JPH0568409B2 - - Google Patents

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JPH0568409B2
JPH0568409B2 JP27668585A JP27668585A JPH0568409B2 JP H0568409 B2 JPH0568409 B2 JP H0568409B2 JP 27668585 A JP27668585 A JP 27668585A JP 27668585 A JP27668585 A JP 27668585A JP H0568409 B2 JPH0568409 B2 JP H0568409B2
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type zeolite
alkali
silica
aqueous solution
sio
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Senji Kasahara
Masashi Harada
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Tosoh Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフオージヤサイト型ゼオライトとりわ
けシリカ比の高いフオージヤサイト型ゼオライト
の製造法に関するものである。
フオージヤサイト型ゼオライトは、一般に酸化
物モル組成で次式 0.9±0.2M2O・Al2O3・XSiO2・WH2O (ここでMはアルカリ金属、Xは2.5〜6、wは
6〜9を表わす)で表わされ、これらのフオージ
ヤサイト型ゼオライトは石油精製、石油化学分野
に於ける各種触媒あるいはパラキシレンの分離等
の吸着分離剤として使用されている。
一般にこれを触媒あるいは吸着分離剤として使
用する際には固体酸強度、耐熱・耐酸性等が要求
される。そしてフオージヤサイト型ゼオライトの
これらの性能はそのSiO/Al2O3モル比と密接な
関係にあり、この比が高い程その性能は優れてい
る。
フオージヤサイト型ゼオライトの内SiO2
Al2O3モル比が2.5〜4の比較的シリカ比の低いフ
オージヤサイト型ゼオライトはこのル比が低い為
耐熱・耐酸性に乏しく、この為工業的にはこの比
が4以上のフオージヤサイト型ゼオライトが多く
使用されている。そして好ましくはSiO2/Al2O3
モル比が4.5以上の高シリカ・フオージヤサイト
型ゼオライトが望まれているが、一般にSiO2
Al2O3モル比が4.5以上更には5以上のフオージヤ
サイト型ゼオライトを合成する場合は、その生成
域が非常に狭い為に、出発原料の選定ならびに各
原料間の定量的な仕込比、混合状態、熟成度、反
応温度・時間等の条件を厳密に把握しつつ且つ注
意深く反応を行なう必要があり、ましてや前記し
たSiO2/Al2O3モル比が高く且つ高純度のフオー
ジヤサイト型ゼオライトを得ようとする場合はよ
り一層その困難性を伴うものである。
〔従来技術〕
高シリカ・フオージヤサイト型ゼオライトの製
造法はこれ迄種々提案されてきた。その代表的な
例は特公昭36−1639号及び特公昭42−16941号公
報に開示されているようにシリカゾル、シリカゲ
ル、微粉末固体珪酸等のシリカ源とアルミン酸ナ
トリウム及び水酸化ナトリウムを原料とし、これ
を厳密に制御した条件の下に反応さSiO2/Al2O3
モル比が4以上のフオージヤサイト型ゼオライト
を得る方法である。しかし乍らこれ等の方法は、
シリカ源の全てを高価な無定形固体シリカに求
め、更にこれ等シリカ源、アルミナ源、アルカリ
源を混合した後、室温に於ける長時間に亘る熟成
工程を経て高温下で結晶化させることが必須要件
となつている関係で、経済的にはフオージヤサイ
ト型ゼオライトを製造することが難しい。更に加
えて、工業的規模で再現性良く合成する上で致命
