JPH0569020A - 厚板圧延における温度制御方法 - Google Patents

厚板圧延における温度制御方法

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JPH0569020A
JPH0569020A JP3260470A JP26047091A JPH0569020A JP H0569020 A JPH0569020 A JP H0569020A JP 3260470 A JP3260470 A JP 3260470A JP 26047091 A JP26047091 A JP 26047091A JP H0569020 A JPH0569020 A JP H0569020A
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裕二 堀
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哲也 小川
Hiroto Ono
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複数パスする厚板圧延において、
各パス圧延での材料の圧延温度をコントロールし材質特
性のばらつきを軽減させる。 【構成】 複数パス圧延する厚板圧延において、圧延途
中における実績経過時間,圧延板厚,圧延荷重から鋼板
温度を予測計算し、さらに次パス以降の温度降下量を推
定計算し、各パス毎の圧延速度,パス間時間を操作させ
て予め目標とする予定圧延温度の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は材質の制御を目的とし
て、圧延過程における材料の温度を調整しながら圧延を
実施する必要がある場合において、あらかじめ目標とす
る予定圧延温度を自動的に実現させる厚板圧延方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の厚板圧延において、予定圧延温度
を実現させる為の方法としては、単に圧延最中の材料温
度を実測し、その実測温度の高低に応じて、圧延機の運
転者がパス間で任意に待ち時間を調整したり、あるいは
パス毎の圧延速度を変化させたりすることにより調整を
行っていた。
【0003】また、次パス以降から数パス先の圧延温度
を予測する手段としてはあらかじめ圧延前に決定してい
るパススケジュール計算結果の予定温度と現パスの実測
温度を比較してその差分から推定するだけで、積極的に
次パス以降の時間調整を行う圧延方法は実現していなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の厚板圧延におい
ては、数パス先の圧延温度が実際にどのように変化する
のか正確に認識する方法がなく、また予測が可能であっ
たとしても、当パス以降の調整方法を適切に判断するこ
とは困難であり、結果として予定されているパスの時に
予定されている温度を確保できない状況が生じる問題点
があった。
【0005】また、圧延最中に確保すべき温度は、最終
的な仕上がり温度のみならず、圧延開始温度や途中パス
での温度を規制して材料の材質を制御する場合もあり、
この時には、圧延の途中で材料温度を測定してから調整
するのでは間に合わない問題点があった。
【0006】さらに、温度調整の手段として、圧延のパ
ス途中での実測温度から運転者が任意に判断して制御す
るため、途中パスで、ばらつきの大きな待ち時間調整が
生じる場合があり、圧延中にスムースで均一な温度降下
とならず、材質上のばらつきを生じる問題点があった。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、可逆式の厚板圧延機において温度
調整しながら板材を圧延するに際し、目標としている規
制温度を自動的かつ正確に確保できる圧延方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は1機または2機の可逆式の厚板圧延機と、
圧延機周辺の板材搬送テーブルを含めて自動制御できる
シーケンサ(DDC)とプロセスコンピュータ、ならび
に板材の実績情報を収集できるセンサ群を用いて、圧延
速度及び、パス間時間を自動制御させることにより、目
標としている圧延途中の規制温度を達成する方法を実現
させるものである。
【0009】すなわち、実際に圧延する前に、あらかじ
めパススケジュール計算の段階でまず、圧延中の板材の
温度降下量を厳密に予測計算し、標準的な圧延速度及び
各パス間時間の前提で圧延途中における規制温度を確保
