JPH0572103A - 流路入口部での損失圧力の測定法 - Google Patents

流路入口部での損失圧力の測定法

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JPH0572103A
JPH0572103A JP23798691A JP23798691A JPH0572103A JP H0572103 A JPH0572103 A JP H0572103A JP 23798691 A JP23798691 A JP 23798691A JP 23798691 A JP23798691 A JP 23798691A JP H0572103 A JPH0572103 A JP H0572103A
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JP
Japan
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flow passage
resin
pressure
flow
length
Prior art date
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Pending
Application number
JP23798691A
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English (en)
Inventor
Masafumi Nakamaru
雅史 中丸
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な装置で、溶融樹脂の弾性的特性指標で
ある、流路入口部での損失圧力を測定する方法を提供す
る。 【構成】 溶融樹脂を、長さを可変にした流路を形成す
る単一のノズルを経て、長さを2回以上変えて同一の温
度、流量で押出し、それぞれ定常流動時の溶融樹脂溜内
の圧力と流路の長さの関係から、流路の長さが理論的に
零であるときの圧力を外挿して該流路入口での損失圧力
とする。 【効果】 複数のノズルを交換して使用する繁雑さを省
き、簡単かつ正確に流路入口部での圧力損失を測定する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂の溶融特
性の測定法に関し、特に押出型粘度計を用いた弾性的特
性の測定法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の溶融特性測定装置
として、押出型粘度計が一般的に使用されている。これ
は主に溶融樹脂の粘度を求める目的で使われている。樹
脂を樹脂溜内で加熱溶融した後にピストンで加圧し、樹
脂溜底部に取り付けられたノズルから樹脂を押出した時
の流出量Qと圧力Pの値から粘度を求める方法である。
例えばノズル部流路の断面が円の場合、円の半径をR、
長さをLとすると、流路壁のせん断応力τは次式で表わ
される。
【0003】
【数1】
【0004】しかしながら、樹脂溜底部とノズル部流路
との間には断面積の急激な変化があるため、流路入口近
傍で流れ速度分布が再配置されること、あるいは弾性的
な法線応力の作用が働くこと等により、損失圧力の大き
い領域が存在する。したがって、流路入口部損失圧力を
Pnとして、(1)式は次式のように補正する必要があ
る。
【0005】
【数2】
【0006】Pnを求めるためには、少なくとも2個以
上のL/Rの異なる流路を用いて測定しなければならな
い。このようにして求めたPnを、一般には管口補正係
数Ncrに変換して次式のように表わす。
【0007】
【数3】
【0008】通常、押出型粘度計は(5)、(3)式から粘
度を求めることを目的として使用されている。一方では
また、押出型粘度計を用いて溶融樹脂の弾性的特性を検
討する目的で、ダイスウェル(メモリーイフェクト、バ
ラス効果と同義)を測定することも知られている。ダイ
スウェルの原因は、ノズル出口近傍での速度分布の再配
置、弾性歪の回復、法線応力の作用等、諸説が論議され
ているが、まだ特定されるには至っていない。それにも
かかわらず、ダイスウェルは工学的に溶融樹脂の弾性的
特性指標として利用されている。この測定法は、管状ノ
ズルから押し出された直後の溶融樹脂の直径を測定し
て、ノズル内径との比で表わす方法である。しかしなが
ら、この方法はノズルから押し出された直後の直径1〜
2mmの溶融体の直径を瞬時に測定する必要があるため
精度に問題がある。近年、レーザー光を利用した計測装
置により精度も向上したが、高価である。また、押出型
粘度計を用いた溶融樹脂の弾性的特性を検討する方法と
