を不純物として含有していても耐食性に
有害でなく、かつ非晶質構造の形成を助けるので
支障はない。 一方、電解用電極としての触媒活性を更に高め
るためには、電気化学的に有効な表面積を増すと
共に電極反応の活性点として作用する白金族金属
を表面に集める必要がある。このために、本発明
の非晶質合金をフツ酸に浸漬する処理を行う。フ
ツ酸の濃度と温度は、対象となる非晶質合金の組
成に応じて適当に選ぶことができ、市販濃フツ酸
をそのまま使用することもできる。本発明の非晶
質合金をフツ酸に浸漬すると合金を構成するNi
およびTa,Ti,Zrの一部が、優先的に合金表面
から均一に溶解し、合金表面が微細化するため黒
色を帯びると共に電極活性を担う白金族金属が表
面に濃縮される。したがつて表面活性化処理は、
表面が黒色を帯びた時をもつて終了とすればよ
い。なお表面活性化処理を本発明非晶質合金と平
均組成が等しい結晶質合金に適用しても結晶質合
金は多相構造でかつ化合物相を含むため、Niお
よびTa,Ti,Zrなどの溶解が均一に起こりにく
いため、表面活性化処理が有効ではない。これに
対し本発明の非晶質合金は成分元素が均一に分布
しているためフツ酸中にNiおよびTa,Ti,Zrな
どが均一に溶解し、有効表面積が著しく増大する
と共に、電極活性を担う白金族金属が表面に濃縮
され合金表面全体を十分に活性化することができ
る。 これが本発明の表面を活性化した非晶質合金
が、水溶液電解の電極材料として優れた特性を保
有する理由である。 本発明の非晶質合金の作製は、既に広く用いら
れている種々の方法、即ち、液体合金を超急冷凝
固させる種々の方法、気相を経て非晶質合金を形
成させる種々の方法、イオン注入などによつて固
体表面の長周期構造を破壊すると共に必要元素を
合金化させる方法など非晶質合金を作製するいず
れの方法でもよい。 実施例 自家製のリン化ニツケルおよび市販金属を原料
として用い、第2表に示す組成となるように原料
金属を混合しアルゴン雰囲気中の高周波誘導加熱
により溶融し原料合金を作製した。これらの合金
をアルゴン雰囲気中で再溶融し、単ロール法を用
いて超急冷凝固させることにより、厚さ0.01〜
0.05mm、幅1〜5mm、長さ3−20mの非晶質合金
薄板を得た。アモルフアス構造形成の確認はX線
解折により行つた。
【表】
【表】 これら合金試料表面をシリコンカーバイド紙
1000番までシクロヘキサン中で研磨した。これら
の合金の耐食性が十分に高いことを確認するた
め、これらすべての合金のアノード分極曲線を30
℃の0.5M NaCl溶液中で測定した。第1図に例
を示すようにこれらの合金の分極曲線はNi−Ta
系非晶質合金に共通のものであつて、ほとんど区
別しがたいほど類似している。これらの合金はい
ずれも自己不働態化しており、アノード分極する
と、1.0〜1.1V(SCE)まで2×10-2A・m-2以下
の低い不働態保持電流を示す。更に電位が上る
と、ほぼ1.2V(SCE)附近から、塩素および酸素
の発生による電流の上昇が観察される。 これらの合金を常温の46%HFに数分ないし数
10分表面が黒変するまで浸漬し、表面活性化処理
を施した。表面活性化処理後30℃0.5N NaCl溶
液中で2度繰り返して測定したアノード分極曲線
を第2図に示す。本発明非晶質合金の活性化処理
後の分極曲線はいずれも第2図と同様であつて、
1つの図に重ねるといずれの合金の分極曲線か区
別が困難である。活性化処理後1回目の分極曲線
では0.4〜0.8V(SCE)附近にわたり約10゜A・m-2
程度の電流密度が観察される。これは活性化処理
の際に完全にはHF中に溶け出さなかつた表面の
成分が溶解することに対応する。しかし、更に高
い電位に分極したあと電位を戻し活性化処理後2
度目の分極曲線測定を行うと0.4〜0.8V(SCE)附
近の電流密度はもはや観察されなくなる。したが
つて一度塩素発生の高い電位に分極して表面から
溶解する成分をすべて溶解させてしまうと2度目
以降は合金が溶解しないことを示す。1.0V
(SCE)附近より高い電位は1回目、2回目とも
差がなく塩素発生の電流が観察される。例えば
1.2V(SCE)附近で活性化処理前後の電流密度を
比較すると活性化処理は実に4桁以上に塩素発生
電流を向上させる。 電解時の耐食性を調べるためまず1.25V(SCE)
で12時間定電流電解したのち、蒸溜水およびアセ
トンで洗浄し、12時間デシケーター中で乾燥し
た。この試料をマイクロバランスで秤量したの
ち、24時間1.25V(SCE)で電解し、前述と同様
にして洗浄、乾燥、秤量して24時間定常的電解を
行つた際の腐食減量を定量した。このような測定
を本発明合金の典型である活性化処理を施した試
料No.3,4,7,12について行つたところ、24時
間の定電位電解前後の試料重量変化が検出できな
かつた。したがつて、これらの電極は塩素発生の
ための電極として0.5N NaCl溶液中で使用して
も、全く腐食されないことが判明した。また本発
明合金の代表的合金の幾つかを用い、種々の電流
密度で定電流電解を行い1000クローン/lの電解
時において発生した塩素をヨードメトリーで測定
した。結果を表3に示す。このような条件の電解
用実用電極として最も活性である、Pt−Ir/Ti
電極より、本発明の非晶質合金電極はほとんどが
より活性である。またいずれの合金も白金族金属
含量が低いため安価である。
【表】 発明の効果 以上詳述したとおり、本発明の溶液電解の電極
用表面活性化非晶質合金は、高価な白金族元素量
がきわめて低濃度であるにもかかわらず、塩化ナ
トリウム水溶液の電解用電極としてきわめて高い
電極触媒能を有するとともに電解条件で腐食がマ
イクロバランスでも検出できない高い安定性を備
えた長寿命、省エネルギーでかつ安定な電極材料
である。 また本発明の合金の作製は既に広く用いられて
いる非晶質合金作製の技術のいずれをも適用でき
るため、特殊な装置を改めて必要とせず、本発明
は実用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は30℃の0.5M NaCl溶液
中で測定した本発明非晶質合金の分極曲線の代表
例である。第1図は超急冷凝固で作られたままの
非晶質合金(試料No.19)。第2図は表面活性化処
理を施した合金(試料No.23)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 基体が5原子%以上20原子%未満のTaを含
    み、Ti,Zrのいずれか1種または2種とTaとの
    合計が25−65原子%であつて、Ru,Rh,Pd,Ir
    及びPtのいずれか1種または2種以上の元素を
    0.01−10原子%含み、残部はNiからなる非晶質合
    金であつて、表面層が白金族金属であることを特
    徴とする溶液電解用電極。 2 基体が5原子%以上20原子%未満のTaを含
    み、Ti,Zrのいずれか1種または2種とTaとの
    合計が25−65原子%であつて、Ru,Rh,Pd,Ir
    及びPtのいずれか1種または2種以上の元素を
    0.01−10原子%と7原子%以下のPを含み、残部
    は20原子%以上のNiからなる非晶質合金であつ
    て、表面層が白金族金属であることを特徴とする
    溶液電解用電極。
JP60169767A 1985-08-02 1985-08-02 溶液電解の電極用表面活性化非晶質合金およびその活性化処理方法 Granted JPS6296636A (ja)

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