JPH0570287U - 食品支持棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】廃棄やリサイクルの容易な繊維質部材製の食品
支持棒の特質を生かしたまま、食品が食品支持棒から離
脱し落下してしまうことを防止して最後まで満足して食
べられるようにした食品支持棒の提供を図る。 【構成】全体が木・紙材ｂから構成された繊維質部材製
の棒状体をなす。この棒状体は、アイスクリームや飴等
の食品ａ内に配位される装着部１と、食品外に突出した
状態に配位される把手部２とからなる。装着部１には、
適宜数の凹部３が形成されており、この凹部３が食品に
対する引っ掛かり部分として作用し、食品の離脱・落下
を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アイスクリーム、飴、チョコレート、フランクフルトソーセージ等 の適宜食品に装着される食品支持棒の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、アイスクリーム、飴、チョコレート等の食品においては、把手を形成す るために、食品支持棒を装着して消費者に提供される場合がある。この食品支持 棒は、食品内に配位される装着部と、食品外に突出した状態に配位される把手部 とからなり、一般には、木、紙、合成樹脂から形成されている。このうち、合成 樹脂製のもの、特に金型を使用して射出成形されたされたものにおいては、比較 的複雑な形状に成形できるため、装着部の先端に円形の膨出部分を形成したり、 適当なキャラクターの形状を模したものも使用されている。しかし一般には、価 格面から合成樹脂製のものでも、或いは、木や紙製のものでも、単なる直線状の 棒が用いられており、食品の固着性が不安定であるのが現状である。又、廃棄や リサイクルの容易性の点では、木や紙製の繊維質部材製のものが優位に立つ。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように、各種の食品支持棒では、その材質や形状によって長所短所が見ら れるが、共通の課題として、食品を食べている途中に、温度や湿度等によってア イスクリームや飴等の食品が柔らかくなり、食品支持棒から離脱して落下してし まうという課題がある。この点は、単なる直線状の棒を用いた場合において顕著 に現れる。 そこで、本願考案は、食品が食品支持棒から離脱し落下してしまうことを防止 し、最後まで満足して食べられるようにすると共に、安価に生産し得る繊維質部 材製の食品支持棒を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本願考案は、アイスクリーム、飴、チョコレート等の食品内に配位される装着 部１と、食品外に突出した状態に配位される把手部２とからなる食品支持棒にお いて、次の構成を特徴とするものを提供することにより、上記の課題を解決する 。この食品支持棒は、木や紙材ｂから構成された繊維質部材製の棒状体からなる 。この棒状体の少なくとも装着部１には、適宜数の凹部３が形成されていること を特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

本願考案の食品支持棒においては、木や紙材ｂから構成された繊維質部材製の 棒状体からなる。この棒状体の少なくとも装着部１には、適宜数の凹部３が形成 されているため、凹部３が食品に対する引っ掛かり部分として作用し、食品の離 脱・落下を防止し得るものである。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に基づき本願考案の一実施例を説明する。 図１は本願考案の一実施例の食品支持棒の斜視図であり、図２の（Ａ）は図１ のＡ−Ａ線断面図、図２の（Ｂ）は図１のＢ−Ｂ線断面図である。また、図２の （Ｃ）は図２の（Ａ）の変形例を示す断面図であり、図２の（Ｄ）は図２の（Ｂ ）の変形例を示す断面図である。

【０００７】 この食品支持棒は、アイスクリーム、飴、チョコレート等々の適宜の食品ａ内 に配位される装着部１と、食品外に突出した状態に配位される把手部２とからな る。この食品支持棒は、全体が、適宜幅の紙材ｂを巻回して形成された棒状体か らなる。この実施例では、図２の（Ａ）に示すように、食品支持棒の全長と同一 の幅の紙材ｂを用意して、これを渦巻き状に巻回し、接着剤ｃで、最外周端を含 む部分の内面と、その内周に巻回された紙剤の外面とを接着し、断面略円形の棒 状体としたものである。尚、図２では図示の制約上、紙材ｂや接着剤ｃの厚みを 実際よりも大きく描いているが、実際には、薄い紙材をより多くの回周で密に巻 回することが好ましい。又、図２の（Ｃ）に示すように、中心部分を空洞部ｄと した状態に巻回することも可能であり、特に、径の大きなものでは、こちらのも のの方が有利な場合もあり、その製法も通常の平巻或いはスパイラル巻の紙管の 製法を採用してもよい。

【０００８】 この棒状体の少なくとも装着部１には、適宜数の凹部３が形成されている。こ の実施例では、凹部３は棒状体の図示の上下方向から、金型等の適宜押圧手段に よって偏平に押圧したものであり、装着部１の他の部分よりも偏平に凹んでいる 。他方、上下方向から偏平に押圧する結果、図２の（Ｂ）に明確に示されるよう に、横方向には、装着部１の他の部分よりも突出した凸部４が形成されることと なる。又、図２の（Ｃ）に示す中心部分を空洞としたものを押圧すると、図２の （Ｄ）に示す状態となり、空洞部ｄは消失するか或いは極めて小さなものとなる 。このように、空洞部ｄを形成することは、押圧による変形率を高めるのに有利 であり、特に、径の大きなものには適するものと考えられる。この際、空洞部ｄ の大きさは、支持棒に必要とされる棒状体の強度と、希望する変形率との関係を 考慮して決定すればよい。

【０００９】 この凹部３及び凸部４は、装着部１の他の部分よりも高密度となっている。よ り詳しくは、断面円形の棒状体を押圧して偏平な断面のものとすると、その断面 積は押圧前よりも小さくなり、その分、紙材は装着部１の他の部分よりも高密度 に圧縮されていることとなる。

