JPH0566949B2 - - Google Patents

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JPH0566949B2
JPH0566949B2 JP60278824A JP27882485A JPH0566949B2 JP H0566949 B2 JPH0566949 B2 JP H0566949B2 JP 60278824 A JP60278824 A JP 60278824A JP 27882485 A JP27882485 A JP 27882485A JP H0566949 B2 JPH0566949 B2 JP H0566949B2
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JP
Japan
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compound
solution
synthesis
mmol
dimethyl
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JP60278824A
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JPS62240675A (ja
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Yutaka Nakazono
Kenji Mori
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Publication date
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Priority to US06/871,217 priority patent/US4687863A/en
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Publication of JPH0566949B2 publication Critical patent/JPH0566949B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/77Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D307/78Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans
    • C07D307/82Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to carbon atoms of the hetero ring
    • C07D307/83Oxygen atoms

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は新規な光学活性ヒドロキシヨードラク
トンに関し、詳しくは、Red imported fire ant
(Solenopsis invicta Buren)の女王認識フエロ
モンの一成分を高い光学純度で大量に製造するた
めの中間体として有用である新規な光学活性ヒド
ロキシヨードラクトンに関する。 Red imported fire ant(Solenopsis invicta
Buren)の女王認識フエロモンの一成分であるジ
ヒドロアクチニジオライドを合成する方法は、既
に幾つかが知られている。その一つとして、カロ
チノイドである(−)−アザフリンのメチルエス
テルを原料として、ジヒドロアクチニジオライド
を合成する方法(W.Eschenmoser,P.Uebelhart
及びC.H.Engster,Helv.Chim.Acta.,65,353
(1982))が知られているが、この方法によるとき
は、出発物質が天然物質であるので、その入手が
容易ではなく、また、(−)−体のみしか得られな
い。更に、光学純度も低い。 別の方法として、2,6,6−トリメチル−2
−シクロヘキセン−1,4−ジオンの酵母による
不斉還元を経由して得られる(4R,6R)−4−
ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキ
サノンを原料として合成する方法(F.Kienzle,
H.Meyer,R.E.Minder及びH.Thommen,Helv.
Chim.Acta.,61,2616(1978))も知られている
が、この方法は、(−)−体の対掌体の合成に適用
され得るにすぎない。 本発明者らは、上記性フエロモンの合成におけ
る上記した問題を解決するために鋭意研究した結
果、本発明による新規な光学活性ヒドロキシヨー
ドラクトンを用いることによつて、それぞれ対応
するフエロモンの鏡像体を高い光学純度にて、且
つ、大量に合成し得ることを見出して、本発明に
至つたものである。 (発明の構成) 本発明による新規な光学活性ヒドロキシヨード
ラクトンは次の構造式で表わされる。 (但し、3a,5位及び7a位の立体化学は
(3aR,5s,7aS)又は(3aS,5S,7aR)であ
る。) で表わされることを特徴とする。 従つて、本発明による光学活性ヒドロキシヨー
ドラクトンは、具体的には、それぞれ次式で表わ
される化合物である。即ち、第1は、(1)式で表わ
される(3aR,5S,7aS)−4,4−ジメチル−
5−ヒドロキシ−7a−ヨードメチル−2−オキ
ソオクタヒドロベンゾフランであり、 第2は、(2)式で表わされる(3aS,5S,7aR)
−4,4−ジメチル−5−ヒドロキシ−7a−ヨ
ードメチル−2−オキソオクタヒドロベンゾフラ
ンである。 本発明による上記光学活性ヒドロキシヨードラ
クトン(1)及び(2)は、既に知られている(3S)−
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシシクロヘキサ
ノン(3)(Y.Lu,G.Barth,K.Kieslich,P.D.
