JPH0570866A - 複合材料の製造方法 - Google Patents

複合材料の製造方法

Info

Publication number
JPH0570866A
JPH0570866A JP3311245A JP31124591A JPH0570866A JP H0570866 A JPH0570866 A JP H0570866A JP 3311245 A JP3311245 A JP 3311245A JP 31124591 A JP31124591 A JP 31124591A JP H0570866 A JPH0570866 A JP H0570866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite material
carbon fiber
carbon
preform
fiber reinforced
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3311245A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiho Hayata
喜穂 早田
Ryuhei Nakano
隆平 中野
Yukinori Kude
幸徳 久手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP3311245A priority Critical patent/JPH0570866A/ja
Publication of JPH0570866A publication Critical patent/JPH0570866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性が高く、かつ大きな温度変化が生じた
際にも、熱応力による剥離や破壊が生じない複合材料を
製造する。 【構成】 炭素繊維/炭素複合材料に炭素繊維強化金属
複合材料を接合する。もしくは炭素繊維/炭素複合材料
の表面あるいは表面およびその内層部の一部に炭化物を
形成し、さらに炭素繊維強化金属複合材料を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合材料の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】炭素/炭素複合材料は、不活性ガス中で
は1,000℃以上の高温においても高強度、高弾性率
を維持し、かつ熱膨張率が小さい等の性質を有する材料
であり、航空宇宙機器の部品、あるいは炉材等超高温部
材への利用が期待されている。一方、炭素/炭素複合材
料の片面を高温側に配し、裏面に冷却構造体を接合し、
液体水素、液体窒素などの液体により積極的に冷却しよ
うとする試みがなされている。この場合、炭素/炭素複
合材料は気密性が十分でないため、裏面に金属を接合し
て気密性を確保する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素/
炭素複合材料と金属との間には熱膨張係数に大きな差が
あり、例えばこれらをロウ付け等により接合すると、製
造環境下あるいは使用環境下においてその接合界面に大
きな熱応力が発生し、剥離を生じるという問題があり、
実用的ではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく炭素/炭素複合材料と金属系材料を接合
する方法を鋭意研究した結果、本発明の完成に至った。
【0005】すなわち本発明は、炭素繊維/炭素複合材
料に炭素繊維強化金属複合材料用プリフォームおよび/
または炭素繊維強化金属複合材料を接合することを特徴
とする複合材料の製造方法および該炭素繊維/炭素複合
材料の表面あるいは表面およびその内層部の一部に炭化
物が形成されていることを特徴とする上記複合材料の製
造方法に関する。
【0006】以下に、本発明を詳述する。
【0007】本発明の基材となる炭素/炭素複合材料と
は、炭素繊維と炭素質マトリックス等から構成される材
料をいう。該炭素/炭素複合材料に含まれる炭素繊維の
割合は通常10〜70vol%、好ましくは20〜60
vol%である。
