JPH0576384U - 電動カーテン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廉価で、しかも確実な動作が保証され、１つ
の駆動モータによって開閉が自在であり、取付スペース
も少なくてすむ自動車用リアウィンドーのような台形窓
に好適な電動カーテン装置の提供。 【構成】 トップランナー１２を含む２組のランナー群
をそれぞれ別の溝に沿って案内する上部レール１および
下部レール２と、これらのレールに沿って往復し、トッ
プランナー１３がそれぞれ取付けられるタイミングベル
ト（エンドレスベルト）７および８と、これらのエンド
レスベルトを同時に駆動させるための回転伝達手段９お
よび駆動モータ１０とを具備し、エンドレスベルト７と
８との移動速度を異ならせるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電動カーテン装置に関し、詳しくは、自動車用リアウィンドーなど のように曲面を有する特殊形状のウィンドーに対して設けられる開閉自在な電動 カーテン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、セダン型車両のリアウィンドーなどではデザイン上略台形形状でしかも 傾斜と湾曲のついた窓が設けられるために、かかる窓用のカーテンとしてはその 上下の双方で左右同時に開閉自在とするような仕掛が必要となる。しかも、この ような場合、上と下とでは寸法の違いのあることから、それぞれにおける移動量 を異ならせるようにして同時に開閉が行われるようにしなければならず、例えば 、実開昭５９−１４８６８６号公報に開示されているものではそのために、２台 のモータを配置した例が示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来例のようにカーテンの上端部と下端部との移動のため にそれぞれに駆動用モータを配設するのではスペースをとる上、構造が複雑とな り、また、コストが高いものにつく。

【０００４】 本考案の目的は、このような従来の問題に着目し、より廉価で確実な動作が保 証され、取付けのためのスペースも少なくてすむ車両用リアウィンドーのように 台形窓に好適な電動カーテン装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、ほぼ台形をなす窓の上部および下部 に沿って配設され、トップランナーを含む２組からなるランナー群を別組に案内 する２条の平行溝を有する上部レールおよび下部レールと、該上部レールおよび 下部レールの両端部に設けたスプロトケット間にそれぞれ前記２条の平行溝を介 して導かれ、その個別の溝において２つの前記トップランナーがそれぞれ固定さ れるエンドレスベルトと、前記上部レールおよび下部レールの同一側端部に設け たスプロケット同士間を連結する回転伝達手段と、該回転伝達手段を正逆回転さ せる１つの駆動モータと、を具備し、前記回転伝達手段を介して駆動される前記 スプロケット同士の歯数を変えることにより、前記２つのトップランナーを前記 ベルトを介して反対方向に異なる速度で移動させ、前記トップランナーを介して カーテンを左右に同時に開閉可能としたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、１つの駆動モータにより回転伝達手段を介して上下のスプロ ケットを同時に回転させると共にスプロケットの歯数の相違により上下のエンド レスベルトを異なる速度で移動させることができ、しかも２つの平行溝に沿って 移動するエンドレスベルトの溝別の位置に取付けた２つのトップランナーの異な る方向への同時移動により左右カーテンの同時開閉を可能とするもので、自動車 のリアウィンドーなどのように台形かつ湾曲をなす窓のカーテンに好適な電動カ ーテン装置を提供することができる。

【０００７】

【実施例】

以下に、図面を参照しつつ本考案の実施例を具体的に説明する。

【０００８】 図１に一点鎖線で囲って示す部分が本考案の構成領域である。また、図２の（ Ａ）はその領域での全体的構成を、図３は下部レールに関する部分の構成を分か り易くするために模式的に示したもので、さらに図２の（Ｂ）は図２の（Ａ）に 示す上下連結駆動部分Ｋの側面図である。図１および図２において、１は上部レ ール、２は下部レールであり、これらのレール１および２にカーテン３を左右に 開閉するための案内手段が後述するようにして設けられると共にリアウィンドー ４の一方の側面に沿ってカーテン３を上下のレール１，２に沿って同時に移動さ せるための駆動手段が設けられる。

