JPH0574521A - 電気接続用コネクター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コネクター本体を構成する雌雄コネクター同
志が相互に不完全に嵌合された状態で、内部の両導電部
材が不完全接触状態となっても、両者間を強制的に開離
することにより、両導電部材の接触を完全に離脱して、
コネクター本体が焼損することを防止する。 【構成】 雌コネクター２の内部中央に、受金具導電部
材４を装着すると共に、雌コネクター２に係止爪６を突
設し、又雄コネクター３の内部中央に、差込金具導電部
材７を装着し、又雄コネクター３の凹陥部９内に、スプ
リング１２の作用により先端１１が突出するよう、押圧
杆１０を装着し、更に雄コネクター３の嵌合レバーＸに
は、雌コネクター２の係止爪６が対向する位置に、係止
孔１３を穿設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高電圧点弧パルスが印
可される高圧照明器具に使用される電気接続用コネクタ
ーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来の電気接続用コネクターの一
例を示す断面図を表したもので、図５の（Ａ）は雌雄コ
ネクターａ、ｂの夫々の導電部材ｃ、ｄが相互に接触し
た状態にあって、雌コネクターａの外側に設けた爪片ｅ
が、雄コネクターｂの嵌合レバーｆに設けた嵌合孔ｇ内
に嵌合して係止することにより、雌雄コネクターａ、ｂ
間は抜け止め状態を表しており、又図５の（Ｂ）は雌雄
コネクターａ、ｂの夫々の導電部材ｃ、ｄが相互に離脱
した状態にあって、雌コネクターａの外側に設けた爪片
ｅは、雄コネクターｂの嵌合レバーｆに設けた嵌合孔ｇ
から離脱した状態を表している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図５の（Ｂ）に示すよ
うに、コネクター本体を構成する雌雄コネクターａ、ｂ
同志が不完全に嵌合された状態にあって、雌コネクター
ａの爪片ｅが、雄コネクターｂの嵌合孔ｇから離脱した
状態では、雌雄コネクターａ、ｂの夫々の導電部材ｃ、
ｄが相互に離脱した状態にあるとはいえ、両導電部材
ｃ、ｄは未だに軽く接触した状態、又は両導電部材ｃ、
ｄ間の距離は少しだけ離間している状態となることがあ
る。このような状態では、コネクター本体に引っ張り力
のような外力が加わると、雌雄コネクターａ、ｂ間が完
全に離脱してしまうことがある。

【０００４】このように、雌雄コネクターａ、ｂ間が完
全に離脱すると、通電により発熱して亜酸化銅を生成し
たり、又印可電圧が高い場合には、アークによる発熱に
起因してコネクター本体の絶縁材料が溶融して地絡した
り、更に又コネクター本体が焼損して絶縁材料が溶融す
ると、内部の導電部材ｃ、ｄが外部に露出して人体が感
電する等幾多の問題点がある。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑み、コネ
クター本体を構成する雌雄コネクター同志が相互に不完
全に嵌合した状態で、内部の両導電部材が不完全接触状
態となっても、両者間を強制的に開離することにより、
両導電部材の接触を完全に離脱して、コネクター本体が
焼損することを防止する電気接続用コネクターを提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る電気接続用コネクターは、コネクタ
ー本体を構成する雌雄コネクターの何れか一方の内部に
押圧杆を設け、その雌雄コネクター同志が正常に嵌合し
ていない状態では、前記押圧杆の先端が相手方のコネク
ターの前端に当接して、前記雌雄コネクターの夫々の導
電部材間に放電しない程度の空間距離を保持するよう、
その導電部材間を強制的に開離したり、又雌雄コネクタ
ー同志が正常に嵌合している状態の嵌合位置とは別の位
置で、前記雌雄コネクターの夫々の導電部材間が放電し
ない程度の空間距離を保持しながら、前記雌雄コネクタ
ーの外殻間が相互に嵌合状態を維持したり、更に又雌雄
コネクターの相互の嵌合開始位置の近傍に、防水シール
を設けたりするのである。

【０００７】

【作用】次に本発明に係る作用について述べる。コネク
ター本体を構成する雌雄コネクター同志が正常に嵌合し
ていない状態では、押出杆の先端が相手方のコネクター
の前端に当接して、雌雄コネクターの夫々の導電部材間
を、両者間に放電しない程度の空間距離を保持して強制
的に開離したり、又雌雄コネクター同志が正常に嵌合し
ている状態の嵌合位置とは別の位置で、雌雄コネクター
の夫々の導電部材間の不導通位置で雌雄コネクターの嵌
合状態を維持したり、更に又雌雄コネクターの相互の嵌
合開始位置の近傍に設けられた防水シールを設けて、防
水性能を具備するコネクター本体を得るのである。