【0008】上記炭素/炭素複合材料を構成する炭素繊
維(以下、炭素繊維(A)という)としては、例えばピ
ッチ系、ポリアクリロニトリル系あるいはレーヨン系等
の種々の炭素繊維を用いることができ、特にピッチ系炭
素繊維が、弾性率および耐酸化性が高いため好適であ
る。
【0009】炭素繊維(A)は、通常連続した炭素繊維
の500〜25,000本程度の繊維束として用いられ
る。さらに例えば一方向積層物、2次元織物あるいはそ
の積層物、3次元織物、マット状成形物、フェルト状成
形物など、炭素繊維を2次元あるいは3次元の成形体と
したものを用いてもよい。また上記炭素/炭素複合材料
を構成する炭素質マトリックスとしては、例えば炭素質
ピッチの炭化により得られるもの、フェノール樹脂やフ
ラン樹脂などの炭化可能な熱硬化性樹脂の炭化により得
られるもの、あるいは炭化水素の気相熱分解により得ら
れるものあるいはこれらの混合物が挙げられ、特に炭素
質ピッチの炭化により得られるものが耐酸化性に優れる
ために好ましい。
【0010】上記の炭素質ピッチとしては、軟化点通常
100〜400℃、好ましくは150〜350℃を有す
る石炭系あるいは石油系のピッチを用いることができ
る。さらに上記の炭素質ピッチは、光学的に等方性のピ
ッチあるいは異方性のピッチを、単独または混合して使
用でき、特に好ましくは光学的異方性相の含量が通常6
0〜100vol%,好ましくは80〜100vol%
である光学的異方性ピッチを使用できる。
【0011】本発明の基材となる炭素/炭素複合材料の
製造法は特に限定されず、公知の方法を用いることがで
きる。例えば炭素質ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹
脂などのマトリックス原料を、炭素繊維の織物あるいは
成形物などに含浸した後、常圧下、加圧下あるいはプレ
ス下で炭化する方法等が挙げられる。該含浸は、マトリ
ックス原料を真空下で加熱、溶融することにより達成さ
れる。
【0012】常圧下の炭化は、アルゴン、窒素、ヘリウ
ムなどの不活性ガス雰囲気下で通常400〜3,000
℃、好ましくは450〜2,500℃に加熱することで
実施できる。また、加圧下の炭化は、不活性ガスにより
通常50〜10,000kg/cm、好ましくは20
0〜2,000kg/cmに等方加圧し、通常400
〜3,000℃、好ましくは450〜2,000℃に加
熱することで実施できる。また、プレス下の炭化は、ホ
ットプレスなどにより通常10〜500kg/cm
度の一軸加圧下、通常400〜3,000℃、好ましく
は450〜2,000℃に加熱して実施することができ
る。さらにまたHIP(熱間静水圧加圧)装置を用いて
炭化を行うこともできる。このときの加圧熱処理は、不
活性ガスにより通常50〜10,000kg/cm
好ましくは200〜2,000kg/cmに加圧し、
通常400〜3,000℃、好ましくは450〜2,0
00℃に加熱することにより行われる。炭化の後に、好
ましくは常圧下の炭化あるいは黒鉛化を行うことができ
る。該炭化あるいは黒鉛化は不活性雰囲気下で、500
〜3,000℃、好ましくは1,000〜2,700℃
に加熱して実施することができる。
【0013】炭素/炭素複合材料の他の製造法の例とし
ては、炭素繊維構造物もしくは他の方法で得られた多孔
質炭素/炭素複合材料の空隙部に、気相分解により炭素
を沈積充填する操作としてCVI(CHEMICAL
VAPOR INFILTRATION)が挙げられ
る。CVIにより炭素を沈積する場合、炭素を得るため
の熱分解ガスとしては炭化水素、好ましくはC1〜C6
の炭化水素、具体的には、メタン、天然ガス、プロパ
ン、ベンゼン等が用いられる。反応条件は、温度が通常
900〜1,500℃、好ましくは1,000〜1,4
00℃、圧力が通常0.1〜760Torr、好ましく
は1〜500Torrである。
【0014】本発明に使用する炭素繊維/炭素複合材料
として、特に好ましくは30〜600℃における平均熱
膨張係数が−1.0〜2.0×10−6(1/℃)、好
ましくは−0.5×10−6〜1.6×10−6(1/
℃)、最も好ましくは熱膨張率が実質的に0であること
が望ましい。
【0015】本発明においては、上記の炭素繊維/炭素