Strong,W.L.Duax及びC.Djerassi,J.Org.
Chem.,48,4549(1983))を出発原料として合成
することできる。化合物(1)の合成工程をスキーム
に示す。
【式】 上記スキームの各工程について、以下に詳し
く説明する。先ず、ヒドロキシケトン(3)の水酸基
を保護して化合物(4)を得る。保護基Rは、塩基性
条件下で安定である限りは、特に限定されず、例
えば、テトラヒドロピラニル基、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリ
ル基、ベンジル基等を挙げることができる。その
後の反応における保護基の安定性、脱着の容易さ
及び経済性の点から、テトラヒドロピラニル基が
好ましい。 化合物(3)に上記保護基を導入するには、従来よ スキーム り知られている通常の方法によればよい。例え
ば、テトラヒドロピラニル基を保護基とする場合
を例にとれば、乾燥ジクロロメタン中で化合物(3)
に1〜2倍量の2,3−ジヒドロピランを触媒量
のp−トルエンスルホン酸の存在下に反応させ
る。かかる方法は、例えば、T.W.Green,
“Protective Groups in Organic Synthesisis”,
John Wiley & Sons,New York(1981)に
記載されている。 次に、保護基にて水酸基を保護したケトン化合
物(4)をナトリウムメトキシド、リチウムジイソプ
ロピルアミド等のような強塩基の存在下、ギ酸エ
チルによつてホルミル化して、ヒドロキシビニル
化合物(5)を得る。かかるホルミル化反応は、既に
よく知られており、通常、乾燥メタノール、乾燥
エタノール等のアルコール性溶剤中でケトン化合
物(4)に対して1〜1.5倍量のナトリウムメトキシ
ドを調製し、これに乾燥ベンゼンを加え、更に、
通常、これに−10℃乃至室温までの温度範囲で、
ケトン化合物(4)の乾燥テトラヒドロフラン溶液を
加え、その後、更に、ケトン化合物(4)に対して1
〜2倍量のギ酸エチルを、通常、0℃乃至室温ま
での温度範囲で加えることにより、ヒドロキシビ
ニル化合物(5)を得ることができる。 このようにして得られたヒドロキシビニル化合
物(5)を、次いで、ブチルチオメチレン化合物(6)と
する。この反応は、通常、乾燥ベンセン中、1〜
1.5倍量のブタンチオールをヒドロキシビニル化
合物(5)に触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在
下に反応させればよい(M.Shiozaki,K.Mori及
びM.Matsui,Agric.Biol.Chem.,36,2539
(1972))。 次いで、このブチルチオメチレン化合物(6)をナ
トリウムボロハイドライドにより還元して、アル
コール化合物(7)とする。常法に従つて、例えば、
ブチルチオメチレン化合物(6)をエタノール中で
0.5〜5倍当量のナトリウムボロハイドライドと
反応させることにより、アルコール化合物(7)を得
ることができる。 このアルコール化合物(7)をα,β−不飽和アル
デヒド(8)に変換するには、例えば、塩化水銀を用
いる方法を利用することができる。即ち、アルコ
ール化合物(7)と共に、炭酸カドミウム1当量と塩
化水銀1当量とを含むエタノール混合液を1乃至
5分間加熱還流することにより、アルコール化合
物(7)をα,β−不飽和アルデヒド化合物(8)とする
ことができる。(H.J.Bestmann及びJ.Angerer,
Tetrahedron Lett.,3665(1969))。 次に、このα,β−不飽和アルデヒド(8)をアリ
ルアルコール化合物(9)とする。このためには、常
法によつて、例えば、α,β−不飽和アルデヒド
(8)をエタノール中、0.5〜5倍当量のナトリウム
ボロハイドライドと反応させればよい。 このようにして得られたアリルアルコール化合
物(9)をオルトエステルクライゼン転位にてexo−
メチレンエステル化合物(10)とする。この反応は、
アリルアルコール化合物(9)を5〜10倍当量のオル
ト酢酸エチルに溶かし、触媒としてのプロピオン
酸の存在下、120℃乃至140℃の温度範囲で数時間
加熱攪拌することにより行なうことができる。好
ましい操作として、反応の途中に生じるエタノー
ルを逐次留去する。 次いで、このexo−メチレンエステル化合物(10)
を加水分解して、exo−メチレンカルボン酸化合
物(11)とする。常法に従い、例えば、exo−メ
チレンエステル化合物(10)を95%エタノール中で水
酸化カリウム存在下、室温乃至溶剤の沸点までの
温度範囲で1乃至5時間反応させればよい。 上記exo−メチレンカルボン酸化合物(11)を
ヨードラクトン化合物とし、保護基を脱離し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフイーにより分離す
ることにより、本発明による化合物(1)及び(2)をそ
れぞれ得ることができる。 かかるヨードラクトン化反応は、既によく知ら
れているように、上記exo−メチレンカルボン酸
化合物(11)をエーテルに溶かし、これに1〜5
倍当量の炭酸水素ナトリウムを含む水溶液を加え
た後、1〜3倍量のヨウ素及びヨウ化カリウムの
水溶液を室温乃至溶剤の沸点までの温度範囲で加
えることによつて行なうことができる。更に、得
られたヨードラクトン化合物の保護基を脱離す
る。例えば、脱テトラヒドロピラニル基の場合に
ついて説明すれば、前記Greenの文献に従つて、
ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン
等の炭化水素溶剤、エーテル、ジオキサン等のエ
ーテル溶剤、メタノール、エタノール等のアルコ
ール溶剤のような適宜の有機溶剤を含む水溶液に
上記ヨードラクトンを溶解し、酸を用いて保護基
としてのテトラヒドロピラニル基を脱離させる。
ここに、用いる酸は、特に、限定されないが、例
えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、p
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有