的な欠点は、その合成時に反応系を撹拌混合して
反応を行なうことが不可能なことである。特に原
料混合後、長時間の熟成工程を経て形成される水
性ゲルの無定形反応物をフオージヤサイト型ゼオ
ライトに変換する反応過程で撹拌混合を行なう
と、フオージヤサイト型ゼオライトへの結晶化が
阻害されて、生成物の大部分は天然に産するフイ
リプサイト鉱物類似物(以下フイリプサイトと称
する)あるいはグメリナイト等利用価値のないア
ルミノ珪酸塩鉱物へ移行してしまう。この為、高
純度の高シリカ・フオージヤサイト型ゼオライト
の合成は、水性ゲル状の反応系を撹拌混合するこ
とを極力避けて静置下で合成することが必須とな
つていた。しかし乍ら、この静置下での合成法を
工業的規模で行なつた場合、反応温度維持に必要
な撹拌伝熱を忌避せねばならない為に、系内の伝
熱が困難となり温度の不均一による好ましからざ
る状態、即ち前記したと同様にフイリプサイト、
グメリナイトがこの静置合成法に於てもしばしば
共生するという問題が、その共生防止の為の対策
が種々なされているにも拘らず内在しているが実
情である。
又、前記した問題点のうち高シリカ・フオージ
ヤサイト型ゼオライトを安価に製造することを目
的とした改良技術も種々提案されている。例えば
特公昭47−4866号公報には、従来高シリカ・フオ
ージヤサイト型ゼオライトを製造出来ないとされ
ていた安価な珪酸ナトリウムをシリカの主要源と
してSiO2/Al2O3モル比が4以上のフオージヤサ
イトの製造法が開示提案されている。即ち、珪酸
ナトリウム、アルミン酸ナトリウム及び硫酸アル
ミニウムからなる反応体混合物を、予め準備され
た平均粒子径0.01〜0.1μの範囲にある無定形の核
形成中心物質(種子)で種づけすることによつ
て、SiO2/Al2O3モル比が4以上のフオージヤサ
イト型ゼオライトを得ている。
又、特公昭53−33556号公報には、シリカ及び
アルミナの供給源を珪酸ナトリウムとアルミン酸
ナトリウムの水性混合物から予め造られたゼオラ
イト種子を混合することによつて、SiO2/Al2O3
モル比が4.5のフオージヤサイト型ゼオライトを
得る方法が開示提案されている。これ等の方法
は、珪酸ナトリウム等の安価なシリカ源から高シ
リカ・フオージヤサイト型ゼオライトを得る目
的、無定形あるいは結晶質の種子の添加等の工夫
がなされている。
しかし乍ら、これ等改良技術によつて確かにシ
リカ源の転換による製造コストの低減が可能とな
つたものの、大規模生産を可能ならしめる撹拌下
での合成については依然として解決されていな
い。
また特開昭59−184726号公報ではフオージヤサ
イト合成用接種混合物の製法が開示されている
が、接種混合物を製造する際に4日以上もの時間
を要するので、温度などの管理が困難であり、し
たがつてこの方法は工業的規模で実施するのに適
していない。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、撹拌下での合成が難しく、その
結果経済性、品質の点で問題点を有している従来
法を改良し、短時間で再現性良く豪勢できるフオ
ージヤサイト型ゼオライトの製造法を開発すべく
鋭意検討した。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、珪酸アルカリ水溶液、アルミン
酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水溶液を特
定の条件下で混合し短期間の熟成を行なつて得ら
れる液相物質を、珪酸アルカリ水溶液中に混合す
ることにより安定化された構造誘発物質をえ、こ
れをシリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水か
ら成るフオージヤサイト型ゼオライトを形成する
為の原料混合物中に存在させることにより、安価
な原料を用いて高純度で且つ所望するSiO2
