JPH0570375A - プロピレン中に含有される硫化カルボニルと一酸化炭素を同時に除去する方法 - Google Patents
プロピレン中に含有される硫化カルボニルと一酸化炭素を同時に除去する方法Info
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Abstract
一酸化炭素とを同時に、しかも、安価に除去して、ポリ
プロピレン等の製造時のコストを大幅に引き下げる。 【構成】 プロピレン中に含有される硫化カルボニルと
一酸化炭素を除去するに際し、該プロピレンを液状状態
で、かつ、0〜80℃の温度で酸化銅・酸化亜鉛の複合
酸化物と接触処理することを特徴とする、プロピレン中
に含有される硫化カルボニルと一酸化炭素を同時に除去
する方法。
Description
として含有する硫化カルボニル(COS)と一酸化炭素
(CO)とを、該プロピレンから同時に除去する方法に
関するものである。
等としてプロピレンの需要が急速に高まり、エチレンプ
ラントのロードアップや重質油の接触分解生成物から得
られるC3留分の分離等によって工業用プロピレンとし
ての原料の確保が行なわれている。しかし、このように
して得られる工業用プロピレン中には硫黄化合物などの
不純物が多量に含有されており、特に硫化カルボニル
(COS)を数ppmないし数十ppm、また、一酸化
炭素(CO)についても数ppm程度が含有されてい
る。そのため、一部の用途ではこれら2種類の化合物の
混入による触媒の被毒の問題がクローズアップされるよ
うになった。これらプロピレン中の不純物の分離・除去
については一般に蒸留によって行なわれるが、これらの
中でも、特にCOSの沸点(−50.2℃)はプロピレ
ンの沸点(−47.70℃)と接近しているため、蒸留
などの沸点差による分離が非常に困難であることから、
その分離手段として種々の方法が検討されている。具体
的には、炭化水素中のCOSを除去する方法として、以
下に示す方法が提案されている。特開昭56−1517
89号公報には、メタノール及びエタノールの製造、オ
キソ法によるアルデヒドの製造、ロジウム触媒を使用す
るグリコールの製造などに用いられる水素及び一酸化炭
素を含有するガス状混合物よりなる合成ガス中のCOS
を除去するために、酸化亜鉛からなり且つアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の酸化物を5重量%以下の濃度で
含有する吸着剤床に150〜240℃の温度で接触させ
ることによりCOSを除去する方法が提案されている。
また、本発明者の中の一人等が提案した発明が記載され
る特開昭63−60945号公報には、炭素数2〜6の
炭化水素中のCOSを除去するために、該炭化水素を液
状状態で、酸化亜鉛と0〜100℃の温度で接触処理す
ることが提案されている。
して、以下に示す方法が提案されている。特開昭61−
97015号公報には、石油化学工場からの排ガスとし
て出されるオフガス中のCOを選択的に除去するため
に、アルミニウム及び銅化合物を無機担体に担持してな
る固体状一酸化炭素吸収剤により処理することが提案さ
れている。また、特開昭59−210995号公報に
は、天然ガス代替物への石炭及び炭素質物質の変換、及
び特には一次ガス化により製造した粗又は合成ガスを、
メタンに富むパイプライン品質ガスに変換するために、
該粗又は合成ガス中の一酸化炭素及び硫黄分含有ガスを
スクラビング(洗浄吸収)により除去し、次いで、耐硫
黄性ニッケル系メタン化触媒の存在下にガス中の水素と
一酸化炭素を反応させることが提案されている。
6−151789号公報に記載される方法は、水素及び
一酸化炭素を含有するガス状混合物よりなる合成ガス中
のCOSを除去することから、COSを除去することの
みを意図しており、一酸化炭素を同時に除去することは
できない。また、特開昭63−60945号公報に記載
される方法は、上記方法と同様に、炭化水素中のCOS
を除去することのみを目的としているために、一酸化炭
素まで同時に十分に除去することができない。更に、特
開昭61−97015号公報に記載される方法は、オフ
ガス中のCOを選択的に除去するために、アルミニウム
及び銅化合物を無機担体に担持してなる固体状一酸化炭
素吸収剤により処理することが提案されているが、精製
しようとする原料が異なり、しかも、得られる精製ガス
の用途も異なっているために、硫化カルボニルまで同時
に除去しようと意図していないし、また、除去すること
もできない。従って、いずれの場合にも両方の物質を液
体状態で、簡便に、しかも、同時に除去することは非常
に困難なことであり、これら硫化カルボニル(COS)
及び一酸化炭素(CO)を含有するガスの影響、特に触
媒被毒の問題を解決することができなかった。
研究を重ねた結果、酸化銅・酸化亜鉛の複合酸化物を触
媒として用い、特定な条件下で処理することによって、
触媒被毒の原因となるプロピレン中の硫化カルボニルと
一酸化炭素とを同時に除去することができるとの知見に
基づき本発明を完成するに至ったものである。すなわ
ち、本発明のプロピレン中に含有される硫化カルボニル
と一酸化炭素を同時に除去する方法は、プロピレン中に
含有される硫化カルボニルと一酸化炭素を除去するに際
し、該プロピレンを液状状態で、かつ、0〜80℃の温
度で酸化銅・酸化亜鉛の複合酸化物と接触処理するこ
と、を特徴とするものである。
しては、種々の方法によって製造された硫化カルボニル
(COS)及び一酸化炭素(CO)を含有する工業用プ
ロピレンを用いることができるが、特にエチレンプラン
トのロードアップや重質油の接触分解生成物から得られ
るC3留分の分離等によって得られる工業用プロピレン
を用いることが好ましい。これら原料プロピレン中に含
有されるCOS及びCOは、それぞれ100ppm以
下、特に10ppm以下であることが好ましい。もし
も、原料プロピレン中に100ppmを越える濃度でC
OS,COが含有されている場合には、予め酸化亜鉛処
理又は蒸溜などの他の手段にてCOS,COの濃度を1
00ppm以下に低下させておくことが望ましい。
は、COS,COの同時除去を行なうために、酸化銅・