機酸が好適である。その使用量も特に制限され
ず、触媒量から大過剰量までの任意量が適宜に用
いられる。反応温度は通常、室温から用いる溶剤
の沸点以下の温度である。 このように、脱保護基して得られるヒドロキシ
ヨードラクトンは、本発明による化合物(1)及び(2)
の混合物である。これらは、例えば、シリカゲル
カラムクロマトグラフイーにより、それぞれ光学
活性の化合物(1)及び(2)に容易に分離することがで
きる。 以上のようにして得られる本発明による光学活
性ヒドロキシヨードラクトン(1)及び(2)は、光学純
度が100%eeと高い。これらの化合物は、前記
Red imported fire antの女王認識フエロモンの
一成分である各鏡像体へ光学純度高く誘導するこ
とができる。即ち、化合物(1)を出発原料とすると
きは、(S)−(+)−ジヒドロアクチニジオライド
((S)−(+)−dihydroactinidiolide)、化合物(2
)
を出発原料とするときは、(R)−(−)−ジヒドロ
アクチニジオライドを得ることができる。 例示として、化合物(1)から(S)−(+)−ジヒ
ドロアクチニジオライドへの合成工程をスキーム
に示す。 スキームについて説明する。先ず、化合物(1)
を脱水して化合物(12)を得、次いで、これを脱
ヨウ素して化合物(13)とした後、その二重結合
を還元して化合物(14)を得る。次いで、これを
フエニルゼレニル化−酸化脱離して、ラクトン環
に二重結合を導入することによつて、(S)−(+)
−ジヒドロアクチ スキーム (注)LDA=リチウムジイソプロピルマシド ニジオライド(15)を得ることができる。 明らかに、前記化合物(2)を出発原料とすれば、
上記と同じ反応工程によつて、上記化合物(15)
の鏡像体である(R)−(−)−ジヒドロアクチニ
ジオライドを得ることができる。 (発明の効果) 本発明による光学活性なヒドロキシヨードラク
トンは新規化合物である。この化合物は、以上に
説明したように、Red imported fire ant
Solenopsis invicta Buren)の女王認識フエロ
モンの一成分への誘導が容易であるので、このフ
エロモンの大量合成のための出発原料として好適
に用いることができる。更に、以上に説明した方
法によれば、この出発原料を用いて、上記フエロ
モンの両鏡像体を同時に得ることができ、且つ、
これを分離すれば、光学純度100%eeのフエロモ
ンを得ることができる。 (実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明する。 実施例 (a) (3S)−2,2−ジメチル−3−テトラヒド
ロピラニルオキシシクロヘキサノン(4)の合成 (3S)−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシシ
クロヘキサノン(3)(5.12g、36.0mmol)とジヒド
ロピラン(5.00g、59.0mmol)を乾燥二塩化メチ
レン(90ml)に溶解し、これを氷浴中で冷却し、
これにp−トルエンスルホン酸(50mg)を加え、
室温にて二時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、次いで、食塩水にて洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過、濃縮
後、蒸留によつて精製した。収量8.14g(収率99.9
%)。 沸点 75〜76℃/0.06mmHg IR(cm-1):2950(s),2880(s),1710(s),
1120(s),1030(s),980(s). NMR(δ)(CDCl3):1.12,1.15,1.19,1.22
(すべてs,6H),1.35−2.60(m,12H),3.20−
4.20(m,3H),4.50−4.90(m,1H). (b) (3S)−6−ブチルチオメチレン−2,2−
ジメチル−3−テトラヒドロピラニルオキシシ
クロヘキサノン(6)の合成 28重量%濃度でナトリウムメトキシド(6.95g、
36.1mmol)を含有するメタノール溶液300mlをフ
ラスコに入れ、減圧下にメタノールを留去した。
フラスコ内をアルゴン置換した後、乾燥ベンゼン
(185ml)を加え、氷浴にて冷却した。これに
(3S)−2,2−ジメチル−3−テトラヒドロピ
ラニルオキシシクロヘキサノン(4)(8.14g、
36.0mmol)の乾燥テトラヒドロフラン溶液(70
ml)を加え、その後、蒸留したギ酸エチル
(3.20g、43.2mmol)を加え、室温とした後、18
時間攪拌した。 反応終了後、これに水(80ml)を加え、更に15
分間攪拌した。この後、水層を分取し、別に、有
機層を4%水酸化ナトリウム水溶液にて3回抽出
し、これを上記水層に合わせた後、濃塩酸にてPH
を3〜4とした後、酢酸エチルで3回抽出し、こ
れを硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過、濃縮
して、粗化合物(5)を得た。 尚、最初に分取した上記有機層を濃縮して、原
料化合物(4)を回収した。回収量は未精製にて
2.00g(回収率25%)であつた。 このようにして得た粗化合物(5)を乾燥ベンゼン
(120ml)中にて少量のp−トルエンスルホン酸及
びn−ブタンチオール(5ml、46.7mmol)と混
合し、還流下に4時間攪拌した。反応混合物をジ
エチルエーテルで希釈し、水洗し、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、次いで、食塩水にて洗浄し
た。硫酸マグネシウム上で乾燥した後、濾過し、
濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフイー(シリ
カゲル200g、n−ヘキサン−酢酸エチル)にて
精製した。最終的に化合物(6)2.08gを得た。同時
に、化合物(6)において、脱テトラヒドロピラニル
基された化合物3.39gを得たので、これを常法に
てテトラヒドロピラニル化し、カラムクロマトグ
ラフイー(シリカゲル200g、n−ヘキサン−酢
