JPH057550Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば、繊維強化プラスチツクの製
造において、ガラス繊維や炭素繊維を定量供給す
る場合等に用いられる繊維材定量供給装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来のこの種の繊維材定量供給装置は、ベルト
コンベヤや振動コンベヤ、スクリユーコンベヤ等
であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記従来の繊維材定量供給装置
によるときは、繊維材の見掛け比重が繊維材の絡
み具合によつて大きく変動するため、コンベヤに
よる繊維材の輸送断面のバラツキも相俟つて、供
給量が大きくバラツキ易く、特に、供給量が少な
い場合、実施化できなかつた。

本考案の目的は、供給量のバラツキが非常に小
さい繊維材定量供給装置を提供する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による繊維材定量供給装置の特徴構成
は、上下向き軸芯周りに回動するターンテーブル
に、複数の計量マスを周方向に並置形成し、これ
ら計量マスの回動経路上の定位置に、直下に回動
してきた計量マスに計量対象である繊維材を落下
供給するホツパを設けるとともに、このホツパよ
りも回動経路上の下手側における別の定位置に、
計量マス内の繊維材を取出し部に排出する排出手
段を設けた繊維材定量供給装置において、下記
［イ］〜［ハ］に記載した構成を備えたことであ
る。

［イ］ 前記計量マスの回動経路上に、繊維材が
供給された計量マスに対して計量マスの回動に
伴つてすり切り作用を与えるスクレーパと、前
記計量マスに入り切れなかつた繊維材を掻き取
つて別の箇所へ搬送する掻取り供給装置とを設
けている。

［ロ］ 前記スクレーパは、前記ホツパが設けら
れた位置よりも回動下手側で、かつ前記取出し
部が設けられた位置よりも回動上手側の位置に
配設されている。

［ハ］ 前記掻取り供給装置は、その掻取り作用
部が、前記ホツパが設けられた位置とスクレー
パが設けられた位置との中間の位置において前
記スクレーパでのすり切り前に計量マスに入り
切れなかつた繊維材を掻き取る状態に位置し、
かつ、その供給作用部が、前記取出し部位置と
ホツパ位置との中間の位置において空の計量マ
スに前記掻き取つた繊維材を充填する状態に配
設されている。

〔作用〕

上記技術手段を講じたことによる作用は次の通
りである。

すなわち、計量マスによるすり切れ計量である
ため、供給装置による計量マスへの落下供給で供
給された繊維材を、すり切りに伴つて計量マスに
多少なりとも圧入状態で充填することになり、計
量マス内に供給された繊維材の見掛け比重を大き
くできる。そして、繊維材の見掛け比重が大きく
なるほど、その見掛け比重のバラツキが小さくな
る事実がある。その結果、計量マス内に供給され
た繊維材の見掛け比重を一定化できる。

しかも、スクレーパによるすり切り作用が行わ
れる前に、計量マスに入り切れずにターンテーブ
ル上に盛上がつている余分な繊維材の大部分を掻
取り供給装置による掻取るため、スクレーパによ
るすり切り作用を受ける対象となる繊維材の量を
ほぼ一定の量とするとともに、その繊維材のすり
切り対象となる量も比較的小さくして、スクレー
パに対する負荷を軽減し、スクレーパによるすり
切りを良好に行わせて、計量マスによるすり切り
計量の精度を上げ、すり切り計量された繊維材の
嵩を安定させることができる。

その上、前記掻取り供給装置により、すり切り
前に掻取つた余分な繊維材を、繊維材排出後の空
の計量マスに充填するものであるため、ホツパに
よる計量マスへの繊維材の落下供給負荷を軽減で
き、これによつて、繊維材の計量マスへの供給量
を多くして、計量マスに供給された繊維材の見掛
け比重をより大きくできる。

〔考案の効果〕

その結果、本考案によれば、計量マスに供給さ
れた繊維材の見掛け比重および嵩を一定にして、
繊維材をバラツキ少なく定量供給できるようにな
つた。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

繊維材定量供給装置は、第１図、第２図に示す
ように、固定テーブル１と、この固定テーブル１
の上面に摺接する状態で上下向き軸芯周りに回動
するターンテーブル２と、ホツパ３と、スクレー
パ４と、加振装置５と、排出手段と、掻取り供給
装置６とを備えている。

前記ターンテーブル２には、複数の計量マス７
が前記固定テーブル１の上面を底とする状態で周
方向に並置形成されている。

前記ホツパ３は、前記計量マス７の回動経路上
の第１定位置において、直下に回動してきた計量
マス７に計量対象である繊維材を落下供給するも
のであつて、具体的には、第３図に示すように、
上部ホツパ体３Ａと下部の吐出筒３Ｂとゴム製の
中間筒３Ｃで接続するとともに、前記吐出筒３Ｂ
に振動を付与する加振器３Ｄを設けて、構成され
ている。つまり、ホツパ３は、繊維材に振動を与
えて見掛け比重を大きくする状態で計量マス７に
繊維材を落下供給するように構成されており、か
つ、供給不良原因である繊維材のブリツジ現象を
防止するように構成されている。

