JPH0562832U - 高温炉内での移動物体の温度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温炉内でセンサーを炉外へ引き出すことな
く連続使用を可能とし、炉内の移動物体の温度管理及び
その品質管理を十分行うこと。 【構成】 温度測定手段を有し該温度測定手段を高温炉
壁１内に挿入し炉内の移動物体２の測温を行う温度測定
装置であり、温度測定手段６を設けて炉外から回動自在
に構成されたセンサーヘッド３と、センサーヘッド３を
その回動により収納自在とした水冷保護筒１３と、水冷
保護筒１３に炉外から冷却水を供給する冷却水供給手段
１０〜１２と、センサーヘッド３の近傍周辺にガスパー
ジを行うべく炉外からガスを供給するパージガス供給手
段１８〜２２とを備え、測定時にセンサーヘッド３を回
動させ水冷保護筒１３から出して移動物体２に接触させ
その測温を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鋼板の連続焼鈍ラインにおいて鋼板温度を測定するような高温炉内 での移動物体の温度測定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

鋼板の連続焼鈍ラインにおける鋼板の温度測定のような高温炉内での移動物体 の温度測定装置としては、大きくは接触式表面温度計か非接触型の輻射式温度計 を用いた温度測定装置の２種類であり、従来、それぞれについて種々提案されて いる。そのような中で、連続焼鈍ラインのたて型炉内の鋼板温度を測定するため 、炉の横から挿入し、炉壁を支点として鋼板にセンサーヘッドを押しつけて温度 測定するタイプの接触型温度測定装置があった。

【０００３】 このタイプの接触型温度測定装置は、高温の炉内で長時間連続使用ができない ため、温度測定が終了する度に炉から引き出して、修理を行い、再度温度測定を 行うようにしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来の温度測定装置は、連続使用ができず、温度測定が終了する 度に炉から引き出して、修理を行い、再度温度測定を行わなければならないため 、連続焼鈍ラインにおいて鋼板温度を測定するような連続測温の必要性がある温 度測定装置としては、その温度測定が途切れるため温度管理が十分でなく、その 品質管理を十分に行えないという問題点を有していた。

【０００５】 本考案は、上記従来の問題点に鑑み、高温炉内でセンサーを保護可能とし、当 該センサーを炉外へ引き出すことなく連続使用が可能であり、炉内の移動物体の 温度管理ひいてはその品質管理が十分行える高温炉内での移動物体の温度測定装 置を提供することを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案の高温炉内での移動物体の温度測定装置は、 温度測定手段を有し該温度測定手段を高温炉内に挿入し当該炉内の移動物体の測 温を行う温度測定装置であって、温度測定手段を設けて炉外から回動自在に構成 されたセンサーヘッドと、該センサーヘッドをその回動により収納自在とした水 冷保護筒と、該水冷保護筒に炉外から冷却水を供給する冷却水供給手段と、前記 センサーヘッドの近傍周辺にガスパージを行うべく炉外からガスを供給するパー ジガス供給手段とを備え、測定時にセンサーヘッドを回動させ水冷保護筒から出 して移動物体に接触させその測温を行うように構成しているのである。

【０００７】

【作用】

本考案は上記した構成によって、高温の炉内にあって、移動物体に接触させて 測温した後、温度測定手段を有するセンサーヘッドを回転して水冷保護筒内に退 避収納することができ、次の測温タイミングには、センサーヘッドを再度回転す ることにより、移動物体に接触させてその温度を測定することができ、センサー ヘッドを水冷保護筒で保護しながら連続使用が可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案高温炉内での移動物体の温度測定装置の実施例について、図１〜 図４を参照しながら詳細に説明する。 図１は本考案の第１の実施例を一部断面して示す概略平面図、図２は同センサ ーヘッドを有する先端部の拡大断面図、図３は図２におけるＸ−Ｘ線断面図、図 ４は図２における後部部分の拡大断面図を示すものである。

