JPH0563979A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH0563979A
JPH0563979A JP3254663A JP25466391A JPH0563979A JP H0563979 A JPH0563979 A JP H0563979A JP 3254663 A JP3254663 A JP 3254663A JP 25466391 A JP25466391 A JP 25466391A JP H0563979 A JPH0563979 A JP H0563979A
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幸男 坂野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 網点画像及び非網点画像に対して、画像のシ
ャープさを劣化させることなく、再生画像におけるモア
レの発生を低減することを目的とする。 【構成】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を
多階調の画像データとして処理する画像処理装置におい
て、少なくとも一つの走査方向に対する画像データの並
びに対して画像データの極大値及び極小値の両方の極値
を検出する極値検出手段と、前記極値検出手段で検出し
た極値に基づいて、画像データの階調値を補正する補正
手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデジタル複写機,ファク
シミリ装置等の画像処理装置に関し、より詳細には、モ
アレ発生の軽減を図った画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原稿画像を画素に分解し、各々の
画素濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理
装置においては、網点画像を処理した場合、原稿画像を
画素に分解する際のサンプリング周波数と原稿の網点周
波数(共に空間周波数)との間の干渉によって、コピー
画像に特有の繰り返しパターン(所謂、モアレ)が発生
し、画像品質を劣化させる性質があることが知られてい
る。
【0003】例えば、サンプリング周波数が400dp
i(ドット/インチ)のCCDラインセンサを用いて、
網点周波数が133l/i(ライン/インチ)の網点画
像を画素に分解する場合、CCDラインセンサから出力
される画像データは、図42に示すように、サンプリン
グ周波数と網点周波数との干渉によって、一様な濃さの
網点に対して出力値が大きく変動する。
【0004】図43は、ある一様な濃さの133l/i
の網点画像を読み取った場合のMTF補正後の画像デー
タのようすを示すもので、各区画が画素を示し、区画内
の数値はその画素の階調値(但し、白が0,黒が63)
を示している。図示の如く、局所的に見た場合には、モ
アレの存在を認識することは困難であるが、図44に示
すように、主走査方向でCCDラインセンサの出力(こ
こでは、階調値DINで示す)を観察すると、画像データ
の振幅は周期的に変化し、これがコピー画像に特有の繰
り返しパターンとして現れる。
【0005】一方、従来の画像処理装置において、画像
データを局所的に平滑化することにより、平滑化の結果
としてモアレが低減することが知られている。
【0006】また、MTF補正(エッジ強調)によっ
て、画像データのエッジ部のシャープさを強調或いは補
正すると、MTF補正の結果としてモアレが強調される
ことが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
画像処理装置において、単純に平滑化処理を実行してモ
アレの低減を図ると、平滑効果によって文字等の線画部
がボケたり、コントラストの低い画像になるため、全体
として画像品質が低下するという問題点があった。
【0008】また、従来の画像処理装置においては、M
TF補正を一般的に行っており、MTF補正の結果とし
て更にモアレが強調されるため、モアレの発生を低減さ
せることが望まれていた。
【0009】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、網点画像の再生画像において、モアレの発生を低減
することを目的とする。
【0010】また、本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、網点画像及び非網点画像に対して、画像のシ
ャープさを劣化させることなく、再生画像におけるモア
レの発生を低減することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃
度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置に
おいて、少なくとも一つの走査方向に対する画像データ
の並びに対して画像データの極大値及び極小値の両方の
極値を検出する極値検出手段と、極値検出手段で検出し
た極値に基づいて、画像データの階調値を補正する補正
手段とを備えた画像処理装置を提供するものである。
【0012】また、前述した補正手段は、極値検出手段
で検出した画像データの極大値と極小値との差の値に基
づいて、画像データを補正することが望ましい。この
時、差の値と画像データの補正量とが反比例する関係と
なるように補正することが望ましい。
【0013】また、前述した補正手段は、極値検出手段
で検出した極値に基づいて、極大値が検出されてから所
定画素区間内に極小値が検出された場合、極小値が検出
された画像データの階調値を補正し、極小値が検出され
てから所定画素区間内に極大値が検出された場合、極大
値が検出された画像データの階調値を補正することが望
ましい。
【0014】また、前述した補正手段は、極値検出手段
で検出した極値に基づいて、極大値及び極小値が所定の
間隔或いは所定の組合せで検出された場合に、所定区間
内の画像データの階調値を補正することが望ましい。
【0015】また、前述した補正手段は、極値検出手段
で検出した極値に基づいて、極値を示した画素、或いは
その画素の直近の画素、或いは極値を示した画素の直近
で、且つ、極値を示した画素について階調値の補正を行
うことが望ましい。
【0016】また、前述した補正手段よる補正を実行す
るか否か制御する補正制御手段を備えることが望まし
い。
【0017】また、極値検出手段で検出した極値を所定
画素数だけ遅延させる遅延手段と、遅延手段によって極
値が遅延されている期間中のみ画像データの補正が有効
となるように補正手段を制御する制御手段とを備えるこ
とが望ましい。
【0018】また、所定数の画素の階調値の平均値を演
算する平均値演算手段を備え、補正手段は、極値検出手
段で検出した極値,及び,平均値演算手段で求めた平均
値に基づいて、画像データの階調値を補正することが望
ましい。
【0019】また、極値検出手段で極値を検出された画
素の近傍の所定画素数の階調値の平均値を求める平均値
演算手段、或いは、極値検出手段で極値を検出された画
素の近傍の所定画素数の平滑値を求める平滑値演算手段
の何れかの手段を備え、補正手段は、極値検出手段で検
出した画像データの極値と、画像データの平均値、或い
は、平滑値との差の値に基づいて、画像データを補正す
ることが望ましい。この時、差の値と画像データの補正
量とが反比例する関係となるように補正することが望ま
しい。
【0020】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調
の画像データとして処理する画像処理装置において、少
なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに対
して画像データの極値を検出する極値検出手段と、極値
検出手段で検出した極値を所定画素数だけ遅延させる遅
延手段と、遅延手段から出力された極値を遅延手段から
次の極値が出力されるまで保持する極値保持手段と、極
値検出手段で検出した極値,及び,極値保持手段に保持
されている前回の極値とに基づいて、極値となった画像
データの階調値を補正する補正手段とを備えた画像処理
装置を提供するものである。
【0021】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調
の画像データとして処理する画像処理装置において、少
なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに対
して画像データの極大値及び極小値の両方の極値を検出
する極値検出手段と、所定数の画素の階調値の平均値を
演算する平均値演算手段と、前記平均値が所定範囲内で
あるか否か判別する平均値判別手段と、前記極値検出手
段で検出した極値,及び,前記平均値判別手段の判別結
果に基づいて、画像データの階調値を補正する補正手段
とを備えた画像処理装置を提供するものである。
【0022】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調
の画像データとして処理する画像処理装置において、少
なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに対
して画像データの極大値及び極小値の両方の極値を検出
する極値検出手段と、所定数の画素の階調値の平均値を
演算する平均値演算手段と、前記極大値,極小値,及
び,平均値を入力して、(極大値−平均値)≒(平均値
−極小値)であるか否か判定する判定手段と、前記判定
手段の判定結果に基づいて、(極大値−平均値)≒(平
均値−極小値)の場合に、極大値及び/或いは極小値の
値を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像
処理装置。
【0023】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調
の画像データとして処理する画像処理装置において、少
なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに対
して画像データの極大値及び極小値の両方の極値を検出
する極値検出手段と、前記極大値と極小値との差を求め
る第1の演算手段と、前記第1の演算手段で極大値と極
小値との差が求められた際に、(前回の極大値と極小値
との差)と(今回の極大値と極小値との差)との差を求
める第2の演算手段と、前記第2の演算手段で求めた差
が所定値以下の場合に、極大値及び/或いは極小値の値
を補正する補正手段とを備えた画像処理装置を提供する
ものである。
【0024】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調
の画像データとして処理する画像処理装置において、少
なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに対
して画像データの極大値或いは極小値の少なくとも一方
の極値を検出する極値検出手段と、連続する極値間の差
を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段で極値
間の差が求められた際に、(前回の極値間の差)と(今
回の極値間の差)との差を求める第2の演算手段と、前
記第2の演算手段で求めた差が所定値以下の場合に、極
値の値を補正する補正手段とを備えた画像処理装置を提
供するものである。
【0025】また、本発明は上記の目的を達成するため
に、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調
の画像データとして処理する画像処理装置において、少
なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに対
して画像データの極大値及び極小値の両方の極値を検出
する極値検出手段と、前記極値検出手段で検出した極値
に基づいて、極大値(或いは、極小値)が検出されてか
