JPH0570771B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は力変換器に関し特に力変換器用の改善
されたビーム組立体に関する。

〔従来技術〕

標準的な力変換器は、力入力に対応する出力信
号を発生する。この力入力は、固定支持体に片持
式に固定された板ばね撓み手段もしくはビームの
自由端もしくはこれら自由端の近傍に印加され
る。印加された力に対応して、先の固定支持体の
まわりに片持ビームの角度変位が発生する。ゼロ
位置もしくは中立位置からの片持ビームの角度変
位に対応する出力信号は、片持ビームに接合した
歪ゲージが発生する。

断面積一定のビームの自由端もしくはその近傍
に印加された力入力は、応力を発生し、この応力
は先の固定支持体での最大値から減少する。許容
可能な最大応力は、ビームの材料的性質により限
定される。平均応力が力変換器の感度を決定する
が、この平均応力は最大応力よりも必然的に小さ
い。

米国特許第4424717号明細書を参照すると、或
る力入力の大きさに比例した出力信号を発生する
力変換器を開示している。これによると、固定ベ
ースと可動ベース各々に係留されて片持支持さ
れ、相対向する外側部分を備え、かつ中央の薄手
部分へと断面積が漸減して行く複合板ばね撓み手
段より成るビーム組立体によつて、 ビーム大きさが等しく反対方向の力が発生さ
れ、そして、可動部材は、力の上記の中央の薄手
部分の中心を通りこれに垂直な軸線に沿つて印加
させ剛結合を介して可動ベースへ伝達させること
により、ゼロ位置すなわち中立位置からの直線的
変位に拘束される。

極端により精度が必要とされる場合には、力入
力をビーム組立体の中央部分に非常に正確に印加
することが重要である。これを実現するために必
要とされる正確な位置決めは、上記従来技術によ
る装置のように、ビーム組立体が、別個の可動ベ
ース部材内に受容されこれに力が加えられる場合
には達成が困難なことがある。

また、従来技術による装置は２部品構造である
ため、ビーム組立体の外側寸法が比較的大きくな
り、組立体内の空き容積が大きくなつてしまう。
油がこの空き容積に充填されまた力変換器のある
種の性能特性はこの油体積に依存するので、空き
容積を減じてできるだけ少なくすることが好まし
い。

以上に理由により、力変換器用の極度の精度が
高く整列したビーム組立体を開発することが望ま
しい。

〔発明の概要〕 本発明によれば、米国特許第4424717号明細書
に開示された型の力変換器用の改良された撓み手
段すなわちビーム組立体が提供され、ビーム組立
体とベースとは１部品ユニツトとして形成され
る。詳しくいえば、ビーム組立体とベースとの組
合せは、単一部品の円柱状棒材から形成され、こ
の円柱状棒材の一側に沿つて平坦面が形成されて
歪ゲージが備えられ、またほぼＬ字形の溝孔がこ
の円柱状棒材（シリンダー）を通つて形成されて
比較的薄手のビーム部分と比較的厚手のレバー部
分とを画成する。シリンダーの一端部は、力変換
器の固定ベース部材に定置され、また横穴がその
中央に形成されており、ビーム組立体を力変換器
のダイヤフラムもしくは他の力伝達部材へ結合す
る円柱状部材がこれに受容されている。

〔好ましい実施例の詳細な説明〕

図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例
を説明する。

力変換器１０が例示されており、これは、 円筒状ハウジング１２と、 このハウジング内に装着される本発明のビーム
組立体１４と、 ビーム組立体に動作的に結合し、ハウジングの
一側に装着される第１のダイヤフラム組立体１６
と、 第２のダイヤフラム組立体１８と、 ビーム組立体が係留されるベース組立体２０
と、 ビーム組立体をハウジング内に保持するニツプ
ル２２と を備えている。

ハウジング１２には、ビーム組立体１４の挿
入・除去のための開口端部が設けられている。ビ
ーム組立体はベース部材２０に堅固に係留され、
ベース部材２０は、ハウジング内に形成される肩
部材２４へ係合している。また、ニツプル２２の
端部はベース部材を肩部材２４に対して圧締めし
ている。

第３図を参照すると、ビーム組立体の大半は円
柱状部材２８であり、円柱状部材の一側には全長
に沿つて形成される平坦面３０を有する。円柱状
部材２８を通つてほぼＬ字形の溝孔３２が形成さ
れて、レバー部分３４とテーパ形状のビーム部分
３６を画成する。このビーム部分３６は、米国特
許第4424717号明細書に開示された複合板ばね撓
み手段と同様に形成される。詳しくいうと、Ｌ字
形溝孔は、その長脚の中央に向つて比較的薄手の
中央部位４２へとテーパー形状であり、ビーム部
分３６は、長脚の端部３８，４０近傍で比較的重
い。