できるかどうか判定する。規制温度を確保できないこと
が予測された時には、予測温度と規制温度の高低に応じ
て、標準的な圧延速度及び各パス間時間に対して、設備
工程能力の範囲内で修正を加えて温度を達成できる最適
なパススケジュールを再度作成し直すようにする。上記
の事前パススケジュール計算によって、圧延スタート時
の目標温度と、全パス分の目標温度を決定する。
【00010】ついで、実際に板材を圧延している最中
には、圧延スタート時点より各パス毎にリアルタイムに
実際の板材温度を計測しながら、目標温度との差異をプ
ロセスコンピュータが認識し、初期圧延スタートタイミ
ングをオペレータに指示した後、予定していた各パスの
圧延速度、パス間温度待ディレイ時間に修正を施して、
DDCに圧延機制御の情報を伝送させる。DDCではプ
ロコンからの速度情報と時間情報を受けて、実際の圧延
機のミルモータ速度及びテーブルの正転・逆転起動/停
止タイミングを制御させて、目標とする圧延温度を確保
する圧延を実現させる。
【00011】
【作用】上記した手段によれば、あらかじめ全パス分の
圧延温度スケジュールを規制温度に応じて決定している
ことにより、まず、圧延開始の事前段階から圧延スター
トすべき最適なタイミングを正確に運転者が認識するこ
とが可能となる。また、全パス分の圧延温度スケジュー
ルの目標値が明確で、その予定温度と実績温度の差異か
ら、速度と待ち時間が自動調整される為にパス毎の不均
一でばらつきの大きな温度待ちが解消され、圧延開始よ
り終了までスムースな圧延が実現できる。その結果、規
制された温度を正確に確保できるのみならず、圧延途中
パス間での予測できない時間待ちが解消される為に、圧
延材料を加熱炉から抽出する適正タイミングを把握する
ことができ、不必要な圧延待ち時間を削減することも可
能となる。
【00012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明による厚板圧延方法を実
現する制御系の構成例を示すブロック図である。まず、
図1の構成について説明する。プロセスコンピュータ1
はビジネスコンピュータ2からの鋼板情報を受けて、あ
らかじめ圧延開始前に、各パス毎の板厚や温度などのス
ケジュールを計算して、仕上圧延パス全体の工程処理内
容を決定する仕上パススケジュール計算部1A、このパ
ススケジュール計算部1Aによって得られたスケジュー
ルを各パス毎の実際に板を圧延しながら後述する仕上プ
ラントコントローラ3へ設定値を伝送すると共に、各パ
ス間で実績の情報を次パスにフィードフォワードさせる
学習計算をリアルタイムに実施して、さらに正確な次パ
ス設定計算を実行する仕上適応制御計算部1Bから構成
されている。さらに、圧延途中の被圧延材4の表面温度
を検出する放射温度計5、ミルの前後面に位置して、ミ
ル速度と同期して、被圧延材を搬送するテーブルロール
6、圧延機のワークロール7、ワークロールをDDCか
らの設定速度で駆動させるミルモータ8Aならびにモー
タ電流制御部8B、ミルモータと同様にテーブルロール
をDDCからの設定速度で駆動させるテーブルモータ
9、被圧延材が圧延機にロールバイト中であるかどうか
検出するロードセル10、圧延機のバックアップロール
11から構成されている。
【00013】図2は本発明による厚板圧延における温
度制御圧延を前提としたパススケジュール計算を実現す
る処理の概要を示すフローチャートである。以下、この
フローチャートに従ってまずパススケジュール計算の処
理内容について説明する。本処理計算にはいる前に、あ
らかじめ全パス分の板厚スケジュールが既に決定してお
り、そのデータを初期値としてセット(ステップ1:以
下S1と略す)する。ここでセットされるドラフト(板
厚)スケジュールは一般的には、圧延負荷や、板形状を
満足するように決定されており、適切な負荷配分がなさ
れた上で決定されている。本実施例では、以下のドラフ
トスケジュールである。 圧延スタート 1 2 3 4 5 6 7 8 9 出側板厚 80 70 60 50 40 30 20 18 15 12 ついで、被圧延材の正確な温度を予測する前提として、
圧延スタートにおける噛込温度を設定する(S2)。こ
の時に設定する噛込温度は、次の条件によって決定方法
が異なる。この決定方法のフローチャートを図3に示
す。
【00014】図3は、初期噛込温度を設定するための
処理を示すフローチャートである。図3において、ま
ず、後述する温度判定フラグが既に立っているかどうか
判定し(S31)、もし、既に何らかの温度制約条件か
