JPH0573968U - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JPH0573968U
JPH0573968U JP2232492U JP2232492U JPH0573968U JP H0573968 U JPH0573968 U JP H0573968U JP 2232492 U JP2232492 U JP 2232492U JP 2232492 U JP2232492 U JP 2232492U JP H0573968 U JPH0573968 U JP H0573968U
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diaphragm
pressure
sensor
pressure sensor
outer periphery
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亜紀 田畑
夏志 鈴木
朝岳 鈴木
康彦 畠
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 少ない構成部品、容易な製造構成で、ドリフ
トの発生を阻止できる圧力センサを提供する。 【構成】 ダイヤフラム1と、ダイヤフラム1の受圧面
1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ
ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1
〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2
と、一端面3aはダイヤフラム1の外周を支持し、中間
部外周3cには31を備え、他端部3bには受圧面1a
に至る圧力導入孔33と外周の螺状部32とを備え支持
部材3とからなるセンサモジュールMを含んでなる圧力
センサにおいて、抵抗パターンR1〜R4は、偶数個に
分割され、各分割抵抗パターン対は、ダイヤフラム中心
に対して約90°回転した位置に配置され、かつ、本来
所属していた抵抗パターンR1〜R4毎に、各分割抵抗
パターンは直列接続されてなる構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、流体の圧力変化を電気信号に変換する圧力センサに係わり、殊に、 センサ部と支持部材とが一体化(以下、モジュール化とする)され、該支持部材 を回すことにより、該支持部材の外周螺子を圧力密封材壁(以下、ブロックとす る)の螺子孔に締め付け、これにより、該圧力センサを該ブロックに装着する形 式の該圧力センサに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、ダイヤフラム、センサ部及び外周螺子付き支持部材等がモジュール化さ れた(以下、センサモジュールと呼ぶ)圧力センサを、図18の代表的圧力セン サの例を参照し、説明する。 【0003】 同図において、筒状ケース81はアンプ82、トリマ83、貫通コンデンサ8 4及び配線等を内蔵している。筒状ケース81の一端からは図示しない外部処理 回路に接続されるハーネス86がグロメット85を介して取り出されている。ま た他端にはセンサモジュールMが内嵌されている。貫通コンデンサ84は、ハー ネス86の数だけあり、各々は、嵌筒状ケース81で支持された金属プレート8 7で支持され、かつ、各ハーネス86を内嵌することにより、各ハーネス86か らの交流成分を金属プレート87を介して外部へ逃がし、これにより、該圧力セ ンサの出力を交流成分なる外乱から保護している。 【0004】 センサモジュールMを図14を参照して説明する。同図は、上述した図18の 圧力センサからセンサモジュールMだけを取り出した図である。センサモジュー ルMは、受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生するダイヤフラム1と、該ダイ ヤフラム1の前記受圧面1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1〜R4で形成した図示し ないブリッジパターンでなるセンサ部2と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の 外周を支持し、中間部外周3cには螺子締めつけ部31を備え、他端部3bには 前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の螺状部32とを備えてなる支持部 材3とからなっている。 【0005】 このセンサモジュールMは、前述のとおり、ダイヤフラム1、センサ部2及び 外周螺子32付き支持部材3をモジュール化した構成が基本となっているが、本 例のセンサモジュールMでは、さらに次の付加構成がなされている。これを図1 9も参照して説明する。 【0006】 本例のセンサモジュールMは、前述した内蔵回路への電気的結合がボンディン グワイヤ88でなされる形式であるが、センサ部2への結合上、該ボンディング ワイヤ88は細くならざるを得ず、かかるボンディングワイヤ88を前記内蔵回 路に直接結合することは、製造上また信頼上、好ましくない。そこで、センサ部 2と内蔵回路との間に端子台89を別途設け、センサ部2から端子台89へは前 記ボンディングワイヤ88で、他方端子台89から内蔵回路へは端子棒90で結 合されている。さらにセンサ部2、ボンディングワイヤ88及び端子台89の周 辺の耐震性を向上させ、かつ、該センサ部2への湿気や不純物等の付着を防ぐた め、これらの回りをリング91で囲み、内部をポッティング92し、さらにアダ プタ93で囲み、内部をモールド94している(以上の工程を図19に示す)。 【0007】 従って、本例のセンサモジュールMは、これらが付加された構成となっている 。他の従来例にしても、付加内容が如何様であれ、本例の結線構成に見られるよ うに、支持部材、その他において、適宜各種の付加構成がなされているのが実情 である。 【0008】 即ち、上記従来例の圧力センサは、再度図14を参照して説明すれば、支持部 材3を回すことにより、該支持部材3の外周螺子31をブロック7の螺子孔に締 め付けて、ブロック7に装着する構成となっている。尚、同図において、符号8 は圧力流体を示す。 【0009】 【考案が解決しようとする課題】 ところで、かかるセンサモジュール形の圧力センサは、上記従来例は勿論のこ と、溶接等でモジュール化した他の従来の圧力センサにおいても、装着箇所へ螺 子32を締め付け、螺子締め付け部31の座面とブロック7とが接触した状態で 、螺子締め付け部31の座面に締め付けトルクによる応力が発生してダイヤフラ ム1に伝わる。 【0010】 この応力が、螺子締め付け31の座面とブロック7との片当たりのために、同 一の圧力センサを取り付け箇所を変えただけでも、また同一締め付けトルクで、 同一の圧力センサを同一の装着箇所へ取り付けても、取り付けの度に、圧力セン サの出力がドリフトし、ばらつくという問題がある。また締め付けトルクそのも のでも、圧力センサの出力にドリフトが生じ、高検出精度を阻害しているという 不都合がある。 【0011】 このドリフトを抑えるには、上記従来例のような結線構成やその他の支持部材 構成等において、付加構成がなされる訳だが、それでも問題の根本的解決に至っ ていないのが実情である。寧ろ、かかる付加構成により、該圧力センサの構成部 品が増加したりして、不良原因が増えたり、製造コストが高くなる等の新たな問 題が発生してしまっていた。 【0012】 本考案は、上記従来技術の問題点に鑑み、ダイヤフラム、センサ部及び外周螺 子付き支持部材の基本要素だけを一体化(モジュール化)し、即ち、少ない構成 部品、かつ、容易な製造構成でありながら、ドリフトの発生を阻止できる圧力セ ンサを提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本考案に係わり圧力センサは次のとおり構成した。 先ず、本考案のそれぞれに含まれ、かつ、基本となるセンサモジュールを、図7 を参照し、説明する。同図に示すように、センサモジュールMは、受圧面1aに 圧力pを受けて応力を発生するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧 面1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッション位置Cとに設けた それぞれ2個の抵抗パターンR1〜R4で形成したブリッジパターンでなるセン サ部2と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の外周を支持し、中間部外周3cに は螺子締めつけ部31を備え、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔 33と外周の螺状部32とを備えてなる支持部材3からなっている。 【0014】 即ち、第1考案は、上記センサモジュールMの抵抗パターンR1〜R4は、 それぞれ対となるように偶数個に分割されると共に、各分割抵抗パターン対は、 ダイヤフラム中心に対して約90°回転した位置に配置され、かつ、本来所属し ていた抵抗パターンR1〜R4毎に、各分割抵抗パターンは直列接続されてなる 構成とした。 【0015】 さらに、上記第1考案において、少なくとも1個の抵抗パターンは、ダイヤフ ラム中心に対して約180°又は約360°の円周角の範囲で円弧状に連続して 配置されてなる構成としてもよく、これを第2考案とした。 