JPH0564617U - コンベヤー式加熱調理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で調理物をその中身まで加熱すること
のできるコンベヤー式加熱調理装置、ことに鰻の蒲焼き
を製作するの好適のコンベヤー式加熱調理装置を提供す
る。 【構成】 コンベヤー式加熱調理装置は近赤外線輻射の
セラミックヒータ２，３を有し、調理物５を加熱する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は魚類等の調理物を加熱調理するコンベヤー式加熱調理装置に関し、特 に鰻の蒲焼きを調理するのに好適のコンベヤー式加熱調理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、ガスを燃料としてシュバンクバーナーの直火により炉内の空気を加 熱し、熱風を調理物に吹き付けるコンベヤー式加熱調理装置、バーナーに取り付 けたセラミックスにより遠赤外線を調理物に輻射して調理物を加熱調理するコン ベヤー式加熱調理装置が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、その前者のコンベヤー式加熱調理装置は、厚物の調理物、特に 鰻を加熱調理して蒲焼きをつくるときには、肉の中まで熱が伝わりにくく、中身 を加熱しにくく、加熱時間が長くなりすぎると調理物が固くなり、時間が不足す ると生臭くなる不具合がある。また、均一に熱が中まで伝わりにくく、しかもガ ス自体の有する臭いや水分が鰻に付着し易いのでうまみも十分に得られない。後 者のコンベヤー式加熱調理装置は、遠赤外線が調理物の奥まで浸透するといって も未だ十分ではなく同様の問題がある。

【０００４】 更に、前者のコンベヤー式加熱調理装置は、十分な加熱を行うためには炉長を 長くする必要があり、下火構造とすることが難しいので調理物の反転機構を採用 しなければならず構造が複雑であるという問題点もある。更に、調理物の両面を 別々に加熱して焼くために調理物にそりを生じるという問題点もある。

【０００５】 加えて、タレが鰻の半割き物になかなか付着しないために、タレ溜に半割き物 を浸漬させて、半割き物を加熱乾燥させ、タレを半割き物に焼き付けるという手 順を３〜４回繰り返して踏まなければならないため、蒲焼きの製作に手間取る不 都合もある。

【０００６】 そこで、本考案は短時間で調理物をその中身まで加熱することのできるコンベ ヤー式加熱調理装置、ことに鰻の蒲焼きを製作するのに好適のコンベヤー式加熱 調理装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係わる請求項１に記載のコンベヤー式加熱調理装置は、上記の課題を 解決するため、近赤外線輻射のセラミックヒータを有することを特徴とする。

【０００８】 本考案に係わる請求項２に記載のコンベヤー式加熱調理装置は、近赤外線輻射 のセラミックヒータが調理物を境に上下に設置され、下側のセラミックヒータの 下方にステンレススチールベルトの反射板を配設したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、近赤外線により調理物を加熱するため、短時間でその調理物 の中身まで加熱することができる。

【００１０】

【実施例】

図１において、１はコンベヤー式加熱調理装置の筐体である。この筺体１の炉 内１ａには、その略上方部位に配置された複数のセラミックヒータ２，２…と、 その略中央部位に配置された複数のセラミックヒータ３，３，…と、その下方部 位に配設されたトレー４とを備えている。

【００１１】 セラミックヒータ２，３は、鰻等の調理物５，５…を炉内１ａに搬送するため の搬送ベルト６の搬送側を境にして上下に配置され、表面温度が１２００°Ｃ以 上となり、近赤外線を輻射する。なお、セラミックヒータ２，３の表面温度は好 ましくは１２００°Ｃ〜１８００°Ｃの範囲内にある。また、セラミックヒータ ２，３は、矢印イ方向に向かう搬送方向に適宜間隔をあけて複数個設置され、セ ラミックヒータ２，３の互いの加熱による寿命の劣化を防止するため、各セラミ ックヒータ３，３…は各セラミックヒータ２，２…の間に位置するように配置さ れている。

【００１２】 上側のセラミックヒータ２，２…の上方には半円形状の反射笠７，７…が各々 設けられている。この反射笠７，７…はセラミックヒータ２の輻射エネルギー密 度を高めて輻射熱を効率よく下方に向けて反射させるために用いる。

【００１３】 下側のセラミックヒータ３，３…の下方にはステンレススチールベルト８が設 けられ、このステンレススチールベルト８の反射を利用してセラミックヒータ３ の輻射熱の効率を高める。

