JPH0568991B2 - - Google Patents

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JPH0568991B2
JPH0568991B2 JP1290726A JP29072689A JPH0568991B2 JP H0568991 B2 JPH0568991 B2 JP H0568991B2 JP 1290726 A JP1290726 A JP 1290726A JP 29072689 A JP29072689 A JP 29072689A JP H0568991 B2 JPH0568991 B2 JP H0568991B2
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JP
Japan
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chitosan
film
polyvinylpyrrolidone
films
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JP1290726A
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JPH03151976A (ja
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Masuaki Togashi
Shigeki Hayashi
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Fuji Spinning Co Ltd
Original Assignee
Fuji Spinning Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
〓産業上の利用分野〓 本発明は創傷保護材、創傷治癒材等に最適な医
療用キトサンフイルムに関するものである。 〓従来の技術〓 従来より外傷、火傷等の皮膚欠損傷の治療に
種々の創傷治癒被覆材が開発されている。特に、
キチンの脱アセチル化物であるキトサンを粉末、
織維、不織布、フイルム或いは溶液の形態で医療
用材料として用いることについては、特開昭59−
88424号に、キトサン又はキトサン塩を創傷に接
触させることにより止血、繊維増殖阻害や組織再
生促進作用のあることが記載されている。又、特
公昭62−1732号に、N−アセチルグルコサミンと
グルコサミンからなるフイルム所謂キトサンフイ
ルムの創傷被覆材が開示されている。特公昭62−
1732号の実施例に示されている通り、キトサンフ
イルムは湿潤状態では強度は低く、伸度は高い値
を示すが、乾燥状態のキトサンフイルムは強度、
伸度が低く堅くて脆いフイルムとなり、創傷被覆
材として使用中に破れてしまう欠点がある。又、
透明性が悪く半透明のフイルムで創傷面に貼布し
た場合に創傷面が見難く、創傷被覆材として不感
蒸泄のコントロール、浸出液の適切な除去、体液
漏出防止、外部よりの細菌侵入阻止が重要で、こ
のために医療用フイルムとして必要な吸水率、透
湿度及びガス透過率が未だ低い欠点があつた。 〓発明が解決しようとする課題〓 本発明は、上述した従来の欠点を解決し、乾燥
状態での強度及び伸度が高く透明性も良好にし
て、吸水率、透湿度及びガス透過度の高い、有益
な医療用キトサンフイルムを提供することを目的
とする。 本発明者等は、キトサンフイルムが生体親和性
が高く皮膚との密着性が勝れていることから、キ
トサンの具備している機能を損うことのないフイ
ルムの研究を進めた結果、2枚のキトサンフイル
ムをキトサン以外の他の物質からなる層を介して
積層させることにより上記問題を解決した。キト
サン以外の他の物質としては、キトサンとの親和
性が高く、且つその用途から毒性の低い物質を
種々検討した結果、ポリビニルピロリドンを用い
た医療用キトサンフイルムが良好なる所望の性能
を発揮することが見出された。 〓課題を解決するための手段〓 本発明は、キトサンフイルムをポリビニルピロ
リドン層を介して積層したことを特徴とする医療
用キトサンフイルムである。 本発明において、キトサンとはN−アセチル−
D−グルコサミンがβ−1,4結合した多糖類で
あるキチンを濃厚苛性アルカリで熱処理すること
によりアセチル基を加水分解し脱アセチル化した
ものである。本発明の医療用キトサンフイルムを
得るためのキトサンの平均分子量は好ましくは
10000〜230000の低分子量のものが用いられる。
本発明で用いられるポリビニルピロリドンの平均
分子量は、5000〜1000000、好ましくは10000〜
500000である。ポリビニルピロリドンは水溶化も