【0016】 そして、上記センサモジュールMにおける総ての抵抗パターンR1〜R4は、 それぞれダイヤフラム中心に対して約180°又は約360°の円周角の範囲で 円弧状に連続して配置されてなる構成としてもよく、これを第3考案とした。 【0017】 さらに、上記第1考案、第2考案又は第3考案において、少なくとも1個の抵 抗パターンは、ダイヤフラム中心に対して約90°回転させた位置となるように 、約90°に折り曲げてなる構成としてもよく、これを第4考案とした。 【0018】 そして、上記センサモジュールMにおける総ての抵抗パターンR1〜R4は、 それぞれダイヤフラム中心に対して約90°回転させた位置となるように、約9 0°に折り曲げてなる構成としてもよく、これを第5考案とした。 【0019】 第6考案は、上記センサモジュールMにおける支持部材3は、その螺子締めつ け部31のダイヤフラム側端面から該ダイヤフラム1までの間における最大応力 集中部位Pの外径Dと、該最大応力集中部位Pから該ダイヤフラム1までの距離 Lとの比において、D:L=3:1〜D:L=3:2の範囲内の筒状部3dを備 えた構成とした。 【0020】 尚、上記第6考案において、最大応力集中部位PはアールRを備える構成が好 ましく、これを第7考案とした。 【0021】 第8考案は、上記センサモジュールMにおけるセンサ部2から回路基板4、該 回路基板4から外部ハーネス5等への該圧力センサ内蔵の配線6には、所謂FP Cなるフレキシブル基板を用いて構成した。 【0022】 【作用】 上記考案の各構成の作用を説明するに際し、その理解を助けるため、以下、螺 子締め付け部31の座面の片当たりによるドリフトと、ばらつき及び締め付けト ルクそのものによるドリフトとについて、その発生メカニズム等を図12〜図1 7の試験結果を参照しつつ説明する。 【0023】 かかるセンサモジュール形の圧力センサは、ブロック7に取り付けると、螺子 孔や座面の加工精度により、また異物の介在等により、座面はブロック7に片当 たりし、円周方向で不均一な応力が発生する。この片当たりは非常に微妙なもの なので、既述のとおり、取り付け位置を変えたり、たとえ同一締め付けトルク、 同一圧力センサ、かつ、同一ブロック螺子孔であっても、位置や不均一の度合い がずれ、そのために圧力センサに出力のドリフトやばらつきを発生させていた。 【0024】 そこで本出願人は、先ず、片当たりの位置を故意に変えた試験を行ってみた。 即ち、同一締め付けトルク、同一圧力センサ、かつ、同一ブロック螺子孔におい て、複数個の圧力センサを順に取り付け、各ドリフト量を測定した。その結果、 図12に示す通り、圧力センサが最終的に停止した方向、即ち片当たりの位置に よって各ドリフト量が異なり、しかも、同図の特性グラフに示す通り、各ドリ フト量が180°の周期をなすことを見出した。尚、同図において、横軸はダイ ヤフラム中心を時計の中心とした時計目盛り〔時〕を示し、従って、12時が3 60°に相当し、他方縦軸はドリフト量〔%FS〕を示す。 【0025】 そこで境界要素法により、該圧力センサのセンサ部2におけるテンション位置 Tの抵抗パターンR2、R4及びコンプレッション位置Cの抵抗パターンR1、 R3でのドリフト量の分布を解析して見たところ、図13に示すように、図12 同様、ドリフト量に相当する応力分布が180°の周期をなしていることが確認 された。尚、同図の横軸は、ダイヤフラム中心を中心として、0°の片当たり位 置からの回転方向〔°〕を示し、縦軸はドリフト量なる応力を示す。特性グラフ の各記号◆はコンプレッション位置Cの抵抗パターンR1、R3を示し、特性 グラフの各記号◇はテンション位置Tの抵抗パターンR2、R4を示す。 【0026】 即ち、片当たりによるドリフト量は180°の周期を備えているため、各々の 抵抗パターンR1〜R4を、各々対となる偶数個に分割し、例えば、R1をR11 とR12、R2をR21とR22、R3をR31とR32、R4をR41とR42に各2分割し 、R11とR12、R21とR22、R31とR32、R41とR42を、ダイヤフラム中心に対 して90°回して配置し、かつこれらを直列接続しておけば、各分割抵抗パター ンのドリフトは相殺されることになる(これが、第1考案の基本概念となってい る)。 【0027】 他方、分割することなく総ての抵抗パターンR1〜R4をテンション位置T及 びコンプレッション位置Cでダイヤフラム中心に対して180°の円弧状に連続 パターン化しても、当該ドリフトは総て相殺されることになる(これが、第3考 案の基本概念となっている)。 【0028】 さらに分割することなく、また、円弧状にすることなく、ダイヤフラム中心に 対して90°回した配置となるように、90°に折り曲げた形状に配置しても、 当該ドリフトは総て相殺されることになる(これが、第5考案の基本概念となっ ている)。そして、第1考案と第3考案とを組み合わせたのが第2考案であり、 第5考案に第1考案又は/及び第3考案を組み合わせたのが第4考案である。 【0029】 上述のとおり、座面の片当たりによるドリフトの相殺手段は明らかになったが 、他のドリフト発生原因を解決することも重要である(これが第6考案〜第8考 案の基本思想となっている)。 【0030】 そこで本出願人は、次に、締め付けトルクによるドリフト発生を試験してみた 。図14のセンサモジュールMを所定のトルクでブロック7に納め付けると、既 述したとおり、該締め付けトルクにより、ダイヤフラム上の応力に分布が発生し 、ドリフトが発生する。この応力の伝わり方を、境界要素法による解析結果であ る図15に示す。同図(a)はダイヤフラムの片側断面図、(b)は前記(a) の位置に対応する位置における同解析による特性グラフである。 【0031】 センサモジュール式の圧力センサをブロック7に装着すると、該締め付けトル クによって座面の応力は必然的に発生するので、先に述べた片当たりがなくとも 締め付けトルクによって圧力センサの出力がドリフトするという問題があった。 【0032】 ドリフト量は、締め付けトルクに比例している(図16参照)。実験や境界要 素法による解析を行ってその原因を調べたところ、締め付けトルクによってセン サモジュールの座面に発生した応力がダイヤフラムに伝わった際、その応力がダ イヤフラム上で半径方向に分布を持っている。つまり、テンション位置Tとコン プレッション位置Cとに発生している応力に差が生じているためであると分かっ た(図15の特性グラフP1、P2参照)。 【0033】 これを計算式で説明する。圧力センサのブリッジ出力Vout は、「Vout ={ R3/(R3+R4)−R2/(R1+R2)}×Vin」で表される。ここでR 1=R2=R3=R4=Rとすると、無負荷時は、Vout =0である。締め付け によって、各ゲージに応力が発生すると、出力Vd は、「Vd ={(ΔRc−Δ Rt)/(2R+ΔRc+ΔRt)}×Vin」の式となる。尚、ここでΔRcは コンプレッション位置Cのゲージ(抵抗パターン)R1、R3に生ずる応力、Δ Rtはテンション位置Tのゲージ(抵抗パターン)R2、R4に生ずる応力であ る。 【0034】 ここでコンプレッション位置Cの応力ΔRcと、テンション位置Tの応力ΔR tとが等しければ(ΔRc=ΔRt)、Vd =0=Vout となる。即ち、出力は 変化しない。しかし、実際は、既述したように、無負荷にもかかわず圧力が加わ った場合と同様に、ΔRcとΔRtとには差(応力差)が生じ(即ち、Vd ≠0 )、この差に応じたドリフトが生ずることになる。 【0035】 この応力差が大きい程、締め付けトルクの影響が大きく、図15及び図16の 特性グラフP4の応力差σ1及び特性グラフP5の応力差σ2に示すとおり、応 力差の大きいσ1の方が、締め付けトルクに対するドリフト量の傾きが大きくな っている。以上を解決するためには、ダイヤフラムになるべく応力を伝えない構 造とするか、又は/及び、前述の応力差を低減する構造とが考えられる。以上を 参酌した構成が、第6考案及び第7考案となっている。 【0036】 第6考案を、さらに図17の具体的試験結果で説明する。支持部材3の螺子締 めつけ部31のダイヤフラム側端面から該ダイヤフラム1までの間には、段付き 構成などにより、最大応力集中部位Pが備わっているのが普通である。そこで、 この最大応力集中部位Pの外径Dと、該最大応力集中部位Pから該ダイヤフラム 1までの距離Lとの比(D:L)や該応力集中部位Pを各種変更し、ダイヤフラ ム上の応力分布を調べた。 【0037】 図17の各種特性グラフを見ると、例えば、同じ形状aで前記Lを一定とし、 前記Dを小さくすると、形状a1から形状a2に分布が変化する。また応力集中 部位Pやその形状を変化させると、テンション応力(同図の特性グラフP6)に なったり、コンプレッション応力(同図の特性グラフP8、P9)になったりす る。 【0038】 締め付けトルクの大きさはさて置き、前述したとおり、応力Vd を零(Vd = 0)にはできないまでも、コンプレッション位置Cとテンション位置Tとの応力 差が小さい程、ドリフト量も小さくなるのであるから、これら解析と実験との結 果で得られたところのこれに相当する特性グラフP7となる構成をもって、第6 考案としたものである。 【0039】 尚、該特性グラフP7は図15(b)の特性グラフP3に相当し、これら最適 特性グラフP7(又はP3)を充足する構成としては、第6考案なる、支持部材 3に備えた筒状部材3dが、螺子締めつけ部31のダイヤフラム側端面から該ダ イヤフラム1までの間における最大応力集中部位Pの外径Dと、該最大応力集中 部位Pから該ダイヤフラム1までの距離Lとの比において、D:L=3:1〜D :L=3:2がある。 