【００１４】 ステンレススチールベルト８は、駆動側プーリ８ａと従動側プーリ８ｂの間を 回動移動するベルト体８ｃを有し、モータ９の駆動を駆動側プーリ８ａが受けて ベルト体８ｃの一部が炉内１ａを矢印ロ方向に移動するように構成されている。 ステンレススチールベルト８上に落下して付着したタレや油は、筺体１の外部に 設けられた図示外の洗浄装置により反射率の高い状態に洗浄・乾燥されて再び炉 内１ａへと回動移動される。

【００１５】 搬送ベルト６は、上下一対の駆動側プーリ６ａ，６ａと上下一対の従動側プー リ６ｂ，６ｂの間を回動移動するベルト体６ｃを有し、モータ１０の駆動を駆動 側プーリ６ａ，６ａの何れか一方が受けてベルト体６ｃの一部が炉内１ａを移動 するように構成されている。

【００１６】 筐体１には炉内１ａの温度を測定する温度センサ１１が設置され、温度センサ １１の出力はコントローラ１２に入力されている。コントローラ１２は炉内１ａ の温度に応じてモータ９及びモータ１０の回転速度とセラミックヒータ２，３の 出力とを調整する役割、図示を略す換気ファンを駆動制御する役割を果たす。

【００１７】 調理物５は、半割き物として搬送ベルト６の搬送側ベルト上面６ｄに所定間隔 をあけて皮の部分が下向きになるようして載置されて搬送される。調理物５が鰻 の場合には、上側のセラミックヒータ２と下側のセラミックヒータ３との出力比 率を５：１〜３：２とする。このときの比率の設定は、半割きの鰻の肉の部分を 上向きにし、且つ、皮の部分を下向きにして搬送しつつ加熱する際に、上側のセ ラミックヒータ２から２倍以上の熱量で加熱して中身に熱がよく通るようにする ためである。

【００１８】 また、下側のセラミックヒータ３は、落下した油やタレが固着しないようにそ の出力を小さく設定するが、その表面温度は１２００°Ｃ以上に設定されている ので、油、タレが落下しても瞬時に蒸発し、その保守は容易である。炉内１ａに はダクト１３が連通されていて、図示を略すファンにより炉内１ａの換気が行わ れる。

【００１９】 本考案によれば、セラミックヒータ２，３を用いて同時に上下から調理物５を 加熱するので、加熱時間の短縮を図ることができ、ガスを用いた従来のコンベヤ ー式加熱調理装置に較べて１／２〜１／４の炉長とすることができる。

【００２０】 また、近赤外線を輻射して調理物５を加熱するので、ガス自体の有する臭いや 水分が調理物に付着することがなく、炭、例えば備長炭と同等かそれ以上の焼き 上げ品質を得ることができ、自動制御できるので焼き上げ品質も良好である。

【００２１】 更に、上下加熱構造であるので、調理物５の反転機構も不要となり、コンベヤ ー式加熱調理装置の構造も簡単となり、上下のセラミックヒータ２，３の出力を 適宜調節することにより、調理物５が鰻の半割き物の場合にそのそりを防止でき る。

【００２２】 加えて、半割き物の場合、中身の油が十分に抜けると半割き物の表面に穴が無 数に空くのでタレが瞬時に中まで浸透し、肉と混じりあってうま味が生じる。

【００２３】

【効果】

本考案に係わるコンベヤー式加熱調理装置は、以上説明したように構成したの で、以下の効果を奏する。

【００２４】 （１）近赤外線輻射のセラミックヒータを用いて加熱するので、調理物の中身 まで短時間で加熱することができ、ことに鰻のかばやきに用いた場合に、熱が肉 の中身にまで通って柔らかくかつ生臭くなく焼き上げることができる。

【００２５】 （２）炭と同じ輻射線を放出させることができるので、味がよく、また、排ガ スが発生しないのでクリーンかつ衛生的であり、その制御も容易で焼きムラなく 仕上げることができる。

【００２６】 （３）搬送ラインを従来のガスを燃料とするコンベヤー式加熱調理装置に較べ て、熱効率を高めることができるので、炉長を短くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるコンベヤー式加熱調理装置の縦
断面図である。

【符号の説明】

２…セラミックヒータ（上側） ３…セラミックヒータ（下側） ５…調理物 ８…ステンレススチールベルト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 原正登司 高知県高知市中万々268−19

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 近赤外線輻射のセラミックヒータを有す
   るコンベヤー式加熱調理装置。
2. 【請求項２】 近赤外線輻射のセラミックヒータが調理
   物を境にして上下に設置され、下側のセラミックヒータ
   の下方にステンレススチールベルトの反射板を配設した
   ことを特徴とするコンベヤー式加熱調理装置。