Al2O3モル比のフオージヤサイト型ゼオライトを
撹拌下にて、再現性良く効率的に製造することが
可能となることを見出した。
〔作用〕
上記の液相物質とは、珪酸アルカリ水溶液、ア
ルミン酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水溶
液を混合・熟成した後形成されると考えられるア
ルミノシリケート物質があたかも透明な溶液状態
所謂、可溶化体に似た状態を為すものであつて、
先述したシリカ源、アルミナ源及びアルカリ源を
混合した後直ちに形成される無定形のアルミノシ
リケートの水性ゲル等の固体生成物とは明らかに
その構成を異にする。
ここで言う透明とは、投下光測定法により蒸留
水に対する透過率で表示し80%以上を言う。この
透明な液相物質は、原料である珪酸アルカリ水溶
液、アルミン酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカ
リ水溶液を混合し熟成する過程に於てもアルミノ
シリケートゲル等の固体物質を全く生成すること
無しに形成される。該液相物質は過度な熟成を行
なうと徐々に白濁して、本発明の目的に適さない
ゲル状の固体物質の生成を来す。この現象は不可
逆的であり明らかに熱力学的平衡論での水溶液と
は異なつたものである。
また、本発明で特定する構造誘発物質とは、前
記した透明な液相物質を珪酸アルカリ水溶液中に
混合したものであり、この混合の過程に於てもア
ルミノシリケートゲル等の固体物質を全く生成す
ることなしに、蒸留水に対する透過率で表示して
80%以上の透過率を保つ。更には、本発明の構造
誘発物質は室温で放置しておいても少なくとも1
年以上白濁しない、すなわち蒸留水に対して80%
以上の透過率を保つものである。
本発明の構造誘発物質は、従来より公知のシリ
カ源、アルミナ源及びアルカリ源より得られるフ
オージヤサイト型ゼオライトを形成する為の原料
混合物に添加・混合して使用される。そして、フ
オージヤサイト型ゼオライトの結晶が形成される
反応過程に於てその結晶化誘発剤として作用する
ことによつて、結晶生成を一挙に促進せしめると
同時に不純物の共生を防止し、高純度の高シリ
カ・フオージヤサイト型ゼオライトの再現性良い
生成をもたらす。
更に、本発明の構造誘発物質は、少なくとも1
年以上に亘つてその特性が変化しないものであ
り、高純度の高シリカフオージヤサイト型ゼオラ
イトの製造に使用することができる。
更に、従来法による結晶性あるいは無定形の種
子が核生成物質としての役割を果たす反面、系内
に残存する固体種子の一部が反応系の撹拌等の外
乱によりフイリプサイト等の不純物へ直接移行す
ると同時に更にそれ等の生成を助長するという欠
点を有することから、これ迄撹拌下での合成が阻
害されていたのに対し、本発明による構造誘発物
質はそれ自身全く不純物へ移行すること無く総て
新たに生成するフオージヤサイト結晶に組込まれ
ることを知得した。この事実は、添加した構造誘
発物質の大部分が液相の状態で結晶化誘発剤とし
て作用することによるものと考えられるが、これ
によつてこれ迄不可能とされていた反応系を撹拌
し乍ら高純度・高シリカ比のフオージヤサイト型
ゼオライトが再現性良く得られることは正に驚く
べきことである。
この様に特異的な性状を有する構造誘発物質は
以下の方法によつて調製される。
本発明の液相物質の組成範囲は、酸化物のモル
比で表わすと次の通りである。
SiO2/Al2O3=8〜14 M2O/Al2O3=7〜30 H2O/M2O=10〜14 (ここでMはアルカリ金属を示す) 原料の珪酸アルカリ水溶液としては珪酸ナトリ
ウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等の各水溶液
が、又、アルミン酸アルカリ水溶液としてはアル
ミン酸ナトリウムが好適に使用される。これら各
水溶液は市販の珪酸アルカリ水溶液及びアルミン
酸アルカリ水溶液を用いても良いし、珪砂、含水
