JPH0576837A - 光硬化型樹脂組成物の硬化方法 - Google Patents

光硬化型樹脂組成物の硬化方法

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JPH0576837A
JPH0576837A JP24600091A JP24600091A JPH0576837A JP H0576837 A JPH0576837 A JP H0576837A JP 24600091 A JP24600091 A JP 24600091A JP 24600091 A JP24600091 A JP 24600091A JP H0576837 A JPH0576837 A JP H0576837A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐侯性がよく表面が平坦で美麗な厚膜を形成
することができるような、光硬化型樹脂組成物の硬化方
法を提供することを目的とする。 【構成】 硬化性樹脂成分と、光重合開始剤Aと、紫外
線吸収剤Bとを含んだ樹脂組成物であって、上記光重合
開始剤Aのモル吸光係数が10以上である波長領域と、
上記紫外線吸収剤Bのモル吸光係数が1000以下であ
る波長領域とが重なり合った波長範囲λを、光の波長3
70nm以上430nm以下の範囲に有する光硬化性樹脂組
成物に、370nm以上430nm以下の範囲のエネルギー
量が、少なくとも360nm以上370nm以下の範囲のエ
ネルギー量よりも大きくなされた光線を照射する光硬化
型樹脂組成物の硬化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光を照射すると硬化
して、耐侯性がよく表面が美麗な厚膜を形成することが
きでるような、光硬化型樹脂組成物の硬化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光硬化型樹脂組成物は、紫外線により活
性化する重合開始剤によりモノマーが重合を開始し、硬
化した皮膜を形成するものが主流となっている。こうし
て得た皮膜は耐侯性に乏しいので、これを改良しようと
して紫外線吸収剤を組成物中に入れると、紫外線吸収剤
が紫外線を吸収するため、重合開始剤の活性化が阻害さ
れ、従って硬化が円滑に進まなくなる。そこで、透明で
耐侯性が良好な光硬化型樹脂組成物を提供するために、
種々の工夫がなされた。
【0003】特開昭56−122840号公報は、特定
の重合体を用いることにより、多量の紫外線吸収剤を配
合できるようにして、耐侯性の良好な硬化型樹脂組成物
を提供している。
【0004】また、特開昭63−218770号公報
は、紫外線吸収剤と光重合開始剤との両者の構造を限定
することによって、硬化性が低下しない組成物を提供し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の硬
化型樹脂組成物に光照射して硬化皮膜を形成する場合、
次のような不都合を生じる。
【0006】すなわち、特開昭56−122840号公
報に示す硬化型樹脂組成物の場合、組成によっては数拾
μmまでの厚みの皮膜を作ることはできるが、500μ
m以上のような厚い皮膜を作ることができない。それ
は、皮膜が厚くなると、深部の硬化が進まなくなるから
である。同様に、特開昭63−218770号公報に示
す硬化型樹脂組成物の場合も、やはり500μm以上の
厚さの平坦な皮膜を作ることは困難であった。
【0007】本発明は、係る実情に鑑みてなされたもの
で、耐侯性がよく表面が平坦で美麗な厚膜を形成するこ
とができるような、光硬化型樹脂組成物の硬化方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の光硬化型樹脂組成物の硬化方法は、硬化性樹
脂成分と、光重合開始剤と、紫外線吸収剤とを含んだ樹
脂組成物であって、上記光重合開始剤のモル吸光係数が
10以上である波長領域と、上記紫外線吸収剤のモル吸
光係数が1000以下である波長領域とが重なり合った
波長範囲を、光の波長370nm以上430nm以下の範囲
に有する光硬化性樹脂組成物に、370nm以上430nm
以下の範囲のエネルギー量が、少なくとも360nm以上
