JPH0576349A - 制限欠失突然変異体 - Google Patents

制限欠失突然変異体

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JPH0576349A
JPH0576349A JP3229653A JP22965391A JPH0576349A JP H0576349 A JPH0576349 A JP H0576349A JP 3229653 A JP3229653 A JP 3229653A JP 22965391 A JP22965391 A JP 22965391A JP H0576349 A JPH0576349 A JP H0576349A
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JP
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restriction
bacillus thuringiensis
bacillus
dna
vector
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JP3229653A
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Walter Dr Schurter
シユルター ヴアルター
Christina Reinhard
ラインハルト クリスチーナ
Daniele Mathe
マテ ダニエル
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Ciba Geigy AG
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Publication date
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/22Ribonucleases RNAses, DNAses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
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    • C12N15/75Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora for Bacillus
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バチラス・スリンギエンシス(Bt)またはバ
チラス・セレウス(Bc)の部分的欠失突然変異体およ
びその製法、該変異体を用いるBtまたはBcの制限障
壁を克服する方法の提供。 【構成】突然変異していない出発菌株に固有の制限障壁
内に部分的欠失を有し、そしてそれ故に、BtまたはB
cにおいて制限に自然にさらされている異種仲介宿主か
らのベクターDNAが使用されるとき、上記の突然変異
していない出発菌株に比べ著しく良好に形質転換され得
るBtまたはBcの突然変異体(特にBtクルスタキH
D1cryB Res9)、自然突然変異体の特定の増
菌に基づく上記制限欠失突然変異体の製法、上記制限欠
失突然変異体を用いてBtまたはBcにおいて遺伝子を
クローニングする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバチラス・スリンギエン
シス(Bacillus thuringiensis)およびバチラス・セレ
ウス(Bacillus cereus) の部分的制限欠失突然変異体な
らびに該突然変異体の製造方法に関する。本発明はま
た、上記制限欠失突然変異体を用いるバチラス・スリン
ギエンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおける
制限障壁を克服する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】制限/修飾系は微生物において非常に共
通しており、そして相当前から知られていた。600種
以上の制限酵素および約100種の関連メチラーゼが今
まで科学的文献に記載されてきた〔11〕(〔 〕内の
数字は下に示す参考文献一覧の数字と一致する)。
【0003】これまで記載された制限/修飾系のうちい
わゆるクラスII系に属するものがはるかに多い。これ
らのクラスII系は低い程度の複雑さにより特徴づけら
れ、従って比較的単純なタンパク質を使用する。クラス
II制限酵素は、例えば特定のDNA配列が関連のメチ
ラーゼによりまだ特異的にメチル化されていないという
条件で、該DNA配列を認識し、そして切断することが
できる。いずれの酵素もATPを必要としない。これら
の酵素〔メチラーゼ〕をコードする遺伝子はバクテリア
のゲノム上で互いに近接してしばしば存在する。
【0004】より複雑なクラスIおよびIIIのほとん
ど知られていない制限/修飾系は大腸菌、サルモネラ菌
および好血液性細菌に由来する〔11〕。
【0005】これらの「古典的」系に他に、最初に大腸
菌において、そして次にその他の種において、クラスI
I系の場合とは逆に、系が特異的にメチル化されている
ときだけDNA配列を認識し、そして切断する制限酵素
が近年見出された〔21,24,15〕。
【0006】クラスIIの古典的制限酵素はrDNA技
術において最も重要な道具の一つであり、それ故に現代
の分子遺伝学の基礎的要素の一つを構成する。それらの
主要な応用は組換えDNA分子の構築においてである。
【0007】しかしながら、細胞におけるそれらの天然
の作用は望ましくない外来DNA、例えばウイルスまた
はバクテリアDNAから防御することである。細胞内に
侵入した外来DNAの分解に基づいたこの天然の作用の
ために、相当激しく低下した形質転換頻度を組換えDN
Aでの操作の場合に予想しなければならない。これはい
わゆる制限障壁の存在ということばで呼ばれている〔1
7,18,McDonald &Burke (1984) 〕。制限作用は組
換えプラスミドの大きさが増すにつれて高まるので、わ
ずかな制限障壁でさえも代表的な遺伝子バンクの構築を
妨げるには実質的に十分であり得る。それ故に、制限が
存在する場合、十分に完全な遺伝子は大きな困難さを伴
ってのみ単離され得る。バチラス・サブチリス(Bacill
us subtilis )の場合、例えば、その菌株に生じる制限
酵素BsuM〔27,10,6〕がその生物中の組換え
プラスミドの構造的不安定性の主な原因の一つである
〔8〕ことが示されている。
【0008】それ故に、クラスIIの制限酵素により引
き起こされる制限障壁を克服することは、分子遺伝子学
において解決されるべき主要な問題の一つであったし、
そしてあり続ける。これは種々の方法で今日達成される
ことができる。
【0009】一つの可能なアプローチは、その宿主のD
NAが制限なしに実際の宿主に移入され得る非制限性仲
介宿主を使用することである。このアプローチは、例え
ばメチル化特異的制限系に適当である。仲介宿主とし
て、例えば大腸菌の非メチル化突然変異体または天然の
メチル化欠失株〔15,欧州特許第0341776A2
号〕が使用されてもよい。しかしながら、このアプロー
チはかなり複雑であり、そしてこれらのメチル化欠失大
腸菌株は形質転換が一般に困難で、理想的な宿主株では
全然ないという付加的な欠点を有する。
【0010】別のアプローチにおいて、熱に不安定な制
限酵素を生体内で一時的に不活性化させる〔2,7〕。
このアプローチは宿主および制限酵素の相対的な熱感受
性により制限される。
【0011】存在する制限障壁を克服する他の可能な手
段は使用されるDNAの特異的メチル化である。ある種
の制限系に対する特異的メチラーゼが公知であって、精
製されているならば、DNAは形質転換前に試験管内で
特異的にメチル化され、そのようにして制限から保護さ
れ得る〔28〕。相当するメチラーゼ遺伝子がクローン
化されている場合には、DNAが形質転換され適当な宿
主において生体内で直接メチル化されることは原理的に
は可能である。
【0012】しかしながら、遺伝子工学に対しておそら
く最も満足できる解決、そしてそれ故に好ましい解決
は、制限障壁に関連する制限酵素を合成しない突然変異
体の単離である。宿主菌株として使用されるほとんどの
大腸菌K株は、例えばクラスIの酵素であるEcoKに
対する遺伝子に突然変異を有する。より高度な真核細胞
のDNAは一般に強くメチル化されるから、最近、メチ
ル化特異的制限系mcrA、mcrBおよびmrrのた
めの突然変異をさらに有する大腸菌株が構築された〔1
2〕。このアプローチは比較的多くの制限系を有する菌
株、例えばストレプトマイセス・フラジアエ(Streptom
yces fradiae)において困難である〔17〕。
【0013】しかしながら、制限障壁は大腸菌に限定さ
れておらず、クローニング実験に使用されるその他の非
常に多くの微生物においても見出される。
【0014】バチラス・スリンギエンシスおよびバチラ
ス・セレウスにおいて、これらのバチラス種を効率的に
形質転換することができるようになったのはごく最近で
あり〔23〕、そしてそれ故にこれらの生物における制
限/修飾系の研究にごく限定された興味しかなかったか
ら、制限/修飾系はこれまでほとんど知られていなかっ
た。従って、制限障壁はこれまでバチラス・スリンギエ
ンシスおよびバチラス・セレウスと関連して補足的にの
み記載されていた。文献〔1〕には例えばバチラス・ス
リンギエンシス イスラエンシス変種のAvaIIアイ
ソシゾマーが記載されている。
【0015】しかしながら、バチラス・スリンギエンシ