固体珪酸等のシリカ源あるいは水酸化アルミニウ
ム、活性アルミナ等のアルミニウム源を苛性アル
カリで溶解してそれぞれの水溶液を調製して用い
ることも出来る。
水酸化アルカリ水溶液は水酸化ナトリウムが最
も好適である。
これ等原料水溶液の添加・混合順序は特に制限
は無いが、水酸化アルカリ水溶液とアルミン酸ア
ルカリ水溶液とを予め混合した後、珪酸アルカリ
水溶液を出来るだけ短時間で添加するのが好まし
い。
原料の組成を上記の範囲にして混合された水溶
液は熟成することによつて透明な液相物質が形成
される。熟成は、20〜60℃、好ましくは25〜50℃
の温度範囲に於て10分〜6時間、好ましくは20分
〜4時間撹拌下で行なう。前記した熟成時の温度
と時間の範囲に於て、温度と時間による熟成度が
不足した場合は本発明の目的とする液相物質が形
成されないし、一方、熟成度が必要以上過度にな
るとゲル状物質が生成し不純物共生の原因とな
る。
又、前記した組成範囲でH2O/M2Oモル比を
10〜14と特定した様に、該液相物質調製時のアル
カリ濃度は特に重要で、H2O/M2Oモル比が10
未満の場合前述した熟成度に於て透明状態は維持
するが、形成される液相物質が不完全である為フ
オージヤサイト型ゼオライト合成時に不純物を共
生し易く、又、H2O/M2Oモル比が14をこえる
と熟成時にゲル状物質が生成し易くなり同じく不
純物共生の原因となる。
該構造誘発物質は、熟成された透明な液相物質
を珪酸アルカリ水溶液中に添加し混合して得る。
構造誘発物質の組成範囲は、酸化物のモル比で
表わすと次の通りである。
SiO2/Al2O3=14〜60 M2O/Al2O3=15〜40 H2O/M2O=12〜40 (ここでMはアルカリ金属を示す) SiO2/Al2O3モル比が14より小さい場合、珪酸
アルカリ水溶液の混合量が少なくなり、室温で放
置することによつてゲル状物質が生成し易くな
り、フオージヤサイト型ゼオライト合成時に不純
物共生の原因となる。また、SiO2/Al2O3モル比
が60をこえると珪酸アルカリ水溶液の混合割合が
多くなり、珪酸アルカリ水溶液のアルカリにより
フオージヤサイト型ゼオライトを形成する為の反
応体混合物中のアルカリ量が過剰となつて、目的
とするSiO2/Al2O3モル比のフオージヤサイト型
ゼオライトを得ることが不可能となり、更に、液
相物質の混合割合が少なくなる為にフオージヤサ
イト型ゼオライトの撹拌下での合成が困難とな
る。
上記の如く調製された構造誘発物質は少なくと
も1年以上室温で放置してもフオージヤサイト型
ゼオライトの撹拌合成に使用できる。
該構造誘発物質は予めシリカ源、アルミナ源及
びアルカリ源より調製されたフオージヤサイト型
ゼオライトを形成する為の反応体混合物に添加す
る。添加する構造誘発物質の量は、添加した構造
誘発物質を含めた全反応体混合物から得られるフ
オージヤサイト型ゼオライトの収量に対しAl2O3
基準で好ましくは1〜30wt%さらに好ましくは
5〜20wt%である。必要量以上の添加はそれに
見合うだけの効果が期待出来ないからである。
本発明法による構造誘発物質は、従来公知のフ
オージヤサイト型ゼオライトを形成する為の反応
体混合物の総てに適用可能であるが、特筆すべき
点は、該構造誘発物質をフオージヤサイト型ゼオ
ライトの結晶化誘発剤として用いることにより、
反応体混合物を構成するシリカ源として珪酸アル
カリ水溶液あるいは珪藻土等の安価なシリカ原料
の使用が可能になつたことである。
例えば、反応体混合物のシリカ源の総てを珪酸
アルカリ水溶液とする場合の好ましい例は、珪酸
アルカリ水溶液と含アルミニウム水溶液を同時に
且つ連続的に反応させることによつて得られる無
定形のアルミノ珪酸塩均一相化合物をは農体混合
物のシリカ源ならびにアルミナ源として使用する
方法である。
この方法は、前記両水溶液の供給割合によつて
任意の組成のアルミノ珪酸塩均一相化合物を容易
に得ることが出来るので、目的とするSiO2