ら既に噛込温度が決定されている場合にはS40に進ん
で、決定された温度を採用する。次に、噛込温度が決定
されていない場合は、今から仕上圧延のパススケジュー
ル計算しようとするタイミングにおいて、既に仕上圧延
の前段階である粗圧延が終了しており、その終了実績温
度が取り込まれているかどうか判定する(S32)。も
し取り込まれているならばS36に進み、また、実績温
度がないか、まだ粗圧延が終了していなければS33に
進む。S33では、被圧延材について材質上の制約から
噛込温度が指定されているかどうか判定する。もし、温
度指定材でなければ外部から任意に初期スタート温度を
予測決定すれば良いし(S34)、温度指定材であるな
らば、その指定温度を仕上噛込温度としてセットする
(S35)。一方、粗圧延が終了して実績温度がある場
合は、粗圧延の終了実績温度から仕上圧延までの通常の
搬送時間で、待ち時間なしの条件で仕上噛込予測温度を
計算する(S36)。ついで、噛込温度指定材ならば
(S37)、温度余裕の有無にかかわらず、指定温度を
セットして(S39)、さもなければ、予測温度をその
まま噛込温度としてセットする(S38)。本実施例で
は、噛込温度指定材で850℃噛込を指定されており、
まだ粗圧延が終了していなかった場合で、S31→S3
2→S33→S35の処理フローによって噛込温度表面
を850℃であると設定した。
【00015】続いて、図2のS3において、初期温度
を正確に予測するために板厚方向内部温度分布を予測す
る。予測する方法として、(1)加熱炉における加熱履
歴過程段階から板厚方向伝熱差分計算により予測し、そ
の後の粗圧延における空冷、ロールバイト、水冷(デス
ケーリング水)による条件を加味して、各プロセスにお
ける温度降下を予測する方法と(2)粗圧延終了時の、
実測表面温度と板厚から内部温度分布形状を推定して簡
単に予測する方法がある。本実施例では、後述の方法を
採用してスタート時の温度を以下であると計算された。
【00016】以上までの計算により、パス毎の計算の
スタート前提となる初期温度計算が終了し、以下パス毎
の温度判定を実施しながらの繰り返し計算フローを説明
する。図2S4〜S15に示すブロックは、一般的な1
パス内の計算処理を示すフローであり、ここに示すの
は、基本的なパス毎の温度、負荷スケジュールを決定さ
せる主計算部となっており、温度判定条件にかかわら
ず、同一のブロック計算となる。
【00017】図2の動作を説明すると、板厚スケジュ
ールを事前に外部より設定し(S1)、移送温度を温度
制約条件、粗圧延終了実績に応じて初期設定(噛込温度
設定(S2))する。その後、移送時の板厚内部温度計
算を行う(S3)。次に、各パスの圧延速度を設定し
(S4)、各パスのデスケーリング実行有無を設定し
(S5)、各パス1サイクルを(イ)入側空冷、(ロ)
入側水冷、(ハ)ロールバイト、(ニ)出側水冷、
(ホ)出側空冷の要素に分け、各時間を予想する(S
6)。そして、前パス出側温度から当パス入側温度との
間の温度降下量を時間差分計算し(S7)、指定パスで
の温度を判定し(S8)、当パス入側温度の修正が必要
な場合に限り修正計算を行う(S16)。また、S8で
修正計算が必要でなければ、圧延荷重計算を行い(S
9)、圧延トルク計算を行う(S10)。その後、負荷
チェックを行い(S11)、その際、負荷が正常でない
ときは、パス回数修正、修正板厚スケジュール作成を行
い(S17)、S2へ戻る。また、負荷が正常のとき、
ロールバイト内における温度変化量を計算し(S1
2)、当パス入側温度から当パス出側温度間の温度降下
量を時間差分計算する(S13)。 次に、仕上出口か
否かを判断し(S14)、仕上出口でなければ、当パス
出側から次パス入側を経て(S18)、S4へ戻り、仕
上出口であれば初期噛込(移送)における温度ディレイ
時間を計算する(S15)。
【00018】図4に示すのは、各温度制約条件に応じ
て図2のS4〜S14をどのように繰り返し計算させる
のかをさらに詳細に示したフローチャート図である。以
下、図4において全体的な処理分岐フローにおける弾性
な計算フローを同時に説明する。まず、図4において、
被圧延材が温度規制材であるかどうか判定する(S4−
1)。この時温度規制の全くない時にはS4−2の処理
に分けて図2のS4〜S14のブロック計算にはいる。
すなわち、当パスの圧延速度を設定する。圧延速度の設
定にあたっては、通常は板サイズによって、標準的なロ
ール回転数を持たせており、例えば、厚/長さ毎のテー
ブル値等によって板材の圧延速度パターンを決定する。