【０００９】 図１〜図４において、１は高温炉を構成する炉壁であり、２はその炉壁１内に おいて移動する移動物体である鋼板である。３は前記鋼板２の表面温度を測定す る温度測定手段を有するセンサーヘッドであり、このセンサーヘッド３はアーム 部材４の先端に設けられ、該アーム部材４は前記炉壁１に形成した貫通孔５を介 して炉壁１外から矢印Ａ方向へ回動可能となっている。

【００１０】 前記センサーヘッド３には、温度測定手段の検出部となるヘッド部６と、セラ ミックローラ７と、ヘッド基体部８とを備え、そのヘッド基体部８を前記アーム 部材４の内部に貫通させた支持管９に支持しており、この支持管９をアーム部材 ４の軸心において回動可能としている。

【００１１】 前記アーム部材４は、最外管１０とその内部の管１１及び管１２によって、冷 却水路を構成すると共に、先端に前記センサーヘッド３の保護用の水冷保護筒１ ３を構成しており、前記支持管９のアーム部材４に対する回動によってセンサー ヘッド３を当該水冷保護筒１３に収納できるようにしている。

【００１２】 そして、センサーヘッド３を水冷保護筒１３内に収納した状態では、該水冷保 護筒１３の開放端側にはヘッド基体部８が位置するようになっており、そのヘッ ド基体部８は、それ自体が水冷保護筒１３の開放端側に位置しても冷却されるよ うに、前記支持管９内に挿嵌させた軸管１４を介して、そのヘッド基体部８内部 に冷却水を供給するようにしている。また、支持管９内には、前記鋼板２の温度 をヘッド部６にて検出した検出信号を取り出すための配線１５をも挿嵌させてい る。

【００１３】 前記アーム部材４を構成する管１０〜１２は、炉壁１外に延長しており、その 後端に冷却水出口１０ａ、冷却水入口１１ａ、冷却水管ガスパージ口１２ａをそ れぞれ設けている。そして、冷却水入口１１ａより供給された冷却水は、管１１ と管１２との間を通って水冷保護筒１３部分に供給され、この水冷保護筒１３よ り管１１と管１０の間を通って循環され、冷却水出口１０ａより排水されること となり、この間に管１０をはじめとするアーム部材４と水冷保護筒１３を冷却す ることとなる。また、冷却水管パージ口１２ａにはパージガスが供給され、水冷 管を構成する管１２の内面の空間に溜まる空気を水冷保護筒１３部分より開放端 を介して炉内に放出するものである。

【００１４】 また、前記アーム部材４を構成する管１０は、その後端部近傍を、保持部材１ ６にシール部１７をもって保持しており、該保持部材１６には管１０と一定の間 隔を有し覆うように構成された大径の管１８の一端を保持している。

【００１５】 この管１８の他端は、フランジ１９ａを備え、以下、フランジ１９ｂ、ベロー ズ２０、フランジ１９ｃ、１９ｄ、仕切弁２１、フランジ１９ｅ、１９ｆ、管２ ２及びフランジ２３を介して炉壁１に接続されており、当該管１８の内部１８ａ は前記炉壁１の貫通孔５に前記仕切弁２１を介して連通されている。

【００１６】 そして、前記管１８には、ガスパージ口２４を設け、このガスパージ口２４よ りパージガスを供給することによって、当該パージガスを貫通孔５より炉内に供 給し、センサーヘッド３及びアーム部材４の外周をパージすることとなる。また 、前記フランジ１９ｂと１９ｃとの間を、前述のベローズ２０以外にアーム２５ ａ、２５ｂで軸２６を介して連結し、かつ管１８にハンドル２７を設けて、この ハンドル２７を矢印Ｂ方向に操作することにより、フランジ１９ｂと１９ｃ間は 容易に変形し、該管１８は軸２６を中心に回動することができる。

【００１７】 したがって、管１８に保持部材１６によって保持された管１０（すなわちアー ム部材４）も回動して、センサーヘッド３を矢印Ａ方向に回動することになり、 水冷保護筒１３より出されているセンサーヘッド３を鋼板２の表面に接触させ、 その測温を行うことができる。

