JPH0569552B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、拡張カテーテルに関する。

このようなカテーテルは良く知られている。例
えば、これらのカテーテルは、血管を拡張するた
めの血管形成処置法において一般に用いられてい
る。これらのカテーテルは、患者の体内に挿入さ
れる時の当該カテーテルの先導端の近くに位置す
る膨張可能な気球を備えたカテーテル軸を有す
る。この先導端は、一般に遠位端として知られて
いる。この気球は、血管に所望の拡張処置を施す
ために膨張させられる。この処置が完了すると、
当該気球は収縮させられてカテーテルが患者の体
から取除かれる。

〔従来技術〕

従来、このようなカテーテルの気球は、上記遠
位端またはその付近でカテーテル軸の外面に取付
けられた膨張可能な筒体または球体から構成され
ていた。当該気球は、カテーテル軸内を流れる流
体の付加によつて膨張させられる。当該気球が、
患者の血管を損傷させる程度にまで膨張させられ
ないということは明らかに望ましいので、本発明
の目的は、受容可能な限度を越えたらば膨張させ
ることができず、且つ収縮させたときにはカテー
テル軸と同径の平滑面を有する膨張可能部すなわ
ち気球を有する拡張カテーテルを提供することで
ある。

英国特許第2130093号は拡張カテーテルを記載
しており、当該拡張カテーテルにおいて、カテー
テル軸は、編み材製の編組管からなり、当該編組
管は、カテーテルの基部端からカテーテルの長さ
の大部分にわたつて伸びる半剛性の非弾性的外部
コーテイングを有し、更にまた、カテーテルの遠
位端またはその付近に、カテーテルの長さのわず
かな部分にわたつて伸びる弾性的外部コーテイン
グを有し、かくして当該わずかな部分が膨張可能
にされている。上記弾性的コーテイングによつて
カバーされた上記編組管の部分は、膨張性を改善
するために、選択的に、単位長さ当り更に少ない
ピツク（picks）を有する。上記構成により、カ
テーテルの外面は、その全長にわたつて平滑であ
り、そしてその膨張可能部分は、所定の直径にま
で膨張可能にされる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

我々の得た知見によれば、もし編組管がその長
さの大部分において単位長さ当り充分なピツクを
有するならば、上記外部コーテイングを、カテー
テルの長さの上記わずかな部分と上記大部分との
間におけるように変化させる必要はない。

これに関連して、“充分な”という意味は、例
えば上記わずかな部分を膨張させるために編組管
の内部に圧力が加えられたときに当該編組管が許
容度を超えて膨張するのを防止するために充分な
という意味である。上記圧力は一般に、約11m／
cm³（150ポンド／平方インチ）である。例えば、
外径が2.5ミリの編組管の場合、上記大部分にお
けるピツクの率は、18ピツク／cm（45ピツク／イ
ンチ）を超えることができる。

〔問題点を解決するための手段〕

従つて、本発明は、下記構成の拡張カテーテル
を提供する：即ち、当該拡張カテーテルにおい
て、当該カテーテルの軸すなわちカテーテル軸
は、編み材製の編組管からなり、当該編組管は、
自己の外面に均一なコーテイングを有し、当該拡
張カテーテルは、自己の長さの大部分にわたつて
上記編み材が、自己の長さのわずかな部分にわた
つて有するよりも更に多くのピツクを単位長さ当
りに有するように上記編み材を備えており、それ
によつて、当該わずかな部分は、自己に対する膨
張流体の付加に応じて膨張可能にされ、そして上
記大部分は膨張不能にされ、そして当該大部分と
上記わずかな部分とは互いに隣接しており、そし
て上記コーテイングは上記編み材に接着させられ
ており、そして／または上記カテーテル軸は、上
記編み材の内側に位置し且つ上記拡張カテーテル
の長さ方向に伸びる不透過性の弾性材からなる弾
性管を有する。

説明の便宜上、文脈上許される限り、以下にお
いて、当該拡張カテーテルの膨張可能部分を“気
球”と称する。

本発明のカテーテルは、望ましくは、当該カテ
ーテルの両端において中央管路開口を形成する内
管を有する。このことによつて、挿入操作時に案
内ワイヤを通じて当該カテーテルが通過可能にさ
れると共に、圧力監視および液注入のための手段
が提供される。拡張カテーテルの上記内管と外軸
との間の環状空間は、気球を膨張させるためにそ
こを通つて膨張流体が流れることができるところ
の通路を形成する。上記内管は、膨張時にその動
きと調和するために、上記外軸に関して軸方向に
移動可能にされる。