スおよび/またはバチラス・セレウスの効率的な形質転
換のために、そしてそれ故にクローニングビヒクルとし
てこれらの生物の使用のために新規に創成された手段と
関連して、これらの制限障壁はバチラス・スリンギエン
シスおよびバチラス・セレウスの場合もまた問題となっ
ている。
【0016】例えばバチラス・スリンギエンシスやバチ
ラス・サブチリスおよび大腸菌の両方において複製し得
るシャトルベクターがバチラス・スリンギエンシス ク
ルスタキ(kurstaki)HD1変種の結晶体を含まない誘導
体であるバチラス・スリンギエンシスHD1cryB株
のエレクトロポレーションのために使用されるならば
〔25〕、達成される形質転換頻度は、プラスミドDN
Aが単離される菌株に主として依存する。各々の場合に
おいて得られた絶対的値は変化し得るが、しかし相対的
な頻度は実質的に一定である。
【0017】形質転換頻度におけるこれらの相違の代表
例は表1に示されている。結果は、例えば「シャトル」
ベクターpHY300PLKの形質転換は、該プラスミ
ドがバチラス・スリンギエンシス宿主よりむしろ大腸菌
宿主から単離されるとき、少なくとも103 倍低いこと
を示す。由来菌株がバチラス・サブチリスであれば、形
質転換頻度は約10倍低下されている。一方、プラスミ
ドDNAがバチラス・スリンギエンシスHD1cryB
株から再単離されるならば、高頻度でHD1cryB内
に逆に形質転換され得る。
【0018】この制限作用は、追加のDNAがシャトル
ベクター中に、例えばプロトキシン遺伝子の形態でクロ
ーン化されているならば、さらに高まる。この場合、制
限障壁はバチラス・スリンギエンシス宿主内への形質転
換の場合に再び著しく高まったことがわかる〔表4,p
XI204,pXI93参照〕。これに対する理由はお
そらく、ベクター中に付加的に組み込まれたDNAが、
仮定された宿主特異的〔HD1cryB〕酵素に対する
攻撃の付加的部位を表すその他の制限切断部位を有する
ということである。これらの制限障壁は約104 −10
5 倍の値に達し得、これはこれらのシャトルベクターを
用いるHD1cryBの成功裏の形質転換の可能性を非
常に低くする。
【0019】この場合において、上記プラスミドは、そ
れらがHD1cryBから予め単離されたときだけ、
「正常に」HD1cryB内に形質転換され得る。しか
しながら、非常に頻繁に異種仲介宿主においてDNAを
クローン化することは望ましく、多くの場合、その宿主
はバチラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス
・セレウス中に存在する制限系に非適合性であるか、ま
たはわずかに適合性であるにすぎない。異種の非適合性
仲介宿主から予め単離されたベクターDNAでのバチラ
ス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウ
スの形質転換は全く満足できない結果をしばしば導く。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】それ故に、本発明の範
囲内で解決すべき課題は主として、バチラス・スリンギ
エンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおける制
限障壁を同定および特徴づけること、そしてこれらの障
壁を克服する方法を開発することだった。この課題は、
驚くべきことに、以下の詳細な記載から詳しく理解され
得るように、バチラス・スリンギエンシスの部分的制限
欠失突然変異体を利用可能にすることにより、今では本
発明の範囲内で解決されている。
【0021】
【課題を解決するための手段】それ故に、本発明は特
に、突然変異していない出発菌株に固有の制限障壁内に
部分的欠失を有し、そしてそれ故に、バチラス・スリン
ギエンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおいて
制限に自然にさらされている異種仲介宿主からのベクタ
ーDNAが使用されるとき、上記の突然変異していない
出発菌株に比べ著しく良好に形質転換され得るバチラス
・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウス
の突然変異体に関する。
【0022】本発明の範囲内で、異種仲介宿主は、ベク
ターDNAのクローニングに適当であり、そしてクロー
ニングされるべきDNAが最初に単離されたバチラス・
スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウスと
少なくとも同一でない宿主有機体であると理解されるべ
きである。
【0023】本発明は特に、非適合性仲介宿主、例えば
大腸菌および/またはバチラス・サブチリスからのシャ
トルベクターが使用されるとき、突然変異していない出
発菌株に比べ著しく良好に、好ましくは102 倍以上、
とりわけ102 −104 倍形質転換され得るバチラス・
スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウスの
部分的制限欠失突然変異体に関する。
【0024】本発明の範囲内で非適合性仲介宿主は、本
発明の範囲内に開示された制限系を有するバチラス・ス
リンギエンシスまたはバチラス・セレウス株内に形質転
換した後にDNAを制限から有効に保護するための機構
がなんら発見されていなかった宿主有機体であると理解
されるべきである。
【0025】本発明の特に好ましい実施態様は、大腸菌
および/またはバチラス・サブチリスからのシャトルベ
クターが使用されるとき、突然変異していない出発菌株
のものに比べ、使用される特定の形質転換ベクターに応
じて、102 倍以上、とりわけ102 −104 倍良好で
ある形質転換性を示すバチラス・スリンギエンシスHD
1cryB株の部分的制限欠失突然変異体である。
【0026】バチラス・スリンギエンシスHD1cry
B株からの自然突然変異により得られ、そしてそれ自体
公知の増菌方法により入手され得る部分的制限欠失突然
変異体バチラス・スリンギエンシス クルスタキHD1
cryB Res9変種、およびその菌株から直接もし
くは間接的に誘導され、そして出発菌株の制限低下特徴
を依然として有するその突然変異体もしくは変種が本発
明の範囲内で特に好ましい。
【0027】本発明はまた、上記制限欠失突然変異体の
製造方法に関する。
【0028】減じられた制限障壁を有する自然突然変異
体が連続した数回の形質転換および選択サイクルにより
増菌され、異なる選択マーカーをコードしそして十分に
高い率の形質転換、好ましくは106 ないし108 個の
形質転換体の形質転換率を保証する形質転換シャトルベ
クターが好ましくは使用され、そして減じられた制限障
壁を有する他に、高度の形質転換効率を依然として示す
突然変異体が選択される、方法が特に好ましい。
【0029】本発明はさらに、制限陰性突然変異体、特
に制限陰性突然変異体バチラス・スリンギエンシスHD
1cryB Res9を使用してバチラス・スリンギエ
ンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおける制限
障壁を低下させる方法に関する。
【0030】本発明はまた、制限陰性突然変異体、特に
制限陰性突然変異体バチラス・スリンギエンシスHD1
cryB Res9が、挿入されたDNAをメチル化す
ることにより、バチラス・スリンギエンシスおよび/ま
たはバチラス・セレウスに固有の制限酵素による消化か
ら挿入されたDNAを保護し、そのようにしてこの方法
の効率をさらに高める特異的メチラーゼと組み合わせて
使用されるバチラス・スリンギエンシスおよび/または
バチラス・セレウスにおける制限障壁を低下させる方法
に関する。
【0031】本発明の範囲内で規定されるように、制限
陰性または制限欠失突然変異体は、大腸菌から単離され
たシャトルベクターにより、突然変異していない出発菌
株のものに比べ102 倍以上良好に形質転換され得るも
のである。しかしながら、自然突然変異はバチラス・ス
リンギエンシスおよびバチラス・セレウスの場合ごくま
れにしか(10-6−10-8)通常起こらない。そこでこ
れらのごく少数の突然変異体は最初に公知の増菌方法の
一つにより増菌されなければならない。これは、好まし
くは、最も期待できる形質転換体を各サイクルの終わり
に選択し、そして次の形質転換/選択サイクルに再び使
用する形質転換と選択とからなるサイクルを数回、好ま
しくは1ないし8回行うことにより達成され得る。これ
らのごく少数の突然変異体の一つが一旦形質転換された
ら、102 −103 倍の増菌が形質転換/選択からなる
各々の新しいサイクルにおいて期待され得る。すなわ
ち、ほんの数回のサイクルの後に、細胞集団は大多数の
突然変異細胞からなるであろう。
【0032】自然突然変異はまれであり(10-6−10
-8)、そのためにこれらの突然変異体の一つが形質転換
されるであろう可能性は相当に低いから、高率の形質転
換、好ましくは少なくとも106 ないし108 の形質転
換率が達成される形質転換条件が選択されなければなら
ない。これは特に最初の2回の形質転換サイクルに当て
はまる。これらの陽性形質転換体は次に増菌され、同定
され、そして最後に形質転換/選択サイクルでさらに単
離され得る。
【0033】制限欠失突然変異体の単離に伴う特別な困
難は不所望の突然変異体の出現を避けることである。
【0034】従って、例えば、自然の、一般に染色体に
コードされている耐性突然変異体の増菌は、各々の新し
い形質転換/選択サイクルにおいて、好ましくは異なる
選択マーカーを有するプラスミドを用いることにより、
