JPH05794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は円板状記録媒体を内蔵する記録再生用
デイスクカセツトに関する。

〔従来技術とその問題点〕

この種のデイスクカセツトは、上シエル及び下
シエル間に収容された円板状の記録媒体を備え、
上下シエルの一方にはヘツド挿入孔が形成されて
いる。更にこのヘツド挿入孔を閉塞して異物や塵
埃等が侵入するのを防止するためのシヤツターが
開閉自在にカセツト筐体に設けられている。この
シヤツターはコイルバネ等によつて通常はヘツド
挿入孔を閉塞する位置に付勢されている。

シヤツターをバネ付勢することにより、デイス
クレコーダにデイスクカセツトを着脱する操作の
際にシヤツターが自動開閉されるような機構をデ
イスクレコーダに設けることができるようにな
り、ユーザにとつては極めて使い勝手が良いデイ
スクカセツトとなる。しかし製造者側からみる
と、微小なバネ部品をカセツト内に組込むのは、
組立工数を増大させる要因となり好ましくない。
特に自動組立てを考える場合、バネ性のある部品
を自動機械が扱うのは、剛体部品を扱うのに比べ
て容易ではなく、部品の捕捉手段や挿入手段（取
付手段）に特別な工夫や微妙な調整を必要とす
る。

そこで本発明の出願人は第１図に示すねじりコ
イルバネをシヤツター付勢用に使用した磁気デイ
スクカセツトを提案している。このねじりコイル
バネ１は例えばステンレス線材を数回巻回したも
のであつて、コイル部分２の両端は接線方向に直
線状に延ばされ、その一端部３はΩ状に曲げられ
て上下シエルの一方に形成された支軸との係合部
となつている。また他端部４はほぼ直角に折曲げ
られてシヤツターの係止部との係止部となつてい
る。このバネ１はΩ状曲げ端部３をカセツトシエ
ルの支軸に押圧嵌入させることによりカセツトシ
エル内に取付けることができ、また他端部４をシ
ヤツターの係止部にバネの復元力でもつて係止さ
せることができるので、自動機又は人手による作
業が非常に簡単となる利点を有する。

しかし、バネ１の一端部３の形状が複雑である
ため、バネの製造が容易でない上、端部３の寸法
精度が悪く、従つて、カセツトシエルの支軸に対
する弾性嵌合力が弱くて外れたり、或いは支軸へ
の最適嵌入角度にばらつきが生じて自動組立が実
質的に困難となる問題がある。

本発明は、上述の問題にかんがみ、その目的は
シヤツターを閉付勢するバネ部品の形状を簡略に
しながら、デイスクカートリツジに対するバネの
取付けを確実、簡単にすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明によるデイスクカセツトは、円板状記録
媒体（磁気デイスク１２）を収容す上下シエル１
０，１１から成るカセツト筐体と、このカセツト
筐体に形成されたヘツド挿入孔１５を開閉するた
めにカセツト筐体に摺動自在に取付けられたシヤ
ツター１７と、上記ヘツド挿入孔１５を閉塞する
位置に上記シヤツターを付勢する略Ｖ字状で先端
部が互いに異なる方向に折り曲げられたねじりコ
イルバネ２０とを具備する。

更に、上記シヤツター１７に設けられ上記ねじ
りコイルバネ２０の一端部を係止する係止部（フ
ツク部２８）と、上記側面の一端に形成され上記
ねじりコイルバネ２０の他端部を受ける凹部２７
とを設けてある。

上記側面上の上記凹部２７と上記シヤツターの
間に設けられ、上記ねじりコイルバネ２０の他端
部が上記凹部２７に挿入されるとき上記他端部を
ガイドするガイド部２６を有する。

〔実施例〕

以下本発明のデイスクカセツトを実施例に沿つ
て説明する。

第２図は本発明を適用した可撓性磁気デイスク
カセツトの平面図で、第３図はシヤツターを開け
た状態の部分平面図、第４図Ａ及びＢはシヤツタ
ーの平面図及び側面図である。

第２図及び第３図に示すデイスクカセツトは上
シエル１０及び下シエル１１から成り、これらの
間に磁気デイスク１２が回動可能に収容されてい
る。磁気デイスク１２は金属製のセンターコア１
３を備え、このセンターコア１３が下シエル１１
に形成された中心穴１４を通してデイスクドライ
ブ装置のスピンドルにチヤツキングされる。また
下シエル１１にはデイスク半径方向に沿つた長方
形のヘツド挿入孔１５が形成され、一方、上シエ
ル１０の対応する位置には、押えパツド挿入孔１
６が形成されている。