【０００８】

【実施例】以下図面を参照しながら本発明に係る電気接
続用コネクターの実施例を具体的に説明する。図１は本
発明に係る電気接続用コネクターの第１実施例を示す断
面図を表したものであるが、図１の（Ａ）はコネクター
本体を構成する雌雄コネクター同志の正常嵌合状態を示
しており、図１の（Ｂ）はコネクター本体を構成する雌
雄コネクター同志が不完全に挿入された異常嵌合状態を
示している。コネクター本体１の外殻を構成する雌雄コ
ネクター２、３に於いて、雌コネクター２の内部中央に
は、電線５が接続された受金具導電部材４を装着すると
共に、雌コネクター２の外殻表面の端部近くには係止爪
６を突設する。又雄コネクター３の内部中央には、前記
雌コネクター２の受金具導電部材４に対向する位置に、
電線８が接続された差込金具導電部材７を装着する。

【０００９】雄コネクター３の内部には、電線８が接続
された差込金具導電部材７と並設する位置に於いて、雄
コネクター３に設けた凹陥部９内に、スプリング１２の
作用により先端１１が突出するよう、押圧杆１０を装着
するのである。更に雄コネクター３の外殻表面の端部の
嵌合レバーＸには、前記雌コネクター２の係止爪６が対
向する位置に、係止孔１３を穿設する。

【００１０】そして図１の（Ａ）に示すように、コネク
ター本体を構成する雌雄コネクター１、２同志の正常嵌
合状態では、雄コネクター３の凹陥部９内に雌コネクタ
ー２が嵌合していると共に、雌コネクター２の係止爪６
が雄コネクター３の係止孔１３に係止している。この状
態では雌コネクター２の受金具導電部材４に、雄コネク
ター３の差込金具導電部材７が嵌合して接触しており、
電線５、８間は導通状態にある。

【００１１】ここで若し、雌雄コネクター２、３同志が
不完全に挿入されて異常嵌合状態となると、スプリング
１２のバネ作用により、押圧杆１０の先端１１が雌コネ
クター２の前端を押圧するから、その雌コネクター２は
図中右方に移動して、図１の（Ｂ）に示すような状態と
なって、雌コネクター２の係止爪６と雄コネクター３の
係止孔１３との係止状態が離脱すると共に、受金具導電
部材４と差込金具導電部材７との接触状態が離脱して電
線５、８間が不導通となり、又は受金具導電部材４と差
込金具導電部材７との間は、雄コネクター３の凹陥部９
内に於いてアークが発生しない程度の距離だけ離間す
る。

【００１２】図２は本発明に係る電気接続用コネクター
の第２実施例を示す断面図を表したものであるが、図２
の（Ａ）はコネクター本体を構成する雌雄コネクター同
志の正常嵌合状態を示しており、図２の（Ｂ）はコネク
ター本体を構成する雌雄コネクター同志が不完全に挿入
された異常嵌合状態を示している。この図では雄コネク
ター３の外殻表面の嵌合レバーＸには、前記雌コネクタ
ー２の係止爪６が対向する位置に於いて、正常嵌合位置
の係止孔１３とは別の位置に、係止孔１４を穿設するも
のであり、受金具導電部材４と差込金具導電部材７との
接触状態が離脱して、電線５、８間が不導通状態のとき
は、その係止孔１４に前記雌コネクター２の係止爪６が
係止するのである。換言すれば、図２の（Ｂ）に示すよ
うに雌雄コネクター同志が不完全に挿入されて異常嵌合
状態では、係止孔１４に係止爪６が係止して、この状態
を維持しているのである。

【００１３】図３は本発明に係る電気接続用コネクター
の第３実施例を示す断面図を表したものであるが、図３
の（Ａ）はコネクター本体を構成する雌雄コネクター同
志の正常嵌合状態を示しており、図３の（Ｂ）はコネク
ター本体を構成する雌雄コネクター同志が不完全に挿入
された異常嵌合状態を示している。この図では各部の構
成は、前記図１及び図２の構成と同様であるが、更に雌
雄コネクター２、３の嵌合部の適宜位置、雌コネクター
１の電線５の引出し口及び雄コネクター３の電線８の引
出し口に、夫々防水シール１５、１６、１７を設けて防
水性能を持たしている。なお、前記スプリング１２のバ
ネ力は、その防水シール１５、１６、１７の摩擦抵抗に
勝つ作用を有していることは勿論である。

