JPH0563331B2

JPH0563331B2 -

Info

Publication number: JPH0563331B2
Application number: JP61018599A
Authority: JP
Inventors: Michiaki Sasaki
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1986-01-30
Filing date: 1986-01-30
Publication date: 1993-09-10
Also published as: JPS62175218A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野この発明は、車両用燃料タンクの蒸発燃料流出
防止装置に関する。

従来の技術自動車等の車両用燃料タンクにあつては、タン
ク本体内に発生した蒸発燃料をエバポチユーブで
キヤニスタに導出、吸着させ、このキヤニスタに
よリパージ空気と共に蒸発燃料をエンジン吸気系
に供給して蒸発燃料の処理を行なえるようにして
あるが、燃料の供給時にはフイラーチユーブの充
填口から蒸発燃料が流出して大気を汚染してしま
う問題が指摘されている（実開昭50−3119号公報
参照）。

このようなことから最近では燃料の満杯規制を
するベントチユーブをキヤニスタを介して大気に
連通する一方、フイラーチユーブ充填口の給油ガ
ン挿通部周りをシールして、給油に支障を来たす
ことなく蒸発燃料の外部流出防止を徹底させる提
案がなされている。

これを、第５図によつて具体的に説明すると、
１はタンク本体を示し、このタンク本体１の上壁
にはキヤニスタ５に連通したエバポチユーブ３を
接続してあり、タンク本体１内に発生した蒸発燃
料をエバポチユーブ３でキヤニスタ５に導出し、
このキヤニスタ５よりパージ空気と共に蒸発燃料
を図外のエンジン吸気系に供給して処理できるよ
うになつている。

４はタンク本体１上壁を貫通してこのタンク本
体１内に突出配置したベントチユーブを示し、こ
のベントチユーブ４は一般にはフイラーチユーブ
２のネツク部に連通されるのであるが、このベン
トチユーブ４はキヤニスタ６を介して大気に連通
させている。

一方、前記フイラーチユーブ２の充填口２ａは
給油ガン７を挿入した時に図外のシール部材によ
り給油ガン７の挿入部周りをシールできるように
してある。

以上の構成により、給油時にはキヤニスタ６を
介してベントチユーブ４によるベント作用を確保
した上で、フイラーチユーブ充填口２ａからの蒸
発燃料の外部流出を阻止し、また、タンク本体１
内に発生した蒸発燃料はエバポチユーブ３、ベン
トチユーブ４によりキヤニスタ５，６に導出し、
このキヤニスタ５，６より、パージ空気と共に図
外のエンジン吸気系に供給、処理しようとするも
のである。

発明が解決しようとする問題点上記ベントチユーブ４に介装されたキヤニスタ
６により蒸発燃料の流速が大きい燃料給油時にお
ける蒸発燃料の外部流出を防止するのであるがこ
の外部流出防止を確実なものとするためには、キ
ヤニスタ６を大型化したり、キヤニスタ６におけ
る吸着時間を充分に確保するためにベントチユー
ブ４の径を大きくして蒸発燃料の流速を下げるこ
とが必要となり、その結果占有スペースが大きく
なると共にコストアツプにつながり、実用化に適
さない点が指摘されている。

そこで、この発明は、ベント通路に介装された
キヤニスタを小型化できると共にベント通路の径
を大きくする必要もなく、大幅なコストダウンを
図れ、かつ蒸発燃料の外部流出を確実に防止でき
る車両用燃料タンクの蒸発燃料流出防止装置を提
供するものである。

問題点を解決するための手段キヤニスタを介してエンジンに接続したベント
通路の開口端をタンク本体内に臨設配置し、この
ベント通路の中途にオリフイスと衝突板とから成
る蒸発燃料液化装置を介装し、ベント通路の蒸発
燃料液化装置の配置部位に、蒸発燃料液化装置に
より液化した燃料をタンク本体に回収する還流通
路を分岐して接続し、この還流通路の中途に液化
燃料滞溜部を設け、この液化燃料滞溜部の出口側
に向け燃料のリターパイプの先端ノズルを臨設配
置した。