避けるか、または少なくともできるだけ低く保持され得
る。
【0035】それ故に、制限欠失突然変異体を増菌する
ために、陽性形質転換体の特異的および選択的選出を可
能にする効率的に形質転換し得るベクターを使用するこ
とは好ましい。適当なベクターが、該ベクターで形質転
換された細胞が容易に認識され、そして引続き選択され
ることを可能にする特徴を宿主細胞に付与する1種また
はそれ以上のマーカー遺伝子を含むことが好ましい。抗
生物質耐性をコードするマーカー遺伝子が好ましい。適
当な耐性遺伝子のいくつかの例は、特に、抗生物質アン
ピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、
テトラサイクリン、ヒグロマイシン、G418、カナマ
イシン、ブレオマイシン、ネオマイシンまたはチオスト
レプトンをコードするものである。
【0036】色素原基質が利用可能である酵素をコード
するマーカー遺伝子もまた好ましい。そのようなマーカ
ー遺伝子の例はlacZ遺伝子〔色素原基質:X−ga
l→5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトシド〕;xylE遺伝子〔色素原基質:カテ
コール〕;または基質として長鎖アルデヒド〔例えばn
−デカナール〕とで発光するluxAluxBオペロン
である。形質転換されたコロニーは次に特定の呈色反応
により容易に検出され得る。
【0037】重金属、例えば水銀に対する耐性を付与す
る遺伝子もまた本発明に係る方法に使用するのに適当で
ある。
【0038】異なるマーカーをコードし、そして好まし
くはバチラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラ
ス・セレウスにおいてある種の不安定性を有する一連の
互いに適合性のシャトルベクターが本発明の範囲内で特
に好ましい。この不安定性のために、可能性のある制限
陰性突然変異体からプラスミドを含まない誘導体を製造
することが後に比較的容易である。
【0039】それらの特徴的な特性のために、これらの
ベクターはまた、突然変異体増菌の範囲内での形質転換
のために1回以上使用され得る。
【0040】適当な突然変異体を見つけだすためのその
他の必須条件は、それらのまれに生じる突然変異体の一
つが同時に形質転換されるであろう高度の可能性を確実
にするための最初の高い形質転換率である。少なくとも
106 −108 またはそれ以上の形質転換体の最初の形
質転換率が特に好ましい。
【0041】形質転換体の選択に適当なシャトルベクタ
ーを用いるバチラス・スリンギエンシスおよび/または
バチラス・セレウスの形質転換は好ましくはエレクトロ
ポレーションにより、例えば文献〔23〕またはEP−
A342633に記載されたように行われる。
【0042】本発明の範囲内で好ましい特定の実施態様
において、最初にバチラス・スリンギエンシスおよび/
またはバチラス・セレウス細胞を適当な栄養培地中十分
に空気を送り適当な温度、好ましくは20℃ないし35
℃で、光学濃度(OD550 )が0.1ないし1.0に達
するまで培養する。エレクトロポレーションに供給され
たバチラス培養液のエイジは形質転換頻度に明確な影響
を及ぼす。従って、0.1ないし0.3、特に0.2の
バチラス培養液の光学濃度が特に好ましい。しかしなが
ら、良好な形質転換頻度はまた、その他の成長段階にあ
るバチラス培養液、特に一晩培養液で得ることができる
ことは指摘されるべきである。
【0043】新鮮細胞または胞子が一般に出発材料とし
て使用されるが、しかし急速冷凍した細胞材料も全く同
様に使用される。使用される急速冷凍細胞材料は特定量
の冷凍防止剤が添加されることが有利である適当な液体
培地中のバチラス・スリンギエンシスおよび/またはバ
チラス・セレウス細胞の懸濁液の形態であることが好ま
しい。適当な冷凍防止剤は浸透圧活性成分およびDMS
Oの水中または適当な緩衝液中の混合物である。冷凍防
止剤溶液中への使用のためのその他の適当な成分は糖、
多価アルコール、例えばグリセロール、糖アルコール、
アミノ酸およびポリマー、例えばポリエチレングリコー
ルを包含する。
【0044】バチラス・スリンギエンシスの胞子が出発
材料として使用されるならば、それらはまず、適当な培
地中に接種され、そして適当な温度、好ましくは25℃
ないし28℃で十分に空気を送って培養される。このバ
ッチは次いで希釈され、そして上記のようにさらに処理
される。
【0045】バチラス・スリンギエンシスにおける胞子
形成の誘導のために、そのような胞子形成を引起すあら
ゆる培地が使用され得る。Yousten AAおよびRogoff MH
(1969)によるGYS培地が本発明の範囲内で好ましい。
【0046】培養培地への酸素の導入は通常、例えば攪
拌機で培養液を攪拌することにより行われ、50rpm
ないし300rpmの回転速度が好ましい。
【0047】本発明の範囲内のバチラス・スリンギエン
シス胞子および増殖微生物細胞の培養は公知である慣用
方法に従って行われ、液体栄養培地が実際的な理由で好
ましく使用される。
【0048】栄養培地の組成は使用されるバチラス・ス
リンギエンシスまたはバチラス・セレウスの菌株によっ
てわずかに変化し得る。バチラスの好気的種の培養に通
常使用されるような、大まかに規定され、容易に同化可
能な炭素(C)および窒素(N)源を有する複合培地が
一般に好ましい。
【0049】本発明の範囲内で使用されることが好まし
いLB培地とは別に、バチラス・スリンギエンシスおよ
び/またはバチラス・セレウスの培養に対して適当なあ
らゆるその他の培養培地、例えば抗生物質培地3、SC
GY培地その他を使用できる。胞子形成したバチラス・
スリンギエンシス培養液が4℃の温度でGYS培地(ス
ラントアガー)上に貯蔵されるのが好ましい〔上記培地
の正確な組成は「培地および緩衝液」の項に記載してあ
る〕。
【0050】細胞培養液が所望の細胞濃度に達したら、
細胞を遠心分離により集め、そして予め氷で冷却するこ
とが好ましい適当な緩衝液中に懸濁させる。本発明の範
囲内で特に適当な緩衝液は、糖例えばグルコースもしく
はサッカロース、または糖アルコール例えばマンニトー
ルを安定化剤として含有し、そして5.0ないし8.0
のpH値に調整された浸透圧的に安定化されたリン酸緩
衝液である。5.0ないし8.0、好ましくは5.5な
いし6.5のpH値を有し、そして安定化剤としてサッ
カロースを0.1Mないし1.0M、好ましくは0.3
Mないし0.5Mの濃度で含有するPBSタイプのリン
酸緩衝液が特に好ましい。
【0051】エレクトロポレーションの前および後のバ
チラス細胞の培養期間は0.1ないし30分が好ましい
が、しかし特に10分である。温度は広範囲から自由に
選択され得る。好ましい温度範囲は0℃ないし35℃、
好ましくは2℃ないし15℃であり、4℃が特に好まし
い。
【0052】懸濁したバチラス細胞の一部を次にキュベ
ットまたはあらゆるその他の適当な容器に移し、そして
形質転換されるべきDNAと共に、適当な期間、好まし
くは0.1ないし30分、特に5ないし15分、適当な
温度、好ましくは0℃ないし35℃、特に2℃ないし1
5℃、とりわけ4℃の温度で培養するのが特に好まし
い。
【0053】低温で操作する場合、予備冷却キュベット
またはあらゆるその他の適当な予備冷却容器を使用する
ことが有利である。
【0054】バチラス・スリンギエンシスまたはバチラ
ス・セレウス形質転換に対して好ましいDNA濃度は1
ngないし20μgの範囲である。10ngないし2μ
gのDNA濃度が特に好ましい。
【0055】バチラス・スリンギエンシスおよび/また
はバチラス・セレウス細胞ならびに形質転換されるべき
プラスミドDNAを含む全体のバッチは次にエレクトロ
ポレーション装置内に導入され、そしてエレクトロポレ
ーション、すなわち電気パルスに短時間晒される。
【0056】本発明に係る方法における使用に適当なエ
レクトロポレーション装置はすでに多くの会社、例えば
バイオラド〔米国カリフォルニア州リッチモンド;ジー
ン・パルサー・アパレイタス(Gene Pulser Aparatu
s)〕、バイオテクノロジーズ・アンド・エクスペリメン
タル・リサーチ社〔米国カリフォルニア州サンジエゴ;
BTXトランスフェクター100(BTX Transfecter 10
0) 〕、プロメガ〔米国ウイスコンシン州マジソン;X
−セル2000エレクトロポレーション・システム(X-C
ell 2000 Electroporation System)〕その他により販売
されている。もちろんその他の適当な装置もまた本発明
に係る方法に使用され得る。
【0057】コンデンサーで設定される静電容量は1μ
Fないし250μF、特に1μFないし50μFであ
り、とりわけ25μFが好ましい。初期電圧は広範囲か
ら自由に選択され得る。0.2kVないし50kVの初
期電圧V0 が好ましく、0.2kVないし2.5kVが
特に好ましく、なかでも1.2kVないし1.8kVが
好ましい。電極板間の距離はとりわけエレクトロポレー
ション装置の大きさに依存している。0.1cmないし
1.0cm、好ましくは0.2cmないし1.0cmが
有利である。0.4cmの板間距離が特に好ましい。電
極板間の距離およびコンデンサーで設定された初期電圧
は細胞懸濁液に作用する電界強さを決定する。それらの
値は100V/cmないし50000V/cmの範囲が
有利である。100V/cmないし10000V/c
m、特に3000V/cmないし4500V/cmの電
界強さがとりわけ好ましい。
【0058】本発明に係る方法の範囲内で好ましい指数
的破壊時間は約2msないし約50msであり、特に約
8msないし約30msである。約14msないし約2