【0040】 第7考案は、第6考案を基礎としたものであるが、ダイヤフラム1に座面の応 力が伝わり難くするために設けた座面とダイヤフラム1との間の最大応力集中部 位とは言っても、所謂切削加工による鋭利な応力集中部であることは全く好まし くない。 【0041】 これは、かかる応力集中部位では、図17の特性グラフP6に示すような応力 分布となり、却って逆方向のドリフトが発生してしまう。そこで最大応力集中部 位Pは、加工時に丸み切削することにより、応力を小さくすると共に、図17の 特性グラフP6のテンション位置Tとコンプレッション位置Cとの応力差を緩和 しようとしたものである。 【0042】 第8考案は、ドリフト阻止とは直接関係しない。但し、本考案の目的に含まれ るところの、もっともダイヤフラム、センサ部及び外周螺子付き支持部材の基本 要素だけを一体化(モジュール化)し、即ち、少ない構成部品、かつ、容易な製 造構成の圧力センサを提供することにある。 【0043】 【実施例】 本考案の好適な実施例を図1〜図11を参照して以下説明する。先ず図7を参 照し、本考案の各々に含まれ、かつ、基本となるセンサモジュールを説明する。 同図に示すように、センサモジュールMは、受圧面1aに圧力pを受けて応力を 発生するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面1aの反対側面1b のテンション位置Tとコンプレッション位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パ ターンR1〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2と、一端面3a は前記ダイヤフラム1の外周を支持し、中間部外周3cには螺子締めつけ部31 を備え、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の螺状部3 2とを備えてなる支持部材3とからなっている。 【0044】 第1考案の第1実施例は、図1及び図2に示す構成となっている。図1はセン サ部2の正面図であり、破線円は裏側の受圧面1aを示す。この破線円の中心部 位がテンション位置Tであり、破線円の外縁部位がコンプレッション位置Cであ り、図示するように、抵抗R1〜R4、抵抗間結線C1〜C4及び電極E1〜E 6はパターニングされて形成される。このパターニングは、各薄膜を接着剤で貼 付した形式、不純物をドーピングした形式、また、蒸着したのちリソグラフィし た形式等、各種ある。 【0045】 図2は、上記抵抗パターンR1〜R4、抵抗間結線パターンC1〜C4及び電 極パターンE1〜E6を結線状態を示す図であり、ブリッジ回路を形成している 。該ブリッジ回路の説明は、これを省略し、実施例の核論についてのみ以下説明 する。 【0046】 本実施例では、抵抗R1〜R4は、R1はR11とR12、R2はR21とR22、R 3はR31とR32、R4はR41とR42とそれぞれ2分割のパターニングがなされて いる。そして例えば分割抵抗パターンR11、R12はダイヤフラム中心で互いに9 0°回転した位置に配置され、かつ、抵抗間結線パターンC1により直列接続さ れている。これは他の分割抵抗(R21とR22、R31とR32、R41とR42)間でも 同様である。 【0047】 このように構成することにより、作用の欄で既述のとおり、該圧力センサは、 少なくとも座面の片当たりによるドリフトについては、各々の相反ドリフトによ って相殺することができるようになる。 【0048】 他の実施例として、各抵抗パターンの分割数は、上記第1実施例のように2分 割にする必要はなく、対となる偶数個であれば適宜自在である。 【0049】 第2考案の第1実施例は、図3及び図4に示す構成となっている。図3は前述 図1に対応し、図4は前述図2に対応する。即ち、実施例は、コンプレッション 位置Cの抵抗パターンR1、R3の位置及び結線は、上記第1考案の構成のまま としたが、テンション位置Tの抵抗パターンR2、R3は、ダイヤフラム中心に 180°の円周角の範囲に連続して配置した。 【0050】 このようにすることにより、抵抗パターンR1、R3は、第1実施例で示した ように、各分割抵抗パターンR11とR12、R31とR32 間でドリフトが相殺され 、他方抵抗パターンR2、R4はドリフトの1周期分に相当する180°に渡る パターニングであるため、当該ドリフトが自己相殺される形となる。従って、第 1考案なる上記第1実施例と同様、該圧力センサは、少なくとも座面の片当たり による全ドリフトは解消される。 【0051】 他の実施例としては、1周期分相当の180°に渡るパターニングは、上記第 1実施例のように、テンション位置Tの抵抗パターンR2、R4に限る必要はな く、テンション位置Tの何れかの抵抗パターンR2又はR4及びコンプレッショ ン位置Cの何れかの抵抗パターンR1又はR3に対して行ってもよく、また18 0°は360°であっても同様の効果を奏することができる。 【0052】 尚、総ての抵抗パターンR1〜R4に対して1周期分相当の180°に渡るパ ターニングを施したものが、第3考案である(従って、第3考案の実施例につい てはくどくは説明しない)。 【0053】 第4考案の第1実施例は、図5及び図6に示す構成となっている。図5は前述 図1及び図3に対応し、図6は図5の部分拡大図である。即ち、実施例は、コン プレッション位置Cの抵抗パターンR1、R3の位置及び結線C1、C3は、上 記第1考案の構成のままとしたが、テンション位置Tの抵抗パターンR2、R4 はそれぞれダイヤフラム中心に対して約90°回転させた位置となるように、そ れぞれ約90°に折り曲げて構成してある。 【0054】 図6を参照して、ドリフトの相殺状態を説明する。先ず同図(a)の抵抗パタ ーンR1は、第1考案に従ってR11とR12とに2分割されており、しかも、同図 に示すように、各々はさらに、R11はa1、b1、c1、d1、e1に、他方R 12はa2、b2、c2、d2、e2に順次直角に折り曲げた直線で構成されてい る。 【0055】 ここで抵抗パターンR1は、第1考案に従って、R11とR12はもとより、a1 とa2、b1とb2、c1とc2、d1とd2、e1とe2もダイヤフラム中心 に対して90°回転した構成となっているので、a1とa2、b1とb2、c1 とc2、d1とd2、e1とe2の対でドリフトが相殺されている。これは、抵 抗パターンR3においても同様である。 【0056】 次に同図(b)の抵抗パターンR2は、微細抵抗パターンf1、g1、h1、 i1と、ダイヤフラム中心に対して90°回した位置に、前記微細抵抗パターン f1、g1、h1、i1に対応する微細抵抗パターンf2、g2、h2、i2が 備えられているため、f1とf2、g1とg2、h1とh2、i1とi2の対で ドリフトが相殺されている。これは、抵抗パターンR4においても同様である。 従って、該圧力センサは、少なくとも座面の片当たりによる全ドリフトは解消さ れる。 【0057】 その他実施例として、抵抗パターンR2、R4の折り曲げ回数は自在である。 また、上記実施例におけるコンプレッション位置Cの抵抗パターンR1、R3の 位置及び結線を第1考案の形式とするのではなく、第3考案の形式としてもよい ことは自明である。尚、特殊な例として、上記実施例の抵抗パターンR2、R4 の形式を、コンプレッション位置Cの抵抗パターンR1、R3にも適用すれば、 即ち、総ての抵抗パターンR1〜R4を上記実施例の抵抗パターンR2、R4の 形式にすると、第5考案となることも自明であり、その説明は省略する。 【0058】 尚、上記第1考案〜第5考案における片当たりによる全ドリフトの解消状況を 図12の記号▲に示しておく。同図の従来技術である記号○の特性グラフが解 消されているのがよく判る。 【0059】 また上記実施例において、90°、180°又360°は、これまでの説明上 、厳格な角度範囲の如く記載しているが、抑制しようとするドリフト量、該セン サの構造上の差、抵抗のパターニング位置等により、実際上は制約が生ずる。従 って、約90°、約180°又は約360°と考える必要があり、例えばこの「 約」は±5〜±10の角度範囲でも許容されるべきである。 【0060】 第6考案の第1実施例を図7に示す。同図のセンサモジュールMにおける支持 部材3の最大応力集中部位Pは、筒状部3dのダイヤフラム側への起点に相当す る。この最大応力集中部位Pの実際外径Dは12mmであり、筒状部3dの実際 長さLは6mmであり、D:L=2:1であるため、D:L=3:1〜D:L= 3:2を満足している。 【0061】 この比の範囲(D:L=3:1から3:2)の決定については作用の欄で述べ ているのでくどくは説明しない。要は、この比(D:L)が前記範囲内にあれば 、少なくとも締め付けトルクによるドリフトの発生を抑制することができる。 【0062】 第7考案の実施例は、図8に示すとおり、上記第6考案の最大応力集中部位P にアールRを付けたものである。上記実際寸法の実施例では、0.3mmのアー ルRを切削加工時付与したものである。これにより、締め付けトルクによるドリ フトの発生をより確実に抑制することができる。 【0063】 第8考案の実施例は、図9〜図11を参照して説明する。図9は実施例なる圧 力センサの全体縦断面図である。同図において、筒状ケース81はアンプ82、 トリマ83、貫通コンデンサ84及び配線等を内蔵している。筒状ケース81の 一端からは図示しない外部処理回路に接続されるハーネス5がグロメット85を 介して取り出されている。また他端にはセンサモジュールMが内嵌されている。 貫通コンデンサ84は、従来技術の欄で説明した役割のとおりである。 