【００１０】 この押圧作業を含む本願考案の食品用支持棒の製造工程は自由であるが、棒状 体を等間隔で整列させて支持し、適宜の早さで走行しているラインで連続して金 型等により押圧して行うと経済的である。又この押圧は、紙材特に最外周の紙材 を破裂させないよう、適度な押圧力及びスピードで行うことが好ましい。又、木 等の他の繊維質部材を用いた場合にも、同様の加工を行えばよいが、木の場合に は、割れや亀裂が生じないよう留意する必要がある。

【００１１】 この食品支持棒は、その装着部１にアイスクリーム、飴、チョコレート等の食 品ａを装着して、需要者に提供される。一般には、アイスクリーム、飴、チョコ レート等の食品ａの成形用の型内に装着部１を配位して、食品の成形を行うこと によって配位されるが、単に食品を付着させるだけでもよく、又、食品の成形後 に装着部１を嵌入させるようにしてもよい。そして、この食品支持棒の装着部１ には、前述のように、凹部３及び凸部４が形成されているため、この凹凸に食品 が引っ掛かり、食べている途中に、食品支持棒から離脱して落下してしまうこと を防止できる。

【００１２】 さらに、長細いアイスクリーム等の場合には、先端は食べやすいが、基端に行 くに従い食品支持棒の先端が邪魔になり、食べにくくなることがある。この最、 この実施例では、凹部３の位置から、食品支持棒を折ることによって、邪魔にな った食品支持棒の先端を捨ててしまうことができる。より詳しくは、凹部３及び 凸部４は、押圧加工によって高密度の状態となっているが、その分、逆に脆くな っている。その結果、食品支持棒の先端を直角近くまで曲げることによって、凹 部３の位置から、食品支持棒先端を折り去ることができる。尚、アイスクリーム 等が溶け出してその水分が紙材ｂに吸収されると通常の紙製の棒状体では、折り 去ることが困難となってくるが、凹部３及び凸部４は、高密度の状態となってい る。そのため、他の部分よりも水分の吸収が行われにくく、折り去りやすい状態 が維持されるものである。

【００１３】 この実施例の他、本願考案は適宜変更して実施することができ、図３に、その 数種類の例を示す。この図３の各例から明らかなように、凹部３及び凸部４の形 成個数、大きさ、形状は、適宜変更して実施でき、把手部２に凹部３及び凸部４ を形成することもできる。又、図３の（Ｄ）に示すように、凹部として、円錐形 等の適宜形状の比較的小さな窪みを形成してもよい。この場合にも押圧により窪 みが形成されるが、上記の実施例のように、凸部は形成されず、単に表面に窪み が形成されるに止まるものである。

【００１４】 さらに、図４に示すように、装着部１と把手部２との境界に、カップ原紙等の 適宜材質で形成された鍔部材５を取り付けて、食品ａの支持をより確実になして もよい。このとき、鍔部材５の中央にＸ字状の挿通用貫通部を形成しておくと、 鍔部材５の中央に食品支持棒を確実に挿入でき、有利である。又、図示は略する が、装着部１と把手部２との境界に押圧による凹凸を形成しておくことによって 鍔部材５の位置ずれを防止することができる。さらに、把手部２の端等に、把持 用の別部材６を接着等で取り付けておいてもよい。

【００１５】 紙製の棒状体の構成は、前記のものの他、適宜幅の帯状の紙材に接着剤を付与 して、捻りを掛けて巻回したり、スパイラル状に巻回したりしてもよい。接着剤 の使用範囲は自由であり、上記のように、最外周の一部に止める他、最外周を約 １周する範囲に及ばせたり、さらに、数周に及ばせたりすることもできる。これ らの紙材や接着剤の材質は、従来公知のものから適宜選択でき、着色や印刷を施 すこともできるが、水に強く、人に無害のものが好ましい。繊維質部材製とは、 木や紙材の繊維質部材を主材とする意味であり、例えば紙の場合、紙材の表裏面 等に合成樹脂フィルムやアルミニウム等の各種金属箔を積層したものを用いるこ ともできる。

【００１６】

【考案の効果】

以上、本願考案は、廃棄やリサイクルの容易な繊維質部材製の食品支持棒の特 質を生かしたまま、その棒状体の少なくとも装着部に凹部を形成することによっ て、食品が食品支持棒から離脱し落下してしまうことを防止し、最後まで満足し て食べられるようにできたものである。しかも、この凹部は、繊維質部材製の棒 状体を適宜の金型等で押圧することによって簡単かつ安価に生産し得るものであ り、さらに、その形成位置、個数や形状も比較的自由に行うことができ、使用目 的や種々のニーズに対応し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の一実施例の斜視図である。

【図２】（Ａ）は図１のＡ−Ａ線断面図、（Ｂ）は図１
のＢ−Ｂ線断面図、（Ｃ）は図２の（Ａ）の変形例を示
す断面図、（Ｄ）は図２の（Ｂ）の変形例を示す断面図
である。

【図３】（Ａ）乃至（Ｄ）は、夫々本願考案の他の実施
例の側面図である。

【図４】本願考案のさらに他の実施例の側面図である。

【符号の説明】

１…装着部 ２…把手部 ３…凹部 ４…凸部 ａ…食品 ｂ…紙材 ｃ…接着材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アイスクリーム、飴、チョコレート等の食
   品(a) 内に配位される装着部(1) と、食品(a) 外に配位
   される把手部(2) とからなる食品支持棒において、 この食品支持棒が、木・紙材（b)から構成された繊維質
   部材製の棒状体からなり、 この棒状体の少なくとも装着部(1) に、適宜数の凹部
   (3) が形成され、 この凹部(3) が、棒状体を押圧することにより形成され
   たものであることを特徴とする食品支持棒。