0msの指数的破壊時間が非常に好ましい。
【0059】自由に選択可能なパラメータ、例えば静電
容量、初期電圧、板間距離等の微調整は使用される装置
の構造にある程度依存し、そして事例毎にある範囲内を
変化し得る。それ故に、最適な電界強さを得るために必
要であるという限りにおいて、ある場合には与えられた
限定範囲を越えるか、または下回ることも可能である。
【0060】実際のエレクトロポレーション操作は、当
該の特定の系に対する最適形質転換頻度が達成されるま
で、1回または数回繰り返され得る。
【0061】エレクトロポレーションの後、処理された
バチラス細胞は、好ましくは0.1ないし30分間、0
℃ないし35℃、好ましくは2℃ないし15℃の温度で
さらに培養されるのが有利である。エレクトロポレーシ
ョン後の細胞を次に適当な培地で希釈し、そして適当な
期間、好ましくは2ないし3時間、十分に空気を通し
て、そして適当な温度、好ましくは20℃ないし35℃
で再び培養する。
【0062】上に詳細に記載したベクターの一つとの各
々の新しいエレクトロポレーションサイクルの最後に、
処理されたバチラス・スリンギエンシスおよび/または
バチラス・セレウス細胞は選択培地上移され、そしてそ
の場所で10℃ないし40℃の温度で、好ましくは20
℃ないし35℃、特に30℃ないし33℃の温度で培養
される。選択培地は、選択物質として好ましくは使用さ
れるベクターに応じて上記抗生物質の1種を含有し、そ
して場合によって、適当な固化剤、例えばアガー、アガ
ロース、ゼラチン等を含有する。
【0063】可能性のある制限陰性突然変異体の別の評
価のために、まず最初に増菌された突然変異体のプラス
ミドを含まない誘導体が製造される。その目的のため
に、各々の場合に最も新しい形質転換/選択サイクルか
ら得られる増菌培養液の個々のコロニーが選択され、そ
して選択のない適当な培地上で培養される。
【0064】このようにして得られる培養液を次に希釈
し、そして適当な固体培地、好ましくは選択マーカーな
しのLアガー上で平板培養する。適当な希釈物は次いで
適当な選択培地、好ましくは異なる選択マーカーを異な
る濃度で含有するL培地上で繰り返される。感受性細胞
の生育を阻害するが、相当する耐性プラスミドを有する
細胞の生育を依然として許容する濃度のテトラサイクリ
ン、クロラムフェニコールおよびエリスロマイシンが本
発明の範囲内で特に好ましい。このようにして、特異的
に使用される選択マーカーの存在下でさらに生育しない
誘導体を見つけることが比較的容易である。
【0065】制限障壁を分析するために、残っている単
離体が次に一方で大腸菌から、他方でバチラス・スリン
ギエンシスおよび/またはバチラス・セレウスの非突然
変異出発株から生じ得る適当なベクターを用いて形質転
換される。この場合もまた、形質転換は上記のようにエ
レクトロポレーションにより行われるのが好ましい。
【0066】それ故に、これまで記載したように、バチ
ラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレ
ウスにおいて制限に自然にさらされている異種仲介宿主
からのベクターDNAが使用されるとき、突然変異して
いない出発菌株に比べ著しく良好に、好ましくは102
倍以上良好に形質転換され得るバチラス・スリンギエン
シスおよび/またはバチラス・セレウスの制限欠失突然
変異体を選択することが可能である。
【0067】非適合性仲介宿主、例えば大腸菌および/
またはバチラス・サブチリスからのシャトルベクターが
使用されるとき、突然変異していない出発菌株に比べ1
2 倍以上良好である形質転換性を有するバチラス・ス
リンギエンシスHD1cryB株の部分的制限欠失突然
変異体が特に好ましい。
【0068】バチラス・スリンギエンシスHD1cry
B株からの自然突然変異により得られ、そしてそれ自体
公知の増菌方法により入手され得る部分的制限欠失突然
変異体バチラス・スリンギエンシス クルスタキHD1
cryB Res9変種、およびその菌株から直接もし
くは間接的に誘導され、そして出発菌株の制限低下特徴
を依然として有するその突然変異体もしくは変種が本発
明の範囲内で特に好ましい。
【0069】これまで記載された制限欠失突然変異体
は、それらの改良された形質転換性のために、遺伝子ま
たはその他の有用なDNA配列、特にプロトキシン遺伝
子のクローニングおよび所望により発現のための宿主菌
株としての使用に極めて適している。
【0070】詳しくは、操作は以下のように行われるの
が好ましい:最初に(a)該遺伝子またはDNA配列を
適当な供給源から単離するか、または合成し、(b)単
離または合成された遺伝子またはDNA配列を、バチラ
ス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウ
スにおいて機能し得、そして使用された上記遺伝子また
はDNA配列に関して同種または異種の起源であってよ
い発現シグナルに操作可能に連結し、(c)項(b)の
キメラ遺伝子構築物を、適当なベクターを用いて請求項
1ないし6のいずれか1項に記載のバチラス・スリンギ
エンシスおよび/またはバチラス・セレウスの制限欠失
突然変異体内に形質転換し、そして(d)相当する遺伝
子産物を場合により発現させ、そして所望するならば単
離する。
【0071】本発明に係る方法の効率を高めるために、
ベクターDNAを適当な反応混合物中試験管内で、宿主
特異的制限エンドヌクレアーゼの認識配列内の塩基の1
個またはそれ以上をメチル化し得る特異的メチラーゼと
共に保温し、そしてメチル化されたベクターDNAを次
にバチラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス
・セレウスの制限欠失突然変異体内に形質転換する追加
段階を上記方法に含めることが可能である。
【0072】大腸菌またはバチラス・サブチリスから生
じるベクターが使用される、遺伝子またはその他の有用
なDNA配列のクローニングおよび所望による発現のた
めの方法が本発明の範囲内で特に好ましい。
【0073】構造遺伝子の他に、あらゆるその他の有用
なDNA配列、例えば制御作用を有する非コード性DN
A配列を使用することももちろん可能である。RNAに
転写されるが、タンパク質に翻訳されない「アンチセン
ス」DNAがここで例として記載され得る。
【0074】さらに、制限欠失突然変異体を用いて、バ
チラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セ
レウス中に代表的な遺伝子バンクを通常の方法で確立す
ることが初めて可能となった。操作は好ましくは以下の
とおりである:最初に(a)バチラス・スリンギエンシ
スの全DNAを機械的にまたは好ましくは適当な制限酵
素を用いて断片に分解し、(b)適当な大きさの断片を
単離し、(c)前記断片を適当なベクター、例えばバチ
ラス・スリンギエンシスおよびバチラス・セレウスにお
いて制限に自然にさらされているベクター内に挿入し、
(d)制限欠失バチラス・スリンギエンシスおよび/ま
たはバチラス・セレウス細胞を適当なベクターで形質転
換し、そして(e)形質転換体から、適当なスクリーニ
ング方法を用いて、新規で所望のDNA配列を含む形質
転換体を選択する。
【0075】この場合においてまた、形質転換の効率
は、挿入されるべきDNAの付加的なメチル化によりさ
らに高められ得る。
【0076】前記バチラス・スリンギエンシスが、バチ
ラス・スリンギエンシスHD1cryB株に匹敵する制
限/修飾系を有する菌株である方法が本発明の範囲内で
特に好ましい。
【0077】本発明はさらに、制限陰性突然変異体、特
に制限陰性突然変異体バチラス・スリンギエンシスHD
1cryB Res9を使用するバチラス・スリンギエ
ンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおける制限
障壁を低下させる方法に関する。
【0078】制限障壁の低下を反復することによる本方
法の効率におけるその他の増加は、制限陰性突然変異
体、特に制限陰性突然変異体バチラス・スリンギエンシ
スHD1cryB Res9が、挿入されたベクターD
NAをメチル化することにより、バチラス・スリンギエ
ンシスおよび/またはバチラス・セレウスに固有の制限
酵素による消化から挿入された該DNAを保護し、その
ようにしてこの方法の効率をさらに高める特異的メチラ
ーゼと組み合わせて使用されることにより達成され得
る。
【0079】詳しくは、以下のように操作することも可
能である:ベクターDNAを宿主特異的制限エンドヌク
レアーゼの認識配列内の塩基の1個またはそれ以上をメ
チル化し得る特異的メチラーゼと共に適当な反応混合物
中試験管内で保温し、そしてメチル化されたベクターD
NAを次にバチラス・スリンギエンシスおよび/または
バチラス・セレウスの制限欠失突然変異体内、特に制限
欠失突然変異体バチラス・スリンギエンシスHD1cr
yB Res9に形質転換する。
【0080】限定すると見なされるためのものではない
メチラーゼのような例は、制限酵素FnuDII、また
はそのアイソシゾマー例えばBthKI〔*CGCG〕
の認識配列内の最初のシトシンを特異的にメチル化する
酵素M−FnuDIIであり、それ故に、このメチラー
ゼで処理されたベクターDNAをその酵素による消化か
ら保護する。この方法において、Dam−特異的制限の
排除後に残存する残留活性を低下させるか、または完全
に除去することが可能である。それにもかかわらず、そ
の残留活性は非変性DNAの形質転換頻度を10ないし
50倍低下させるのに依然として関連する。
【0081】
【実施例】本発明のかなり一般的な記載を説明し、そし
