JPH0565321U - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 おむつのウイング部に弾性伸縮手段を設けフ
ィット性を向上させる。 【構成】 おむつ１の後身頃３側縁にウイング部５を設
ける。ウイング部５には胴周り方向の第１弾性伸縮手段
２４とウイング外側縁２３から股下部４に向って傾斜す
る第２弾性伸縮手段２５とを設け、各伸縮手段２４，２
５には外側縁２３近傍において粘着部２６を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、使い捨ておむつのフィット性を向上させるために脚周りと胴周りとに弾 性伸縮部材を設ける技術はよく知られている。また、前身頃と後身頃とを連結す るために後身頃側縁にテープ状ファスナーを設ける技術も周知である。このファ スナーは、片手操作を可能にしたり、おむつのコストを極力下げたりすることな どを目的に、通常、片手で摘める程度の大きさにしてある。ファスナーを前身頃 側に連結する手段には、粘着剤による貼着や商品名ベルクロで知られる係止機構 が使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この種おむつでは、ファスナー操作が極めて容易であるという利点がある。し かしその反面、前身頃に対するファスナーの貼着もしくは係止の面積が小さく、 それに比して後身頃側縁において上下に配置されている胴周り脚周り両弾性伸縮 部材の間隔が大きく、しかもそれら部材の長軸方向が異なるから、おむつを着用 させるにあたりファスナーを胴周り方向へ引張ってもそれら伸縮部材が等しく程 よい伸張状態にならないことが間々生ずる。その場合には、胴周りか、脚周りの フィットが悪くなり、ときに体液漏れの原因になるという問題がある。また、着 用後においては、重ね合わせた前・後身頃がずれ動き、例えば脚周りが開き気味 になり、やはり体液漏れの原因になるという問題がある。

【０００４】 そこで、この考案はおむつの後身頃側縁に胴周り方向の弾性伸縮手段と股下方 向の弾性伸縮手段とを有するウイング部を設け、おむつを着用するときに、胴周 りと脚周りとを程よい伸張状態にすることを可能にし、前記従来の問題を解決す ることを課題にしている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案が前記課題を解決するために要旨とするところは、以下のとおりであ る。

【０００６】 この考案では、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、これら両シート 間に介在する吸収体とを有し、この吸収体の前・後端縁から外方に前記両シート が延出して腹側および背側フラップを形成するととともに、少なくともこの背側 フラップに胴周り方向弾性伸縮部材を備え、一方、吸収体の股下部両側縁の外側 に左右脚周りフラップを有するとともに後身頃側縁の外側に胴周り側部を覆う左 右ウイング部を有し、その脚周りフラップにはおむつ前後方向に延在する脚周り 弾性伸縮部材を備える使い捨ておむつを前提にしている。

【０００７】 かかる前提において、そのウイング部は、前記胴周り方向弾性伸縮部材の延長 線上にある弾性伸縮手段、およびウイング部外側縁から股下部方向に傾斜をもた せて配置した弾性伸縮手段とを備え、加えて、これら弾性伸縮手段の長軸上には ウイング部外側縁近傍においておむつ前身頃との連結手段が設けてあることが、 この考案の特徴である。

【０００８】

【作用】

この考案に係るおむつでは、これを着用するときに、主としてウイング部の胴 周り方向弾性伸縮手段を引張ることで背側フラップの胴周り弾性伸縮部材を程よ く伸張することができ、またこれとは別に股下部方向に傾斜させた弾性伸縮手段 を引張ることで、脚周り弾性伸縮部材を程よく伸張することができ、各弾性伸縮 手段はその長軸上に設けた各々の連結手段を介して前身頃に連結するから、着用 状態において胴周り、脚周りでおむつがずれ難くなる。

【０００９】

【実施例】

この考案の詳細を添付の図に基づいて説明すると、以下のとおりである。

【００１０】 図１は、この考案に係る使い捨ておむつ１を着用状態に組み立てて示す斜視図 である。おむつ１は、前身頃２、後身頃３、これら両身頃２，３間に介在する股 下部４を有し、後身頃３の左右にあるウイング部５が前身頃２に着脱可能に貼着 してあり、胴周り開口６と脚周り開口７とを形成している。