酸エチル)にて精製して、化合物(6)6.08gを得た。 IR(cm-1):2950(s),2870(s),1660(s),
1540(s),1160(s),1030(s). NMR(δ)(CDCl3):0.70−3.05(m,25H),
3.73(m,3H),4.75(m,1H),7.58(m,1H). (c) (3S)−6−ブチルチオメチレン−2,2−
ジメチル−3−テトラヒドロピラニルオキシシ
クロヘキサン−1−オール(7)の合成 上で得た化合物(6)、即ち、(3S)−6−ブチル
チオメチレン−2,2−ジメチル−3−テトラヒ
ドロピラニルオキシシクロヘキサノン(2.08g、
6.4mmol)をテトラヒドロフラン(25ml)に溶解
し、氷浴上で冷却した。これにナトリウムボロハ
イドライド(0.61g、16mmol)の95%エタノール
溶液(30ml)を6℃を越えないようにして滴下し
た。滴下終了後、10℃を越えない温度で2時間攪
拌した。次いで、溶剤の大部分を減圧留去し、こ
れに水を加えてエーテルで抽出し、このエーテル
層を食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウム上で
乾燥した。濾過、乾燥後、濃縮して粗アルコール
化合物(7)を200g得た。 IR(cm-1):3450(s),2950(s),2875(s),
1455(m),1435(m),1020(s). (d) (4S)−3,3−ジメチル−4−テトラヒド
ロピラニルオキシシクロヘキセン−1−カルボ
アルデヒド(8)の合成 粗(8)化合物(2.00g)、炭酸カドミウム(1.10g、
6.4mmol)及び二塩化水銀(1.74g、6.4mmol)
を95%エタノール(45ml)に溶解し、還流下に5
分間攪拌した。冷却後、ベンゼンと水とを加え、
セライト濾過し、濾液をベンゼンにて2回抽出
し、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥
した。これを濾過、濃縮して、粗(8)化合物1.32g
を得た。同時に、化合物(8)において、脱テトラヒ
ドロピラニル基された化合物が副生したため、こ
れを常法によつてテトラヒドロピラニル化し、カ
ラムクロマトグラフイー(シリカゲル50g、n−
ヘキサン−酢酸エチル)にて精製した。最終的に
化合物(8)を0.71g(化合物(6)からの収率47%)を得
た。 IR(cm-1):2950(s),2870(s),2700(w),
1685(s),1640(s),1030(s). NMR(δ)(CDCl3):1.08,1.10,1.28(すべて
s,6H),1.35−2.45(m,10H),3.15−4.10(m,
3H),4.70(m,1H),6.35(m,1H),9.50(s,
1H). (e) (4S)−3,3−ジメチル−4−テトラヒド
ロピラニルオキシ−1−ヒドロキシメチルシク
ロヘキセン(9)の合成 (4S)−3,3−ジメチル−4−テトラヒドロ
ピラニルオキシシクロヘキセン−1−カルボアル
デヒド(8)(0.71g、2.98mmol)をテトラヒドロフ
ラン(7ml)に溶解し、これにナトリウムボロハ
イドライド(0.38g、10mmol)の95%エタノール
溶液を氷浴上で滴下した。滴下終了後、10℃以下
の温度で2時間攪拌した。溶剤を減圧蒸留によつ
て除去した後、水で希釈し、エーテル抽出を2回
行なつた。このエーテル層を硫酸マグネシウム上
で乾燥し、濾過、濃縮した後、カラムクロマトグ
ラフイー(シリカゲル30g、n−ヘキサン−酢酸
エチル)にて精製して、化合物(9)を0.65g(収率
91.3%)得た。 IR(cm-1):3400(s),2950(s),2875(s),
1025(s). NMR(δ)(CCl4):0.85−2.30(m,16H),
3.15−3.80(m,3H),3.82(s,2H),4.50−4.80
(m,1H),5.25(br s,1H). (f) エチル〔(1RS,3S)−2,2−ジメチル−6
−メチレン−3−テトラヒドロピラニルオキシ
シクロヘキシル〕アセテート(10)の合成 化合物(9)(9.45g、39.3mmol)とプロピオン酸
(0.187g、2.50mmol)とを新しく蒸留したオルト
酢酸エチル(51.0g、314mmol)に溶解し、エタ
ノールを留去しながら、140℃で6時間攪拌した
後、生成した反応混合物からオルト酢酸エチルを
除去して濃縮した。冷却後、残渣をエーテルで希
釈し、このエーテル溶液を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、次いで、食塩水にて洗浄した後、硫酸
マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮した。残渣を
カラムクロマトグラフイー(シリカゲル200g、
n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製して、
(1S,3S)−体と(1R,3S)−体との混合物とし
ての化合物(10)を得た(11.7g、37.7mmol、収率96
%)。 nD 221.4774 〔α〕D 22+25.5゜(c=0.81,CHCl3) IR(cm-1):3100(w),1740(s),1650(m),
1030(s),890(m). NMR(δ)(CDCl3):0.73−1.08(m,6H)
1.23(t,3H,J=7Hz),1.36−2.78(m,
13H),3.18−4.20(m,3H),4.10(q,2H,J=
7Hz),4.48−4.86(m,3H). 元素分析 実験値:C,69.31;H,9.72;計
算値(C18H30O4:C,69.64;H,9.74) この混合物における(1S,3S)−体と(1R,
3S)−体との割合は、対応する3−ベンゾイロキ
シ誘導体のHPLCクロマトグラフイー(カラム:
ヌクレオジル(登録商標)50−5、n−ヘキサン
−テトラヒドロフラン−メタノール)による分析
の結果、(1S,3S)−体は64%であり、(1R,3S)
−体は36%であつた。 (g) (1′RS,3′S)−2′,2′−ジメチル−6′−メ

レン−3′−テトラヒドロピラニルオキシシクロ
