JPH0571251B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は医療診断に用いられる振動式超音波
スキヤンヘツド、詳しくは超音波セクタースキヤ
ナ型スキヤンヘツドに関するものである。

技術背景 現在、医療診断用として種々の型式の超音波セ
クタースキヤナが使用されている。この種のスキ
ヤナは原理的に２種類の型式の機械的駆動機構を
採用している。第１の型式のものでは、２〜４個
の変換器が回転アマチユアに装着され、各変換器
は所定の時間に超音波エネルギーの送出および受
容を行う。この型式のスキヤンヘツド、典型的に
は一般的に使われている、言わゆる“ロータリ
ー”スキヤンヘツドは種々の理由から製作コスト
が非常に高価である。特に、この型式のスキヤン
ヘツドに用いられる超音波変換器においては、あ
る変換器から次の変換器に作動切り替え操作を行
う際、画像のちらつき又は画質の低下を防止する
ために各変換器間を整合させなければならない。
したがつて、ロータに装着しようとする整合され
た変換器の選定に厄介かつ多大な作業手間を要す
る。たとえ、整合された変換器が得られたとして
も、各変換器の作動切り替え操作時に発生するス
クリーン上の画像のちらつきの問題を無くすに
は、各変換器を回転アマチユアに精確に同軸状に
装着することが必修となる。

“振動式”あるいは“揺動式”スキヤンヘツド
といわれる他の型式の超音波スキヤンヘツドでは
単一の変換器が用いられる。該変換器は前後に振
動する機構部に装着される。振動式スキヤンヘツ
ドではその製造にあたりただ１つの変換器を必要
とするだけであり、よつて、各変換器の整合およ
び同軸状配置に関連する種々の問題を回避するこ
とができるから低廉化が図れる利点がある。しか
しながら、振動式スキヤンヘツドに関連する典型
的な問題点はそれ等が振動作用に基づき非常に大
きく振動することである。したがつて、常に運動
力学的に平衡状態とする振動機構が大いに要望さ
れる。

目 的 この発明の目的は、常に運動力学的に平衡した
状態で超音波変換器を振動させるとともに該超音
波変換器の振動動作に応じて磁気エネルギーを蓄
積して振動機構部に掛かる負荷を最少量に軽減し
かつ上記超音波変換器による画像のフレーム形成
速度を最大限に高めるようにした、超音波スキヤ
ンヘツドを提供することにある。

また、この発明のもう１つの目的は、運動エネ
ルギーの吸収及び返還効率の高い、超音波スキヤ
ンヘツドを提供することにある。

構 成 この発明によれば、それぞれに質量素子を把持
する一対の平行シヤフトが隣合わせに並置され、
それらの慣性モーメントが等しくされる。各シヤ
フトは第１シヤフトの時計回りの回転が第２シヤ
フトに反時計回りの回転を誘導するように相互に
結合される。２つのシヤフトの質量の力学的平衡
は各シヤフトの質量を完全に力学的に平衡させる
とともに両シヤフトの運動量の割合に応じて定め
られるように各質量の慣性を各シヤフトの瞬時角
速度に関連させることにより達成される。この関
係とは、（第１シヤフトの慣性モーメント×該第
１シヤフトの角速度）＝（第２シヤフトの慣性モー
メント×該第２シヤフトの角速度）を満足するこ
とである。この発明によれば、新規な磁気緩衝手
段が機械的スプリングにおけると全く同様に回転
エネルギーを蓄積するとともに該エネルギーを当
該装置に再蓄積するように用いられる。

実施例 この発明の一実施例を添付図面とともに説明す
る。

第１および２図に、この発明の振動式スキヤン
ヘツド全体を示す。このスキヤンヘツド１０はシ
ヤフト１６に装着したモータ１４を含むハウジン
グ１２を備える。この発明の好ましい実施例にお
いて、電気モータ１４はブラシレスDCモータで
ある。第２図に示すように、シヤフト１６の両端
部１３，１５がハウジング１２に取り付けられ
る。したがつて、モータ１４は作動時、一般に、
モータハウジングが固定されるとともにモータシ
ヤフトが回転するように構成されたものとは逆に
モータ本体部が固定されたモータシヤフトの回り
を回転する。