上記ヘツド挿入孔１５及びパツド挿入孔１６を
閉塞するために、第４図Ａ，Ｂに示すシヤツター
１７がカセツト筐体を跨ぐように上シエル１０及
び下シエル１１の夫々に形成された凹部１８に往
復動自在に取付けられている。シヤツター１７の
両面には前記両挿入孔１５，１６に合致する窓孔
１９が形成されていて、第３図の如くにシヤツタ
ー１７が開位置にあるときには、両窓孔１９が両
挿入孔１５，１６と重なり、ヘツド及び押えパツ
ドが挿入孔され得る状態となる。またシヤツター
１７が第２図の如くに閉位置にあるときには、パ
ツド挿入孔１６及びヘツド挿入孔１５はシヤツタ
ー１７によつて閉塞される。デイスクカセツトを
使用しないときには、シヤツター１７が常に第２
図の閉位置にあるように、シヤツター１７とカセ
ツト筐体との間に縮設されたねじりコイルバネ２
０によつてシヤツター１７は第２図の矢印ａ方向
に付勢されている。

第５図Ａ及びＢはねじりコイルバネ２０の平面
図及び側面図を示している。この略Ｖ字状のねじ
りコイルバネ２０はステンレス線材を数回巻回し
たものであつて、コイル部分２１の両端は直線状
に延ばされた腕部２２，２３に連なつている。各
腕部２２，２３の端部はほぼ90゜の折曲げ部２４，
２５となつている。各折曲げ部２４，２５の曲げ
方向は逆向きであり、コイル部分２１の高さ方向
を向いている。このねじりコイルバネ２０の各腕
部２２，２３の長さｂ，ｃは等しく、また各折曲
げ部２４，２５の長さｄ，ｅも等しくなつてい
る。従つてねじりコイルバネ２０は点対称構造で
あり、折曲げ部２４，２５の何れがシヤツター１
７若しくはデイスク筐体への固定端であつてもよ
い。

即ち、ねじりコイルバネ２０が取付けについて
の方向性を持たないので、自動機又は人手による
組立て作業が極めて容易となる。またバネ２０の
形状が簡単で製造が容易である上、第１図に示す
ようなΩ状の曲げ部が無いので、バネどうしがか
らみ合うことが無く、組立効率を向上させること
ができる。またバネ２０の折曲げ部２４，２５が
夫々コイル部分２１の高さ方向に向いているの
で、デイスクカセツトの厚み方向に関するバネ２
０の高さをより低くすることができ、従つてより
薄形のカセツト構造に適する。

次にねじりコイルバネ２０のカセツト筐体及び
シヤツター１７への取付構造について説明する。
第６図はねじりコイルバネ２０の取付構造を示す
デイスクカセツトの要部上側面図、第７図は要部
平面図である。また第８図及び第９図は夫々第７
図の−線及び−線の部分断面を示してい
る。

第５図に示すねじりコイルバネ２０の一端の折
曲げ部２４（または２５）はカセツトシエルに形
成された凹部２７に挿入係止される。また他端の
折曲げ部２５（または２４）は、シヤツター１７
の上側面に切り起こしによつて形成されたフツク
部２８に係止される。凹部２７は、第８図に示す
ように上シエル１０及び下シエル１１の上側面１
０ａ及び１１ａ及び上シエル１０に形成されたオ
ーバーハング部２９に囲まれている。従つてこの
凹部２７に挿入されたバネ２０は第８図の上下方
向及び左右方向には抜け落ちることはない。また
挿入方向には、バネ２０自体の戻り力によつて固
定される。

一方、バネ２０の折曲げ部２５（または２４）
は第９図のようにシヤツター１７のフツク部２８
に掛けられた状態で、第９図の上方向及び右方向
はシヤツター１７によつて、左方向は上シエル１
０によつて、下方向は下シエル１１によつて外れ
ないように固定される。

バネ２０の取付け作業を容易にするために、第
６図及び第７図に示すように凹部２７の入口付近
の上シエル１０には、シエルの上側面３０よりも
低下した段部３１が形成されている。この段部３
１はバネ係止用凹部２７を形成するオーバーハン
グ部２９に連なつている。また下シエル１１の対
応部分にはシエルの上側面３２よりも突出した段
部３３が形成されている。これらの段部３１，３
３により、バネ２０の取付け作業を容易にするた
めのガイド部２６が凹部２７に連なつて形成され
る。

第１０図及び第１１図はねじりコイルバネ２０
の取付作業を説明する要部上側面図及び要部斜視
図である。これらの図に示すようにバネ２０の腕
部２２を下シエル１１の突出した段部３３の側壁
に押し付け、また折曲げ部２４を上シエルの低下
した段部３１の上面に押し付け、これらの段部３
１，３３によつて案内させながらバネ２０を矢印
Ｅ方向に摺動させることにより、バネ２０を凹部
２７に挿入させることができる。なお一段低い段
部３１が設けられているため、バネ２０の挿入角
度θ（第１１図）は小さくてよい。従つてバネ２
０の挿入作業線は直線状である。このため取付作
業は非常に簡単であり、また自動機によつて取付
けることも容易である。

なお段部３１，３３によるガイド部２６が無い
場合には一例として第１２図及び第１３図に示す
ようにバネ２０を捻りながら凹部２７に挿入しな
ければならず、従つて自動組立は非常に困難とな
る。