【０００９】 まず、分り易く説明するために、図２の（Ａ），（Ｂ）および図３を参照しな がら全体的な構成の概要について述べることとする。これらの図に示すように、 上部レール１および下部レール２にはその両端部にそれぞれスプロケット５Ａ， ５Ｂおよび６Ａ，６Ｂが設けられていて、スプロケット５Ａ，５Ｂ間および６Ａ ，６Ｂ間にエンドレスのタイミングベルト７および８が張設されている。また、 スプロケット５Ａと６Ａとはその（Ｂ）に示すようにフレキシブルシャフト９に よって連結されていて、１つのモータ１０により歯車列１１を介して同時に駆動 される。ただし、中央部から両側に振分に開閉されるカーテン３は上部レール１ と下部レール２とでその移動距離が異なってくるために、その開閉の完了状態で 上下の各端部が常に一致した位置にくるようスプロケット５Ａと６Ａとの間で径 および歯数が設定されている。

【００１０】 上記のような上部レール１および下部レール２に沿ってカーテン３の上端およ び下端が取付けられたトップランナーをタイミングベルト７および８により移動 させるもので、図３と図４の（Ａ）〜（Ｅ）とに従って下部レール２にかかわる 構成の詳細について説明する。

【００１１】 図３において、１２および１３は開閉時にカーテン３を案内するトップランナ ー、また、１４はカーテン３の展張・縮退時にトップランナー１２に追従するフ リーランナー、１５は同じくトップランナー１３に追従するフリーランナーであ る。さらにまた、１６はタイミングベルト８がレール２の内側面に摺接するのを 防止するためにタイミングベルト８に取付けられ、そのガイドローラ１６Ａがレ ール面２Ａまたは２Ｂに沿って転動するようにしたベルト案内部材である。

【００１２】 続いて、図３のＲ１およびＲ２における断面を図４の（Ａ）および（Ｂ）とし て、また、Ｒ３およびＲ４における断面を図４の（Ｃ）および（Ｄ）として、さ らにまた、Ｒ５における断面を図４の（Ｅ）として示す。図４の（Ａ）〜（Ｄ） に示されるようにトップランナー１２，１３とフリーランナー１４，１５とはい ずれも上部レール２に設けられた２条の縦方向のレール（以下で枠レールという ）２０Ａ，２０Ｂに保持された状態で転動するローラ（以下でカーテンローラと いう）２１を具えている。また、２２Ａはトップランナー１２，１３に穿設され たカーテンフック用の掛止孔、２２Ｂはフリーランナー１４，１５に穿設された カーテンフック用の掛止孔、１２Ａ，１３Ａはトップランナー用ガイドローラー である。

【００１３】 図５の（Ａ）および（Ｂ）は本考案カーテン装置のカーテン駆動部の構成を示 すもので、その（Ａ）は図２の（Ｂ）に矢印Ｅで示す部分の拡大図、図５の（Ｂ ）はその（Ａ）のＩ−Ｉ線断面図である。図５の（Ａ）において、３０はモータ １０用のマグネットクラッチ、またその（Ｂ）において、３１はモータ配線用の コード孔である。なお、これらの図においては、図２の（Ａ）がカーテン３の展 張状態で示されているのに対し、カーテン３を縮退した状態が示されており、従 って、複数のフリーランナー１４およびトップランナー１３が下部レール２の一 方の端に寄せ集められた形となっている。

【００１４】 図６の（Ａ）は図２の（Ｂ）に矢印Ｆで示す部分の拡大図、すなわち、上部カ ーテンレール１とその駆動部（Ｂ）は、その（Ａ）のII−II線断面図である。こ れらの図において、１Ａおよび１Ｂが下部レール２のレール面２Ａおよび２Ｂに 対応するレール面、また、１００Ａおよび１００Ｂが下部レール２の枠レール２ ０Ａおよび２０Ｂに対応するものである。また、トップランナーやフリーランナ ーについては下部レール２のそれと変わらないので、その説明を省略する。

