JPH0563794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本発明は、像担持体上に基準濃度の画像を形成
し、該画像の濃度に基づいてトナー補給を行う可
変倍率静電記録装置に関する。 〔従来技術〕 電子複写機等の静電記録装置では通常光導電体
等よりなる感光体上に静電潜像を形成せしめたの
ち現像を行つて静電潜像部にトナーを付着させて
トナー像とし紙等に転写して記録物を得ている。
現像は普通磁気ローラを備えた現像器によつて行
われるが、現像器中に貯えられたトナーは現像に
よつて逐次感光体に移行して減少するため、この
減少を検知し、適宜トナーを補充して現像器中の
トナー量を一定範囲に保持しておく必要がある。
現像器中のトナー量を検知する手段としては、各
記録画面の先頭に一定の光学濃度をもつた基準濃
度板を写し込み、現像後感光体上に形成された上
記基準濃度板画像の濃度をフオトセンサ等によつ
て検知する方法が広く行われている。現像器中の
トナー量の減少に伴つて上記画像部の濃度が低下
するので、フオトセンサによる検知濃度が予め設
定した限定値に達したときトナー補給を行なう事
によりトナー濃度を所定範囲内に維持することが
できる。 第１図は上記のようなトナー補給制御装置を備
えた電子複写機の概要図であつて、基準濃度板１
１は原稿載置台１２の先端部、複写画面外の部分
に取付けられている。複写は照明燈１３と、ミラ
ーM₁〜M₃で構成された移動光学系が矢印方向に
移動しながら原稿載置上に置かれた原稿面を走査
し、その画像が走査と同期して回転する感光ドラ
ム１４上に露光され静電潜像を形成することによ
つて行われる。形成された静電潜像は現像器１５
によつて現像され転写電極１６によつて転写紙に
転写され複写物が得られる。 この際上記トナー補給制御用の基準濃度板の画
像は原稿画像より前の位置に形成されるが、転写
紙給送のタイミング調整によつて転写は行われず
感上ドラム１４上に附着したまま進行しフオトセ
ンサ１７によつて画像濃度が検知される。検知点
を通過したトナー像はクリーニング装置１８によ
つて回収される。トナー補給はフオトセンサ１７
の出力にもとづきトナー補給ホツパ１９の下部に
ある補給ローラを回転して行なう。 上記のように基準濃度板の露光と原稿露光とを
同一の光学系によつて行なうトナー補給制御装置
を拡大、縮小機能を有する複写機に組込んだ場合
感光体上に形成される基準濃度板の画像の大きさ
も画像形成倍率の変更に伴つて変化する。感光体
上の基準濃度片画像の濃度をフオトセンサ等によ
つて読み取るには、一定限度の画像面積が必要で
あることは言うまでもないが、基準濃度板画像を
構成するトナーは紙に転写されることなくすべて
クリーニング装置によつて回収されるため、必要
以上の大きな面積の像形成はトナーの浪費、クリ
ーニング装置の負荷増となつて好ましくない。画
像形成倍率変化機能を有する複写機では、最も縮
小率が高いとき基準濃度片画像が必要最低面積と
なるようにする必要があるため等倍率及び拡大倍
率で画像形成を行う場合感光体上に形成される基
準濃度板画像の面積はいづれも必要以上の大きさ
のものとなり前述のごとき問題が発生する。 また現像された画像の濃度は現像時の画像面積
の影響を受けるため基準濃度板画像の面積が変化
すると画像濃度も変動し、トナー補給制御の精度
が低下する欠点がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は画像形成倍率変更時にも、過大
な基準濃度板画像形成によるトナーの浪費、クリ
ーニング装置の負荷増大、トナー補給制御精度の
低下、を来たすことのない可変倍率静電記録装置
を提供する事にある。 〔発明の構成〕 上記の目的は基準濃度板に基づく潜像を感光体
上に形成し、潜像を現像して基準濃度板画像を形
成する可変倍率静電記録装置において、画像形成
倍率の変更にかかわらず、前記基準濃度板画像を
形成する潜像の面積が略一定面積になるように制
御する面積制御手段を有し、前記面積制御手段に
より略一定面積になるように制御された潜像のみ
を現像し、形成される基準濃度板画像の濃度を検
知することを特徴とする可変倍率静電記録装置に
よつて達成された。 画像形成倍率墨更時にも基準濃度板の画像の大
きさをほぼ一定に保つ手段としては多くの方法が
考えられるが、例えば画像形成倍率切替段数と同
数の大きさの順次異なる基準濃度板を移動可能に
取付け、画像形成倍率の切替えと連動して所定の
被露光位置の基準濃度板を移動せしめ、画像形成
倍率と基準濃度板の大きさを逆比例関係に組合わ
せ、低倍率のとき大形基準濃度板を、高倍率のと
き小形の基準濃度板をそれぞれ露光するようにす