【0064】 ここでセンサモジュールMの内蔵回路への電気的結合は、図10及び図11に 示すように、FPCなるフレキシブル基板6がセンサ部2の電極Enに直接半田 付け61され、そして湿気や不純物等の付着を防ぐためのモールド9がなされた だけの構成となっている。 【0065】 他の実施例としては、このフレキシブル基板6はセンサ部2だけに用いる必要 はなく、図7に示すような増幅回路82、83と貫通コンデンサ84との間、他 の回路素子間等の結線に使用したり、図11の点線枠に示すようなキャップを該 フレキシブル基板6に被せてモールド9したりするのもよい。 【0066】 即ち、上記実施例によれば、従来技術のボンディングワイヤ88による電気的 結合形式でなく、フレキシブル基板6による電気的結合形式としたため、従来技 術のように、耐震性を考慮して端子台89を別途設ける必要がなくなる。即ち、 ダイヤフラム1、センサ部2及び外周螺子付き支持部材3というもっとも簡素な センサモジュール、従って構成部品が少なく、かつ、製造が容易な構成のセンサ モジュールを提供することができるようになる。 【0067】 【考案の効果】 以上説明したように、センサ部と支持部材とがモジュール化され、該支持部材 を回すことにより、該支持部材の外周螺子をブロックの螺子孔に締め付け、これ により、該圧力センサをブロックに装着する形式の圧力センサであって本考案に 係わる圧力センサによれば、次の効果を奏するようになる。 【0068】 (1)第1考案〜第5考案の圧力センサによれば、少なくとも座面の片当たりに よって生ずる該圧力センサのドリフトを解消することが可能となる。 【0069】 (2)第6考案及び第7考案の圧力センサによれば、少なくとも締め付けトルク によって生ずる該圧力センサのドリフトを解消することが可能となる。 【0070】 (3)第8考案の圧力センサによれば、もっとも簡素なセンサモジュール、即ち 、少部品で製造が容易なセンサモジュールを提供することができるようになる。 【0071】 即ち、これら考案を独立に又は組み合わせて圧力センサを構成することにより 、上記効果を適宜包活することができるようになる。 【提出日】平成5年4月15日 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、流体の圧力変化を電気信号に変換する圧力センサに係わり、殊に、 センサ部と支持部材とが一体化(以下、モジュール化という)され、該支持部材 を回すことにより、該支持部材の外周螺子を圧力密封材壁(以下、ブロックと )の螺子孔に螺子込み締め付けることにより、圧力センサをブロックに装着す る形式の圧力センサに関する。 【0002】 【従来の技術】 ダイヤフラム、センサ部及び外周螺子付き支持部材等がモジュール化された( 以下、センサモジュールという従来の圧力センサを、図18の代表的圧力セン サの例を参照し説明する。 【0003】 同図において、筒状ケース81はアンプ82、トリマ83、貫通コンデンサ8 4配線等を内蔵している。該ぼお筒状ケース81の一端からは図示しない外部 処理回路に接続されるハーネス86がグロメット85を介して一端から 取り出さ れている。また、その他端にはセンサモジュールMが内嵌されている。貫通コン デンサ84は、ハーネス86の数だけ筒状ケース81に内蔵されており、その各 々は筒状ケース81の内部に固設された金属プレート87により支持されてい る。そして、 各ハーネス86を貫通コンデンサ84に内嵌させることにより、各 ハーネス86からの交流成分を金属プレート87を介して外部へ逃がし、これに より、該圧力センサの出力を交流成分なる外乱から保護している。 【0004】 前記センサモジュールMは、ダイヤフラム1、センサ部2及び外周に螺子32 を持つ支持部材3をモジュール化した構成が基本となっている(図14参照)。 【0005】 図示例によるセンサモジュールMは、図18に示すとおり、内蔵回路への電気 的結合がボンディングワイヤ92でなされる形式のものであるが、センサ部2へ の結合上、該ボンディングワイヤ92は細くならざるを得ず、かかるボンディン グワイヤ92を前記内蔵回路に直接結合することは、製造上及び信頼上から好ま しくない。そこで、センサ部2と内蔵回路との間に端子台89を別途設け、セン サ部2から端子台89へは前記ボンディングワイヤ92で、他方端子台89から 内蔵回路へは端子棒90で結合されている。さらにセンサ部2、ボンディングワ イヤ92及び端子台89の周辺の耐震性を向上させ、かつ、該センサ部2への湿 気や不純物等の付着を防ぐため、これらの回りをリング91で囲み、内部をポッ ティング92し、さらにアダプタ93で囲み、内部をモールド94している(以 上の工程を図1に示す)。 【0006】 こうして全体が一体化された圧力セエサは、そのセンサモジュールMの支持部 材3を回すことにより、同支持部材3の外周螺子31をブロック7に装着する構 成となっている(図14参照)。尚、図14において、符号8は圧力流体を示す 。 【0007】 次に、上記 センサモジュールMを図14を参照して説明する。同図は、上述し た図18に示す圧力センサからセンサモジュールMだけを取り出す縦断面図であ る。 【0008】 センサモジュールMは、受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生するダイヤフ ラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面1aの反対側表面1bのテンション位 置Tとコンプレッション位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1〜R 4を連結した図示しないブリッジパターンからなるセンサ部2と、一端面3a 前記ダイヤフラム1の外周を一体的に支持し、中間部外周3c螺子締めつけ 部31を有し、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の螺 状部32とを備えてなる支持部材3とから構成されている。 【0009】 【考案が解決しようとする課題】 ところで、かかるセンサモジュール形の圧力センサは、上記従来例は勿論のこ と、溶接等でモジュール化した他の従来の圧力センサにおいても、装着箇所へ 持部材3の外周 螺子32を螺子込んで締め付けると、螺子締め付け部31の座面 とブロック7とが接触した状態で、螺子締め付け部31の座面に締め付けトルク による応力が発生してダイヤフラム1に伝わる。 【0010】 この応力が、螺子締め付け部31の座面とブロック7との片当たりのために、例えば 同一の圧力センサ取り付け箇所を変えただけでも、また同一締め付けト ルクで同一の圧力センサを同一の装着箇所へ取り付けても、取り付けの度に、圧 力センサの出力がドリフトし、ばらつくという問題がある。また締め付けトルク そのものによっても、圧力センサの出力にドリフトが生じ、高検出精度を阻害し ているという不都合がある。 【0011】 このドリフトを抑えるには、上記のような結線構成やその他の支持部材構成等 付加構成が採用される訳であるが、それにもかかわらず問題の根本的解決に至 っていないのが実情である。寧ろ、かかる付加構成により、該圧力センサの構成 部品が増加したりして不良原因が増えたり、製造コストが高くなる等の新たな問 題が発生してしまっていた。 【0012】 本考案は、上記従来技術の問題点に鑑み、ダイヤフラム、センサ部及び外周螺 子付き支持部材の基本要素だけを一体化(モジュール化)した構成でありながら 、他の部品を増やしたり、製造工程を複雑化することなく、前記構成に特有の ド リフトの発生を阻止できる圧力センサを提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本考案に係わり圧力センサは次のとおり構成した。 先ず、本考案のそれぞれに含まれ、かつ、基本となるセンサモジュール構造を、 図7を参照し説明する。 【0014】 同図に示すように、本考案のセンサモジュールMの基本構造は、受圧面1aに 圧力pを受けて応力を発生するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧 面1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッション位置Cとに設け たそれぞれ2個の抵抗パターンR1〜R4で形成したブリッジパターンからなる センサ部2と、一端面3a前記ダイヤフラム1の外周を一体的に支持し、中間 部外周3cに螺子締めつけ部31を有し、他端部3bには前記受圧面1aに至 る圧力導入孔33と外周の螺状部32とを有した支持部材3とが一体とされてい る。 【0015】 そして第1考案は、上記センサモジュールMの抵抗パターンR1〜R4は 、それぞれをなす偶数個に分割されると共に、それぞれの分割抵抗パターン 対は互いに同一パターンを有しており、各分割パターン対がダイヤフラム中心に 対して約90°回転した位置に配置され、かつ、本来所属していた抵抗パターン R1〜R4毎に、各分割抵抗パターン対が直列接続されてなる構成とした。 【0016】 さらに、上記第1考案において、4個の抵抗パターンR1〜R4のうち少なく とも1個の抵抗パターンは、ダイヤフラム中心に対して約180°又は約360 °の円周角の範囲で円弧状に連続して配置されてなる構成としてもよく、これを 第2考案とした。 【0017】 そして、上記第1考案又は第2考案において、総ての抵抗パターンR1〜R4 のうち 少なくとも1個の抵抗パターンは、ダイヤフラム中心に対して約90° 範囲に連続して配置され、同時に同角度の範囲内で全体を略直角に折り曲げた鉤 型形状 としてもよく、これを第考案とした。 