Al2O3モル比のフオージヤサイト型ゼオライトに
合せてその組成を自由に設定することが可能であ
る。
以下、代表例をもつて更に詳しく説明する。前
記した同時に且つ連続的に反応させるとは、珪酸
アルカリ水溶液と含アルミニウム水溶液とが同時
に且つ実質的に常に一定比率を維持し乍ら反応帯
に供給される態様を意味する。そして、珪酸アル
カリ水溶液としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウ
ム、珪酸リチウム等の各水溶液が又、含アルミニ
ウム水溶液としては硫酸アルミニウム、塩化アル
ミニウム、アルミン酸ナトリウム等の各水溶液が
好適に使用される。
この方法による無定形のアルミノ珪酸塩均一相
化合物(以下単に均一化合物と略称する)を調製
する為の好ましい実施態様は、撹拌機を備えたオ
ーバーフロー型の反応槽に撹拌下で両水溶液を同
時に且つ連続的に供給して反応させる方法であ
る。この態様においてスラリーの反応槽滞在時間
を3分以上とすれば、生成する均一化合物はほぼ
球状であり、粒子径の大部分が1〜500μの範囲
に分布し1μ以下の微粒子は極く微量となる。
均一化合物調製の実施態様の別の例として、反
応スラリーを排出することなく両水溶液を撹拌条
件下の反応槽に一定比率で同時に且つ連続的に供
給する所謂回分連続方式の調製法も勿論適用する
ことが出来るが、この場合は生成物の組成を均一
とするため両水溶液を急速に添加することなく少
なくとも必要量を10分以上費して供給することが
好ましい。
これらの方法により得られる均一化合物の特徴
は、濃度調製された両水溶液を一定比率で同時に
且つ連続的に反応させることにより、生成するほ
ぼ球状の均一化合物が常に組成一定となる為に生
成物に不均一部分がないことである。その結果、
これ等組成一定な均一化合物からフオージヤサイ
ト型ゼオライトを形成する為の反応体混合物を調
製し、これに本発明による構造誘発物質をフオー
ジヤサイト型ゼオライトの結晶化誘発剤として添
加すると、反応体混合物に組成の不均一部分が無
い為に結晶生成が一挙に始まり、反応体混合物の
不均一部分に起因する不純物の共生を完全に防止
出来る。
該均一化合物はそのままスラリー状態であるい
は一旦過・洗浄した後再び任意の濃度にスラリ
ー化し反応体混合物を調製する。又、必要に応じ
て水酸化アルカリ水溶液を加え、反応体混合物の
アルカリ量を調整することも可能である。
次いで、予め所定の条件下で製造された前記の
構造誘発物質を、従来法と同じく、たとえば SiO2/Al2O3=2.5〜20 Na2O/Al2O3=1.5〜30 H2O/Na2O=5〜40 のモル比となるように、添加混合して結晶化す
る。
構造誘発物質添加時の反応体混合物の温度は特
に制限はなく、室温からフオージヤサイト型ゼオ
ライトの結晶生成温度迄いずれの温度でも同様の
結果が得られる。構造誘発物質が均一に混合され
た結晶化出発スラリーは直ちに昇温し結晶化工程
に入る。
本発明は結晶化を撹拌下で行なうことが出来る
が、従来法と同様静置下で結晶化させることも勿
論可能である。
結晶化温度は従来法と同じく75℃〜130℃であ
る。結晶化に要する時間は温度にもよるが通常10
〜40時間である。
本発明に於て、高シリカ・フオージヤサイト型
ゼオライトを得る為の好ましい条件は、結晶化出
発スラリー組成の範囲内即ちその領域に於てアル
ミナ分・Al2O3に対するアルカリ分・M2Oを少な
い領域で、又低シラカ・フオージヤサイト型ゼオ
ライトを得る為にはAl2O3に対するM2Oが多い領
域で行なう。結晶化が完了した後、生成した結晶
は固液分離ならびに洗浄により結晶に付着残存す
る余剰のアルカリ分を除去し、次いで乾燥するこ
とによつて高純度でSiO2/Al2O3モル比の高いフ
オージヤサイト型ゼオライトを容易に得ることが
出来る。
前記した実施態様は、従来高シリカ・フオージ
ヤサイト型ゼオライトを合成する場合その使用が