れば感光体上には画像形成倍率と関りなくほぼ一
定の大きさの基準濃度板画像が形成される。この
際感光体上に形成される画像の大きさがセンサに
よる画像濃度検知に要する最低面積となる様各基
準濃度板の大きさを定めておくことは勿論であ
る。 またやや大きめの基準濃度板を所定の被露光位
置に取付け、大きさの異なるいくつかの開口部を
有する移動可能のマスクで覆い画像形成倍率の切
替えに応じてマスクを移動し、基準濃度板上に画
像形成倍率と逆比例した面積のマスク開口部が位
置するようにしても前記と同一の効果を得ること
ができる。 また画像形成倍率の変更時にも、基準濃度板
（或いはマスク開口部）の大きさを変更させずに
過大な面積の基準濃度板の静電潜像を形成して、
現像前に該静電潜像の不要部分を除電消去する方
法をとることもできる。 以下実施例によつて説明する。 〔実施例〕 第１図乃至第４図の実施例は画像形成倍率の変
更に応じて基準濃度板を機械的に移動させる形式
のものである。 第２図は複写機の上面パネル２１上に回転可能
の多面シリンダ２２を設けてその各面に大きさの
異なる基準濃度片２３を取付け、複写機本体の画
像形成倍率変換機構と連結したベルト２４により
プーリ２５を介して回転し、画像形成倍率変換時
において設定した画像形成倍率に対応する大きさ
の基準濃度板がパネル２１面に設けた窓部２６の
位置に来るよう構成したものである。窓部２６の
位置に置かれた基準濃度板は窓２６を通してパネ
ル２１下側より露光されトナー補給制御に使用さ
れる。２７は原稿載置ガラス板である。複写機の
画像形成の倍率と、それに対応する基準濃度板の
大きさ及び感光体上における各基準濃度板の画像
の大きさは下表の通りである。

【表】 表の通り基準濃度板の大きさを画像形成倍率と
逆比例としてあるため感光体上に形成される基準
濃度板の寸法は常にほぼ一定となる。本機を用い
連続複写の実験を行つたところ安定したトナー補
給制御を行なう事ができ、トナーの消費も節約さ
れることが実証された。 第３図は複写機の上面パネル３１上にローラ３
２，３３に懸架したベルト３４を設け、該ベルト
３４上に大きさの異なる基準濃度板３６を取付
け、複写機本体の画像形成倍率変換機構と連結し
たベルト３５によりローラ３２を回転し、画像形
成倍率変換の際設定した画像形成倍率に対応する
大きさの基準濃度板がパネル３１面に設けた窓３
７の位置に来るよう構成したものである。複写機
の拡大、縮小率と基準濃度板の大きさの関係は第
２図のものと同一とした。本機を用いた連続複写
試験の結果は第２図に示した試作機の場合と同一
で、本発明の効果が確認された。 尚、第２図、第３図の装置とも実用上は基準濃
度板変換部を覆うカバーが設けられているが図に
は省略されている。 第４図は上面パネル４１の下側に設けたサブパ
ネル４２上に、レール４３，４４によつて矢印方
向に移動可能に取付けられた可動板４５を設け、
該可動板４５の下側に大きさの異なる基準濃度片
４６を取付けた複写機である。可動板は側部にラ
ツク４７を備え、その下側に設けられた、複写機
本体の画像形成倍率変換機構と連結されたピニオ
ン（図には省略されている）により、画像形成倍
率変換の際、設定の画像形成倍率に対応した基準
濃度板がサブパネルの窓部４８に位置するように
移動される。窓部に置かれた基準濃度板はサブパ
ネル４２の下側より露光されトナー補給制御に用
いられる。４８は原稿載置ガラス板である。複写
機の拡大、縮小倍率と基準濃度板の大きさは前記
実施例と同一である。実用試験を行ない前記実施
例と同様の結果を得た。 尚、上記ピニオンが画像形成倍率変換時以外ラ
ツクから切離される機構を附加すれば機構は原稿
台移動型の複写機にも使用することができる。 第５図は上面パネル５１の下側に設けたサブパ
ネル５２上に回動可能に取付けた扇型の回動板５
３を設け、その下側に基準濃度板５４を取付けた
複写機である。回動板５３は複写機本体の画像形
成倍率変換機構に連結されたワイア５５とバネ５
６により画像形成倍率切換えの時設定倍率に対応
する大きさの基準濃度板の位置がサブパネルに設
けた窓部５７に一致するよう回動される。その他
の点については第４図の場合と同様である。尚図
の基準濃度板数は３個であるが変倍段数に応じて
設ければよいことは勿論である。 第６図はサブパネル６１上に矢印方向に摺動可
能に取付けた、異つた大きさの開口部６２を有す
るマスク６３を設けその上部にやや大型の基準濃
度板６４を置いたトナー補給制御装置である。６
５はサブパネルの上記濃度基準板の対向位置に設
けられた窓である。第４図の場合と同一の機構に
より画像形成倍率の変換に応じて、対応する大き
さのマスクが基準濃度片６４の位置に来るように
