JPH0576109U - 平面アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】小型で、かつインピーダンスの整合が容易であ
り、伝達効率がよい平面アンテナを提供する。 【構成】ガラス基板１の片面にアンテナ導体２とマイク
ロストリップ線条回路３を形成し、このガラス基板１の
他方の面に接地電極40を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はＵＨＦ帯域用に適した平面アンテナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ＵＨＦ帯域で用いられる自動車・携帯用電話、列車・航空機用電話、更 には衛星通信分野の中で各種アンテナの構造が検討されている。いずれの場合も アンテナからの給電方式として同軸ケーブルを直付けしたり、高周波用同軸コネ クター（ex. ＢＮＣ型、ＳＭＢ型）を介しているだけの単純な構造であった。

【考案が解決しようとする課題】

【０００３】 受信アンテナから受信機へあるいは送信機から送信アンテナへ高周波エネルギ ーを伝送する線路において、アンテナ部・給電線部・送受信機部各々の接続箇所 でインピーダンスの不整合があるとエネルギーの反射が起り伝送効率が劣化する 欠点を有している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前述の課題を解決すべくなされたものであり、誘電体基板と、該誘電 体基板の片面に形成されたアンテナ線条及び該アンテナ線条に接続されたマイク ロストリップ線条回路と、該誘電体基板の他方の面に相対向するマイクロストリ ップ線条回路の形成領域の少なくとも一部に重なるように形成された接地電極と を備え、上記マイクロストリップ線条回路上に給電部を設けたことを特徴とする 平面アンテナを提供するものである。

【０００５】 図１に本考案の平面アンテナの一例の斜視図を示す。１は誘電体基板たるガラ ス基板でその平面上のＡ側に電波の波長に適した長さのアンテナ線条２が、Ｂ側 にマイクロストリップ線条回路３が形成されている。40は接地電極であり、ガラ ス基板Ｂ側の裏面に導体で形成されていて、その一部が同軸ケーブル50の外部導 体52へ接する位置まで表面上へ延長され52の一部と半田付けされ通電している。

【０００６】 接地電極40はガラス基板１Ｂ側の裏面の全面に形成することが受信特性上望ま しいが、一部であっても使用できる。また接地電極40と外部導体52との通電は上 記構造に限定されず、導体線等を使用した構造でもよい。更にこの通電方法とし てガラス基板１に孔を設け該孔に導体充填したいわゆるビアホールを利用しても よい。図１において同軸ケーブル50の内部導体51はマイクロストリップ線条回路 ３の一端で半田付け固定されている。マイクロストリップ線条回路３はアンテナ 線条２からの給電線の役割を成し、Ｘ・Ｙ・Ｚの線幅がインピーダンスを変化さ せ、伝達系とインピーダンスの整合をとることができる。

【０００７】 このように本考案の平面アンテナの構造は誘電体基板の片面にアンテナ線条２ が形成され、更にこのアンテナ線条２が形成された同一面にマイクロストリップ 線条回路３が形成され、アンテナ線条２とマイクロストリップ線条回路３とが接 続されており、かつ誘電体基板の他方の面のマイクロストリップ線条回路３の形 成領域と相対向する領域の一部、全部、又は範囲より広い領域に接地電極40を形 成したものである。

【０００８】 マイクロストリップ線条回路３上に、給電部が設けられる。 またアンテナ線条２のパターンは１点から放射状に複数本の導体線が延長され たもの、三角形、四角形状のもの等アンテナ特性に応じて定められる。 このアンテナ線条２、接地電極40、マイクロストリップ線条回路３は、Ag系等 の導電性ペーストを形成し焼成したもの、導電性のテープ、板等で形成される。 またガラス基板１の代りに比誘電率 2〜100 のセラミックス、プラスチックス 、フッ素樹脂等の他の誘電体基板が使用できる。

【０００９】

【作用】

図１に示すＸ、Ｙ、Ｚの寸法等によって受信系のインピーダンスを決定でき、 Ｙ＞Ｘ及びＺ＞Ｘ／２のとき並列容量素子となり、Ｙ＜Ｘ及びＺ＜Ｘ／２のとき 直列インダクタンス素子となる。

【００１０】

【実施例】

［実施例１］ 図１に示すガラス基板１を自動車のリヤ窓ガラス板を利用して平面アンテナを 作った。 アンテナ線条２、マイクロストリップ線条回路３、接地電極40は厚み約10〜50 μm の銀（Ag）系の厚膜で形成した。この場合Ｘ＝5mm Ｙ＝5.3mm Ｚ＝2.5mm と した。

【００１１】 また同軸ケーブル50はインピーダンス50Ωの高周波用を使用した。更にこの同 軸ケーブル50の先端を外圧力から保護するためのプラスチックケースを設けた。 ここで該同軸ケーブル50の先端及びケースの内部には熱硬化性エポキシ系接着剤 が充填され、接着固定している。以上の構成で反射係数（V.S.W.R.）＝1.2 以下 、受信利得＝−５dB以上の特性が得られた。