【0018】 そして、上記センサモジュールMにおける総ての抵抗パターンR1〜R4は、 それぞれダイヤフラム中心に対して約90°の範囲に連続して配置され、同時に 同角度の範囲内で全体を略直角に折り曲げた鉤型形状 としてもよく、これを第 考案とした。 【0019】 第考案は、上記センサモジュールMにおける支持部材3、その螺子締めつ け部31のダイヤフラム側端面から該ダイヤフラム1までの間における最大応力 集中部位Pの外径Dと、該最大応力集中部位Pから該ダイヤフラム1までの距離 Lとの比D:L=3:1〜3:2の範囲内の筒状部3dを有してなる構成とし た。 【0020】 尚、上記第考案において、最大応力集中部位Pの段部に曲率をもたせる構成 とすること が好ましく、これを第考案とした。 【0021】 第考案は、上記センサモジュールMにおけるセンサ部2から回路基板4、該 回路基板4から外部ハーネス5等への該圧力センサ内蔵の配線には、所謂FPC なるフレキシブル基板を用いて構成した。 【0022】 【作用】 本考案者等は上記構成を決定するに当たり多様な検討と実験を重ねた。先ず、 螺子締め付け部31の座面の片当たりによるドリフトと、ばらつき及び締め付け トルクそのものによるドリフトとについて、その発生メカニズム等を探究した。 図12〜図17はその試験結果を示すものであり、以下、これらの図を参照しつ つ前記ドリフトの発生メカニズム等について説明する。 【0023】 上述のごときセンサモジュール形の圧力センサブロック7に取り付けると、 螺子孔や座面の加工精度により、また異物の介在等により、座面はブロック7に 片当たりし、円周方向で不均一な応力発生させる。この片当たりは非常に微妙 なものなので、既述のとおり、取り付け位置を変えたり、たとえ同一締め付けト ルク、同一圧力センサ、かつ、同一ブロック螺子孔であっても、位置や不均一の 度合いがずれ、そのために圧力センサに出力のドリフトやばらつきを発生させて いた。 【0024】 そこで本考案者等は、片当たりの位置を故意に変えた試験を行ってみた。即ち 、同一締め付けトルク、同一圧力センサ、同一ブロック螺子孔において、複数 所に 圧力センサを順に取り付け、各ドリフト量を測定した。その結果、図12に 示す通り、圧力センサが最終的に停止した方向、即ち片当たりの位置によって各 ドリフト量が異なり、しかも、同図の特性グラフに示す通り、各ドリフト量が 180°の周期をなすことを見出した。尚、同図において、横軸はダイヤフラム 中心を時計の中心とした時計目盛り〔時〕を示し、従って、12時が360°に 相当し、他方縦軸はドリフト量〔%FS〕を示す。 【0025】 そこで境界要素法により、前記圧力センサのセンサ部2におけるテンション位 置Tの抵抗パターンR2、R4と、コンプレッション位置Cの抵抗パターンR1 、R3とによるドリフト量の分布を解析して見たところ、図13に示すように、ドリフト量に相当する応力分布が、 図12同様に、180°の周期をなしてい ることが確認された。尚、同図の横軸は、ダイヤフラム中心を中心として、0° の片当たり位置からの回転方向の角度〔°〕を示し、縦軸はドリフト量たる応力 を示す。同図において、特性グラフの各記号◆はコンプレッション位置Cの抵 抗パターンR1、R3の特性を示し、特性グラフの各記号◇はテンション位置 Tの抵抗パターンR2、R4の特性を示す。 【0026】 即ち、片当たりによるドリフト量は180°の周期を備えているため、各々の 抵抗パターンR1〜R4を、各々が同一パターン対となるように偶数個に分割し 、例えば、R1をR11とR12、R2をR21とR22、R3をR31とR3 2、R4をR41とR42に各2分割し、R11とR12、R21とR22、R 31とR32、R41とR42を互いにダイヤフラム中心に対して90°回転し た位置に 配置し、かつ、これらを直列接続しておけば、各分割抵抗パターンのド リフトは相殺されることになる(これが、第1考案の基本概念となっている)。 【0027】 他方、分割することなく総ての抵抗パターンR1〜R4をテンション位置T及 びコンプレッション位置Cでダイヤフラム中心に対してそれぞれ180°の円弧 状に連続パターン化しても、当該ドリフトは総て相殺されることになる(これが 、第考案の基本概念となっている)。 【0028】 さらに分割することなく、また、円弧状にすることなく、ダイヤフラム中心に 対して90°回した配置となるように、90°に折り曲げた形状に配置しても、 当該ドリフトは総て相殺されることになる(これが、第考案の基本概念となっ ている)。そして、第考案に第1考案及び/又は第2考案を組み合わせたのが 第考案である。 【0029】 上述のとおり、座面の片当たりによるドリフトの相殺手段は明らかになったが 、他のドリフト発生原因を解決することも重要である(これが第考案〜第考 案の基本思想となっている)。 【0030】 そこで本考案者等は、次に締め付けトルクによるドリフト発生を試験してみた 。図14のセンサモジュールMを所定のトルクでブロック7に締め付けると、既 述したように、該締め付けトルクにより、ダイヤフラム上の半径方向に応力分 布が発生し、そのためのドリフトが発生する。この応力の伝わり方を境界要素法 によ解析した結果図15に示す。同図(a)はダイヤフラムの片側断面図、 (b)は前記(a)の位置に対応する位置における同解析による特性グラフであ る。 【0031】 センサモジュール式の圧力センサをブロック7に装着すると、該締め付けトル クによって座面の応力は必然的に発生するものであるので、上述のごとき片当た りがなくとも締め付けトルクによって圧力センサの出力がドリフトするという問 題があった。 【0032】 また、そのドリフト量は締め付けトルクに比例している(図16参照)。そこ で本考案者等は更に 実験や境界要素法による解析を行ってその原因を調べたとこ ろ、締め付けトルクによってセンサモジュールの座面に発生した応力がダイヤフ ラムに伝わった際、その応力がダイヤフラム上で半径方向に分布を持っている。 つまり、テンション位置Tとコンプレッション位置Cとに発生している応力に差 が生じているためであると分かった(図15の特性グラフP1、P2参照)。 【0033】 これを計算式で説明する。圧力センサのブリッジ出力Voutは、「Vout ={R3/(R3+R4)−R2/(R1+R2)}×Vin」で表される。こ こで、R1=R2=R3=R4=Rとすると、無負荷時は、Vout=0である 。締め付けによって、各ゲージに応力が発生すると、出力Vdは、「Vd={( ΔRc−ΔRt)/(2R+ΔRc+ΔRt)}×Vin」の式となる。尚、こ こでΔRcはコンプレッション位置Cのゲージ(抵抗パターン)R1、R3に生 ずる応力、ΔRtはテンション位置Tのゲージ(抵抗パターン)R2、R4に生 ずる応力である。 【0034】 ここでコンプレッション位置Cの応力ΔRcと、テンション位置Tの応力ΔR tとが等しければ(ΔRc=ΔRt)、Vd=0=Voutとなる。即ち、出力 は変化しない。しかし、実際は、既述したように、無負荷にもかかわず圧力が加 わった場合と同様に、ΔRcとΔRtとには差(応力差)が生じ(即ち、Vd≠ 0)、この差に応じたドリフトが生ずることになる。 【0035】 この応力差が大きい程、締め付けトルクの影響が大きく、図15及び図16の 特性グラフP1、P4の応力差σ1及び特性グラフP2、P5の応力差σ2に示 すとおり、応力差の大きいσ1の方が、締め付けトルクに対するドリフト量の傾 きが大きくなっている。これを解決するためには、ダイヤフラムになるべく応 力を伝えない構造とするか、及び/又は、前述の応力差を低減する構造とするか が考えられる。第考案及び第考案は以上の締め付けトルクの影響を参酌した 構成となっている。 【0036】 第考案を、さらに図17の具体的試験結果により説明する。支持部材3の螺 子締めつけ部31のダイヤフラム側端面から該ダイヤフラム1までの間段付き 構成を有しているのが普通であり、この段部が最大応力集中部位Pとなっている 。そこで、この最大応力集中部位Pの外径Dと、該最大応力集中部位Pから該ダ イヤフラム1までの距離Lとの比(D:L)や最大応力集中部位Pを種々変 更し、ダイヤフラム上の応力分布を調べた。 【0037】 図17に示す各種特性グラフを見ると、例えば他の形状を同一にして最大応力 集中部位Pからダイヤフラム1までの距離Lを一定とし、前記最大応力集中部位 Pの外径D を小さくすると、形状a1から形状a2に応力分布が変化する。また 応力集中部位Pやその形状を変化させると、テンション応力(同図の特性グラフ P6)になったり、コンプレッション応力(同図の特性グラフP8、P9)にな ったりする。 【0038】 締め付けトルクの大きさはさて置き、前述したとおり、応力Vdを零(Vd= 0)にできないまでも、コンプレッション位置Cとテンション位置Tとの応力差 が小さい程、ドリフト量も小さくなる。 【0039】 それ故、これら解析と実験との結果で得られたところにより、コンプレッショ ン位置Cとテンション位置Tとの応力差が小さい特性グラフP7となるのが最大 応力集中部位Pの外径Dと該最大応力集中部位Pから該ダイヤフラム1までの距 離Lとの比(D:L)が(3:1〜3:2)の範囲にあるときであることを突き 止めた。かかる構成をもって、第5考案としたものである。 【0040】 そこで考案では、第考案を基礎としたものである。第5考案において、 ダイヤフラム1に座面の応力が伝わり難くするために上記数値範囲に入る座面と ダイヤフラム1との間最大応力集中部位を設けたが、切削加工による鋭利な 部からなる 応力集中部であることは全く好ましくない。 【0041】 何故ならば、かかる応力集中部位では、図17の特性グラフP6に示すような 応力分布となり、却って逆方向のドリフトが発生してしまう。