ヘキシル酢酸(11)の合成 化合物(10)を2.5%の水酸化カリウムを含むエタ
ノール溶液に溶解し、2時間加熱還流した。反応
終了後、減圧にてエタノールを留去して濃縮した
後、水を加えて希釈し、1N塩酸にてPH4に酸性
化し、2回エーテル抽出した。このエーテル溶液
を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥
し、減圧下に濃縮して、粗化合物(11)(10.6g)
を得た。 IR(cm-1):3100(br s),1725(s),1025
(s). (h) (3aRS,5S,7aRS)−4,4−ジメチル−
7a−ヨードメチル−2−オキソ−3−テトラ
ヒドロピラニルオキシオクタヒドロベンゾフラ
ンの合成 化合物(11)(10.6g、37.7mmol)を含むエー
テル(120ml)溶液に0.5M炭酸水素ナトリウム水
溶液(120ml)を加え、室温で20分間攪拌した。
この後、これを還流し、これにヨウ化カリウム
(37.8g)とヨウ素(19.2g)とを含む水溶液(150
ml)を徐々に加え、還流下に一夜攪拌した。冷却
後、反応混合物をチオ硫酸ナトリウウ水溶液、炭
酸水素ナトリウム水溶液、次いで、食塩水で洗浄
した後、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下に
濃縮して、未精製目的化合物(14.5g、
35.5mmol)を得た。 IR(cm-1):1780(s),1460(s),1160(s),
1030(s). NMR(δ)(CDCl3):0.83−1.20(m,6H)
1.30−2.45(m,11H),2.60(s,2H),3.21−
4.11(m,5H),4.66(m,1H). これを精製することなしに、次の反応に用い
た。 (i) (3aR,5S,7aS)−4,4−ジメチル−5
−ヒドロキシ−7a−ヨードメチル−2−オキ
ソオクタヒドロベンゾフラン(1)及びその鏡像体
である(3aS,5S,7aR)−体(2)の合成 0.5%のp−トルエンスルホン酸をメタノール
(150ml)に溶解させ、この溶液に上記(h)でえた化
合物(3aRS,5S,7aRS)−4−ジメチル−7a−
ヨードメチル−2−オキソ−3−テトラヒドロピ
ラニルオキシオクタヒドロベンゾフランを溶解さ
せ、この混合物を室温で8時間攪拌した後、減圧
下にメタノールを留去して濃縮した。残渣を酢酸
エチルにて希釈し、この酢酸エチル溶液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、次いで、食塩水で洗浄
した後、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮
した。 残渣をカラムクロマトグラフイー(シリカゲル
150g、n−ヘキサン−酢酸エチル(7:3))処
理して、化合物(2)を得た(3.60g、11.1mmol)化
合物(10)からの収率30%)。これをn−ヘキサン−
酢酸エチルから再結晶した(収量3.23g)。 化合物(2)の赤外線吸収スペクトル(IR)を第
1図に、また、プロトン核磁気共鳴スペクトル
(NMR)を第2図に示す。 融点 134.5〜135.0℃ 〔α〕D 22−11.1゜(c=0.075,CHCl3) IR(cm-1)(KBr):3490(s,sh),1755(vs),
1180(s),1155(m),1140(s),1020(m),10
00
(m),980(s),960(s). NMR(δ)(400MHz,CDCl3):1.02(s,
3H),1.11(s,3H),1.59(d,1H,J=3.5Hz),
1.78(ddd,1H,J=3.5Hz,4Hz,7Hz),1.79
(ddd,1H,J=3.5Hz,4Hz,10.5Hz),2.00
(dddd,1H,J=1.2Hz,4Hz,4Hz,14.5Hz),
2.28(ddd,1H,J=7Hz,10.5Hz,14.5Hz),
2.49(dd,1H,J=8.5Hz,11Hz),2.56(dd,1H,
J=8.5Hz,16.5Hz),3.32(dd,1H,J=11Hz,
16.5Hz),3.55(d,1H,J=11.5Hz),3.58(ddd,
1H,J=3.5Hz,3.5Hz,3.5Hz),3.68(d,1H,
J=11.5Hz). 元素分析 実験値:C,40.79;H,4.99;計
算値(C11H17O3I):C,40.75;H,5.28) n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で溶出さ
せて、結晶性(3aR,5S,7aS)−化合物(1)
(6.00g、18.5mmol)、化合物(10)からの収率49%)
を得た。これをエーテルから再結晶した(収量
4.22g)。 化合物(1)の赤外線吸収スペクトル(IR)を第
3図に、また、プロトン核磁気共鳴スペクトル
(NMR)を第4図に示す。 融点 136.0〜136.5℃ 〔α〕D 22+35.5゜(c=0.095,CHCl3) IR(cm-1)(KBr):3450(m,br),1780(vs,
sh),1165(s),1055(s),1000(m),965(m
). NMR(δ)(400MHz,CDCl3):1.04(s,
3H),1.06(s,3H),1.43(d,1H,J=4.7Hz),
1.56(dddd,1H,J=4Hz,10.5Hz,12Hz,14
Hz),1.80(dddd,1H,J=4.5Hz,4.5Hz,4.5Hz,
14Hz),1.93(ddd,1H,J=4.5Hz,12Hz,15
Hz),2.24(dddd,1H,J=2Hz,4Hz,4.5Hz,
15Hz),2.61(d,1H,J=12Hz),2.62(d,1H,
J=7.5Hz),2.69(ddd,1H,J=2Hz,7.5Hz,
12Hz),3.58(d,1H,J=11.5Hz),3.64(d,
1H,J=11.5Hz),3.68(ddd,1H,J=4.5Hz,
4.7Hz,10.5Hz). 元素分析 実験値:C,40.48;H,5.11;計
算値(C11H17O3I):C,40.75;H,5.28) (参考例) 以下に参考例として本発明による化合物からジ