【００１５】 このように構成した電動カーテン装置において、例えばカーテン３を展張、つ まり両側から閉じる状態とする場合は、モータ１０を駆動して図３に示すように スプロケット６Ａを上から見て時計回りの方向に回転させることによりタイミン グベルト８を実線矢印Ｃの方向に移動させ、トップランナー１２および１３を下 部レール２の中央部で突き合わせた状態にすると同時に、フレキシブルシャフト ９（図２の（Ｂ）参照）を介して上部スプロケット５Ａを回転させ、上部レール １に沿ってベルト７を同方向に移動させ、これにより上下で同時にカーテン３を 閉じることができる。なお、この場合、左右双方のカーテン３の外側の端はリア ウィンドー４の両側に設けられる例えば不図示の接着テープ（例えばマジックテ ープ（商標名））等により着脱自在に取付けられている。また、カーテン３を両 側に縮退させて開く場合は、モータ１０を逆の方向に回転させ、図３でタイミン グベルト８を矢印Ｏの方向に移動させるだけでよく、これによって、フリーラン ナー１４およびトップランナー１３を図５の（Ｂ）に示す状態とし、また、上部 レール１においては図６の（Ｂ）に示す状態とすることができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案によれば、ほぼ台形をなす窓の上部および下 部に沿って配設され、トップランナーを含む２組からなるランナー群を別組に案 内する２条の平行溝を有する上部レールおよび下部レールと、該上部レールおよ び下部レールの両端部に設けたスプロケット間にそれぞれ前記２条の平行溝を介 して導かれ、その個別の溝において２つの前記トップランナーがそれぞれ固定さ れるエンドレスベルトと、前記上部レールおよび下部レールの同一側端部に設け たスプロケット同士間を連結する回転伝達手段と、該回転伝達手段を正逆回転さ せる１つの駆動モータと、を具備し、前記回転伝達手段を介して駆動される前記 スプロケット同士の歯数を変えることにより、前記２つのトップランナーを前記 ベルトを介して反対方向に異なる速度で移動させ、前記トップランナーを介して カーテンを左右に同時に開閉可能としたので、１個の駆動モータによりウィンド ーの上下に設けたカーテンレールに沿ってカーテンを同時に開閉することができ る。また、自動車のリアウィンドーのように上下の寸法が異なり、しかもウィン ドー自体が湾曲しているような場合にあってもその開閉時の移動速度が変えられ ることによって迅速かつ整然とした開閉を行わせることができ、また、電動駆動 によるカーテン装置として廉価で提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の車両への装着状態を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案電動カーテン装置を、全体的構成例の上
面図（Ａ）、および図（Ａ）のＫ部分の側面図（Ｂ）に
よって示す説明図である。

【図３】本考案にかかる下部レール関係の構成を模式的
に示す説明図である。

【図４】図３におけるＲ１〜Ｒ５線断面を（Ａ）〜
（Ｅ）としてそれぞれ示す各ランナーの状態図である。

【図５】本考案の駆動部の構成を断面図（Ａ）および
（Ａ）のＩ−Ｉ線から見た矢視図（Ｂ）によって示す詳
細図である。

【図６】本考案による上部レールの駆動連結部の構成を
断面図（Ａ）および（Ａ）のII−II線から見た矢視図
（Ｂ）によって示す詳細図である。

【符号の説明】

１ 上部レール １Ａ，１Ｂ レール面 ２ 下部レール ２Ａ，２Ｂ レール面 ３ カーテン ４ リアウィンドー ５Ａ，５Ｂ，６Ａ，６Ｂ スプロケット ７，８ タイミングベルト ９ フレキシブルシャフト １０ モータ １１ 歯車列 １２，１３ トップランナー １４，１５ フリーランナー １６ ベルト案内部材 ２０Ａ，２０Ｂ 枠レール ２１ カーテンローラ １００Ａ，１００Ｂ 枠レール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ台形をなす窓の上部および下部に沿
   って配設され、トップランナーを含む２組からなるラン
   ナー群を別組に案内する２条の平行溝を有する上部レー
   ルおよび下部レールと、 該上部レールおよび下部レールの両端部に設けたスプロ
   ケット間にそれぞれ前記２条の平行溝を介して導かれ、
   その個別の溝において２つの前記トップランナーがそれ
   ぞれ固定されるエンドレスベルトと、 前記上部レールおよび下部レールの同一側端部に設けた
   スプロケット同士間を連結する回転伝達手段と、 該回転伝達手段を正逆回転させる１つの駆動モータと、 を具備し、 前記回転伝達手段を介して駆動される前記スプロケット
   同士の歯数を変えることにより、前記２つのトップラン
   ナーを前記ベルトを介して反対方向に異なる速度で移動
   させ、前記トップランナーを介してカーテンを左右に同
   時に開閉可能としたことを特徴とする電動カーテン装
   置。