JPH0569006U - 切断帯状体の段積装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 帯状体を送るとき、この帯状体が垂れ下が
り、既に送られて段積みされている切断帯状体に接触し
て送りが阻害されることを防ぐ。 〔構成〕 帯状体を送るテーブルの前面に、帯状体の下
側を帯状体を段積みしている支持台へ向けてエアーを吹
き出すエアー吹出口を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、所定寸法に切断されたシートベルト、スリングベルト、リボン等 の帯状体を後作業が容易なように端を揃えて段積み状に積み重ねて行く切断帯状 体の段積装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

このような目的に供されるものとして、この出願人は、先に、テーブル上を送 られる連続した帯状体を所定長さで切断し、切断された帯状体を前記テーブルの 下手側に設置される支持台上にこの帯状体上面を一定高さに保持して段積み状に 積み重ねて行く切断帯状体の段積装置を実願平２−３６９３４号として提案して いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この装置では、支持台上に積み重ねられる帯状体の上面の高さを一定に保持す ることから、テーブル上面と段積み面（段積みされた一番上の帯状体の上面で、 テーブル面より若干下方に設定されている）までの高さが常に一定になり、段積 精度が上がるのであるが、ただ、帯状体の硬度、材質等によっては段積み面に送 られる間に垂れ下がり、帯状体に接触して所定長さ送られないといった問題があ る。 この考案は、このような課題に対処するものであって、要は、このようなこと がないように、帯状体を浮かして送るようにしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上の課題の下、この考案は、テーブル上を送られる連続した帯状体を所定長 さで切断し、切断された前記帯状体を前記テーブルの下手側に設置される支持台 上にこの帯状体上面を一定高さに保持して段積み状に積み重ねて行く切断帯状体 の段積装置において、前記テーブルの前面に、前記帯状体の下側を前記支持台へ 向けてエアーを吹き出すエアー吹出口を設けたことを特徴としたものである。

【０００５】

【作用】

以上の手段をとることにより、帯状体の下面にはエアー吹出口から吹き出たエ アーが流れており、帯状体はこのエアーによって浮上している。したがって、段 積み面に接触することなく送られ、正確な切断寸法が確保される。

【０００６】

【実施例】

図１はこの考案に係る段積装置の側面図、図２図は背面図であるが、この段積 装置Ａはテーブル１０上を送られる連続した帯状体１２を切断するカッター１４ およびこのカッター１４を取り付けるヘッド１６等からなる切断装置Ｂの供給下 手側に設置される。帯状体１２は繰出ローラ１８等によって切断される寸法だけ 間欠的に送り出され、この送りが停止したときに切断装置Ｂが作動する。

【０００７】 段積装置Ａはテーブル１０の下手側に設けられ、送られて来る帯状体１２を受 け止めるために昇降可能に設けられる支持台２０と、この支持台２０とテーブル １０との間に設けられ、支持台２０の上に段積みされた帯状体１２が一定高さ以 上に上昇するのを規制する押下枠２２と、支持台２０の上方に設けられ、支持台 ２０上に供給された帯状体１２を上から押さえる押下板２４とからなる。具体的 には、テーブル１０の下方には基礎台２６が設けられているから、これに二つの エアーシリンダ２８、３０をそれぞれ垂直に取り付け、各々のロッドに平板体の 支持台２０と、この支持台２０の左右上下を取り囲むような枠状の押下枠２２と をそれぞれ設けるのである。また、押下板２４はテーブル１０の側方をガードす る側板３２にアーチ状の取付枠３４を架設し、これにエアーシリンダ３６を下向 きに取り付けるとともに、そのロッドに押下板２４を装設するのである。

【０００８】 次に、この考案では、エアー吹出ヘッド３８をテーブル１０の前部に取り付け 、このエアー吹出ヘッド３８の前面に形成されたエアー吹出口４０から高圧のエ アーが前方へ吹き出すようにする。なお、エアー吹出ヘッド３８には送気管４２ 等で高圧空気を導いておくとともに、エアー吹出口４０はエアー吹出ヘッド３８ の前面に複数個形成しておく。