ら所定画素区間内に次の極大値(或いは極小値)が検出
された場合、極大値(或いは極小値)が検出された画像
データの階調値を補正する補正手段とを備えた画像処理
装置を提供するものである。
【0026】
【作用】本発明の画像処理装置において、極値検出手段
は、少なくとも一つの走査方向に対する画像データの並
びに対して画像データの極大値及び極小値の両方の極値
を検出する。補正手段は、該極値に基づいて、画像デー
タの階調値を補正し、画像データの振幅を小さくする。
【0027】また、補正制御手段は、前述した補正手段
よる補正を実行するか否か制御することにより、例え
ば、網点画像以外の画像情報に対して、無駄なモアレ補
正処理を実行しないようにする。
【0028】また、制御手段は、遅延手段によって極値
が遅延されている期間中のみ画像データの補正が有効と
なるように補正手段を制御し、例えば、網点画像以外の
画像情報に対して、無駄なモアレ補正処理を実行しない
ようにする。
【0029】また、本発明の画像処理装置において、極
値検出手段は、少なくとも一つの走査方向に対する画像
データの並びに対して画像データの極値を検出し、遅延
手段は、極値検出手段で検出した極値を所定画素数だけ
遅延させ、極値保持手段は、遅延手段から出力された極
値を遅延手段から次の極値が出力されるまで保持する。
また、補正手段は、極値検出手段で検出した極値,及
び,極値保持手段に保持されている前回の極値とに基づ
いて、極値となった画像データの階調値を補正し、画像
データの振幅を小さくする。
【0030】また、本発明の画像処理装置において、平
均値判別手段によって平均値が所定範囲内であるか否か
判別し、補正手段は、極値及び平均値判別手段の判別結
果に基づいて、画像データの階調値を補正する。
【0031】また、本発明の画像処理装置において、判
定手段によって、(極大値−平均値)≒(平均値−極小
値)であるか否か判定し、補正手段によって、判定結果
に基づいて、(極大値−平均値)≒(平均値−極小値)
の場合に、極大値及び/或いは極小値の値を補正する。
【0032】また、本発明の画像処理装置において、第
1の演算手段によって、極大値と極小値との差を求め、
第2の演算手段によって、(前回の極大値と極小値との
差)と(今回の極大値と極小値との差)との差を求め、
更に、補正手段によって、第2の演算手段で求めた差が
所定値以下の場合に、極大値及び/或いは極小値の値を
補正する。
【0033】また、本発明の画像処理装置において、第
1の演算手段によって、連続する極値間の差を求め、第
2の演算手段によって、(前回の極値間の差)と(今回
の極値間の差)との差を求め、更に、補正手段によっ
て、第2の演算手段で求めた差が所定値以下の場合に、
極値の値を補正する。
【0034】また、本発明の画像処理装置において、補
正手段は、極値検出手段で検出した極値に基づいて、極
大値(或いは、極小値)が検出されてから所定画素区間
内に次の極大値(或いは極小値)が検出された場合、極
大値(或いは極小値)が検出された画像データの階調値
を補正する。
【0035】
【実施例】以下、本発明の画像処理装置を適用したデジ
タル複写機を例として、実施例1,実施例2,実施例
3,実施例4,実施例5,実施例6,実施例7,実施例
8の順序で図面を参照して詳細に説明する。尚、各実施
例の中で使用する信号の符号は実施例内のみで共通とす
る。
【0036】〔実施例1〕図1は、実施例1のデジタル
複写機1の外観図を示す。原稿台2にセットされた原稿
(図示せず)はCCDラインセンサ(図示せず)によっ
て400dpiの画素に分解されて読み取られる。主走
査方向の読み取りは、CCDラインセンサによって電気
的に行われ、副走査方向の読み取りは、CCDラインセ
ンサと原稿との相対的な位置移動により行われる。
【0037】図2は、実施例1のデジタル複写機1にお
ける原稿からコピーまでの画像データの流れを示すため
の概略ブロック図である。先ず、原稿画像は、CCDラ
インセンサを含む画像読取部10において画素に分解さ
れて読み取られ、増幅器によって増幅され、A/D変換
器によってデジタル信号として量子化される。ここで、
画像データは6ビット64階調(0〜63)の階調値と
して画像処理部20へ送出される。
【0038】画像処理部20では、画像の白を階調値0
に変換し、黒を階調値63に変換する処理(所謂、白黒
変換)や、シェーディング補正,MTF補正等の画像処
理の他に、本発明によるモアレ補正が画像データに対し
て施された後、画像書込部30へ画像データを送出す
る。
【0039】画像書込部30は、電子写真方式によるレ
ーザープリンタであり、画像データに基づいて400d
piでコピー画像を再生する。尚、40は、画像読取部
10,画像処理部20,及び,画像書込部30を制御す
る制御部を示す。
【0040】図3は、実施例1のモアレ補正部50の回
路図を示す。信号DINはモアレ補正部50に入力される
補正前の入力画像データ、信号DOUT は補正後の出力画
像データを示し、CKは主走査方向の画素クロック信号
を示す。図において、51,52,53,54はラッチ
を示し、端子Dはデータ入力,Qはデータ出力,Rはリ
セット端子である。55,56は入力P,Qの大小を比
較してその結果を出力するコンパレータを示す。57,
58,59はANDゲートを示す。60,61は6ビッ
トのシフトレジスタを示し、62,63は6入力ORゲ
ートを示す。64は入力A,Bに対して(A−B)の結
果を出力する減算器であり、特に本実施例では、入力
A,Bは共に6ビットとし、出力は(A−B)の演算結
果の上位4ビットを出力するようにしている。65はR
OM(実施例1の補正手段)あり、入力A0 〜A11がア
ドレスを示し、出力Dは6ビットのデータを示す。尚、
信号D-1,D0 ,D1 ,D2 ,D3 ,D5 はそれぞれ6
ビット(64階調)のデータ、D4 は4ビットのデー
タ、信号a,b,c,‥‥‥kは1ビットの信号であ
る。
【0041】上記の回路において、コンパレータ55,
56,及び,ANDゲート57によって、画像データの
上ピーク(極大値)検出器が構成されており、D0 が上
ピークの時、信号e=“1”となる。
【0042】また、コンパレータ55,56,及び,A
NDゲート58によって、画像データの下ピーク(極小
値)検出器が構成されており、D0 が下ピークの時、信
号f=“1”となる。
【0043】また、シフトレジスタ60,61,及び,
ORゲート62,63は、それぞれ遅延膨張器であり、
信号e,fを6画素分だけ遅延膨張して保持する信号
i,jを発生する。信号i,jのANDからなる信号k
は、6画素以内の直近に上ピーク及び下ピークが存在す
る期間中にk=“1”になる信号であり、後述する画像
データ補正の有効期間を示す信号である。ここで、遅延
膨張を6画素分とし、且つ、信号i,jのAND条件で
あるkを画像データ補正の有効期間とするのは、網点原
稿以外の画像、例えば、文字等の線画像に対して少なく
とも信号kが発生し難いようにするためであり、また、
線数の異なる種々の網点原稿に対しても信号i,j(換
言すれば、信号k)を安定して発生するためである。
【0044】また、ラッチ53は、上ピーク値保持器で
あり、信号gのタイミングで画像データD1 をラッチす
る。ラッチ54は、下ピーク保持器であり、信号hのタ
イミングで画像データD0 をラッチする。ここで、信号
e或いは信号fは信号D0 が上ピーク或いは下ピークの
時に発生するので、信号g或いは信号hは信号D1 が上
ピーク或いは下ピークの時に発生することになる。ラッ
チ53,54のリセット端子Rには前述した信号kが接
続され、k=“1”の場合にラッチが有効で、k=
“0”の場合にラッチがリセットされる。ラッチ53,
54がリセットされることは、即ち、上ピーク値及び下
ピーク値が保持されずD2 =“0”,D3 =“0”とな
ることを示す。従って、減算器64において、D4 =A
−B=D2 −D3 =“0”を意味し、更に後述するRO
M65において端子A6 〜A9 が“0”となる場合にD
5 =(A0 〜A11)=D1 となる値をROMに予め格納
しておくことにより、入力画像データが補正を受けずに
そのまま出力(DOUT )することができる。信号kが補
正有効期間を示す信号であるということは、このような
理由による。
【0045】減算器64は、補正対象画素の直近の上ピ
ーク値と下ピーク値との差(即ち、D4 =A−B=D2
−D3 )を出力する。この差の値は、ピーク間の振幅値
を表し、このD4 の大小によって後続のROM65にお
いて、Dに(A6 〜A9 )の関数として使用する値を予
め格納しておくことにより、画像データの補正を行う。
尚、D4 を(A−B)の結果の上位4ビットとしたの
は、ROM65の容量を節約するためである。また、A
−B<0の時は、D4 =“0”に変形して出力する。
【0046】ROM65では、(A0 〜A5 )にD1
(A6 〜A9 )にD4 が接続され、データDにはD1
4 の関数として使用する値が予め格納されている。更
にA10には信号g,A11には信号hが接続されている。
従って、データDは数1に示すようにD1 ,D4 ,g,
hを関数として求められる値が予め計算されて格納され
ている。
【0047】
【数1】
【0048】このうち、g,hはROM65へのアドレ
ス入力(A0 〜A5 )=D1 が上ピークであるか下ピー
クがであるか、或いはその何方でもないかを示す情報で
あり、本実施例ではg=“1”或いはh=“1”の時の
みD1 を補正した値がD5 として出力されるように、後
述する補正関数で導かれる値がROM65に格納されて
いる。
【0049】ここで、タイミング上の違いを無視すれ
ば、D=D5 =DOUT ,D1 =DIN,g=e,h=fで
あり、更に、D4 =D2 −D3 =ΔP(ΔPはピーク間
振幅)とすれば、DOUT は数2で示すことができる。
【0050】
【数2】
【0051】ここで、本実施例では、数3に示す〜
の補正関数を用いている。
【0052】
【数3】
【0053】図4は、図3のモアレ補正部50の動作タ
イミングチャート,及び,DIN=D-1からDOUT =D5
へのデータ補正例を示す。図示の如く、入力画像信号の
ピーク値がその直近のピーク間振幅の値に応じて補正さ
れ、ΔPの小さい範囲では補正量が大きくなる。
【0054】図5は、モアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。一様濃度の網点画像に対する
画像データDINは、図示の如く、モアレのために振幅が
周期的に変化し、その様子はDINピーク包絡線の形状に
より、明らかに示される。これに対して、モアレ補正後
の画像データDOUT のピーク包絡線は破線で示す形状と
なり、DOUT の振幅の変化の度合がDINに比較して小さ
くなる。従って、DOUT に基づいて再生されるコピー画
像においては、モアレが軽減された画像が得られる。
【0055】このようにピーク値を補正することによっ
て、モアレの発生を低減することができ、且つ、画像デ
ータの全体的な濃度階調を保存することができる。換言
すれば、画像のイメージを変えることなく、モアレの発
生のみを低減することができる。また、上ピーク値と下
ピーク値、或いは、下ピーク値と上ピーク値との差の値
に基づいて、モアレ補正を行っているので、より効果的
にモアレの発生を低減することができる。また、ピーク
値に対するモアレ補正を行うか否かの基準となる有効期
間(実施例1では、遅延膨張器で遅延される6画素の期
間)を設定しているため、網点画像部分の画像データに
対するピーク値補正の影響を極めて少なく抑え、効率的
に網点画像のモアレ補正を実行することができる。
【0056】前述した実施例1では、数3で示した補正
関数を用いたが、特にこれに限定するものではなく、例
えば、数4に示すような補正関数を用いても良い。
【0057】
【数4】
【0058】また、実施例1では、ピーク値のみを補正
したが、ピーク値に限らず、他の画素のデータについて
も補正することが可能であることは勿論である。また、