第１図と第２図を参照すると、平端面３０には
歪ゲージ４４，４６が結合ないしは接着され、歪
ゲージからは電気的導線が延びてケーブル４８へ
と接続して、周知の方法で出力信号を制御装置へ
提供する。

こゝに例示した力変換器は種々の状態の測定た
とえば絶対圧力、圧力差、液レベル、もしくはビ
ーム組立体に印加される力入力へと変換すること
のできる他の状態の測定に対して応用可能であ
る。例示された実施例においては、力変換器１０
は、ダイヤフラム組立体１６，１８による差圧測
定用に使用され、ダイヤフラム組立体は、ビーム
組立体１４内に貫通・収容されハウジング１２内
に形成された穴を貫通している柱状部材５２，５
４に各々力Ｆ１，Ｆ２を印加する。

第１のダイヤフラム組立体１６はふた部材５６
を備え、このふた部材５６は複数のねじもしくは
これと同様の手段（図示せず）により、ハウジン
グ１２上に形成されるボスに装着され、またダイ
ヤフラム６０を備えており、これは柱状部材５２
に係合しふた部材５６とボス５８間でクランプさ
れている。米国特許第4424717号明細書において
も述べられているように、開口部６２への圧力Ｐ
１と開口部６４での圧力Ｐ２との差により、力が
ダイヤフラムにより柱状部材５２へ印加され、こ
の力に比例する出力信号が歪ゲージ４４，４６に
よつて発生される。

第２のダイヤフラム組立体１８は、第１のダイ
ヤフラム組立体１６と同様であり、ふた部材６６
とボス６８とダイヤフラム７０と圧力開口部７
２，７４を備え、圧力Ｐ３とＰ４間の差に比例す
る力Ｆ２をビーム組立体へ印加するよう動作でき
る。

本発明の技術思想から逸脱することなく様々な
応用・変更ができることは当業者には明らかであ
ろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による力変換器の要部公開の
正面図である。第２図は、第１図の線２−２によ
り見た要部公開の破砕図である。第３図は、本発
明のビーム組立体の斜視図である。図面の各番号
が示す名称を以下に挙げる。なお、同一番号は同
一部位を示すものとする。 １０：力変換器、１２：円筒状ハウジング、１
４：ビーム組立体、１６：第１のダイヤフラム組
立体、１８：第２のダイヤフラム組立体、２０：
ベース部材、２２：ニツプル、２４：肩部材、２
６：ダイヤフラム、２８：円柱状部材、３０：平
坦面、３２：Ｌ字形溝孔、３４：レバー部分、３
６：ビーム部分、３８，４０：端部、４２：中央
部位、４４：歪ゲージ、４６：歪ゲージ、４８：
ケーブル、５０：制御装置、５２，５４：柱状部
材、５６：ふた部材、５８：ボス、６０：ダイヤ
フラム、６２，６４：開口部、６６：ふた部材、
６８：ボス、７０：ダイヤフラム、７２，７４：
圧力開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印加される力の大きさの変化に比例して変化
   する出力信号を発生し、 ハウジングと、 ハウジング内に片持支持され、テーパー形状を
   なすビーム部分を備えるビーム組立体と、 ビーム部分に取り付けられ、ビーム組立体に印
   加された力によつて発生するビーム部分の歪に比
   例する出力信号を発生するよう動作可能な少なく
   とも１つの歪ゲージと、 を備える力変換器において、 前記ビーム組立体は、 ハウジングに係留されている一端と自由な他端
   とを備えるほぼ円柱状の単一部材と、 この円柱状部材内に形成されて、レバー部分と
   ビーム部分とを画成するほぼＬ字形の溝孔と、 レバー部分に結合している第１の力伝達部材
   と、 ビーム部分に結合している第２の力伝達部材と
   を 備えていることを特徴とする力変換器。 ２ 第１・第２の力伝達部材は、その縦方向軸線
   に垂直に円柱状部材から延びている第１・第２の
   柱状部材を備える特許請求の範囲第１項記載の力
   変換器。 ３ 第１・第２の柱状部材は、第１・第２の力発
   生手段へ結合するために、ハウジング中に延びて
   いる特許請求の範囲第２項記載の力変換器。 ４ Ｌ字形の溝孔は、円柱状部材の縦方向軸線に
   平行でこの軸線から変位している長脚と、この軸
   線に垂直な短脚とを備え、テーパー形状をなすビ
   ーム部分は、長脚と円柱状部材の隣接する側部と
   の間で形成される特許請求の範囲第１項記載の力
   変換器。 ５ 円柱状部材は、Ｌ字形の溝孔の長脚に隣接し
   てその一側に形成される平坦面を備える特許請求
   の範囲第４項記載の力変換器。 ６ 平坦面には、少なくとも１つの歪ゲージが装
   着されている特許請求の範囲第５項記載の力変換
   器。