そこで第6考案で 最大応力集中部位P加工時に丸み切削することにより、応力の集中度を小さ くすると共に、図17の特性グラフP6のテンション位置Tとコンプレッション 位置Cとの応力差を緩和しようとしたものである。 【0042】 第考案は、上述のドリフト阻止とは直接関係しない。但し、本考案の目的に 含まれるところの、もっともダイヤフラム、センサ部及び外周螺子付き支持部材 の基本要素だけを一体化(モジュール化)し、即ち、少ない構成部品、かつ、容 易な製造構成の圧力センサを提供することにある。 【0043】 【実施例】 以下本考案の好適な実施例を図1〜図11を参照して説明する。先ず図7を参 照しながら本考案の基本構成をなすセンサモジュールMについて説明する。同図 に示すように、センサモジュールMは、受圧面1aに圧力pを受けて応力を発 生するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面1aの反対側面1b のテンション位置Tとコンプレッション位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パ ターンR1〜R4で形成したブリッジパターンからなるセンサ部2と、一端面3 a前記ダイヤフラム1の外周を一体的に支持し、中間部外周3c螺子締めつ け部31を有し、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の 螺状部32とを有した支持部材3とからなっている。 【0044】 第1考案の第1実施例は、図1及び図2に示す構成を採用している。図1はセ ンサ部2の正面図であり、破線円は裏側の受圧面1aを示す。この破線円の中心 部位がテンション位置Tであり、破線円の外縁部位がコンプレッション位置Cである。 同図に示すように、上記抵抗R1〜R4、抵抗間結線C1〜C4及び電極 E1〜E6はそれぞれパターニングされて形成される。このパターニングは、各 薄膜を接着剤で貼付した形式、不純物をドーピングした形式、また、蒸着したの ちリソグラフィした形式等、各種ある。 【0045】 本実施例における抵抗R1〜R4は、R1はR11とR12、R2はR21と R22、R3はR31とR32、R4はR41とR42とそれぞれ2分割のパタ ーニングがなされている。これら二分割された抵抗R11とR12、R21とR 22、R31とR32、R41とR42はそれぞれが同一の直線パターンであり 、例えば分割抵抗パターンR11、R12はダイヤフラム中心に互いに90°回 転した位置に配置され、かつ、互いに抵抗間結線パターンC1により直列接続さ れている。これは他の分割抵抗(R21とR22、R31とR32、R41とR 42)間でも同様である。 【0046】 図2は、上記抵抗パターンR1〜R4、抵抗間結線パターンC1〜C4及び電 極パターンE1〜E6を結線状態を示す図であり、ブリッジ回路を形成している 。該ブリッジ回路の説明は、これを省略し、実施例の核論についてのみ以下説明 する。 【0047】 図1からも明らかなごとく、前記分割抵抗パターンR11とR12、R31と R32は上記コンプレッション位置Cの同一円周上に配置され、また前記分割抵抗パターンR21とR22、R41とR42は、それぞれテンション位置Tの同 一円周上に配置されている。そして、例えば抵抗パターンR1を構成する分割抵 抗パターンR11、R12の半径方向の延長線はダイヤフラム中心において略直 交するため、図12に示す片当たり位置に対する応力特性から、両抵抗に発生す るドリフトは約90°の位相差を有しており、互いに相反する方向のドリフトと なるため相殺されることになる。 【0048】 第1考案における他の実施例として、各抵抗パターンの分割数は、上記第1実 施例のように2分割に限定されるものでないため、対となる偶数個であれば適宜変更したものが挙げられる。 【0049】 第2考案の第1実施例は、図3及び図4に示す構成となっている。図3は前述 図1に対応し、図4は前述図2に対応する。即ち、実施例は、コンプレッシ ョン位置Cの抵抗パターンR1、R3の位置及び結線上記第1考案の構成と同 一と したが、テンション位置Tの抵抗パターンR2、R3はそれぞれダイヤフラ ム中心を中心として180°の円周角の範囲に連続して配置している。 【0050】 このようにすることにより、抵抗パターンR1、R3は、第1実施例で述べ た如く、コンプレッション位置Cにおける各分割抵抗パターンR21、R22及 びR31、R32は、分割抵抗パターン間で ドリフトが相殺され、他方テンショ ン位置Tにある 抵抗パターンR2、R4はそれぞれがドリフトの1周期分に相当 する180°に渡る連続パターニングであるため、当該ドリフトが自己相殺され る形となる。従って、第1考案上記第1実施例と同様に、本実施例による該圧 力センサも少なくとも座面の片当たりによる全ドリフトは解消される。 【0051】 この第2考案の他の実施例としては、1周忌分相当の180°に渡るパターニ ング、上記第1実施例の如く、テンション位置Tの抵抗パターンR2、R4に限定する 必要はなく、テンション位置Tの何れかの抵抗パターンR2又はR4及 びコンプレッション位置Cの何れかの抵抗パターンR1又はR3に対して行ったものが挙げられ、 また180°は360°であっても同様の効果を奏することが できる。 【0052】 尚、総ての抵抗パターンR1〜R4に対して1周期分相当の180°に渡るパ ターニングを施してもよい。 【0053】 第考案の第1実施例は、図5及び図6に示す構成を採用している。図5は前 述図1及び図3に対応し、図6は図5の部分拡大図である。即ち、本考案の実施 例は、コンプレッション位置Cに配置される抵抗パターンR1、R3の位置及 び結線C1、C3は、上記第1考案の構成と同じである。 【0054】 ところが、その各分割抵抗パターンR11とR12、R31とR32は、例え ば分割抵抗パターンR11とR2を図6(a)に拡大して示すように、一方の分 割抵抗パターンR11が更に微細抵抗パターン a1、b1、c1、d1、e1に 、他方の分割抵抗パターンR12が微細抵抗パターンa2、b2、c2、d2、 e2に順次直角に折り曲げられた折れ線の集合体で構成されている。 【0055】 しかも同図に示すように、R11とR12はもとより、微細抵抗パターンa1 とa2、b1とb2、c1とc2、d1とd2、e1とe2が互いにダイヤフラ ム中心に対して90°回転した構成となっているので、各微細抵抗パターンa1 とa2、b1とb2、c1とc2、d1とd2、e1とe2となってドリフ トが相殺されるようになっている。これは、抵抗パターンR3においても同様で ある。 【0056】 次にテンション位置Tに配置されている抵抗パターンR2、R4についてみれ ば、これらの抵抗パターンR2、R4はそれぞれを連続パターンとすると共に、 各抵抗パターンR2、R4の全体形状をダイヤフラム中心に対して約90°に折 り曲げた鉤型形状の折り曲げ線の集合体としている。これを図6(b)に拡大し て示す抵抗パターンR2により、さらに具体的に説明すると、同抵抗パターンR2は直線を幾重にも折り曲げて全体が鉤型形状とされた微細抵抗パターンf1、 g1、h1、i1と、同微細微細抵抗パターンf1、g1、h1、i1に対する 微細微細抵抗パターンf2、g2、h2、i2とがダイヤフラム中心に対して9 0°回転した位置にあるように形成され、そのため微細微細抵抗パターンf1と f2、g1とg2、h1とh2、i1とi2が対となって互いにドリフトを相殺 するようにしている。これは、抵抗パターンR4においても同様である。従って 、該圧力センサは、少なくとも座面の片当たりによる全ドリフトは解消される 。 【0057】 本考案のその他実施例として、抵抗パターンR2、R4の折り曲げ回数を変更 したものが挙げられる 。また、上記実施例におけるコンプレッション位置Cの抵 抗パターンR1、R3の位置及び結線を第1考案の形式とするのではなく、第3 考案の形式としてもよいことは自明である。尚、特殊な例として、上記実施例の 抵抗パターンR2、R4の形式を、コンプレッション位置Cの抵抗パターンR1 、R3にも適用すれば、即ち、総ての抵抗パターンR1〜R4を上記実施例の抵 抗パターンR2、R4の形式にしたとき、第考案となることも自明であり、そ の説明は省略する。 【0058】 尚、上記第1考案〜第考案における片当たりによる全ドリフトの解消状況を 図12の記号▲示してある同図より、上記第1考案〜第4考案によるドリフ ト特性が円周方向の全位置において殆ど発生していないことが判り、従来技術で ある 記号で示す特性グラフがよく解消されていることが理解される。 【0059】 また上記実施例において、90°、180°又360°は、これまでの説明上 、厳格な角度範囲の如く記載しているが、抑制しようとするドリフト量、該セン サの構造上の差、抵抗のパターニング位置等により、実際上は様々な制約が生 る。従って、約90°、約180°又は約360°と考える必要があり、例えば この「約」は±5〜±10°の角度範囲許容されるべきである。 【0060】 第考案の第1実施例を図7に示す。同図のセンサモジュールMにおける支持 部材3の最大応力集中部位Pは、筒状部3dのダイヤフラム側への起点に相当す る。この最大応力集中部位Pの実際外径Dは12mm筒状部3dの実際長さL は6mmであり、D:L=2:1であるため、D:L=3:1〜D:L=3:2 を満足している。 【0061】 この比の範囲(D:L=3:1から3:2)の決定については作用の欄で述べ ているのでくどくは説明しない。要は、この比(D:L)が前記範囲内にあれば 、少なくとも締め付けトルクによるドリフトの発生を抑制することができる。 【0062】 第考案の実施例は、図8に示すとおり、上記第考案の最大応力集中部位P にアールRを付けたものである。