【００１２】 ［実施例２］ ガラス基板１に、厚み１mmのガラス板を使用して、図１に示すような平面アン テナを作った。この平面アンテナをアンテナ線条２が自動車の車内側になるよう に、ガラス基板１の接地電極40の形成面とリヤ窓ガラス板とを相対向させ、光硬 化性の接着剤により、この平面アンテアをリヤ窓ガラス板に接着した。受信特性 は実施例１と同じであった。 なお、このガラス基板１に寸法（Ｗ×Ｌ×Ｔ＝26×76×1mm ）程度のものを使 用すれば、リヤ窓ガラス板をガラス基板１に使用するより、生産し易くなる。 この場合Ｘ＝1.3mm Ｙ＝1.5mm Ｚ＝0.65mmとした。

【００１３】 ［実施例３］ 実施例２において接地電極をリヤ窓ガラス板上に設け、この接地電極と同軸ケ ーブルの外部導体と接続した。 なお、接地電極はガラス基板１の車外側の面、リヤ窓ガラス板の車内、車外側 のどの面に形成してもよいし、これらの複数の面に同時に形成してもよい。 また、この場合、ガラス基板１を合せガラス板の車内側のガラス板を使用する こともできる。

【００１４】 ［実施例４］ 本考案による構成（実施例１〜３）の利得を更に向上させる方法として図２に 実施例にかかる平面アンテナの斜視図を示す。これは実施例１の構成において更 にアンテナ線条９の表面上に厚さ 2mmのガラス基板16を接着剤にて貼り合わせ、 その反接着剤面側に該アンテナ線条９より20％大きい寸法のアンテナ線条９に相 似形の反射器線条17をAg系の厚膜で形成させた。なお、13はケースである。

【００１５】 この反射器線条17の寸法はアンテナ線条９の半分〜数倍まで使用できる。反射 器線条17の形状はアンテナ線条９と相似形が受信特性上望ましいが、これに限定 されない。実施例４では実施例１のときより受信利得は約10％以上向上した。こ こで誘電体基板たるガラス基板16の板厚Ｌは、アンテナ線条９と反射器線条17の 間隔であり、板の比誘電率をεとし搬送電波の波長をλとした場合、Ｌ＝λ／（ ４（ε）^0.5 ）で与えられる条件が望ましい。また実施例２〜３の場合において も同様にこのような反射器をアンテナ線条９に重ね合わせることが可能である。

【００１６】 ［実施例５］ 利得を更に向上させる別の方法として図３に実施例にかかる平面アンテナの斜 視図を示す。これは実施例４の構成において更に自動車開口部窓ガラス面８の自 動車室内側表面上に導波器の線条19を設けたものである。該線条19の寸法、形状 等は実施例４に記載した如くである。また該アンテナ線条２及びマイクロストリ ップ線条回路10を形成する基台として厚さＬから成るガラス基板18を用いる。こ こでガラス基板18の板厚Ｌは、板の比誘電率をεとし搬送電波の波長をλとした 場合、Ｌ＝λ／（４（ε）^0.5 ）で与えられる。 なお、ガラス基板16、18の代りにセラミックス樹脂からなる他の誘電体が使用 できる。

【００１７】 本考案の車輌の窓ガラスとアンテナ導体２を形成した誘電体基板との接着、該 誘電体基板と反射器との接着に使用する接着剤は光硬化型の接着剤が生産性がよ いので望ましく、特に 200〜600nm の光で硬化するものがより望ましい。 また、熱硬化性のような他の接着剤も使用できるが、受信特性のためには誘電 率 0.5〜40程度のものが好ましい。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は、アンテナ線条と同軸ケーブル間に給電線としてマイクロストリップ 線条回路を存在させ、その線幅を変化することで反射損失を低減させアンテナ特 性を向上させる効果を有する。またアンテナ部・同軸ケーブル部・送受信機器部 間相互のインピーダンス整合も可能となる。更に反射器または導波器を付加する ことで受信利得を向上させる効果も認められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の平面アンテナの一例の斜視図。

【図２】実施例４の平面アンテナの斜視図。

【図３】実施例５の平面アンテナの斜視図。

【符号の説明】

１ ガラス基板 ２ アンテナ線条 ３ マイクロストリップ線条回路 ４０ 接地電極

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【手続補正書】

【提出日】平成４年１０月７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図３

【補正方法】削除

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】誘電体基板と、該誘電体基板の片面に形成
   されたアンテナ線条及び該アンテナ線条に接続されたマ
   イクロストリップ線条回路と、該誘電体基板の他方の面
   に相対向するマイクロストリップ線条回路の形成領域の
   少なくとも一部に重なるように形成された接地電極とを
   備え、上記マイクロストリップ線条回路上に給電部を設
   けたことを特徴とする平面アンテナ。
2. 【請求項２】誘電体基板が車輌の窓ガラス板であること
   を特徴とする請求項１の平面アンテナ。
3. 【請求項３】請求項１の平面アンテナのアンテナ線条と
   ほぼ平行に所定の間隔で反射器を設けたことを特徴とす
   る平面アンテナ。