複合材料に後述の炭素繊維強化金属複合材料用のプリフ
ォーム(以下「プリフォーム」という。)および/また
は炭素繊維強化金属複合材料を接合する。接合の方法と
しては炭素繊維/炭素複合材料に対し、炭素繊維強化金
属複合材料を接合する方法、炭素繊維/炭素複合材料に
プリフォームを接合する方法、炭素繊維強化金属複合材
料にプリフォームと炭素繊維強化金属複合材料を接合す
る方法、および炭素繊維/炭素複合材料に炭素繊維を配
し、該炭素繊維部分を炭素繊維強化金属複合材料にする
ことにより炭素繊維/炭素複合材料と炭素繊維強化金属
複合材料を接合する方法が挙げられる。
【0016】本発明でいう炭素繊維強化金属複合材料と
は、具体的には例えばアルミニウム、銅、ニッケル、チ
タン、マグネシウムあるいはこれらの合金等を金属マト
リックスとし、炭素繊維を強化繊維とした複合材料であ
る。
【0017】炭素繊維強化金属複合材料を構成する炭素
繊維(B)としては、ピッチ系、PAN系、レーヨン系
のいずれもが使用可能であるが、中でもピッチ系、特に
石油ピッチ系炭素繊維が好ましい。
【0018】炭素繊維(B)は引張弾性率が30×10
kgf/mm以上、好ましくは40×10kgf
/mm以上、最も好ましくは50×10kgf/m
以上である。
【0019】炭素繊維(B)の引張弾性率が30×10
kgf/mmに満たない場合には、マトリックス金
属との反応が多くなる場合があり、炭素繊維強化金属複
合材料の強度が低下するために好ましくない。
【0020】炭素繊維(B)は、通常連続した炭素繊維
の500〜25,000本程度の繊維束として用いられ
る。さらに例えば一方向積層物、2次元織物あるいはそ
の積層物、マット状成形物、フェルト状成形物など、炭
素繊維を2次元成形体としたものを用いることができ
る。場合により炭素繊維を3次元成形体としたものを用
いてもよい。
【0021】該炭素繊維(B)の成形体は面内の各方向
あるいは全方向に対して等方的であることが望ましく、
また前記熱膨張係数範囲を満足させるために繊維配向を
制御することが望ましい。
【0022】炭素繊維(B)の成形体と前記金属マトリ
ックスから炭素繊維強化金属複合材料を製造する方法
は、特に制限されず、一旦プリフォームを製造する方
法、もしくは直接炭素繊維強化金属複合材料を製造する
方法、さらには炭素繊維/炭素複合材料の表面に炭素繊
維(B)を配し、これを炭素繊維強化金属複合材料にす
る方法等を用いることができる。
【0023】プリフォームを製造するには、例えば炭素
繊維(B)の成形体の片面もしくは両面にマトリックス
金属の金属箔あるいは金属粉末を配し、両者をホットプ
レス等の一軸加圧あるいは熱間静水圧加圧(HIP)等
の等方加圧する方法、炭素繊維(B)の成形体の片面も
しくは両面に、スラリー法、イオンプレーティング法、
プラズマスプレー法、金属メッキ法あるいは金属無電解
メッキ法などを用いてマトリックス金属を付着させる方
法などが挙げられる。プリフォームの形状は任意である
が、通常シート状、もしくはテープ状である。
【0024】ここでプリフォームの製造法の一例とし
て、プラズマスプレー法について述べる。本発明でいう
プラズマスプレーとは、不活性ガス、具体的には例えば
Ar、He、水素、窒素等あるいはこれらの混合ガスの
超高温プラズマジェット中に溶射材料を供給して溶融さ
せ、この溶融物を目的の素材へ吹き付けこれを被覆する
方法である。溶射時条件は特に制限されず、使用する材
料系、特に繊維強化金属複合材料のマトリックスの種類
によって任意に選択できる。例えばプラズマスプレー容
器圧力は通常80〜760Torr程度、溶射距離、す
なわち溶射ガンとワークとの距離は通常100〜800
mm、アークガス圧力は通常35〜75psig、アー
ク電流は通常500〜900Ampである。
【0025】炭素繊維強化金属複合材料およびプリフォ
ームにおける繊維体積含有率は、通常5〜70%、好ま
しくは20〜50%である。なお、炭素繊維強化金属複
合材料の熱膨張率を、部位により目的に応じて連続的も
しくは段階的に変化させる目的で、繊維体積含有率を部
位により連続的もしくは段階的に変化させることもでき
る。例えば接合部の熱膨張率を0付近とするために、接
