JPH05656Y2

JPH05656Y2 -

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Publication number: JPH05656Y2
Application number: JP1987195434U
Authority: JP
Priority date: 1987-12-23
Filing date: 1987-12-23
Publication date: 1993-01-11
Anticipated expiration: 2002-12-23
Also published as: JPH01101027U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］この考案は、家庭用の給湯器や風呂釜に用いら
れる強制燃焼式ガスバーナーに関するものであ
る。

［従来の技術］近来、給湯器や風呂釜等の家庭用のガス器具の
吸排気路にフアンを挿入し、燃焼空気の供給、排
気が強制的に行われるように構成した強制燃焼式
のガス器具が用いられるようになつてきた。かか
る強制燃焼式のガス器具は自然排気式と比較して
熱交換器の吸熱性が高められ、器具の小型化と高
能力化とが計られ、家庭用のガス器具として用途
の広いものである。こうした強制燃焼式のガス器
具に組込まれるガスバーナーは、スリツト炎孔を
形成したガスバーナー体をバーナーケース内に設
けて構成するのが一般的である。

［考案が解決しようとする問題点］しかし、家庭用のガス器具の高能力化、小型化
の要求により、ガスバーナーの高負荷化を計るた
め、かかるガスバーナー体を高密度に設けると、
二次空気不足によつて赤火燃焼が生じ、安定した
燃焼を実現することがが困難であつた。また、バ
ーナーケース内に高密度でガスバーナー体を並置
した場合、隣接するガスバーナー体の火移りが不
良であると、ガス漏れや爆発着火を生じる危険が
ある。

［問題点を解決するための手段］この考案は、新規構成の強制燃焼式ガスバーナ
ーを提供して上記の問題点を解決することを目的
とするもので、赤火燃焼を防止して安定した燃焼
を実現するとともに、ガスバーナー体を過密に並
置して高能力化を計るとともに、隣接するガスバ
ーナー体の着火性を向上させて円滑な火移りが行
われる強制燃焼式ガスバーナーを提供することを
目的とするものである。そのためこの考案は、炎
孔面の側端に沿つて二列のスリツト炎孔を形成
し、断面Ｖ字形の保炎板を炎孔面を挟んで上方に
延設し、保炎板にスリツト縦孔をスリツト炎孔と
交番位置に並置し、スリツト開孔を列設した水平
面を保炎板の上端に外方向に折曲げて形成し、ス
リツト開孔を意識的に開孔しない箇所を水平面に
設けてガスバーナー体とする。そして、ガスバー
ナー体を上面が開口した横長の直方体のバーナー
ケース内に水平面を密接して横一列に並置し、ガ
スバーナー体内に供給される一次空気とガスバー
ナー体の側面に沿つて上昇する二次空気とをフア
ンによつて強制的に送風するように強制燃焼式ガ
スバーナーを構成するものである。

以下に、この考案の構成、作用、効果を図面を
用いて具体的に説明する。

［実施例］図面はこの考案の実施例で、バーナーケース１
内に板金製のガスバーナー体２を並置して構成さ
れるもので、ガスバーナー体２はガス入口３、混
合部４、炎孔面５が形成され、炎孔面５の中央に
挿入される断面略凵字形のセパレータ７とガスバ
ーナー体２の内面とで二枚の櫛歯状部材６を挟持
し、櫛歯状部材６の切り欠き８を混合部４内に連
通させ、炎孔面５の側端に沿つて二列のスリツト
炎孔９が形成されている。炎孔面５を挟んで断面
Ｖ字形の保炎板１０が上方に延設され、保炎板１
０にはスリツト炎孔９と交番位置になるように位
置取りされて上下二列のスリツト縦孔１１が並置
され、スリツト縦孔１１には切り欠き端に内方向
にバーリング面１２が形成され、一列のスリツト
開孔１３を列設した水平面１４が保炎板１０の上
端に外方向に折曲げられて形成され、スリツト開
孔１３はスリツト縦孔１１と交番位置に位置取り
され、その前後端部１５の一個分は意識的に開設
せずにメクラとされている。

以上のガスバーナー体２は二枚の鋼板１６を略
左右対象に板金加工して端部をはぜ折り１８し、
上記のように櫛歯状部材６、セパレータ７を固定
して製作される。

上面が開口した横長の直方体のバーナーケース
１の底面２０に空気入口２１が開孔され、空気入
口２１の上流にフアンが連結され、空気入口２１
の上方に間隔を有して二次空気整流板２２がバー
ナーケース１内に設けられ、二次空気整流板２２
からの立上がり面２３に各ガスバーナー体２のガ
ス入口３に適合して一定のピツチで円形の空気孔
２４が並置され、立上がり面２３と間隔を設けて
側板２５で蓋がされて底面２０と二次空気整流板
２２との間隔から空気孔２４へ連通した一次空気
通路２６が形成され、一次空気通路２６には一次
空気整流板２７が介設されていて、一次空気整流
板２７、二次空気整流板２２はパンチング加工に
よつて多数の微孔を設けて形成されている。ガス
バーナー体２はガス入口３を空気孔２４に適合さ
せ、下端を二次空気整流板２２に保持し、上記の
水平面１４を突合せて水平面１４を密接して横一
列に並置しバーナーケース１内に並置され、制御
装置２８の前面に突設したガスノズル２９が各空
気孔２４に対向して設けられている。バーナーケ
ース１の上部には熱交換器３０が設置され、熱交
換器３０の上面から突設される排気筒（図示せ
ず）から器具本体外へ燃焼排気は排出されるよう
に構成されている。