困難とされていた珪酸アルカリ水溶液を総てのシ
リカ源として使用する例を示したものであるが、
本発明は従来から用いられているシリカゾル、シ
リカゲル、微粉末固体珪酸、珪藻土等のあらゆる
シリカ源に適用可能である。これ等シリカ源を用
いた場合も、前記構造誘発物質を結晶化誘発剤と
して使用することによつて、前記した実施態様と
同様、従来高シリカ・フオージヤサイト型ゼオラ
イトを製造する上で必須要件であつた反応体混合
物の室温に於ける長時間に亘る熟成が不要になる
と共に、更にこれ迄不加能とされていた撹拌下で
の合成も可能となつた。
又、本発明は、従来特に工業的に再現性良く合
成することが困難とされていたSiO2/Al2O3モル
比が4.5以上の高シリカ・フオージヤサイト型ゼ
オライトを容易に得ることが出来る経済的で且つ
大規模生産が可能な製造法を提供するものである
が、低シリカ・フオージヤサイト型ゼオライトに
ついても勿論本発明の適用が可能である。低シリ
カ・フオージヤサイト型ゼオライトの場合も高シ
リカ・フオージヤサイト型ゼオライトと同様に撹
拌合成が可能になると同時に結晶化時間も大幅に
短縮出来る。
本発明により得られるフオージヤサイト型ゼオ
ライトは高純度で且つSiO2/Al2O3モル比が2.5〜
6.3迄広範囲に得ることが出来るので、種々の用
途特に吸着分離剤、触媒用として好適に利用する
ことが出来る。
更に、本発明の構造誘発物質の組成を変えるこ
とにより結晶の大きさを変えることもできるの
で、特に触媒用として利用する際に有効である。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、構造誘発物質を使用するこ
とによつて高純度の高シリカ・フオージヤサイト
型ゼオライトを再現性良く工業的に撹拌下で製造
することが可能となつた。また、構造誘発物質の
調整においては何ら特別な装置を必要とせず、調
製した構造誘発物質は室温で放置しても変質する
ことがない為、その取扱いが極めて容易である。
更に、構造誘発物質の組成を変化させることによ
り、フオージヤサイト型ゼオライトの結晶の大き
さを自由に変えることができる。この為、本発明
によつてえられたフオージヤサイト型ゼオライト
は、吸着剤または触媒として有利に利用すること
ができるようになつた。
〔実施例〕
参考例 1 本例は構造誘発物質の調整方法を示す。
純水121.1gに水酸化ナトリウム(NaOH=
98wt%)69.9gを加えて溶解し、30℃まで冷却
後、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3
20.0wt%、Na2O=18.6wt%)41.0gを添加し十
分混合した。次いで珪酸ナトリウム水溶液
(SiO2=28.9wt%、Na2O=9.4wt%、Al2O3
0.02wt%)168.0gを添加し、40℃の環境温度に
おいて撹拌下で70分間熟成し透明な液相物質が得
られた。この液相物質は波長546nmにおいて蒸
留水の透過率100に対し93%であつた。また、該
液相物質のモル比は以下の如くである。
SiO2/Al2O3=10.0 Na2O/Al2O3=15.3 H2O/Na2O=12.0 該液相物質は熟成完了後直ちに珪酸ナトリムウ
水溶液(SiO2=28.9wt%、Na2O=9.4wt%、
Al2O3=0.02wt%)400gに加えて室温で30分間
撹拌し、構造誘発物質を得た。この構造誘発物質
は波長546nmにおいて蒸留水の透過度100に対し
て94%であつた。また、該構造誘発物質のモル比
は以下の如くである。
SiO2/Al2O3=33.6 Na2O/Al2O3=22.7 H2O/Na2O=15.5 実施例 1 通常のパドル型撹拌機を備えた外熱式反応槽に
純水2を張り込み40℃に保つた。次に、予め40
℃に保持した硫酸アルミニウム水溶液(Al2O3
9.89w/v%、H2SO4=28.52w/v%)2と珪
酸ナトリウム水溶液(SiO2=20w/v%、Na2O