第３図において、この発明の好ましい実施例に
おいては、モータ１４は第１のケーブル１８を備
え、該ケーブル１８の一端がモータ１４の本体部
の第１取付点１７に取り付けられる。ケーブル１
８の他端がロータ２２の第２取付点１９に取り付
けられる。もう１つのケーブル２０がロータ２２
の第３取付点２１とモータ１４の第４取付点２３
に取り付けられる。第２のケーブル２０は図示す
るようにテンシヨンスプリング２５を介して該第
４取付点２３に取り付けられる。第２図および第
４図に、両ケーブル１８，２０の図示を省略して
明瞭に示すように、モータ１４およびロータ２２
の本体における一対の溝２７，２９にケーブル１
８および２０が嵌め込まれる。ロータ２２は中空
固定シヤフト２４に装着され、該シヤフト２４の
両端部３１，３３は第２図に示すようにハウジン
グ１２に取り付けられる。ベアリング３５を介し
てロータ２２はロータシヤフト２４上で回転可能
となつている。シヤフト１６，２４は互いに実質
的に平行にされる。ロータ２２は超音波変換器２
６を把持する。この超音波変換器２６は典型的に
は圧電変換器である。

第１図に示すように、ロータ２２の振動時、一
般に当該ロータ２２のシヤフト２４の中心から半
径方向に突出して配置される変換器２６の軸線２
８が走査角３０の全体にわたつて振動する。ハウ
ジング１２はキヤビテイ（空洞部）３２を閉鎖し
ており、該キヤビテイ３２内にモータ１４とロー
タ２２が配置される。このハウジング１２は、例
えば、ミネラルオイル等の音響結合液が充填され
ている。この音響結合液は隔壁３６を通して延在
する充填ポート３４を介してキヤビテイ３２に注
入される。スキヤンヘツド１０の前方部には、例
えばプラスチツク材等の材料から成るエンドキヤ
ツプ３７が設けられ、該エンドキヤツプ３７は変
換器２６により発信されかつ受信される超音波に
対し実質的に透過性のものである。第２図に示す
ように、変換器２６に行く信号線３８およびモー
タ１４に行く給電線４０（明瞭化のため第１図に
は図示しないが、第２図に図示する）が隔壁３６
を貫通している。図示するように、各信号線３８
は中空シヤフト２４を介して中空ロータ２２の中
心部へ貫通させられているとともに公知の方法で
変換器２６と電気接続される。また、発光ダイオ
ード（LED）の光源とフオトトランジスタ−ピ
クアツプ（図示しない）とから成る位置検出ヘツ
ド４４に行く各線４２が隔壁３６を貫通してい
る。充填ポート３４および種々の線３８，４０，
４２を保護すべくケーブル５０と接続するストレ
インレリーフ４８を把持するリヤーキヤツプ４６
が隔壁３６の外壁ねじ５２に螺着されている。

第２図および第５図に示すように、エンコーダ
デイスク５４がロータ２２に取り付けられてい
る。この発明の好ましい実施例において、エンコ
ーダデイスク５４はロータ２２に接着される。好
ましくは、エンコーダデイスク５４は反射性およ
び非反射性の目盛線を交互に付したガラス板から
成り、これらのラインは当該技術分野において良
く知られている方法で反射型光電読み取り器４４
により観察される。この反射型光電読み取り器４
４とエンコーダデイスク５４との組み合わせはロ
ータ２２の位置、したがつて圧電変換器２６の軸
線２８の位置を精確に判定する装置を提供する。