前記スクレーパ４は、前記第１定位置よりも回
動下手側の第２定位置において、計量マス７の回
動に伴つて繊維材が供給された計量マス７に対し
てすり切り作用を行うものである。具体的には、
計量マス７に対するすり切り移動方向、つまり、
計量マス７の回動方向に互いに平行な姿勢で並置
する複数本のすり切り棒４ａからなる。前記すり
切り棒４ａは、計量マス７に対して遅くすり切り
作用するものほど（つまり、計量マス７の回動方
向下手側に位置するものほど）計量マス７に接近
するように配設されている。つまり、スクレーパ
４は、複数のすり切り棒４ａにより順次、少しず
つすり切るように構成されている。かつ、前記す
り切り棒４ａは、平面視において、計量マス７に
対して回動軸芯側ほど回動下手側に位置する姿勢
に配置されている。つまり、スクレーパ４は、す
り切つた繊維体を回動軸芯側に摺動案内するよう
に構成されている。したがつて、計量マス７内の
繊維材に遠心力が作用して外力のものほど圧密作
用を受ける傾向があるものの、スクレーパ４によ
るすり切り作用によつて、すり切られた繊維材が
計量マス７の回動中心側に運ばれ、その途中で計
量マス７のうち繊維材の供給量が十分でない部分
に供給されるため、計量マス７によるすり切り計
量を確実に行えるのである。

前記加振装置５は、前記スクレーパ４の水平方
向の振動を付与するものであるが、上下方向に振
動や水平、上下の合成方向の振動を付与するもの
であつても良い。

前記排出手段は、前記第２定位置の回動下手側
の第３定位置において、前記スクレーパ４による
すり切り作用を受けた計量マス７内の繊維材を取
出しシユート８に排出させる手段であつて、具体
的には、固定テーブル１のうち、前記第３定位置
に位置するテーブル部分を切欠いて落下口９を形
成することにより、計量マス７内の繊維材を落下
排出させる手段である。前記落下口９の端辺のう
ち、回動上手側に位置する端辺９ａは、平面視に
おいて計量マス７に対角線に相当する姿勢に形成
されている。つまり、落下口９は、計量マス７の
回動に伴つて、落下排出量を徐々に増大させて最
大としたのち徐々に減少させるように計量マス７
から繊維材を落下排出させ、かつ、先行する計量
マス７からの落下排出が半分程度行われた時点よ
り後続の計量マス７からの落下排出を開始させる
ことにより、跡切れることなく、落下排出量の脈
動を抑制して繊維材を落下排出するように構成さ
れている。

前記掻取り供給装置６は、第４図にも示すよう
に、前記第１定位置と第２定位置との間の第４定
位置において計量マス７に入り切れなかつた繊維
材を掻取るための掻取り作用部を備え、かつ、前
記第３定位置と第１定位置との間の第５定位置に
おいて空の計量マス７に繊維材を充填する供給作
用部を備えたものであつて、具体的には、モータ
６Ａを介して前記第４定位置と第５定位置との間
に亘つて水平向き軸芯周りに回動されるベルト６
Ｂに、複数の箆状の掻取り片６Ｃを回動方向に並
置して取付けて、構成されている。なお、前記ベ
ルト６Ｂは、掻取り片６Ｃ付きのものとして一体
成形されたものである。

上記の実施例によれば、スクレーパ４によるす
り切り作用が行われる前に、計量マス７に入り切
れずにターンテーブル２上に盛上がつている余分
な繊維材の大部分を掻取り供給装置６により掻取
るため、スクレーパ４によりすり切られる繊維材
の量を少なくしてスクレーパ４に対する負荷を軽
減できる。しかも、加振装置５によりスクレーパ
４に振動を付与するため、スクレーパ４の振動に
より、計量マス７内の繊維材とすり切られる繊維
材との絡みを解し、すり切りに伴う計量マス７内
の繊維材の引出しやすり切り繊維材の計量マス７
内の押込みを防止して、計量マス７によるすり切
り計量を精度良く行える。その上、前記掻取り供
給装置６により、掻取つた余分な繊維材を空の計
量マス７に充填するため、ホツパ３による計量マ
ス７への繊維材の落下供給負荷を軽減でき、これ
によつて、繊維材の計量マス７への供給量を多く
して、計量マス７に供給された繊維材の見掛け比
重を大きくできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る繊維材定量供給装置の実施
例を示し、第１図は平面図、第２図は縦断面図、
第３図と第４図はそれぞれ第２図における−
線断面図と−線断面図である。 ２……ターンテーブル、７……計量マス、３…
…ホツパ、４……スクレーパ、８……取出し部、
６……掻取り供給装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下向き軸芯周りに回動するターンテーブル２
   に、複数の計量マス７を周方向に並置形成し、こ
   れら計量マス７の回動経路上の定位置に、直下に
   回動してきた計量マス７に計量対象である繊維材
   を落下供給するホツパ３を設けるとともに、この
   ホツパ３よりも回動経路上の下手側における別の
   定位置に、計量マス７内の繊維材を取出し部８に
   排出する排出手段を設け、さらに、下記［イ］〜
   ［ハ］に記載した構成を備えている繊維材定量供
   給装置。 ［イ］ 前記計量マス７の回動経路上に、繊維材
   が供給された計量マス７に対して計量マス７の
   回動に伴つてすり切り作用を与えるスクレーパ
   ４と、前記計量マス７に入り切れなかつた繊維
   材を掻き取つて別の箇所へ搬送する掻取り供給
   装置６とを設けている。 ［ロ］ 前記スクレーパ４は、前記ホツパ３が設
   けられた位置よりも回動下手側で、かつ前記取
   出し部８が設けられた位置よりも回動上手側の
   位置に配設されている。 ［ハ］ 前記掻取り供給装置６は、その掻取り作
   用部が、前記ホツパ３が設けられた位置とスク
   レーパ４が設けられた位置との中間の位置にお
   いて前記スクレーパ４でのすり切り前に計量マ
   ス７に入り切れなかつた繊維材を掻き取る状態
   に位置し、かつ、その供給作用部が、前記取出
   し部８位置とホツパ３位置との中間の位置にお
   いて空の計量マス７に前記掻き取つた繊維材を
   充填する状態に配設されている。