【００１８】 ２８は前記管１２と支持管９との間の隙間の後端のシールを行うシール部材で あり、当該隙間を通して炉内の高圧ガスが洩れるのを防止するものである。また 、支持管９の後端部近傍には、この支持管９を軸心方向に回動するハンドル２９ を設け、前述したセンサーヘッド３の軸心方向の回動を可能としている。

【００１９】 この支持管９の最後端には、密閉ケース３０を設けてこの密閉ケース３０に、 センサー部パージ口３１と、前記配線１５の外部接続用コネクター３２と、前記 軸管１４内への冷却水入出口用ソケット３３とを備えている。そして、センサー 部パージ口３１よりパージガスを供給することにより、支持管９と軸管１４との 隙間の空気をセンサーヘッド３側に導き、パージすることができる。また、ソケ ット３３より冷却水を入出することによって、ヘッド基体部８をその内部から冷 却することができる。

【００２０】 以上のように構成された高音炉内での移動物体の温度測定装置について、以下 その動作について説明する。

【００２１】 まず、第１図に示す状態を、今から測温しようとしている状態、すなわちセン サーヘッド３をハンドル２９の回動操作により水冷保護筒１３から出した状態と する。この状態で、ハンドル２７を矢印Ｂ方向に操作することにより、軸２６を 中心にアーム部材４及びセンサーヘッド３を矢印Ａ方向に回動し、ヘッド部６を 鋼板２の表面に接触するまで回動して当該鋼板２の表面温度を測温し、その測温 が終了するとハンドル２７を元に戻し、ハンドル２９の回動によってセンサーヘ ッド３を図３に示す矢印Ｃ方向に回動することにより水冷保護筒１３内に収納す る。この状態では、センサーヘッド３は、常時冷却水によって冷却されている水 冷保護筒１３とヘッド基体部８により、炉内の高温雰囲気から保護されることと なる。そして、測温が必要なタイミングで、前述と同様な操作をくり返すことに よって、順次鋼板２の表面温度を測温することができることとなる。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案は、温度測定手段を有し該温度測定手段を高温炉内に挿入 し当該炉内の移動物体の測温を行う温度測定装置であって、温度測定手段を設け て炉外から回動自在に構成されたセンサーヘッドと、該センサーヘッドをその回 動により収納自在とした水冷保護筒と、該水冷保護筒に炉外から冷却水を供給す る冷却水供給手段と、前記センサーヘッドの近傍周辺にガスパージを行うべく炉 外からガスを供給するパージガス供給手段とを備え、測定時にセンサーヘットを 回動させ水冷保護筒から出して移動物体に接触させその測温を行うように構成し たので、高温炉内センサーを保護可能として、当該センサーを炉外へ引き出すこ となく連続使用が可能であり、炉内の移動物体の温度管理ひいてはその品質管理 が十分行える高温炉内での移動物体の温度測定装置を提供することができるもの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を一部断面して示す概略
平面図である。

【図２】同センサーヘッドを有する先端部の拡大断面図
である。

【図３】図２におけるＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】図２における後部部分の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 炉壁 ２ 鋼板（移動物体） ３ センサーヘッド ４ アーム部材 ５ 貫通孔 ６ センサーヘッド３のヘッド部 ９ 支持管 １０〜１２ 冷却水供給用管 １０ａ 冷却水出口 １１ａ 冷却水入口 １２ａ、２４、３１ ガスパージ口 １３ 水冷保護筒 １４ 軸管 ２６ アーム部材４の回動軸 ２７、２９ ハンドル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 温度測定手段を有し該温度測定手段を高
   温炉内に挿入し当該炉内の移動物体の測温を行う温度測
   定装置であって、温度測定手段を設けて炉外から回動自
   在に構成されたセンサーヘッドと、該センサーヘッドを
   その回動により収納自在とした水冷保護筒と、該水冷保
   護筒に炉外から冷却水を供給する冷却水供給手段と、前
   記センサーヘッドの近傍周辺にガスパージを行うべく炉
   外からガスを供給するパージガス供給手段とを備え、測
   定時にセンサーヘッドを回動させ水冷保護筒から出して
   移動物体に接触させその測温を行うように構成したこと
   を特徴とする高温炉内での移動物体の温度測定装置。