JPH056349U - 自動車用排出ガスサンプリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的は、簡単な構造で正確な成分分析
の行なえる構造を備えた自動車用排出ガスサンプリング
装置を得ることにある。 【構成】本考案は、排出ガスを導入される分流希釈トン
ネル５に設けてあり、供給する希釈ガスの流量を調整す
るための開口比可変型のバルブ１２を排気管１側と分流
された排出ガスの吐出側４Ａでの圧力の差に応じてこの
差がなくなるように上記バルブ１２の開口比を調整して
流量を一定化する構成としたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用排出ガスサンプリング装置に関し、さらに詳しくは、分流 型排出ガスサンプリング装置における分流希釈トンネルの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、自動車用エンジンから排出されるガスの中には大気汚染の原因 となる有害成分が含まれていることから、エンジンの排出ガスの成分を分析する 排出ガスサンプリングの実行が必要とされている。

【０００３】 上述した排出ガスサンプリング装置としては、自動車のテ−ルパイプから排出 される排出ガス全部を用いて分析する全流型排出ガスサンプリング装置と排出ガ スの一部を取り出して分析を行う分流型排出ガスサンプリング装置とがある。 上述した全流型排出ガスサンプリング装置は、装置が大型になるために最近で は分流型排出ガスサンプリング装置が多用されている。

【０００４】 すなわち、分流型排出ガスサンプリング装置は、その一例が図３に示されてお り、この装置の構造は、自動車のテ−ルパイプに接続されている排気管１の下流 端において複数の分流管２で構成された分流管束３が設けてある。 そして、この分流管束３の中から任意の分流管２を１本選びだして分岐分流管 ４とし、この分岐分流管４を排出ガス測定用の分流希釈トンネル５内に導くよう になっている。 上述した分流希釈トンネル５は、その下流端５Ａに定量吸引装置(ＣＶＳ)６が 配置してあり、この定量吸引装置６を作動させることで上述した分流希釈トンネ ル５の上流端開口５Ｂから清浄な希釈ガスを取り入れることで、分岐分流管４の 吐出開口４Ａから導入された排出ガスの温度を清浄な希釈ガスにより下げながら 下流側に導くようになっている。そして、分流希釈トンネル５の下流側には成分 分析装置７が設けてあり、この成分分析装置７には、分流希釈トンネル５との間 に配置してある導入管８により希釈された排出ガスを導入してサンプリングし、 その成分を分析するようになっている。

【０００５】 ところで、上述した分流希釈トンネル５に導入される排出ガスは、排気管を通 過する量の一部であり、この量を一定化して分析することが必要とされている。 そこで、上述した分流希釈トンネル５における分岐分流管４の開口近傍の位置 にオリフィスで構成されている絞り部５Ｃを設け、この絞り部５Ｃにより分岐分 流管４における排出ガスの導入側と吐出側との間の圧力を一定化して排出ガスの 導入量を排気管１側と同じにすることが行なわれている。

【０００６】 なお、図２中、符号Ｓは排気管１内で流動する排出ガスの脈動を抑えるサ−ジ タンクを、そして符号Ｍはダクトをそれぞれ示している。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述した絞り部５Ｃの構造は、分流希釈トンネル５における内周壁に 固定されているものであるために、分岐分流管４における排出ガスの導入側と吐 出側との間での圧力変化に対応することができないという問題があった。 そこで、図３に示すように、絞り部５Ｃの近傍に可変空気量供給装置９に接続 された供給管１０のノズル１０Ａを位置させ、分岐分流管４における排出ガスの 導入側と吐出側との差に応じて、この差をなくすことのできる圧力により空気を 噴出させるようになっている。なお、図３中、符号Ｆはフィルタを示している。

【０００８】 しかしながら、このような構造にあっては、次のような問題があった。 すなわち、上述した可変空気量供給装置９から供給される空気は、分流希釈ト ンネル５における上流側に位置するバルブ１１により供給される希釈ガスと同様 に清浄な空気であることが望ましい。従って、供給管１０のノズル１０Ａから供 給される前には、上述した希釈ガスと同様な清浄化を行なうための装置が必要に なり、サンプリング装置自体が大型化することは否めなかった。 また、上述したノズル１０Ａからの空気の噴射量を適宜制御することは制御の 複雑化を招く原因となるばかりでなく、仮に噴射量を制御した場合にあっても、 ノズル１０Ａの目詰りがあると、適正な圧力設定を行なうことができなくなり、 結果として、ノズル１０Ａ側での目詰り防止構造も必要になることから上述した 装置の大型化を促進する結果となる。

【０００９】 そこで、本考案の目的は、上述した従来の自動車用排出ガスサンプリング装置 における問題に鑑み、簡単な構造で正確な成分分析の行なえる構造を備えた自動 車用排出ガスサンプリング装置を得ることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案は、排出ガスを導く排気管を通過する排出ガ スの一部を分岐させて清浄な希釈ガスで希釈し、この希釈された排出ガスを成分 分析器に導くことで排出ガス中の成分のサンプリングを行なう分流型構造の排出 ガスサンプリング装置において、上記分岐させた排出ガスの吐出開口およびこの 吐出開口の後方に上記成分分析器を配置させている分流希釈トンネルと、上記分 流希釈トンネルにおける上記吐出開口からの排出ガスの流動方向において上記吐 出開口よりも上流側に配置してある開口比可変型のバルブと、上記バルブに設け られていて、開口比を変化させる駆動部材と、上記駆動部材を出力側に有し、入 力側には上記排気管側での排出ガスの圧力と上記吐出開口部での排出ガスの圧力 とを検知する圧力センサがそれぞれ接続されている制御部とを備え、上記制御部 は、上記各部での排出ガスの圧力に差が生じている場合に、その圧力差がなくな るように上記駆動部材を介したバルブの開口比を調整することを特徴としている 。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、分流されて排気管から分流希釈トンネルに導入される排出ガ スの導入側と吐出側との圧力が異なる場合には、その圧力差が解消するようにバ ルブからの供給希釈ガスの量が調整される。