てよりよい理解を与えるのために、特定の実施例を下に
示すが、これは本発明を限定するものでない。これまで
例として記載した全ての列挙にも同様のことが当てはま
る。
【0082】実施例1:HD1cryB株の制限陰性突
然変異体の単離 1.1 突然変異体の選択に使用されるシャトルベクタ
ー バチラス・スリンギエンシスHD1cryB株〔25〕
の制限欠失突然変異体の単離のために、以下の全て大腸
菌から単離された大腸菌/バチラス・スリンギエンシス
シャトルベクターが以下の順序で使用される: ベクター 選択 起源/参考文献 (バチラス・スリ 〔29〕 ンギエンシス中) ──────────────────────────────────── 1.pAM401 Cm 〔29〕 2.pHY300PLK Tc 東洋紡株式会社 (注文番号PHY−001) 3.pAM401 Cm 〔29〕 4.pHP13 Em,Cm バチラス・ジェネティック・スト ック・センター(米国オハイオ州 コロンブス,オハイオ州立大学, 株番号1P50)
【0083】プラスミドpAM401は極端に不安定で
あり、そして選択がない場合急速に再び失われるから、
1回以上形質転換のために使用され得る。そのほかのシ
ャトルベクターはバチラス・スリンギエンシスにおいて
ある種の不安定さを示すから、プラスミドを含まない誘
導体は可能性のある制限陰性突然変異体から比較的容易
に後に得られる。
【0084】1.2 バチラス・スリンギエンシスHD
1cryBの形質転換 1.1に挙げたシャトルベクターを用いるバチラス・ス
リンギエンシスの形質転換がエレクトロポレーションに
より行われる。
【0085】1.2.1 エレクトロポレーションによ
るバチラス・スリンギエンシスHD1cryBの形質転
換のための標準的プロトコル LB培地(トリプトン10g/l、酵母抽出物5g/
l、NaCl5g/l)10mlにバチラス・スリンギ
エンシス クルスタキHD1変種の無プラスミド変種で
あるバチラス・スリンギエンシス クルスタキHD1c
ryB〔25〕の胞子を接種する。
【0086】バッチを27℃の温度にて回転シェーカー
上50rpmで回転させ一晩培養する。バチラス・スリ
ンギエンシス培養液を次にLB培地100ないし400
mlで100倍に希釈し、そして0.2の最適濃度(O
550 )に到達するまで30℃の温度にて回転シェーカ
ー上250rpmで回転させさらに培養する。
【0087】細胞を遠心分離により集め、氷冷PBS緩
衝液(400mMサッカロース、1mM MgCl2
7mMリン酸緩衝液pH6.0)1/40容量中に懸濁
する。遠心分離および集められたバチラス・スリンギエ
ンシスのPBS緩衝液中への引き続く懸濁を1回繰り返
す。
【0088】そのように前処理した細胞を次に直接エレ
クトロポレーションするか、または緩衝液にグリセロー
ル添加後〔20%(w/v)〕、−20℃ないし−70
℃で貯蔵し、そして後に使用する。
【0089】氷冷細胞の一部400μlを次に予め冷却
したキュベットに移し、プラスミドDNAを次に適当な
濃度で添加し、そして全バッチを4℃で0.1ないし1
0分間培養する。
【0090】急速冷凍細胞材料が使用されるとき、冷凍
細胞の適当量をまず氷中および室温で解凍する。次の処
理は新鮮細胞材料が使用されるとき適用される操作と同
様に行われる。
【0091】キュベットを次にエレクトロポレーション
装置内に導き、そして懸濁液中に存在するバチラス・ス
リンギエンシス細胞を、コンデンサーを1回放電するこ
とにより0.1kVないし2.5kVの電圧を適用して
エレクトロポレーションに供する。1.3kVの電圧が
好ましい。
【0092】この場合に使用されるコンデンサーは25
μFの静電容量を有し、キュベットの電極間距離は0.
4cmであり、その中で放電が起こり、そして設定に応
じて、0.25kV/cmないし6.25kV/cm、
とりわけ3.25kV/cmの初期ピーク電圧で指数的
破壊性電界強さを示す。指数的破壊時間は10msない
し12msである。
【0093】記載されたエレクトロポレーション実験の
ために、例えばエレクトロポレーション装置はバイオラ
ド(「ジーン・パルサー・アパレイタス」,カタログ番
号165−2075,バイオラド,米国94804カリ
フォルニア州リッチモンド,ハーバー・ウェイ・サウス
1414)により供給された。もちろんその他のあらゆ
る適当な装置が上記エレクトロポレーションにおいて使
用され得る。
【0094】4℃でさらに0.1ないし10分間培養し
た後、細胞懸濁液をLB培地1.6mlで希釈し、そし
て30℃の温度にて回転シェーカー上250rpmで回
転させ2時間培養する。
【0095】適当な希釈物を次に、新たに得られたプラ
スミドの選択のために適当な抗生物質を添加物として含
有するLアガー(15g/lアガーで固化させたLB培
地)上で平板培養する。pHY300PLKの場合、抗
生物質は20mg/lの濃度で培地に添加されるテトラ
サイクリンである。
【0096】バチラス・セレウス細胞はバチラス・スリ
ンギエンシス細胞と同様の上記プロトコルに従って形質
転換され得る。
【0097】1.2.2 個々の形質転換/選択サイク
ルでの特異的修飾 1回目のエレクトロポレーション:バチラス・スリンギ
エンシスHD1cryB株を標準プロトコル〔項1.
2.1参照〕に従って培養し、高い形質転換頻度を達成
するために500倍濃縮する。〔バチラス・スリンギエ
ンシス細胞のエレクトロポレーションに関する詳細な情
報は欧州特許出願EP−A0342633に見出すこと
ができる〕。
【0098】バチラス・スリンギエンシスHD1cry
B細胞をpAM401プラスミドDNA5μgとエレク
トロポレーションした後、細胞をLB培地に5倍に希釈
し、そして250rpmおよび30℃で2時間保温す
る。次に、クロラムフェニコール20μg/mlを用い
て250rpmおよび30℃で4時間形質転換体を選択
し、そして次のエレクトロポレーションのためにLB培
地中に200倍に希釈する。
【0099】2回目のエレクトロポレーション:標準プ
ロトコル〔項1.2.1参照〕に従って150rpmお
よび30℃で2時間の保温の後、細胞を洗浄し、400
倍に濃縮する。pHY300PLKプラスミドDNA1
2μgとエレクトロポレーションした後、細胞をLB培
地に5倍に希釈し、そして250rpmおよび30℃で
1.5時間保温する。さらに5倍希釈した後、テトラサ
イクリン20μg/mlを用いて150rpmおよび3
0℃で一晩形質転換体を選択し、そして次のエレクトロ
ポレーションのためにLB培地中に200倍に希釈す
る。
【0100】3回目のエレクトロポレーション:標準プ
ロトコルに従って250rpmおよび30℃で1.5時
間の保温の後、細胞を洗浄し、100倍に濃縮する。p
AM401プラスミドDNA5μgとエレクトロポレー
ションした後、2回目のエレクトロポレーションに記載
したように、細胞をLB培地中に希釈し、保温し、そし
てLB培地で再び希釈し、そしてクロラムフェニコール
10μg/mlを用いて250rpmおよび30℃で
2.5時間形質転換体を選択する。このように選択され
た培養物を次に室温で貯蔵する。
【0101】4回目のエレクトロポレーション:上記の
培養物を50倍に希釈し、そして標準プロトコルに従っ
て一晩培養し、次に継代培養としてさらに培養し、洗浄
し、そして濃縮する。pHP13 5μgでのエレクト
ロポレーションの後、細胞を5倍に希釈し、そして25
0rpmおよび30℃で3.5時間保温する。細胞を次
に再び希釈し、そしてエリスロマイシン200μg/m
lを含むLアガー上で平板培養する。
【0102】3回目および4回目のエレクトロポレーシ
ョンは既に著しく高められた形質転換頻度を示してお
り、これは制限欠失突然変異体の増菌の最初の明示であ
る。
【0103】1.3 無プラスミド誘導体の製造 可能性のある制限欠失突然変異体の別の評価のために、
まず最初にプラスミドを含まない(無プラスミド)誘導
体が製造される。その目的のために、10個のコロニー
が上記選択プレート〔4回目のエレクトロポレーション
後,項1.2.2参照〕から採取され、そして50rp
mおよび27℃、選択なしで一晩、LB培地10ml中
で培養される。
【0104】培養液を次に希釈し、そして選択マーカー
を含まないLアガー上で平板培養する。これらの培養液
の適当な希釈物は次いで各々以下の選択マーカー:テト
ラサイクリン〔20μg/ml〕,クロラムフェニコー
ル〔10μg/ml〕またはエリスロマイシン〔20μ
g/ml〕の一つを含むLアガープレート上で繰り返さ
れる。
【0105】このようにして、最初の10個のコロニー
から、3種の全部の選択マーカーの存在下でさらに生育
しない6個の誘導体を見つけだすことは比較的容易であ
る。これらの誘導体のいずれにも、以前挿入されたプラ
スミドが検出されなかった。
【0106】1.4 シャトルベクターpHY300P
LKでの形質転換 制限障壁を分析するために、残っている6個の単離体が
次に一方で大腸菌から、他方でバチラス・スリンギエン
シスHD1cryBに由来するpHY300PLKを用
いて形質転換される。形質転換はエレクトロポレーショ
ンにより行われる〔実施例1.2.1参照〕。
【0107】表3の結果は、試験された6個の単離体の
うち4個が親のHD1cryB株に比べ著しく減じられ
た制限障壁を示す。Res5、7、8および9と表され
るそれらの突然変異体の中でRes5、7および9は、
HD1cryBのものに比べ約50−100倍低い制限
障壁を有する。しかしながら、Res5および7は絶対
的な関係でみれば、HD1cryBより10倍形質転換
しにくい。Res8は絶対的な関係でみてHD1cry
