JPH0563170B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は体腔内超音波診断装置にかかり、特
に内視鏡の挿入部内に挿通された伝達系の構造の
改善に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

体腔内超音波診断装置装置にあつては、内視鏡
に超音波操作機構部を一体に設けて構成されるも
のとして知られている。

こうした体腔内超音波診断装置は、内視鏡の挿
入部の先端部内に超音波振動子を回転自在に設
け、また挿入部の基部側に超音波操作部を設け
る。さらに、挿入部内に先端部と超音波操作部と
の間に渡り可撓性のガイドチユーブを設置する一
方、ガイドチユーブ内に上記超音波操作部で発生
する回転を上記超音波振動子に伝える可撓性の駆
動軸を挿通して構成される。そして、使用にあた
つては、超音波振動子を内視鏡の挿入部の挿入に
伴い体腔内に挿入し、この状態で超音波操作部を
作動することにより、超音波操作部で発生した回
転力で超音波振動子を回転駆動して体腔内を走査
するようにしている。

こうした体腔内超音波診断装置においては、従
来から、特開昭57−190552号でも示すようにガイ
ドチユーブならびに駆動軸の両端を内視鏡の先端
部、超音波操作部に固定して、これにて回転を超
音波振動子に伝える構造が採用されている。

ところで、ガイドチユーブならびに回転軸は、
挿入部が透明ではないので内部にガイドチユーブ
ならびに駆動軸がどのような状態で挿通されてい
るかがかわからない事情にあるが、ガイドチユー
ブおよび駆動軸の両端を固定する先の構造による
と、組付時、ガイドチユーブおよび駆動軸が非自
然状態のままで固定されてしまうことがしばしば
で、ガイドチユーブと駆動軸との間における摩擦
が大きくなつてしまう不都合がある。しかも、ガ
イドチユーブおよび駆動軸が自然な状態で固定さ
れたとしても、その両端が固定されていることか
ら挿入部を彎曲させたときにガイドチユーブ、駆
動軸が挿入部内で蛇行したり、突つ張つたりして
ガイドチユーブと駆動軸との間の摩擦が増加する
不都合がある。こうした、摩擦は駆動軸の回転不
良をきたして、超音波断層像の振れを生じ、診断
上、悪い影響を及ぼしてしまうところで、こうし
た点を解消できるものが要望されている。

〔発明の目的〕

この発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、ガイドチユーブと
駆動軸との間に発生する摩擦を軽減することがで
きる体腔内超音波診断装置を提供することにあ
る。

〔発明の概要〕

すなわち、この発明は挿入部内に挿通されるガ
イドチユーブ、駆動軸のうちのすくなくとも一方
で、かつその先端部、超音波操作部側のうちのす
くなくとも一方の端部を軸方向に移動可能に支持
することにより、ガイドチユーブ、駆動軸の軸方
向に対する移動で、ガイドチユーブと駆動軸との
間の摩擦を軽減しようとするものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明を第１図ないし第５図に示す第
１の実施例にもとづいて説明する。第４図は体腔
内超音波診断装置の全体を示し、１は内視鏡２の
操作部、３は超音波操作部、４は、先端構成部
５、彎曲部６および可撓管部７を順次連結して構
成される挿入部である。そして、上記操作部１に
対し超音波操作部３、挿入部４が順次直列に連結
されるとともに、ユニバーサルコード８は連結さ
れる。また操作部１から先端構成部５にかけて図
示しないイメージガイドならびにチヤンネルが挿
通されている一方、ユニバーサルコード８の先端
部に設けたコネクター部９から先端構成部５に渡
り図示しないライトガイド、送気・送水チヤンネ
ルが挿通されていて、操作部１に設けた接眼部１
０から先端構成部５の前方斜視方向を目視できる
ようにしているとともに、送気・送水を行なうこ
とができるようにしている。なお、１１は操作部
１に設けた上記彎曲部６を彎曲操作するためのア
ングルノブである。また挿入部４の先端となる先
端構成部５の内部には第５図で示すように、超音
波振動子１２を組み込んだ回転子１３が回転自在
に内蔵されている。

一方、超音波操作部３としてはケース１７内
に、中央が二股に分れたフレーム１８を設け、こ
のフレーム１８に第５図で示す減速機構１９、ヘ
ツドアンプ２０を直列に配するとともに、先の減
速機構１９の入力部に動力源としてのモータ２０
ａを設けて構成される。もちろん、減速機構１９
の出力軸１９ａは挿入部４と同軸的に配置され
る。そして、フレーム１８によつて挿入部４と超
音波操作部３とを連結するようにしている。また
フレーム１８の挿入部４と連結する先端部分には
油溜り部２１が設けられる。