第１図および第６図において、スキヤンヘツド
１０は、また、ハウジング１２に装着された多数
の固定マグネツト（固定磁石）５６を備えてい
る。第６図に示すように、各固定マグネツト５６
は次のように配向されている。即ち、各マグネツ
ト５６の一方の極、例えば、第６図に示すように
Ｎ極がロータ２２およびモータ１４に向けてハウ
ジング１２の内壁面から露出している。ロータ２
２およびモータ１４に回転マグネツト（回転磁
石）５８が設けられる。各回転マグネツト５８の
配向も同様にされ、即ち、Ｎ極がモータ１４及び
ロータ２２の外周面から露出している。よつて、
モータ１４が所定の方向、例えば、時計回りに回
転すると、固定および回転マグネツト５６，５８
は該回転マグネツト５８が固定マグネツト５６に
近づくにつれて相互に反発動作を行う。このよう
に磁界が機械的スプリングと同様にエネルギーの
蓄積および反発系を提供し、この系により圧電変
換器ロータ２２の動作を非常にスムーズなものに
する。この発明の好ましい実施例において、マグ
ネツト５６，５８はサマリウム−コバルト磁石で
ある。この技術において良く知られているよう
に、適宜な信号がブラシレスDCモータ１４に送
られ、該モータ１４を始動するとともに当該装置
における必然的損失の結果必要とされるあるエネ
ルギーを付与するようにされる。

好ましい実施例のスキヤンヘツド１０におい
て、モータ１４およびロータ２２の上方部および
下方部にそれぞれ３個づつ、合計12個の回転マグ
ネツト５８が装着される。また、ハウジング１２
の頂部（第１図参照）および底部（第２図参照）
にそれぞれ４個づつ、合計８個の固定マグネツト
５６が装着される。

この発明の好ましい実施例を作動させるにあた
り、モータ１４の動作を制御するのに図示しない
通常のモータ制御器が用いられる。エンコーダデ
イスク５４及び反射型光電読み取り器４４を介し
て得られたロータ２２の回転角度位置に関する情
報は上記モータ制御器に供給される。このように
して、このモータ制御器は変換器２６が走査角３
０内に指向しているかどうかを常時監視する。当
該装置全体は動力学的に平衡状態に配置され、マ
グネツト５４，５６から提供される蓄積磁気エネ
ルギーと組み合わせてロータ２２の振動を維持す
るに必要なエネルギーを非常に小さいものにす
る。