本発明の幾つかの実施例を添付図面に示す：当
該添付図面において、 第１図は、収縮状態の気球部分を示す、拡張カ
テーテルの遠位端の構造断面図であり、 第２および第３図は、本発明に従つた変形カテ
ーテルの遠位端の構造断面図であり、各々、当該
カテーテルの収縮状態と膨張状態を示す、 第４図は、カテーテルの基部端に取付けられた
座を通る構造横断面図である。

第１図に示される本発明の実施例において、拡
張カテーテルは軸を有し、当該軸は一般にＳで表
示されており、且つ都合良くポリエステル繊維で
もよい編み材製の編組管１から構成されている。
編組管１の外面は、望ましくはポリエステルまた
はポリエーテル・ウレタン、シリコーン・ゴム、
可塑化ポリ塩化ビニル（PVC）若しくはその他
の幾つかの適当な熱可塑性エラストマーの如きプ
ラスチツク材料から生理学的に受容可能な材料製
のコーテイング２によつて保護される。編組管１
の軸の側面形状すなわち外面は平滑である：即
ち、当該軸の外径は、第２図に示される通り、遠
位端に設けられる先端を除けば、自己の全長にわ
たつて一定である。編組管１は、わずかな部分３
を有し、当該わずかな部分３に、編組管１の残り
の部分（大部分）に単位長さ当り存在するピツク
の数よりも少ない数のピツクを単位長さ当り有す
る。このことによつて、当該カテーテルの上記部
分３は容易に膨張可能にされる。コーテイング２
は均一である：即ち、コーテイング２は、自己が
部分３をカバーする所と、自己が当該管１の残り
の部分をカバーする所との間におけるように変化
しない。当該管１の内部コーテイング４すなわち
外部コーテイング２と同様の弾性材が、望ましく
は、当該カテーテルの全長にわたつて、編組管１
の内面に接着される。放射線不透過標識部５ａ
が、管１の残りの部分に部分３が結合する結合地
点またはその付近でカテーテル軸に組込まれる。
もう１つの他のこのような標識５ｂが、カテーテ
ル軸の遠位端付近に設けられる。内張り６も設け
られる。当該内張り６は、図示の通りカテーテル
軸の全長にわたつて伸びるか、又は気球が形成さ
れるカテーテル軸の部分には内張りを施す必要は
ない。当該内張りの材料は、ポリテトラフルオル
エチレン（PTFE）またはフツ素化合物系エチレ
ン・プロピレン共重合体（FEP）のようなフツ
素樹脂でよい。

もし、カテーテル軸が、弾性的で且つ膨張流体
に対して不透過性の内部コーテング４、または、
同様の弾性的で且つ不透過性の内張り６、または
その他の幾つかの不透過性の弾性的内管を備えて
いない場合、主要なことは、外部コーテイング２
が編組管に接着され、そして当該編組管の上記大
部分と上記わずかな部分とが互いに隣接させられ
なければならないということであり、そうでない
場合には、当該特徴は選択的特徴である。このこ
とによつて、編組管は、カテーテル軸の残りの部
分ではない気球を膨張させる際に、要求された効
果を発揮する。

第２、第３および第４図に示される通り、内管
７は、カテーテル軸Ｓの内側に配置される。内管
７は、PVCのような半剛性材料製であり、カテ
ーテル軸Ｓと同軸的であり且つ同カテーテル軸Ｓ
に関して軸方向に移動可能にされる。当該内管７
は、自己の遠位端に開口９を有する中央管路８を
形成する。必要な場合には、第１図の実施例の内
張り６に対応する内張り（図示せず）がコーテイ
ング４に接着されて摩擦を減少させる。内管７
は、先に説明した通り、外軸Ｓに関して軸方向に
移動可能にされるけれども、カテーテルの遠位端
において先端すなわち栓１０によつて外軸Ｓに固
着される。第２および第３図に示される通り、先
端１０は、カテーテルの遠位端に向けてテーパが
付けられる。中央管路８の形成に加えて、内管７
も外部環状管路１１を形成する。当該外部環状管
路１１は、膨張管路として働き、当該膨張管路を
通つて流体が流れてカテーテルの気球部分を膨張
させる。先端１０は、膨張管路１１用の密封部と
しても働く。放射線不透過標識５ｂは、気球の遠
位端に位置する。