他方、挿入部４内には第５図で示すように、先
端構成部５と超音波操作部３とに渡つて、テフロ
ンなどの滑り性がよい、耐油性のある材質から構
成された可撓性のガイドチユーブ２３が挿通され
ている。またこのガイドチユーブ２３内にはコイ
ルスプリングで構成される駆動軸２４が回転自在
に挿通されている一方、この中空の駆動軸２４内
に信号線２５が挿通されている。そして、このう
ちの駆動軸２４はその先端が上記超音波振動子１
２の回転子１３に連結され、また後端が油溜り部
２１を貫通して減速機構１９の出力軸１９ａに連
結金具２６を介して連結されていて、駆動軸２４
を通じて超音波振動子１２を回転駆動できるよう
にしている。また信号線２５はその先端が上記超
音波振動子１２に接続され、後端が駆動軸２４な
らびに出力軸１９ａを貫通して上記ヘツドアンプ
２０に接続されている。そして、このヘツドアン
プ２０は、ユニバーサルコード８に分岐して接続
されたケーブルチユーブ１４を通して先端のコネ
クター１５に接続され、コネクター１５から超音
波振動子１２の信号を取り出すことができるよう
にしている。すなわち、コネクター１５を図示し
ない超音波観測装置に接続することにより、画像
が得られるようになつている。なお、１６はケー
ブルチユーブ１４の途中に介装されたアンプボツ
クスである。また、ガイドチユーブ２３はその先
端部が先端構成部５に連結され、後端が超音波操
作部３の油溜り部２１に固定されている。そし
て、このガイドチユーブ２３の超音波操作部３側
の端部の接続に、この発明が適用されている。そ
して、この接続部の構造が第１図ないし第３図に
示されている。

これは、油溜り部２１の構造を利用してガイド
チユーブ２３の端部を軸方向に対しスライド自在
に支持するようにしたもので、詳しくは次のよう
になつている。

すなわち、オイルチユーブ２７が接続された有
底筒状のハウジング２８内に、２個のベアリング
２９，２９ならびに防油部材３０を内装して、油
溜り部２１を構成する。なお、３１はベアリング
スペーサである。そして、この油溜り部２１を、
その開口側を挿入部４側に向けた状態でフレーム
１８の先端に、第３図でも示すように２枚の挟み
板３２ａ，３２ａならびにゴムダンパー３２ｂ，
３２ｂを使つて固定する。また、ガイドチユーブ
２３の端部に先のハウジング２８に対して摺動自
在に嵌挿する筒状の接続金具３３を接続し、この
接続金具３３を上記ハウジング２８内に組み込む
ことでガイドチユーブ２３を軸方向にスライド自
在に支持するようにしている。なお、各ベアリン
グ２９，２９で駆動軸２４を軸受けするようにし
ていることはもちろん、防油部材３０でベアリン
グ２９と駆動軸２４との間をシールするようにし
ている。また、接続金具３３はフレーム１８の先
端部分に形成されたストツパー部３４で、ハウジ
ング２８から抜けるのが防止されている。

そして、こうしたガイドチユーブ２３ならびに
油溜り部２１内の全てには流動パラフインなどの
超音波伝播媒体２２が充満されていて、超音波伝
播の働きをなす他、駆動軸２４とガイドチユーブ
２３と間における摩擦を防ぐ潤滑材の働きをなる
ようにしている。なお、接続金具３３の外周面に
はＯリングなどの防油部材３４が設けられてい
て、超音波伝播媒体の漏れを防止しながら軸方向
に自由にスライドできるようになつている。

なお、第３図において、３５……はフレーム１
８の側部に沿つて収容された内視鏡内蔵物であ
る。

しかして、このようにして構成された体腔内超
音波診断装置は、ガイドチユーブ２３の端部が軸
方向に移動自在に支持されているがゆえに、挿入
部４の彎曲がなされることで、ガイドチユーブ２
３が挿入部４の形状に沿つた形状で、両端が固定
された駆動軸２４に対する摩擦を軽減させる方向
に常にスライドして、どのような状態で挿通され
ているかがわからないガイドチユーブ全体をその
状態で一番自然な状態に定めることになる。故
に、非自然な状態を回避することができると同時
に、挿入部４の彎曲させたときにおける駆動軸２
４とガイドチユーブ２３との相互の摩擦を軽減す
ることができるのである。

したがつて、駆動軸２４の回転不良を解消する
ことができ、超音波断層像の振れをなくすことが
できる。しかも、ガイドチユーブ２３のスライド
から自然な状態が挿入部４の彎曲から自動的に形
成されることで、ガイドチユーブ２３の長さとし
ては、従来の両端固定に比べそれほどシビアでな
くてよくなり、その分、ガイドチユーブ２３の長
さ位置決めのための切断をしやすく、またテフロ
ンを接着可能とするためのテトラエツヂ処理など
の端面処理を容易にすることができる利点もあ
る。

なお、上述した第１の実施例ではガイドチユー
ブ２３の超音波操作部３側の端部を移動自在に支
持したものを一例に示したが、第６図で示す第２
の実施例で示すようにガイドチユーブ２３の先端
部側の端部を移動自在に支持するようにしても先
の第１の実施例と同様の効果を奏する。

