JPH057927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はブローチ等の装身具用止め金具に関す
るものである。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

一般にこの種の止め金具としてはブローチ等の
装身具の裏面に起伏可能に取付けられた針と該針
の先端部を着脱自在に係止するための同じく装身
具の裏面に取付けられた針係止部材とからなつて
いるが、従来の針係止部材は針係合用の切込みを
有する固定金具とこれに同軸的かつ回動可能に組
込まれている同形のクランプ金具とからなつてお
り、針を固定金具より着脱するに当つてはその度
び毎にクランプ金具を一々廻してクランプの閉鎖
又は開放を行うことが必要であり、装身具の洋服
等への着脱は必ずしも容易とは言えないのが現状
である。

本考案はこのクランプ金具によるクランプ操作
の煩雑さを解消して針部材の着脱を容易にしたも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の要旨とする所は装身具に起伏可能に取
付けられた針部材と該針部材の先端部を着脱自在
に係止するための同じく装身具に取付けられた針
係止部材とを備え、針部材先端部出入用切込みを
有する固定筒部に該針先端部差込み用孔を有する
棒状つまみ部がこのつまみ部を針差込み方向に付
勢する弾機を介して組込まれてなることを特徴と
する装身具用止め金具に存し、これにより所期の
目的を収めたものである。

本考案はその実施において針部材の装身具への
取付側端部に略Ｌ形の屈曲部を有しこれが針部材
を装身具より起立方向に付勢する弾機を形成して
いるもの、棒状つまみ部材は固定筒部内を摺動す
る柱状部分と固定筒部より径を大きくするつまみ
部分とからなり、つまみ部分の外周にはローレツ
ト加工が施されているものおよび棒状部分にはコ
イルスプリングが巻装されこのスプリングの一端
は棒状部分に係止され、他端は固定筒部内に係止
されているもののいずれか１つないしは２つ以上
の組合せを採用すれば一層効果的である。

〔実施例〕

第１図において１はブローチ等の装身具を示
し、その裏面に針２の長さに略等しい距離を隔て
て針取付金具３および針係止金具４が夫々固定さ
れている。金具３は縦方向に切込み５を入れたた
て形の円柱状のもので、この切込み５に差し渡し
た軸６に針２の非尖端側を巻装して取付けかつ当
該端部に針２に対して略Ｌ形をなす屈曲部７を形
成する。この屈曲部７の先端が装身具１に衝合し
た位置で針２は図示のように金具４の上方に少し
浮き上つた状態で静止しうるようになつている。

他方金具４は装身具１に固定された横型の筒部
８内に矢印ａ又はｂ方向に摺動しうるつまみ部９
を組合せてなるものであるが、その詳細は第２図
に示される。

筒部８は針２側の端面は開放され、反対側の端
面には円筒鍔１０を有し、この鍔１０内の透孔を
通してつまみ部９の柱状部分１１が筒部８内に挿
入され鍔１０の外側に位置するつまみ部分１２は
筒部８よりも稍大径にしてあり、外周にはローレ
ツト加工が施されている。

柱状部分１１には針側よりその中心軸に沿つて
針挿入用孔１３が設けられており、又その針側端
部には鍔１４を周設し、この鍔１４と前出の円周
鍔１０との間でコイルスプリング１５が柱状部分
１１の外周に巻装されている。又筒部８の上部に
は針２の尖端部２′が出入しうる切込み１６がそ
の母線方向に設けられている。

今この止め金具の動作を説明すると装身具を取
付けるべき洋服に針２を刺し通してから第３図に
示すようにつまみ部分１２をスプリング１５に抗
して矢印ａの方向に移動させ（横に引き）針尖端
部２′が切込み１６を通して筒部８内に入りうる
位置まで柱状部分１１を引抜くと共に一点鎖線の
状態にある針２を屈曲部７による弾性に抗して実
線の状態までその尖端部２′を筒部８内に押し込
んだ後、つまみ部分１２を放すと第４図に示すよ
うにつまみ部９はスプリング１５の復元によつて
矢印ｂの方向に移動し元の状態に戻るので、ピン
挿入孔１３内にピン尖端部２′が挿入保持され、
装身具が洋服に取付けられることになる。

装身具を洋服より取外す場合にはつまみ部分１
２をスプリング１５の弾性に抗して前記と同様に
横に引くとピン尖端部２′が柱状部分１２の孔１
３より抜け出るので、屈曲部７の弾性によつてピ
ン２は切込み１６を抜け出して止め金具４より外
れ、ピン２は洋服より引抜くことができる。

〔考案の効果〕

本考案によればつまみを横に引き針を筒部に入
れつまみを放すだけで針の挿着ができ、又つまみ
を横に引くだけで針の取外しができ針の着脱が著
しく容易になり、その実用上の価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わる止め金具の全
体斜視図、第２図は同上の要部を示す断面説明
図、第３図および第４図は本考案の動作段階を説
明するための説明図である。 １……装身具、２……針、３……針取付金具、
４……針係止金具、８……筒部、９……つまみ
部、１５……コイルスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 装身具に起伏可能に取付けられた針部材と該
   針部材の先端部を着脱自在に係止するための同
   じく装身具に取付けられた針係止部材とを備
   え、針部材先端部出入用切込みを有する固定筒
   部に、該針部材先端部差込み用孔を有する棒状
   つまみ部がこのつまみ部を針差込み方向に付勢
   する弾機を介して組込まれてなることを特徴と
   する装身具用止め金具。 (2) 針部材の装身具への取付側端部に略Ｌ形の屈
   曲部を有しこれが針部材を装身具より起立方向
   に付勢する弾機を形成している請求項１記載の
   止め金具。 (3) 棒状つまみ部材は固定筒部内を摺動する柱状
   部分と固定筒部より径を大きくするつまみ部分
   とからなり、つまみ部分の外周にはローレツト
   加工が施されている請求項１記載の止め金具。 (4) 棒状部分にはコイルスプリングが巻装されこ
   のスプリングの一端は棒状部分に係止され、他
   端は固定筒部内に係止されている請求項(3)記載
   の止め金具。