370nm以下の範囲のエネルギー量よりも大きくなされ
た光線を照射するものである。
【0009】光硬化型樹脂組成物は、硬化性樹脂成分
と、光重合開始剤と、紫外線吸収剤とを含んだものであ
って、上記光重合開始剤のモル吸光係数が10以上であ
る波長領域と、上記紫外線吸収剤のモル吸光係数が10
00以下である波長領域とが重なり合った波長範囲を、
光の波長370nm以上430nm以下の範囲に有するもの
が使用される。
【0010】この発明で用いられる硬化性樹脂成分とし
ては、光重合開始剤が吸光により活性化されるに伴い、
これによって重合し硬化する樹脂成分である。それに
は、不飽和ポリエステル型、アクリル型、チオール・エ
ン型、エポキシ型など各種のものがあるが、この発明で
は透明で耐侯性の良好な樹脂を生成することが必要とさ
れるので、アクリル型とチオール・エン型のものを用い
るのが好ましく、とくにアクリル型のものを用いるのが
好ましい。
【0011】アクリル型の樹脂成分は、ポリエステル
型、ウレタン型、エポキシ型の骨格の末端に、アクリロ
イルオキシ基を結合させた分子量数百ないし数千のアク
リレートオリゴマーと、それを希釈しまた柔軟性、密着
性、速硬化性などの特性を付与するアクリレートまたは
メタクリレートモノマーとから成るものである。両者の
種類と配合割合とには格別の限定がない。また、両者は
それぞれ複数種のものが配合されてもよい。
【0012】光重合開始剤は、特定範囲の波長の光を吸
収して活性種を生成し、硬化性樹脂成分の硬化反応を開
始させるものである。それには、ラジカル重合型、カチ
オン重合型のものがあるが、無色透明で耐侯性にすぐれ
たアクリル型、チオール・エン型の硬化性樹脂に対して
は、ラジカル重合型のものを用いるのが好ましい。ラジ
カル重合型の開始剤としては、化学構造から云うと、ア
セトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チ
オキサントン系のものが多く、そのほかアシルホスフィ
ンオキサイド、グリオキシエステル、ジケトン等も用い
られている。この発明で用いられる開始剤は、その何れ
でもよく、化学構造には全く関係なく、吸光係数と波長
との関係だけから選択される。
【0013】光重合開始剤の配合量は、樹脂成分に対し
て0.1〜10重量%とするのが好ましい。その理由
は、0.1重量%未満であると、樹脂成分の硬化が満足
に進行しなくなるからであり、逆に10重量%を超える
と、また樹脂成分の硬化が阻害されたり、樹脂が着色し
たりするからである。
【0014】紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して樹脂の
劣化を防ぐ作用をするものである。それには各種の化学
構造を持ったものがある。例えば、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、サリシレート
系、シアノアクリレート系等のものがあるが、その何れ
も用いることができ、さらにそれ以外のもの例えば顔
料、充填剤等でもよい。強いて云えば、その中ではベン
ゾトリアゾール系又はベンゾフェノン系の化合物が好ま
しい。その理由は、これらの化合物が広い範囲の吸収波
長を持ち耐侯性にすぐれているからである。それ以外、
この発明での紫外線吸収剤は、専ら吸光係数と波長との
関係だけから選択される。
【0015】紫外線吸収剤の配合量は、樹脂成分に対し
て0.01〜5重量%とするのが好ましい。その理由
は、0.01重量%未満であると、充分な耐侯性が得ら
れないからであり、逆に5重量%を超えると、樹脂成分
の硬化が阻害されるからである。
【0016】モル吸光係数とは、下記数1に示すよう
に、溶液についてのランバート・ベールの式によって定
められるε(M-1 cm -1)の値を指している。
【0017】
【数1】log(I0 /I)=εcd 但し、Iは透過光の強度、I0 は純溶媒の透過光の強
度、cはモル濃度(M)、dは溶液層の厚み(cm)を表し
ている。εは物質と波長だけによって定まる定数であ
る。
【0018】この発明では、光重合開始剤と紫外線吸収
剤とが、それぞれのモル吸光係数と波長との関係だけか
ら、選択して用いられる。ここで、モル吸光係数とは、
それぞれの資剤を溶剤に溶解して溶液とし、この溶液に