=8.08w/v%、Al2O3=0.103w/v%)6を
一定比率の供給速度で同時に且つ連続的に40分間
で供給し撹拌下で反応させた。該反応(スラリ
ー)のPHは6.5であつた。反応が完了したスラリ
ー状生成物は遠心分離機で固液分離を行ない、洗
浄液中にSO4=イオンが検出されなくなるまで
水洗してウエツトベースでNa2O=3.72wt%、
Al2O3=6.11wt%、SiO2=35.98wt%の組成を有
する均一化合物を得た。
次に、通常のパドル型撹拌機と頂部に還流凝縮
器を備えた外熱式反応器に純水183gを張込み、
アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3=20.0wt
%、Na2O=8.6wt%)30.3gを添加し、次いで均
一化合物340gを加えて撹拌し反応体混合物スラ
リーを調製した。引き続き、参考例1と同様の方
法で調製した構造誘発物質246gを反応体混合物
スラリーに添加し、30℃で1時間撹拌混合した。
該構造誘発物質の量は生成するフオージヤサイト
型ゼオライトの理論収量に対しAl2O3基準で
8.7wt%に相当する。
次いで、混合が完了した結晶化出発スラリーを
昇温し、92℃の環境温度において撹拌下で21時間
保持して結晶化させた。結晶化終了後、生成物は
過により母液と分離し、水洗後110℃で乾燥し
た。生成物は、X線回折による格子定数の測定よ
りSiO2/Al2O3モル比5.5であり、全てフオージヤ
サイト型ゼオライトであり不純物の共生は全くな
かつた。
X線回折ピーク巾より求めた結晶子径は約4500
Åであつた。
実施例 2 実施例1において、参考例1と同様の方法で得
られた構造誘発物質を室温においてポリエチレン
ピン中に密閉して14日間放置した後、反応体混合
物スラリーに添加した以外は実施例1と全く同様
に行なつた。
室温で14日間放置した構造誘発物質は波長
546nmにおいて蒸留水の透過度100に対して94%
であつた。
生成物はSiO2/Al2O3モル比5.5の不純物を全く
含まないフオージヤサイト型ゼオライトであつ
た。
実施例 3 実施例1において、参考例1と同様の方法で得
られた構造誘発物質を室温においてポリエチレン
ビン中に密閉して1か月間放置した後、反応体混
合物スラリーに添加した以外は実施例1と全く同
様に行なつた。室温で1か月間放置した構造誘発
物質は波長546nmにおいて蒸留水の透過度100に
対して94%であつた。
生成物は、SiO2/Al2O3モル比5.5の不純物を全
く含まないフオージヤサイト型ゼオライトであつ
た。
参考例2 参考例1において、液相物質を珪酸ナトリウム
水溶液200gに加えて酸化物モル比が SiO2/Al2O3=21.2 Na2O/Al2O3=18.4 H2O/Na2O=14.1 である構造誘発物質を調製したこと以外は参考例
1と同様にして行なつた。
該構造誘発物質は波長546nmにおいて蒸留水
の透過率100に対して93%であつた。
実施例 4 通常のパドル型撹拌機と頂部に還流凝縮器を備
えた外熱式反応器に純水185gを張り込み、アル
ミン酸ナトリウム水溶液(Al2O3=20.0wt%、
Na2O=18.6wt%)18.2を添加し、次いで実施例
1と同様に調製した均一化合物368gを加えて撹
拌し反応体混合物スラリーを調製した。引き続
き、参考例2と同様の方法で調製した構造誘発物
質229gを反応体混合物スラリーに添加し、30℃
で1時間撹拌した。該構造誘発物質の量は生成す
るフオージヤサイト型ゼオライトの理論収量に対
しAl2O3基準で11.1wt%に相当する。
次いで、混合が完了した結晶化出発スラリーを
昇温し、92℃の環境温度において撹拌下で20時間
保持して結晶化させた。結晶化終了後、生成物は
過により母液と分離し、水洗後110℃で乾燥し
た。
生成物は、SiO2/Al2O3=5.5の不純物を全く含
まないフオージヤサイト型ゼオライトであつた。