容易でキトサンとの親和性も高く、且つ毒性がな
く医療用に用いても問題がない。 キトサンフイルムの強度、伸度を増すために、
キトサンとポリビニルピロリドンを混合してフイ
ルム化することも考えられるが、、キトサンの酸
性水溶液とポリビニルピロリドンの水溶液を混合
撹拌し、フイルム成型のためにアルカリ性溶液中
に押し出しフイルム状に凝固再生を行ない、更に
水洗を行ない、乾燥してフイルムとするポリビニ
ルピロリドンが再生処理中及び水洗中に漏出して
しまいフイルム中にポリビニルピロリドンを残留
させることが困難で、又、ポリビニルピロリドン
が流出する時にフイルムに細孔が生じ、かかるフ
イルムを創傷保護材として使用するときにその細
孔から細菌が侵入することが考えられ好ましくな
い。このために本発明者等はキトサン酸性水溶液
をアルカリ性溶液でフイルムに成型させ、充分に
水洗し湿潤状態のキトサンフイルムを得、更に必
要に応じて乾燥させて乾燥状態のキトサンフイル
ムを得て、該湿潤又は乾燥キトサンフイルムを2
枚用意し、1枚のフイルムの片面にポリビニルピ
ロリドンの水溶液を流延又は塗布した後、もう1
枚のフイルムをポリビニルピロリドン水溶液層の
上に積層し、片側又は両側よりプレスし一体化さ
せ、これを乾燥することにより得られる。従つ
て、ポリビニルピロリドン層がキトサンフイルム
の中間に存在しているので創傷部分には直接的に
はキトサンフイルムが接触するので、キトサンの
具備する性能が発揮される。 ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピ
ロリドンの濃度は適宜選定すれば良く特に限定さ
れない。 本発明の医療用キトサンフイルムはポリビニル
ピロリドン層を中間に両側にキトサンフイルムを
積層しているが、外観的にキトサンのみのキトサ
ンフイルムが不透明であるのに比較して非常に透
明性が良好である。 上述の如き構成されたキトサンフイルムは、透
明性に勝れ、強度や伸度も高く、且つ透湿度及び
ガス透過度も高いために、医療用に好適なキトサ
ンフイルムである。 〓実施例〓 以下、本発明を実施例によつて説明するが、本
発明は実施例記載の範囲に限定されるものではな
い。 フイルムの厚さはダイヤル シツクネス ゲー
ジ モデル Hを用いて5ケ所の厚みを測定しそ
の平均値で表した。 引張り強度及び伸度はテンシロン(万能型引張
試験機UTM−L、東洋測器(株)製により試料の
長さ50cm、幅10mmの試料で測定した。又、吸水率
は以下の式より求めた。 吸水率(%)=湿潤フイルム重量(g)−フイル
ム絶乾重量(g)/フイルム絶乾重量(g)×100 透湿度はJIS Z 0208に基づき40℃、相対湿度90
%条件下で測定した。曇価はJIS K 1705、ガス
透過度はASTM D 1434(使用ガスは酸素)に
基づいて夫々測定した。 実施例 1 脱アセチル化度80%、平均分子量230000のキト
サン20gを1.0重量%の酢酸水溶液980gに溶解し
た。この溶液を布フイルターで濾過し脱気後、該
キトサン酸性溶液をガラス板上に340μmの厚さに
流延し、20重量%苛性ソーダ水溶液中にガラス板
ごと10分間浸漬し、凝固再生させた。その後30分
間湯洗した後キトサン膜をガラス板からはがし、
更に湯洗を行い苛性ソーダを完全に除去し、厚さ
125μmの湿潤キトサンフイルムを得た。得られた
湿潤キトサンフイルムを20cm×20cm角の湿潤キト
サンフイルム14枚とした。1枚をアクリル板上に
広げ、その上に平均分子量36万のポリビニルピロ
リドン(和光純薬工業(株)製)の1重量%水溶液を
100μm厚で流延し、更にこのポリビニルピロリド
ン水溶液層の上にもう1枚の湿潤キトサンフイル
ムを積層し、上方から0.5Kg/cm2の圧力で押し付
けた後乾燥機中で40℃、4時間乾燥しアクリル板
よりはがし、医療用キトサンフイルム(試料1)
を得た。同様の操作で3%、5%、7.5%、10%、
15%及び20%の夫々の濃度(重量%)のポリビニ
ルピロリドン水溶液を用いて医療用キトサンフイ
ルム(試料2〜7)を得た。 得られた医療用キトサンフイルムの平均厚さ、
引張り強度、伸度を測定し第1表にその結果を、
又、吸水率、曇価、透湿度及びガス透過度を測定
し第2表にその結果を示した。 実施例 2 実施例1と同様にして得られた20cm×20cm角の
湿潤キトサンフイルム2枚を平均分子量4万のポ
リビニルピロリドン(和光純薬工業(株)製)の30重
量%水溶液を用いて実施例1と同様の操作で医療
用キトサンフイルム(試料8)を得た。このキト
サンフイルムの平均厚さ、引張り強度及び伸度を
測定し第1表に、又、吸水率、曇価、透湿度及び
ガス透過度を測定し第2表にその結果を示した。 実施例 3 実施例1と同様の操作で得られた20cm×20cm角
の湿潤キトサンフイルム2枚を夫々アクリル板上