合部に近い部分の繊維体積含有率を高くし、軽量化のた
めに接合部から離れるに従って繊維体積含有率を連続的
に低くすることもできる。
【0026】プリフォームから炭素繊維強化金属複合材
料を製造するには、プリフォームを目的とする積層構成
・形状に積層・成形し、ホットプレス等の一軸加圧ある
いは熱間静水圧加圧(HIP)等の等方加圧すればよ
い。該成形は、プリフォーム単独で行うだけでなく、後
述のとおりプリフォームと炭素繊維/炭素複合材料と密
着させ、接合とプリフォームの成形を一工程で行うこと
もできる。このとき、圧力、温度、時間等の成形時間
は、適宜選択できるが、成形圧力は通常0.1〜10,
000kg/cm、好ましくは1〜2,000kg/
cm、成形温度は通常使用するマトリックス金属の融
点よりも200℃低い温度から融点より200℃高い温
度までの間、好ましくは使用するマトリックス金属の融
点よりも100℃低い温度から融点より100℃高い温
度までの間であることが望ましい。成形時間は特に制限
されず、使用するマトリックス金属の種類、炭素繊維成
形体の炭素繊維密度等の条件により適宜選択できる。
【0027】本発明に使用するプリフォームおよび/ま
たは炭素繊維強化金属複合材料としては、特に30〜6
00℃における平均熱膨張係数が0.5×10−6
2.0×10−6(1/℃)、好ましくは0.8×10
−6〜0.6×10−6(1/℃)である。
【0028】本発明においては炭素繊維/炭素複合材料
とプリフォームおよび/または炭素繊維強化金属複合材
料を接合する。
【0029】炭素繊維/炭素複合材料とプリフォームお
よび/または炭素繊維強化金属複合材料を接合する方法
としては、拡散接合が特に好ましく挙げられる。拡散接
合は、例えば炭素繊維/炭素複合材料と炭素繊維強化金
属複合材料両者をホットプレス、ロール成形などの一軸
加圧、もしくはHIP(熱間静水圧プレス)などの等方
加圧をかけて接合する方法等が使用でき、また炭素繊維
/炭素複合材料にプリフォームを接合する場合には両者
に上記加圧を行い、接合とプリフォームの成形を一工程
で行う方法等が使用できる。炭素繊維/炭素複合材料に
プリフォームと炭素繊維強化金属複合材料を接合する場
合にも同様に接合と成形を一工程で行うことができる。
【0030】上記接合の際の温度、圧力等の条件は、使
用する材料系、特にプリフォームおよび炭素繊維強化金
属複合材料に使用するマトリックスの種類に応じて任意
に選択される。成形温度は通常マトリックス金属の融点
より200℃低い温度から200℃高い温度の間で選択
され、好ましくはマトリックス金属の融点より100℃
低い温度から100℃高い温度の間で行われ、成形圧力
は通常3kgf/mm〜15kgf/mm、好まし
くは5kgf/mm〜10kgf/mmの間で選択
される。成形時間は特に限定はされないが、通常1分〜
10時間、好ましくは30分〜5時間程度である。
【0031】また炭素繊維/炭素複合材料に炭素繊維を
配しこれを炭素繊維強化金属複合材料とすることにより
炭素繊維/炭素複合材料と炭素繊維強化金属複合材料を
接合させることもできる。具体的には、例えば炭素繊維
/炭素複合材料の片面に炭素繊維(B)あるいは炭素繊
維(B)の成形体と、金属箔あるいは金属粉末を配し、
全体にホットプレス等の一軸加圧あるいは熱間静水圧加
圧(HIP)等の等方加圧をかけつつ加熱し、含浸と拡
散接合を同時に行う方法が挙げられる。この他にも、例
えば炭素繊維/炭素複合材料の片面に炭素繊維(B)あ
るいは炭素繊維(B)の成形体を配し、プラズマスプレ
ー、イオンプレーティング、金属メッキ法あるいは金属
無電解メッキ法等により金属を被覆した後、全体にホッ
トプレス等の一軸加圧あるいは熱間静水圧加圧(HI
P)等の等方加圧をかけつつ加熱し、含浸と拡散接合を
同時に行う方法も用いることができる。
【0032】上述の複合材料の製造の際に、炭素繊維/
炭素複合材料の少なくともプリフォームおよび/または
炭素繊維強化金属複合材料と接合するべき面の、表面あ
るいは表面およびその内層部の一部に炭化物が形成され
ている場合、炭素繊維強化金属複合材料との接合性がさ
らに良好になるために好ましい。さらに炭素繊維/炭素
複合材料の全体の表面あるいは表面およびその内層部の