【００１１】 図２は、図１のおむつ１を展開し、一部を切り欠いて示す平面図である。おむ つ１は、透水性表面シート１０、不透水性裏面シート１１、これら両シート１０ ，１１間に介在する矩形の吸収体１２を有し、吸収体１２の前・後端縁１３，１ ４の外側には延出した表・裏面シート１０，１１を接合して腹側フラップ１５、 背側フラップ１６を形成し、吸収体１２の左右側縁１７の外側には同じく延出し た表・裏面シート１０，１１を接合して脚周りフラップ８を形成してある。後身 頃３には吸収体１２側縁から延出した表・裏面シート１０，１１を接合したウイ ング部５が設けてある。背側フラップ１６には、表・裏面シート１０，１１間に 介在させ少なくともいずれか一方のシートに伸張下に貼着したリボン状弾性伸縮 部材２１が胴周り方向に設けてある。脚周りフラップ１８には、おむつ１の前後 方向に伸張した弾性伸縮部材２２が同様に貼着してある。この部材２２は、前後 方向に直線状に配置することもできるが、好ましくは図示のように少なくとも両 端部を外側に向け湾曲させ、脚周りになじみ易い形状にしておく。

【００１２】 ウイング部５には弾性伸縮部材２１の胴周り方向（図における左右方向）延長 線上にあってウイング部外側縁２３の近傍にまで延びるリボン状の第１弾性伸縮 部材２４、および外側縁２３から股下部４の方向へ傾斜をつけて配置したリボン 状の第２弾性伸縮部材２５が伸張下に貼着してある。好ましくは、傾斜させた第 ２弾性伸縮部材２５の内端方向を湾曲させた脚周り弾性部材の端部の方向とほぼ 一致させておく。また、外側縁２３近傍の表面側には第１、第２弾性部材２４， ２５の各延長線を含むそられの長軸上に貼着剤２６を塗布し、前身頃２の裏面シ ート１１に着脱可能に貼着するようにしてある。

【００１３】 おむつ１を着用するときには、ウイング部５においてまず第１弾性伸縮部材２ ４を胴周り方向に伸張して部材２４の外側縁２３近傍を前身頃２に貼着し、次い で第２弾性伸縮部材２５を斜め上方向に伸張してその外側縁２３近傍を前身頃２ に貼着する。このようにすることで、胴周り弾性伸縮部材２１と脚周り弾性伸縮 部材２２とは個々に程よい伸張状態にまで伸張することができ、おむつ１が身体 によくフィットする。着用中には、これら弾性部材２１，２２がそれぞれの延長 線上でいわば別々に前身頃２に貼着した状態にあるから、各々の伸縮は互いに干 渉し合うことが少なく、激しい運動をしてもおむつ１はずれ難い。

【００１４】 ウイング部５は表・裏面シート１０，１１を吸収体１２の側縁１７から延出さ せ、互いに接合して形成してもよいが、ウイングの形状で用意した別部材を表面 シート１０および／または裏面シート１１に接合して形成することもできる。後 者の場合には、ウイング部を２枚のシートで構成することは必ずしも重要ではな く、１枚のシートですませることができる。ウイング部５が積層した２枚のシー トであるときには、第１、第２弾性伸縮部材２４，２５はそれら両シート間に介 在させることが好ましい。第１、第２弾性伸縮部材２４，２５は、それぞれ適宜 本数の弾性リボンにすることができる。また、第２弾性伸縮部材２５は、股下部 ４方向への傾きに複数の弾性リボン間で違いを持たせることができる。各弾性伸 縮部材２４，２５は適宜の長さにすることができるもので、外側縁２３にまで及 ぶか否かは重要ではない。それゆえ長さが長く、外側縁２３近傍で粘着剤２６が 伸縮部材２４，２５の上に塗布されることもあれば、その長さが短くそれら部材 ２４，２５の延長線上に粘着剤２６が塗布されることもある。粘着剤２６は、部 材２４，２５間にまたがり、おむつ前後方向に連続して塗布することもできる。