別な実施例として、第１４図〜第１７図にバネ
挿入開口部の要部詳細を示す。第１４図及び第１
５図は第６図及び第７図と同様な要部上側面図及
び要部平面図で、第１７図は要部斜視図である。
この変形例において、第１４図に示すように上シ
エル１０及び下シエル１１の夫々の上面及び上シ
エルのオーバーハング部２９によつてバネ固定用
凹部２７が形成されているのは第６図〜第９図に
示す実施例と同じである。バネ固定用凹部２７の
オーバーハング部２９はバネ挿入開口部において
先細りに延長されていて、この部分の上シエル１
０の内面は凹部２７に連なる傾斜面３５となつて
いる。一方、バネ挿入開口部における下シエル１
１の側縁には段部３６が形成されている。この段
部３６の上面はオーバーハング部２９の上面と面
一致であり、また下シエル１１の上側面３７より
も一段低下している。これらのオーバーハング部
２９、傾斜面３５、段部３６によりガイド部２６
が形成されている。

ねじりコイルバネ２０の挿入は、第１５図のよ
うにバネ２０の折曲げ部２４の先端を傾斜面３５
に当てながらオーバーハング部２９及び段部３６
の上面においてバネ２０の折曲げ部２４を摺動案
内させることによつて行われる。この挿入作業も
直線状であり、また段部３６が形成されているた
めバネ２０の挿入角度は小さくてよく、従つて、
簡単な動作で挿入することができる。またバネ２
０の折曲げ部２４の角が丸いので、挿入開口部に
おける下シエル１１のコーナー部分３８にバネ２
０が引掛かることが無く、スムースに挿入するこ
とができる。

〔発明の効果〕

本発明は上述の如く、シヤツター１７の閉付勢
用バネとして、Ｖ字状のねじりコイルバネ２０を
用い、その一端を折り曲げてカセツト筐体１に形
成した凹部２７に係止させるようにし、上記バネ
２０を凹部２７に挿入する作業を容易にするため
に、上記凹部２７に連なるガイド部２６を設けた
構成であるので、バネ２０の係止端部の構造が簡
単で、精度良く、低コストにバネを作ることがで
きる上、カセツト筐体側のバネ係止構造（凹部２
７）により確実にバネを係止させることができ
る。またガイド部２６を設けたので、バネ２０が
非常に微細な部品であるにもかかわらず、容易に
能率良く組立てることができ、自動組立てにする
ことも容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気デイスクカセツトのシヤツター付
勢用ねじりコイルバネの従来の形状を示す平面図
である。第２図〜第１１図は本発明による磁気デ
イスクカセツトの実施例を示し、第２図は平面
図、第３図はシヤツターを開けた状態の部分平面
図、第４図Ａ及びＢはシヤツターの平面図及び側
面図、第５図Ａ及びＢはねじりコイルバネ２０の
平面図及び側面図、第６図はねじりコイルバネの
取付構造を示すデイスクカセツトの要部上側面
図、第７図は要部平面図、第８図及び第９図は
夫々第７図の−線及び−線の部分断面
図、第１０図及び第１１図はねじりコイルバネの
取付作業を説明する要部上側面図及び要部斜視図
である。第１２図及び第１３図はバネ取付けの案
内構造が無い場合の取付方法を示すカセツト筐体
の要部上側面図及び要部平面図である。第１４図
〜第１７図はカセツト筐体のバネ挿入開口部の変
形例を示し、第１４図及び第１５図は第６図及び
第７図と同様な要部上側面図及び要部平面図、第
１６図は第１４図の−線断面図、第１７図は
要部斜視図である。 なお図面に用いた符号において、１０……上シ
エル、１１……下シエル、１２……磁気デイス
ク、１５……ヘツド挿入孔、１７……シヤツタ
ー、２０……ねじりコイルバネ、２１……コイル
部分、２２，２３……腕部、２４，２５……折曲
げ部、２６……ガイド部、２７……凹部、であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円板状記録媒体を収納する上下シエルから成
   るカセツト筐体と、 このカセツト筐体に形成されたヘツド挿入孔を
   開閉するためにカセツト筐体の側面に摺動自在に
   取付けられたシヤツターと、 上記ヘツド挿入孔を閉塞する位置に上記シヤツ
   ターを付勢する略Ｖ字状で先端部が互いに異なる
   方向に折り曲げられたねじりコイルバネと、 上記シヤツターに設けられ、上記ねじりコイル
   バネの一端部を係止する係止部と、 上記側面の一端に形成され、上記ねじりコイル
   バネの他端部を受ける凹部と、 上記側面上の上記凹部と上記シヤツターの間に
   設けられ、上記ねじりコイルバネの他端部が上記
   凹部に挿入されるとき上記他端部をガイドするガ
   イド部とを有することを特徴とするデイスクカセ
   ツト。