作用燃料給油時にベント通路を流過する蒸発燃料
は、蒸発燃料液化装置により液化されて、ベント
通路とタンク本体との間に設けた還流通路により
タンク本体に回収され外部流出は阻止される。

実施例以下、この発明の一実施例を図面と共に前記従
来の構成と同一部分に同一符号を付して説明す
る。

第１図において、タンク本体１内に突出配置し
たベント通路としてのベントチユーブ４はキヤニ
スタ６に連通してあり、このベントチユーブ４の
タンク本体１内の突出端部に、タンク本体１内の
燃料が所定液位となると閉弁作動するフロート弁
１０を付設してある。このフロート弁１０として
は第２図にも示すように、前記突出端部に径大部
４ａを形成すると共にその周側に通気孔４ｃを形
成し、径大部４ａ内に球状のフロート弁体１０ａ
を収容して、フロート弁体１０ａによりベントチ
ユーブ４を閉塞するようにしたものや、第３図に
示すように径大部４ａに収容したフロート１０ｂ
にニードル弁体１０ｃを突設し、このニードル弁
体１０ｃによつてベントチユーブ４を閉塞し得る
ようにしたもの等が適宜選択使用される。

尚、上記タンク本体１の上壁には、図外のキヤ
ニスタに連通したエバポチユーブを接続してあ
り、エンジン吸気系にパージ空気と共に蒸発燃料
を供給できるようにしてある。

ここで、上記ベントチユーブ４の中途であつて
キヤニスタ６の上流側には、第４図にも示すよう
に複数のオリフイス１１とこのオリフイス１１に
対向配置された衝突板１２とから成る蒸発燃料液
化装置１３が介装され、オリフイス１１を通過さ
せ蒸発燃料を圧力降下させて低温化し液化させる
ようになつている。

そして、上記オリフイス１１と衝突板１２との
間には上記タンク本体１内に通ずる還流通路とし
ての還流チユーブ１４を分岐して接続してあり、
この還流チユーブ１４には、液化燃料滞溜部１５
およびその下流に流止弁１６を介装して、この液
化燃料滞溜部１５の出口１５ａには燃料を戻すリ
ターンパイプ１７の先端ノズル１７ａを臨設して
ある。

尚、上記液化燃料滞溜部１５は、タンク本体１
の全容量に相当する蒸発燃料を液化させた際にそ
の液化燃料を収納できる容量、具体的にはタンク
本体１の全容量の1/200程度の容量に設定してあ
る。

また、上記逆止弁１６の開弁圧は、上記リター
ンパイプ１７の先端ノズル１７ａから噴出する液
化燃料の圧力値に設定してある。尚、１８はロー
ルオーバ弁、１９は逆止弁を示す。

以上の実施例構造によれば、燃料給油時におけ
るフイラーチユーブ２の充填口２ａからの蒸発燃
料の流出防止対策として、充填口２ａの給油ガン
７挿入部周りを図外のシール部材でシールして給
油する場合にあつて、ベントユチーブ４のベント
作用により燃料の給油をスムーズに行ナうことが
できる。

ここで、燃料給油時にタンク本体１内の上部空
間Ｓに滞溜する蒸発燃料は、ベントチユーブ４の
大径部４ａの底部の開口４ｂおよび通気孔４ｃを
通つて、オリフイス１１から噴出して、流速増加
により圧力降下して低温となり、液化して衝突板
１２に当たり、自重により液化燃料滞溜部１５に
流入する。

したがつて、上記ベントチユーブ４に連通する
キヤニスタ６に導出される液化燃料の量は少量と
なるため、キヤニスタ６を小型化しても確実に蒸
発燃料の外部流出を防止でき、キヤニスタ６の吸
着時間を確保するためにベントチユーブ４の径を
大きくして蒸発燃料の流過速度を低下させる必要
もない。