実施例1では、上ピーク値と下ピーク値とのピーク間振
幅を補正情報として使用したが、例えば、上ピーク値と
画像データの局所的平均値との差、或いはピーク値と画
像データの局所的平滑値との差等を補正情報として使用
することも可能である。また、実施例1では主走査方向
についてピーク値の検出及び画像データの補正を行った
が、副走査方向についても実施可能であり、主・副走査
方向の両方についてピーク値を検出し、それに基づいて
画像データの補正を行うことも可能である。
【0059】〔実施例2〕実施例2は、実施例1の構成
に加えて、モアレ補正を実行するか否かのON/OFF
を更に他の信号により切り替え制御できるようにしたも
のである。図6は、実施例2のモアレ補正部50及び網
点エリア検出部67を示す。モアレ補正部50はROM
65に代えてROM66を用いる以外は実施例1と共通
であるため図示を簡略化する。尚、ROM66には、ア
ドレス端子A12が追加されおり、信号lが入力されてい
る。網点エリア検出部67は、画像データDINを入力し
て、そのデータ構造及びデータの特徴から入力画像デー
タが原稿中の網点エリアであるか否かを判定し、網点エ
リアであれば信号l=“1”を出力する。この網点エリ
ア検出は公知の技術(例えば、“文字/網点/写真混在
画像の領域分離方法”,大内氏他,1990年7月27
日,電子情報通信学会等に示された方法)を用いている
ため詳細を省略する。
【0060】ROM66において、A12=“1”の場合
は、DOUT =F(DIN,ΔP,e,f)の関数により求
められる値が出力され、A12=“0”の場合は、DOUT
=DIN、即ちデータ補正をOFFした状態の値が出力さ
れるように、予めそれぞれのアドレス値に対応する値が
ROM66に格納されている。これによって、網点エリ
アでは画像データのモアレ補正を実行し、網点エリア以
外ではモアレ補正を実行しないという制御を行ってい
る。例えば、一律に全てのエリアに対してモアレ補正を
実行した場合には、非網点エリアではモアレ補正を行う
必要がないにもかかわらず、不要なデータ補正を実行す
ることになるため、いたずらに画質を変化させる恐れが
あるが、前述したように網点エリアか否かによる補正の
ON/OFF制御を行うことにより、再生画像の画質を
低下させることなく、モアレの発生のみを低減させるこ
とができる。
【0061】実施例2では、網点エリア信号(信号l)
により画像データの補正のON/OFFを制御したが、
特にこれに限定するものではなく、画像データ自体の階
調レベルによりON/OFFを制御したり、操作部から
の指示入力によりON/OFFを制御するようにしても
良い。
【0062】〔実施例3〕実施例3は、実施例1の構成
に加えて、モアレ補正を受ける画素の近傍の画素群の階
調値の平均値DM を求める平均値算出部69を設け、平
均値DM を補正演算用のROM68のA0 〜A5 に入力
した例である。図7は、実施例3のモアレ補正部50及
び平均値算出部69を示し、モアレ補正部50はROM
65に代えてROM68を用いる以外は実施例1と共通
であるため図示を簡略化する。平均値算出部69は、主
走査方向に連続する6画素分の平均値を算出して、6ビ
ットの階調を有するデータDM として出力する。
【0063】尚、実施例3では、数3で示した補正関数
に代えて、数5に示す補正関数を用いてモアレ補正を実
行する。これによって、ピーク有りの画素について、ピ
ーク値と平均値とに基づいて画像データを補正したこと
になる。
【0064】
【数5】
【0065】〔実施例4〕実施例4は、実施例1のコン
パレータ55,56,及び,ANDゲート57,58か
ら成るピーク検出器に代えて、他のロジックによるピー
ク検出器を用いて構成した例を示し、図8に示すよう
に、減算器70,71,75,76と、コンパレータ7
2,73,77,78と、ANDゲート74,79とか
ら成る。尚、その他の構成は実施例1と共通につき説明
及び図示を省略する。
【0066】図中において、減算器70,71,コンパ
レータ72,73,及び,ANDゲート74は、上ピー
ク検出器を示し、減算器75,76,コンパレータ7
7,78,及び,ANDゲート79は、下ピーク検出器
を示す。例えば、上ピーク検出器は、減算器70により
6 =D0 −D1を演算し、減算器71によりD7 =D
0 −D-1を演算する。次に、コンパレータ72,73に
おり固定設定値DB に対してD6 >DB 及びD7 >DB
であるか否かを比較し、共にD6 >DB ,D7 >DB
時に上ピーク検出信号eを発生する。即ち、D0 が上ピ
ークか否かの判定を単に前後の画素データとの大小比較
で判定するのではなく、前後の画素データとの差が所定
値(DB )以上の場合に上ピークと判定するものであ
り、これによって画像データの微小変動による小さなピ
ークはピークとして検出しないことになり、有効なピー
ク検出の精度が向上する。また、下ピーク検出器の動作
についても同様である。
【0067】〔実施例5〕図9は、実施例5のモアレ補
正部100の回路図を示す。信号DINはモアレ補正部1
00に入力される補正前の入力画像データ、信号DOUT
は補正後の出力画像データを示し、共に6ビット64階
調の信号である。モアレ補正部100は、大別して、入
力画像データの平均値が所定範囲内であるか否か判別す
る平均値判別器101と、ピーク画素を検出するピーク
画素検出器102と、ピークレベルを検出するピークレ
ベル検出器103と、入力画像データ信号DINの補正を
行う補正演算器104とからなる。尚、その他の構成は
実施例1と共通につき説明及び図示を省略する。
【0068】図10は、平均値判別器101の回路図を
示す。図において、105,106,107,108,
109,110,111はそれそれ6ビットのラッチを
示し、112,113,114,115,116,11
7,118は加算器、119,及び,120はコンパレ
ータ、121はANDゲートを示す。信号DINは図9で
示した入力画像データ、信号CKは画素クロックであ
る。ここで、信号DIN及び信号D1 〜D7 は連続する8
画素の画像データである。加算器112〜118では、
それぞれの加算結果を1ビットだけシフトして次段の加
算器へ入力することにより最終的に加算器118の出力
信号DM は、数6の式で示す値となる。即ち、信号DM
は連続する8画素の階調値の平均値である。
【0069】
【数6】
【0070】信号E1 ,E2 はそれぞれ固定値(実施例
5では、E1 =8,E2 =56)であり、コンパレータ
119ではDM ≧E1 の比較を行い、コンパレータ12
0ではDM ≦E2 の比較を行っている。ANDゲート1
21の出力信号Aは、E1 ≦DM ≦E2 の場合、A=
“1”となり、DM <E1 ,或いは,DM >E2 の場
合、A=“0”となる。即ち、平均値判別器101は、
8≦DM ≦56であるか否かを判別し、8≦DM ≦56
であれば信号A=“1”を出力する。
【0071】図11は、ピーク画素検出器102及びピ
ークレベル検出器103の回路図であり、図において、
122,123は入力P,Qの大小を比較してその結果
を出力するコンパレータを示し、124,125,及
び,130はANDゲートを示し、126,127はシ
フトレジスタを示し、128,129はORゲートを示
す。ここで、信号DIN,D1 ,D2 は図10で示した信
号と同一で、連続する3画素の画像データである。13
1,132,133は6ビットのラッチ、134は減算
器である。また、信号CKバーは、信号CKの反転信号
である。
【0072】上記の回路において、コンパレータ12
2,123,及び,ANDゲート124によって、画像
データの上ピーク(極大値)検出器が構成されており、
1 >DIN、且つ、D1 >D2 の場合(即ち、D1 が上
ピークの場合)、信号a=“1”となる。
【0073】また、コンパレータ122,123,及
び,ANDゲート125によって、画像データの下ピー
ク(極小値)検出器が構成されており、D1 >DIN、且
つ、D1 <D2 の場合(即ち、D1 が下ピークの場
合)、信号b=“1”となる。
【0074】また、シフトレジスタ126,127,及
び,ORゲート128,129は、それぞれ遅延膨張器
であり、信号a,bを6画素分だけ遅延膨張して保持す
る信号e,fを発生する。信号e,fのANDからなる
信号gは、6画素以内の直近に上ピーク及び下ピークが
存在する期間中にg=“1”になる信号であり、後述す
る画像データ補正の有効期間を示す信号である。ここ
で、遅延膨張を6画素分とし、且つ、信号e,fのAN
D条件であるgを画像データ補正の有効期間とするの
は、例えば、網点原稿に対しては周期的に上ピークと下
ピークが存在するのでg=“1”となるが、網点原稿以
外の画像、例えば、文字等の線画像では、6画素区間内
に上ピークと下ピークとが存在することが比較的少ない
のでg=“0”の場合が多くなる。従って、遅延膨張量
を6画素とすることによって、線数の異なる種々の網点
原稿に対しても信号e,f(換言すれば、信号g)が安
定して発生する。
【0075】また、ラッチ132は、上ピーク値保持器
であり、上ピーク検出信号cのタイミングで画像データ
1 をラッチする。ラッチされた信号hは上ピーク値で
ある。ラッチ133は、下ピーク保持器であり、下ピー
ク検出信号dのタイミングで画像データD1 をラッチす
る。ラッチされた信号iは下ピーク値である。このよう
に信号hは或いは信号iは上ピーク或いは下ピークが検
出される毎に新たな上ピーク値或いは下ピーク値に更新
され保持される。ラッチ132,133のリセット端子
CLRには前述した信号gが接続され、g=“1”の場
合にラッチが有効で、g=“0”の場合にラッチがリセ
ットされる。ラッチ132,133がリセットされるこ
とは、即ち、上ピーク値及び下ピーク値が保持されずh
=“0”,i=“0”となることを示す。従って、減算
器134において、A−B=h−i=“0”になり、結
局、ピークレベル検出器103の出力信号C1〜C3が
“0”となる。この信号C1〜C3は補正演算器104
に入力されており、C1〜C3が“0”の場合、補正演
算器104は入力画像データDINの補正を行わずにその
まま出力DOUT として出力するようになっている。信号
gが補正有効期間を示す信号であるということは、この
ような理由による。また、前述したピーク検出信号c,
dは信号B1,B2として補正演算器104へ入力され
る。
【0076】減算器134は、補正対象画素の直近の上
ピーク値と下ピーク値との差(即ち、A−B=h−i)
を出力する。この差の値は、ピーク間の振幅値を表し、
この信号C1〜C3の大小によって後続の補正演算器1
04において補正の量を制御している。h−iの結果信
号C1〜C3が4ビット(16レベル)の信号であるの
は、h−iの下位2ビットを切り捨て、上位4ビットの
みを有効としたものであり、後述する補正演算器104
のROM容量を節約するためである。
【0077】図12は、補正演算器104の構成を示
し、補正演算器104はROMで構成されている。補正
演算器104では、(A0 〜A5 )に信号D1 ,(A6
〜A9 )に信号C1〜C3が接続され、更に、A10には
信号B1,A11には信号B2,A12には信号Aが接続さ
れている。従って、データDは数7に示すようにD1
C1〜C3,B1,B2,Aを関数として求められる値
が予め計算されて格納されている。
【0078】
【数7】
【0079】このうち、AはD1 の周辺8画素の階調の
平均値が8〜56の範囲内であるか否かの情報であり、
B1,B2はD1 が上ピークであるか下ピークがである
か、或いはその何方でもないかを示す情報であり、C1
〜C3はD1 の直近のピーク間の振幅のレベル、即ち、
ピークレベルの情報である。
【0080】ここで、タイミング上の違いを無視すれ
ば、D1 =DIN,B1=c=a,B2=d=bであり、
更に、ピーク間振幅レベルを(C1〜C3)=h−i=
ΔPと表し、補正演算器104のデータDをD=DOUT