実施例 5 実施例4において、参考例2と同様の方法で得
られた構造誘発物質を室温においてポリエチレン
ビン中に密閉して14日間放置した後、反応体混合
物スラリーに添加した以外は実施例4と全く同様
に行なつた。室温で14日間放置した構造誘発物質
は波長546nmにおいて蒸留水の透過度100に対し
て93%であつた。
生成物は不純物を全く含まないフオージヤサイ
ト型ゼオライトであつた。X線回折のピーク巾よ
り結晶子径は1060Åであつた。
実施例 6 参考例1において、液相物質調製時の熟成を30
℃の温度で3時間行なつた以外は参考例1と全く
同様に行ない参考例1で示したと同組成で波長
546nmにおいて蒸留水の透過率100に対して92%
である構造誘発物質を得た。
次に、該構造誘発物質を室温においてポリエチ
レンビン中に密閉して14日間放置した後反応体混
合物スラリーに添加した以外は実施例1と全く同
様に行なつた。
室温で14日間放置した構造誘発物質は波長
546nmにおいて蒸留水の透過率100に対して92%
であつた。
生成物はSiO2/Al2O3=5.6の不純物を全く含ま
ないフオージヤサイト型ゼオライトであつた。
比較例 1 実施例1において、参考例1と同様にして調製
した構造誘発物質を24.6g反応体混合物スラリー
に添加した以外は実施例1と全く同様の方法で行
なつた。該構造誘発物質の量は生成物の理論収量
に対しAl2O3基準で0.9wt%に相当する。生成物
は非晶質物質であつた。
比較例 2 参考例1において、液相物質調製時の熟成を30
℃の温度で6時間行なつた以外は全て参考例1と
全く同様に行ない参考例1と同組成の構造誘発物
質を得たが、透過率40%の乳濁状態を呈してい
た。
次に、該構造誘発物質を反応体混合物スラリー
に添加した以外は実施例1と全く同様に行なつ
た。
生成物はフオージヤサイト型ゼオライトが6
割、フイラプサイトとグメリナイトが4割であつ
た。
比較例 3 参考例1において、参考例1と同様にして調製
した液相物質に珪酸ナトリウム水溶液を全く添加
しなかつた以外は参考例1と全く同様の方法で構
造誘発物質を調製した。
次に、該構造誘発物質123gを室温でポリエチ
レンビン中に密閉して3日間放置した後、反応体
混合物スラリーに添加した以外は実施例1と全く
同様の方法で行なつた。
室温で3日間放置した構造誘発物質は透過率15
%の乳濁状態を呈していた。
生成物はフオージヤサイト型ゼオライトが2
割、フイリツプサイトとグメリナイトが8割であ
つた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シリカ源、アルミナ源、アルカリ源及び水か
    らなる原料混合物を加熱・結晶化してフオージヤ
    サイト型ゼオライトを製造するに際し、珪酸アル
    カリ水溶液、アルミン酸アルカリ水溶液及び水酸
    化アルカリ水溶液を混合して、酸化物モル組成範
    囲が SiO2/Al2O3=8〜14 M2O/Al2O3=7〜30 H2O/M2O=10〜14 (ここでMはアルカリ金属を示す)である液相物
    質を調製し20〜60℃で10分〜6時間熟成した後、
    珪酸アルカリ水溶液を添加することによつて酸化
    物モル組成範囲が SiO2/Al2O3=14〜60 M2O/Al2O3=15〜40 H2O/M2O=12〜40 (ここでMはアルカリ金属を示す)である構造誘
    発物質をえ、これを上記原料混合物の成分として
    存在させることを特徴とするフオージヤサイト型
    ゼオライトの製造方法。 2 生成するフオージヤサイト型ゼオライトに対
    し、該構造誘発物質をAl2O3基準で1〜30wt%原
    料混合物中に存在させる特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
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