JPH057423U - 射出成形機用ノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂の剪断発熱による分解ガス或いは配合剤
中の気化ガスを確実且つ容易に除去すること。 【構成】 ノズル本体１１内の樹脂通路１３を外部に連
通し、樹脂の流出は阻止し、ガスの通過は許容するガス
抜き通路１２を、ノズル本体１１に備えるようにした射
出成形機用ノズル１０。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、射出成形機用ノズルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、硬質塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂の射出成形時に生ずる、剪断発熱 による分解ガス或いは配合剤中の気化ガスによる外観不良を防止するため、金型 内のガス留り部に微細なガス抜き孔を設けている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、従来技術には、下記、の問題点がある。

【０００４】 金型内にガス抜き孔を設ける場合、経験的な知見、或いは実際の成形を行な ってガス留り部を見つけ、ガス抜き孔の設置位置を定める等、煩雑である。

【０００５】 金型に設けたガス抜き孔では、成形品の肉厚内に存在するガスを抜き取るこ とは不可能である。

【０００６】 本考案は、樹脂の剪断発熱による分解ガス或いは配合剤中の気化ガスを確実且 つ容易に除去することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案における射出成形機用ノズルは、ノズル本体内の樹脂通路を外部に連通 し、樹脂の流出は阻止し、ガスの通過は許容するガス抜き通路を、ノズル本体に 備えるようにしたものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、下記〜の作用がある。

【０００９】 ノズルにてガスを除去でき、金型にガス抜き孔を設ける必要がなく、１本の ノズルで金型交換される全ての金型への射出樹脂中のガスを除去できる。また、 成形品の肉厚内に存在することになるかもしれないガスを、予めノズルにて除去 できる。

【００１０】 従って、ガスによる外観不良等を防止できる。これにより、射出速度の上昇に よる剪断発熱が増加しても、ガスによる外観不良等が発生しにくくなり、サイク ルタイムを短縮できる。

【００１１】 そして、本考案を、金型に設けたガス抜き孔と併用するものとすれば、ガス抜 き効果はさらに向上することとなる。

【００１２】 ガス抜き通路をノズル本体におけるブレーカの直後に設けることにより、最 も大きな剪断を受けるブレーカの直後で、発生する分解ガスを効果的に除去でき る。

【００１３】 ガス抜き通路をノズル本体を分割した本体基部と本体先端部の合面内に設け ることにより、ガス抜き通路はそれら合面の一方又は両方に溝加工することにて 、穿設等に比して容易に微細な加工を施すことができる。

【００１４】 ガス抜き通路をノズル円周方向に均等の間隔を介して設けることにより、ノ ズル本体の樹脂通路内の全域から、ガスを効果的に除去できる。

【００１５】 ガス抜き通路が開口するノズル本体内の樹脂通路がノズル奥側からノズル出 口側に向けて徐々に拡径されてなるものとすることにより、金型から製品が離型 するときに、ノズル内の樹脂も製品と一緒に排出され易くなる。これにより、ノ ズル本体内の樹脂通路内面に樹脂が滞留し、ガス抜き通路を塞ぐことを確実に防 止できる。

【００１６】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示す模式図である。

【００１７】 射出成形機用ノズル１０は、ノズル本体１１にガス抜き通路１２を備えている 。ガス抜き通路１２は、ノズル本体１１の樹脂通路１３を外部に連通し、樹脂の 流出は阻止し、ガスの通過は許容する。

【００１８】 ガス抜き通路１２の直径は、樹脂の流動特性に応じて適宜定めるのがよい。

【００１９】 ここで、ガス抜き通路１２は、ノズル本体１１におけるブレーカ１４の直後（ 下流側）に設けられている。

【００２０】 また、ガス抜き通路１２は、ノズル本体１１を分割して互いに螺合一体化され る、本体基部１１Ａと本体先端部１１Ｂの合面内に設けられている。ガス抜き通 路１２の出口部は、本体基部１１Ａと本体先端部１１Ｂの螺合部１１Ｃから外部 に連通する。このとき、螺合部１１Ｃには、ねじ山に直交するガス抜き溝を設け てもよい。

【００２１】 尚、ガス抜き通路１２は、ノズル本体１１を多孔質金属体等、樹脂の流出は阻 止し、ガスの通過は許容する微細な孔を備えた材料にて構成されるものであって もよい。

【００２２】 また、ガス抜き通路１２は、ノズル１０の円周方向に均等の間隔を介して設け られる。

【００２３】 また、ガス抜き通路１２が開口するノズル本体１１内の樹脂通路１３は、ノズ ル奥側からノズル出口側に向けて徐々に拡径される（φＢ＞φＡ）。

【００２４】 また、ノズル本体１１の外周部に設けられるヒータ１５は、ガス抜き通路１２ を塞ぐことのない位置に設置されなければならない。

【００２５】 次に、本実施例の作用について説明する。

【００２６】 ノズル１０にてガスを除去でき、金型にガス抜き孔を設ける必要がなく、１ 本のノズル１０で金型交換される全ての金型への射出樹脂中のガスを除去できる 。また、成形品の肉厚内に存在することになるかもしれないガスを、予めノズル １０にて除去できる。

【００２７】 従って、ガスによる外観不良等を防止できる。これにより、射出速度の上昇に よる剪断発熱が増加しても、ガスによる外観不良等が発生しにくくなり、サイク ルタイムを短縮できる。

【００２８】 そして、本考案を、金型に設けたガス抜き孔と併用するものとすれば、ガス抜 き効果はさらに向上することとなる。

【００２９】 ガス抜き通路１２をノズル本体１１におけるブレーカ１４の直後に設けるこ とにより、最も大きな剪断を受けるブレーカ１４の直後で、発生する分解ガスを 効果的に除去できる。

【００３０】 ガス抜き通路１２をノズル本体１１を分割した本体基部１１Ａと本体先端部 １１Ｂの合面内に設けることにより、ガス抜き通路１２はそれら合面の一方又は 両方に溝加工することにて、穿設孔に比して容易に微細な加工を施すことができ る。

【００３１】 ガス抜き通路１２をノズル円周方向に均等の間隔を介して設けることにより 、ノズル本体１１の樹脂通路１３内の全域から、ガスを効果的に除去できる。

【００３２】 ガス抜き通路１２が開口するノズル本体１１内の樹脂通路１３がノズル１０ 奥側からノズル出口側に向けて徐々に拡径されてなるものとすることにより、金 型から製品が離型するときに、ノズル内の樹脂も製品と一緒に排出され易くなる 。これにより、ノズル本体１１内の樹脂通路１３内面に樹脂が滞留し、ガス抜き 通路１２を塞ぐことを確実に防止できる。

【００３３】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、樹脂の剪断発熱による分解ガス或いは配合剤中 の気化ガスを確実且つ容易に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例を示す模式図である。

【符号の説明】 １０ 射出成形機用ノズル １１ ノズル本体 １１Ａ 本体基部 １１Ｂ 本体先端部 １２ ガス抜き通路 １３ 樹脂通路 １４ ブレーカ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ノズル本体内の樹脂通路を外部に連通
   し、樹脂の流出は阻止し、ガスの通過は許容するガス抜
   き通路を、ノズル本体に備えた射出成形機用ノズル。