ついで、当パスが被圧延材の表面に生成するスケール
(酸化鉄の膜)を剥離する為のデスケーリング噴射が必
要がどうか判定した後(図2のS5)、当パスにおける
パス時間を要素分割して予測計算する。
【00019】パス毎の時間要素分割を示す摸式図を図
5に示す。図5において、(A)前パス(i−1)の板
テール部がメタルオフする(ロールに噛込状態から抜け
る)タイミングから(A′)、当パス(iパス)におけ
る同様の時点までを1サイクルとして、 (A)−(B)間:(i−1)パスの板テール部がメタルオフしたタイミング ↓ iパスの板ミドルがデスケスプレーゾーンに入る時のタイミ ング を、iパスの入側空冷時間と称し、△tABと記す。 (B)−(C)間:板ミドルがデスケスプレーゾーンに入って ↓ 板ミドルがメタルインするタイミング をiパスの入側水冷時間と称し、△tBCと記す。 (C)−(E)間:板ミドルがメタルインして ↓ 板ミドルがメタルオフするタイミング をiパスのロールバイト時間と称し、△tCEと記す。 (E)−(F)間:板ミドルがメタルオフして ↓ 板ミドルがデスケスプレーゾーンを抜ける時のタイミング をiパスの出側水冷時間と称し、△tEFと記す。 (F)−(A)′間:板ミドルがデスケスプレーゾーンを抜けて ↓ iパスの板テール部がメタルオフする時のタイミング をiパスの出側空冷時間と称し、△tFAと記す。 の5分割として、それぞれの時間を予測設定する。
【00020】この時間要素設定は、図2のS4で設定
した圧延速度と、デスケスプレーゾーン距離、及びロー
ルバイト中の接触弧長からの推定計算に加えて、(i−
1)パスとiパスのパス間時間、すなわち(i−1)パ
ステールメタルオフ〜(i−1)パスフロントメタルイ
ンのタイミング間時間を設定することで容易に計算でき
る。このパス間時間と、圧延速度が後述する温度制御材
における制御因子となる。なお、初期の標準的なパス間
時間は、実操系における平均的な時間として、スラブサ
イズや重量等から簡易的に設定すれば良い。
【00021】ついで、図2S7において、各要素時間
毎に分割したうち、ロール入側までのタイミングにおけ
る温度降下量を予測する。すなわち、温度降下計算にお
いて、本実施例では、伝熱計算を差分展開して計算する
方法を採用した。すなわち、要素時間をさらに微細な刻
み時間に分割して、被圧延材の板厚方向に4〜10分割
させて表面からの熱伝導、内部への熱移動量を計算し、
空冷あるいは水冷時の温度降下量を計算する。ここまで
で、当パスの実際にロール入側での温度が明らかになっ
たので、被圧延材の圧延負荷予測が可能となって、図2
S9及びS10において、圧延荷重/トルクの推定計算
を実施して、S11において圧延負荷が設備制約条件内
かチェックし、そうならば、図2S12に進み、負荷オ
ーバーならば、図2のS1に戻って、ドラフトスケジュ
ール計算を再修正させるようにする。図2S12におけ
るロールバイト温度変化計算においては、加工発熱、摩
擦発熱、ロールとの接触による抜熱を考えて、温度変化
量を推定計算させる。さらにパス出側における温度降下
を入側と同様に計算し、1パス分の温度計算を終了す
る。
【00022】実施例での初期から2パス目における計
算結果を図6に示す。 ロール入側板厚 80mm 出側板厚 70mm 1パス目のTIM(1) 2.30秒 2パス目のTIM(2) 2.40秒 TOM(2)
4.80秒 △tAB≒TOM(2)+(TIM(2)/2)−△tBC
≒6.0秒 △tBC≒Z/VR =0.0124S △tCE≒Ld/VR =0.0456S △tEF≒0 △tFA≒TIM(2)/2≒1.20S
【00023】以上が1パス分の一般的な処理フローで
あるが、これが温度規制材の場合においては図4のS4
−3の処理に分離する。ここで、温度規制材としては、
以下の4つのパターンがある。 噛 込 中間パス 仕上1圧下前 I × × ○ ○規制あり II ○ × ○ ×規制なし III × ○ ○ IV ○ ○ ○
【00024】また、図4のS4−3において、中間温
度の規制がない場合には、パターンのIまたはIIであ
り、処理S4−4に分岐する。S4−4では、噛込初期
パスから、ラストパス前までのパススケジュール計算を
行う。この時、まずはじめの計算では、標準的なパス間
時間及び圧延速度によって順次計算していく。そして、
S4−5において、ラストパス前の入側温度を計算し
て、その温度が規制温度以内であるかどうかS4−6で
判断し、OKならばS4−7でラストパスの負荷を計算
して処理を終了する。S4−6でラストパスの温度がN