第７図および第８図に、この発明の変形例のス
キヤンヘツド６０を示す。このスキヤンヘツド６
０において、ケーブル駆動装置の代わりに、好ま
しい実施例に使用されるように、ギヤ駆動装置が
用いられる。モータ６６およびロータ６８にそれ
ぞれギヤ部材６２，６４が設けられる。その他の
点に関し、このスキヤンヘツド６０は、前述した
ように、動力伝達機構部材として一対のケーブル
１８，２０を用いたスキヤンヘツド１０と同様の
方法で作動させられる。ケーブル駆動式装置はギ
ヤ駆動式装置よりも静かでありかつより小型化さ
れ、操作のよりスムーズなものにすることができ
ることが解つた。このようにケーブル駆動式装置
がより好ましいものではあるが、ギヤ駆動式装置
もまたこの発明の範囲内のものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の超音波スキヤン
ヘツドの正面縦断面図、第２図は第１図の振動式
超音波スキヤンヘツドの側方縦断面図、第３図は
この発明における２つのシヤフトの結合方法説明
図、第４図は上記超音波スキヤンヘツドのモータ
側から見たロータの内部を示す端部断面図、第５
図はこの発明に用いることのできるエンコーダデ
イスクを示す図、第６図は磁気反発力を利用した
回転動力供給機構部の動作説明図、第７図はこの
発明のもう１つの実施例の正面縦断面図、第８図
は第７図の実施例の側方縦断面図である。 １０…振動式超音波スキヤンヘツド、１２…ハ
ウジング、１４…電気モータ（ブラシレスDCモ
ータ）、１６…固定モータシヤフト、１８，２０
…ケーブル、２２…ロータ、２４…固定ロータシ
ヤフト、２６…超音波変換器、２８…軸線、２
７，２９…溝、３０…走査角、３１，３３…端
部、３２…キヤビテイ（空洞部）、３４…充填ポ
ート、３６…隔壁部材、３７…エンドキヤツプ、
３８…信号線、４０…給電線、４４…反射型光電
読み取り器、５４…エンコーダデイスク、５６…
固定マグネツト（固定磁石）、５８…回転マグネ
ツト（回転磁石）、６０…振動式超音波スキヤン
ヘツド、６２，６４…ギヤ部材、６６…モータ、
６８…ロータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジング、 上記ハウジングに装着され、モータシヤフトの
   回りに所定の走査角度範囲に対応する回転角度を
   もつて交番状に正逆回転可能とした、電気モータ
   手段、 上記ハウジングの内部で上記電気モータ手段の
   近傍に固定したロータシヤフトの回りに回転可能
   に装着した、ロータ手段、 上記電気モータ手段の交番状回転動力を上記ロ
   ータ手段に伝達して該ロータ手段を電気モータ手
   段の回転に従つて回転せしめる、回転動力伝達手
   段、 上記ロータ手段に装着され、該ロータ手段が上
   記回転動力伝達手段を介して交番状に正逆回転さ
   れるに応じて上記走査角度範囲に対応する回転角
   度領域を走査するようにした、超音波変換器、及
   び 上記ハウジングの内部に固着された第１磁石部
   材と上記電気モータ手段及び／又はロータ手段に
   装着された第２磁石部材とにより形成され、該第
   １及び第２磁石部材は上記電気モータ手段の回転
   角変位の反転時に互いに最も近接するように配置
   され、上記超音波変換器の振動時、第１及び第２
   磁石部材が互いに近接するにつれてそれら磁石部
   材間に磁気反発力を相互に作用せしめ、これによ
   り上記電気モータ手段の駆動電力を節約するよう
   にした、磁気反発駆動手段により構成したことを
   特徴とする、振動式超音波スキヤンヘツド。 ２ ロータ手段の駆動回転角度位置を表す信号を
   発生するエンコーダ手段を具備する、第１項記載
   の振動式超音波スキヤンヘツド。 ３ エンコーダ手段がロータ手段又は電気モータ
   手段に同軸状に装着された光反射性回転角度位置
   目盛を有する目盛盤部材と該目盛盤部材に対向し
   て配置された反射型光電読み取り器とにより構成
   された、第２項記載の振動式超音波スキヤンヘツ
   ド。 ４ ロータ手段のロータシヤフトが中空状とさ
   れ、上記ロータ手段に固着された超音波変換器と
   接続した信号線が該ロータシヤフトの中空部を貫
   通して配線された、第１項記載の振動式超音波ス
   キヤンヘツド。 ５ ハウジング内部を隔壁部材を介して密閉空間
   部を画定し、該密閉空間部内に電気モータ手段及
   びロータ手段を封止した、第１項記載の振動式超
   音波スキヤンヘツド。 ６ ハウジング内部の密閉空間部に超音波伝達性
   媒質液を充填した、第５項記載の振動式超音波ス
   キヤンヘツド。 ７ 電気モータ手段からロータ手段への回転動力
   伝達手段が該電気モータの外周面部と該ロータ手
   段の外周面部間を連結する１対のケーブル部材で
   構成された、第１項〜第６項のいずれかに記載の
   振動式超音波スキヤンヘツド。 ８ 電気モータ手段からロータ手段への回転動力
   伝達手段が該電気モータ手段の外周面部に設けた
   第１ギヤ部材と該モータ手段の外周面部に上記第
   １ギヤ部材とかみ合い可能に設けた第２ギヤ部材
   とで構成された、第１項〜第６項のいずれかに記
   載の振動式超音波スキヤンヘツド。