一部に炭化物が形成されている場合、上記の接合性の向
上だけでなく、炭素繊維/炭素複合材料の耐酸化性が向
上するために、非常に好ましい。以下に、上記の炭化物
の形成の方法について述べる。
【0033】まず、前記のと炭素/炭素複合材料を加熱
し、その表面に耐熱性炭化物を形成し得る元素あるいは
これらの元素の化合物を接触させ、炭素/炭素複合材料
の炭素との間の化学反応により炭素/炭素複合材料の表
面あるいは表面およびその内層部の一部に炭化物を形成
させる。炭化物は炭素繊維/炭素複合材料の、少なくと
もプリフォームおよび/または炭素繊維強化金属複合材
料と接合すべき面に形成され、好ましくは炭素繊維/炭
素複合材料全体の面に形成される。
【0034】該炭化物としては、例えばSiC,Zr
C,TiC,HfC,BC,NbC,WC等があげら
れ、特にSiC,ZrC,TiC,HfCが好ましい。
そして耐熱性炭化物を形成し得る元素としてはSi,Z
r,Ti,Hf,B,Nb,W等が挙げられ、これらの
元素の化合物としては、上記元素のハロゲン化物、水素
化物等が挙げられる。例えば、炭素繊維/炭素複合材料
の表面あるいは表面およびその内層部の一部にSiCを
形成させるにはSi,SiCl,SiHなどが、Z
rCを形成させるにはZr,ZrCl、TiCを形成
させるにはTi,TiCl、HfCと形成させるには
Hf,HfClなどが使用できる。耐熱性炭化物を形
成し得る元素あるいはこれらの元素の化合物は、通常ガ
ス状で炭素/炭素複合材料と接触させて反応せしめられ
る。
【0035】上記炭化物を形成する反応は水素の共存下
で行うのが好適である。共存させる水素の量は、反応時
の温度、ガス供給量、繊維量、炉の構造などに対応して
任意に決定できるが、例えば炭化物を形成し得る元素あ
るいは元素の化合物の量の5倍容量下、好ましくは0.
01〜5倍容量であることが望ましい。炭化物形成反応
は常圧または減圧で行うのが好ましく、通常は0.1〜
760Torr、好ましくは10〜760Torr、さ
らに好ましくは50〜760Torrが適している。
【0036】また、反応雰囲気中には、希釈のために、
,Ar,Heあるいはその他の不活性ガスを混合す
ることもできる。炭素/炭素複合材料を加熱温度は、通
常800〜1,700℃、好ましくは1,000〜1,
500℃が望ましい。800℃未満のときは充分な厚さ
の炭化物被膜が得られず、1,700℃を越えると均一
かつ緻密な炭化物被膜が得られない。
【0037】かくして得られた、表面あるいは表面およ
びその内層部の一部に炭化物が形成された炭素繊維/炭
素複合材料は、プリフォームおよび/または炭素繊維強
化金属複合材料と接合される。接合方法は前記の、炭素
繊維/炭素複合材料とプリフォームおよび/または炭素
繊維強化金属複合材料の接合・成形方法と同様にして行
えばよい。
【0038】
【発明の効果】本発明により、耐熱性が高く、かつ大き
な温度変化が生じた際にも、熱応力による剥離や破壊が
生じない複合材料を製造することができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】(実施例1)直径10μm、弾性率40×
10kgf/mmの石油ピッチ系炭素繊維2,00
0本の束をZ軸方向に、また同じ炭素繊維4,000本
の束をXおよびY軸方向に用いた直交3次元織物を強化
繊維とし、石油ピッチをマトリックスの原料とする炭素
繊維/炭素複合材料を製造した。この炭素繊維/炭素複
合材料の30〜600℃の平均熱膨張係数は0×10
−6(1/℃)であった。一方上記炭素繊維の2,00
0本の束を7mm/(1000本)に開束し、プラズマ
スプレー装置により容器圧力500Torr、溶射距離
100mmにおいてアルミニウムを溶射し、炭素繊維強
化アルミニウムのプリフォームを製造した。
【0041】上記炭素繊維強化アルミニウムのプリフォ
ームを0℃方向と90℃方向に交互に合計56層積層
し、ホットプレスによる一軸加圧で、圧力5kgf/m
、温度525℃で、成形して30〜600℃の平均
熱膨張係数が1.0×10−6(1/℃)であって、厚
さが約2mmである炭素繊維強化金属複合材料を得た。
このとき炭素繊維の含有率は35vol%であった。
【0042】前記炭素繊維/炭素複合材料の片面に炭素