Gとなった場合には、S4−8で各パス間時間、及び各
パスの圧延速度の修正量を決定して、S4−4の処理に
戻って再度温度計算させる。一方、中間温度の規制があ
った場合には、パターンIIIまたはパターンIVであ
り、S4−9に分岐する。S4−9以下のフローでは、
まず初期〜中間パスまでのスケジュール決定部分S4−
9〜S4−12と、中間パス〜ラストパス前までのS4
−13以下の部分とに分離して決定する。まず、S4−
9では、先に示したS4−4A〜S4−7までの処理と
全く同様の処理を中間パスまでを対象に計算する。つい
で、S4−13以下では、同様に中間パス〜ラストパス
前までのパススケジュール計算を実施する。
【00025】以下に、規制温度のチェックと修正方法
について順次説明する。これは、パススケジュール計算
時に温度判定を実施して、噛込温度の修正またはパ
ス間時間(TOM)の修正へと再計算させることを判定
するロジック内容を示すものでアウトプット項目は修正
後の移送温度、温度修正フラグTHFLAG,パス間の
空冷時間補正量:△ttである。一方、既知であるべき
項目は、T1SO(指定移送温度)上限値,狙い値,下
限値,TCHU(指定中間温度)上限値,狙い値,下限
値,TIAS(指定1圧下前温度)上限値,狙い値,下
限値,NC(指定中間温度パス数)については、ビジネ
スコンピュータからの情報で与えられているものであ
る。また、NT(トータルパス回数)は図2S1の外部
からのドラフトスケジュールの結果であり、TISO元
(元スケジュール移送温度)、TCHU元(元スケジュ
ール中間温度)、T1AS元(元スケジュール1圧下前
温度)及びKT(i)(iパスにおける入側空冷温度勾
配については最初の標準的な速度、時間設定で計算した
温度である。
【00026】まず、図4のS4−11,S4−6,S
4−15中における温度判定方法内容について以下に示
す。各パス毎のスケジュール計算の中で、現在計算中の
パスが規制温度の存在するパスかどうかチェックし、規
制温度が存在する場合に、上下限内であるか判断し、処
理を分岐する。 S4−11における現パス回数=規制中間パス回数(N
T−NC+1)の時は 規制温度 上限チェック TCHU(上限値)<Tin(現パス入側表面温度)ならばS
4-12へジャンプし、 規制温度 下限チェック TCHU(下限値)>Tin(現パス入側表面温度)ならばS
4-12へジャンプし、 上記以外の時、中間規制温度が確保可能としてS4−
13の処理に進む。 S4−6及びS4−15における現パス回数=ラストパ
ス回数(NT)の時はS4−6では中間規制温度なしの
場合での 上下限チェック TLAS(上限値)<Tin(現パス入側表面温度)ならばS
4-8へジャンプし、TLAS(下限値)<Tin(現パス入側
表面温度)ならばS4-8 へジャンプし、 S4−15では中間規制温度なしの場合での 上下限チ
ェック TLAS(上限値)<Tin(現パス入側表面温度)ならばS
4-15へジャンプし、TLAS(下限値)<Tin(現パス入
側表面温度)ならばS4-16へジャンプし、 上記以外の時 (ラストパス規制温度が確保可能) ラストパス規制温度OKとしてS4−7またはS4−1
6の処理に進む。
【00027】次に、中間温度判定NGからの処理であ
るS4−12について説明する。中間温度判定でNGと
なった場合には、まず、圧延スタートの噛込温度が修正
可能かどうかチェックし、修正可能な範囲で圧延開始温
度を変更させる。ついで、開始から中間パスまでの温度
降下量に対して、等分に時間変更処理を行い、目標とす
る中間温度を達成させる温度スケジュールを再計算させ
る準備処理を行う。 規制中間温度 狙い値vs元のスケジュール温度の偏
差量を計算する。 中間パス狙い値偏差温度:△TCHU =TCHU (元)−T
CHUaim 修正噛込温度(圧延スタート温度)を以下の条件で決
定する。 イ.噛込温度規制材の時(粗圧延終了実績温度の有無に
かかわらず)元スケジュールの噛込温度を中間温度偏差
分シフトさせて規制噛込温度上下限内のチェックを加え
る。 イ−1.TLAS(下限値)>TISO (元)−△TCHU(下限オーバー時)ならば TISO (新)=TLAS(下限値) イ−2.TLAS(上限値)<TISO (元)−△TCHU(上限オーバー時)ならば TISO (新)=TLAS(上限値) イ−3.上記以外 (シフトさせても、規制噛込温度内の時) ならば TISO (新)=TISO (元)−△TCHU ロ.噛込温度規制材以外の時 ロ−1.粗圧延終了実績温度が有(既に粗圧延は完了)で、かつ仕上開始温 度をシフトさせる余裕が無い時。すなわち、 粗圧延終了実績温度:TISOE<TISO (元)−△TCHU ならば TISO (新)=TISOE ロ−2.上記以外(噛込温度を変更可能) ならば TISO (新)=TISO (元)−△TCHU 修正噛込温度 元のスケジュール温度と修正値の偏差
