JPH0566097B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、かまぼこに気泡を発生させないかま
ぼこ板に関するものである。

一般に、かまぼこ板を用いてかまぼこを製造す
る際、かまぼこ板に接したかまぼこ部分に小さな
気泡が点々と、多いときは一面に発生することが
あり、返品等の問題を起すことがある。

本発明のかまぼこ板を用いれば、かまぼこ板に
接するかまぼこ部分に気泡を発生させることが防
止できるので、かまぼこ産業に益すること大なる
ものがある。

（従来技術） 従来、かまぼこ板の両木口に耐熱耐水性のフイ
ルムを貼着したかまぼこ板が提案されている。
（特開昭59−101686） （発明が解決しようとする問題点） しかしながら、かまぼこ板一枚一枚の両木口に
耐熱耐水性のフイルムの貼着加工することは、か
なりの手間を要し、加工されたかまぼこ板も高価
なものとなつてしまうのである。

そこで、簡単な処理で、安価な加工費で、かま
ぼこの気泡をなくすことが長い間待たれていたの
である。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らは、簡単な処理でかまぼこの気泡を
完全になくす手段を求めて鋭意研究した結果、か
まぼこ板の導管から空気又は液体が入り、加熱に
よつて膨張し、気泡を生成させるのでないかとの
観点に立ち、かまぼこ板の導管を封じるようにけ
い素樹脂で処理したところ、ほとんど気泡が生じ
ないことを知つたのである。

本発明は、けい素樹脂又はその含有物を用いて
かまぼこ板の板面の少なくともかまぼことの接触
面を処理し、乾燥してなるかまぼこ板に関するも
のである。

けい素樹脂又はその含有物による処理は、板面
への塗布、噴霧又は浸漬等によつて行なわれる。

かまぼこ板は、かまぼこと接する上面と裏面、
そして、切断面の両木口、更に両側面の計６面か
ら成るものであるが、本発明で処理する面は、少
なくともかまぼことの接触面であつて、例えば上
面だけでもよい。上面のみをけい素樹脂又はその
含有物で処理して導管を封じれば気泡が発生する
ことはない。

しかし、上面は面積は広いので、導管が上面に
向つている木口の一面をけい素樹脂又はその含有
物で処理してもよい。導管の方向が変化すること
も多いので、両木口をけい素樹脂又はその含有物
で処理するのが好ましい。

また、けい素樹脂又はその含有物中にかまぼこ
板を浸漬して、かまぼこ板全面を処理することも
できる。

けい素樹脂又はその含有物でかまぼこ板の板面
の少なくともかまぼことの接触面を処理した後
は、風乾、熱線による乾燥、遠赤外線ヒータによ
り乾燥等によつて適宜乾燥させればよい。

乾燥したかまぼこ板は外観からではけい素樹脂
はほとんど判断できないが、拡大してよく観察す
れば、導管やその他表面にけい素樹脂がしみ込ん
で固まつているのが分る。

本発明で使用するけい素樹脂又はその含有物と
しては、シリコーン（信越化学工業(株)製）の各種
製品が有効に使用される。特に、けい素樹脂の
み、又はけい素樹脂の水性乳化液などが好まし
い。

次に本発明の実施例を示す。

実施例 １ 乾燥したかまぼこ板を10枚重ね、両木口にけい
素樹脂水性エマルジヨン（シリコーンKM766）
を均一に濡れる程度に噴霧し、次いで遠赤外線ヒ
ータで350℃域を１分30秒かけて通過させて、乾
燥した。

得られたかまぼこ板を用いて常法に従つてかま
ぼこを製造し、かまぼこ板に接したかまぼこ部分
を調べたところ、気泡が全く発生していないのが
分つた。

実施例 ２ 乾燥したかまぼこ板を10枚重ね、両木口に有機
溶媒に溶解したけい素樹脂（シリコーンKS837）
を刷毛で均一に塗布し、80℃温風で２分間処理
し、乾燥した。

得られたかまぼこ板を用いて常法に従つてかま
ぼこを製造し、かまぼこ板に接したかまぼこ部分
に気泡が全くないのが確認された。

実施例 ３ 乾燥したかまぼこ板の上面にけい素樹脂水性エ
マルジヨン（シリコーンKM766）を刷毛で均一
に塗布し、ガスシユバンクバーナー300℃域を１
分間かけて運行させ、乾燥した。

得られたかまぼこ板を用いて処理した上面の上
にかまぼこ生地を乗せ、常法に従つてかまぼこを
製造し、かまぼこ板に接したかまぼこ部分を調
べ、気泡が全くないのが確認された。

（効果） 本発明ではけい素樹脂を用いてかまぼこ板の導
管を封じることができたので、かまぼこの気泡を
ほぼ完全になくすことに成功したものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ けい素樹脂又はその含有物を用いてかまぼこ
   板の板面の少なくともかまぼことの接触面を処理
   し、乾燥してなるかまぼこ板。