(補正画像データ)とすると、DOUT は数8で示すこと
ができる。
【0081】
【数8】
【0082】ここで、本実施例では、数9に示す〜
の補正関数を用いている。
【0083】
【数9】
【0084】数9による計算結果を予めROMに格納し
ておくことにより、ROMのアドレス信号D1 ,C1〜
C3,B1,B2,Aの値に応じて、補正結果のDOUT
が得られる。但し、この時の計算結果が0以下の場合に
は0に、63以上の場合には63に変換した値とする。
【0085】図13,図14,図15は、モアレ補正の
結果及びその効果を示すための説明図である。平均値D
M で示されるようにほぼ一様な濃度の網点画像の読取画
像データ(DIN)を例としたものである。補正前の画像
データDINは、図示の如く、モアレのために振幅が周期
的に変化し、その様子はDINピーク包絡線のようになっ
ている。これに対してモアレの補正は、DINの振幅が小
さい場合には補正量(数9の64/(ΔP+8))が大
きくなり、逆にDINの振幅が大きい場合には補正量が小
さくなるので、モアレ補正後の画像データDOUT のピー
ク包絡線は破線で示す形状となり、DOUT の振幅の変化
の度合がDINに比較して小さくなる。従って、DOUT
基づいて再生されるコピー画像においては、モアレが軽
減された画像が得られる。
【0086】図14は、DM が8より小さい場合、例え
ば、5%の濃さの網点原稿に対する読取画像データ(D
IN)及びその平均値DM を示し、この場合にもモアレに
よる振幅の変動が生じるが、階調レベルが低いために一
部分は白レベル(階調値0)に飽和して、他の一部分が
振幅変動として現れている。このように場合に、振幅の
現れている部分のみを振幅がより大きくなるように補正
してしまうと、モアレを強調してしまうことになるが、
前述したように本実施例では、DM <8の場合には、平
均値判別信号A=“0”となるので、数9のの場合に
該当し、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないこと
になる。従って、モアレがより強調されることはない。
【0087】図15は、図14の場合とは逆に、DM
56より大きい場合、例えば、95%の濃さの網点原稿
に対する読取画像データ(DIN)及びその平均値DM
示し、この場合にも平均値判別信号A=“0”となるの
で、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないことにな
る。従って、モアレがより強調されることはない。
【0088】このようにピーク値を補正することによっ
て、モアレの発生を低減することができ、且つ、画像デ
ータの全体的な濃度階調を保存することができる。換言
すれば、画像のイメージを変えることなく、モアレの発
生のみを低減することができる。また、上ピーク値と下
ピーク値、或いは、下ピーク値と上ピーク値との差の値
に基づいて、モアレ補正を行っているので、より効果的
にモアレの発生を低減することができる。また、ピーク
値に対するモアレ補正を行うか否かの基準となる有効期
間(実施例5では、遅延膨張器で遅延される6画素の期
間)を設定しているため、網点画像部分の画像データに
対するピーク値補正の影響を極めて少なく抑え、効率的
に網点画像のモアレ補正を実行することができる。
【0089】前述した実施例5では、数9で示した補正
関数を用いたが、特にこれに限定するものではなく、種
々変形が可能である。また、実施例5では主走査方向に
ついてピーク値の検出及び画像データの補正を行った
が、副走査方向についても実施可能であり、主・副走査
方向の両方についてピーク値を検出し、それに基づいて
画像データの補正を行うことも可能である。
【0090】また、平均値判別器101においても、8
≦DM ≦56であるか否かの1ビット情報とすることに
限らず、複数ビットで表現される幾つかのランクに平均
値をランク分けし、そのランクに応じて補正関数を異な
らせることも可能である。また、平均値をランク分けせ
ず、そのまま補正演算器104のアドレス入力とするこ
とも可能である。
【0091】〔実施例6〕図16は、実施例6のモアレ
補正部200のブロック図を示す。モアレ補正部200
以外の構成は、実施例1と同様につき説明及び図示を省
略する。図において、信号DINはモアレ補正部200に
入力される補正前の入力画像データ、信号DOUT は補正
後の出力画像データを示し、共に6ビット64階調の信
号である。モアレ補正部200は、大別して、入力画像
データDINの平均値を求める平均値検出器201と、ピ
ーク画素を検出するピーク画素検出器202と、ピーク
レベルを検出するピークレベル検出器203と、減算器
204と、コンパレータ205と、入力画像データ信号
INの補正を行う補正演算器206とからなる。
【0092】図17は、平均値検出器201の回路図を
示す。図において、207,208,209,210,
211,212,213はそれそれ6ビットのラッチを
示し、214,215,216,217,218,21
9,220は加算器、221,及び,222はコンパレ
ータ、223はANDゲートを示す。信号CKは画素ク
ロックである。ここで、信号DIN及び信号D1 〜D7
連続する8画素の画像データである。加算器214〜2
20では、それぞれの加算結果を1ビットだけシフトし
て、換言すれば、(A+B)/2の計算結果を次段の加
算器へ入力することにより、最終的に加算器220の出
力信号DM は、数10の式で示す値となる。即ち、信号
Mは連続する8画素の階調値の平均値である。
【0093】
【数10】
【0094】また、平均値検出器201では、コンパレ
ータ221,222,及び,ANDゲート223を用い
て、平均値DM が所定範囲内であるか否かの判定を行
い、判定結果として信号Aを出力する。ここで、信号C
1 ,C2 はそれぞれ固定値(実施例6では、C1 =8,
2 =56)であり、コンパレータ221ではDM ≧C
1 の比較を行い、コンパレータ222ではDM ≦C2
比較を行っている。ANDゲート223の出力信号A
は、C1 ≦DM ≦C2 の場合、A=“1”となり、DM
<C1 ,或いは,DM >C2 の場合、A=“0”とな
る。即ち、平均値検出器201は、8≦DM ≦56であ
るか否かを判別し、8≦DM ≦56であれば信号A=
“1”を出力する。
【0095】図18は、ピーク画素検出器202の回路
図であり、図において、224,225は入力P,Qの
大小を比較してその結果を出力するコンパレータを示
し、226,227,232,233,234はAND
ゲートを示し、228,229はシフトレジスタを示
し、230,231はORゲートを示す。ここで、信号
IN,D1 ,D2 は図17で示した信号と同一で、連続
する3画素の画像データである。
【0096】上記の回路において、コンパレータ22
4,225,及び,ANDゲート226によって、画像
データの上ピーク(極大値)検出器が構成されており、
1 >DIN、且つ、D1 >D2 の場合(即ち、D1 が上
ピークの場合)、信号a=“1”となる。
【0097】また、コンパレータ224,225,及
び,ANDゲート227によって、画像データの下ピー
ク(極小値)検出器が構成されており、D1 >DIN、且
つ、D1 <D2 の場合(即ち、D1 が下ピークの場
合)、信号b=“1”となる。
【0098】また、シフトレジスタ228,229,及
び,ORゲート230,231は、それぞれ遅延膨張器
であり、信号a,bを6画素分だけ遅延膨張する。これ
ら遅延膨張された信号はANDゲート232によりAN
Dされて信号J3 として出力される。この信号J3 は6
画素以内の直近に上ピーク及び下ピークが存在する期間
中にJ3 =“1”になる信号であり、後述する画像デー
タ補正の有効期間を示す信号である。ここで、例えば、
網点原稿に対しては周期的に上ピークと下ピークが存在
するのでJ3 =“1”となるが、非網点原稿では、6画
素区間内に上ピークと下ピークとが存在することが比較
的少ないのでJ3 =“0”の場合が多くなる。従って、
遅延膨張量を6画素とすることによって、線数の異なる
種々の網点原稿に対してもJ3 が安定して発生する。
【0099】また、信号J1 は上ピーク検出信号、信号
2 は下ピーク検出信号としてピークレベル検出器20
3へ出力される。
【0100】信号Hは、図16のコンパレータ205か
ら出力される信号であり、詳細は後述するが、濃度の比
較的平坦な網点部分を検出した場合にH=“1”となる
信号である。ピーク画素検出器202では、ANDゲー
ト233,234で信号J1 ,J2 と信号HとをAND
することにより、信号E1 ,E2 を得ている。即ち、信
号E1 ,E2 は、濃度の比較的平坦な網点部分での上ピ
ーク及び下ピークの検出タイミング信号である。モアレ
の発生は、濃度の比較的平坦な網点部分で特に発生し易
い傾向があるので、後述する画像データの補正を制御に
信号E1 ,E2 をパラメータとして取り入れることは効
果的である。
【0101】図19は、ピークレベル検出器203の回
路図を示す。235,236,237は6ビットのラッ
チ,238は加算器,239は減算器である。ラッチ2
36は、上ピーク値保持器であり、上ピーク検出信号J
1 のタイミングで画像データD1 をラッチする。ラッチ
されたD1 は上ピーク値DU である。信号J1 ごとに新
たな上ピーク値に更新され保持される。ラッチ237
は、下ピーク保持器であり、下ピーク検出信号J2 のタ
イミングで画像データD1 をラッチする。ラッチされた
信号DL は下ピーク値である。信号J2 ごとに新たな下
ピーク値に更新され保持される。
【0102】加算器238では、DP =(DU +DL
/2を計算して、図16の減算器204へ出力する。減
算器229では、B=(DU −DL )を計算して、図1
6の補正演算器206へ出力する。この信号Bは図20
に示すように、上ピーク値と下ピーク値との差、即ち、
ピーク間振幅ΔPを表す。上ピーク或いは下ピークが検
出される毎にDU 或いはDL が更新され、従って、B=
ΔP=(DU −DL )の値も更新される。
【0103】図16に戻って、減算器204では、|D
M −DP|を計算し、信号Gとして出力する。この信号
Gはコンパレータ205において、所定値C3 と比較さ
れ、G<C3 の場合、信号H=“1”、G≧C3 の場
合、信号H=“0”となる。C3 は0に近い値であり、
実施例6ではC3 =4である。換言すれば、|DM −D
P |≒0の場合、信号H=“1”になる。前述したよう
にDP =(DU +DL )/2であるので、|DM −DP
|≒0はDM −(DU +DL )/2≒0と表される。こ
の式を変形すると、DU −DM ≒DM −DL が得られ
る。即ち、上ピーク値DU と平均値DM との差DU −D
M と、下ピーク値DL と平均値DM との差DM −DL
がほぼ等しいときに信号H=“1”になる。換言すれ
ば、平均値DM がDU とDL との平均値(DU+DL
/2とほぼ等しいときに信号H=“1”になる。図20
に示すように、網点原稿の読取データでは、多くの場
合、DM ≒(DU +DL )/2が成立する。所定値C3
の値を4としたのは、上記の“ほぼ等しい”という条件
を与えるためである。
【0104】図16に示す補正演算器206はROMで
構成されている。補正演算器206では、アドレス(A
0 〜A5 )に信号D2,(A6 〜A11)に信号Bが接続
され、更に、(A12〜A13)には信号E,A14には信号
Aが接続されている。従って、補正演算器206のデー
タDは数11に示すようにD2,B,E,Aを関数とし
て求められる値が予め計算されて格納されている。
【0105】
【数11】
【0106】ここで、信号D2 は、図17の信号D2
接続されている。信号BはΔPである。信号Eは図18
の信号E1 ,E2 であり、それぞれ上ピークのタイミン
グ,下ピークのタイミングである。信号Aは図17で示
した周辺8画素の階調の平均値が8〜56の範囲内であ
るか否かの信号である。信号E1 或いはE2 が“1”の