して、押出物の形状を観察する方法が知られている。押
出速度を次第に高めると押出物が波打ったり、ねじれた
りするメルトフラクチャー(溶融損傷)現象の発生臨界
速度または臨界せん断応力が、樹脂それぞれの固有特性
値として存在し、これを求める方法である。しかしなが
ら、この方法はメルトフラクチャー発生の判断があいま
いなこと、現象の程度を定量化できない等の問題があ
る。さらに、弾性的特性を検討する方法には、前述の粘
度測定で取り上げた流路入口部損失圧力Pnの測定も知
られている。この方法は従来の装置を用いて簡単に定量
的に測定できる利点はあるが、一つのPnを求めるに
は、長さの異なる2個以上のノズルを交換して最低2回
の測定が必要であるので、効率性に難点があり、また流
路長さはノズルそれぞれに固定なため連続的に変化させ
ることができない等の問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の現状に
鑑みてなされたものであり、簡単な装置で、効率的に、
かつ定量的に、溶融樹脂の弾性的特性指標である流路入
口部での損失圧力の測定を行い得る方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、溶融
樹脂を溶融樹脂溜から該樹脂の流路を形成するノズルを
経て押出し、該流路入口での損失圧力を測定する方法に
おいて、該流路の長さを可変にした単一のノズルを用
い、該流路の長さを変えて少なくとも2度、同一の温度
および流量で押出して、溶融樹脂溜内の圧力を測定し、
これらの圧力と流路の長さとの関係から、流路の長さが
理論的に零であるときの圧力を外挿して損失圧力とする
ことを特徴とする、溶融樹脂の流路入口部での損失圧力
の測定方法を提供するものである。
【0011】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明による、溶融樹脂の流路入口部での損失圧力測定方
法は、溶融樹脂が樹脂溜から狭い流路を有するノズルに
押出される場合、流路入口における損失圧力を、長さが
可変にできる流路を有する単一のノズルを使用すること
により、近似的に測定できることを見いだし、本発明に
いたったものである。図1に示すように、押出し樹脂の
狭い流路を形成する断面が2つの同心円に囲まれた環状
の場合、流路の外径をRo、内径をRi、長さをL、樹
脂溜内の圧力をPとして流路壁のせん断応力τは次式で
表わされる。
【0012】
【数4】
【0013】しかしながら、樹脂溜底部とノズル部流路
との間には断面積の急激な変化があるため、流路入口近
傍で流れ速度分布が再配置されること、あるいは弾性的
な法線応力の作用が働くこと等による、損失圧力の大き
い領域が存在する。したがって、流路入口部損失圧力を
Pnとして、(7)式は次式のように補正する必要があ
る。
【0014】
【数5】
【0015】また、図2に示すように流路の断面が長方
形の場合、流路の長辺をw、短辺をt、長さをL、樹脂
溜内の圧力をPとした場合、流路壁のせん断応力τは次
式で表わされる。
【0016】
【数6】
【0017】しかしながら、樹脂溜底部と流路部流路と
の間には、前述のように損失圧力の大きい領域が存在す
る。したがって、流路入口部損失圧力をPnとして、(1
0)式は次式のように補正する必要がある。
【0018】
【数7】
【0019】ここで流路入口部での損失圧力Pnを求め
る方法を、図1、図2および図3を参照して説明する。
最初に、樹脂を樹脂溜(1)に入れヒーター(2)で加
熱、溶融する。次にピストン(3)を溶融樹脂との間に
空隙がないように挿入し、所定の温度に保つ。雄螺子
(8)を回転させて流路長さ調節装置(6)を移動させる
ことにより流路長さLを所定の長さLに設定した後、
所定の流量Qになるようピストン(3)を定速で動か
し、溶融樹脂を押出し定常流をつくる。このときの樹脂
溜内圧力Pを歪計(9)により読みとる。次に流路長
さLを所定の長さLに設定し、同温度および同流量に
おいて同様の操作を行い樹脂溜内圧力Pを読みとる。
これらの操作を2回以上任意の回数繰り返し、Liに対
応するPiを読みとる。このようにして得られたLiとP
iの相関は図3のように表わされる。この相関を平均二
乗法等により直線近似し、流路長さを理論的に零に外挿
して得られる圧力を、流路入口部での損失圧力Pnとす
る。
【0020】本発明においては、熱可塑性樹脂であれば
どのようなものでも、融点または流動開始温度以上で測
定できる。例えばポリエチレンでは140〜200℃、
ポリプロピレンでは180〜250℃が好ましい。測定
条件は、流路断面が環状の場合、Ro=2〜3mm、Ri=
Ro−0.05〜Ro−0.1mmで、また流路断面が長方形