すなわち、第６図に示すものはガイドチユーブ
２３の先端部に、外周面にフランジ４０を設けた
接続金具４１を接続する一方、先端構成部５に上
記フランジ４０の外形に対応した円筒状の空間部
４３を形成し、この空間部４３内に上記フランジ
４０と共に接続金具４１をスライド自在に嵌挿し
たもので、接続金具４０の移動からガイドチユー
ブ２３を上述した第１の実施例と同様、移動する
ことができるようにしている。もちろん、ガイド
チユーブ２３の両端を移動自在に支持するように
してもよいことはいうまでもない。

また、先の各実施例はガイドチユーブ２３のみ
を移動自在に支持するようにしたものを示した
が、第７図および第８図で示す第３の実施例のよ
うにガイドチユーブ２３および駆動軸２４の両方
を移動自在としてもよく、このようにすれば、よ
りスムーズに自然な状態にすることができる。

すなわち、第７図はガイドチユーブ２３および
駆動軸２４の超音波操作部３側の端部の接続部に
この発明を適用したものを示し、詳しくはガイド
チユーブ２３側の接続部の構造としては、フレー
ム１８の先端側に、内側にリニアボールベアリン
グ５０を装着した球面滑り軸受５１を設け、この
球面滑り軸受５１のリニアボールベアリング５０
に第１図に示すハウジング２８をスライド自在に
嵌挿したもので、リニアボールベアリング５０で
軸方向に、また球面滑り軸受５１でラジアル方向
ないし斜めの方向に移動自在にガイドチユーブ２
３を支持するようにしている。そして、これら支
持にて挿入部４を彎曲ないしねじるときに、ガイ
ドチユーブ２３をスライドさせて、その状態で一
番自然な状態となるようにしている。一方、駆動
軸２４側の構造としては、たとえば減速機構１９
の出力軸１９ａの先端部の径を大径とし、この大
径部分６０の周壁に第８図でも示すように、互い
に対向する一対の楕円溝６１を形成する。また、
駆動軸２４の端部に、駆動軸２４と直角方向に沿
つてスライド金具６２を突設し、径方向に突き出
るスライド金具６２の各端部を上記楕円溝６１，
６１にスライド自在に嵌挿して、出力軸１９ａか
ら駆動軸２４に回転を伝えることができるように
すると同時に、駆動軸２４を軸方向に移動できる
ようにしたもので、挿入部４を彎曲させることに
より駆動軸２４がスライドして先のガイドチユー
ブ２３のときと同様、自然な状態になれるもので
ある。もちろん、超音波操作部３側だけでなく先
端側にも、このような構造を設けてもよく、この
ようにすれば、ガイドチユーブ２３および駆動軸
２４の双方が、よりスムーズに自然な状態になれ
る。

なお、上述した各実施例では、ガイドチユーブ
に、またガイドチユーブならびに駆動軸の双方に
この発明を適用したものを例に挙げたが、駆動軸
のみにこの発明を適用するようにしても、同様な
効果を得ることができることはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上説明したようにこの発明によれば、摩擦を
軽減させる方向にガイドチユーブまたは駆動軸、
さらにはガイドチユーブおよび駆動軸の両方が移
動できるようになり、挿入部の彎曲にてガイドチ
ユーブ、駆動軸をその状態で一番自然な状態に定
めることになる。

したがつて、非自然な状態を回避することがで
きると同時に、挿入部を彎曲させたときにおける
駆動軸とガイドチユーブとの相互の摩擦を軽減す
ることができる。よつて、駆動軸の回転不良を解
消することができ、超音波断層像の振れをなくす
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの発明の第１の実施例
を示し、第１図はガイドチユーブの超音波操作部
側の端部の接続構造を示す断面図、第２図はその
平面図、第３図は第１図Ａ〜Ａ線に沿う断面図、
第４図は体腔内超音波診断装置の全体を示す側面
図、第５図はその先端部および超音波操作部の概
略構成を示す斜視図、第６図はこの発明の第２の
実施例を示す断面図、第７図はこの発明の第３の
実施例を示す断面図、第８図はその第７図Ｂ〜Ｂ
矢視に沿う側面図である。 ３……超音波操作部、４……挿入部、１２……
超音波振動子、１９ａ……出力軸、２１……油溜
り部、２３……ガイドチユーブ、２４……駆動
軸、２８……ハウジング、３３……接続金具、６
２……スライド金具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内視鏡の挿入部の先端部内に超音波振動子を
   回転自在に設け、上記挿入部の基部側に超音波操
   作部を設け、上記挿入部内に先端部と超音波操作
   部との間に渡り可撓性のガイドチユーブを設置す
   る一方、ガイドチユーブ内に上記超音波操作部で
   発生する回転を上記超音波振動子に伝える可撓性
   の駆動軸を挿通してなる体腔内超音波診断装置に
   おいて、上記ガイドチユーブ、駆動軸のうちのす
   くなくとも一方で、かつその先端部、超音波操作
   部側のうちのすくなくとも一方の端部を軸方向に
   移動可能に支持してなることを特徴とする体腔内
   超音波診断装置。