ときに、そのピーク画素に対応するΔPの値が信号Bと
して与えられ、また、そのピーク画素に対応する画像デ
ータが信号D2 として与えられている。
【0107】ここで、タイミング上の違いを無視すれ
ば、D2 は補正前の画像データDINと同じものである。
従って、補正後の画像データDOUT は数12で示すこと
ができる。
【0108】
【数12】
【0109】ここで、本実施例では、数13に示す〜
の補正関数を用いている。
【0110】
【数13】
【0111】数13による計算結果を予めROMに格納
しておくことにより、ROMのアドレス信号D2 ,B,
E,Aの値に応じて、補正結果のDOUT が得られる。但
し、この時の計算結果が0以下の場合には0に、63以
上の場合には63に変換した値とする。
【0112】図20,図21,図22は、モアレ補正の
結果及びその効果を示すための説明図である。平均値D
M で示されるようにほぼ一様な濃度の網点画像の読取画
像データ(DIN)を例としたものである。補正前の画像
データDINは、図示の如く、モアレのために振幅が周期
的に変化し、その様子はDINピーク包絡線のようになっ
ている。これに対してモアレの補正は、DINの振幅が小
さい場合には補正量(数13の64/(ΔP+8))が
大きくなり、逆にDINの振幅が大きい場合には補正量が
小さくなるので、モアレ補正後の画像データDOUT のピ
ーク包絡線は破線で示す形状となり、DOUT の振幅の変
化の度合がDINに比較して小さくなる。従って、DOUT
に基づいて再生されるコピー画像においては、モアレが
軽減された画像が得られる。
【0113】図21は、DM が8より小さい場合、例え
ば、5%の濃さの網点原稿に対する読取画像データ(D
IN)及びその平均値DM を示し、この場合にもモアレに
よる振幅の変動が生じるが、階調レベルが低いために一
部分は白レベル(階調値0)に飽和して、他の一部分が
振幅変動として現れている。このように場合に、振幅の
現れている部分のみを振幅がより大きくなるように補正
してしまうと、モアレを強調してしまうことになるが、
前述したように本実施例では、DM <8の場合には、平
均値判別信号A=“0”となるので、数13のの場合
に該当し、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないこ
とになる。従って、モアレがより強調されることはな
い。
【0114】図22は、図21の場合とは逆に、DM
56より大きい場合、例えば、95%の濃さの網点原稿
に対する読取画像データ(DIN)及びその平均値DM
示し、この場合にも平均値判別信号A=“0”となるの
で、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないことにな
る。従って、モアレがより強調されることはない。
【0115】前述したように実施例6では、補正対象画
素の周辺画素の階調値DM と、上ピーク値DU と、下ピ
ーク値DL とを検出し、(DU −DM )≒(DL
M )の場合に上ピーク値或いは下ピーク値を補正する
ので、網点原稿においてモアレの発生し易い濃度平坦部
ではピーク値が補正され、逆に網点原稿以外の画像に対
しては、補正を行わないので、再生画像ではモアレの軽
減された高品質な画像が得られる。
【0116】前述した実施例6では、数13で示した補
正関数を用いたが、特にこれに限定するものではなく、
種々変形が可能である。また、実施例6では主走査方向
についてピーク値の検出及び画像データの補正を行った
が、副走査方向についても実施可能であり、主・副走査
方向の両方についてピーク値を検出し、それに基づいて
画像データの補正を行うことも可能である。
【0117】また、DM と(DU +DL )/2との比較
も実施例6に限らず、例えば、(DU −DM )と(DL
−DM )とを計算してその結果を比較する等、種々の変
形が可能である。
【0118】〔実施例7〕図23は、実施例7のモアレ
補正部300のブロック図を示す。モアレ補正部300
以外の構成は、実施例1と同様につき説明及び図示を省
略する。図において、信号DINはモアレ補正部300に
入力される補正前の入力画像データ、信号DOUT は補正
後の出力画像データを示し、共に6ビット64階調の信
号である。モアレ補正部300は、大別して、入力画像
データDINの平均値を求める平均値検出器301と、ピ
ーク画素を検出するピーク画素検出器302と、ピーク
レベルを検出するピークレベル検出器303と、モアレ
の周期を検出する周期検出器304と、入力画像データ
信号DINの補正を行う補正演算器305とからなる。
【0119】図24は、平均値検出器301の回路図を
示す。図において、306,307,308,309,
310,311,312はそれそれ6ビットのラッチを
示し、313,314,315,316,317,31
8,319は加算器、320,及び,321はコンパレ
ータ、322はANDゲートを示す。信号CKは画素ク
ロックである。ここで、信号DIN及び信号D1 〜D7
連続する8画素の画像データである。加算器313〜3
19では、それぞれの加算結果を1ビットだけシフトし
て、換言すれば、(A+B)/2の計算結果を次段の加
算器へ入力することにより、最終的に加算器319の出
力信号DM は、数14の式で示す値となる。即ち、信号
Mは連続する8画素の階調値の平均値である。
【0120】
【数14】
【0121】また、平均値検出器301では、コンパレ
ータ320,321,及び,ANDゲート322を用い
て、平均値DM が所定範囲内であるか否かの判定を行
い、判定結果として信号Aを出力する。ここで、信号C
1 ,C2 はそれぞれ固定値(実施例7では、C1 =8,
2 =56)である。コンパレータ320ではDM ≧C
1 の比較を行い、コンパレータ321ではDM ≦C2
比較を行っている。ANDゲート322の出力信号A
は、C1 ≦DM ≦C2 の場合、A=“1”となり、DM
<C1 ,或いは,DM >C2 の場合、A=“0”とな
る。即ち、平均値判別器101は、8≦DM ≦56であ
るか否かを判別し、8≦DM ≦56であれば信号A=
“1”を出力する。
【0122】図25は、ピーク画素検出器302の回路
図であり、図において、323,324は入力P,Qの
大小を比較してその結果を出力するコンパレータを示
し、325,326,331,332,333はAND
ゲートを示し、327,328はシフトレジスタを示
し、329,330はORゲートを示す。ここで、信号
IN,D1 ,D2 は図24で示した信号と同一で、連続
する3画素の画像データである。
【0123】上記の回路において、コンパレータ32
3,324,及び,ANDゲート325によって、画像
データの上ピーク(極大値)検出器が構成されており、
1 >DIN、且つ、D1 >D2 の場合(即ち、D1 が上
ピークの場合)、信号a=“1”となる。
【0124】また、コンパレータ323,324,及
び,ANDゲート326によって、画像データの下ピー
ク(極小値)検出器が構成されており、D1 >DIN、且
つ、D1 <D2 の場合(即ち、D1 が下ピークの場
合)、信号b=“1”となる。
【0125】また、シフトレジスタ327,328,及
び,ORゲート329,330は、それぞれ遅延膨張器
であり、信号a,bを6画素分だけ遅延膨張する。これ
ら遅延膨張された信号はANDゲート331によりAN
Dされて信号F3 として出力される。この信号F3 は6
画素以内の直近に上ピーク及び下ピークが存在する期間
中にF3 =“1”になる信号であり、後述する画像デー
タ補正の有効期間を示す信号である。ここで、例えば、
網点原稿に対しては周期的に上ピークと下ピークが存在
するのでF3 =“1”となるが、非網点原稿では、6画
素区間内に上ピークと下ピークとが存在することが比較
的少ないのでF3 =“0”の場合が多くなる。従って、
遅延膨張量を6画素とすることによって、線数の異なる
種々の網点原稿に対してもF3 が安定して発生する。
【0126】また、信号F1 は上ピーク検出信号、信号
2 は下ピーク検出信号としてピークレベル検出器30
3へ出力される。
【0127】信号Hは、図23の周期検出器304から
出力される信号であり、詳細は後述するが、濃度の比較
的平坦な網点部分を検出した場合にH=“1”となる信
号である。ピーク画素検出器302では、ANDゲート
332,333で信号F1 ,F2 と信号HとをANDす
ることにより、信号E1 ,E2 を得ている。即ち、信号
1 ,E2 は、濃度の比較的平坦な網点部分での上ピー
ク及び下ピークの検出タイミング信号である。モアレの
発生は、濃度の比較的平坦な網点部分で特に発生し易い
傾向があるので、後述する画像データの補正を制御に信
号E1 ,E2 をパラメータとして取り入れることは効果
的である。
【0128】図26は、ピークレベル検出器303の回
路図を示す。334,335,336は6ビットのラッ
チ,337は減算器である。ラッチ335は、上ピーク
値保持器であり、上ピーク検出信号F1 のタイミングで
画像データD1 をラッチする。ラッチされたD1 は上ピ
ーク値DU である。信号F1 ごとに新たな上ピーク値に
更新され保持される。ラッチ336は、下ピーク保持器
であり、下ピーク検出信号F2 のタイミングで画像デー
タD1 をラッチする。ラッチされた信号D1 は下ピーク
値DL である。信号F2 ごとに新たな下ピーク値に更新
され保持される。
【0129】減算器337では、B=(DU −DL )を
計算して、図23の補正演算器305へ出力する。この
信号Bは図28に示すように、上ピーク値と下ピーク値
との差、即ち、ピーク間振幅ΔPを表す。上ピーク或い
は下ピークが検出される毎にDU 或いはDL が更新さ
れ、従って、B=ΔP=(DU −DL )の値も更新され
る。
【0130】図27は、周期検出器304の回路を示
す。338はORゲート、339はラッチ、340は減
算器、341はコンパレータである。信号Bはピークレ
ベル検出器303で信号F1 及び信号F2 毎に更新され
る信号であるので、図27において、信号Bは更新後の
ΔPである。一方、ラッチ339の出力信号は更新前の
ΔPである。従って、減算器340は、更新前後のΔP
を入力して、更新前後のΔPの差を計算し、その結果を
出力する。コンパレータ341はΔPを所定値C3 と比
較して(ΔPの差)<C3 の場合、信号H=“1”、
(ΔPの差)≧C3 の場合、信号H=“0”となる。実
施例7ではC3 =8である。即ち、ピーク振幅ΔPの更
新前と更新後との差が8より小さい場合に、周期検出信
号Hを発生することになる。モアレの発生は、図28に
示すように、濃度の比較的平坦な網点原稿に対して発生
し、その場合、ピーク毎に変化するΔPの値は更新前と
更新後とでほとんど等しいという特徴を示す。従って、
信号Hは濃度の比較的平坦な網点原稿に対してH=
“1”という性質を持つ。
【0131】図23に示す補正演算器305はROMで
構成されている。補正演算器305では、アドレス(A
0 〜A5 )に信号D2,(A6 〜A11)に信号Bが接続
され、更に、(A12〜A13)には信号E,A14には信号
Aが接続されている。従って、補正演算器305のデー
タDは数15に示すようにD2,B,E,Aを関数とし
て求められる値が予め計算されて格納されている。
【0132】
【数15】
【0133】ここで、信号D2 は、図24の信号D2
接続されている。信号BはΔPである。信号Eは図25
の信号E1 ,E2 であり、それぞれ上ピークのタイミン
グ,下ピークのタイミングである。信号Aは図24で示
した周辺8画素の階調の平均値が8〜56の範囲内であ
るか否かの信号である。信号E1 或いはE2 が“1”の
ときに、そのピーク画素に対応するΔPの値が信号Bと
して与えられ、また、そのピーク画素に対応する画像デ
ータが信号D2 として与えられている。
【0134】ここで、タイミング上の違いを無視すれ
ば、D2 は補正前の画像データDINと同じものである。