Bの約500倍低い形質転換性であり、極端に低い制限
障壁を示すけれども、これは減じられた制限障壁の利点
を相殺している。
【0108】制限陰性突然変異体Res9だけが高度の
形質転換頻度と減じられた制限障壁の利点を併せもつ。
【0109】突然変異体Res9の利点は組換えプラス
ミドでの形質転換の場合に、より明確になる。表4か
ら、プロトキシン遺伝子〔pXI204,pXI93〕
を含む大腸菌から単離されたシャトルベクターがバチラ
ス・スリンギエンシスHD1cryB内に非常に低い頻
度で形質転換されえるが、突然変異体Res9は同じプ
ラスミドを用いて効率的な形質転換を可能にすることが
明らかである。
【0110】1.5 使用されたバチラス・スリンギエ
ンシス株の分類学的特徴 1.5.1 HD1cryB株 DSM4574株の同定 該菌株の特徴 棹菌 幅 1.0−1.2μm 長さ 3.0−5.0μm 運動性 + 胞子 + 楕円形 + 円形 − 膨張した胞子嚢 − グラム反応 + カタラーゼ + 嫌気的生育 + VP反応 + VP培地中のpH 4.9 最高温度 生育 45℃ 非生育 50℃ 以下の条件での生育 培地pH5.7 + NaCl 5% + 7% − 10% − 以下の物質からの酸生成 グルコース + L−アラビノース − キシロース − マンニトール − グルコースからのガス生成 − レシチナーゼ − 以下の物質の加水分解 デンプン + ゼラチン + カゼイン + 以下の物質の利用性 シトレート + プロピオネート − チロシンの分解 − NO3 からNO2 + インドール − フェニルアラニンデサミナーゼ − アルギニンジヒドロラーゼ + 独特の特徴:レシチナーゼ活性なし
【0111】1.5.2 HD1cryB Res9株 DSM5854の同定 該菌株の特徴 棹菌 幅 1.0−1.2μm 長さ 3.0−5.0μm 運動性 + 胞子 + 楕円形 + 円形 − 膨張した胞子嚢 − グラム反応 + カタラーゼ + 嫌気的生育 + VP反応 + VP培地中のpH 4.7 最高温度 生育 45℃ 非生育 50℃ 以下の条件での生育 培地pH5.7 + NaCl 5% + 7% − 10% − 以下の物質からの酸生成 グルコース + L−アラビノース − キシロース − マンニトール − グルコースからのガス生成 − レシチナーゼ − 以下の物質の加水分解 デンプン + ゼラチン + カゼイン + 以下の物質の利用性 シトレート + プロピオネート − チロシンの分解 − NO3 からNO2 + インドール − フェニルアラニンデサミナーゼ − アルギニンジヒドロラーゼ + 独特の特徴:レシチナーゼ活性なし
【0112】実施例2:HD1cryB株およびRes
9株の制限障壁の特徴づけ 2.1 制限酵素BthK1 試験DNAは非特異的ヌクレアーゼにより全体的に消化
されるから、HD1cryB株の粗抽出物中に配列特異
的制限酵素を検出することは不可能である。これらの妨
害性ヌクレアーゼは、かなりの程度まで、デキストラン
/ポリエチレングリコール相分配〔22〕により簡単な
方法で分離され得る。存在するヌクレアーゼおよび制限
エンドヌクレアーゼの特徴に応じて、異なる酵素が異な
る相を選択するイオン強度が見出され得る。HD1cr
yBの場合、非特異的ヌクレアーゼは全てのイオン強度
で除去され得る。10mMより低いか、または250m
Mより高いNaCl濃度で配列特異的ヌクレアーゼは水
相に検出され得る。
【0113】HD1cryB株に存在する制限酵素のさ
らなる精製および分離はヘパリンカラム上でのアフィニ
ティークロマトグラフィー〔4〕により以下のとおりに
行われた。細胞を培養液5リットルから遠心分離により
集め、そして細胞分解装置〔例えばフレンチ・プレッシ
ャー・セル〕中で分解し、そして細胞破片を遠心分離に
より分離除去する。核酸をポリエチレンイミンでの沈殿
により分離除去し〔20〕、そしてタンパク質を70%
飽和の(NH4 2SO4 で沈殿させ、そして少量の緩
衝液中に採取する。次にタンパク質をヘパリンカラムに
注入し、そしてNaClグラジエント〔0M−1M〕で
溶出する。溶離画分の一部を制限酵素の存在に対して試
験する〔4〕。使用された基質はpHY300PLKで
あり、これは制限にさらされることが知られており、そ
して大腸菌から単離されているプラスミドである。非特
異的ヌクレアーゼの不完全な分離にもかかわらず、DN
A断片の明瞭なパターンを生じる配列特異的制限活性が
示された。制限活性はおよそ0.6M−0.8Mで溶離
する。
【0114】集積された酵素は、それが大腸菌またはバ
チラス・サブチリスから予め単離されたものであればプ
ラスミドpHY300PLKを切断し、HD1cryB
株から単離されたものであれば切断しない。それ故に、
特徴的なことに、この場合においてもまた、制限酵素の
製造主は、おそらく配列特異的メチル化の結果として、
それ自身のDNAの消化から保護されている。
【0115】上記の全ての特徴はクラスIIの制限酵素
を示す。採用された命名法〔26〕に従って、バチラス
・スリンギエンシスHD1cryBから単離された酵素
BthK1と命名される。
【0116】本発明はまた、この制限酵素BthK1に
関する。
【0117】2.1.1 BthK1の特異的認識配列 HD1cryBから単離された制限酵素の特異的な認識
配列および切断配列は以下のように決定され得る。
【0118】基質として使用されるDNAは一般に多く
の小さい断片に切断されるが、このことは、その認識配
列が4個のヌクレオチドだけからなる酵素であるという
仮定を導く。さらに、平均して高いGC含量を有するD
NAが頻繁に切断され、低い高いGC含量を有するDN
Aが頻繁には切断されない場合、認識配列がGCに富む
という結論を導く。4つの配列を認識する酵素におい
て、配列が排他的にGCからなることを示す。バチラス
・サブチリスから単離されたプラスミドpC194
〔9〕およびpBC16〔3〕の基質DNAを用い、市
販の制限酵素との比較により、制限酵素BthK1が市
販の酵素Tha1〔米国メリーランド州ガイザースバー
グ,GIBCO BRL〕、Acc2〔米国カリフォル
ニア州ラ・ヨラ,ストラタジーン〕、BstU1〔米国
マリーランド州ビバリー,ニュー・イングランド・バイ
オラブス〕およびMvn1〔ドイツ国マンハイム,ベー
リンガー・マンハイム〕のアイソシゾマーであることが
はっきりと示された。すなわち、BthK1は配列CG
CGが特異的にメチル化されていないならば、該配列を
認識し、そして切断する。制限酵素BthK1に仮定さ
れた特異的メチラーゼM.BthK1は、BthK1に
よる消化だけでなくTha1またはAcc2による消化
からの保護を与える。これらの2つの酵素のメチル化は
公知であるから、M.BthK1が配列CGCG中の少
なくとも最初のC、そして可能ならば両方のCをメチル
化すると結論され得る。
【0119】Res9株中の制限酵素がHD1cryB
に対して上記したのと同様に分析される。Res9の場
合のヘパリン/セファロースアフィニティーカラムの溶
離プロフィールはHD1cryBのものと同様である。
すなわちBthK1は依然として製造され、そしてそれ
故に、Res9の場合における減じられた制限障壁の原
因ではない。従ってそれに関連する突然変異は依然とし
て説明されないままである。
【0120】2.2 メチル化特異的制限 アデニンまたはシトシンの特異的メチル化はDamまた
Dcmメチラーゼにより大腸菌K中で行われる。大腸
菌B株は天然ではdcm- である。DamまたはDcm
メチラーゼと同じ配列を認識する制限酵素はそれらのタ
イプに従ってこのメチル化により阻害され得る。これら
の制限酵素はそれ故に特定のDNAのメチル化の状態を
明らかにするために診断に使用され得る。この方法を用
いて、バチラス・サブチリスおよびバチラス・スリンギ
エンシスの両方がDamまたはDcmメチル化のいずれ
も示さないことを明らかにすることが可能である。
【0121】Res9株における突然変異の性質の表示
は、異なるDamDcm表現型を有する菌株から単離
されたシャトルベクターpHY300PLKのDNAを
用いて得ることができる。表5はそのDNAのHD1c
ryB株およびRes9株への形質転換頻度を示す。D
NAのDamDcm表現型は相当するメチル化感受性
制限酵素での消化により各々の場合において注意深く確
認された。
【0122】表5からの結果は以下のようにまとめら
れ、そして説明される。
【0123】DNAのDamメチル化はHD1cryB
に観察される大部分の制限障壁に関連する。他方、Re
s9はDam表現型により影響されず、そしてDam
チル化DNAおよび非メチル化DNAを全く均等に受容
する。
【0124】従って、Dcmメチル化はバチラス・スリ
ンギエンシスHD1cryBの形質転換性に事実上なん
ら影響を及ぼさない。同質遺伝子の菌株が利用できなか
ったから、個々の宿主間の比較的小さいが再生可能な相
違を単一の表現型で説明することはできない。しかしな
がら、異なる宿主菌株からのDNAが異なる形質転換性
を有するという興味深い観察が残っている。
【0125】市販のDamメチラーゼでの試験管内メチ
ル化により、Damメチル化が実際にHD1cryBに
おける制限障壁のいくつかの原因であることを確認する
ことが可能である(表6)。3種のその他のメチラーゼ
での試験管内メチル化はまた、それが一般的なメチル化
ではなく、制限障壁を引き起こす特異的なDamメチル
化であることも示す。
【0126】実施例3:特異的メチル化による制限障壁
の一層の低下 バチラス・スリンギエンシスHD1cryB株に存在す
る2つの制限系のうち、Dam特異的制限に基づいてい
る主な活性は、誘導体Res9における突然変異により