【０００９】 図３〜図９はこの段積装置Ａの作動要領を示す要部断面側面図であるが、まず 、作動前においては支持台２０は押下枠２２に当たるまで上昇しており、押下板 ２４は上昇している（図３）。この状態で帯状体１２は切断寸法だけ繰り出され るが、このとき、エアー吹出口４０からエアーが吹き出すようになっており、支 持台２０側へ送られる帯状体１２はこのエアーに乗って繰り出される。帯状体１ ２が所定長さ繰り出されると、押下板２４が下がって帯状体１２を押さえるとと もに、わずか遅れてカッター１４が下がり、帯状体１２を切断する（図５）。な お、このときの支持台２０のエアーシリンダ２８による持上力は押下板２４のエ アーシリンダ３６による押下力より弱くしてあるから、押下枠２２が上昇して支 持台２０から離れても支持台２０は上昇することはない。

【００１０】 次に、カッター１４および押下枠２２が上昇し、送り出されて押下枠２２の上 に被さっている帯状体１２を押し上げてその中に取り込むとともに（図６）、押 下枠２２は再び下降して帯状体１２の上面を押さえる（図７）。したがって、押 下枠２２は帯状体１２が中に取り込めるだけのストロークは上昇する必要があり 、この上昇位置と、下降して帯状体１２を押さえる下降位置との間を昇降する。 押下枠２２が下がって帯状体１２を押さえると、押下板２４は再度上昇して次の 供給に備える（図８）。このような作動を繰り返して支持台２０の上に一定数の 帯状体１２を段積みするのである（図９）。そして、この場合、テーブル１０と 段積みされた一番上の帯状体１２の上面（段積み面）とは押下枠２２によって常 に一定の高さに設定されるから、乱れることなく段積みできるのである。

【００１１】 なお、帯状体１２の種類、段積数はロットによって適宜変更されるが、このと きでも、支持台２０のエアーシリンダ２８は最高に段積みされる帯状体１２の重 量よりも高い持上力を発揮するように圧力設定される。また、これに伴ってエア ーシリンダ３６による押下板２４の押下力はこの持上力よりも強くなるように設 定される。

【００１２】

【考案の効果】

以上、この考案は、前記したものであるから、次のような効果が期待できる。 ａ）帯状体を段積み面まで送り出すとき、エアーによって帯状体を浮かした状態 で送るから、垂れ下がって段積み面等に接触することはない。したがって、切断 寸法が正確であり、また、段積み姿が乱れない。 ｂ）エアーは帯状体の下面を送り方向に吹き出されるから、帯状体の送りを助け 、繰出力が増大される。 ｃ）カッターは熱溶断性のものを使用するから、切断直後の切断部は溶融状態で ある。したがって、これを次の段積み面まで移動すると、既に段積みされている 下の帯状体とくっつくことがあるが、このようにエアーを帯状体の下面に吹き出 すと、この溶融を冷却し、このようなことを起こり難くする。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る段積装置の側面図である。

【図２】この考案に係る段積装置の背面図である。

【図３】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【図４】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【図５】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【図６】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【図７】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【図８】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【図９】この考案に係る段積装置の作動状態を示す要部
側面図である。

【符号の説明】

１０ テーブル １２ 帯状体 ２０ 支持台 ４０ エアー吹出口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブル（１０）上を送られる連続した
   帯状体（１２）を所定長さで切断し、切断された前記帯
   状体（１２）を前記テーブル（１０）の下手側に設置さ
   れる支持台（２０）上にこの帯状体（１２）上面を一定
   高さに保持して段積み状に積み重ねて行く切断帯状体の
   段積装置において、前記テーブル（１０）の前面に、前
   記帯状体（１２）の下側を前記支持台（２０）へ向けて
   エアーを吹き出すエアー吹出口（４０）を設けてなる切
   断帯状体の段積装置。