従って、補正後の画像データDOUT は数16で示すこと
ができる。
【0135】
【数16】
【0136】ここで、本実施例では、数17に示す〜
の補正関数を用いている。
【0137】
【数17】
【0138】数17による計算結果を予めROMに格納
しておくことにより、ROMのアドレス信号D2 ,B,
E,Aの値に応じて、補正結果のDOUT が得られる。但
し、この時の計算結果が0以下の場合には0に、63以
上の場合には63に変換した値とする。補正結果DOUT
も0〜63の6ビット信号である。
【0139】図28,図29,図30は、モアレ補正の
結果及びその効果を示すための説明図である。図中のD
IN,DM は図24のDIN,DM と同じものであり、平均
値DM で示されるようにほぼ一様な濃度の網点画像の読
取画像データ(DIN)を例としたものである。モアレの
ために補正前の画像データDINの振幅は周期的に変動
し、その変動の様子は図28に示すDINピーク包絡線の
ようになっている。これに対してモアレの補正は、DIN
の振幅が小さい場合には補正量(数17の64/(ΔP
+8))が大きくなり、逆にDINの振幅が大きい場合に
は補正量が小さくなるので、モアレ補正後の画像データ
OUT のピーク包絡線は破線で示す形状となり、DOUT
の振幅の変化の度合がDINに比較して小さくなる。従っ
て、DOUT に基づいて再生されるコピー画像において
は、モアレが軽減された画像が得られる。
【0140】図29は、DM が8より小さい場合、例え
ば、5%の濃さの網点原稿に対する読取画像データ(D
IN)及びその平均値DM を示し、この場合にもモアレに
よる振幅の変動が生じるが、階調レベルが低いために一
部分は白レベル(階調値0)に飽和して、他の一部分が
振幅変動として現れている。このように場合に、振幅の
現れている部分のみを振幅がより大きくなるように補正
してしまうと、モアレを強調してしまうことになるが、
前述したように本実施例では、DM <8の場合には、平
均値判別信号A=“0”となるので、数17のの場合
に該当し、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないこ
とになる。従って、モアレがより強調されることはな
い。
【0141】図30は、図29の場合とは逆に、DM
56より大きい場合、例えば、95%の濃さの網点原稿
に対する読取画像データ(DIN)及びその平均値DM
示し、この場合にも平均値判別信号A=“0”となるの
で、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないことにな
る。従って、モアレがより強調されることはない。
【0142】以上が本発明の実施例7についての説明で
あるが、本発明はこの実施例7の構成に限らず、種々の
変形が可能である。例えば、モアレ補正部300の回路
図は図23,図24,図25,図26,図28等に限ら
ず、種々の変化が可能であり、補正演算のための関数も
OUT =F(DIN,ΔP,E1 ,E2 ,A)に限らず種
々の変形が可能である。
【0143】以下、図31〜図33を参照して、実施例
7の変形例の一例を示す。図31は、ピークレベル検出
器303の他の回路構成例を示し、342,343はラ
ッチ、345は減算器である。ラッチ342において上
ピーク値DUを更新し、保持する。減算器345におい
て|DU −DM |が計算され、その結果がピークレベル
信号Bとして出力される。図26ではB=(DU
L )=ΔPとしたが、図31ではB=|DU −DM
≒ΔP/2であり、何れの場合もピーク時の振幅の大き
さを表す信号である。また、ここでは上ピーク値DU
検出して、B=|DU −DM |としたが、逆に下ピーク
値DL を検出し、B=|DM −DL |とすることもでき
る。
【0144】図32は、周期検出器304の他の回路構
成例を示し、346はラッチ、347は減算器、348
はコンパレータである。図27と比較すると、減算器3
47への入力が上ピーク値DU となっている。また、固
定の所定値C4 の値はC4 =6である。図32の動作
は、更新前後のDU の値の差が6より小さい場合に、周
期検出信号H=“1”になる。濃度の比較的平坦な網点
原稿においては、更新前後のDU の差が小さいので、H
=“1”となる性質を持つ。
【0145】図33は、モアレ補正部300の他の構成
を示す。ここでは、図23における6ビット信号Bに変
えて、2ビット信号Bを用いている。これは、ピークレ
ベル検出器303から出力されるピークレベルΔPの値
をそのまま信号Bとせず、ピークレベル検出器303a
では、ΔPの値の大小を4つにランク分けし、この4つ
のランクを2ビット信号Bとしたものであり、2ビット
信号とすることにより、補正演算器305aのROMの
容量の節約を図っている。即ち、ROMのアドレスはこ
の場合、A0 〜A10の11ビットで済む。
【0146】〔実施例8〕図34は、実施例8のモアレ
補正部400のブロック図を示す。モアレ補正部400
以外の構成は、実施例1と同様につき説明及び図示を省
略する。図において、信号DINはモアレ補正部400に
入力される補正前の入力画像データ、信号DOUT は補正
後の出力画像データを示し、共に6ビット64階調の信
号である。モアレ補正部400は、大別して、入力画像
データDINの平均値を求める平均値検出器401と、ピ
ーク画素を検出するピーク画素検出器402と、ピーク
レベルを検出するピークレベル検出器403と、入力画
像データ信号DINの補正を行う補正演算器404とから
なる。
【0147】図35は、平均値検出器401の回路図を
示す。図において、405,406,407,407,
409,410,411はそれそれ6ビットのラッチを
示し、412,413,414,415,416,41
7,418は加算器、419,及び,420はコンパレ
ータ、421はANDゲートを示す。信号CKは画素ク
ロックである。ここで、信号DIN及び信号D1 〜D7
連続する8画素の画像データである。加算器412〜4
18では、それぞれの加算結果を1ビットだけシフトし
て、換言すれば、(A+B)/2の計算結果を次段の加
算器へ入力することにより、最終的に加算器418の出
力信号DM は、数18の式で示す値となる。即ち、信号
Mは連続する8画素の階調値の平均値である。
【0148】
【数18】
【0149】また、平均値検出器401では、コンパレ
ータ419,420,及び,ANDゲート421を用い
て、平均値DM が所定範囲内であるか否かの判定を行
い、判定結果として信号Aを出力する。ここで、信号C
1 ,C2 はそれぞれ固定値(実施例8では、C1 =8,
2 =56)であり、コンパレータ419ではDM ≧C
1 の比較を行い、コンパレータ420ではDM ≦C2
比較を行っている。ANDゲート421の出力信号A
は、C1 ≦DM ≦C2 の場合、A=“1”となり、DM
<C1 ,或いは,DM >C2 の場合、A=“0”とな
る。即ち、平均値判別器401は、8≦DM ≦56であ
るか否かを判別し、8≦DM ≦56であれば信号A=
“1”を出力する。
【0150】図36は、ピーク画素検出器402の回路
図であり、図において、422,423は入力P,Qの
大小を比較してその結果を出力するコンパレータを示
し、424,425,429,432,433はAND
ゲートを示し、426,430はシフトレジスタを示
し、427はラッチ、428,431はORゲートを示
す。ここで、信号DIN,D1 ,D2 は図35で示した信
号と同一で、連続する3画素の画像データである。
【0151】上記の回路において、コンパレータ42
2,423,及び,ANDゲート424によって画像デ
ータの上ピーク(極大値)検出器が構成されており、D
1 >DIN、且つ、D1 >D2 の場合(即ち、D1 が上ピ
ークの場合)、信号a=“1”となる。
【0152】また、コンパレータ422,423,及
び,ANDゲート425によって、画像データの下ピー
ク(極小値)検出器が構成されており、D1 >DIN、且
つ、D1 <D2 の場合(即ち、D1 が下ピークの場
合)、信号d=“1”となる。
【0153】また、シフトレジスタ426,430,及
び,ORゲート428,431は、それぞれ遅延膨張器
であり、信号a,cを6画素分だけ遅延膨張する。ピー
ク検出信号a,dはそれぞれ426,427でタイミン
グ整形された後、信号F1 ,F1 としてピークレベル検
出器403に出力される。
【0154】図37は、図36の中の遅延膨張器の動
作,機能を特に説明するためのタイミングチャートを示
す。例えば、上ピーク検出信号aが,,のタイミ
ング(とが4画素間隔、とが7画素間隔)で発
生すると、信号F1 は信号aの1クロック遅れであるの
で図示のようになる。信号bは1〜6画素遅れの信号の
ORであり、この信号bと信号aのANDからなる信号
cは、図示の如く、信号aのに対応する信号cのの
みが発生し、信号aのに対応する信号cの位置にはパ
ルスが発生しない。即ち、信号c=“1”が発生するの
は、信号aにおいて6画素期間中にa=“1”が再び発
生した場合である。モアレの発生が問題となるのは一定
線数以上の網点原稿の場合であり、このような一定線数
以上の網点原稿に対しては、周期的に、且つ、6画素間
隔以内に上ピークが検出されるので、信号cも安定して
発生する。信号F3 は、信号c,及び,信号cの1画素
遅れ〜6画素遅れの信号のORであり、F3 =“1”の
期間が一定線数以上の網点原稿のを示す信号を意味す
る。信号cを遅延膨張して信号F3 を得ているのは、信
号F1 の有効期間の他に、下ピーク検出信号F2 (図示
せず)の有効期間とするためである。信号F1 と信号F
3 とのANDからなる上ピーク検出信号E1 は図のよう
になり、同様に信号F2 と信号F3 とのANDからなる
下ピーク検出信号E2 も発生する(図示せず)。この信
号E1 ,E2 は、図34の信号Eに対応するもので、補
正演算器404に出力される。
【0155】図38は、ピークレベル検出器403の回
路図を示す。434,435,436は6ビットのラッ
チ,437はは減算器である。ラッチ435は、上ピー
ク値保持器であり、上ピーク検出信号F1 のタイミング
で画像データD1 をラッチする。ラッチされたD1 は上
ピーク値DU である。信号F1 ごとに新たな上ピーク値
に更新され保持される。ラッチ436は、下ピーク保持
器であり、下ピーク検出信号F2 のタイミングで画像デ
ータD1 をラッチする。ラッチされた信号D1 は下ピー
ク値DL である。信号F2 ごとに新たな下ピーク値に更
新され保持される。
【0156】減算器437では、B=(DU −DL )を
計算して、図34の補正演算器404へ出力する。この
信号Bは図39に示すように、上ピーク値と下ピーク値
との差、即ち、ピーク間振幅ΔPを表す。上ピーク或い
は下ピークが検出される毎にDU 或いはDL が更新さ
れ、従って、B=ΔP=(DU −DL )の値も更新され
る。
【0157】図34に示す補正演算器404はROMで
構成されている。補正演算器404では、アドレス(A
0 〜A5 )に信号D2,(A6 〜A11)に信号Bが接続
され、更に、(A12〜A13)には信号E,A14には信号
Aが接続されている。従って、補正演算器404のデー
タDは数19に示すようにD2,B,E,Aを関数とし
て求められる値が予め計算されて格納されている。
【0158】
【数19】
【0159】ここで、信号D2 は、図35の信号D2
接続されている。信号BはΔPである。信号Eは図36
の信号E1 ,E2 であり、それぞれ上ピークのタイミン
グ,下ピークのタイミングである。信号Aは図35で示
した周辺8画素の階調の平均値が8〜56の範囲内であ
るか否かの信号である。信号E1 或いはE2 が“1”の
ときに、そのピーク画素に対応するΔPの値が信号Bと
して与えられている。ここで、タイミング上の違いを無
視すれば、D2 は補正前の画像データDINと同じもので
ある。従って、補正後の画像データDOUT は数20で示