不活性化され得る。非修飾DNAの形質転換頻度の低下
を10−50倍にするのに依然として関連し、そして制
限酵素BthK1に基づいている残りの残留活性はメチ
ラーゼM−FnuDIIでの特異的メチル化により著し
く低下され得る。
【0127】3.1 シャトルベクターpHY300P
LKのM−FnuDIIメチラーゼでの特異的メチル化 ニュー・イングランド・バイオラブス〔カタログ番号2
24S,米国マサチューセッツ州ビバリー,ドザー・ロ
ード32,ニュー・イングランド・バイオラブス〕によ
り供給されたメチラーゼM−FnuDIIは配列 *CG
CGを特異的にメチル化し、それにより該配列をFnu
DIIおよびそのアイソシゾマー、例えばBthK1で
の消化から保護する。
【0128】シャトルベクターpHY300PLKのD
NAはバチラス・サブチリスまたは大腸菌から単離さ
れ、そして以下の混合物中でメチル化される: DNA pHY300PLK 0.3μg トリス−HCl〔pH7.5〕 50mM EDTA 10mM β−メルカプトエタノール 5mM S−アデノシンメチオニン 0.08mM M−FnuDII 2UN* ─────────────────────────
────────── *UN=メチル化単位。1単位はFnuDIIによる消
化からラムダDNA1μg〔1時間/37℃で,反応容
量10μl中〕を十分に保護するのに要求される酵素の
量に相当する。
【0129】メチル化は37℃の温度で1時間行われ
る。メチル化反応はメチラーゼを不活性化することによ
り停止される。その目的のために全体の混合物は65℃
の温度で20分間もう1回保温される。次いでDNAを
エタノールの添加により沈殿させ、そしてTE緩衝液1
0μl中に再懸濁させる。各混合物を3重に反応させ
る。各々の場合の一部は引き続く形質転換のために使用
され、別の一部は損傷の不在のためにプラスミドDNA
を試験するために使用される。この後者の試験はアガロ
ースゲル電気泳動により行われる。
【0130】メチル化の影響はFnuDIIアイソシゾ
マーThaIでのプラスミドDNAの消化により試験さ
れる。結果は、DNAがThaIによる消化から保護さ
れていることを示す。すなわち、それが十分にメチル化
され、一方非メチル化対照は酵素により消化されてい
る。
【0131】3.2 突然変異およびメチル化の組合せ 項3.1に記載したメチル化されたpHY300PLK
プラスミドDNAを実施例1.2.1に記載したプロト
コルに従って制限欠失バチラス・スリンギエンシス突然
変異体Res9内に形質転換させる。結果を表7に示し
ている。この結果は、M−FnuDIIによるプラスミ
ドDNAのメチル化と宿主菌株としてRes9の使用の
組合せは、バチラス・スリンギエンシスHD1cryB
株に見られる制限障壁が完全に克服されることを可能に
することを示す。
【0132】 培地および緩衝液 LB培地 〔g/l〕 トリプトン 10 酵母抽出物 5 NaCl 5 Lアガー アガー15g/lで固化させたLB培地 抗生物質培地No.3(ディフコ・ラボラトリーズ)〔g/l〕 牛肉抽出物 1.5 酵母抽出物 1.5 ペプトン 5 グルコース 1 NaCl 3.5 K2 HPO4 3.68 KH2 PO4 1.32 SCGY培地 〔g/l〕 カサミノ酸 1 酵母抽出物 0.1 グルコース 5 K2 HPO4 14 KH2 PO4 6 Na3 シトレート 1 (NH4 2 SO4 2 MgSO4 ・7H2 O 0.2 GYS培地(Yousten & Rogoff, 1969)〔g/l〕 グルコース 1 酵母抽出物 2 (NH4 2 SO4 2 K2 HPO4 0.5 MgSO4 ・7H2 O 0.2 CaCl2 ・2H2 O 0.08 MnSO4 ・H2 O 0.05 オートレーブ前にpHを7.3に調整 PBS緩衝液 〔mM〕 サッカロース 400 MgCl2 1 リン酸緩衝液,pH6.0 7 TBST緩衝液 〔mM〕 ツイーン20* 0.05%(w/v) トリスHCl* (pH8.0) 10 NaCl 150 緩衝液ハイ〔Maniatis等(1982), 104頁〕 〔mM〕 NaCl 100 トリスHCl* (pH7.5) 50 MgCl2 10 ジチオトレイトール 1 ニックトランスレーション緩衝液(10倍) 〔mM〕 トリスHCl* (pH7.2) 500 MgSO4 100 ジチオトレイトール 1 ウシ血清アルブミン(BSAペンタックス・フラクションV)500μg/m l TE緩衝液 〔mM〕 トリス/HCl(pH8.0) 10 EDTA 1 ──────────────────────────────────── *ツイーン20 ポリエトキシソルビタンラウレート *トリスHCl α,α,α−トリス(ヒドロキシメチ
ル)メチルアミノヒドロクロリド
【0133】寄託 本発明の範囲内で使用される以下に列挙した微生物は、
特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペ
スト条約の要求に従って、国際寄託当局として認められ
ているドイツ連邦共和国ブルンスヴィックにある「ドイ
チェ・ザンムルンク・フォン・ミクロオルガニスメン」
に寄託された。なお、微生物名の次のカッコ内にはAと
して寄託日、Bとして寄託番号、そしてCとして生存証
明日を記載する。 1.バチラス・スリンギエンシス クルスタキHD1変
種(A=1986年3月4日,B=DSM3667,C
=1986年3月4日) 2.バチラス・スリンギエンシス クルスタキHD1c
ryB変種(A=1988年5月4日,B=DSM45
74,C=1988年5月4日) 3.バチラス・スリンギエンシス クルスタキHD1c
ryB Res9変種(A=1990年3月21日,B=
DSM5854,C=1990年3月21日) 4.pK61で形質転換されたバチラス・スリンギエン
シス クルスタキHD1cryB変種(A=1988年
5月4日,B=DSM4572,C=1988年5月4
日) 5.pK93で形質転換されたバチラス・スリンギエン
シス クルスタキHD1cryB変種(A=1988年
5月4日,B=DSM4571,C=1988年5月4
日)
【0134】バチラス・スリンギエンシスは採択された
基準を用いて、そのパラ胞子結晶によってのみバチラス
・セレウスと区別され得るから、HD1cryB株(D
SM番号4574)および制限欠失株Res9(DSM
番号5854)はバチラス・セレウスと分類され得る。
【0135】HD1cryB株はプラスミドを含まない
からこの分類は可能であり、それ故に無結晶のHD1の
誘導体〔25〕は自動的にバチラス・セレウスと分類さ
れる。特徴づけられた3種の菌株の間の公知の相違で
は、分類学的同定は期待できない。しかしながら、項
1.5に示されている3種の菌株の特徴は示された関連
起源と矛盾しないから、HD1cryB株およびRes
9株は本発明の範囲内でバチラス・スリンギエンシスと
して記載を続ける。
【0136】参考文献一覧
【0137】 *=相対値の計算のためにHD1cryB株から単離さ
れたプラスミドの頻度を1と設定した **=〔アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ
ン(ATCC),米国メリーランド州ロックヴィレ,寄
託番号33694〕 ***=〔東洋紡株式会社,注文番号PHY−001〕
【0138】
【0139】 *=相対値の計算のためにHD1cryB株から単離さ
れたプラスミドの頻度を1と設定した
【0140】 *=EP−A0342633に記載 **=文献〔23〕およびEP−A0342633に記
載;DSMにより発行された寄託証明書中に記載された
内部表示pKは現在の国際分類に従ってpXIに現在補
正されている 表中、Btはバチラス・スリンギエンシスを表す
【0141】 *=HD1cryBまたはRes9から単離されたpH
Y300PLKをHD1cryB株内に同様の頻度で形
質転換し、そして1と設定する。その他の単離体の形質
転換頻度はその値に対して示される。同様のことがRe
s9株内への形質転換にも当てはまる。 表中、Btはバチラス・スリンギエンシスを表し、Bs
はバチラス・サブチリスを表す
【0142】 +=HD1cryB株およびRes9株への形質転換頻
度は1と設定された *=5−メチルシトシン $=N6 −メチルアデニン
【0143】 *=アマルシャム(英国バッキンガムシャイヤー)によ
り製造される試験管内突然変異誘発キット(カタログ番
号RPN1523)の成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/87 (C12N 1/20 C12R 1:085) (C12N 1/20 C12R 1:07) (C12N 1/21 C12R 1:085) (C12N 1/21 C12R 1:07) (72)発明者 クリスチーナ ラインハルト ドイツ連邦共和国 7815 キルヒツアルテ ン ブルツクミユレンヴエーク 10 (72)発明者 ダニエル マテ フランス国 68870 バルテナイ ラ シ ヨゼ リユ デユスタエン 39

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突然変異していない出発菌株に固有の制
    限障壁内に部分的欠失を有し、そしてそれ故に、バチラ
    ス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウ
    スにおいて制限に自然にさらされている異種仲介宿主か
    らのベクターDNAが使用されるとき、上記の突然変異
    していない出発菌株に比べ著しく良好に形質転換され得
    るバチラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス
    ・セレウスの突然変異体。
  2. 【請求項2】 前記異種仲介宿主が非適合性仲介宿主で
    ある請求項1記載の部分的制限欠失突然変異体。
  3. 【請求項3】 前記非適合性仲介宿主が大腸菌またはバ
    チラス・サブチリスである請求項2記載の部分的制限欠
    失突然変異体。
  4. 【請求項4】 前記の突然変異していない出発菌株がバ
    チラス・スリンギエンシスHD1cryB株である請求
    項1記載の部分的制限欠失突然変異体。
  5. 【請求項5】 前記突然変異体が突然変異していない出
    発菌株のものに比べ102 倍以上良好な形質転換性を有
    する請求項1記載の部分的制限欠失突然変異体。
  6. 【請求項6】 以下の分類学的特徴: 棹菌 幅 1.0−1.2μm 長さ 3.0−5.0μm 運動性 + 胞子 + 楕円形 + 円形 − 膨張した胞子嚢 − グラム反応 + カタラーゼ + 嫌気的生育 + VP反応 + VP培地中のpH 4.7 最高温度 生育 45℃ 非生育 50℃ 以下の条件での生育 培地pH5.7 + NaCl 5% + 7% − 10% − 以下の物質からの酸生成 グルコース + L−アラビノース − キシロース − マンニトール − グルコースからのガス生成 − レシチナーゼ − 以下の物質の加水分解 デンプン + ゼラチン + カゼイン + 以下の物質の利用性 シトレート + プロピオネート − チロシンの分解 − NO3 からNO2 + インドール − フェニルアラニンデサミナーゼ − アルギニンジヒドロラーゼ + 独特の特徴:レシチナーゼ活性なし を有する請求項1記載の部分的制限欠失突然変異体、ま
    たはその菌株から直接もしくは間接的に生じ、そして出
    発菌株の制限低下特徴を依然として有するその突然変異
    体もしくは変種。
  7. 【請求項7】 DSM5854の特徴を有する制限欠失
    突然変異体バチラス・スリンギエンシス クルスタキH
    D1cryB Res9変種、またはその菌株から直接
    もしくは間接的に生じ、そして出発菌株の制限低下特徴
    を依然として有するその突然変異体もしくは変種。
  8. 【請求項8】 減じられた制限障壁を有する自然突然変
    異体が連続した数回の形質転換および選択サイクルによ
    り増菌され、異なる選択マーカーをコードしそして十分
    に高い率の形質転換を保証する形質転換シャトルベクタ
    ーが好ましくは使用され、そして減じられた制限障壁を
    有する他に、高度の形質転換効率を依然として示す突然
    変異体が選択される、バチラス・スリンギエンシスおよ
    び/またはバチラス・セレウスの制限欠失突然変異体の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 増菌の開始時の形質転換が少なくとも1
    6 ないし108 個の形質転換体を生じる請求項8記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 形質転換がエレクトロポレーションに
    より行われる請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 陽性形質転換体の特異的および選択的
    選出を可能にする効率的に形質転換し得るベクターが異
    なる形質転換/選択サイクルにおいて使用される請求項
    8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ベクターで形質転換された細胞が
    認識され、そして引続き選択されることを可能にする特
    徴を宿主細胞に付与する1種またはそれ以上のマーカー
    遺伝子を前記ベクターが含む請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記マーカー遺伝子が(a)抗生物質
    耐性をコードするか、(b)色素原基質が利用可能であ
    る酵素をコードするか、または(c)重金属に対する耐
    性を付与する請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 適当な突然変異体の選択の間に、最初
    にプラスミドを含まない子孫が製造され、これらが次に
    制限を受けることが知られているシャトルベクターで形
    質転換される請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし7のいずれか1項に記
    載の制限欠失突然変異体を用いてバチラス・スリンギエ
    ンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおいて遺伝
    子または別のDNA配列をクローニングする方法であっ
    て、(a)該遺伝子またはDNA配列を適当な供給源か
    ら単離するか、または合成し、(b)単離または合成さ
    れた遺伝子またはDNA配列を、バチラス・スリンギエ
    ンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおいて機能
    し得、そして使用された上記遺伝子またはDNA配列に
    関して同種または異種の起源であってよい発現シグナル
    に操作可能に連結し、(c)項(b)のキメラ遺伝子構
    築物を、適当なベクターを用いて請求項1ないし7のい
    ずれか1項に記載のバチラス・スリンギエンシスおよび
    /またはバチラス・セレウスの制限欠失突然変異体内に
    形質転換し、そして(d)相当する遺伝子産物を場合に
    より発現させ、そして所望するならば単離する、上記方
    法。
  16. 【請求項16】 ベクターDNAを適当な反応混合物中
    試験管内で、宿主特異的制限エンドヌクレアーゼの認識
    配列内の塩基の1個またはそれ以上をメチル化し得る特
    異的メチラーゼと共に保温し、そしてメチル化されたベ
    クターDNAを次にバチラス・スリンギエンシスおよび
    /またはバチラス・セレウスの制限欠失突然変異体内に
    形質転換する追加段階を包含する請求項15記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記ベクターDNAがバチラス・スリ
    ンギエンシスおよび/またはバチラス・セレウスの制限
    に自然にさらされている請求項15または16のいずれ
    かに記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記ベクターが大腸菌またはバチラス
    ・サブチリスに由来するか、または少なくともそれから
    単離された請求項15または16のいずれかに記載の方
    法。
  19. 【請求項19】(a)バチラス・スリンギエンシスの全
    DNAを機械的にまたは適当な制限酵素を用いて断片に
    分解し、(b)適当な大きさの断片を単離し、(c)前
    記断片を適当なベクター内に挿入し、(d)制限欠失バ
    チラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラス・セ
    レウス細胞を適当なベクターで形質転換し、そして
    (e)形質転換体から、適当なスクリーニング方法を用
    いて、新規で所望のDNA配列を含む形質転換体を選択
    するバチラス・スリンギエンシスおよび/またはバチラ
    ス・セレウス中に遺伝子バンクを確立する方法。
  20. 【請求項20】 ベクターDNAを適当な反応混合物中
    試験管内で、宿主特異的制限エンドヌクレアーゼの認識
    配列内の塩基の1個またはそれ以上をメチル化し得る特
    異的メチラーゼと共に保温し、そしてメチル化されたベ
    クターDNAを次にバチラス・スリンギエンシスおよび
    /またはバチラス・セレウスの制限欠失突然変異体内に
    形質転換する追加段階を包含する請求項19記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 前記バチラス・スリンギエンシスが、
    バチラス・スリンギエンシスHD1cryB株に匹敵す
    る制限−修飾系を有する菌株である請求項19または2
    0のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 バチラス・スリンギエンシスおよび/
    またはバチラス・セレウスの制限欠失突然変異体、特に
    制限陰性突然変異体バチラス・スリンギエンシスHD1
    cryB Res9が使用されるバチラス・スリンギエ
    ンシスおよび/またはバチラス・セレウスにおける制限
    障壁を低下させる方法。
  23. 【請求項23】 バチラス・スリンギエンシスおよび/
    またはバチラス・セレウスの制限欠失突然変異体、特に
    制限陰性突然変異体バチラス・スリンギエンシスHD1
    cryB Res9が、挿入されたDNAをメチル化す
    ることにより、バチラス・スリンギエンシスおよび/ま
    たはバチラス・セレウスに固有の制限酵素による消化か
    ら挿入されたDNAを保護し、そのようにしてこの方法
    の効率をさらに高める特異的メチラーゼと組み合わせて
    使用される請求項22記載の方法。
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