【００１２】

【実施例】

以下、図１において本考案実施例の詳細を説明する。

【００１３】 図１は本考案実施例による自動車用排出ガスサンプリング装置における分流希 釈トンネルを示す図３相当の模型図であり、図３に示したものと同じ構成部品に ついては同符号により示してある。

【００１４】 すなわち、分流希釈トンネル５において、矢印で示す希釈ガスの流動方向、換 言すれば、分岐分流管４の吐出開口４Ａから吐出される排出ガスの流動方向にお ける吐出開口４Ａよりも上流側には、フィルタＦを介してバルブ１２が配置して ある。 上述したバルブ１２は、開口比を可変できる構造のものであり、弁の開度調整 のための駆動部材１３に連動可能に設けてある。

【００１５】 上述した駆動部材１３は、例えば、バタフライ弁である場合には、ロ−タリソ レノイドやステッピングモ−タあるいは油圧若しくは空気圧を利用した回転部材 が弁の軸に一体化することで構成され、また、シャッタ−弁である場合には、往 復動作が可能なアクチュエ−タを備えた駆動源で構成され、後述する制御部１４ により作動態位を設定されるようになっている。 上述した制御部１４は、その詳細を示さないが、例えば、マイクロコンピュ− タにより構成されているものであり、その出力側には上述した駆動部材１３がそ して入力側には排気管１側および分流希釈トンネル５側にそれぞれ設けてある圧 力センサ１５、１６が接続されている。 上述した制御部１４にあっては、排気管１側での排出ガスの圧力および分流希 釈トンネル５における分岐分流管４の吐出開口４Ａ側での圧力を検知し、その圧 力に差が生じている場合には、その差がなくなるように希釈ガスの供給量を変化 させるべくバルブ１２の開口比を設定するようになっている。

【００１６】 本実施例は以上のような構造であるから、制御部１４においては、常時排気管 １側および分流希釈トンネル５側での圧力を検知し、その差が生じていない場合 には、現時点での希釈ガスの流量を維持するようにバルブ１２の開口比を設定す る。

【００１７】 一方、上述した各側での圧力に差が生じている場合には、その圧力差の生じて いる傾向、つまり、正方向あるいは負方向の差であるかを判別し、この傾向およ び差に応じて、差をなくす方向への開口比を割り出したうえで駆動部材１３を介 してバルブ１２の開口比を設定する。 従って、分流希釈トンネル５に供給される希釈ガスは、バルブ１２の開口比に 応じて量を調整されるので、分岐分流管４における排出ガスの導入側と吐出側と の圧力が一定にされ、排気管１側との流量と一定関係を持たせた状態で排出ガス 成分分析が行なえることになる。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、排出ガスの希釈に用いられる希釈ガスの流量を 設定するバルブを用いて分流希釈トンネルに導入される排出ガスの流量を排気管 側とトンネル側とで流動する排出ガスの圧力差に応じて自動的に設定する構成と したので、トンネル側での排出ガスの吐出部に対する空気の噴射ノズルを設ける 必要がなくなる。従って、噴射空気を用いた場合の空気清浄装置あるいは空気量 調整機構を不要にすることができ、装置の大型化を防止して既存の構造をそのま ま用いるという簡単な構造により正確な成分分析を行なうことが可能になる。

【００１９】 また、上述した空気噴射ノズルを不要にすることで、ノズルの目詰り等を防止 する特別な構造も不要にすることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例による自動車用排出ガスサンプリ
ング装置の要部を示す模型視的な断面図である。

【図２】自動車用排出ガスサンプリング装置の従来例を
説明するための模型図である。

【図３】図２に示した排出ガスサンプリング装置におけ
る要部を示す図１相当の模型視的な断面図である。

【符号の説明】

１ 排気管 ４ 分岐分流管 ４Ａ 吐出開口 ５ 分流希釈トンネル １２ バルブ １３ 駆動部材 １４ 制御部 １５ 排気管側の圧力センサ １６ 分流希釈トンネル側の圧力センサ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】排出ガスを導く排気管を通過する排出ガス
   の一部を分岐させて清浄な希釈ガスで希釈し、この希釈
   された排出ガスを成分分析器に導くことで排出ガス中の
   成分のサンプリングを行なう分流型構造の排出ガスサン
   プリング装置において、 上記分岐させた排出ガスの吐出開口およびこの吐出開口
   の後方に上記成分分析器を配置させている分流希釈トン
   ネルと、 上記分流希釈トンネルにおける上記吐出開口からの排出
   ガスの流動方向において上記吐出開口よりも上流側に配
   置してある開口比可変型のバルブと、 上記バルブに設けられていて、開口比を変化させる駆動
   部材と、 上記駆動部材を出力側に有し、入力側には上記排気管側
   での排出ガスの圧力と上記吐出開口部での排出ガスの圧
   力とを検知する圧力センサがそれぞれ接続されている制
   御部とを備え、 上記制御部は、上記各部での排出ガスの圧力に差が生じ
   ている場合に、その圧力差がなくなるように上記駆動部
   材を介したバルブの開口比を調整することを特徴とする
   自動車用排出ガスサンプリング装置。