ヒドロアクチニジオライドの合成例を示す。 参考例 (a) (3aR,7aS)−4,4−ジメチル−7a−ヨ
ードメチル−2−オキソ−2,3,3a,4,
7,7a−ヘキサヒドロベンゾフラン(12)、(3aR,
4RS,7aS)−7a−ヨードメチル−5−メチル
−4−メチレン−2−オキソオクタヒドロベン
ゾフラン及び(3aR,5R,7aS)−5−クロロ
−4,4−ジメチル−7a−ヨードメチル−2
−オキソオクタヒドロベンゾフランの合成 化合物(1)(4.00g、12.3mmol)と4−(N,N
−ジメチルアミノ)ピリジン(7.50g、
61.5mmol)とを乾燥二塩化メチレン(80ml)に
溶解し、この溶液に攪拌下にアルゴン雰囲気下に
トリフルオロメタンスルホニルクロライド
(4.50g、26.7mmol)を5〜15℃の温度で滴下し
た。滴下終了後、反応混合物を5℃で10分間攪拌
し、更に室温で1時間攪拌した。次いで、反応混
合物に水を加え、30分間攪拌した後、反応混合物
を水、次に、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
上で乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をカラムク
ロマトグラフイー(シリカゲル150g)で精製し
た。 n−ヘキサン−酢酸エチル(40:1)による最
初の溶出液は(3aR,4RS,7aS)−7a−ヨードメ
チル−5−メチル−4−メチレン−2−オキソオ
クタヒドロベンゾフラン(0.240g、収率6.4%)
を与えた。 nD 23.51.5578 〔α〕D 23.5+16.0゜(c=0.82,CHCl3) IR(cm-1):3100(w),3050(w),1780(s),
1645(m). NMR(δ)(CDCl3):1.25(d,3H,J=7
Hz),1.00−3.30(m,8H),3.35(d,1H,J=
12Hz),3.55(d,1H,J=12Hz),5.00(br s,
2H). 元素分析 実験値:C,43.42;H,4.87;計
算値(C11H15O2I):C,43.15;H,4.94) n−ヘキサン−酢酸エチル(40:1)による第
2の溶出液は化合物(12)(2.94g、収率78%)を
与えた。 nD 221.5542 〔α〕D 22+124.8゜(c=1.56,CHCl3) IR(cm-1):3050(m),1780(s),1660(w). NMR(δ)(CDCl3):1.05(s,3H),1.10(s,
3H),2.58(m,5H),3.38(d,1H,J=12Hz),
3.68(d,1H,J=12Hz),5.65(br s,2H). 元素分析 実験値:C,43.02;H,4.94;計
算値(C11H15O2I):C,43.15;H,4.94) n−ヘキサン−酢酸エチル(40:1)による第
3の溶出液は結晶性の(3aR,5R,7aS)−5−
クロロ−4,4−ジメチル−7a−ヨードメチル
−2−オキソオクタヒドロベンゾフラン
(0.253g,収率6.0%)を与えた。 融点 127.0〜127.5℃ 〔α〕D 24−19.2゜(c=1.57,CHCl3) IR(cm-1):3010(s),3000(s),2960(s).
2920(s),1780(s). NMR(δ)(100MHz,CDCl3:1.16(s,3H),
1.18(s,3H),1.93−3.41(m,7H),3.49(d,
1H,J=12Hz),3.64(d,1H,J=12Hz),3.99
(dd,1H,J=4Hz,4Hz). 元素分析 実験値:C,38.50;H,4.74;計
算値(C11H16O2ClI):C,38.56;H,4.71) (b) (3aR,7aS)−2−オキソ−4,4,7a−
トリメチル−2,3,3a,4,7,7a−ヘキ
サヒドロベンゾフラン(13)の合成 化合物(12)(2.90g、9.47mmol)を乾燥ベン
ゼン(7.5ml)に溶解し、この溶液を氷冷下に攪
拌しつつ、これにアルゴン雰囲気下にてトリ−n
−ブチルスズハイドライド(5.60g、19.2mmol)
を滴下した。反応混合物を室温で一夜攪拌し、カ
ラムクロマトグラフイー(シリカゲル130g、n
−ヘキサン−酢酸エチル)で精製して、化合物
(13)(1.70g、収率99.6%)を得た。蒸留によつ
て分析用精製品を得た。 沸点 100〜110℃(浴温)/0.2mmHg nD 23.51.4815 〔α〕D 23.5+170.0゜(c=1.09,CHCl3) IR(cm-1):3060(m),1780(s),1660(w).
1385(m),1230(m),1180(m),1095(m),95
0
(m),725(m). NMR(δ)(CDCl3):1.02(s,3H),1.10(s,
3H),1.55(S,3H),2.00−2.85(m,5H),5.60
(m,2H). 元素分析 実験値:C,73.06;H,8.92;計
算値(C11H16O2):C,73.30;H,8.95) (c) (3aR,7aS)−2−オキソ−4,4,7a−
トリメチルオクタヒドロベンゾフラン(14)の
合成 化合物(13)(1.00g、5.55mmol)を乾燥酢酸
に溶解し、この溶液に酸化白金(0.10g)を加え、
水素下(30気圧)に23時間震とうした後触媒を濾
別し、濾液を真空濃縮した。残渣を酢酸エチルで
希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水
の順序にて洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
し、真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフ
イー(シリカゲル10g、n−ヘキサン−酢酸エチ
ル)で精製して、結晶性の(3aR,7aS)−体
(14)(0.910g、収率80%)を得た。n−ヘキサン
から再結晶して、精製物(14)(0.669g)を得た。 融点 74〜75℃ 〔α〕D 24+63.5゜(c=0.95,CHCl3) IR(cm-1):1700(s),2650(s),1100(s).