上記実際寸法の実施例では切削加工時に0.3 mmのアールRを付与している。これにより、締め付けトルクによるドリフトの 発生をより確実に抑制することができる。 【0063】 第考案の実施例図9〜図11を参照して説明する。図9は実施例に係わ 圧力センサの全体縦断面図である。同図において、筒状ケース81はアンプ8 2、トリマ83、貫通コンデンサ84及び配線等を内蔵している。筒状ケース8 1の一端からは図示しない外部処理回路に接続されるハーネス5がグロメット8 5を介して取り出されている。また筒状ケース81の他端にはセンサモジュール Mが内嵌されている。貫通コンデンサ84は既述したとおりの機能を有している 【0064】 ここでセンサモジュールMの内蔵回路への電気的結合は、図10及び図11に 示すように、FPCなるフレキシブル基板6がセンサ部2の電極Enに直接半田 付け61され、そして湿気や不純物等の付着を防ぐためのモールド9がなされた だけの簡単な構成となっている。 【0065】 このフレキシブル基板6はセンサ部2だけに用いる必要はなく、図に示すよ う、増幅回路82、83と貫通コンデンサ84との間他の回路素子間等の結 線に使用したり、又は図11の点線枠に示すように、キャップを前記フレキシブ ル基板6に被せてモールド9したりするのも好ましい。 【0066】 即ち、第考案の上記実施例によれば、従来技術のボンディングワイヤ92に よる電気的結合形式でなく、フレキシブル基板6による電気的結合形式としたた め、従来技術のように、耐震性を考慮して端子台89を別途設ける必要がなくな る。即ち、ダイヤフラム1、センサ部2及び外周螺子付き支持部材3という最も 簡単な構成の センサモジュール、従って構成部品が少なく、かつ、製造が容易な 構成のセンサモジュールを提供することができるようになる。 【0067】 【考案の効果】 以上説明したように、センサ部と支持部材とがモジュール化され、該支持部材 を回すことにより、該支持部材の外周螺子をブロックの螺子孔に締め付け、これ により、該圧力センサをブロックに装着する形式の圧力センサであって本考案に 係わる圧力センサによれば、次の効果を奏するようになる。 【0068】 (1)第1考案〜第考案の圧力センサによれば、少なくとも座面の片当たりに よって生ずる該圧力センサのドリフトを解消することが可能となる。 【0069】 (2)第考案及び第考案の圧力センサによれば、少なくとも締め付けトルク によって生ずる該圧力センサのドリフトを解消することが可能となる。 【0070】 (3)第考案の圧力センサによれば、最も簡素なセンサモジュール、即ち、少 部品で製造が容易なセンサモジュールを提供することができると共に、耐震性に も優れたものとなる。 【0071】 そして、本考案は上記考案を独立に又は組み合わせて圧力センサを構成するこ とにより、上記各効果を適宜包活することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1考案の第1実施例のセンサ部を説明する図
である。
【図2】第1考案の第1実施例のブリッジ回路図であ
る。
【図3】第2考案の第1実施例及び第3考案のセンサ部
を説明する図である。
【図4】第2考案の第1実施例及び第3考案のブリッジ
回路図である。
【図5】第4考案の第1実施例及び第5考案のセンサ部
を説明する図である。
【図6】上記図5の部分拡大図であって、(a)はコン
プレッション位置の抵抗パターンの模式図、(b)はテ
ンション位置の抵抗パターンの模式図である。
【図7】第6考案の第1実施例なるセンサモジュールの
縦断面図である。
【図8】上記図7の部分拡大図であって、第7考案のア
ールを説明する図である。
【図9】第8考案の実施例の縦断面図である。
【図10】第8考案のFPCとセンサ部との電気的接合
を説明するための、該FPCと該センサ部との部分断面
図である。
【図11】第8考案のFPCによる電気的接合の工程図
である。
【図12】第1考案〜第5考案の作用を説明するための
特性グラフである。
【図13】第1考案〜第5考案の作用を説明するための
特性グラフである。
【図14】第6考案及び第7考案の作用を説明するため
のセンサモジュールの縦断面図である。
【図15】第6考案及び第7考案の作用を説明するため
の図であって、(a)はセンサ部の一部縦断面図、
(b)はその特性グラフである。
【図16】第6考案及び第7考案の作用を説明するため
の特性グラフである。
【図17】第6考案及び第7考案の作用を説明するため
の特性グラフである。
【図18】従来技術の代表的圧力センサの縦断面図であ
る。
【図19】従来技術のワイヤボンディングによる電気的
接合の工程図である。
【符号の説明】
1 ダイヤフラム 1a ダイヤフラム受圧面 1b ダイヤフラム受圧面の反対側面 2 センサ部 3 支持部材 31 螺子締めつけ部 33 圧力導入孔 32 外周螺状部 3a 支持部材一端面 3b 支持部材他端部 3c 支持部材中間部外周 3d 筒状部 4 回路基板 5 外部ハーネス 6 配線、フレキシブル基板 M センサモジュール C コンプレッション位置 T テンション位置 p 圧力 R1〜R4抵抗パターン R11〜R1n、R21〜R2n、R31〜R3n、R41〜R4n 分
割抵抗パターン P 最大応力集中部位 D 外径 L 距離 R アール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 圧力センサ
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッ
ション位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR
1〜R4で形成したブリッジパターンからなるセンサ部
2と、一端面3aを前記ダイヤフラム1の外周を一体的
に支持し、中間部外周3cに螺子締め付け部31を
、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔3
3と外周の螺状部32とを有した支持部材3とからなる
センサモジュールMを備えてなる圧力センサにおいて、
4個のうち少なくとも1個の抵抗パターンは、連続パタ
ーンであって全体がダイヤフラム中心に対して約90°
回転させた鉤型形状とされた一以上の折れ線からなる微
細抵抗パターンの集合体であることを特徴とする請求項
1又は請求項2記載の圧力センサ。
【請求項】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッ
ション位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR
1〜R4で形成したブリッジパターンからなるセンサ部
2と、一端面3a前記ダイヤフラム1の外周を一体的
に支持し、中間部外周3cに螺子締め付け部31を
、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔3
3と外周の螺状部32とを有した支持部材3とからなる
センサモジュールMを備えてなる圧力センサにおいて、
抵抗パターンR1〜R4は、それぞれが連続パターンで
あって個々の抵抗パターンの全体形状がダイヤフラム中
心に対して約90°回転させた鉤型形状とされた一以上
の折れ線からなる微細抵抗パターンの集合体であること
を特徴とする圧力センサ。
【請求項】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッ
ション位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR
1〜R4で形成したブリッジパターンからなるセンサ部
2と、一端面3a前記ダイヤフラム1の外周を一体的
に支持し、中間部外周3cに螺子締め付け部31を
、他端部3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔3
3と外周の螺状部32とを有した支持部材3とからなる
セエサモジュールMを備えてなる圧力センサにおいて、
支持部材3は、螺子締め付け部31のダイヤフラム側端
面から該ダイヤフラム1までの間における最大応力集中
部位Pの外径Dと、該最大応力集中部位Pから該ダイヤ
フラム1までの距離Lとの比(D:L)が(3:1)〜
(3:2)である筒状部3dを備えてなることを特徴と
する圧力センサ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1考案の第1実施例のセンサ部を説明する
図である。
【図2】 第1考案の第1実施例のブリッジ回路図であ
る。
【図3】 第2考案の第1実施例のセンサ部を説明する
図である。
【図4】 第2考案の第1実施例のブリッジ回路図であ
る。
【図5】 第考案の第1実施例及び第考案のセンサ
部を説明する図である。
【図6】 上記図5の部分拡大図であって、(a)はコ
ンプレッション位置の抵抗パターンの模式図、(b)は
テンション位置の抵抗パターンの模式図である。
【図7】 第考案の第1実施例なるセンサモジュール
の縦断面図である。
【図8】 上記図7の部分拡大図であって、第考案の
アールを説明する図である。
【図9】 第考案の実施例の縦断面図である。
【図10】 第考案のFPCとセンサ部との電気的接
合を説明するための、該FPCと該センサ部との部分断
面図である。
【図11】 第考案のFPCによる電気的接合の工程
図である。
【図12】 第1考案〜第考案の作用を説明するため
の特性グラフである。
【図13】 第1考案〜第考案の作用を説明するため
の特性グラフである。
【図14】 第考案及び第考案の作用を説明するた