量を計算する。 開始パス狙い値偏差温度:△TISO =TISO (元)−T
ISO (新) 噛込(開始)から中間パスまでの温度降下修正量を計
算する。 温度降下修正量:△TIC( ℃) =△TCHU −△TISO パスあたりの平均入側空冷時間変更量を計算 但し、KT (i)(℃/s) :iパスにおける入側空冷表面温
度勾配で、各パス毎に最初に入側空冷差分計算した時の
(温度降下量/空冷時間) N:初期噛込パスから中間パスまでのパス数(NT-NC
+1) THFLAG=2,△tt=△tICとして、二次スケジュー
ル計算の入口パス、移送温度分布より再計算する。
【00028】また、中間温度規制なしの1圧下前温度
NGからの処理であるS4−8について以下に説明す
る。1圧下前温度判定でNGとなった場合には、まず、
圧延スタートの噛込温度が修正可能かどうかチェック
し、修正可能な範囲で圧延開始温度を変更させる。つい
で、開始からラストパスまでの温度降下量に対して、等
分に時間変更処理を行い、目標とする1圧下前温度を達
成させる温度スケジュールを再計算させる準備処理を行
う。 規制1圧下前温度 狙い値vs元のスケジュール温度
の偏差量を計算する。 1圧下前パス狙い値偏差温度:△TLAS =TLAS (元)
−TLASaim 修正噛込温度(圧延スタート温度)を以下の条件で決
定する。 イ.噛込温度規制材の時(粗圧延終了実績温度の有無に
かかわらず)元スケジュールの噛込温度を中間温度偏差
分シフトさせて規制噛込温度上下限内のチェックを加え
る。 イ−1.TLAS(下限値)>TISO (元)−△TLAS(下限オーバー時)ならば TISO (新)=TLAS(下限値) イ−2.TLAS(上限値)<TISO (元)−△TLAS(上限オーバー時)ならば TISO (新)=TLAS(上限値) イ−3.上記以外 (シフトさせても、規制噛込温度内の時) ならば TISO (新)=TISO (元)−△TLAS ロ.噛込温度規制材以外の時 ロ−1.粗圧延終了実績温度が有(既に粗圧延は完了)で、かつ仕上開始温 度をシフトさせる余裕が無い時。すなわち、 粗圧延終了実績温度:TISOE<TISO (元)−△TCHU ならば TISO (新)=TISOE ロ−2.上記以外(噛込温度を変更可能) ならば TISO (新)=TISO (元)−△TLAS 修正噛込温度 元のスケジュール温度と修正値の偏差
量を計算する。 開始パス狙い値偏差温度:△TISO =TISO (元)−T
ISO (新) 噛込(開始)からラストパスまでの温度降下修正量を
計算する。 温度降下修正量:△TIL( ℃) =△TLAS −△TISO パスあたりの平均入側空冷時間変更量を計算 但し、KT (i)(℃/s) :iパスにおける入側空冷表面温
度勾配で、各パス毎に最初に入側空冷差分計算した時の
(温度降下量/空冷時間) N:初期噛込パスからラストパスまでのパス数( NT) THFLAG=3,△tt=△tILとして、二次スケジュー
ル計算の入口パス、移送温度分布より再計算する。
【00029】最後に、中間温度規制有りの1圧下前温
度NGからの処理であるS4−15について説明する。
中間温度規制有りの場合で、1圧下前温度判定でNGと
なった場合には、初期噛込から中間規制パスまでのスケ
ジュールはFixして考えて、中間からラストパス間
で、パス間不均一ディレイのないように温度スケジュー
ルを配分修正する。規制1圧下前温度、狙い値vs元
のスケジュール温度の偏差量を計算する。 1圧下前パス狙い値偏差温度:△TLAS =TLAS (元)
−TLASaim 中間パスからラストパスまでの温度降下修正量を計算
する。 温度降下修正量:DTCL(℃)=△TLAS パス当たりの平均入側空冷時間変更量を計算 但し、KT (i)(℃/s) :iパスにおける入側空冷表面温
度勾配で、各パス毎に最初に入側空冷差分計算した時の
(温度降下量/空冷時間) N:中間規制パスからラストパスまでのパス回数(NT−
NC +2) THFLAG=4,△tt=△tCLとして、二次スケジュー
ル計算の中間パスの次パスより再計算する。
【00030】図7は、従来技術との目標温度と実績温
度の偏差ヒストグラムを示したもので、従来技術では偏
差σ=7.5℃であったのに対して、本発明のσ=3.