に拡げ、乾燥機中で40℃、4時間乾燥し約12μm
厚さの乾燥キトサンフイルム2枚を得た。1枚の
キトサンフイルムをアクリル板上に拡げ、その上
に平均分子量36万のポリビニルピロリドン(和光
純薬工業(株)製)の5重量%水溶液を実施例1と同
様に流延し、その上にもう1枚のキトサンフイル
ムを積層し、上方から0.5Kg/cm2の圧力で押し付
けた後、乾燥機中で40℃、4時間乾燥し、アクリ
ル板よりはがし、医療用キトサンフイルム(試料
9)を得た。このキトサンフイルムの平均厚さ、
引張り強度及び伸度を測定し第1表に、又、吸水
率、曇価、透湿度及び透過度を測定し第2表にそ
の結果を示した。 比較例 1 脱アセチル化度80%、平均分子量230000のキト
サン20gを1.0重量%の酢酸水溶液980gに溶解し、
布フイルターで濾過、脱気後、ガラス板上に
710μm厚で流延し、20重量%苛性ソーダ水溶液に
10分間ガラス板ごと浸漬し凝固再生させた。その
後30分間湯洗した後キトサン膜をガラス板からは
ずし、更に苛性ソーダが完全に除去される迄湯洗
をし、湿潤キトサンフイルムを得た。このフイル
ムをアクリル板上に拡げて乾燥機中で40℃で4時
間乾燥し、キトサンフイルム(試料10)を得た。
このキトサンフイルムの平均厚さ、引張り強度及
び伸度を測定し第1表に、又、吸水率、曇価、透
湿度及び透過度を測定し第2表にその結果を示し
た。 比較例 2 実施例1と同様にして得られた20cm×20cm角の
大きさの湿潤キトサンフイルム6枚を用意し、1
枚をアクリル板上に拡げ、その上面に平均重合度
2000のポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)
製)の1重量%水溶液を100μm厚で流延し、その
上にもう1枚の湿潤キトサンフイルムを積層し、
上方から0.5Kg/cm2の圧力で押え付けた後、乾燥
機中で40℃、4時間乾燥し、アクリル板よりはが
し、フイルム(試料11)を得た。同様にポリビニ
ルアルコール水溶液濃度を5重量%、10重量%に
変えて同様の操作でフイルム(試料12,13)を得
た。 これらフイルムの平均厚さ、引張り強度、伸度
を測定し第1表に、吸水率、曇価、透湿度及びガ
ス透過度を測定し第2表にその結果を示した。 比較例 3 比較例2と同様に20cm×20cm角の湿潤キトサン
フイルム6枚を用意し、ポリビニルアルコールの
代りにヒドロキシエチルセルロース(和光純薬工
業(株)製)の濃度1重量%、5重量%及び10重量%
の水溶液を用いて同様の操作でフイルム(試料14
〜16)を得た。これらフイルムの平均厚さ、引張
り強度、伸度を測定し第1表に、吸水率、曇価、
透湿度及びガス透過度を測定し第2表にその結果
を示した。
【表】
【表】
【表】
【表】 〓発明の効果〓 キトサンフイルムをポリビニルピロリドン層を
介して積層した本発明の医療用キトサンフイルム
は、実施例の記載から明らかなように曇価が低い
ため透明性が良好であり、引張り強度及び伸度も
高く、又、吸水率、透湿度及びガス透過度も高く
従来のキトサン単独のフイルムより優れている。
又、ポリビニルアルコールやヒドロキシエチルセ
ルロースをキトサンフイルム積層用接合材として
用いたものよりもポリビニルピロリドンを用いた
フイルムの方が諸性能に優れ、本発明のキトサン
フイルムは医療用フイルムとして極めて好適な性
能を具備したものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 キトサンフイルムをポリビニルピロリドン層
    を介して積層したことを特徴とする医療用キトサ
    ンフイルム。
JP1290726A 1989-11-08 1989-11-08 医療用キトサンフイルム Granted JPH03151976A (ja)

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JP1290726A JPH03151976A (ja) 1989-11-08 1989-11-08 医療用キトサンフイルム

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US5420197A (en) * 1994-01-13 1995-05-30 Hydromer, Inc. Gels formed by the interaction of polyvinylpyrrolidone with chitosan derivatives
CN1045452C (zh) * 1994-03-18 1999-10-06 安徽大学 含碳纤维的壳聚糖复合膜及其制备工艺

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