JPH0571763U - 押付け力センサーを備えた超音波探傷プローブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 被測定物と探傷プローブを一定間隔に保つ押
付け力センサを備えた超音波探傷プローブを提供する。 〔構成〕 探傷プローブ１をケース３の下部に昇降自在
に嵌合すると共に、探傷プローブ１とケース３間にバネ
５を装着し、且つ探傷プローブ１と一体に指針６を設
け、押付け力をバネ５の縮みに比例して可動するケース
８に臨む指針６を見ながら調整を行い、被測定物の面に
対し一定間隔を保持するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は工業用検査に広く実用される超音波探傷に使用する押付け力センサ を備えた超音波探傷プローブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、超音波探傷に際して、そのプローブ（超音波探傷の検出素子）の前面 は被測定物面に対し接触媒体を介して接触させる。この接触媒体は超音波に対す る減衰が小さくて流動性のある性質が求められ、普通は水や油の類が使用されて いる。この場合、接触媒体はプローブの前面と被測定物面をできるだけ密着させ 、且つその間に空気による空隙を残さず、また両者が相対的に移動する時の潤滑 剤の意昧を持たせるが、水中探傷法の如く数ｃｍ以上の間隔を敢えて与える場合 を除き、接触媒体の厚さを最小数μ程度の厚さとすることが多い。これを図示す ると、図５に示すように探傷プローブａの前面が被測定物ｂに対し接触媒体ｃを 介して対向し測定するものである。

【０００３】 この際、接触媒体は粘弾性と表面張力を持つので、探傷プローブを軽く被測定 物面上に置く程度では接触媒体の厚さは大きく、超音波探傷に必要な探傷プロー ブ前面と被測定物面の必要とする間隔にすることができず、ある力をもってプロ ーブを被測定物に押付けている必要がある。この力はプローブの直径と接触媒体 の性質により決まる。

【０００４】 超音波探傷においては、被測定物の中の傷の存在とその位置を見いだすことを 目的とするから、探傷プローブは被測定物の面上を前後左右に移動させて連続的 に測定を行うことが多く、このときプローブは被測定物の表面に付着している接 触媒体の上を滑って移動するが、接触媒体は粘弾性的性質をもつので、移動速度 が増せば接触媒体の厚さはひとりでに大になろうとし、接触媒体の中を超音波が 通過する時の減衰はその厚さが大となるほど大となるので結局、測定感度を低下 させて測定誤差を発生する。このため、移動速度が大となる程静止状態より大き い押付け力を要する。

【０００５】 この超音波探傷プローブを用いた探傷を実施するのに、プローブを手で持ち被 測定物に接触媒体を介して接触させる手動測定と、プローブを機械的に保持して 測定する自動測定とがある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、手動測定においては、その押付け力を検出しないで、探傷プローブを 持ち手先で必要な適当な力を加えて押付ける熟練により、発生する押付け力は定 量的ではない。これに対して、自動測定においては、押付ける力を検出するもの ではなく、被測定物の面に対して常に一定の間隔を保つように探傷プローブを堅 固に保持するのであるが、被測定面物が完全に平坦であり、探傷プローブの移動 が完全に、平行であることを要する。なお、図６に示す如く探傷プローブａを適 当なケースガイドｄにより滑動可能として、バネ体ｅにより押付け力を発生させ る方式もあるが、押付け力を示すものは無く、必要な一定値にすることが不可能 である。

【０００７】 本考案は上記実情に鑑み、探傷プローブを接触媒体を介して被測定物面に押付 ける力を押付けセンサで常時検出するようにし、上記課題を解決する押付け力セ ンサを備えた超音波探傷プローブを提供することを目的としたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、超音波探傷の探傷をプローブをケースに入れ、この探傷プローブを 背後に装着したバネで押すと共に、そのバネの押付け力をケースのスケールに臨 む指針で指示してなるものである。

【０００９】 また、このバネの押付け力を、ケース側に設けたバネ端を受ける電気的力セン サにて測定するようにしてもよい。

【００１０】

【作用】

上記のような構成のため、ケースを手で持ち探傷プローブを背後に装着のバネ 圧に抗して被測定物面に接触媒体を介して押付けるものである。この場合、探傷 プローブに掛ける押付け力はケースに対し昇降する探傷プローブと一体の指針を スケールを見ながら調整することで、常時一定値に保ち、常に最良の探傷状態に おき得る。

【００１１】

【作用】

また、この探傷プローブの押付け力を、バネの後部に配設したロードセンサと なる電気的力センサで検知し、電気的偏位計の検出で押付け力を測定し制御する 。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明すれば、次の通りである。