945(s). NMR(δ)(400MHz,CDCl3):0.91(s,
3H),1.05(s,3H),1.53(s,3H),1.28−1.65
(m,5H),1.86(br d,1H,J=12.5Hz),2.07
(dd,1H,J=8.7Hz,12.5Hz),2.43(dd,1H,
J=8.7Hz,15.4Hz)2.51(dd,1H,J=12.5Hz,
15.4Hz). 元素分析 実験値:C,72.40;H,9.74;計
算値(C11H18O2):C,72.49;H,9.95) (d) (3aR,7aS)−2−オキソ−3−フエニルゼ
レニル−4,4,7a−トリメチルオクタヒド
ロベンゾフランの合成 乾燥テトラヒドロフラン(8ml)にジイソプロ
ピルアミン(0.45g、4.4mmol)を溶解し、この
溶液にアルゴン雰囲気下、−70℃乃至−55℃の温
度で攪拌しつつ、これにn−ブチルリチウムのn
−ヘキサン溶液(1.52N、2.2ml)を加えて、リチ
ウムジイソプロピルアミド溶液を調製した。この
後、この溶液を−10℃で10分間攪拌し、次いで、
−70℃に冷却した。 (3aR,7aS)化合物(14)(0.40g、
2.20mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(8ml)
溶液を上記反応混合物に徐々に1時間にわたつて
攪拌しながら添加し、この後、反応混合物を−70
℃で30分間攪拌し、次いで、ヘキサメチル亜リン
酸トリアミド(0.7ml)を加えた。 次に、乾燥テトラヒドロフラン(5ml)に
PhSeSePh(2.75g、8.8mmol)を溶解させて溶液
を調製し、攪拌下に室温にて急速にこの溶液に臭
素(0.45ml、8.8mmol)を加えることにより、
PhSeBrの乾燥テトラヒドロフラン溶液
(3.5mole/1、1.6ml)を調製した。この後、反
応温度を徐々に室温に昇温した。1N塩酸(5ml)
を反応混合物に加え、これをエーテルで希釈し
た。このエーテル溶液を水、次いで、食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮し
た。残渣をカラムクロマトグラフイー(シリカゲ
ル20g、n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し
て、(3aR,7aS)−2−オキソ−3−フエニルゼ
レニル−4,4,7a−トリメチルオクタヒドロ
ベンゾフラン(0.70g)を得た。 IR(cm-1):3080(m),1765(s),1580(m),
1480(m),1440(m),1380(m),1100(s),96
0
(m),785(s),740(s),690(s). NMR(δ)(CDCl3):1.00(s,3H),1.19(s,
3H),1.32(s,3H),0.80−2.40(m,6H),1.92
(d,1H,J=10Hz),3.62(d,1H,J=10
Hz),7.10−7.52(m,3H),7.52−7.80(m,2H). これを精製することなしに、次の反応に用い
た。 (e) (S)−(+)−オキソ−4,4,7a−トリメ
チル−2,4,5,6,6,7a−ヘキサヒド
ロベンゾフラン(15)((+)−ジヒドロアクチ
ニジオライド(15))の合成 (3aR,7aS)−2−オキソ−3−フエニルゼレ
ニル−4,4,7a−トリメチルオクタヒドロベ
ンゾフラン(0.62g)と酢酸(1滴)をテトラヒ
ドロフラン(10ml)に溶解し、攪拌下に氷冷しつ
つ、これに35%過酸化水素水溶液(0.8ml、
9.15mmol)を加え、5℃で1時間攪拌した後、
これに少量の白金を加えて、過剰の過酸化水素を
分解した。この後、反応混合物に飽和炭酸水素水
溶液を加え、室温で30分間攪拌した。次いで、反
応混合物をエーテルで希釈し、このエーテル溶液
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び食塩水
にてこの順序で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾
燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラ
フイー(シリカゲル20g、n−ヘキサン−酢酸エ
チル)にて精製して、(S)−(+)−化合物(15)
(0.120g)を得た。 融点 67〜68℃ 〔α〕D 23+120.9゜(c=1.00,CHCl3) IR(cm-1):3040(m),3020(m),2980(s),
2960(s),2880(s),1750(s,br),1635(s)

1465(s),1390(m),1375(s),1370(s),13
30
(m),1300(w),1265(s),1230(s),1195
(s),1185(s),1155(s),1125(s),1070
(w),1035(s),1015(w),995(s),985(s
),
960(s),950(s),915(s),885(s),860(
s),
790(w),730(s),685(s),660(w). NMR(δ)(400MHz,CDCl3):1.22(s,
3H),1.28(s,3H),1.28(ddd,1H,J=5Hz,
12.5Hz,12.5Hz),1.46(ddd,1H,J=5Hz,
12.5Hz),1.55(s,3H),1.62−1.81(m,3H),
2.24(ddd,1H,J=2.5Hz,5Hz,12.5Hz),5.65
(s,1H). 元素分析 実験値:C,73.60;H,9.01;計
算値(C11H16O2):C,73.30;H,8.95) (f) (3aS,7aR)−4,4−ジメチル−7a−ヨ
ードメチル−2−オキソ−2,3,3a,4,
7,7a−ヘキサヒドロベンゾフラン(12)
((3aS,7aR)−化合物(12))の合成 (3aR,7aS)−化合物(12)の調製と同様にし
て、化合物(2)(3.99g)から(3aS,7aR)−化合
物(12)(3.54g、収率94%)を得た。 nD 231.5535 〔α〕D 23−130.7゜(c=1.58,CHCl3) 元素分析 実験値:C,43.09;H,4.94;計
算値(C11H15O2I):C,43.15;H,4.94) この(3aS,7aR)−化合物(12)のIR及び
NMRスペクトルは、(3aR,7aS)−化合物(12)
と同じであつた。 (g) (3aS,7aR)−2−オキソ−4,4,7a−