酸化亜鉛の複合酸化物が用いられる。これら酸化銅・酸
化亜鉛の複合酸化物の組成は、両成分の合計100重量
部に対して、CuOが20〜80重量部、ZnOが80
〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくはC
uOが30〜70重量部、ZnOが70〜30重量部で
ある。上記複合酸化物中のCuOの含有量が上記範囲未
満となるとCOの除去効率が低下し、一方、ZnOの含
有量が上記範囲未満となるとCOSの除去効率が低化し
てくるので、上記範囲とすることが好ましい。しかし、
該複合酸化物中には他の金属酸化物やバインダー成分が
本発明の目的を損なわない範囲内で混入していても良
い。また、これら成分を担体に担持させることもでき
る。 (b) 形 状 本発明方法において用いられる複合酸化物触媒の形状
は、特に制限は無く、粉末状、粒状の他、円柱状、円滴
状、円盤状などに成形されたものでも良い。一般には、
1〜30mm程度の球状、円柱状又は円盤状に賦形され
た成形体が用いられる。 (c) 調 製 このような酸化銅・酸化亜鉛の複合酸化物は、通常両金
属の酢酸塩又は炭酸塩を混合加熱・焼成することによっ
て調製することができる。
るためのプロピレンの処理温度としては、0〜80℃、
好ましくは10〜60℃、特に好ましくは20〜50℃
の範囲で行なわれる。該処理温度が低すぎると除去効果
が低くなり、逆に高すぎると処理圧力が高くなり処理操
作が困難となる。 (b) 接触時間 接触時間としては、原料プロピレン中のCOS,CO濃
度、処理温度、処理圧力、酸化銅・酸化亜鉛の複合酸化
物の形状などによって経験的に選択されるが、一般的に
は、数分〜数時間の範囲である。 (c) 処理圧力 処理時の圧力は、一般に2〜50kg/cm2、好まし
くは5〜40kg/cm2の範囲内である。 (d) 接触方法 プロピレンと酸化銅・酸化亜鉛の複合酸化物との接触方
法としては、任意の接触手段を採用することができる
が、プロピレンが液状状態で接触させることが重要であ
る。該プロピレンをガス状態で接触させると、複合酸化
物の充填塔が巨大になり、経済的に不利である。具体的
な接触手段としては、酸化銅・酸化亜鉛の複合酸化物触
媒を充填した搭状体又は槽状体内に、液状のプロピレン
を流通させることによって行なうことができる。
COS,COを同時に90%以上除去することができる
ので、処理後のCOS,CO濃度は通常1ppm以下、
最適条件下では0.1ppm以下とすることができる。
従って、得られた精製プロピレンはポリプロピレン、プ
ロピレン・エチレン共重合体、エチレン・プロピレンゴ
ム(EPR、EPT)などの重合体製造用原料、アクリ
ル酸、フェノール製造用原料などとして使用することが
できる。特に、このようにしてCOS,COを同時に、
安価なコストで除去したプロピレン重合用モノマーは、
触媒の被毒が少ないので、ポリプロピレン製造時のコス
トを大幅に引き下げることが可能となる。
する。 実施例1 内径78mm、高さ1,300mmの充填塔に、日揮化
学(株)製“酸化銅・酸化亜鉛N−211”(平均径約
6mm、平均長さ約6mm、嵩比重約1.7g/ccの
円柱状成型品)を10.5kg充填した。そして、この
充填塔内にCOS,COをそれぞれ約10ppmづつ含
有する液体プロピレンを20kg/hrの流速で、30
℃の温度にて100時間流通させた時のCOS,CO濃
度を充填塔の入口と出口とで測定した。その結果を表1
に示す。
通させた以外は実施例1と同様に行なった。その結果を
表1に示す。
た以外は実施例1と同様に行なった。その結果を表1に
示す。
体プロピレンを充填塔内に流通させた以外は実施例1と
同様に行なった。その結果を表1に示す。
通させた以外は実施例1と同様に行なった。その結果を
表1に示す。
わりに日揮化学(株)製“酸化亜鉛N−748”(平均
径約4.5mm、平均長さ約10mm、嵩比重約1.0
g/ccの円柱状成型品)を6.2kg充填した以外は
実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示す。
より、COS,COを同時に除去して精製されたプロピ
レンは、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合
体、エチレン・プロピレンゴム(EPR、EPT)など
の重合体製造用原料、アクリル酸、フェノール製造用原
料などとして使用しても、その後の工程における触媒の
被毒が少ないので、ポリプロピレン等の最終製品の製造
コストを大幅に引き下げることが可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】プロピレン中に含有される硫化カルボニル
と一酸化炭素を除去するに際し、該プロピレンを液状状
態で、かつ、0〜80℃の温度で酸化銅・酸化亜鉛の複
合酸化物と接触処理することを特徴とする、プロピレン
中に含有される硫化カルボニルと一酸化炭素を同時に除
去する方法。
Priority Applications (1)
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JP3230414A JP3017856B2 (ja) | 1991-09-10 | 1991-09-10 | プロピレン中に含有される硫化カルボニルと一酸化炭素を同時に除去する方法 |
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JPH0570375A true JPH0570375A (ja) | 1993-03-23 |
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JP2012206944A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Japan Polypropylene Corp | プロピレン中に含有される一酸化炭素(co)及び/又は硫化カルボニル(cos)を除去する方法 |
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