【００１５】 図３は、おむつ１の他の実施態様を示す図２と同様の平面図である。この態様 では、ウイング部５をゴム、エラストマー、伸縮性不織布等の伸縮性シートを素 材にしてつくり、後身頃側縁に接合してある。このウイング部５では、おむつ１ の端縁寄りの胴周り方向スリット３１と、ウイング外側縁２３から股下部４方向 へ傾斜するスリット３２とを設け、各スリット３１，３２とウイング部５の外形 線とで形成する第１、第２弾性部材３１Ａ，３２Ａが第１、第２弾性伸縮部材２ ４，２５と同様に作用する弾性手段となっている。第１、第２弾性部分３１Ａ， ３２Ａの外側縁２３近傍には粘着剤２６か塗布してある。このウイング部５には 、１枚の伸縮性シートにスリットを入れるだけで胴周り方向と股下部方向とに互 いに干渉することが少ない伸縮手段を持たせることができるという利点がある。 この態様では吸収体１２に砂時計型のものが使用してある。

【００１６】 なお、おむつ１には慣用の素材を使用すればよいが、例えば、表面シート１０ には不織布や開口プラスチックシート、裏面シート１１にはポリエチレン等のプ ラスチックシート、吸収体１２には粉砕パルプやそれと高吸水性ポリマーの混合 物等が使用できる。ウイング部５の素材は表面シート１０や裏面シート１１に使 用可能な素材から適宜選択すればよい。

【００１７】

【考案の効果】

この考案に係るおむつは、ウイング部に胴周り方向弾性伸縮手段と股下方向へ 傾斜する弾性伸縮手段とを設けたから、胴周りと脚周りとにそれぞれよくフィッ トし、激しい運動をしてもずれることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】おむつを着用状態に組み立てた斜視図。

【図２】図１のおむつを展開し、一部を切り欠いて示す
平面図。

【図３】おむつの実施態様の一つを示す図２と同様の平
面図。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 前身頃 ３ 後身頃 ４ 股下部 ５ ウイング部 １０ 表面シート １１ 裏面シート １２ 吸収体 １３，１４ 端縁 １５ 腹側フラップ １６ 背側フラップ １７ 側縁 １８ 脚周りフラップ ２１ 胴周り弾性伸縮部材 ２３ 側縁 ２４ 第１弾性伸縮手段 ２５ 第２弾性伸縮手段 ２６ 粘着剤 ３１，３２ スリット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シ−トと、不透液性裏面シ−ト
   と、これら両シ−ト間に介在する吸収体とを有し、該吸
   収体の前・後端縁から外側に前記両シ−トが延出して腹
   側および背側フラップを形成するとともに、少なくとも
   該背側フラップに胴周り方向弾性伸縮部材を備え、一
   方、前記吸収体の股下部両側縁の外側に左右脚周りフラ
   ップを有するとともに後身頃両側縁の外側に胴周り側部
   を覆う左右ウイング部を有し、前記脚周りフラップには
   おむつ前後方向に延在する脚周り弾性伸縮部材を備える
   使い捨ておむつにおいて、 前記ウイング部が、前記胴周り方向弾性伸縮部材の延長
   線上にある弾性伸縮手段と前記ウイング部外側縁からお
   むつ股下部方向に傾斜を持たせて配置した弾性伸縮手段
   とを備え、かつ、これら弾性伸縮手段の長軸上には前記
   ウイング部外側縁近傍において前身頃との連結手段が設
   けてあることを特徴とする前記使い捨ておむつ。
2. 【請求項２】前記ウイング部を弾性伸縮素材によって構
   成し、該素材にスリットを入れることにより前記両弾性
   伸縮手段が形成してあることを特徴とする請求項１記載
   のおむつ。