なお、他の実施例としては、水平面１４を幅広
に形成して複数列にスリツト開孔１３を列設し、
水平面１４を重合せてガスバーナー体２を並置し
て構成することもでき、水平面１４間に隙間が生
じないように密接して並置することが必要であ
る。また、スリツト開孔１３をメクラにするのは
後述するように隣接するバーナー体の火移りを目
的とするためであるから、前後端部１５に限定さ
れずに水平面１４の任意の箇所をメクラと構成す
れば良い。

［作用］燃焼スイツチの投入でフアンが運転されると、
空気入口２１から流入した燃焼空気の一部は一次
空気通路２６から一次空気整流板２７によつて整
流されて空気孔２４、ガス入口３からガスバーナ
ー体２内へ一次空気として供給され、残りは二次
空気整流板２２によつて整流されてガスバーナー
体２の側面に沿つて二次空気として上昇する。可
燃ガスと一次空気とが混合部４内で混合されて切
り欠き８内に流入、衝突し、スリツト炎孔９から
吐出するとともに、保炎板１０に形成したスリツ
ト縦孔１１から二次空気が供給されて着火燃焼す
る。さらに、水平面１４のスリツト開孔１３から
も二次空気が供給されるとともに、前後端部１５
の一個分は意識的に開設せずにメクラとされてい
るのでこの部分のみ火炎は潰れて隣どうし干渉
し、火移りが良好に行われるように配慮されてい
る。また、スリツト炎孔９とスリツト縦孔１１、
スリツト縦孔１１とスリツト開孔１３はそれぞれ
交番関係に位置取りされているので、可燃ガスの
間を二次空気が通過し、二次空気と可燃ガスとの
混合性、二次空気の拡散性の向上が計られてい
る。また、スリツト縦孔１１に形成したバーリン
グ面１２によつて、火炎は保炎板１０と接触せず
に形成され、保炎板１０の耐久性の向上が計られ
ている。

［効果］以上のようにこの考案は、炎孔面の側端に沿つ
て二列のスリツト炎孔を挟んで保炎板にスリツト
縦孔を並置し、水平面にスリツト開孔を列設して
構成したので、ガスバーナー体の側面に沿つて上
昇する二次空気は、保炎板、水平面に衝突して整
流され、スリツト縦孔、スリツト開孔から均圧な
状態で吐出するとともに、常に大量の二次空気が
供給され、赤火燃焼を防止して安定した燃焼を実
現することができる。さらに、保炎板のスリツト
縦孔をスリツト炎孔と交番位置に並置したので、
可燃ガスの間を二次空気が通過し、二次空気と可
燃ガスとの混合性、二次空気の拡散性の向上が計
られ、二次空気の混合不足による赤火燃焼の発生
を防止することができるものである。

また、保炎板を断面Ｖ字形に形成したので大き
な燃焼面積が得られ、ガスバーナーの高負荷化を
計ることができるとともに、上記のように大量の
二次空気が供給される構成であるから、ガスバー
ナーを過密に並置することも許容され、ガスバー
ナーの高能力化と小型化とを実現することができ
る。

また、横長の直方体のバーナーケース内にガス
バーナー体を水平面を密接して横一列に並置する
構成であるから一体当りのインプツトが小さく設
定されるとともに、スリツト縦孔の他に水平面に
形成したスリツト開孔からも二次空気が供給され
るので、保炎板の高さ寸法は小さいものでも対応
することができ、その結果バーナーケースの高さ
も小さく設計することが可能となり、バーナーと
熱交換器との間の燃焼スペースを大きくすること
ができ、完全燃焼と熱効率の向上とを同時に実現
するものである。

また、スリツト開孔を意識的に開孔しない箇所
を水平面に設けたので、バーナーケース内に高密
度でガスバーナー体を並置した場合も、この部分
のみ火炎は潰れて隣どうし干渉し、円滑な火移り
が行われ、隣接するガスバーナー体の着火性の向
上が計られ、ガス漏れや爆発着火を生じる危険を
解消して安全に使用することができる。そして、
ガスバーナー体を上面が開口した横長の直方体に
横一列に並置する構成であるから、一体当り小さ
なインプツトに設定したガスバーナー体を、並置
する本数を増減することによつてガスバーナーの
能力切替えにも簡単かつきめ細かく段階的に対応
することができる等の実用的な機能を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例で、第１図は一部を破
断した全体斜視図、第２図は一部を破断したガス
バーナー体の斜視図、第３図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ線断面図、第５
図は要部の分解斜視図、第６図はガスバーナー体
の分解平面図である。１……バーナーケース、２……ガスバーナー
体、５……炎孔面、９……スリツト炎孔、１０…
…保炎板、１１……スリツト縦孔、１３……スリ
ツト開孔、１４……水平面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】炎孔面の側端に沿つて二列のスリツト炎孔を形
成し、断面Ｖ字形の保炎板を炎孔面を挟んで上方
に延設し、保炎板にスリツト縦孔をスリツト炎孔
と交番位置に並置し、スリツト開孔を列設した水
平面を保炎板の上端に外方向に折曲げて形成し、
スリツト開孔を意識的に開孔しない箇所を水平面
に設けてガスバーナー体とし、当該ガスバーナー体を上面が開口した横長の直
方体のバーナーケース内に水平面を密接して横一
列に並置し、ガスバーナー体内に供給される一次
空気とガスバーナー体の側面に沿つて上昇する二
次空気とをフアンによつて強制的に送風するよう
に構成した強制燃焼式ガスバーナー。