第４図に示される通り、カテーテルの基部端
に、座が設けられる。当該座は、カテーテル軸Ｓ
の外部コーテングに固着された金属製またはプラ
スチツク製の剛性本体または半剛性本体１３を有
する。当該剛性本体または半剛性本体１３の内側
に、内部ピストン部材１４が配置され、当該内部
ピストン部材１４は、内管７の外側に接着され
る。当該ピストン部材１４は、内管７の中央管路
８と連絡する中央通路８ａを有し、それによつて
流体は、通路８ａの基部端において、ルエル（
uer）座１５またはそれと同様の物の開口１５ａ
を介して管路８内に導入される。当該流体は、管
路８を通つて流れて遠位端において開口９を介し
て排出され、次いで患者の体内に入いる。通路８
ａおよび管路８によつても、処置の際に圧力を監
視することが可能にされると共に、案内ワイヤを
通じての当該カテーテルの挿入手段が提供され
る。コイルばね１６は、剛性本体または半剛性本
体１３の内側で、ピストン部材１４を取り囲み、
そして同ピストン部材１４の肩部を圧迫してピス
トン部材１４を、カテーテルの遠位端に向けて押
圧する。本体１３に関してピストン部材１４が回
転するのを防止するための手段も設けることがで
きる。柔軟な密封体１８は、本体１３とピストン
部材１４との間の環状通路をシールし、そして、
それ故、環状管路１１の基部端をシールする。

ルエル（uer）座１９または他の適当な結合
部は、本体１３から横方向に伸びて本体１３の内
部と連通し、それによつて流体はカテーテルの外
部環状管路１１内に流れるようにされて気球部分
を膨張させることができるようにされる。

使用に際し、カテーテルは、治療を受ける患者
の血管内に予め挿入された案内ワイヤを通じて挿
入される。次いで、案内ワイヤーが取除かれる。
カテーテルの気球部分は、適当な注射器によつて
うまい具合に発生させることができる流体の圧力
によつて膨張させることができる。当該治療が完
了したときに流体の圧力が除去され、それによつ
て気球部分は自己の初期形状を取り戻すことがで
きる。流体の圧力が除去されると、ピストン部材
１４は、コイルばね１６により助けられて遠位端
１０に向かつて動いて内管７を同方向に移動さ
せ、それによつて、膨張可能な気球部分ができる
だけ速やかに自己の非膨張時の形状に復帰するこ
とができるように当該復帰運動を助ける。当該運
動は又、カテーテルの気球部分のいかなる残留引
張り歪をも克服する。

うまい具合に、当該カテーテルは、適当な形成
器の回りの編み操作によつて編組管１を形成させ
るような方法によつて生産することができる。当
該形成器は、予め、内部コーテイング４を備え、
そして必要な場合には、内張り６をも備えてい
る。次いで、Ｘ線不透過部材５ａおよび５ｂが位
置決めされる。外部コーテイング２が設けられて
編組管を貫通して内部コーテイング４に接着させ
られる。内管７と外軸Ｓは、ピストン部材１４と
本体１３に各々、固着される。次いで、遠位端の
先端１０が取付けられる。