2℃に向上している。
【00031】図8は、従来技術と本発明との温度スケ
ジュールの差異を示したもので、従来技術では規制され
ている温度パスのみ、目標値との偏差が小さく、その直
前パスでのみ温度を調整しているが、本発明では、全パ
スに渡ってスムースな温度降下で全パスとも目標温度に
沿った実績温度が確保されている。
【00032】さらに、図9において、被圧延材のロー
ルバイト中かパス間アイドル中かを示すタイムチャート
で、両者を比較すると、従来技術ではパス間メタルオフ
時間のばらつきが大きく、急いで圧延されたり、穏やか
にディレイを取っているパスが不均一であるのに対し
て、本発明では、均一なパス間時間でスムースな時間配
分となっていることがわかる。
【00033】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の厚板圧延に
おける温度制御方法によれば、あらかじめ全パス分の圧
延温度スケジュールを規制温度に応じて決定しているの
で、まず圧延開始の事前段階から圧延開始すべきタイミ
ングを正確に操作者が認識することができ、さらに、全
パス分の圧延温度スケジュールの目標値が明確で、その
予定温度と実績温度の差異から、速度と待ち時間が自動
調整されるためにパス毎の不均一でばらつきの大きな温
度待ちが解消され、圧延開始より終了までスムースな圧
延が実現できる。そのため、規制された温度を正確に確
保できるのみならず、圧延途中パス間での予測できない
時間待ちが解消されるので圧延材料を加熱炉から適正タ
イミングで抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による厚板圧延方法を実現する制御系の
構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明による厚板圧延における温度制御圧延を
前提としたパススケジュール計算を実現する処理の概要
を示すフローチャートである。
【図3】初期噛込温度を設定するための処理を示すフロ
ーチャートである。
【図4】各温度制約条件に応じて図2のS4〜S14の
処理をどのように行うかを示したフローチャートであ
る。
【図5】本発明の実施例におけるパス毎の時間要素分割
を示す摸式図である。
【図6】本発明の実施例における初期から2パス目にお
ける計算結果を示す図である。
【図7】従来技術と本発明との目標温度と実績温度の偏
差ヒストグラムを示した図である。
【図8】従来技術と本発明との温度スケジュールの差異
を示した図である。
【図9】従来技術と本発明との被圧延材のロールバイト
中かパス間アイドル中かを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 プロセスコンピュータ 2 ビジネスコンピュータ 3 仕上プラントコントローラ 4 被圧延材 5 放射温度計 6 テーブルロール 7 ワークロール 8A ミルモータ 8B モータ電流制御部 9 テーブルモータ 10 ロードセル 11 バックアップロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可逆式圧延機を用いて板材を圧延する際
    に、材質の制御を目的として、圧延過程における材料の
    温度を調整しながら圧延を実施する場合において、圧延
    途中における実績経過時間、圧延板厚、圧延荷重から鋼
    板温度を予測計算し、さらに次パス以降の温度降下量を
    推定計算し、各パス毎の圧延速度、ならびにパス間時間
    を操作させ、あらかじめ設定する予定圧延温度を実現さ
    せることを特徴とする厚板圧延における温度制御方法。
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