繊維強化金属複合材料を配し、ホットプレスにおいて、
温度は525℃、成形圧力5kgf/mmにおいて3
0分間、一軸加圧し、拡散接合を行った。得られた複合
材料を室温(25℃)まで放冷したところ、亀裂、剥離
等は観察されなかった。
【0043】(比較例1)実施例1で用いたのと同じピ
ッチ系炭素繊維2,000本の束をZ軸方向に、また同
じ炭素繊維4,000本の束をXおよびY軸方向に用い
た直交3次元織物を強化繊維とし、石油ピッチをマトリ
ックスの原料とする炭素繊維/炭素複合材料を製造し
た。この炭素繊維/炭素複合材料の30〜600℃の平
均熱膨張係数は0×10−6(1/℃)であった。この
炭素繊維/炭素複合材料の片面に、プラズマスプレー法
でアルミニウムを約2mmの厚さに溶射し、得られた材
料を室温まで放冷したところ、炭素繊維/炭素複合材料
と金属との界面において剥離が生じた。
【0044】(比較例2)実施例1で用いたのと同じピ
ッチ系炭素繊維2,000本の束をXおよびY軸方向に
用いた平織物の積層物を強化繊維とし、石油ピッチをマ
トリックスの原料とする炭素繊維/炭素複合材料を製造
した。この炭素繊維/炭素複合材料の30〜600℃の
平均熱膨張係数は0×10−6(1/℃)であった。こ
の炭素繊維/炭素複合材料の片面にプラズマスプレーに
よりアルミニウムを約2mmの厚さに溶射し、得られた
材料を室温まで放冷したところ、炭素繊維/炭素複合材
料および金属との界面における剥離は見られなかった
が、炭素繊維/炭素複合材料の内部において層間剥離が
生じた。
【0045】(実施例2)直径10μm、弾性率50×
10kgf/mmの石油ピッチ系炭素繊維2,00
0本の束をZ軸方向に、同じ炭素繊維4,000本の束
をXおよびY軸方向に用いた直交3次元織物を強化繊維
とし、石油ピッチをマトリックスの原料とする炭素繊維
/炭素複合材料を製造した。この炭素繊維/炭素複合材
料の30〜600℃の平均熱膨張係数は0×10
−6(1/℃)であった。これを反応容器中で1,40
0℃に加熱し、SiClとHの混合ガス(H/S
iCl=0.25)を導入しながら常圧において60
分間保持し、炭素繊維/炭素複合材料の表面およびその
内層部の一部に炭化物を形成した。
【0046】前記炭素繊維/炭素複合材料の片面に実施
例1で得た炭素繊維強化金属複合材料を配し、HIP装
置において、温度は525℃、成形圧力5kgf/mm
で30分間等方加圧し、拡散接合を行った。
【0047】得られた複合材料を室温(25℃)まで放
冷したところ、亀裂、剥離等は観察されなかった。
【0048】(実施例3)実施例1で用いたのと同じ石
油ピッチ系炭素繊維2,000本の束をZ軸方向に、ま
た同じ炭素繊維の4,000本の束をXおよびY軸方向
に用いた直交3次元織物を強化繊維とし、石油ピッチを
マトリックスの原料とする炭素繊維/炭素複合材料を製
造した。この炭素繊維/炭素複合材料の30〜600℃
の平均熱膨張係数は0×10−6(1/℃)であった。
この炭素繊維/炭素複合材料の片面に実施例1で得た炭
素繊維強化アルミニウムのプリフォームを0℃方向と9
0℃方向に交互に56層積層し、ホットプレスにおい
て、温度525℃、成形圧力5kgf/mmにおいて
30分間一軸加圧し、拡散接合を行った。
【0049】得られた複合材料を室温(25℃)まで放
冷したところ、亀裂、剥離等は観察されなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維/炭素複合材料に炭素繊維強化
    金属複合材料用のプリフォームおよび/または炭素繊維
    強化金属複合材料を接合することを特徴とする複合材料
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維/炭素複合材料の表面あるいは
    表面およびその内層部の一部に炭化物が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合材料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 炭素繊維/炭素複合材料の30〜600
    ℃における平均熱膨張係数が−1.0×10−6〜2.