【００１３】 図１は概略説明図を示し、１は超音波探傷の探傷プローブで、この上部に押付 け力センサ２を備えた構成であり、探傷プローブ１の下端面を、接触媒体Ａを介 して被測定物Ｂに所定間隔をもって対向させる。具体的には、例えば、図２、図 ３に示す如き機械的に押付け力を測定する実施例となり、超音波探傷の探傷プロ ーブ１は枠型ケース３の下端部に形成のガイド部４に昇降自在となるよう滑動嵌 合すると共に、探傷プローブ１の背後（上面）にはバネ５を装着して下方に押付 けるよう構成し、且つ探傷プローブ１の側部に一体とした鉤折り状の指針６をケ ース３に穿った縦長の長窓７を挿通し、該長孔７縁となるケース３の側面に刻設 したスケール８に臨ませ、全体として超音波探傷プローブ９を構成する。

【００１４】 次にこの作用を説明すると、先ず超音波探傷プローブ９の手動測定に際し、ケ ース３を手で掴み下端に突設してなる探傷プローブ１の先端を被測定体物Ｂの表 面位置に、予め塗布してなる接触媒体Ａを介して押し付け移動させ探傷を行う。 勿論、この探傷は移動させつつ行う連続探傷とか、一定位置で探傷する静止探傷 を言う。

【００１５】 この場合、接触媒体Ａは粘弾性的性質をもっているため、移動速度が大きくな れば接触媒体Ａの厚さが大きくなろうとするため、バネ５に抗して押付ける押付 け力を、ケース３の側部に有するスケール８の目盛りを指す指針６の先端を見な がら調整し、探傷プローブ１を被測定物Ｂの面に対し常に一定の間隔を保つよう にし、所定の探傷検査、測定を行うものである。即ち、手動測定の際に予め規定 してある押付け力にしつつ探傷プローブ１を移動させることが容易にできる。

【００１６】 図４は電気的力センサを備えた自動測定となる他の実施例を示す。この場合は ケース３の内部で、探傷プローブ１に装着したバネ５の上にロードセルよりなる 電気的力センサ１０を設け、押付け力を電気的フィードバックにより一定にさせ る超音波探傷プローブ９としたものである。

【００１７】 即ち、探傷プローブ１を前記同様に接触媒体Ａを介して被測定物Ｂに押付け移 動させて探傷検出を行うが、このとき探傷プローブ１に掛ける押付け力はバネ５ を経由して電気的力センサ１０により電気的に容易に検出できる。このとき測定 が電気的に全て行われるので前記の如き指針６、スケール８は不要である。また 、バネ４の縮みを測定する電気的偏位計を使用するなら、電気的力センサ１０（ ロードセル）をこれに置き換えてよく、電気的偏位計の出力は押付け力を検出し ていることは言うまでもない。更に電気的力センサ１０が押付け力を与えた時の 縮み量が有意の大きさである方式のものならバネ５を無くしてもよい。

【００１８】 このような電気的力センサ１０によるときは、その出力を指示させて押付け力 を知ることができ、且つその電気的出力をもって押付け力の制御用になしうるが 、その制御が忠実で即応性があればロードセルの縮み量が小さく、且つバネ５が 無くてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

上述のように、本考案の押付け力を備えた超音波探傷プローブは、探傷プロー ブをケース内に上下自在に滑動保持し、背後にバネを装着し、探傷プローブに一 体に可動する指針又はバネ端に電気的力センサを設けたことで、探傷プローブを 接触媒体を介して被測定物に押付ける押付け力をバネの縮みに比例し指針をスケ ールで直後読み取るか、電気的力センサ（ロードセル）による電気的測定にて被 測定物の面に対し常に一定の間隔を保つことができ、常に最良の探傷状態に置き 得、探傷の精度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す概略説明図。

【図２】指針測定とした実施例の正面図。

【図３】同側面図。

【図４】電気的力センサを使用する他の実施例の側面
図。

【図５】従来の超音波探傷プローブの説明図。

【図６】同バネを装着の押付け力を備えた超音波探傷プ
ローブの説明図である。

【符号の説明】

１ 探傷プローブ ３ ケース ５ バネ ６ プラスチック材 ８ スケール １０ 電気的力センサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鈴木 幸三郎 横浜市中区日の出町１丁目52番地 鈴幸商 事株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 超音波探傷の探傷プローブをケースに入
   れ、この探傷プローブを背後に装着したバネで押すと共
   に、そのバネの押付け力をケースのスケールに臨む指針
   で指示してなる押付け力センサを備えた超音波探傷プロ
   ーブ。
2. 【請求項２】 バネの押し付け力を、ケース側に設けた
   バネ端を受ける電気的力センサーにて測定するようにし
   た押付け力センサを備えた超音波探傷プローブ。