すことができる。
【0160】
【数20】
【0161】ここで、本実施例では、数21に示す〜
の補正関数を用いている。
【0162】
【数21】
【0163】数21による計算結果を予めROMに格納
しておくことにより、ROMのアドレス信号F,B,
E,Aの値に応じて、補正結果のDOUT が得られる。但
し、この時の計算結果が0以下の場合には0に、63以
上の場合には63に変換した値とする。
【0164】図39,図40,図41は、モアレ補正の
結果及びその効果を示すための説明図である。平均値D
M で示されるようにほぼ一様な濃度の網点画像の読取画
像データ(DIN)を例としたものである。補正前の画像
データDINは、図示の如く、モアレのために振幅が周期
的に変化し、その様子はDINピーク包絡線のようになっ
ている。これに対してモアレの補正は、DINの振幅が小
さい場合には補正量(数21の64/(ΔP+8))が
大きくなり、逆にDINの振幅が大きい場合には補正量が
小さくなるので、モアレ補正後の画像データDOUT のピ
ーク包絡線は破線で示す形状となり、DOUT の振幅の変
化の度合がDINに比較して小さくなる。従って、DOUT
に基づいて再生されるコピー画像においては、モアレが
軽減された画像が得られる。
【0165】図40は、DM が8より小さい場合、例え
ば、5%の濃さの網点原稿に対する読取画像データ(D
IN)及びその平均値DM を示し、この場合にもモアレに
よる振幅の変動が生じるが、階調レベルが低いために一
部分は白レベル(階調値0)に飽和して、他の一部分が
振幅変動として現れている。このように場合に、振幅の
現れている部分のみを振幅がより大きくなるように補正
してしまうと、モアレを強調してしまうことになるが、
前述したように本実施例では、DM <8の場合には、平
均値判別信号A=“0”となるので、数21のの場合
に該当し、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないこ
とになる。従って、モアレがより強調されることはな
い。
【0166】図41は、図40の場合とは逆に、DM
56より大きい場合、例えば、95%の濃さの網点原稿
に対する読取画像データ(DIN)及びその平均値DM
示し、この場合にも平均値判別信号A=“0”となるの
で、DIN=DOUT となり、何も補正を加えないことにな
る。従って、モアレがより強調されることはない。
【0167】前述したように実施例8では、先に検出さ
れたピークから所定画素期間内に新たなピークが検出さ
れた場合に、新たに検出されたピークのピークを補正し
ているので、ピークが周期的に発生する網点原稿に対し
て有効にピーク値の補正が働き、結果として、モアレの
軽減された再生画像を得ることができる。
【0168】
【発明の効果】以上説明したように本発明の画像処理装
置は、原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃度を多階
調の画像データとして処理する画像処理装置において、
少なくとも一つの走査方向に対する画像データの並びに
対して画像データの極大値及び極小値の両方の極値を検
出する極値検出手段と、極値検出手段で検出した極値に
基づいて、画像データの階調値を補正する補正手段とを
備えたため、画像のシャープさを劣化させることなく、
再生画像におけるモアレの発生を低減することができ
る。
【0169】また、前述した構成に加えて、補正手段よ
る補正を実行するか否か制御する補正制御手段を備えた
ため、網点画像以外の画像部分に対する不必要なモアレ
補正を行うことなく、画像のシャープさを劣化させるこ
となく、再生画像におけるモアレの発生を低減すること
ができる。
【0170】また、前述した構成に加えて、極値検出手
段で検出した極値を所定画素数だけ遅延させる遅延手段
と、遅延手段によって極値が遅延されている期間中のみ
画像データの補正が有効となるように補正手段を制御す
る制御手段を備えたため、網点画像以外の画像部分に対
する不必要なモアレ補正を行うことなく、画像のシャー
プさを劣化させることなく、再生画像におけるモアレの
発生を低減することができる。また、遅延されている期
間中のみ極値の補正を行うので全体的な濃度階調を保存
することができる。
【0171】また、前述した構成に加えて、極値検出手
段で極値を検出された画素の近傍の所定画素数の階調値
の平均値を求める平均値演算手段、或いは、極値検出手
段で極値を検出された画素の近傍の所定画素数の平滑値
を求める平滑値演算手段の何れかの手段を備え、且つ、
補正手段において、極値検出手段で検出した画像データ
の極値と、画像データの平均値、或いは、平滑値との差
の値に基づいて、画像データを補正するため、画像のシ
ャープさを劣化させることなく、再生画像におけるモア
レの発生を低減することができる。
【0172】また、本発明の画像処理装置は、原稿画像
を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調の画像データ
として処理する画像処理装置において、少なくとも一つ
の走査方向に対する画像データの並びに対して画像デー
タの極大値及び極小値の両方の極値を検出する極値検出
手段と、所定数の画素の階調値の平均値を演算する平均
値演算手段と、前記平均値が所定範囲内であるか否か判
別する平均値判別手段と、前記極値検出手段で検出した
極値,及び,前記平均値判別手段の判別結果に基づい
て、画像データの階調値を補正する補正手段とを備えた
ため、網点画像及び非網点画像に対して、画像のシャー
プさを劣化させることなく、再生画像におけるモアレの
発生を低減することができる。
【0173】また、本発明の画像処理装置は、原稿画像
を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調の画像データ
として処理する画像処理装置において、少なくとも一つ
の走査方向に対する画像データの並びに対して画像デー
タの極大値及び極小値の両方の極値を検出する極値検出
手段と、所定数の画素の階調値の平均値を演算する平均
値演算手段と、前記極大値,極小値,及び,平均値を入
力して、(極大値−平均値)≒(平均値−極小値)であ
るか否か判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果
に基づいて、(極大値−平均値)≒(平均値−極小値)
の場合に、極大値及び/或いは極小値の値を補正する補
正手段とを備えたため、網点画像及び非網点画像に対し
て、画像のシャープさを劣化させることなく、再生画像
におけるモアレの発生を低減することができる。
【0174】また、本発明の画像処理装置は、原稿画像
を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調の画像データ
として処理する画像処理装置において、少なくとも一つ
の走査方向に対する画像データの並びに対して画像デー
タの極大値及び極小値の両方の極値を検出する極値検出
手段と、前記極大値と極小値との差を求める第1の演算
手段と、前記第1の演算手段で極大値と極小値との差が
求められた際に、(前回の極大値と極小値との差)と
(今回の極大値と極小値との差)との差を求める第2の
演算手段と、前記第2の演算手段で求めた差が所定値以
下の場合に、極大値及び/或いは極小値の値を補正する
補正手段とを備えたため、網点画像及び非網点画像に対
して、画像のシャープさを劣化させることなく、再生画
像におけるモアレの発生を低減することができる。
【0175】また、本発明の画像処理装置は、原稿画像
を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調の画像データ
として処理する画像処理装置において、少なくとも一つ
の走査方向に対する画像データの並びに対して画像デー
タの極大値或いは極小値の少なくとも一方の極値を検出
する極値検出手段と、連続する極値間の差を求める第1
の演算手段と、前記第1の演算手段で極値間の差が求め
られた際に、(前回の極値間の差)と(今回の極値間の
差)との差を求める第2の演算手段と、前記第2の演算
手段で求めた差が所定値以下の場合に、極値の値を補正
する補正手段とを備えたため、網点画像及び非網点画像
に対して、画像のシャープさを劣化させることなく、再
生画像におけるモアレの発生を低減することができる。
【0176】また、本発明の画像処理装置は、原稿画像
を画素に分解し、各々の画素濃度を多階調の画像データ
として処理する画像処理装置において、少なくとも一つ
の走査方向に対する画像データの並びに対して画像デー
タの極大値及び極小値の両方の極値を検出する極値検出
手段と、前記極値検出手段で検出した極値に基づいて、
極大値(或いは、極小値)が検出されてから所定画素区
間内に次の極大値(或いは極小値)が検出された場合、
極大値(或いは極小値)が検出された画像データの階調
値を補正する補正手段とを備えたため、網点画像及び非
網点画像に対して、画像のシャープさを劣化させること
なく、再生画像におけるモアレの発生を低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置を適用したデジタル複写
機の外観図である。
【図2】実施例1のデジタル複写機における原稿からコ
ピーまでの画像データの流れを示すための概略ブロック
図である。
【図3】実施例1のモアレ補正部の回路を示す説明図で
ある。
【図4】図3のモアレ補正部の動作タイミングチャー
ト,及び,DIN=D-1からDOUT =D5 へのデータ補正
例を示す説明図である。
【図5】モアレ補正の結果及びその効果を示すための説
明図である。
【図6】実施例2のモアレ補正部及び網点エリア検出部
を示す説明図である。
【図7】実施例3のモアレ補正部及び平均値算出部を示
す説明図である。
【図8】実施例4のピーク検出器を示す説明図である。
【図9】実施例5のモアレ補正部のブロック図である。
【図10】実施例5の平均値判別器の回路図である。
【図11】実施例5のピーク画素検出器及びピークレベ
ル検出器の回路図である。
【図12】実施例5の補正演算器の構成を示す説明図で
ある。
【図13】実施例5のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図14】実施例5のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図15】実施例5のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図16】実施例6のモアレ補正部のブロック図であ
る。
【図17】実施例6の平均値検出器の回路図である。
【図18】実施例6のピーク画素検出器の回路図であ
る。
【図19】実施例6のピークレベル検出器の回路図であ
る。
【図20】実施例6のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図21】実施例6のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図22】実施例6のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図23】実施例7のモアレ補正部のブロック図であ
る。
【図24】実施例7の平均値検出器の回路図である。
【図25】実施例7のピーク画素検出器の回路図であ
る。
【図26】実施例7のピークレベル検出器の回路図であ
る。
【図27】実施例7の周期検出器の回路図である。
【図28】実施例7のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図29】実施例7のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図30】実施例7のモアレ補正の結果及びその効果を
示すための説明図である。
【図31】実施例7におけるピークレベル検出器の他の
回路構成例を示す説明図である。
【図32】実施例7における周期検出器の他の回路構成
