JPH0568380U - ハンガーポケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スーツ、コート等をハンガーに掛けた状態で
保管するとき、防虫・防黴のために使用する乾燥剤や防
臭・脱臭のために使用する脱臭剤の作用を確実ならしめ
るための手段を提供する。 【構成】 四角形の本体部分１、本体部分の対向する２
辺から突き出した二つの吊り手部分３、および、本体部
分の別の２辺に付設された、各辺両端部分を互いに掛止
するための掛止手段５，６，７を１片のシートにより構
成し、吊り手部分３を重ね合わせて本体部分１を湾曲さ
せ且つ掛止手段を掛止状態にして本体部分１から袋１０
を形成し、乾燥剤等を入れてハンガーに掛ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、衣類をハンガーに掛けた状態で乾燥剤、脱臭剤、防虫剤等の化学品 や薬剤と共に保存するとき上記化学品や薬剤を入れておくのに使用する小袋・ハ ンガーポケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

季節はずれの衣類や式服などを長期間着用しないで洋服ダンス、ウォークイン クローゼット、押し入れ等に保存した場合、虫害を受けたりカビが発生したりし て回復不能の損害を被ることが多い。衣類に寄生するダニやカビは、保存環境の 湿度が高い場合に発生し、相対湿度が６０％以下になればほとんど発生しないこ とが確認されているが、洋服ダンス等の片隅に乾燥剤を置くていどではそのよう な低湿度の雰囲気を維持することは不可能である。

【０００３】 湿度が高い季節にはまた、保存中の衣類に限らず日常着用する衣類も、汗臭く なったり異臭を発するようになりがちであるが、脱臭剤を乾燥剤と同様に洋服ダ ンスの片隅に置く程度の従来の対策では、脱臭・防臭の効果も十分ではない。 梅雨どきや夏季の高湿度に遭遇させずに衣類を保存可能なケースとしては気密 性のよい蓋を備えた合成樹脂製の衣装箱があるが、衣装箱は床に置いて使用する ものであるから、あまり大きなものは扱いにくく、したがってスーツやコートな ど大型の衣服を収納するのに適したものは無い。また、スーツ類は長期保存中も ハンガーに掛けておくことが望ましく、畳んで箱の中に積み重ねておくと皺や形 くずれを起こすので、床置き型のケースはスーツ類にとって本質的に不適当であ る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、スーツ、コートなど大型の衣類を保形性の点で好ましいハン ガー掛けの状態で保管するとき、防虫・防黴のために使用する乾燥剤や防臭・脱 臭のために使用する脱臭剤の作用をより確実ならしめるための手段を提供しよう とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成する手段として、本考案は乾燥剤や脱臭剤を入れてハンガーに 掛けておくための小袋・ハンガーポケットを提供するものである。このハンガー ポケットは、おおむね四角形の本体部分、本体部分の対向する２辺から突き出し た二つの吊り手部分、および、本体部分の別の２辺に付設された、各辺両端部分 を互いに掛止するための掛止手段を１片のシートにより構成し、上記吊り手部分 を重ね合わせて本体部分を湾曲させ且つ上記掛止手段を掛止状態にして本体部分 を袋状に成形してなるものである。

【０００６】 なお、吊り手部分には、ハンガーに引っかけるための穴を設けておく。本体部 分には、通気孔を開けておくことが望ましい。素材としては、ポリ塩化ビニル、 ポリエチレン等からなるプラスチックシート、不織布、布などを用いることがで きる。 袋内に収納するものが乾燥剤など軽いものであるから、掛止手段は簡単なもの でよく、その構造は任意である。

【０００７】

【作用】

本考案のハンガーポケットは、吊り手部分でハンガーの吊り金具に引っかけて 使用する。本体部分で形成された袋状部分には、乾燥剤、脱臭剤、防虫剤その他 任意の薬剤を入れておく。 このハンガーポケットに入れられてハンガーに引っかけられた乾燥剤等は、ハ ンガーに掛けられた衣類の背や胸の部分に至近距離で置かれ、且つ衣類で覆われ た状態になるので、衣類の除湿、脱臭等に効率よく利用される。