色々な波長の光をあてて透過して来る透過光強度Iを測
定し、この測定値Iを前述のランバート・ベールの式に
入れて算出した値εである。値εは資剤と波長だけによ
って定まる定数である。
【0019】この発明では、光重合開始剤と紫外線吸収
剤との関係として、光重合開始剤のモル吸光係数が10
以上である波長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係数が
1000以下である波長領域とが、重なり合うことを必
要としている。ここで、「重なり合う」とはどのような
ことを意味するかをまず説明する。
【0020】図1は、資剤のモル吸光係数が、光の波長
とともに変化する関係を模型的に示したものである。図
1は、縦軸に資剤のモル吸光係数を取り、横軸に光の波
長を取って、資剤のモル吸光係数と波長との関係を示し
ている。図1において、光重合開始剤は曲線Aで示すよ
うなモル吸光係数を持ち、紫外線吸収剤は曲線Bで示す
ようなモル吸光係数を持っているとする。曲線Aのモル
吸光係数εAが10となる波長xと、曲線Bのモル吸光
係数εBが1000となる波長yとの間で、yがxより
も小さいという関係にあれば、両波長領域はy<λ<x
の波長範囲で重なり合う、と云うのである。
【0021】この発明では、光重合開始剤のモル吸光係
数が10以上である領域と、紫外線吸収剤のモル吸光係
数が1000以下である領域とが重なり合う波長範囲
を、370nm以上430nm以下の範囲に有することが必
要である。
【0022】詳しくは、370nm以下にも重なりをもっ
てもよいが、上記範囲内には少なくとも重なり部分があ
るものである。また、430nm以上には重なりのないも
のが好ましい。
【0023】370nm以下にのみ重なり合いをもつ組合
せに対しては、本発明のような光源の選択はさして必要
ではない。
【0024】また、430nm以上に重なりがある場合
は、430nm以上での光重合開始剤のモル吸光係数が大
であるために、樹脂組成物が着色する。
【0025】さらに、430nm以上にのみ重なりがある
場合は、本発明の光源の選択からは外される。
【0026】この発明では、光重合開始剤と紫外線吸収
剤のほかに、必要に応じて種々の成分を添加することが
できる。例えば、よりすぐれた耐侯性を得るために、ヒ
ンダードフェノール系、リン系、イオウ系、アミン系等
の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系光安定剤を添加す
ることができる。また、レベリング剤、増粘剤、充填材
等を添加することもできる。
【0027】この発明の組成物を被覆材として使用する
場合には、刷毛塗り、流し塗り、浸漬など各種の公知方
法で塗布することがきでる。また、この組成物をシート
状に成形する場合には、この組成物を金属、ガラス又は
プラスチック板等の表面に塗布又は流延し、光を照射し
て硬化させたのち、硬化物を剥ぎ取ることによって成形
することもできる。
【0028】次に、前述の光硬化型樹脂組成物を硬化す
るための光線について説明する。
【0029】この光線は、370nm以上430nm以下の
範囲のエネルギー量が、少なくとも360nm以上370
nm以下の範囲のエネルギー量よりも大きくなされた光線
であることが必要である。
【0030】波長範囲に対してのエネルギー量の測定
は、分光光度計によって行われ、エネルギー量の単位
は、ランプが発する光の絶対値としてはW(ワット)、
又、被照射部での照度を表すmW/cm2 等で表され
る。
【0031】前記光硬化型樹脂組成物(以後樹脂と記
す)を被覆剤あるいはシート成形に使用する際、いずれ
の場合にも硬化前にまず皮膜の形となされる。
【0032】360nm以上370nm以下の範囲の光(以
後低波長側と記す)は樹脂中の紫外線吸収剤により皮膜
表面付近で多く吸収される。
【0033】一方、370nm以上430nm以下の範囲の
光(以後長波長側と記す)は紫外線吸収剤のモル吸光係
数が1000以下である波長範囲においては、紫外線吸
収剤による吸収のされ方が少なく皮膜深部まで透過し、
光重合開始剤の活性波長範囲内において重合が開始され
る。
【0034】樹脂中の紫外線吸収剤量が多い場合や、皮
膜が厚い場合は、低波長側のエネルギー量が長波長側の