の場合は、長辺(w)=2〜3mm、短辺(t)=0.5
〜1mmで、それぞれ流出量Q=1〜600mm3/秒で測定
するのが好ましい。
【0021】
【実施例】実施例 1 図1に示すようなノズルの流路断面が環状の例を示す。
樹脂溜、ピストン、歪計として東洋精機社製キャピログ
ラフを備え、さらにRo=3mm、Ri=2.9mmの流路を
有するノズルを用い、L=10、20、30、40と可
変にして、ポリプロピレン樹脂について、220℃にお
いてPnを測定した。Pnとせん断速度との相関を求
め、結果を図4に示す。
【0022】実施例 2 図2に示すようなノズルの流路断面が長方形の例を示
す。長辺(w)=3mm、短辺(t)=0.5mmの流路を
有するノズル用いた以外は、実施例1と同様にしてPn
を測定し、これとせん断速度との相関を求め、結果を図
5に示す。これは、従来技術による、長さの異なる円形
断面管状ノズルを用いて測定した結果とほぼ一致した。
【0023】応用例 本発明の方法で求められる流路入口部での損失圧力は、
温度およびせん断速度の相関であり、組成の異なる樹脂
のそれぞれに固有な弾性的性質である。樹脂の弾性的性
質は、押出成形時のメルトフラクチャー、シャークスキ
ン現象、あるいは射出成形時の流れムラ、流れ模様など
の樹脂成形工程における外観不良と密接な関連があるこ
とが知られているが、本発明で得られる流路入口部での
損失圧力が、特に射出成形時のフローマーク発生程度の
判定に有効であることを表1により示す。実験に用いた
樹脂はタルク充填ポリプロピレンの3種類であり、それ
ぞれ流れ性が異なるものである。JIS K 7210に
基づいて230℃で測定したメルトインデックスは表1
に示すとおり、Aは18g/10分、Bは7g/10分、Cは5
g/10分である。表1においてPnは、本発明の流路とし
て長方形断面(w=3mm、t=0.5mm)を用いて測定
した損失圧力であり、せん断速度が100(1/秒)の時
の値である。射出成形品の外観は、長辺約1700mm、
短辺約400mm、高さ約200mmの箱型金型で成形した
成形品について目視評価を行った。表1中で、○は流れ
模様が認められないもの、△は流れ模様は認められるが
目だたないもの、×は流れ模様が目だつものである。
【0024】
【発明の効果】従来の溶融樹脂の流路入口部での損失圧
力の測定では、2個以上の長さの異なるノズルをあらか
じめ用意し、その交換が少なくとも1回以上必要であっ
たのに、本発明の方法では、1個のノズルでその測定部
流路長さを任意に変えられるため、ノズルの交換をしな
いで、簡便に測定できるという効果を奏するものであ
る。本発明の方法は前述のように構成したので、簡単な
装置で、効率的に、かつ定量的に、溶融樹脂の弾性的特
性指標である、流路入口部での損失圧力を測定すること
ができる。これにより、射出成形品の流れムラ、フロー
マーク等の発生を予測することができるので、成形条件
の設定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置の一実施例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明に用いる装置の他の実施例を示す断面図
である。
【図3】流路長さと損失圧力の相関を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の実施例1の結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例2と従来技術によるデータとの
比較を示すグラフである。
【符号の説明】
1 樹脂溜 2 ヒーター 3 ピストン 4 押出装置 5 ノズル 6 流路長さ調節装置 7 螺合部 8 雄螺子 9 歪計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂を溶融樹脂溜から該樹脂の流路
    を形成するノズルを経て押出し、該流路入口での損失圧
    力を測定する方法において、該流路の長さを可変にした
    単一のノズルを用い、該流路の長さを変えて少なくとも
    2度、同一の温度および流量で押出して、溶融樹脂溜内
    の圧力を測定し、これらの圧力と流路の長さとの関係か
    ら、流路の長さが理論的に零であるときの圧力を外挿し
    て損失圧力とすることを特徴とする、溶融樹脂の流路入
    口部での損失圧力の測定方法。
JP23798691A 1991-09-18 1991-09-18 流路入口部での損失圧力の測定法 Pending JPH0572103A (ja)

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