めのセンサモジュールの縦断面図である。
【図15】 第考案及び第考案の作用を説明するた
めの図であって、(a)はセンサ部の一部縦断面図、
(b)はその特性グラフである。
【図16】 第考案及び第考案の作用を説明するた
めの特性グラフである。
【図17】 第考案及び第考案の作用を説明するた
めの特性グラフである。
【図18】 従来技術の代表的圧力センサの縦断面図で
ある。
【図19】 従来技術のワイヤボンディングによる電気
的接合の工程図である。
【符号の説明】 1 ダイヤフラム 1a ダイヤフラム受圧面 1b ダイヤフラム受圧面の反対側面 2 センサ部 3 支持部材 31 螺子締めつけ部 33 圧力導入孔 32 外周螺状部 3a 支持部材一端面 3b 支持部材他端部 3c 支持部材中間部外周 3d 筒状部 4 回路基板 5 外部ハーネス 6 配線、フレキシブル基板 M センサモジュール C コンプレッション位置 T テンション位置 p 圧力 R1〜R4抵抗パターン R11〜R1n、R21〜R2n、R31〜R3n、R
41〜R4n 分割抵抗パターン P 最大応力集中部位 D 外径 L 距離 R アール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 畠 康彦 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
    するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
    1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ
    ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1
    〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2
    と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の外周を支持し、
    中間部外周3cには螺子締めつけ部31を備え、他端部
    3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の
    螺状部32とを備えてなる支持部材3とからなるセンサ
    モジュールMを含んでなる圧力センサにおいて、抵抗パ
    ターンR1〜R4は、それぞれ対となるように偶数個に
    分割されると共に、各分割抵抗パターン対は、ダイヤフ
    ラム中心に対して約90°回転した位置に配置され、か
    つ、本来所属していた抵抗パターンR1〜R4毎に、各
    分割抵抗パターンは直列接続されてなる構成を特徴とす
    る圧力センサ。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個の抵抗パターンは、ダイ
    ヤフラム中心に対して約180°又は約360°の円周
    角の範囲で円弧状に連続して配置されてなる構成を特徴
    とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 【請求項3】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
    するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
    1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ
    ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1
    〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2
    と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の外周を支持し、
    中間部外周3cには螺子締めつけ部31を備え、他端部
    3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の
    螺状部32とを備えてなる支持部材3とからなるセンサ
    モジュールMを含んでなる圧力センサにおいて、抵抗パ
    ターンR1〜R4は、それぞれダイヤフラム中心に対し
    て約180°又は約360°の円周角の範囲で円弧状に
    連続して配置されてなる構成を特徴とする圧力センサ。
  4. 【請求項4】 少なくとも1個の抵抗パターンは、ダイ
    ヤフラム中心に対して約90°回転させた位置となるよ
    うに、約90°に折り曲げてなる構成を特徴とする請求
    項1、請求項2又は請求項3記載の圧力センサ。
  5. 【請求項5】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
    するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
    1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ
    ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1
    〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2
    と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の外周を支持し、
    中間部外周3cには螺子締めつけ部31を備え、他端部
    3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の
    螺状部32とを備えてなる支持部材3とからなるセンサ
    モジュールMを含んでなる圧力センサにおいて、抵抗パ
    ターンR1〜R4は、それぞれダイヤフラム中心に対し
    て約90°回転させた位置となるように、約90°に折
    り曲げてなる構成を特徴とする圧力センサ。
  6. 【請求項6】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
    するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
    1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ
    ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1
    〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2
    と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の外周を支持し、
    中間部外周3cには螺子締めつけ部31を備え、他端部
    3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の
    螺状部32とを備えてなる支持部材3とからなるセンサ
    モジュールMを含んでなる圧力センサにおいて、支持部
    材3は、螺子締めつけ部31のダイヤフラム側端面から
    該ダイヤフラム1までの間における最大応力集中部位P
    の外径Dと、該最大応力集中部位Pから該ダイヤフラム
    1までの距離Lとの比(D:L)が(3:1)〜(3:
    2)である筒状部3dを備える構成を特徴とする圧力セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 最大応力集中部位PはアールRを備える
    構成を特徴とする請求項6記載の圧力センサ。
  8. 【請求項8】 受圧面1aに圧力pを受けて応力を発生
    するダイヤフラム1と、該ダイヤフラム1の前記受圧面
    1aの反対側面1bのテンション位置Tとコンプレッシ
    ョン位置Cとに設けたそれぞれ2個の抵抗パターンR1
    〜R4で形成したブリッジパターンでなるセンサ部2
    と、一端面3aは前記ダイヤフラム1の外周を支持し、
    中間部外周3cには螺子締めつけ部31を備え、他端部
    3bには前記受圧面1aに至る圧力導入孔33と外周の
    螺状部32とを備えてなる支持部材3とからなるセンサ
    モジュールMを含んでなる圧力センサにおいて、センサ
    部2から回路基板4、該回路基板4から外部ハーネス5
    等への該圧力センサ内蔵の配線6には、フレキシブル基
    板が用いられてなる構成を特徴とする圧力センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007516746A (ja) * 2003-12-11 2007-06-28 プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド 移植可能な圧力センサ
JP2010242575A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Denso Corp 燃料噴射弁
KR101506802B1 (ko) * 2013-09-03 2015-03-30 에이에스텍 주식회사 에어컨 냉매 압력감지센서

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