エネルギー量より大きい場合に、皮膜表面と内部での硬
化進行に著しい差が生じ、皮膜表面が丸くアーチ状とな
ったり、シワが寄ったりする場合が生ずる。
【0035】長波長側のエネルギー量が低波長側のエネ
ルギー量より大きくなされた光線を用いることにより、
内部での硬化進行が促進されることとなり、皮膜表面と
内部での硬化進行の差が小さくなり、その結果、上記の
様な欠陥のない平坦、平滑な硬化皮膜を得ることができ
る。
【0036】この様な光源の代表的な例として、通常の
高圧水銀ランプ中の水銀に追加して金属ハロゲン化物を
封入したメタルハライドランプがあげられる。金属の代
表的な例としては鉄、スズ、ガリウム、インジウム等が
あげられる。
【0037】あるいは、光源として低波長側が長波長側
よりも大きくなされたもの、例えば高圧水銀ランプを用
いても、光フィルターを用いて低波長側の光を部分的に
カットし、樹脂皮膜表面に達した時点で長波長側のエネ
ルギー量を相対的に大きくしてやることも有効である。
【0038】また、本発明における硬化方法の適用は少
なくとも皮膜の流動性がなくなる硬化段階まで行えばよ
く、最終硬化まで引続き同じ光線を用いてもよいし、2
段階用として低波長側の大きい光線を用いてもよい。後
者の場合は、表面付近の硬化が速くなるため、トータル
の照射時間が少なくできるという利点がある。
【0039】
【作用】光重合開始剤のモル吸光係数が10以上である
波長領域と、上記紫外線吸収剤のモル吸光係数が100
0以下である波長領域とが重なり合う波長範囲を、光の
波長370nm以上430nm以下の範囲に有する光硬化性
樹脂組成物を、皮膜が厚くなるように塗布し、この皮膜
に、370nm以上430nm以下の範囲のエネルギー量
が、少なくとも360nm以上370nm以下の範囲のエネ
ルギー量よりも大きくなされた光線を照射する。
【0040】すると、370nm以上430nm以下の範囲
の光線は、皮膜中の光重合開始剤のモル吸光係数が10
以上となされ、上記紫外線吸収剤のモル吸光係数が10
00以下となされた波長領域で吸収されるので、紫外線
吸収剤によって光が吸収されてしまうことなく、皮膜の
最深部まで透過し、光重合開始剤による重合が開始され
硬化樹脂成分が硬化することとなる。
【0041】また、370nm以上430nm以下の範囲か
ら外れた範囲の光線は、皮膜中の光重合開始剤および紫
外線吸収剤のモル吸光係数が上記範囲から外れた波長領
域で吸収されるので、紫外線吸収剤によって光が吸収さ
れてしまい、皮膜の表面でのみ光重合開始剤による重合
が開始され硬化樹脂成分が硬化することとなる。
【0042】そして、皮膜の表面を硬化させる光源のう
ち、主光源となる360nm以上370nm以下の範囲のエ
ネルギー量よりも、皮膜の内部を硬化させる光源である
370nm以上430nm以下の範囲のエネルギー量を大き
くすることで、皮膜の表面と内部との硬化がバランス良
く進行することとなる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の一実施例と、これの比較対象
となる比較例とを示し、本発明について優れている所以
を明らかにする。
【0044】
【実施例1】テトラメチルキシリレンジイソシアネート
(分子量244)440gと、分子量3000の二官能
性ポリテトラメチレングリコール2700gとを、80
℃で10時間反応させた。これに2−ヒドロキシエチル
アクリレート(分子量116)209gを加え、さらに
10時間反応させてウレタンアクリレートオリゴマーを
得た。このウレタンアクリレート100gに、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート30g、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート30g、酸化防止剤として2,6−
ジ−t−ブチル−p−ヒドロキシトルエン(BHT)
0.3gを加え、混合溶解したものを硬化性樹脂成分と
して用いた。
【0045】光重合開始剤としては、メチルフェニルグ
リオキシレート1.0gを上記樹脂成分に配合した。こ
の光重合開始剤は、波長398nm以下、280nm以上の
範囲でモル吸光係数が10以上である。