その結果、キヤニスタ６の占有スペースを小さ
くでき、ベントチユー４の径を小さくすることが
できるため大幅なコストダウンが図れるのであ
る。

ここで、上記液化燃料滞溜部１５に収容された
液化燃料は、エンジン始動時において、前記リタ
ーンパイプ１７の先端ノズル１７ａから噴出する
リターン燃料が燃料滞溜部１５の出口１５ａから
逆止弁１６側に噴出することによるエゼクタ作用
によつて逆止弁１６を開弁し、還流チユーブ１４
を流過してリターン燃料と共にタンク本体１に回
収される。

そして、タンク本体１内の燃料が所定液位とな
るとフロート弁１０が閉弁作動して満杯量を規制
する。この満杯量が規制された後にもフイラーチ
ユーブ２のネツク部近くにまで燃料が給油されて
も、前述のようにベントチユーブ４のタンク本体
内突出端部はフロート弁１０によつて閉塞されて
いるため、該ベントチユーブ４内に燃料が流入す
ることはない。その後、タンク本体１の上部空間
Ｓに発生する蒸発燃料は、ベントチユー４がフロ
ート弁１０で閉塞されている間は図外のエバポチ
ユーブにより図外のキヤニスタに導出されるが、
燃料液位が下がつてフロート弁１０が開弁するを
蒸発燃料はベントチユーブ４を流過し前述のよう
に処理される。

そして、ベントチユーブ４に介装された逆止弁
１９とロールオーバー弁１８により、走行中もし
くは車両のロールオーバー時におけるベントチユ
ーブ４からの燃料流出は防止され、還流チユーブ
１４に介装された逆止弁１６によりタンク本体１
内の燃料の還流チユーブ１４への逆流も防止され
る。

尚、前述したフロート弁１０のケーシングを構
成する径大部４ａのシヨルダー部４ｄは、コーナ
リング時に液面が最大に傾斜してシヨルダー部４
ｄに接近した時、上昇した弁体１０ａ，１０ｃが
ベントチユーブ４Ａのタンク本体突出端部に確実
に案内されるように液面最大傾斜角度よりも大き
な角度に設定しておくことが望ましい。

また、この発明の実施例においては、蒸発燃料
液化装置としてオリフイスと衝突板を用いたが、
冷却装置により直接的に冷却して蒸発燃料を液化
するようにしても良い。

発明の効果以上のようにこの発明によればオリフイスと衝
突板とから成る蒸発燃料液化装置によつて確実に
蒸発燃料を液化することができ、更に、液化燃料
滞溜部の出口側に向けてリターンパイプのノズル
を設けたことにより、強制的に燃料タンクに戻す
ことができるため、蒸発燃料の大部分を回収で
き、したがつて、ベント通路に介装されたキヤニ
スタの吸着能力が小さくても充分に蒸発燃料の外
部流出を阻止できることからキヤニスタを小型化
したりベント通路用の特別なキヤニスタを廃止す
ることが可能となる。

その結果、大気汚染防止対策を徹底することが
できると共に、大幅なコストダウンを図ることが
できるという実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図はこの発明の一実施例を示し、第１
図は全体断面図、第２，３図は各々フロート弁の
断面図、第４図は第１図の要部拡大断面図、第５
図は従来技術の断面図である。１……タンク本体、４……ベントチユーブ（ベ
ント通路）、６……キヤニスタ、１１……オリフ
イス、１２……衝突板、１３……蒸発燃料液化装
置、１４……還流チユーブ（還流通路）、１５…
…液化燃料滞溜部、１５ａ……出口、１７……リ
ターンパイプ、１７ａ……先端ノズル。

Claims

【特許請求の範囲】

１キヤニスタを介してエンジンに接続したベン
ト通路の開口端をタンク本体内に臨設配置し、こ
のベント通路の中途にオリフイスと衝突板とから
成る蒸発燃料液化装置を介装し、ベント通路の蒸
発燃料液化装置の配置部位に、蒸発燃料液化装置
により液化した燃料をタンク本体に回収する還流
通路を分岐して接続し、この還流通路の中途に液
化燃料滞溜部を設け、この液化燃料溜留部の出口
側に向け燃料のリターンパイプの先端ノズルを臨
設配置したことを特徴とする車両用燃料タンクの
蒸発燃料流出防止装置。