    0×10−6(1/℃)であり、かつ炭素繊維強化複合
    材料用のプリフォームおよび/または炭素繊維強化金属
    複合材料の30〜600℃における平均熱膨張係数が
    0.5×10−6〜10.0×10−6(1/℃)であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の複合材料
    の製造方法。
JP3311245A 1991-09-18 1991-09-18 複合材料の製造方法 Pending JPH0570866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3311245A JPH0570866A (ja) 1991-09-18 1991-09-18 複合材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3311245A JPH0570866A (ja) 1991-09-18 1991-09-18 複合材料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0570866A true JPH0570866A (ja) 1993-03-23

Family

ID=18014837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3311245A Pending JPH0570866A (ja) 1991-09-18 1991-09-18 複合材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0570866A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10143015A1 (de) * 2001-09-03 2003-03-27 Deutsch Zentr Luft & Raumfahrt Verfahren zur Herstellung eines Verbundwerkstoffes
WO2016140241A1 (ja) * 2015-03-04 2016-09-09 トーカロ株式会社 繊維強化樹脂構造体および繊維強化樹脂構造体の製造方法
CN107022724A (zh) * 2017-05-05 2017-08-08 至玥腾风科技投资集团有限公司 一种钢基碳纤维复合材料及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10143015A1 (de) * 2001-09-03 2003-03-27 Deutsch Zentr Luft & Raumfahrt Verfahren zur Herstellung eines Verbundwerkstoffes
WO2016140241A1 (ja) * 2015-03-04 2016-09-09 トーカロ株式会社 繊維強化樹脂構造体および繊維強化樹脂構造体の製造方法
CN107022724A (zh) * 2017-05-05 2017-08-08 至玥腾风科技投资集团有限公司 一种钢基碳纤维复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5217657A (en) Method of making carbon-carbon composites
CA2275130C (en) Composite material with ceramic matrix and sic fiber reinforcement, method for making same
US6979490B2 (en) Fiber-reinforced ceramic composite material comprising a matrix with a nanolayered microstructure
JP2722198B2 (ja) 耐酸化性を有する炭素/炭素複合材料の製造法
JP4468015B2 (ja) 繊維ブランクの製造方法、および繊維強化複合材料部品の製造方法
CN112341229B (zh) 一种梯度C/ZrC-SiC超高温陶瓷基复合材料及其制备方法
CN112341228B (zh) 一种C/ZrC-SiC超高温陶瓷基复合材料及其制备方法
KR20020025875A (ko) 복합 탄소질 단열재 및 그의 제조 방법
US5093156A (en) Process for preparing carbon material
US5061414A (en) Method of making carbon-carbon composites
CA2053742A1 (en) Carbon-containing composite material part protected against oxidation and its production process
EP0678083B1 (en) Thermostructural composite articles and method for making same
KR102492434B1 (ko) 다층 코팅이 적용된 내산화성 탄소 복합재 제조방법 및 이에 의해 제조된 내산화성 탄소 복합재
US5580658A (en) Copper-carbon composite material with graded function and method for manufacturing the same
JPH0570866A (ja) 複合材料の製造方法
EP0221515A2 (en) Composite stiff lightweight structure and method for making same
JP4450919B2 (ja) 炭素繊維複合材料
CN113277866B (zh) 一种双向高导热碳/碳复合材料的制备方法
US5523035A (en) Process for producing carbonaceous material
JPH0292886A (ja) 耐酸化性を有する炭素繊維強化複合材料の製造法
EP0803487B1 (en) Process for producing carbonaceous preform
JP2521795B2 (ja) 耐酸化性を有する炭素繊維強化複合材料の製造法
JPS62133030A (ja) 炭素繊維−金属系複合材料とその製造方法
Naslain Processing of non-oxide ceramic matrix composites: an overview
CN115093240B (zh) 一种耐高温抗烧蚀Si3N4f/SiBNc/SiBN-BN透波复合材料及其制备方法