【0046】紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール1.0
gを上記樹脂成分に配合して、光硬化型樹脂組成物とし
た。この紫外線吸収剤は、波長381nm以上の範囲で、
モル吸光係数が1000以下である。
【0047】従って、この光重合開始剤のモル吸光係数
が10以上である波長領域と、紫外線吸収剤のモル吸光
係数が1000以下である波長領域とは381nmないし
398nmの波長範囲で重なり合うものであった。
【0048】こうして得た樹脂組成物を白色ポリスチレ
ン板上に、バーコーターを用いて、100μmの厚さに
塗布した。
【0049】照射光源として120W/cmの鉄、スズ
のハロゲン化物が入ったメタルハライドランプ(アイグ
ラフィクス社製 M045−L31)で10秒間照射し
て硬化皮膜を得た。
【0050】なお、このランプは370nm〜430nmの
長波長側が328W、360〜370nmの低波長側が9
2Wの発光エネルギー量であり、長波長側が大きい。
【0051】得られた硬化皮膜は、平滑で光沢があり外
観良好なものであり、また底まで十分硬化しており、硬
化状態は良好であった。
【0052】この硬化皮膜をサンシャインウェザーメー
ターで400時間テストしたのち、外観を観察したが着
色はなく良好な耐侯性を示した。
【0053】
【実施例2】照射光源をガリウムのハロゲン化物が入っ
たメタルハライドランプ(アイグラフィクス社製 M0
45−L31G)に変えた以外は実施例1と同様に行っ
た。
【0054】なおこのランプは、長波長側が425W、
低波長側が46Wの発光エネルギー量である。
【0055】得られた硬化皮膜は外観、硬化状態ともに
良好であり、サンシャインウェザーメーターでテストし
た耐侯性も良好であった。
【0056】
【比較例1】照射光源を高圧水銀ランプ(アイグラフィ
クス社製 H045−L31)に変えた以外は実施例1
と同様に行った。
【0057】なおこのランプは長波長側が69W、低波
長側が120Wの発光エネルギー量であり、低波長側が
大きい。
【0058】得られた硬化皮膜は底まで十分硬化してい
たが、部分的にシワが発生し、外観不良であった。
【0059】
【比較例2】光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1フェニルプロパン−1−オンを用いた以外
は実施例1と同様に行った。
【0060】この比較例では、光重合開始剤のモル吸光
係数が10以上である波長領域と紫外線吸収剤のモル吸
光係数が1000以下である波長領域とは、370nm以
上430nm以下の波長範囲では重なり合わなかった。
【0061】硬化皮膜は、皮膜の底に未硬化の液状部分
が存在し、硬化状態が不良であった。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると、厚
い皮膜であっても、皮膜の内部を硬化させることができ
るとともに、皮膜の表面と内部との硬化をバランス良く
進行させることができるので、シワやそりのない平坦、
平滑で綺麗な表面を有する硬化皮膜を形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】資剤のモル吸光係数が光の波長とともに変化す
る関係を模型的に示したグラフである。
【符号の説明】
A 光重合開始剤 B 紫外線吸収剤 λ 波長範囲

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性樹脂成分と、光重合開始剤と、紫
    外線吸収剤とを含んだ樹脂組成物であって、上記光重合
    開始剤のモル吸光係数が10以上である波長領域と、上
    記紫外線吸収剤のモル吸光係数が1000以下である波
    長領域とが重なり合った波長範囲を、光の波長370nm
    以上430nm以下の範囲に有する光硬化性樹脂組成物
    に、370nm以上430nm以下の範囲のエネルギー量
    が、少なくとも360nm以上370nm以下の範囲のエネ
    ルギー量よりも大きくなされた光線を照射することを特
    徴とする光硬化型樹脂組成物の硬化方法。
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