し、窓６５を通して基準濃度板の所定面積がマス
クを通して露光される。マスクの開口部の大きさ
と画像形成倍率との関係を前記の表の基準濃度板
の大きさと画像形成倍率の関係と同一にすること
により、前記実施例の場合と同じ効果が得られ
た。 また第３図、第５図と同一の機構をもつ装置に
おいてもそれぞれベルト３４、或いは回動板５３
の基準濃度板取付部分を開口部としたマスクに置
換えその上に基準濃度板を置くことによつても同
一の効果を得ることができた。 第７図は画像形成倍率の変換に伴つて形成され
る大きさの異つた基準濃度板潜像を、所定面積を
残して消去する方法の実施例であつて、露光と現
像の中間（第１図２０の位置）にドラム軸と並行
にLEDアレイを取付け、これを適宜点燈して基
準濃度片潜像の不要部分を消去するものである。
基準濃度板は従来通り同一のものを画像形成倍率
を変換してもそのまま使用する。 ７１はLEDアレイであつてその点滅は別に設
けた制御装置のプログラムによつて行われる。７
２，７３，７４は画像形成倍率をそれぞれ縮小、
等倍、拡大に設定したとき感光体上に形成される
基準濃度板の潜像の外周である。縮小倍率での画
像形成時の画像は、少なくとも画像濃度検知に最
低必要な面積を有する。感光体は図中矢印の方向
に進行する。LEDアレイの点滅を下記のように
行なう事により基準濃度板像の大きさを常に一定
にすることができる。 (1) 基準濃度板潜像の前端よりやや前の線ａが
LEDアレイの線Ｌに達したとき〜のすべ
てを点灯し潜像の前端不要部を消去する。 (2) ｂ線がＬ線に達したとき〜のLEDを消
灯する。のLEDはそのまま点灯し潜
像の両側不要部を消去する。 (3) ｃ線がＬ線に達したとき再び全LEDを点灯
し潜像の後端不要部を消去する。 (4) 潜像部が通過し終り、ｄ線がＬ線に達したと
き全LEDを消灯する。 最小縮小率に設定した場合潜像の消去は不要と
なるのでLEDが点灯しないようプログラムを切
替える。 上記の方式による潜像消去の効果は前記の機械
的方法による濃度基準板サイズの切替と同一であ
り実用試験の結果安定なトナー補給が行われトナ
ー消費も減じることが立証された。 なお、本発明において現像後の基準濃度板画像
の大きさをほぼ一定とすることはそれ程正確であ
ることを要しない。 例えば第７図の実施例においては、LEDアレ
イの点灯タイミングのみでなく、点灯するLED
素子の数も画像形成倍率変換時と共に変えている
が、点灯タイミングのみを変えてアレイを構成す
る各LED素子をすべて同時に点灯、消灯しても
本発明の目的を達することは可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子複写機の概要図、第２図乃至第５
図は基準濃度板の大きさを機械的に変換するトナ
ー補給制御装置の概要図、第６図は基準濃度板の
マスクを機械的に変換するトナー補給制御装置の
概要図、第７図は基準濃度板潜像の不要部分を消
去するトナー補給制御装置の動作説明図である。 ２２…多面シリンダー、３４…ベルト、４５…
可動板、５３…回動板、６３…可動マスク、２
３，３６，４６，５４，６４…基準濃度板、２
６，３７，４８，５７，６５…窓、７１…LED
アレイ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基準濃度板に基づく潜像を感光体上に形成
   し、潜像を現像して基準濃度板画像を形成する可
   変倍率静電記録装置において、 画像形成倍率の変更にかかわらず、前記基準濃
   度板画像を形成する潜像の面積が略一定面積にな
   るように制御する面積制御手段を有し、 前記面積制御手段により略一定面積になるよう
   に制御された潜像のみを現像し、形成される基準
   濃度板画像の濃度を検知することを特徴とする可
   変倍率静電記録装置。 ２ 前記面積制御手段が、画像形成倍率の変更に
   応じて前記基準濃度板の面積を変化させるもので
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の可変倍率静電記録装置。 ３ 前記面積制御手段が、画像形成倍率の変更に
   応じて基準濃度板を覆うマスクの開口面積を変化
   させるものであることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の可変倍率静電記録装置。 ４ 前記面積制御手段が、前記基準濃度板に基づ
   く潜像の内、所定面積外の潜像を、現像前に除電
   消去するものであることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の可変倍率静電記録装置。