【００１４】図４は本発明に係る電気接続用コネクター
の第４実施例を示す断面図を表したものであるが、図４
の（Ａ）はコネクター本体を構成する雌雄コネクター同
志の正常嵌合状態を示しており、図４の（Ｂ）はコネク
ター本体を構成する雌雄コネクター同志が不完全に挿入
された異常嵌合状態を示している。この図では各部の構
成は、前記図１及び図２の構成と同様であり、更に雌雄
コネクター１、２の嵌合部の適宜位置、雌コネクター１
の電線５の引出し口及び雄コネクター２の電線８の引出
し口に、夫々防水シール１５、１６、１７を設けて防水
性能を持たしている構成は、図３の構成と同様である
が、雌雄コネクター１、２の正常嵌合状態と異常嵌合状
態の中間状態の何れの状態であっても、防水シール１５
が接触しない程度の凹部１８を、前記雌コネクター２の
外殻表面の一部に設けている。そしてこの凹部１８は防
水シール１５に接触しないので、雌雄コネクター１、２
が正常嵌合状態の位置に至るまで、両者を嵌合操作する
途中に生ずる防水シール１５の摩擦抵抗を減殺する役割
を果たすのである。

【００１５】

【発明の効果】本発明に係る電気接続用コネクターは前
記のように構成して成るもので、以下のような効果を奏
する。即ち、押圧杆の押圧作用で雌雄コネクターの導電
部材が相互に不完全接触状態から強制的に開離すること
により、雌雄コネクターの不完全挿入の状態は、雌雄コ
ネクターの導電部材相互の開離距離分だけ両者の嵌合状
態が浅くなるから、その状態を外見上容易に識別するこ
とができ、又雌雄コネクターの導電部材相互の不完全接
触状態が生じないから、電気的不導通状態が発生するこ
とがなく確実な導通チエックを行うことができて、導電
部材相互間の微圧接触、アーク通電に起因する発熱事故
を引き起こす虞がないのは勿論、雌雄コネクターの嵌合
状態が離脱しても内部の導電部材はコネクター本体の外
部に露出せず、地絡事故とか感電事故等の虞がなく安全
である。而も雌雄コネクターが不完全嵌合状態であって
も、防水シールの作用により防水効果が有すると共に、
内部の導電部材を水、粉塵等から保護しており、雌雄コ
ネクターが不完全嵌合状態、開離状態から完全嵌合状態
に至るまでは、その防水シールはコネクター本体との接
触を逃がして防水シールの摩擦抵抗を減殺することにな
り、雌雄コネクターの嵌合離脱操作を円滑に行うことが
できる等色々な優れた特長を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る電気接続用コネクターの第１実
施例を示し、（Ａ）は雌雄コネクター同志の正常嵌合状
態を示したものの断面図、（Ｂ）は雌雄コネクター同志
が不完全に挿入された異常嵌合状態を示したものの断面
図。

【図２】 本発明に係る電気接続用コネクターの第２実
施例を示し、（Ａ）は雌雄コネクター同志の正常嵌合状
態を示したものの断面図、（Ｂ）は雌雄コネクター同志
が不完全に挿入された異常嵌合状態を示したものの断面
図。

【図３】 本発明に係る電気接続用コネクターの第３実
施例を示し、（Ａ）は雌雄コネクター同志の正常嵌合状
態を示したものの断面図、（Ｂ）は雌雄コネクター同志
が不完全に挿入された異常嵌合状態を示したものの断面
図。

【図４】 本発明に係る電気接続用コネクターの第４実
施例を示し、（Ａ）は雌雄コネクター同志の正常嵌合状
態を示した断面図、（Ｂ）は雌雄コネクター同志が不完
全に挿入された異常嵌合状態を示した断面図。

【図５】 従来の電気接続用コネクターの一例を示し、
（Ａ）は雌雄コネクターの導電部材が相互に接触した状
態の断面図、（Ｂ）は雌雄コネクターの夫々の導電部材
が相互に離脱した状態の断面図。

【符号の説明】

１ コネクター本体 ２ 雌コネクター ３ 雄コネクター ４ 受金具導電部材 ５ 電線 ６ 係止爪 ７ 差込金具導電部材 ８ 電線 ９ 凹陥部 １０ 押圧杆 １１ 押圧杆の先端 １２ スプリング １３ 係止孔 １４ 係止孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コネクター本体を構成する雌雄コネクター
   の何れか一方の内部に押圧杆を設け、その雌雄コネクタ
   ー同志が正常に嵌合していない状態では、前記押圧杆の
   先端が相手方のコネクターの前端に当接して、前記雌雄
   コネクターの夫々の導電部材間に放電しない程度の空間
   距離を保持するよう、その導電部材間を強制的に開離さ
   せることを特徴とする電気接続用コネクター。
2. 【請求項２】雌雄コネクター同志が正常に嵌合している
   状態の嵌合位置とは別の位置で、前記雌雄コネクターの
   夫々の導電部材間が放電しない程度の空間距離を保持し
   ながら、前記雌雄コネクターの外殻間が相互に嵌合状態
   を維持するようにしたことを特徴とする請求項１の電気
   接続用コネクター。
3. 【請求項３】 雌雄コネクターの相互の嵌合開始位置の
   近傍に、防水シールを設けることを特徴とする請求項２
   の電気接続用コネクター。