【０００８】

【実施例】

以下、図示した実施例に基づき本考案を説明する。 この実施例は、厚さ約１mmの透明ポリ塩化ビニルシートからなる。その基本形 状を展開図である図２により説明すると、長方形の本体部分１には多数の通気孔 ２が開けてあり、また、上下の両端に対称形の吊り手部分３が突き出していて、 その先端にはハンガーの吊り金具を通すための穴４が開いている。 本体部分１の左右の端部には、下側に掛止片５が、また上側には掛止片嵌合孔 ６付きの舌片７が突き出している。

【０００９】 図２のシートを上下方向に二つ折りにするように湾曲させ（折り目をつける必 要はない）、舌片７を図２において紙面上方に引き起こし、スリット状の掛止片 嵌合孔６に掛止片５を挿入する。掛止片嵌合孔６の長さは掛止片５の最大幅より も小さいが、掛止片５の基部５ａがくびれており、また材料が軟質の塩化ビニル シートなので、掛止片５はそのくびれた基部５ａ部分まで嵌合孔６に挿入可能で ある。そして、嵌合後は突出部５ｂが舌片７に引っ掛かるので、通常の取り扱い によって抜け出すことはない。これにより、本体部分１は袋状になる。

【００１０】 使うときは、図１に示したように吊り手部分３の穴４を両方ともハンガー８の 吊り金具９に通してハンガー８の頂部に引っかける。乾燥剤等は、小袋入りのも のを本体部分１で形成された袋状部分１０に、吊り手部分３ａ，３ｂの隙間から 出し入れすることができる。周辺の空気は袋状部分１０の上部１１、通気孔２、 および袋状部分１０の側面の、舌片７がなく開放状態になった部分１２から袋状 部分１０に出入りし、袋状部分１０に入れられた乾燥剤等（１３）と接触して水 分、臭気等を吸収される。ハンガー８に掛けられた衣類はこのハンガーポケット をちょうど覆う状態になるので、乾燥剤等の能力はそのハンガーに掛けられた衣 類の除湿や脱臭に有効に利用される。

【００１１】

【考案の効果】

上述のように、本考案のハンガーポケットは乾燥剤、脱臭剤等を衣類と共にハ ンガーに掛けて作用させることができるので、保形性の点で望ましいハンガーに 掛けたまま衣類を乾燥状態に保って保存したい場合、あるいは日常的に着用して いる衣類であっても夜間に除湿あるいは脱臭を期待して乾燥剤、脱臭剤等を使用 する場合などに、洋服ダンス程度の保存環境でも乾燥剤、脱臭剤等の能力をむだ なく発揮させ、効果的に使用目的を達成することができる。

【００１２】 本考案はまた、袋を構成する本体部分、吊り手部分、および、掛止手段を１片 のシートにより構成し、吊り手部分は先端の穴でハンガーの金具に引っかけるよ うにしたので、製作、組み立てが簡単であるだけでなく、使用開始まで嵩ばらな いシート状で提供することができ、さらにどのようなハンガーにも簡単に取り付 けることができ、衣類を掛けるのに邪魔になることもないという特長がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の使用状態を示す斜視図であ
る。

【図２】 図１の実施例の展開図である。

【符号の説明】

１：本体部分 ２：通気孔 ３：吊り手部分 ４：穴 ５：掛止片 ６：掛止片嵌合
孔 ８：ハンガー ９：吊り金具 １０：袋状部分 １３：乾燥剤等

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 おおむね四角形の本体部分、本体部分の
   対向する２辺から突き出した二つの吊り手部分、およ
   び、本体部分の別の２辺に付設された、各辺両端部分を
   互いに掛止するための掛止手段を１片のシートにより構
   成し、上記吊り手部分を重ね合わせて本体部分を湾曲さ
   せ且つ上記掛止手段を掛止状態にして本体部分を袋状に
   成形してなるハンガーポケット。