例を示す説明図である。
【図33】実施例7におけるモアレ補正部の他の構成を
示す説明図である。
【図34】実施例8のモアレ補正部のブロック図であ
る。
【図35】実施例8の平均値検出器の回路図である。
【図36】実施例8のピーク画素検出器の回路図であ
る。
【図37】図35の中の遅延膨張器の動作,機能を説明
するためのタイミングチャートである。
【図38】実施例8のピークレベル検出器の回路図であ
る。
【図39】実施例8におけるモアレ補正部の他の構成を
示す説明図である。
【図40】実施例8におけるモアレ補正部の他の構成を
示す説明図である。
【図41】実施例8におけるモアレ補正部の他の構成を
示す説明図である。
【図42】モアレの発生の原理を示す説明図である。
【図43】一様な濃さの133l/iの網点画像を読み
取った場合のMTF補正後の画像データの状態を示す説
明図である。
【図44】モアレの発生を示す説明図である。
【符号の説明】
1 デジタル複写機 2 原稿
台 10 画像読取部 20 画
像処理部 30 画像書込部 40 制
御部 50 モアレ補正部 51 52 53 54 ラッチ 55 56 コンパレータ 57 58 59 ANDゲート 60 61 シフトレジスタ 62 63 ORゲート 64 減
算器 65 66 68 ROM 67 網点エリア検出部 69 平
均値算出部 70 71 75 76 減算器 72 73 77 78 コンパレータ 74 79 ANDゲート 100 モアレ補正部 101
平均値判別器 102 ピーク画素検出器 103
ピークレベル検出器 104 補正演算器 200 モアレ補正部 201
平均値検出器 202 ピーク画素検出器 203
ピークレベル検出器 204 減算器 205
コンパレータ 206 補正演算器 300 モアレ補正部 301
平均値検出器 302 ピーク画素検出器 303
ピークレベル検出器 304 周期検出器 304
補正演算器 400 モアレ補正部 401
平均値検出器 402 ピーク画素検出器 403
ピークレベル検出器 404 補正演算器

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素濃
    度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置に
    おいて、少なくとも一つの走査方向に対する画像データ
    の並びに対して画像データの極大値及び極小値の両方の
    極値を検出する極値検出手段と、前記極値検出手段で検
    出した極値に基づいて、画像データの階調値を補正する
    補正手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、前記極値検出手段で検
    出した画像データの極大値と極小値との差の値に基づい
    て、画像データを補正することを特徴とする請求項1の
    画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記差の値と画像データの補正量とが反
    比例する関係となるように補正することを特徴とする請
    求項2の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、前記極値検出手段で検
    出した極値に基づいて、極大値が検出されてから所定画
    素区間内に極小値が検出された場合、極小値が検出され
    た画像データの階調値を補正し、極小値が検出されてか
    ら所定画素区間内に極大値が検出された場合、極大値が
    検出された画像データの階調値を補正することを特徴と
    する請求項1,2,及び,3の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記補正手段は、前記極値検出手段で検
    出した極値に基づいて、極大値及び極小値が所定の間隔
    或いは所定の組合せで検出された場合に、所定区間内の
    画像データの階調値を補正することを特徴とする請求項
    1の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記補正手段は、前記極値検出手段で検
    出した極値に基づいて、極値を示した画素、或いはその
    画素の直近の画素、或いは極値を示した画素の直近で、
    且つ、極値を示した画素について階調値の補正を行うこ
    とを特徴とする請求項1の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記補正手段による補正を実行するか否
    か制御する補正制御手段を備えたことを特徴とする請求
    項1の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記極値検出手段で検出した極値を所定
    画素数だけ遅延させる遅延手段と、前記遅延手段によっ
    て極値が遅延されている期間中のみ画像データの補正が
    有効となるように前記補正手段を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 所定数の画素の階調値の平均値を演算す
    る平均値演算手段を備え、前記補正手段は、前記極値検
    出手段で検出した極値,及び,前記平均値演算手段で求
    めた平均値に基づいて、画像データの階調値を補正する
    ことを特徴とする請求項1の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記極値検出手段で極値を検出された
    画素の近傍の所定画素数の階調値の平均値を求める平均
    値演算手段、或いは、前記極値検出手段で極値を検出さ
    れた画素の近傍の所定画素数の平滑値を求める平滑値演
    算手段の何れかの手段を備え、前記補正手段は、前記極
    値検出手段で検出した画像データの極値と、画像データ
    の平均値、或いは、平滑値との差の値に基づいて、画像
    データを補正することを特徴とする請求項1の画像処理
    装置。
  11. 【請求項11】 前記差の値と画像データの補正量とが
    反比例する関係となるように補正することを特徴とする
    請求項10の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素
    濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置
    において、少なくとも一つの走査方向に対する画像デー
    タの並びに対して画像データの極値を検出する極値検出
    手段と、前記極値検出手段で検出した極値を所定画素数
    だけ遅延させる遅延手段と、前記遅延手段から出力され
    た極値を前記遅延手段から次の極値が出力されるまで保
    持する極値保持手段と、前記極値検出手段で検出した極
    値,及び,前記極値保持手段に保持されている前回の極
    値とに基づいて、極値となった画像データの階調値を補
    正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像処理装
    置。
  13. 【請求項13】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素
    濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置
    において、少なくとも一つの走査方向に対する画像デー
    タの並びに対して画像データの極大値及び極小値の両方
    の極値を検出する極値検出手段と、所定数の画素の階調
    値の平均値を演算する平均値演算手段と、前記平均値が
    所定範囲内であるか否か判別する平均値判別手段と、前
    記極値検出手段で検出した極値,及び,前記平均値判別
    手段の判別結果に基づいて、画像データの階調値を補正
    する補正手段とを備えたことを特徴とする画像処理装
    置。
  14. 【請求項14】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素
    濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置
    において、少なくとも一つの走査方向に対する画像デー
    タの並びに対して画像データの極大値及び極小値の両方
    の極値を検出する極値検出手段と、所定数の画素の階調
    値の平均値を演算する平均値演算手段と、前記極大値,
    極小値,及び,平均値を入力して、(極大値−平均値)
    ≒(平均値−極小値)であるか否か判定する判定手段
    と、前記判定手段の判定結果に基づいて、(極大値−平
    均値)≒(平均値−極小値)の場合に、極大値及び/或
    いは極小値の値を補正する補正手段とを備えたことを特
    徴とする画像処理装置。
  15. 【請求項15】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素
    濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置
    において、少なくとも一つの走査方向に対する画像デー
    タの並びに対して画像データの極大値及び極小値の両方
    の極値を検出する極値検出手段と、前記極大値と極小値
    との差を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段
    で極大値と極小値との差が求められた際に、(前回の極
    大値と極小値との差)と(今回の極大値と極小値との
    差)との差を求める第2の演算手段と、前記第2の演算
    手段で求めた差が所定値以下の場合に、極大値及び/或
    いは極小値の値を補正する補正手段とを備えたことを特
    徴とする画像処理装置。
  16. 【請求項16】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素
    濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置
    において、少なくとも一つの走査方向に対する画像デー
    タの並びに対して画像データの極大値或いは極小値の少
    なくとも一方の極値を検出する極値検出手段と、連続す
    る極値間の差を求める第1の演算手段と、前記第1の演
    算手段で極値間の差が求められた際に、(前回の極値間
    の差)と(今回の極値間の差)との差を求める第2の演
    算手段と、前記第2の演算手段で求めた差が所定値以下
    の場合に、極値の値を補正する補正手段とを備えたこと
    を特徴とする画像処理装置。
  17. 【請求項17】 原稿画像を画素に分解し、各々の画素
    濃度を多階調の画像データとして処理する画像処理装置
    において、少なくとも一つの走査方向に対する画像デー
    タの並びに対して画像データの極大値及び極小値の両方
    の極値を検出する極値検出手段と、前記極値検出手段で
    検出した極値に基づいて、極大値(或いは、極小値)が
    検出されてから所定画素区間内に次の極大値(或いは極
    小値)が検出された場合、極大値(或いは極小値)が検
    出された画像データの階調値を補正する補正手段とを備
    えたことを特徴とする画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2018013455A (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 大日本印刷株式会社 モアレ評価装置およびモアレ評価方法

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