トリメチル−2,3,3a,4,7,7a−ヘキ
サヒドロベンゾフラン(13)((3aS,7aR)−
(−)−化合物(13))の合成 (3aR,7aS)−化合物(13)の調製と同様にし
て、(3aS,7aR)−化合物(12)(3.30g)から
(3aS,7aR)−(−)−化合物(13)(1.69g、収率
87%)を得た。蒸留によつてこの化合物の分析用
精製品を得た。 沸点 100〜105℃(浴温)/0.2mmHg nD 241.4812 〔α〕D 24−183.2゜(c=1.02,CHCl3) 元素分析 実験値:C,73.12;H,8.80;計
算値(C11H16O2:C,73.30;H,8.95) この(3aS,7aR)−化合物(13)のIR及び
NMRスペクトルは、(3aR,7aS)−化合物(13)
と同じであつた。 (h) (3aS,7aR)−2−オキソ−4,4,7a−
トリメチルオクタヒドロベンゾフラン(14)
((3aS,7aR)−(−)−化合物(14))の合成 (3aR,7aS)−(+)−化合物(14)の調製と同
様にして、(3aS,7aR)−(−)−化合物(13)
(1.20g)から(3aS,7aR)−(−)−化合物(14)
(1.10g、収率91%)を得た。n−ヘキサンから再
結晶して、(3aS,7aR)−(−)−化合物(14)
(0.960g)を得た。 融点 80〜81℃ 〔α〕D 24−66.1゜(c=0.97,CHCl3) 元素分析 実験値:C,72.74;H,9.90;計
算値(C11H18O2:C,72.49;H,9.95) この(3aS,7aR)−化合物(14)のIR及び
NMRスペクトルは、(3aR,7aS)−化合物(14)
と同じであつた。 (i) (3aS,7aR)−2−オキソ−3−フエニルゼ
レニル−4,4,7a−トリメチルオクタヒド
ロベンゾフラン(3aS,7aR)−(−)−化合物の
合成 対応する(3aR,7aS)−2−オキソ−3−フエ
ニルゼレニル−4,4,7a−トリメチルオクタ
ヒドロベンゾフラン化合物の調製と同様にして、
対応する(3aS,7aR)−化合物(14)(0.40g)か
ら対応する(3aS,7aR)−フエニルゼレニル化合
物(0.60g、収率87%)を得た。そのIR及び
NMRスペクトルは、既に報告されている対応す
る(3aR,7aS)−フエニルゼレニル化合物と一致
した。 これを精製することなく、次の反応を用いた。 (j) (R)−(−)−オキソ−4,4,7a−トリメ
チル−2,4,5,6,6,7a−ヘキサヒド
ロベンゾフラン(15)((−)−ジヒドロアクチ
ニジオライド(15))の合成 対応する(S)−(+)−化合物(1)の調製と同様
にして、(3aS,7aR)−フエニルゼレニル化合物
(0.55g)から対応する(R)−(−)−化合物(15)
(0.23g、(3aS,7aR)−化合物(14)からの収率
64%)を得た。n−ヘキサンから再結晶して、
(R)−(−)−化合物(15)(0.19g)を得た。 融点 70〜71℃ 〔α〕D 24−121.0゜(c=1.05,CHCl3) 元素分析 実験値:C,73.39;H,8.93;計
算値(C11H16O2:C,73.30;H,8.95) IR及びNMRスペクトルは、(S)−(+)−化合
物(15)と一致した。 (k) (S)−(+)−化合物(15)及び(R)−(−

−化合物(15)の光学純度の測定 (S)−(+)−化合物及び(R)−(−)−化合物
の光学純度は、キラル溶媒和試薬の存在下にプロ
トンNMR(400MHz)によつて測定した。即ち、
(S)−(+)−化合物(15)10mgと(−)−2,2,
2−トリフルオロ−1−(9−アンスリル)エタ
ノール46mgをCDCl3(0.3ml)に溶解させた。δ
(s,ビニル性 H)5.31;(R)−(−)−化合物
(15)10mgと(−)−2,2,2−トリフルオロ−
1−(9−アンスリル)エタノール46mgをCDCl3
に溶解させた。δ(s,ビニル性 H)5.36. 従つて、(S)−(+)−化合物(15)と(R)−
(−)−化合物(15)とは、光学純度は共に100%
eeであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による新規な光学活性ヒドロ
キシヨードラクトンである(3aS,5S,7aR)−
4,4−ジメチル−5−ヒドロキシ−7a−ヨー
ドメチル−2−オキソオクタヒドロベンゾフラン
(2)の赤外線吸収スペクトル、第2図はそのプロト
ン核磁気共鳴スペクトル(400MHz)、第3図は
(3aR,5S,7aS)−4,4−ジメチル−5−ヒド
ロキシ−7a−ヨードメチル−2−オキソオクタ
ヒドロベンゾフラン(1)の赤外線吸収スペクトル、
第4図はそのプロトン核磁気共鳴スペクトル
(400MHz)である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 (但し、3a,5位及び7a位の立体化学は
    (3aR,5S,7aS)又は(3aS,5S,7aR)であ
    る。) で表わされる光学活性ヒドロキシヨードラクト
    ン。
JP60278824A 1985-12-10 1985-12-10 新規な光学活性ヒドロキシヨ−ドラクトン Granted JPS62240675A (ja)

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JP60278824A JPS62240675A (ja) 1985-12-10 1985-12-10 新規な光学活性ヒドロキシヨ−ドラクトン
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JP60278824A Granted JPS62240675A (ja) 1985-12-10 1985-12-10 新規な光学活性ヒドロキシヨ−ドラクトン

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JP (1) JPS62240675A (ja)

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US4687863A (en) 1987-08-18
JPS62240675A (ja) 1987-10-21

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