本発明のカテーテルは、血管形成処置法以外の
用途に対しても、拡張処置が必要とされる用途に
対しては、それらの用途に合うように変形させる
ことができる。一般的な拡張処置の目的を意図し
て変形された当該カテーテルにおいて、内管７は
当該カテーテルに設けられず、そして当該カテー
テルの遠位端の先端１０は完全にシールされる。
第４図に示される基部端の座は、当該変形例のカ
テーテルにおいては必要とされないが、一体的な
停止コツクを有するルエル（uer）座は、当該
カテーテルの基部端に設けることができ、それに
よつて膨張流体を当該カテーテルに供給すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、収縮状態の気球部分を示す、拡張カ
テーテルの遠位端の構造断面図であり、第２およ
び第３図は、本発明に従つた変形カテーテルの遠
位端の構造断面図であり、各々、当該カテーテル
の収縮状態と膨張状態を示す、第４図は、カテー
テルの基部端に取付けられた座を通る構造横断面
図である。 図中、１は編組管、２はコーテイング、４は内
部コーテイング、５ａ及び５ｂは放射線不透過標
識、６は内張り、７は内管、８は中央管路、９は
開口、１０は栓、１１は管路、１３は本体、１４
は内部ピストン部材、１５はルエル座、１５ａは
開口、１６はコイルばね、１８は密封体、１９は
ルエル座、Ｓはカテーテル軸である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 拡張カテーテルであつて、該カテーテルの軸
   はその外面に均一なコーテイングを有する編み材
   製の編組管からなり、該カテーテルは、該編み材
   がその長さのわずかな部分にわたつて有するより
   も更に多くのピツクを単位長さ当りに有するその
   長さの大部分を有しており、それによつて該わず
   かな部分は自己に対する膨張流体の付加に応じて
   膨張可能にされそして該大部分は膨張不能にさ
   れ、そして該大部分と該わずかな部分とは互いに
   隣接させられ、そして該コーテイングは該編み材
   に接着させられ、そして／または該軸は、該編み
   材の内側に位置し且つ該カテーテルの長さ方向に
   伸びる不透過性の弾性材からなる弾性管よりなる
   拡張カテーテル。 ２ 該大部分と該膨張可能なわずかな部分の双方
   の横断面積が同じであり、それによつて該カテー
   テルの軸の側面形状が該カテーテルの遠位端の先
   端を除いて該軸の全長にわたつて均一である特許
   請求の範囲第１項記載の拡張カテーテル。 ３ 該先端には該遠位端に向けてテーパが施され
   ている特許請求の範囲第２項記載の拡張カテーテ
   ル。 ４ 該軸よりも小径であつて且つ該カテーテルの
   両端で開口する内管が、該軸を通つて伸びること
   により中央管路を形成すると共に該内管と該軸と
   の間に外部環状管路を形成し；密封手段が、該わ
   ずかな部分の一端を、該内管に対して密封し；該
   環状管路と連絡する手段が設けられることによつ
   て該わずかな部分を膨張させるための流体が該外
   部環状管路に供給可能にされた特許請求の範囲第
   １乃至第３項のいずれか１項に記載された拡張カ
   テーテル。 ５ 該内管が該軸に関して軸方向に移動可能な特
   許請求の範囲第４項記載の拡張カテーテル。 ６ 先端が該外軸の遠位端の内側で該外軸に固着
   され、該内管がまた該先端に係合された特許請求
   の範囲第４項または第５項記載の拡張カテーテ
   ル。 ７ 座が該軸の基部端に取付けられ、該座は、該
   軸に固着される本体と、該本体の内側に配置され
   そして該軸の該内管に固着されたピストン部材
   （該ピストン部材は通路を有し、該通路を介して
   流体が該内管に通ずることが可能にされる）と該
   ピストン部材を該軸の遠位端に向けて押圧するば
   ね手段と、該ピストンと該本体との間に可撓性密
   封体と、該本体を介して該環状管路に通ずる連結
   部とよりなり、該連結部により該環状管路への膨
   張流体の供給が可能にされそれによつて該カテー
   テルが該わずかな部分にわたつて膨張可能にされ
   る特許請求の範囲第４乃至第６項のいずれか１項
   に記載された拡張カテーテル。 ８ 該ピストン部材が該本体に関して回転不能に
   固定された特許請求の範囲第７項記載の拡張カテ
   ーテル。 ９ 放射線不透過標識が該編み材製の編組管と該
   外部コーテイングとの間に配置された特許請求の
   範囲第１乃至第８項のうちのいずれか１項に記載
   された拡張カテーテル。 １０ 放射線不透過標識が膨張可能部分の各端に
   設けられた特許請求の範囲第９項記載の拡張カテ
   ーテル。 １１ 該わずかな部分が、該拡張カテーテルの遠
   位端またはその付近に位置している特許請求の範
   囲第１乃至第１０項のいずれか１項に記載された
   拡張カテーテル。